RBA OFFICIAL

 平成28年度の新設住宅着工戸数は前年度比5.8%増の974,137戸となり、2年連続で増加した。国土交通省が4月28日発表した。

 内訳は持家が291,783戸(前年度比2.6%増、2年連続増)、貸家が427,275戸(同11.4%増、2年連続増)、分譲住宅が249,286戸(同1.1%増、2年連続増)。

 分譲住宅のうち分譲マンションは112,354戸(同5.1%減、昨年度の増加から再び減少)、一戸建住宅は134,700戸(同6.7%増、2年連続の増加)。

 地域別では、首都圏の総数は前年度比7.9%増、持家は同0.3%減、貸家は同14.0%増、分譲住宅は同5.3%増(うちマンションは同3.4%増、一戸建住宅は同7.3%増)。

 首都圏マンションは65,462戸(同3.4%増)で、都県別では東京都42,135戸(同5.3%増)、神奈川県12,875戸(同1.7%減)、埼玉県5,277戸(同12.7%増)、千葉県5,175戸(同5.9%減)。

カテゴリ: 2017年度

ルフレ_ロビーモデル.jpg
「メガロスルフレ恵比寿」

 スポーツクラブ「メガロス」を展開する野村不動産ライフ&スポーツは6月16日、「横浜野村ビル」内に「リラクゼーション」と「ボディメイク」をテーマにした女性特化型のフィットネス「メガロスルフレみなとみらい」を新規オープンする。

 利用者にボディメイクだけでなく、癒しの時間を提供できるよう副交感神経を優位にしリラックスさせる効果に着目したリラクゼーションプログラムや、婦人科ドクターの監修に基づき誕生したプログラムを取り揃え、フィットネスの最先端であるアメリカで生まれた「イン・トリニティ」「ストレッチーズ」の2つのプログラムをメガロス全店の中で初めて導入する。

 同社は昨年6月、「女性ホルモンのバランスや女性特有の不調や悩みを改善できる場所」をコンセプトにした女性専用クラブ「メガロスルフレ恵比寿」をオープンしている。

 「メガロスルフレみなとみらい」は、横浜高速鉄道みなとみらい線新高島駅から徒歩4分、みなとみらい駅から徒歩7分、横浜市西区みなとみらい4-4-1横浜野村ビル1階。営業時間【月~金】7:00~22:00【土・日・祝】9:00~21:00(定休日は毎月5日、夏期、年末年始。

【確定】MM_パース0428_ページ_1.jpg
「メガロスルフレみなとみらい」パース

カテゴリ: 2017年度

IMG_0496.jpg
大正時代に造られた高さ6.3メートルの日和山(津波は松の中ほどまで押し寄せた)

「きちんと訓練していれば、全員助かった」櫻井氏

「閖上に津波は来ないという神話があった」格井氏

 「きちんと訓練していれば、全員助かった」-ゆりあげ港朝市協同組合代表理事で震災の語り部でもある櫻井広行氏(62)は、約60名のポラスグループの南越谷阿波踊り慰問団を前にして開口一番こう語った。その理由や津波の教訓を一人ひとりに諄々と話した。

 「みんな防災意識が欠けている。よくわかっているのは2~3%の人。95%の人はゴミ扱い。避難訓練もおざなり。行政は予定をこなせばそれで仕事が終わる。住民もモノが出ないと参加しない」

 「閖上が津波に襲われたのは地震から1時間たってから。この間、肝心の防災無線は鳴らなかった。震災と同時にヒューズが飛んだからだが、それがわかったのはずっと後になってから。逃げるまで1時間もあったのに子どもをわれわれは助けられなかった」

 「いざというとき、子どもは絶対に安全なところにいる環境を作ってください。子どもが安全と思うことだけで非常にらくになる」

 「人間の知恵では自然には勝てない。よけるか逃げるか、どちらか。津波の時速は50~60キロ。10cmで足元が掬われる。濁流に飲み込まれると瓦礫と共にミキサー状態になる。まともな遺体など一つもなかった。逃げるときは車も金も捨ててください」

 「もう被災地にモノはいらない。補助金ももらったし学校も建ててもらった。みんな税金。あいつら借金だけ残したと言われるのが恥ずかしい。子どもや孫の脛かじっているようなもの。お返しはできない。とにかく来てください」

