旭化成ホームズ 二世帯ノウハウ生かし新たな「近居」「遠居」プラン提案
旭化成ホームズは8月2日、共働き子育て家族の家づくりに役立つよう「二世帯」「近居」「遠居」タイプごとに新たな「親子コラボ」提案を行うと発表した。
同社の「共働き家族研究所」と「二世帯住宅研究所」が「同居・近居・遠居」における親サポートの実態を共同で研究・調査した結果、二世帯「同居」だけでなく、「近居」や「遠居」の場合でも共働き子世帯の多くが親から子育て・家事のサポートを受けている実態や、そのサポート内容は住まいの距離に応じて異なること、近居・遠居であっても同居の場合と同様に親への気兼ね・気苦労が存在することなどから、「同居」「近居」「遠居」それぞれのプランニングなどの情報を発信し、共働き子育て家族の家づくりをサポートするというもの。
「近居」タイプでは、留守中でも親世帯が子育てサポートしやすいよう親アクセスゾーンと子世帯プライバシー確保ゾーンに分けているのが特徴。
「遠居」タイプは、親用の駐車スペースを確保し、宿泊する部屋、「子育て・家事」サポートゾーンを設けているのが特徴。
8月6日(土)から全国の展示場で「共働き家族の家づくりフェア」を実施し、「親子コラボ」を積極的に提案していく。
発表会で同社取締役専務執行役員・川畑文俊氏は「二世帯住宅をベースに近居、遠居に対応できるプランを提案することで、受注の間口を広げるのが狙い」などと語った。
アキュラホーム 木造建築の新時代開く大空間の「住まいと暮らしサロン」完成

「住まいと暮らしサロン」
アキュラホームは7月22日、埼玉県熊谷市に完成させた同社埼玉北支店オフィス棟「住まいと暮らしサロン」の竣工お披露目発表会を行った。中規模木造建築の普及を目指すため、一般住宅用流通材と加工技術を用いた最先端の3階建て建物で、最大無柱空間16m×6m、最高高さ9.4mを実現した。
構造は、東京大学大学院木質材料学研究室教授・稲山正弘氏、意匠設計・監理監修は河野泰治アトリエ主宰・河野泰治氏が担当。広さ16m×6m、天井高最高9mの大空間を作り出す「シザーストラスアーチ」の3階建てと2階建てオフィス棟からなる延べ床面積約431.34㎡。2階部分を間口方向に1.5m、奥行き方向に3m、2方向に跳ね出させる(オーバーハング)高度な技術が採用されているのも特徴。柱は地元・西川材、その他は北欧材。建築コストはおおよそ坪100万円。
建物は、同社の埼玉北支店オフィスとして使用されるほか、地域住民の各種講座やサークル活動の場として提供していく。
同社社長・宮沢俊哉氏は発表会で「現在の中大規模木造は補助金頼り。鉄骨でつくって内装に木を使うと坪180万から200万円にもなる。これではなかなか普及しない。今回は稲山先生や河野先生から学ばせていただいて、木造建築物の新たな時代の幕開けとなるワクワクするような素晴らしい空間ができた。これをプロトタイプにして、さらに研究を加えユニット化し坪80万円くらいでできるようにしたい」と語った。
構造を担当した稲山氏は「この建物は精度が高く、加工技術も難しく高度なテクニックが必要だが、試行錯誤を重ねながら普及版を開発したい」と話した。河野氏は「オフィスで働く人も、ここに訪れる地域の人も木のにおい、温かみを実感でき、誰でも楽しめる建物に仕上がった」と語った。

