木造耐力壁ジャパンカップ アキュラもポラスも優勝逸す
木造耐力壁ジャパンカップ アキュラもポラスも優勝逸す
優勝した東大×LIXIL×キダテの「ITAMADO2」
優勝は東大×LIXIL×キダテの「ITAMADO2」
木造耐力壁の強さなどを競い合う「第16回木造耐力壁ジャパンカップ」(主催:NPO法人木の建築フォラム)が8月16日~18日、静岡県富士宮市の日本建築専門学校で行なわれ、16チームによるトーナメント戦の末、東大×LIXIL×キダテの「ITAMADO2」がチーム匠(アキュラホーム+東京大学木質材料研究室+篠原商店)の「矢来」を破り優勝した。コストパフォーマンスが最も優れた耐力壁に贈られる「ジャパンカップ優勝杯」は滋賀職業能力開発短期大学校の「初代MOTONARI」が獲得した。
各部門賞の耐震部門は東大×LIXIL×キダテ/ITAMADO2、デザイン部門は四国能開大/格剛V、加工、施工部門は四国能開大/格剛V、環境部門は四国能開大/格剛V、審査員特別賞はアキュラホーム+東京大学木質材料研究室+篠原商店/矢来がそれぞれ受賞した。
過去6度のトーナメント優勝を果たしているポラス暮し科学研究所の「RE・BORN(リ・ボーン)は8強で争う初戦で「ITAMADO2」に敗れ敗退した。
稲山准教授
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記者がこの大会を取材するのは8度目ぐらいだろうか。いまだに耐力壁にかかる加重単位KN(キロニュートン)がどれほどのものかよく分からないし、「込栓」「雇い」「「貫」「めり込み」などの専門語の意味や、ビスなどの「金物」の補強効果がどれだけあるのか理解できないところもあるが、競技そのものは綱きひのようなものだから見ていて面白い。ほんの数分で決着が付く。
しかし、評価そのものは極めて詳細に定められている。耐力壁に使用する材料、寸法はもちろん、加工費、環境負荷費 なども円単位で評価される。例えば国産材が50円/㎏であるのに対し、輸入材は150円/㎏だし、ひのきは110,000円/㎥、すぎは70,000円/㎥で、壁の重量は釘1本、チリまで重さに加えられ、施工工具、施工時間、解体時間、作業人数などもこと細かに評価される。デザイン・意匠にも審査員のチェックが入る。参加チームが必死で取り組んでいるのが伝わってくる。
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今回の耐力壁で注目したのは四国能開大/格剛Vだった。デザインはシンプルな縦横の格子で、材料は四国のヒノキとスギのみで、金物は一切使用されていなかった。地元材しか使用していないというのが記者をひきつけた。チームは優勝した「ITAMADO2」に準々決勝戦で敗れたのだが、加重圧力は30KNを突破していた。
大会委員長で東大木質材料研究室・稲山正弘准教授も「金物を使わず30KN超でも戦えるこの壁は究極の壁」と称えた。
チームを代表して香川県出身の浅野智弘さん(20)は「参加した耐力壁は5体目。3カ月ぐらいかけて完成させた。地元材を用いているのが特徴で、デザインもシンプなものにした。卒業したら現場に出たい」と誇らしげに話した。チームの北尾凌さん(19)も出石麻理さん(19)も「希望は現場」とのことだった。
指導した同大学校職業能力開発准教授・宇都宮直樹氏は、「これまで総合優勝や2位もあったが、今回は全体的にバランスが取れていた。木材は実際の山を見て選んでいる。同じ四国でも地域によって木材の質が異なることを学ぶことが大事で、卒業してから現場経験が生きてくるはず」と語った。
ジャパンカップ杯は獲得できなかったが、デザイン部門など3つの部門賞を受賞したということは記者にも少しは見る目があるということか。
左から四国能開大の浅野、出石、北尾の各氏 「ITAMADO2」に敗れた「格剛Ⅴ」(写真左)
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京都の町屋でよく見かける「矢来」をモチーフにし、壁の名前も「矢来」とし、大会連覇、4度目の優勝を狙った「チーム匠」の担当者は、「50KNには耐えられるはず。アキュラホームを代表する大工が一分の隙もないものに仕上げた」と胸を張ったが、決勝では58KNあたりで相手に土台を破壊された。