 約1時間、櫻井氏の口からは辛辣な言葉が次から次へほとばしった。慰問団は水を打ったように静まり返った。

 櫻井氏は年間、会場となったゆりあげ港朝市食堂で約100回、県外で約30回講話を行っているそうだ。翌日の朝市では、黒山の人を前にバナナのたたき売り口上そっくりのだみ声で商品を手際よくさばいていた。

IMG_0529.jpg
櫻井氏

IMG_0532.jpg
櫻井氏の講話を聴く参加者(メイプル館で)

◇       ◆     ◇

 津波で両親と家を失くした、もう一人の語り部、閖上地区の復興新聞代表・編集長の格井直光氏(58)は「閖上には津波が来ない、避けて通るという神話があった」と何の根拠もない〝妄信〟が住民の間に広まっていたことを悔やむ。

 「昭和8年の三陸沖地震で津波に襲われたとき、先人は石碑を立てた。昔の人は意識が高かった。それを教訓にできなかった。行政も情けない」

 「嵩上げについては賛否があった。行政は5mと決めたが、あと1m高くすべきという声が多かったが、行政は聞かなかった」

 「私たちの役割はきちんと被災を後世に伝えること。風化の懸念はあるが、ことあるごとに伝えていきたい」

 櫻井氏ほどではなかったが、格井氏もまた被災者の望む通りに進まない行政の復興計画を暗に批判した。

IMG_0501.jpg
格井氏

IMG_0512.jpg
日和山の慰霊塔に供花する参加者

◇       ◆     ◇

 別掲の通り記者は4年前、中国人画家・常嘉煌(ジョウ カコウ)氏が100号の油絵「祈願の櫻」を名取市立閖上中学校に寄贈した際、取材で訪れており、当時の佐々木一十郎市長や仮設住宅に住んでいた三浦信江さん(75)にインタビューも行っている。

 閖上地区の復興計画について「賛否両論があるが」と佐々木市長に尋ねたが、「マスコミは信用できない」などと、市の計画に反対する住民の声を紹介する地元紙を批判した。

 昨年7月行われた市長選で佐々木氏は、20,677票を得た新人の山田司郎氏に約6,000票差で敗れた。河北新報は山田氏の勝利を「『復興がここまで遅れたのは市民の声と懸け離れた市政運営の結果だ』と強調。対話重視の姿勢を鮮明にして有権者の心をつかんだ」と報じた。

 記者は被災地の復興土地区画整理事業を懐疑的に見ている。名取市がどう進むか気になる。

IMG_0518.jpg
住民運動で建立された慰霊塔(高さは津波の最大を記録した8.4m)

IMG_0540.jpg
嵩上げされた区画整理地に建設中の公営住宅(奥)と隣り合わせの墓地

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その3(旗振り役)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その1(死の街)(2017/4/27)

「みんなと別れたくない」 名取市美田園の仮設住宅に住む三浦さん(2013/3/21)

「閖上に希望と勇気を」 中国人画家・常嘉煌氏が100号絵画「祈願の櫻」寄贈(2013/3/21)

これでいいのか 被災地復興土地区画整理事業(2014/2/13)

カテゴリ: 2017年度

IMG_0467.jpg
汚染土壌の土嚢(富岡町で)

福島原発 新緑が美しい山並みとあまりにも対照的な光景に声もなし

 ポラスグループと南越谷阿波踊り振興会は4月22~23日、宮城県名取市美田園第一仮設住宅阿波踊り慰問を行った。記者は密着取材を敢行した。数回に分けてレポートする。今回はその第一弾。

 名取市は2011年3.11の東日本大震災で被災エリア住民の約6分の1に当たる954名(このほか行方不明者39名)が犠牲となった。ポラスグループは震災直後、美田園地区に128戸の仮設住宅を建設。その翌年から、仮設住宅の建設にも関わった同社グループの住宅資材センター施工部部長でPO連連長・土屋誠氏(45)の呼びかけで毎年慰問を行っており今回が6回目。