シザーストラスアーチ(左)と階段

耐力壁の上下に開口部が設けられている
◇ ◆ ◇
稲山先生と河野先生の姿を見たとたん、記者は「なるほど」と思った。稲山先生とは2007年だからもう9年前だ。初めて「耐力壁ジャパンカップ」を取材したときから、毎年のように楽しく、かつちんぷんかんぷんの難しい話を聞いてきた。河野先生もそうだ。
4年前にアキュラホームが優勝したとき、宮沢社長は商品化も明言している。稲山先生と組んで今回の建物が完成したのは当然の成り行きだと思う。
難しい技術的なことは分からないので、とにかく美しい木の表情を写真で見ていただきたい。稲山先生が「1フロアの高さは2.7mで、高さ2mの耐力壁の上下に開口部を設けることができたのは画期的」と語ったように、オフィスの足元と上部に風が通る窓が設置されているのもよく見ていただきたい。
建築物は「美しくないといけない」のが記者の持論であり、丹下健三は「美しい建築物のみが機能的」とも語った。お三方の表情も輝いているように見えるではないか。

左から宮沢氏、河野氏、稲山氏

稲山氏(左)と河野氏

ポラス 4年振り7度目の耐力壁トーナメント優勝 総合は滋賀職能大が4連覇(2015/8/14)
三井不レジル 町田駅徒歩圏で都市型戸建て「ファインコート町田旭町一丁目」

「ファインコート町田旭町一丁目」
先の三井不動産レジデンシャル「ファインコート玉川学園スカイプレミア」に続いて「ファインコート町田旭町一丁目」を紹介する。
物件は、小田急電鉄小田原線町田駅から徒歩16分、又はバス6分(バス停3分、乗車3分)、町田市旭町1丁目に位置する全8区画。土地面積は107.07~108.33㎡、建物面積は96.37~105.64㎡、価格は未定だが、5,000万円台中心になる模様。構造は木造2×4工法。施工はエステーホーム。入居予定は平成28年9月中旬。
現地は、駅からフラットな商店街を抜けた建ぺい率50%(一部60%)、容積率100%の第2種中高層住居専用地域に立地。街並みは、全体がやや南北に細長い敷地の中央に幅約4.5mの道路を通し、シンメトリックな英国式庭園邸宅のデザインになっているのが特徴。
シンボルツリーにエメラルドグリーンを、エントランス部分にレンガウォールをそれぞれ配し、全戸にルーフバルコニーを設置。2階にも花台を設けたり、鎧戸、ブラケットなどを設置したり細部にもこだわりのデザインが施されている。
建物の設備仕様は、和室は置き畳とし床暖房を採用しているほか、「ファインコート」では初採用というキッチンカウンター収納と、ノンフライ調理可能のマルチグリルが搭載されていた。
キッチンカウンター収納は、先日見学した大京の「小岩」のマンションで見学したのとほとんど同じだった。収納の内部はホーロー製でマグネットが使えるスグレモノだ。洗剤やその他の小物がすぐ取り出せ、しかもリビングからシンクなどを隠せる機能もある。
マルチグリルは、油を敷かなくても肉や魚、ハンバーグなどが焼くことができるものだが、ご来場した奥様からは大変人気を得ている様子。
販売を担当する同社地域開発部営業室 販売所長・板垣圭将氏は「市内の住宅地としてはこの旭町、中町、森野の人気が高く、反響も多い。バスも平日は1日330本運行されているので非常に希少性が高い」と、販売に自信を見せていた。申し込み登録は7~8月の予定。


積水ハウス 古河に2億円「イズ・ステージ」と1.2億円「グラヴィス・ヴィラ」

「イズ・ステージ」(左)と「グラヴィス・ヴィラ」
積水ハウスは7月12日、メディア向けに茨城県古河市の「エコ・ファースト パーク」&「住まい夢工場」見学会を行い、数十人のメディア関係者が同社の地球温暖化や生態系保存、資源循環などの社会的課題への取り組み、最新のモデルハウスを見学した。
◇ ◆ ◇
「エコ・ファースト パーク」については、昨年5月にオープンしたときも取材し記事にしているのでそちらを参照していただきたい。「地球温暖化対策」「生物多様性の保全」「資源循環への取り組み」の3つのテーマについて、「風の家」「あしたの家」「木の家」「生きものの庭」「資源の泉」を通じて体験し、学び、研究できるようにしているもの。これまで来場者は約4,400人に上っている。
小学生の課外授業向けのリサイクル学習コーナーも「資源の泉」に新置している。

「生きものの庭」

リサイクル学習コーナー
◇ ◆ ◇
驚嘆したのは2つのモデルハウスだった。一つは、同社の木造住宅シャーウッドの最高峰「グラヴィス・ヴィラ」だ。1階の延べ床面積が約137㎡、2階が約73㎡、スキップフロアが27㎡、小屋裏が約6㎡の合計約283㎡の豪華な建物だが、何より素晴らしいのは1階の天井高が約3.7mもあり、2階吹き抜けを含めると6m以上の大空間が演出されている。
建具・面材には高級材のサベリ、パーチなどが多用され、1階の洋室の床はクリ材のナグリ仕上げになっていた。
かといってもで、モデルハウスにありがちな奇をてらったものではなく、全体としてシンプルで端正なデザインに木造ファンの記者はほれ込んだ。値段を聞いたら、モデルハウス仕様で約1.2億円だった。
この日、記者は朝から気分がすぐれず、この最高峰の「グラヴィス・ヴィラ」を見て〝もう十分。帰りたい〟と思った。
同社関係者の「最後にもう一つぜひ見ていただきたいモデルハスウがありますから」という声に仕方なくついていくと、確かにそれはあった。
軽量鉄骨2階建ての最新作「イズ・ステージ」だった。外観は、大きなガレージ付きのシンメトリックで深い陰影が高級感を演出しているのだが、圧巻は〝オール紫檀〟ともいうべき床・面材だった。これまで紫檀を採用したマンションや戸建てはたくさん見てきているが、これほど多く採用したものは初めて見た。
客をもてなすための庭と一体となった壁材に大谷石を用いた玄関や、サウナ・浴室付きの和風のゲストルームも最高に素晴らしい。こちらの値段は約2億円ということだった。
普通の人が見ると溜息しか出ないだろうが、本物のお金持ちが見たら「この通りに造ってほしい」といいそうな住宅だ。
木造も鉄骨系も富裕層を取り込もうとする同社の意欲がひしひしと伝わってきた。

「グラヴィス・ヴィラ」

「イズ・ステージ」
ポラスグループ 竹ノ塚で46棟の戸建て分譲 出色の商品企画 すべり出し好調

「パレットコート竹ノ塚 東京ステイト」
ポラスグループの中央グリーン開発と中央住宅不動産開発部が共同で分譲中の戸建て「パレットコート竹ノ塚 東京ステイト」を見学した。竹ノ塚駅から徒歩8分、獨協大学女子学生寮跡地に建設される全46棟の大規模戸建て分譲住宅で、販売開始から約1カ月間に16棟が成約するなど極めて好調なスタートを切った。同大学の事業コンペに満場一致で選ばれた商品企画が光った。
物件は、東武伊勢崎線竹ノ塚駅から徒歩8分、足立区伊興本町1丁目に位置する全46棟。第2期(10棟)の土地面積は100.00~115.76㎡、建物面積は91.91~104.33㎡、価格は4,880~5,470万円。構造は在来工法2階建て。施工はポラテック。入居予定は平成29年2月。
現地は、昭和39年から獨協大学の女子学生寮「敬和館」として使用されていた敷地・建物の跡地で、同大学の「旧敬和館跡地等売却事業」コンペに満場一致で採択された。人と人の結びつきを重んじる精神や風土を継承するレンガの多用、植栽計画、生垣・フェンスの規制を盛り込んだ「街並み景観協定」、「灯かりのいえなみ協定」などの商品企画が高く評価された。
各住戸の主な基本性能・設備仕様は、1階の天井高約2.7m、洗面暖房機、天然木(カリン)フローリング、人工大理石シンク、食洗機、ミストサウナ、換気付き玄関ドア、ルーバー付き建具など。
中央グリーン開発営業企画課セールスプロモーションチーム・茂田隆俊氏は、「第1期全体の販売戸数として17棟販売を開始しましたが、第1期1次、第1期2期販売分が即日完売(販売価格4780万円~5780万円)し、その後も購入申し込みが多かったため、第2期販売を前倒しで供給することにしました。今のところ16棟が販売済み。この10年間、23区内でこれほどの規模の物件はここしかない希少性が評価された。それにしてもここまで好調に推移するとは思っていなかった」と話した。
販売責任者の同社 パレットコート竹ノ塚 東京ステイト 販売センター長・菊地裕介氏は「とにかく見ていただきたい。当社の自信作」と語った。
Web、現場の看板、紹介などによる反響は198件。購入者の世帯年収は734万円、自己資金は1,196万円、平均年齢は37.7歳。居住地は地元足立区が50%。

タウンゲート


モデルハウス
◇ ◆ ◇
同社から「売れ行きがものすごくいい。見学はどうですか」と勧められた段階では半信半疑だった。足立区の関係者の方々にははなはだ失礼だが、あらゆる社会・経済指標が23区内でもっとも低いので、徹底したローコストの価格ありきの物件だろうと見学するまで考えていた。
ところが、周辺の住環境や建設中の現場、3棟のモデルハウスを見学して驚嘆した。イメージとは大違いだった。今回の現場に隣接して同社グループが数年前に分譲した1億円超の戸建てが建っており、周囲には立派な戸建ても並んでいた。
現地も古くから区民に親しまれてきた獨協大の女子寮跡地で、同大学のコンペに満場で採択されるのも頷ける商品企画だと思う。ランドスケープデザインがいい。かつては地元の産業を担っていたというレンガが多用され、街の入り口のタウンゲートにも採用されている。6m道路、フットパス、インターロッキング舗道、各住戸の花台なども目を引いた。
設備仕様レベルも極めて高い。2.7mの天井高や人工大理石シンクなどは同社のこれまでの分譲戸建てでも採用されているが、換気機能付き玄関ドアやルーバー建具は同社でも初めてのようだ。このほかリビングドアは高さ2.4m、土間収納、浮造り建具ドア、2.2mサッシ、電動シャッター、エネファームなどが標準装備。
茂田氏や菊地氏は、「自社の商品企画は当たり前だと思っているから、他社との比較はよくわからない」と話したが、記者は大手の優れた戸建てを中心に見学しているのでその比較ができる。出色の出来といえる。同業者も必見だ。
価格は需要層からしてこれくらいの価格帯なのかもしれないが、足立区を除く23区のマンションの坪単価は軒並み250万円を突破しつつある。それを考慮すると、この物件は破格の安さと言えなくもない。
伊勢崎線竹ノ塚駅は、駅の東側と西側とでは街並みがまったく異なる。同社の今回の物件の売れ行きがいいのはそのあたりも関係しているようだ。反響も物件がある駅西側からが圧倒的多数を占める。


モデルハウス
三井不動産レジデンシャル 町田・玉川学園の文教×駅5分の高台で都市型戸建て

「ファインコート玉川学園前スカイプレミア」
三井不動産レジデンシャルが近く分譲開始する都市型戸建て「ファインコート玉川学園前スカイプレミア」と「ファインコート町田旭町一丁目」を見学した。
まずは前者から。物件は、小田急小田原線玉川学園前駅から徒歩5分、町田市玉川学園7丁目の第一種低層住居専用地域(建蔽率40%、容積率80%)に位置する全11区画。土地面積は125.20~136.07㎡、建物面積は98.70~108.01㎡、価格は5,000万円台の後半から7,000万円台の前半の予定。建物は平成28年4月に竣工済み。構造は木造2×4工法。施工はエステーホーム。分譲は7月下旬の予定。
現地は、駅から物件入り口まで比高差にして約20m、さらにヒルトップまで2~3層くらいある高台立地。この坂と高台であることを生かし、敷地を37坪以上にし、建物はお互いが見合いしないように配置、全体として開放感のある配棟計画にしているのが特徴。電動シャッター車庫付きとビューバルコニー付き住戸が各3戸。
住戸プランは、「はぐくみプラン」を採用。外構にはハーブなどエディブルガーデンを設置、キッチンサイドの和室は置き畳式とすることで子どもの遊び場など多目的に使用できるようにしており、リビングin階段、フリーウォールを採用。
同社地域開発事業部営業室主査・朝日奈隆氏は、「敷地は元個人のお宅。高級住宅街として知られている玉川学園の駅近では、当社も含めて供給がほとんどなく、しかも文教地区の高台立地。このような物件を待ち望んでいらっしゃった方を中心にかなり広域からの反響がある」と話している。

玄関周りの植栽
◇ ◆ ◇
マンションにすれば7~8層に当たる坂は気になるところではあるが、もともと玉川学園は坂の多い住宅地だし、これほど駅に近い分譲戸建てを見たことはない。ビューバルコニー付き住戸からは玉川大学のキャンパスが望める。
外構が豊かなのは〝ファインコート〟の特徴でもあるが、感心したのは擁壁付きの住戸にハーブや低木を植えた植栽ゾーンを設けていることだ。まずこのような工夫・配慮は他のデベロッパーはあまりやらない。コンクリートの擁壁がむき出しになっている建物が多い。
建物デザインは、フランク・ロイド・ライトに代表されるプレーリースタイルを採用。スリット窓を連続させたり、水平ラインを強調したモールディング、幅広の縦窓柱などを多用したりしているのが特徴。
人気になるのは必至と見た。

擁壁周りの植栽(左奥が電動シャッター付き車庫

モデルハウスからの眺め(奥に見えるのが玉川大学の建物)
環境難をランドスケープデザインで克服するか 「デュオアベニュー東府中」

「デュオアベニュー東府中」
フージャースアベニューが分譲中の一戸建て「デュオアベニュー東府中」を見学した。東府中駅からだと急な坂があり、周辺環境にやや難はあるが、ランドスケープデザインが優れており、一戸当たり敷地面積が120㎡以上のゆったりしたプランも優れている。
物件は、京王線東府中駅から徒歩11分、または多磨霊園駅から徒歩9分、府中市是政一丁目に位置する全22区画。現在分譲中の住戸(6戸)の敷地面積は120.09~124.43㎡、建物面積は95.48~98.53㎡、価格は4,998万~5,998万円。構造は木造・2階建て(2×4工法)。施工はエステーホーム。竣工は平成28年2月・3月竣工済、8月下旬予定。
現地は、東府中駅からだと住宅地を抜けて瀧神社を過ぎるあたりからかなり急な坂を下った戸建て・アパートが建ち並ぶ住宅街の一角。自転車だと車道と同じくらい広い舗道が整備されている道を抜けて10分くらいか。府中競馬場も徒歩圏。
全22棟がゆったりと配置されており、駐車スペースを2台対応型にしたり、3戸分を1カ所に設けたりするなど街並みを整備しているのが特徴。

◇ ◆ ◇
ランドスケープデザインと建物デザインが優れており、これまで同社が分譲してきた物件と比べても引けを取らない出来栄えだ。
難点は、アクセスと周辺環境だ。アクセスは瀧神社から新小金井街道へ降りる坂はかなりきつい。多磨霊園からだと坂はなだらかで、東郷寺や隣接する是政第2公園の緑もあり、通勤・通学はこちらのほうが便利かもしれない。
周辺の住環境は、新旧の戸建てやアパートが混在しており良好とは言えない。同社の街並みが際立っているのだが、却って周辺環境がプアなのを浮きだたせているのでこれは評価が難しい。
価格はかなり割安感があると思う。野村不動産の駅前の再開発マンションなら10数坪の値段だ。アクセス・周辺環境の難点を克服できるかどうか。記者も悩んでしまう。


大手と互角に戦えるフージャース「デュオアベニュー調布つつじヶ丘」

「デュオアベニュー調布つつじヶ丘」
フージャースホールディングスグループの戸建て分譲を展開しているフージャースアベニューの「デュオアベニュー調布つつじヶ丘」を見学した。つつじヶ丘駅圏では最近ほとんど供給がないと思われるフラットで、駅に近い希少性から人気になりそうだ。
物件は、京王線つつじヶ丘駅から徒歩6分、調布市東つつじケ丘二丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全12棟。土地面積は118.07~121.02㎡、建物面積は93.13~96.78㎡、予定価格は6,700万円台~8,000万円台。入居予定は平成28年7月中旬、9月中旬。構造は木造・2階建て(2×4工法)。施工はイトーピアホーム。販売は5月下旬。
現地は、戸建て住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街。武者小路実篤記念館まで徒歩5分。敷地は駐車場として使われていた空き地。
建物は「オーセンティック」「エレガントシック」「ステイトリーシック」の3種。全体として付梁、付桁、窓柱、ボーダータイルなどを多用して重厚感を演出しているのが特徴。
全グループ社員235名のうち女性社員が約40%という同社らしい「女性ものづくりチーム」が考え出した小物置き付ペーパーホルダーや奥行き13センチのLIXIL製のランドリー収納が標準装備。

小物置き付ペーパーホルダー
◇ ◆ ◇
同社の平成28年3月期の戸建て・アパートの売上高は7,635百万円で、売上戸数は183戸・2棟。全体の売上高35,943百万円の21.2%を占める。数年前まではほとんどゼロに近かったことからすればものすごい伸びだ。
戸数183戸も大手デベロッパーの2強、三井不動産レジデンシャル、野村不動産には大きく引き離されているが、おそらく混戦の3位争いの一角にいるはずだ。商品企画は間違いなく三井や野村と互角に戦える。
廣岡哲也社長も先の経営方針発表会で「戸建ては城南城西エリアでの事業をさらに強化する。価格が6,000万円から8,000万円くらいで大手との競合はあるが、きめの細かい対応を行えば戦える」と自信を見せた。
今回の取材ではランドリー収納に驚いた。常識的には奥行きが13㎝しかなければタオルケットなどは置けないが、丸めて縦に収納するようになっている。タオルハンガーはバスタオルが確か5枚くらい掛けられるようになっていた。小物置き付ペーパーホルダーは理解できないが、社内の女性スタッフは「あったらいいな」と評価した。

ランドリー収納
伊藤忠都市開発 戸建て「クレヴィアコートつつじヶ丘」 街づくりの歴史と矜持を見る

「クレヴィアコートつつじヶ丘」(仙川駅からのアプローチ)
伊藤忠都市開発が5月21日から販売を開始する分譲一戸建て「クレヴィアコートつつじヶ丘」を見学した。同社の戸建てを見学するのは久々だが、外構・デザインに力が入っており、早期完売は間違いない好物件だ。
物件は、京王線つつじヶ丘駅から徒歩8分、または仙川駅から徒歩13分、三鷹市中原1丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全12区画。建蔽率は40%、容積率は80%。敷地面積は104.75~120.30㎡、建物面積は83.39~95.49㎡、価格は6,900万円台~8,200万円台。建物は第1期7区画が竣工済み。施工はイトーピアホーム。構造は木造2階建(2×4工法)。販売代理は東急リバブル。
現地は、つつじヶ丘駅からだと道路との比高差にして6mくらいの高台にあり、仙川駅からだとほぼフラット。敷地は元幼稚園。今回分譲の住戸からは遮るものがないことから富士山も眺望できる。
コンセプトは「非日常と日常の融合」。「丘上立地ならではの恵まれた眺望、別荘を彷彿させる意匠設計等により、都心近接でありながらも高原リゾートを思わせる都市邸宅」となっている。
最高価格の住戸がモデルハウスになっており、こちらは特別仕様でスカイバルコニー付き。
4月16日から予約制事前案内会を開始し、これまで60組を超える来場があり、第1期はほぼ即日完売する見込みだ。

つつじヶ丘駅からのアプローチ

仙川駅からのアプローチ
◇ ◆ ◇
イトーピアホームが施工した戸建てはたくさん見学しているが、伊藤忠都市開発が事業主の物件見学は数年ぶりだ。
つつじヶ丘駅からだと、現地まではほぼフラットの道路だが、現地そのものは道路から比高差約6mの高台にある。これは難点といえば難点だが、一方では遮るものが一切ない利点もある。仙川駅だとほぼフラットだから、通勤・通学・買い物はこちらのほうが便利かもしれない。
外構・外観がいい。造成にもコストがかかっていると思われるが、外観デザインには相当の力が入っている。他社物件でイトーピアホームが施工した物件と比べても最上級ではないか。大屋根や切妻屋根、装飾壁(バットレス)、壁モール、花台を巧みにあしらい、天然石やボーダータイルによって陰影のある「都市邸宅」を演出している。モデルハウスを見て「8,000万円でどうですか」と聞いたら、ほぼその通り(8,200万円台)だった。
同社は商社系としては唯一戸建ての街づくりを行ってきたデベロッパーだ。その歴史と矜持を見る思いがした。

スカイバルコニー

モデルハウス リビングダイニング
戸建て分譲戸数 三井不レジが首位キープ 野村不はやや離される

三井不動産レジデンシャル「ファインコート等々力桜景邸」
野村不動産が三井不動産レジデンシャルを急追していた戸建て分譲合戦は、平成28年3月期は双方とも戸数を大幅に減らしながら三井不レジが首位をキープした。
三井不動産の平成28年3月期決算によると、三井不レジの一戸建て売上戸数は前期の899戸より148戸減の751戸となった。一方、野村不動産ホールディングスの決算では、野村不動産の一戸建て売上戸数は前期の859戸から216戸減の643戸となった。その差は前期の40戸から108戸へ広がった。完成在庫は三井不レジが127戸、野村不が140戸だった。
両社の戸建て分譲合戦は、別表のように野村不がここ数年戸数を伸ばし、平成27年3月期には859戸となり、三井不レジの899戸にあと40戸まで迫った。28年3月期には逆転するのではともいわれていた。
両社の分譲合戦について、三井不動産はこれまでも「他社と競争しているわけではない」と繰り返しており、今回の数字についても「予定の800戸よりは減少したが、マーケットの反映」としている。
一方の野村不動産ホールディングスは今回の決算数字について、「完成在庫(140戸)が増えたのは竣工売りの物件があったこと、価格の上昇局面において回転重視から収益性重視とした物件があったこと」としている。
今期は三井不レジが700戸、野村不は650戸をそれぞれ予定している。
三井不動産レジデンシャルVS野村不動産 分譲戸建て計上戸数推移

◇ ◆ ◇
一戸建て分譲市場はマンションとほぼ同じくらいの規模(平成27年度は約12.6万戸)があり、平成27年3月期の売上戸数が約3.9万戸もある飯田グループホールディングスのようなガリバー企業がある一方で、1棟、2棟の現場も少なくないことからどこも市場全体を把握しきれていない。
大手デベロッパーでは、バブル崩壊後も一貫して都市型戸建てを供給してきた三井不動産レジデンシャルがトップを走り続けてきており、土地区画整理事業など比較的規模の大きい団地を手掛けてきた野村不動産が続いてきた。
このほか、最近は東急不動産、住友不動産、三菱地所レジデンスなども力を入れだしたが、三井、野村に大きく水をあけられている。