優勝6度の最強チーム、ポラス暮し科学研究所の「RE・BORN(リ・ボーン)について同社主席研究員・上廣太氏は、試合前に「今回はシードされたが、16日の加圧の段階でバキッと土台が壊れてしまった。もう無理、満身創痍。8月開催になったのでみんな夏休みを返上して取り組んできたが、準備が足りなかった」語り、早々と白旗をあげていたが、その通り決勝トーナメント初戦であっけなく敗退した。
左から「チーム匠」の冨谷、武原、並木、和田、稲山の各氏 「ITAMADO2」に敗れた「矢来」(写真右)
左からポラスの大浦、立花、原田、上廣、高橋の各氏 「RE・BORM」
ジャーブネット デザインコンテスト各賞を発表・公開
ジャーブネット デザインコンテスト受賞作を公開
「自転車?ペット?」(左)と「らくがきタイムマシン」
日本最大の工務店ネットワーク「ジャーブネット」(主宰:アキュラホーム・宮沢俊哉社長)は、住宅のデザイン性を競う「第7回デザインコンテスト」と、家族が末永くしあわせに住みこなすためのアイデアを集めた「第6回しあわせデザインコンテスト」の応募結果を発表、8月8日から専用WEBサイト( http://www.aqura.co.jp/contest/ )上で公開した。
今年度のデザインコンテストには265件、しあわせデザインコンテストには625件の応募があり、いずれも過去最多。
「第7回デザインコンテスト」のグランプリ賞は「自然の恵み~陽の家~」(有限会社福工房 福田豊氏)と「閉じて開く家」(アキュラホーム 髙橋大輔氏)の2作品が、「第6回しあわせデザインコンテスト」のしあわせデザイン賞には「自転車?ペット?」(アキュラホーム 河嶋京氏)、「ゆらゆら」(オカザキホーム 宮本京子氏)、「らくがきタイムマシン」(オカザキホーム 伊藤佳弘氏)など10作品が選ばれた。
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記者がいいと思ったのは「自転車?ペット?」と「らくがきタイムマシン」だ。最近の戸建ては敷地条件が厳しいためか、自転車置き場はほとんど考慮されていない。しかし、自転車は1家に2台も3台もあるはずで、計画段階からきちんと設置すべきだと思う。
「らくがきタイムマシン」は、工事中にプラスターボード(石膏ボード)へ家族全員に落書きをしてもらい、その上に壁紙を貼って引き渡すものだ。「柱の傷」はもう死語になっているのだろうか。
物産本社ビル建替え 2haを三井不と共同で再開発
三井物産 本社ビル建替え 三井不と一体2haを再開発
三井物産と三井不動産は8月8日、大手町一丁目2番街区の一体開発事業を共同で行うことで基本合意書を締結し、事業の一環として三井物産は同街区内にある同社本社社屋の建替えを行なうと発表した。
事業は、大手町一丁目2番街区にある三井物産所有の「三井物産ビル」、三井不動産所有の「大手町一丁目三井ビルディング」、両社共同 所有の「大手町パルビル」を一体で開発する計画で、敷地面積は2万㎡を越える。三井物産は来年度中に仮事務所へ移転し、2015年に解体工事に着手、 2019年の新社屋完成を予定。
今後見込まれる本事業への投資額は三井物産が約1,200億円、三井不動産が約500億円を想定している。
積水ハウス 平成26年1月期第2四半期業績を上方修正
積水ハウス 平成26年1月期第2四半期業績予想を修正
積水ハウスは8月5日、平成26年1月期第2四半期(平成25年2月~7月)の連結業績予想を修正。売上高は8,400億円(当初予想比2.4%増)、営業利益は540億円(同17.4%増)、経常利益は560億円(同20.4%増)、四半期純利益は330億円(同26.9%増)とした。前年同期比では売上高は10.8%増、営業利益は62.3%増、四半期純利益は93.3%増となる見込み。
修正の理由として、全社的な収益構造改革が進み、戸建住宅、賃貸住宅の請負が堅調に推移しているためとしている。通期予想については、現在の好調な受注状況や今後の動向を踏まえ精査中としている。
おうち川柳「影遊び 西日で部屋が 動物園」 野村アーバン
おうち川柳グランプリは「影遊び 西日で部屋が 動物園」
野村不動産アーバンネット
野村不動産アーバンネットは7月30日、同社の不動産情報サイト「ノムコム」で実施した川柳投稿キャンペーン「おうち川柳」の入賞作品を決定した。
