ゆとり世代の8割が中古住宅を検討 三井リアルティ
ゆとり世代の8割が中古住宅を検討
三井不動産リアルティ調査
ゆとり教育を受けた20歳代の〝ゆとり世代〟の8割が中古住宅を検討-こんな興味深い意識調査を「三井のリハウス」を展開する三井不動産リアルティがまとめ発表した。
住みかえ意識調査の第4弾となるもので、首都圏在住の “ゆとり世代” と呼ばれる22~25歳の社会人男女310名とその世代を子に持ち、住宅購入経験のある50~59歳の男女310名を対象にインターネットで住まいと距離に関する意識調査を実施したもの。
調査によると、結婚後に親との「近居」を望む “ゆとり世代” は約3割にとどまる一方で、子供との「近居」を望む “親世代” は約6割にのぼった。
また、 “ゆとり世代” はマイホーム購入時に約8割が中古住宅を検討し、7割以上は親からの資金援助を期待していないが、 “親世代” は2人に1人が子供のマイホーム購入時に資金援助をすると回答し、「資金援助をするので近くに住んでほしい」という希望を持っていることが分かった。
同社は、この結果について「『失われた20年とともに成長し堅実・安定志向』と言われている “ゆとり世代” の特徴が表れる結果となった」としている。
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ゆとり世代の約8割が中古住宅を検討し、7割以上が親からの資金援助を期待しないという結果は驚きだ。中古住宅が新築より安いというのが最大の理由だろうし、取得能力からいっても中古のほうが取得しやすいからだろう。これは賢明な選択だ。耐震性などに問題のある中古は敬遠したほうがいいが、中古だからといって基本性能が新築より劣るということはない。親に頼らないというのは、自立心が旺盛とも取れるが、親の懐具合をきちんと把握しているからだろう。
その一方で、親世代は資金援助を考えており、近居を望んでいるという結果もやや驚きだ。援助額は平均で約500万円だ。500万円しか援助できないのもまた親世帯の寂しい懐具合を示している。
もう一つ、注目したのはマイホームの購入を将来的に望まないゆとり世代は、「購入したくない」(20.3%)と「あまり購入したくない」(15.2%)と合わせると35.5%にものぼることだ。その理由は明示されていないが、〝飲まず食わず〟でせっせせっせとマイホームの頭金を貯めたわれわれ団塊世代からすると理解できない。
マイホーム取得だけが人生の目標ではないのは確かだが、日本国憲法でいう「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する 」(第25条)生存権は闘い取らないと国は保障してくれないのは確かだ。富裕層は分譲だろうが賃貸だろうが選択肢は多いが、一般的なサラリーマンにとって選択肢は多くない。賃貸はあらゆる面で分譲よりはるかに劣る。中長期的に見ても賃貸は冷遇され続けるのではないかと思う。
劣悪な居住環境だからといって心まで貧相になるとは限らないが、住居は人生を豊にする、心を豊にする生活の基本だ。人格形成に大きな影響を与えるのは間違いない。「健康で文化的な最低限の生活を営む」ことを諦めないでほしい。
大和ハウス マンション大手に迫る一の矢、二の矢
大和ハウス工業 コスモスイニシアを子会社化
大手の一角に迫る一の矢、二の矢放つ
大和ハウス工業は4月16日、コスモスイニシアが実施する第三者割当増資をを約95億円で引き受けると発表し、発行済み株式数の約64%を取得することで子会社化すると発表した。
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最近の大和ハウスの動きからしてコスモスイニシアを子会社化するのはありうることだと思っていたので、あまり驚かなかった。大和ハウスは確かにマンション供給大手ではあるが、首都圏に限ればいわゆるメジャー7のブランドにはやや遅れを取っていると見ている。5年先、10年先を見越した布石というか一の矢を同社は放った。
