東急不動産HDグループ 間伐材を利用した楽器の作成・演奏会イベント
ワークショップ(イメージ)
東急不動産と東急不動産SCマネジメントは10月7日から、運営管理する関東・関西10施設で「エコマキ×mori no oto『エコ オト』~エコ音を鳴らそう、作ろう。~」を順次開催する。
森林整備で派生する間伐への理解促進と、間伐材を利用する活動を身近に感じてもらうことを目的としており、自分の声が楽器になる間伐材を利用した不思議な楽器〝ウッド カズー〟を作るワークショップを開催し、完成後に演奏会も実施する。
東急不動産ホールディングスグループは「緑をつなぐ」プロジェクトとして継続的な森林整備サポートを推進している。
楽器展示(イメージ)
三井不動産 総事業費4,000億円超 マンハッタンで過去最大級の開発事業に参画
「(仮称)50 ハドソンヤード」
三井不動産は9月1日、米国子会社「Mitsui Fudosan America, Inc.(三井不動産アメリカ)」を通じて、ニューヨークマンハッタンにおいて過去最大の複合開発「(仮称)50 ハドソンヤード」の開発事業に参画すると発表した。
建物は地上58階地下3階建て、延床面積約260,000㎡で、単体オフィスビルとしてマンハッタン最大級の規模。総事業費は4,000 億円超(1ドル=112 円)。同社の事業シェアは9割。竣工は2022年の予定。同社がハドソンヤード内で開発中の「(仮称)55ハドソンヤード」に続くグローバルポートフォリオにおける旗艦物件。
「ハドソンヤード」は、合計約11haの開発敷地をもつ大規模再開発プロジェクト。5棟のオフィスビル、高級百貨店ニーマンマーカスがマンハッタンに初出店する商業施設、約2,000戸の高層分譲および賃貸住宅、200室以上の高級ホテル、文化施設、学校などによるミクストユース型の開発。
再開発は、全米有数のデベロッパー「Related Companies(リレイテッド)」およびカナ最大の機関投資家の一つである不動産投資会社・デベロッパー「Oxford Properties Group(オックスフォード」が開発を主導している。
「ハドソンヤード」
加速するベトナム進出 フージャースHD ホーチミンの販売イベントで500戸成約
「The Manor Central Park(TMCP)」計画
フージャースホールディングスは8月16日、ベトナム・ホーチミンでの不動産投資事業第一弾プロジェクトの販売が好調にスタートしたと発表した。
同社は今年5月、ASEAN地域で多数の不動産投資実績のあるCreed Holdings Pte. Lte.(Singapore)の組成するベトナム及びカンボジアを投資対象とするSPCに出資して海外事業に進出。第一弾プロジェクト「La Casa(仮称)」は、5棟2,370戸からなるコンドミニアムで、「The Garden Bay(491戸)」と「River Panorama(491戸)」2棟の販売イベントを行ったところ、1,200人の来場があり、約500戸が成約したという。
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先日、三菱地所レジデンスが2014年にタイ・バンコクでの分譲マンション事業に参画して以来、開発案件が11件、累計10,000戸を突破し、これまで販売した10物件・約9,400戸のうち80%以上が成約済みと発表したばかりだ。
この数字にびっくりしたのだが、ベトナムでもすさまじい勢いのようだ。来場者1,200人のうち500人がマンションを購入するとは。
ベトナムでの不動産開発が加速しているのは、政情が安定しており、6%を超える経済成長率を維持し、さらに規制緩和によって不動産の開発・取得が容易になったことが背景にあるようだ。以下、主だった企業のベトナムでの開発事業を概観してみた。
もっとも意欲的なのが東急電鉄だ。ホーチミン市近郊のビンズン新都心の約71haに1,000億円を投資して、9,000戸の住宅や商業施設などを整備するという。
西鉄と阪急不動産は今年4月、ホーチミンで約26haの「MIZUKI PARK」の開発に着手し4,670戸のマンションのほか、100戸の戸建て、60戸のタウンハウスを建設すると発表した。
三菱地所レジデンスは、ホーチミン、ハノイの3カ所で合計2,854戸のマンションの開発を進めている。
大和ハウス工業、野村不動産、住友林業の3社は一昨年、ホーチミンで約2,100戸の「フーミーフン」開発を進めると発表。また、大和ハウスはホーチミン郊外で約270haの工業団地の開発を進めている。