グランプリは愛知県のSさんの作品で、「影遊び 西日で部屋が 動物園」。準グランプリは広島県Tさんの「ただいまに 駆ける子這う子 お出迎え」と、神奈川県のOさんの「笑い声 減るリビングに 写真増え」の2句。
キャンペーンは、「ノムコム」の公式 Facebook ページ「おうちに帰ろ」 (http://www.facebook.com/ouchinikaero) の「いいね!」数2万人突破を記念して、「おうち(家)や家族への思い」をテーマにした川柳を募集したもの。5月20日~6月30日のキャンペーン期間中に全国から1,916句の応募があった。
野村不動産アーバンネット 買い替え顧客向けに買い取り保証
野村不動産アーバンネット 買い替え顧客向けに買い取り保証
野村不動産アーバンネットは7月26日、買い替え希望のお客さま向け「ホンキの買取保証」サービスを同日付で開始すると発表した。
「ホンキの買取保証」は、個人の居住用マンション・一戸建て・土地が対象で、同社と専属専任媒介契約を締結することが条件。物件の基準はマンションは新耐震基準を満たしている専有面積30㎡以上、一戸建て・土地は敷地面積が40㎡以上。保証期間は最長1年間。一定期間以内に売却が出来なかった場合、あらかじめ決めた価格で同社が買い取る。買い取り保証を利用するお客様に対して最長 12 カ月の繋ぎ融資も行なう。
〝不動産 買うのは今でしょ〟 野村アーバン調査
〝買うのは今でしょ〟野村不動産アーバンネット調査
〝買うのは今でしょ〟-野村不動産アーバンネットが同社の不動産情報サイト「ノムコム」の会員を対象に行なった意識調査で、不動産はいまが買い時と答えた人が63%にのぼり、不動産価格は「上がる」と見ている人が45%、「ローン金利が上がる」と答えた人が68%に達した。
不動産については、「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」を合わせ63.3%が「買い時」と回答。前回調査(2013年1月)と比べると0.7ポイント減少しているものの、「買い時」感は高い水準で推移している。
買い時だと思う理由は「今後、住宅ローンの金利が上がると思われる」が53.5%ともっとも多く、「今後、消費税の引き上げが予定されている」が47.3%と続いた。「不動産の価格は上がる」の回答は44.8%で、前回調査の29.2%から15.6ポイント増加した。
「アベノミクスの影響等により、住宅購入への影響(購入意欲や購入時期など)はありますか」という設問に対しては59.1%の人が「影響がある」と回答。その理由として「株価上昇や景気回復により購入意欲が高まった」「不動産価格やローン金利の上昇前に購入したい」などの回答が目立った。
調査は7月2日~7月8日、「ノムコム」会員約20万人のうちノムコムPC会員約16万人を対象としたもので、有効回答は1,831人。
ステップアップしたジャーブネット 地域連携強化
ステップアップしたジャーブネット 地域連携強化打ち出す
「第14回ジャーブネット全国大会」(目黒・椿山荘で)
挨拶する宮沢氏
7月4日に都内のホテルに関係者約500人を集め行なわれた「第14回ジャーブネット全国大会」を取材した。アキュラグループの昨年度の実績が受注棟数1,946棟で売上高が368億円となり、19期連続して増収となったこと、ジャーブネットは受注棟数が7,638棟となり、この15年間で累計10万棟に達したこと、1社あたりの受注棟数は5年前の14.6棟から20.6棟に伸びたことなどが報告された。
そうした伸張に目を見張ったのだが、これまでとは異なるステップアップしたジャーブネットの姿を見たような気がした。ある意味では大きな方向転換でもある。それは、宮沢俊哉ジャーブネット主宰(アキュラホーム社長)が次のように語った言葉に象徴されている。
「最初の頃はリフォームとか下請けなど大手の〝落穂ひろい〟のようなことをやっていた。その後、大手と対抗できる商品開発に力を注いできた。これからはもっと視野を広げ、地域にどう貢献していくかというミッションに重点を置いた活動をしていきたい」