その一の矢とも言うべきなのは、 “ ブラウド ” ブランド構築の最大の功労者ともいうべき野村不動産の元副社長・高井基次氏の招聘だ。高井氏は昨年10月付でマンション事業を統括する上席執行役員マンション事業推進部統括部長に就任した。高井氏は「これまで地方をずっと回ってきたが、底力のある会社だと思った。それぞれの地域の一番情報を取得できる力がある。すぐにとは言えないが、しっかり基盤づくりを行う」「直販部隊を整えることや再開発にも力を入れていく」と意欲満々だ。同社はまた、女性だけの商品企画プロジェクトチーム「Natural Eye (ナチュラル アイ)」を立ち上げた。同業他社と同様、女性の視点でマンションの商品企画提案を行っていくものだ。
今回のコスモスイニシアの子会社化は二の矢とみていい。コスモスイニシアはバブル崩壊とリーマン・ショックによる2度の経営難を強いられたが、首都圏でのこれまでのマンション供給は量ではトップクラスだし、戸建てでもコンスタントに供給している。最近ではリノベーションマンションにも力を入れている。商品企画力も大手に負けないものがある。再び勢いを取り戻す可能性はある。
記者はさらに首都圏での同社の地位を不動のものにする三の矢が放たれるとみている。それはやはり商品企画に関することだろうと考えている。
それにしても最近の大手各社のマンション市場の覇権争いは熾烈を極める。中長期的には市場から評価されるのは10社ぐらいに絞られるのではないかと見ている。
アキュラホーム 間伐材採用した学習机天板寄贈
アキュラホーム
間伐材を採用した学習机天板2,056枚を小学校に寄贈
カンナ掛けを実演する宮沢社長
アキュラホームとグループ会社のオカザキホームは4月17日、子どもたちに木の素晴らしさを伝える「木望(きぼう)の未来プロジェクト」として2012年度は間伐材を採用した小学校学習用机の天板2,056枚を15の小学校に寄贈し、そのうち7校で木の良さを伝える出張授業「ふれあい授業」を実施したと発表した。
「木望の未来プロジェクト」は次代を担う子どもたちへ「森のすごさ」「木の素晴らしさ」「物づくりの楽しさ」の理解を深めてもらうことを目的に2010年からスタート。間伐材を加工し製作した小学校学習用机の天板を小学校に寄贈して古い机を再生している。アキュラホーム・宮沢俊哉社長自らが〝カンナ社長〟として「ふれあい授業」の講師を務める。
東建不販 足立区のサ高住の管理運営受託
東京建物不動産販売
足立区のサービス付き高齢者住宅の管理運営受託
東京建物不動産販売と日比谷花壇は4月17日、「足立区西新井6丁目サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)計画」の賃貸借及び運営についての基本合意書を締結したと発表した。
同計画は、日比谷花壇が事業主及び賃貸人、東建不販が賃借人及び管理運営事業者、やさしい手がサービス提供事業者として参画する異業種3社のコラボレーションによるプロジェクト。
東武大師線大師前駅から徒歩9分に位置し、62戸の居室と訪問介護事業所を併設したサービス付き高齢者向け住宅。24時間365日の有人管理体制で、緊急時対応、安否確認、生活・介護相談のほか、短時間随時介護サービスや食事提供サービス、アクティビティサービスなどの生活支援サービスを提供する。
東建不販は、東京建物が開発したサービス付き高齢者向け住宅「グレイプス浅草」の管理運営を受託しているほか、「グレイプスふじみ野」、「(仮称)コーシャハイム千歳烏山A棟・B棟・D棟」の管理・運営業務の受託が決まっている。
住まいサービス ワンストップ提供 三菱地所グループ
住まいのサービスをワンストップで提供する
「三菱地所のレジデンス ラウンジ」開設
「三菱地所のレジデンス ラウンジ」
三菱地所グループは4月12日、住まいに関する様々な情報・サービスをワンストップで提供する「三菱地所のレジデンス ラウンジ」を千代田区有楽町にオープンした。オープンに先立ち報道陣向けに内覧会を行った。
同ラウンジは、住まいの購入・マンション管理・リフォーム、賃貸・売却など住まいに関するあらゆるニーズにワンストップで対応するもので、常時 3 名のコンシェルジュが要望に応じる。このほかライブラリー機能、イベント機能を備え、情報発信拠点となる。
同社グループが展開する住まいの情報をデジタルサイネージやiPadで提供するほか、気軽に来場してもらえるようソファとテーブル席も用意し、カフェサービスも行う。年間の来場者目標は3万人。