 約60名の参加者は早朝6時30分に越谷市を貸し切りバス2台で出発。常磐道を北へ、約6時間30分の行程をかけて現地に向かった。冒頭、土屋氏は「物見遊山で出かけるのではない。それぞれがツアーで見聞したことを語り継ぎ、国を動かす力になってほしい」と注意を促し、もっとも甚大な被害を受けた閖上地区の被災状況や、仮設住宅建設の経緯、映画「君の名は。」の原点となった新海誠氏の閖上訪問のエピソードなど映像を交え説明した。

 いわきICを過ぎたあたりから放射線量を示すモニタリングが表示され、至るところに設置されているシートで覆われた放射能汚染土と「帰還困難区域」に指定されている大熊町、双葉町などの高い放射線量に声を失った。〝死の街〟を目の当たりにした。

IMG_0486.jpg
土屋氏

◇       ◆     ◇

 いわきICを過ぎ四倉IC当たりで、土屋氏は「ほら『二輪通行不可』の注意書きが見えるでしょ。汚染土の土嚢の量も放射線モニタリングの数値も越谷の10倍から数十倍。しっかり見てください」と声を掛けた。

 記者は広野~南相馬間に設置された9カ所のモニタリングポストの数値と、車窓から見える汚染土壌の土嚢をカメラに収めた。

 モニタリング数値は広野町当たりで01 mSv/hだったものが福島原発に近づくにつれ上昇し、双葉町では3.4 mSv/hを記録した。さいたま市当たりで0.05 mSv/hだから68倍の数値だ。

 「帰還困難区域」に指定されている大熊町、双葉町などは人の気配が皆無なのは理解できるが、避難指示が解除された楢葉町、富岡町、南相馬市などでも人家は確認できたが、人の気配は全くなく、車の通行も2~3台はあっただろうか。

 帰りの車中では南相馬を過ぎた当たりからいわき市に入るまでの数十キロにわたり人家の灯りはまったく確認できなかった。新緑が美しい山並みと正反対の光景に暗然たる気持ちになった。

IMG_0461.jpg
広野-南相馬間の放射線量0.1~3.4 mSv/hを示すモニタリング表示

IMG_0455.jpg
「二輪通行不可」の表示

◇       ◆     ◇

 国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部の祖父江友孝氏は「放射線の発がん影響について」(2011.3.28)と題するレポートで「成人が1000ミリシーベルトを一度に被ばくすると全固形がんの発がんリスクが1.6倍に増加します。これは非喫煙者と比べた場合の喫煙者のリスクの増加程度とほぼ同程度です。現時点で住民の方が受けたと考えられる被ばくによる影響は、それよりはるかに低い値となると予測されます」と述べている。

 レポートが震災からわずか17日後に出されているのに注目したいが、わざわざ喫煙者の発がんリスクと比べているのも興味深い。

 政府は先に、避難指示区域のうち空間線量率から推定された年間積算線量が20ミリシーベルト(3.8 mSv/h)以下となることが確実であると確認された浪江町や富岡町の避難指示を解除した。

 記者は専門家でないのでよくわからないが、チェルノブイリでは6年目以降に5ミリシーベルトへと避難基準を引き上げた。また、チェルノブイリで被ばく(650~1240 mSv)した18歳以下の10~15年後の甲状腺がんの発症リスクは4.0と喫煙者のガン発症リスク1.6の2.5倍にも跳ね上がるというテータもある。

 20ミリシーベルトを年間被ばくすれば50年で1000ミリシーベルトに達する(被ばく総量と被ばく率の因果関係や閾値は不明)。今村復興相が自主避難者に対して「自己責任」などと暴言を吐き辞任に追い込まれたのは当然のような気がする。

IMG_0481.jpg
車窓からの風景

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その3(旗振り役)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その2(語り部)(2017/4/28)

カテゴリ: 2017年度

image002.jpg
「キュープラザ二子玉川」

 東急不動産と東急不動産SCマネジメントは4月28日、都市型商業施設ブランド「キュープラザ」の4番目の施設である「キュープラザ二子玉川」をオープンする。26日、施設がメディアに公開された。

 「キュープラザ二子玉川」は、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅から徒歩1分の3階建て延べ床面積約2,521㎡。

 エリア初の「Climbing Gym Fish and Bird(クライミングジム フィッシュアンドバード)」やピザ料理などが楽しめる新業態の「CHICAMA(チカマ)」など4店舗からなる。