三菱商事は昨年7月、ハノイ市郊外の100ha超の大規模複合開発事業「The Manor Central Park(TMCP)」に参画、低層棟約1,000戸、高層棟17棟・約7,700戸を建設すると発表。近鉄不動産は今年8月10日、このTMCPに関電不動産とともに事業参画すると発表した。
クリードは、現地デベロッパー2社とともにホーチミンで11haの開発を進めており、4,800戸のマンションのほか、2,500戸のSOHO・店舗を2020年までに整備する計画だ。
ダイビルはこれまで2棟のビルを取得。高島屋グループの東神開発は高島屋とともに延べ床面積約55,000㎡の「サイゴンセンター」を昨年稼働させた。
長谷工コーポレーションは今年2月、ベトナムへの進出の足掛かりとして110戸のサービスアパートメントを竣工させた。
スターツは2009年、不動産仲介・コンサルタントを主業務とする現地法人を設立している。
積水ハウス マンション購入代金63億円 詐取される 所有権移転登記できず
積水ハウスは8月2日、分譲マンション用地として購入した東京都内の不動産の購入代金を支払ったにもかかわらず、所有権移転登記を受けることができない事態が発生したと発表した。
購入したのは都内の約2,000㎡のマンション用地。購入代金は70億円(支払済:63億円)。売買契約日は平成29年4月24日、決済日は6月1日。所有権移転登記申請が却下されたのは6月9日。
同社によると、契約相手先が所有者から購入後、直ちに当社へ転売する形式で行い、購入代金の決済日をもって所有権を移転する一連の登記申請を行ったところ、所有者側の提出書類に真正でないものが含まれていたことから登記申請が却下され、以降、所有者と連絡が取れない状況に至ったという。
同社は、何らかの犯罪に巻き込まれた可能性が高いと判断し、捜査機関に対して被害の申入れを行った。
捜査上の機密保持のため、これ以上の詳細の開示は差し控えるとしている。
積水ハウス 顧客の資産管理・継承をサポートする「積水ハウス信託」設立・営業開始
積水ハウスは7月27日、同社グループの顧客の資産管理・継承をサポートする「積水ハウス信託株式会社」を設立し、営業を8月1日から開始すると発表した。
これまで同社が供給する賃貸住宅「シャーメゾン」を積和不動産グループが一括して借り上げ、入居者募集や維持管理など賃貸経営をサポートしてきたが、オーナーの高齢化などによる経営不安、相続時のトラブル、資産継承方法への不安など従来のサポートでは補えない悩みをワンストップで対応する。
積水ハウス信託株式会社は、本社所在地:渋谷区代々木2-2-1、新宿マインズタワー、代表者:稲澤良樹氏、資本金:3億円(持ち株比率:積水ハウス95%、三井住友信託銀行5%)。事業内容は管理型。
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富裕層を中心とする顧客の資産管理・運用は、ハウスメーカーに限らずデベロッパーや不動産流通会社も行っているはずだが、信託業法の規制もあり、信託会社として営業しているのはスターツ信託(運用型)、大東みらい信託(管理型)くらいしかないようだ。
スターツについていえば、もう20年以上も前、「お前にすべて任せる」と富裕層からすべての資産の管理を任せられた営業マンを取材したことがある。この方はその後、役員になられた。
期待以上の満足が得られればユーザーはみんなそう考える。営業マンはコンシェルジュになれる。FPと宅建士の資格取得は必須だと思う。
東急リバブル 就業体験もできる「選べるインターンシップ」開始
同社のインターンシップ
東急リバブル7月1日から2019年度新卒学生向けの「選べるインターンシップ」を開始した。多数のプログラムから学生自身で興味のある内容を自分のスケジュール に合わせて、選んで参加できる。
営業現場での就業体験も特徴の1つで、事前の審査に合格した学生は、同社の営業社員に1日同行し、接客、物件調査などの現場を体験することができる。座学では分からない職場を体験できることから、昨年度は就業体験がもっとも満足度が高かったという。
7月から開催することで、早期から学生に就業体験の機会を提供すると共に、早期に就職活動を始める意識の高い学生に興味を持ってもらう狙いもある。
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就業体験はいいプログラムだ。記者はお客として接遇してもらったことはあるが、逆の立場での不動産仲介の現場は全く分からない。体験してみたい。九分九厘だめだろうが、同社広報にお願いしてみる。事前の審査に通っても、逐一営業社員の行動や言動をメモし、記事にするのはノーだろうし、営業社員やお客さんに余計な口出しをして契約をぶち壊すことになる懸念もある。