内覧会に臨んだ三菱地所・杉山博孝社長は、「2011年に発表した中長期ビジョンで『住宅ブランドナンバー一』を目指すとしたが、これからは仲介・リフォームなどを含めた個別事業を線で繋ぐバリューチェーンを強化していく」と話した。
ラウンジば、JR有楽町駅から徒歩1分の新有楽町ビル1階、面積は約241㎡(73坪)。営業時間は平日は11:00~20:00、土日祝日は10:00~20:00(定休日は水曜日)。フリーダイアルは0120-520-291。
ラウンジ内
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この種の施設は三井不動産が昨年4月、目黒駅前に「三井の住まいモール」を開設し、11月にも横浜に開設した。住友不動産は一昨年末に、山手線沿線に5カ所の「総合マンションギャラリー」を設けた。
三菱地所はこれらに次ぐものだが、規模と数では劣るのは明らかだ。やはり他社にはない〝三菱地所らしさ〟をどうアピールし、三菱ファンをどう獲得するかだろう。問われるのはサービスの質だ。
杉山社長
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記者はバブルが弾けた当たりから、マンションや戸建て事業を展開する企業の価値は、戸数とか売上高の多寡ではなく「人に優しい」「環境に優しい」というキーワードが大きな尺度になると考えてきた。この考えは間違っていなかった。
戸建てトップの積水ハウスは2001年に「5本の樹計画」を打ち出し、2008年には「エコ・ファースト企業」に認定され、2009年には「グリーン・ファースト」を発売するなど、人と環境にやさしい最先端企業であることをアピールしてきた。ユニバーサルデザインの取り組みでも他社より抜きん出ている。アットホームなCMとともに同社が「人と環境に優しい」企業であることは誰もが認めるところではないか。
三井不動産もバブル崩壊後、大変身した。バブル前は「業界ナンバー一」を誇示していたが、その後は「CSナンバー一」「ソリューションナンバー一」を幹部は口にしてきた。そして2010年に新たな環境コミュニケーションワードとして「& EARTH」を策定し、地球環境への取り組みを一段と強化してきた。
三菱地所はどうか。同社は2007年9月、ブランドスローガンとして「人を、想う力。街を、想う力。」を策定した。「人」とは同社の全てのステークホルダーを表した言葉で、同社の事業領域である「街」を舞台に新たな価値を創造し、環境との強制に挑戦するという想いが込められたものだ。
同社は積水や三井と異なり住宅事業が主力でないためにやや遅れを取っている観は免れないが、「住宅ナンバー一」を目指す下地は十分備わっていると思う。マンションの戸数ではない。「OIKOS吉祥寺」や「スマートセレクト構想」「カスタムオーダーマンション」などはどこにも負けない取り組みだし、「空と土プロジェクト」はいかにも三菱地所らしい取り組みだ。
記者は三菱地所ホームが同社のお客さんとともに山梨県の限界集落で稲刈りをするのを同行取材したが、同社が建てる住宅の構造材の国産材利用率を50%に引き上げ、さらに高めようとしていることに感動すら覚えた。
「 OIKOS 」も「カスタムオーダーマンション」も三菱地所ホームの売上高は同社グループ全体の売上高のコンマ以下かせいぜい2~3%どまりでしかないが、これこそが同社がアピールしたい「人を、想う力。街を、想う力。」ではないかと思う。
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先にラウンジではカフェサービスもあると書いたが、何とそのカフェは昨日の三井ホームの新商品発表会で記者団に振舞われた「DeLonghi(デロンギ)」と同じだった。昨日は「そんじょそこらのまずいコーヒーではない」と書いたが、値段に換算すれば「800円の価値がある」と三菱地所の広報担当者らに話した。とにかくおいしい。内覧会のすぐ後でコーヒー専門店で飲んだものとそれこそ雲泥、天と地ほどの差があった。コーヒー専門店の料金は500円(それ以外のサービスもあるが)だったから800円というのは妥当な値段だと思う。
このコーヒーを飲むためだけにラウンジに立ち寄る勇気のある人はそういないだろうが、ぜひお勧めだ。
「DeLonghi(デロンギ)」のコーヒー(昨日の三井ホームは紙カップだったが、今日は陶器製)