 外観は枕木とレールをイメージした外装とし、建物の随所に在来種の草花をうえるなど環境にも配慮しているのが特徴。

 同社と東京急行電鉄は先に、両社が運営する二子玉川駅直結の商業施設「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」の2016年度の売上高は403.9億円、来館者数は3,121万人となり、全館グランドオープンした2015年度を上回り過去最高を記録したと発表している。

IMG_1001.jpg
「CHICAMA(チカマ)」
◇       ◆     ◇

 Climbing Gym Fish and Birdでデモンストレーションを見学した。所長の酒井悠さん(26)は沖縄国体にも出場しているプロで、記者の「当然東京オリンピックを目指すのでしょ」という誘導質問に「イエス」と答えた。このほか4人の全日本クラスの選手がヤモリかサルのような格好で難題をクリアした。

 小さい頃は10mくらいの柿の木など平気で登った記者も体験したかったが、落ちて怪我でもしたら「自己責任」といわれそうでやめた。

IMG_0997.jpg

IMG_1002.jpg

IMG_0993.jpg
酒井氏(色男だが容姿は競技に関係ないとか)

IMG_1016.jpg
みなさん全日本クラスとか(たしか右端の人はワールドカップ優勝者)

カテゴリ: 2017年度

4.jpg
「南三陸ハマーレ歌津」街びらきセレモニー

 ナイスは4月24日、建築家・隈研吾氏が設計した宮城県南三陸町の仮設商店街「伊里前福幸商店街」の移転新築施設「南三陸ハマーレ歌津」が完成、4月23日に街びらきセレモニーを行ったと発表した。

 「南三陸ハマーレ歌津」は、東日本大震災の津波により被災した伊里前商店街があった国道45号沿いの5メートル程嵩上げされた海抜約7mの高台造成地約5,200㎡に完成。建物は木造平屋建て延べ床面積約672㎡。

 同社グループオリジナルの金物接合を用いた木造軸組工法(パワービルド工法)を採用。来訪者の手に触れる部分にはできるだけ地元の木材を使いたいという隈氏の意向を受け、外壁及び下屋部分のポーチ柱には地元の「南三陸杉」を採用。外壁には、地元の製材事業者、丸平木材が製材した木材が用いられている。

 近くには小中学校や防災集団移転団地などがあり、同施設は地域コミュニティーの中核的機能を担いつつ観光交流拠点となる。

 同社は、地元建設会社の志津川建設と山庄建設とで組成した「ナイス ・ 志津川 ・ 山庄 特定建設工事共同企業体」の代表として参画したほか、木質化企画や材料調達、構造躯体材のプレカット加工、施工などに携わった。

image002.jpg

3.jpg 2.jpg

ナイスが事業参画 隈研吾氏が設計した南三陸町「さんさん商店街」オープン(2017/3/6)

カテゴリ: 2017年度

image002.jpg
「(仮称)近鉄博多ビル」

 近鉄不動産と近鉄・都ホテルズは4月19日、福岡市博多区の「博多都ホテル」建て替えの計画案「(仮称)近鉄博多ビル」の概要を公表した。

 福岡市の掲げる「アジアの交流拠点都市」形成に貢献するため博多駅筑紫口駅前の新たなランドマークとなるビルを建設するとしており、外観コンセプトは「緑と水と光のビル」とし、壁面や最上階に水が流れ落ちる滝や緑を設置し、「見える滝」「見える緑」を演出する。

 ホテルは、客室数約200室、客室面積30㎡超とし、最上階にはレストランや日帰り入浴も可能な温泉を利用した屋外温泉スパ・屋内浴場などを設ける。

 また、地下階では地下鉄コンコースと接続し、 立体的な歩行者ネットワークを形成するとともに、地下駐輪場を整備する。2019年のラグビーワールドカップ開催前の開業を目指す。地下3階地上13階建て。

2.jpg
屋上温泉スパ

◇       ◆     ◇

 プレス・リリースだけではわからない部分も多いが、間違いなくトップレベルのホテルになる。客室が全て30㎡以上で、屋上に温泉スパ・浴場を設置し、壁面や最上階に水が流れ落ちる滝や緑を演出するのもいい。外資系はともかく、わが国のホテルは宿泊特化型ばかりが花盛りで正直うんざりしていたので、とてもうれしい。