「圧倒的な企画提案力」 29年3月期 大幅増収増益 業績続伸のポラスを支えるもの
中内代表
ポラスグループは6月26日、平成29年3月期決算説明会を開催。売上高は1,932億円(前期比10.9%増)、経常利益は138億円(同29.4%増)、当期純利益は36億円(同23.7%)増となり、いずれも過去最高となった。分譲戸建てでは「越ケ谷」「浦和美園」「白岡」など特徴のある街づくり提案が支持されたほか、マンションでは初の200戸物件を発売したこと、独自の耐震技術やデザイン性を高めた注文住宅の契約棟数が伸びたこと、プレカット事業で外販受注、売上げ、構造材生産が過去最高を更新したことなどが業績を押し上げた。
グループ売上げ棟・戸数は、戸建分譲住宅が2,312棟(前期比5.0%増)、戸建注文住宅が775棟(同0.4%減)、賃貸・集合住宅が15棟112戸(同26.8%減)、分譲マンション219戸(同173.8%増)の合計3,418棟・戸(同6.4%増)。
売買仲介部門は、仲介手数料24億円(同0.7%増)、取扱件数2,885件(同2.6%増)。リフォームは71億円(同2.7%増)。
平成30年3月期は、売上高1,950億円(前期比0.9%増)、経常利益150億円(同8.5%増)、当期純利益38億円(同3.4%増)、グループ売上棟数・戸数は戸建て分譲が2,600棟(同12.5%増)、戸建注文住宅が997棟(同28.6%増)、賃貸・集合住宅が25棟177戸(同58.0%増)、分譲マンションが290戸(同32.4%増)の合計4,064棟・戸(同18.9%増)を見込む。
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業績が伸びていることは予想できたことだが、これほど伸びるとは思わなかった。続伸の要因は、分譲事業でいえば、「圧倒的な美しい街並み提案」だとグループ代表・中内晃次郎氏も中央住宅社長・品川典久氏も語ったその言葉に尽きると記者も思う。中内氏は体に似合わず普段大口など叩かない。語りも穏やかで控えめだ。その中内氏が「圧倒的な…」と話した。よほど自信があるのだろう。
ここでは一つひとつその商品企画を紹介しない。別掲の記事を参照していただきたい。〝蔵のある暮らし〟提案を行った「ことのは越ケ谷」はプロジェクト発表会を含めると5回くらい現地に足を運んだ。さいたま市のスマートエネルギー特区」事業コンペに採択された「浦和美園E-フォレスト」(高砂建設、アキュラホームとの共同事業)も埼玉県の「先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業」に採択された「風と緑のまち白岡」も最高の出来栄えだった。マンションの「ルピアコート西大宮」も極めてコストパフォーマンスの高い物件だと思う。
品川社長は、これらの物件は「手間と時間がかかるが、利益率が落ちてもポラスらしい街づくりを行っていく」と強調したが、この方向性は間違っていない。個別物件で事業期間が延びても、他のプロジェクトへの相乗効果は大きく、同社の企業価値を高めることにつながるはずだ。
そのことを証明するかのように、ポラスコミュニケーション部部長・伊藤賀一氏はグループの契約動向と市況動向について説明した中で、「既契約のお客さま、社員、取引業者の紹介による契約棟数が291棟で増加傾向にある」と話した。
中長期的には分譲市場はシュリンクしていく。その中でどのように伸ばすかはすべて企画提案力にかかってくる。中内代表は5年後の目標数値として売上高2,400億円を掲げていることを明らかにしたが、「それほど数字にこだわっているわけではない」とも話した。その通りだと思う。売上高そのものにそれほど価値などない。地球環境と人にやさしい良好な住宅をつくり続けることが社会的に評価される時代だ。
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同社グループは今後、「三郷中央」(今期100棟)「TX柏たなか」(同86棟)「浦和美園」(同165棟、他にマンション320戸計画)「西大宮」(同80棟)「北習志野」(同91棟)「鶴瀬・みずほ台」(同100棟)などで販売を強化する。いずれも容易なエリアではない。どのような商品企画で需要を喚起するか興味深い。
ポラス 越谷市の中心市街地活性化に一役築120年の古民家でイベント(2017/2/26)