その実践の一つが同時に行なわれたシンポジウムとパネルディスカッションだった。高田光雄・京都大学教授が「地域の木造住宅とその担い手への期待」と題する問題提起を行い、高橋恒夫・東北大学教授が「伝えたい気仙大工の活躍」について、三井所清典・アルセッド建築研究所所長が「地域まちづくりにおける工務店の役割」についてそれぞれ講演を行った。パネルディスカッションは高田教授がファシリテーターとなり、パネリストには高橋教授、三井所所長、宮沢主宰のほか、園田眞理子・明治大学教授も加わってそれぞれの立場から街づくりや住まいづくりはどうあるべきかを語り合った。
ここでも、地域のビルダーはどうあるべきかというテーマにぴったりのやり取りが交わされた。高田教授は「地域型住宅供給の仕組みを構築するためには垂直連携と水平連携が必要」と問題提起した。これに応えたのが高橋教授。高橋教授は、気仙大工は技術力を高めて出稼ぎで生計を立てていたこと、一度に全てを建てずに増築やリフォームの仕事もこなしていたこと、地域の情報収集・発信者の役割を果たしていたことなどを話した。また、「森林・林業の再生が欠かせない」とも語った。
さらに、同調する形で強く訴えたのが園田教授。園田教授は「リーマン・ショックは、建て逃げ・売り逃げの時代が終わったことを告げた。これからは富山の薬売り方式だ」と語った。三井所所長は山古志村の例を挙げながら「復興住宅は、社会を形成する様々な職種の人たちが連携してネットワークを構築しないと成功しない」と、今後の震災復興の方向性を示した。
左から高田氏、、高橋氏、園田氏、 三井所氏
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ジャーブネットの大会では、清水市で行われた「第29回全国削ろう会」に参加した福工房の取締役現場責任者・山本雅彦氏(54)が数ミクロンのカンナの技を実演した。山本氏はこの道38年のベテランだ。シュルシュルと薄絹のようなヒノキの皮が途切れなくカンナ口から吐き出された。板の表面はまるで鏡のように天井のライトを映し出した。触ると赤子のようなえもいわれぬすべすべした感触が伝わってきた。
この技を見て、高田教授が「日本ぐらし館 木の文化研究会」のシンポジウムで「職人の技は世界に誇る無形の文化財」と語ったのを思い出した。山本氏は「刃も大事だが、研ぐことがもっと大事。現場でカンナを削ることはなくなった」と話した。
ヒノキの板を削る山本氏
写真では分からないが、カンナ台は刃の部分と台尻の部分のみが削る板と接触するようになっている
山本氏(左)と福田豊社長「もちろん、えらいのは私でなく山本です」
アキュラ&ジャーブネット 3年連続キッズデザイン賞
アキュラホーム&ジャーブネット 3年連続でキッズデザイン賞
「永代家守りプロジェクト」 の一こま
アキュラホームと日本最大の工務店ネットワーク「ジャーブネット」が行う「永代家守りプロジェクト」と「らくがキッズコミュニケーション」の2作品がキッズデザイン協議会が主催する「第7回キッズデザイン賞」を受賞した。同賞の受賞は3年連続5作品目。
「永代家守りプロジェクト」は、家守りを通じ、住まいのつくり手が住環境の維持管理に関する様々なノウハウを提供し、子どもたちを含めた住まい手が「知る → 学ぶ → 担う → 保つ → 伝える」というバトンプログラムを実践する内容。
「らくがキッズコミュニケーション」は、住宅展示場を活用して、子どもたちに落書きを楽しんでもらい、創造的な行為に取り組むことを促し、自由な表現とコミュニケーションの場としたもの。
東急不動産 ニセコで子ども職業体験プログラム
東急不動産 ニセコで子ども職業体験プログラム
東急不動産と東急リゾートサービスは、北海道倶知安町のスキー場「ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ」でJTBコーポレートセールスと「旅いく×アウトオブキッザニア in ニセコ」の職業体験プログラムを共同で提供する。
「旅いく×アウトオブキッザニア」は、地域の産業・モノ作りを、子どもたちに楽しく、わかりやすく伝えられるよう開発された職業体験プログラム。こどもの職業体験のプログラムの企画・開発を手懸ける「キッザニア」がプログラムの監修を担当する。
日程は2013年8月20日(火)~8月22日(木) 2泊3日。宿泊施設はホテルニセコアルペン。対象は小学校3年生~5年生(8~11歳)。募集人員は15名。旅行代金は子供ひとり49,800円(税込)、朝食2回、昼食3回、夕食2回含む。申込はJTB旅いく専用サイト(URL: http://tabi-iku.jtbbwt.com)へ。