 外観デザインはどこかで見たような気がするが思い出せない。滝や緑の演出は隈研吾氏がデザイン監修した豊島区庁舎との一体開発「Brilliaタワー池袋」とよく似ている。

3.jpg
低層部

屋上に里山とせせらぎ、格子デザインも美しい 豊島区新庁舎が完成(2013/12/26)

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

16.jpg
「(仮称)tvk ecom park」 壁と屋根部分の「コネックトラス」

 三井ホームは4月19日、グループ会社の三井ホームコンポーネントが実質的に施工したテレビ神奈川の多目的倉庫「(仮称)tvk ecom park」が上棟したのに伴いメディア向け見学会を行った。

 施設は、横浜市西区西平沼町6(tvkハウジングプラザ横浜に隣接)に位置する木造枠組壁工法2階建て延床面積約713㎡の準防火建築物。着工は2017年1月、完成予定は2017年6月。建築主はテレビ神奈川。設計はtvk コミュニケーションズ 一級建築士事務所、施工はtvk コミュニケーションズ。部材供給と建て方施工は三井ホームコンポーネント。

 建築主が地球環境にやさしく周辺環境にも調和する建築を希望し、木材を使用した建築工法を望んだために実現した。単なる倉庫でなく事務所も併設した建物で、太陽光発電設備の搭載も視野に入れた緩やかな片流れ屋根が特徴。

 建物全体の高さを抑え、かつ内部の有効率を高めるために耐震性に優れたステンレス製接合金物「コネック」を採用した「コネックトラス構造」とし、吹き抜け部分の最大天井高5.8m、スパン16.2m、長さ18.9mの大空間を実現した。

 同社はまた、2×4材を用いた軸組工法の簡易型倉庫を計画しており、液体ガラスを採用することで現しに見せる工夫も行うことも明らかにした。

IMG_0447.jpg

IMG_0448.jpg

◇       ◆     ◇

 美しい。冒頭の2×6の壁と屋根部分の「コネックトラス」の写真を見ていただきたい。下手な記事などいらない。

 美しさを堪能して帰ろうとしたら、別の記者の方が「コストはどうか」という質問をした。大事なことだ。記者の仕事も含めあらゆる取材対象の〝コスパ〟(コストパフォーマンス)を意識しないといけない。

 しかし、質問した方の「コスト」とは、鉄やコンクリとの比較においてどうかという、つまり鉄やコンクリのモノサシで「木」の値段を計ろうとしている魂胆が透けて見える。

 鉄やコンクリが美しくない、劣っているというのではない。それぞれ美しい。鉄は森羅万象を撥ね返す凛とした美しさがあるし、コンクリは何ごとも吸収してしまいそうな堅牢な美しさがある。

 しかし、木が持つ美しさは単に美しいというだけでなく、人や地球環境にやさしい特長を持つ。そのトータルな美の価値、効用の価値を金額に換算したらはるかに鉄やコンクリに勝る。この価値を念頭に置かないで、鉄やコンクリと比較し〝安いほうがいい〟という結論を出すとすれば、結局は〝賃金だって安いほうがいい〟という極論を導きかねない。極めて危険な思考方法だと思う。

 そこで、法の壁は2×6より厚くて(同社は反論するかもしれないが)無慈悲なのは百も承知で、返ってくる答えも分かっていたが、質問された記者の方にもわかってもらいたくて皮肉を込めて質問した。「着衣のマハもいいが、裸のマハがいいに決まっている。どうして外観はトタン(ガルバニウム鋼板など)にして美しさを覆い隠さないといけないのか」と。担当者は予想した通り「現しにするのはこれから」と答えた。

 さらに言えば、全ての木造を手掛けるメーカーにお願いだ。もうメディアの質問意図を忖度して鉄やコンクリの土俵に素っ裸で上がるような真似は止めていただきたい。(理論武装してという意味ですから誤解しないでください)

 参考までに。先の「コストはどうか」という問いに担当者は「鉄と比較して坪あたり2万円安い」と答えた。もちろん、これには木の美しさや人と地球にやさしい価値は含まれていない。もう一つ言っておきますが、わが第三企画の印刷工場の屋内の壁は本物の杉の無垢材ですからね。