どこにも負けない先進の街づくり「浦和美園E-フォレスト」竣工街びらき(2017/3/27)
日本郵政の野村不HD買収〝破談〟 〝縁談話〟公表した郵政の責任は大きい
日本郵政の野村不動産ホールディングス(野村不HD)買収計画が白紙に戻ったと報じられた。野村不HDも6月19日、「当社の企業価値の維持向上の観点から、日本郵政による当社株式の取得について、検討して参りましたが、今般、当該検討を中止することになりましたので、お知らせ致します」と発表した。
買収計画が5月13日に報道されたとき、記者は〝相思相愛〟とまで書き、報道翌日の株価が「ストップ500円高」などとあおる記事も書いた。非常に残念だし、恥じ入るばかりだ。
しかし、最初に報道したのはNHKだったのが不思議に思ったが、一般的に合併・買収計画は、交渉がまとまったあとにリークするものだし、日本郵政はメディアに嬉々として答えているような印象を受けたので、買収価格については交渉の余地はあるとはいえ計画は100%まとまると信じた。
それがどうしてわずか1カ月で〝破談〟したのか。記者はその真相に迫る取材力はない。各紙の報道を紹介するしかない。以下、各紙の報道。
「郵政は郵便事業の低迷を打開するため、業務多角化の一環として不動産事業の強化を掲げていた。郵政は直営郵便局を2万局持ち、不動産も多く所有している。野村不HD買収で開発ノウハウをいち早く取り込む狙いだった」「野村不HDも郵政の持つ土地をマンション事業などに活用することなどを模索していたが、収益拡大が見込めないとの判断に至ったようだ」(日経)
「買収計画が表面化して以降、野村不動産HDの株価が上昇した影響などから交渉が難しくなったためとみられる」「分譲マンションを手がける野村不動産HDも日本郵政傘下に入ることで、都心の不動産開発事業で相乗効果が見込めるとみられていた。筆頭株主の野村ホールディングスは資産売却を急いでおらず、保有株式の安値売却に慎重で、日本郵政との交渉で価格面での溝を埋めることができなかった模様だ」(毎日)
「関係者によりますと、株式の買い取り価格などの条件面で調整がつかず、日本郵政は野村側との交渉を中止することになりました」「社内の一部や関係者からは、企業の買収には慎重に臨むべきだという意見もあり、こうした事情も交渉を中止する背景にあるものと見られます」(NHK)
日経も毎日もNHKも「ようだ」「模様だ」「見られます」などと伝聞・憶測で書いているが、日本郵政が「買収計画が表面化して以降、野村不動産HDの株価が上昇した影響などから交渉が難しくなったためとみられる」という毎日の記事はありえないと思う。買収計画が発表されれば株価が上昇するのは当然だ。株価上昇が〝破談〟の原因だとすれば、そもそも買収計画など発表すべきではない。結納(婚約=契約)を交わしてから発表すべきだった。これは交渉のイロハだ。
このように各紙とも真相はつかめていないようだが、「Business Journal(ビジネスジャーナル)」が次のような興味深い記事を配信している。
「決算発表直前の5月12日夜にNHKがスクープするという情報の出方からして不可思議だ。官邸筋から『何も聞いていない』との声まで挙がった」「野村不動産HD買収を仕掛けたのは、日本郵便社長で日本郵政取締役の横山邦男氏です。日本郵政代表執行役副社長(不動産担当)の岩崎芳史氏と一緒に動いたといわれています(日本郵政関係者)」
記者はもちろん真偽のほどは分からないが、岩崎氏の名前が出てくるのがストーリーとしては面白い。業界関係者はご存じだろうが、岩崎氏は元三井不動産リアルティ社長で、社長を退任した後、NHK経営委員会にもなっている。NHKがスクープしたのはそれで納得もできる。
だが、しかし、助言を求められれば「郵政の事業の柱として都市開発事業は有望」くらいは話したかもしれないが、岩崎氏が出身の三井不動産を差し置いて野村不HDを日本郵政に売り込むことなどあり得ないと思う。
岩崎氏に会う機会があったら確かめたいし、日本郵政の社外取締役・野間光輪子氏とはコンタクトできる。話してはくれないだろうが、ヒントくらいはつかめるかもしれない。わかったらレポートする。(RBAタイムズWEBで紹介した岩崎氏や野間氏の画像がネット上に張り付けられているが、これは止めていただきたい)
それにしても、交渉ごとに「安く買いたい」「高く売りたい」は常識だし、報道に踊らされた投資家は自己責任だろうが、どちらが振ったかは分からないが、〝破談〟の可能性がある縁談話を公表した日本郵政経営陣の責任は大きい。
三井不動産リアルティ2016年度の売買仲介取扱件数約39,000件 31年連続トップ
三井不動産リアルティは6月5日、同社グループの2016年度の不動産売買仲介取扱件数が全国で38,612件となり、31年連続で全国No.1を達成したと発表した。前年度比2.1%の伸びだった。
住友不がマンション売上、戸数でトップ 完成在庫率の低いのは三井不 29年3月期決算
別表は主なデベロッパーの平成29年3月期決算のうちマンション事業について売上高・計上戸数・完成在庫をみたものだ。売上高では住友不動産、三井不動産、タカラレーベン、プレザンスコーポ、日神不動産、サンケイビルなどが増やし、野村不動産、大和ハウス工業、積水ハウス、東京建物などが減らした。計上戸数は住友、三井、タカラレーベン、プレザンスコーポなどが増やした。完成在庫は住友、大和ハウス、大京、日神不動産以外は増加した。
このほか、最近供給を伸ばす電鉄(系)会社、伊藤忠都市開発、新日鉄興和不動産、モリモト、大成有楽不動産、関西が地盤の日本エスリード、あなぶき興産などが供給上位。
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住友不動産が売上高、計上戸数ともトップ。マンションの契約戸数は6,467戸(前期比943戸増)と初めて6,000戸を超えた。マンション、戸建ての次期計上予定戸数5,700戸に対する期首の契約率は約50%。営業利益率は14.7%から14.9%へと0.2ポイント増を目指す。
完成在庫は前期比より減少したが、完成在庫率(計上戸数に対する完成在庫の割合)は20.8%と高い水準にある。
三井不動産は極めて好調に推移している。売上高、計上戸数は住友不動産に次ぐ。今期は3,900戸で前期比1,300戸減、売上高は2,710億円で前期比2.2%減を見込むが、営業利益は340億円(戸建て含む)で前期比より33億円増を予想している。都心の高額・利益率の高いマンションが竣工するためだ。
完成在庫は大幅に増えたが、このことについて富樫烈・経理部長は「1~3月の期末に竣工した郊外・地方のマンションが増えたためで、9月頃までには完売するはず」と話した。在庫率も大手の中ではもっとも低い。
野村不動産が巻き返す。前期は戸建てを含む住宅部門の売上高が3,297億円(前期比1.4%減)、営業利益が277億円(同12.9%減)と減収減益となり、完成在庫が分譲中239戸(前期88戸)、未販売369戸(同121戸)合わせ608戸(同209戸)と大幅に増えた。
次期の計上予定戸数は6,000戸(うち戸建て600戸)。売上高は3,650億円(同3,297億円)と増収を見込むが、営業利益は250億円(同277億円)と、利益率を落としつつも完全に売り切る方針だ。次期計上予定戸数に対する期首の契約率は43.0%。戸建て600戸を達成すれば、三井不動産の予定550戸を越すことになる。
三菱地所は売上高、計上戸数とも若干減らした。次期は売上高2,670億円(前期2,232億円)、計上戸数4,200戸(同3,713戸)へ増やすが、粗利益率は18.1%(同19.4%)と抑制的な見通し。在庫も増えているのが気になる材料。
コスモスイニシアを含む大和ハウス工業も売上高、戸数を減らした。次期も控えめだ。コスモスイニシア・高木嘉幸社長は決算説明会で「マンション事業は大手の寡占化が進み、プレーヤーが限定的。仕入を厳選し在庫も縮小する。建築費は高値安定が続く」と語った。同社の次期マンション売上高は254億円(前期332億円)、引渡戸数555戸(同744戸)に減らし、利益率も14.5%(同19.3%)と保守的に見ている。期末完成在庫は100戸。
完成在庫率の高いのは57.8%のNTT都市開発のほか、30.9%の日神不動産、29.3%の東急不動産、24.0%の飯田グループ、20.8%の住友不動産が20%を超えている。極めて少ないのが明和地所でわずか16戸(前期16戸)しかない。
1戸当たり分譲単価では、戸当たり平均単価は3,900万円ながら一部の物件で事業持分の売却を実施したNTT都市開発の6,713万円を筆頭に、三菱地所、大和ハウス、東急不動産、ゴールドクレスト、旭化成ホームズ、オープンハウスが6,000万円を突破した。中でも都心の人気の高いエリアで単価を抑制して供給を伸ばしているオープンハウスが6,217万円なのが注目される。
単価の低いのは3,264万円のプレザンスコーポ、3,519万円のタカラレーベン、3,660万円の大京、3,699万円のフージャースコーポが3,000万円台。大手との競合を避け、郊外や地方展開している戦略によるもの。