IMG_0452.jpg

IMG_0453.jpg

リリース3P-1.jpg リリース3p-2.jpg

リリース3p-3.jpg その他1.jpg
施工過程

 

カテゴリ: 2017年度

clip_外観.jpg
「31VENTURES Clip ニホンバシ」

 三井不動産は4月17日、ビジネスの創造・拡大を目指す人同士を結び、オープンイノベーションを実現する「31VENTURES Clip ニホンバシ」を拡張し、日本橋本町3丁目に移転、新装オープンした。

 2014年4月に開設した「31VENTURES Clip ニホンバシ」の取り組みを強化するため、新たにClip ニホンバシビルを建設し、その1階に面積を拡張して移転した。同ビルの2 階・3 階には超小型人工衛星を開発するベン チャー企業、アクセルスペースが入居した。

 新しい施設は、東京メトロ銀座線三越前駅から徒歩3 分、中央区日本橋本町3丁目に位置する敷地面積約281㎡、軽量鉄骨造3階建て。

 会員制で、月5プランが6,000円/月、毎日9 時〜23時、使い放題プラン15,000 円/月 毎日9時〜23時。使い放題プランは法人登記も可能で12,000 円/月。

clipワークスペース.JPG
ワークスペース

カテゴリ: 2017年度

2.jpg
全体完成イメージ図(左)とD棟完成予想図

 三菱地所は4月17日、東京駅日本橋口前の10年プロジェクト「常盤橋街区再開発プロジェクト」の第一弾の新築工事となるD棟を着工した。

 同プロジェクトは東京駅周辺では最大となる3.1haの敷地に10年超の事業期間をかけて段階的に4棟のビル開発を進める計画で、D棟はその第一弾。地下と低層棟に下水ポンプ所を新設する。都心の重要なインフラとして1964年に日本ビル地下に合築して設けられた東京都下水道局銭瓶町ポンプ場に替わるもの。竣工後は東京都水道局の所有となる。

 D棟の着工を皮切りに今後2018年には高さ200m超のA棟、2023ルンには高さ約390mのB棟を着工する予定で、全体完成は2027年度。

 同社常盤橋開発部長・平井幹人氏は「1964年東京オリンピックのとき竣工した日本ビルは東洋一と言われた。あれから50年。ビルの老朽化が進み、地下の下水ポンプの更新が難しいと言われながら機能を止めることなくかつ将来の更新を見据えて段階的に整備していく。全体が完成する2027年には世界一の街区となるよう開発を進めていく。『常盤橋』の常盤は常に変わらぬ永久不変、不滅を意味する。東京の世界のシンボルとなるよう時代の変化に対応し進化させていく。テクノロジー、AIを駆使して最大限の価値を引き出す」と語った。

◇       ◆     ◇

 私事だが、弊社は本日4月17日、管理部門の一部を東京駅すぐの三菱地所の「丸の内北口ビル」に引越しした。皇居のたもとであり「常盤橋再開発」エリアとは目と鼻の先。日本一どころか世界一の街区になる一角に移ってそれにふさわしい恥じない記事が書けるのかいささか不安になってくるが、事務所はわたしが選んだわけでもない。

 あちらこちらから記事を打擲されて身もだえることになるかもしれないが、とにかく老骨に鞭打って体力が続く限り書こうと決意を新たにした。

 まさにこの日、第一弾の記事が「常盤橋」というのも何という僥倖か。しかも、〝世界一の街を目指す〟と宣言した平井氏は、同社野球部が黄金時代だった時の正捕手だ。話を聞きながらどこかで聞いた名前だし、見たこともあるような気がしていたが、まさかあの平井捕手が常盤橋担当部長だとは…。平井氏はまだまだ成長し続けているようで、一回り大きくなっていた。

 野球はもうとても無理だろう。これだけが残念。「写真を」とお願いしたら「ビジュアルは勘弁を」と断られた。こっそり撮るべきだったか。まあしかし、また撮る機会はあるはずだ。

image002.jpg1.jpg
ビフォー&アフター 縁切り工事を施し一方は解体し、他方はビルの機能を維持するという難工事の末、縦に真っ二つに切断された日本ビル(大成建設の技術)

カテゴリ: 2017年度
 

 

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン