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「プラウドシーズン仙川」 

 野村不動産は10月17日、三鷹市エコタウン開発奨励制度で初の「ゴールド認定」を取得した戸建て分譲住宅「プラウドシーズン仙川」の記者発表会&感謝状贈呈式を行ない、住宅は11月上旬に販売開始すると発表した。

 物件は、京王線仙川駅・つつじヶ丘駅から徒歩13分、三鷹市中原一丁目の建ぺい率40%、容積率80%の地域に位置する全45区画。敷地面積は120.09~136.08㎡、建物面積は94.76~102.86㎡、価格は未定だが6,000万円台から7,000万円台が中心。構造は2×4工法2階建て。入居予定は平成27年2月下旬~11月上旬。設計・施工は東急建設・細田工務店。

 プラウドスマートデザイン「SMART&GROWING」のコンセプトに基づき、全戸に太陽光発電パネル、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、蓄電池(5kwh)、電気自動車充電用コンセントの4つの設備を搭載。

 街の防災にも配慮し、住宅に搭載された蓄電池から屋外コンセントと庭園灯に電気を供給し、非常時の停電にも街に明かりが灯る設備を導入するほか、「かまどベンチ」を隣接の公園に設置し、蓄電池を地域の防災備品として公民館に寄付する。

 同社、市、町会関係者が出席した感謝状贈呈式には清原慶子・三鷹市長も出席。「市はこれまでも地域の再生・活性化に取り組んできたが、これからは創生が大事とエコタウン開発奨励金制度を昨年から始めた。国が掲げる地方創生を先取りしたのではないかと思う。野村さんの住宅地は、緑化率を高めるほか環境に優しい創・蓄・省エネルギーの取り組みで初のゴールド認定となった。〝プラウド〟の名の通り地域の価値を高めるとともに、誇り高い街づくりを進めていただきたい」と挨拶した。

 これに対して、同社執行役員・鈴木浩一郎氏は「住宅のみならず、地域のコミュニティ向上に積極的に関わっていきたい」と応えた。

 三鷹市エコタウン開発奨励制度は、3,000㎡以上の戸建住宅の開発行為に対してエコな取り組みをする事業者を奨励する制度。同社は太陽光発電、蓄電池、電気自動車用充電設備、エネルギー管理システムで1戸当たり合計19ポイント(1ポイント1万円)を獲得。ポイントは価格に反映される。

 記者発表会に臨んだ同社戸建事業部部長・大矢寛之氏は記者団の質問に答えて、今年度の戸建て供給は1,000戸の大台に乗せ、今後も1,000戸体制を継続していくと話した。数年前までは影すら踏めなかったのに、ついに三井不動産レジデンシャルを捕らえた。「引き離すのか」との質問には「1,000戸くらいが限界」と慎重な構えも見せた。

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 同社の戸建てシリーズ「プラウドシーズン」は結構取材しているので、外観デザイン・設備仕様などについて改めて書くことはない。デザインモール、アクセントウォール、コーナーグリーン、ゲートウォールなど細部にもよく配慮されている。門扉も設置される。

 問題は価格だろうと思っていたが、6,000万円台~7,000万円台というのはぴったりだろう。8,000万円を超えてくると厳しいのではないかと見ていた。

 ポイントはやはり三鷹市の奨励制度だ。金額的には1戸19万円だからそれほどでもないが、市からお墨付きをもらったという意味では効果が大きいのではないか。デベロッパーはもちろんだが、自治体も独自制度で住みたくなる街づくりを進めるべきだ。

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 お墨付きの威力を垣間見るような光景があった。感謝状贈呈式の後で、同社が贈呈したかまどベンチの見学会が隣接の「中原すくすく児童遊園」で行なわれたのだが、小学生数人が遊んでいた。清原市長はその子どもたちになにやら声をかけた。「一緒に見ましょう」とでも言ったのだろう。その結果、子どもたちも一緒になってかまどベンチを見学した。

 そのあとで記者は、〝知らない人に声をかけられても答えるな〟と教えられているはずの子どもたちに「あの人が誰か知ってる? 」と声をかけたら、「みんな知ってるよ。清原市長。運動会にいつも来てるもん」と返ってきた。3期目の清原市長は絶大な人気があるようだ。知らない記者の質問に答えるはずはないと思ったが、清原市長には「国立の求償権裁判はどう思いますか? 」と質問した。一瞥されただけで、「他の市のことにはノーコメント」と交された。

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左から「ひばりが丘町会」田中悟会長、鈴木氏、清原氏、同会・田邊健一前会長(「かまどベンチ」の前で)

三鷹市エコタウン開発奨励制度 野村不動産の都市型戸建てが初の「ゴールド」(2014/3/26)

カテゴリ: 2014年度

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「パレットコート越谷レイクタウンリゾート」モデルハウス

 ポラスグループの中央グリーン開発は10月18日、全98棟の「パレットコート越谷レイクタウンリゾート」第1期30棟の販売を開始した。「リゾート感覚で暮らす家」が開発コンセプトで、「ハワイ」「地中海」「カリフォルニア」「アジア」の4つのリゾート地をテーマにした戸建て分譲住宅。第一弾の今回は「ハワイリゾート」。今後、他のテーマ住宅も順次販売していく。

 物件は、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩9分の全98棟。1期1次・1期2次(18棟)の敷地面積は155.46~192.80㎡、建物面積は95.22~111.41㎡、価格は3,780万~5,400万円。1期1次9棟は優先分譲として販売済み。

 現地は「水との共存文化を創造する都市」として開発が進められている計画人口約22,400人の「越谷レイクタウン」区画整理事業地内の一角。「地区計画」のほか「まちなみ景観協定」により、最低敷地面積150㎡、一部電線地中化・宅地内電柱、壁面後退、建物意匠制限などにより将来にわたって美しい街並みを保全していく。

 全98棟を「ハワイ」(30棟)「地中海」(23棟)「カリフォルニア」(23棟)「アジア」(22棟)の4つのゾーンを6ブロックに分け、リゾートテイストの暮らしを提案するのが特徴。幅27m以上のメインストリートに面した宅地を中心に13本の景観木「ココスヤシ」を植樹する。

 今回の「ハワイ」をテーマにした住宅地は、シンボルツリー「ドラセナ」を中心に個性的な街並みを提案。外観はオレンジと赤茶色の屋根、白壁、深い庇のあるポーチなどを採用。内装・プランニングは、ハワイの高級リゾートを連想させる交流重視型や子育て重視、趣味重視、居心地重視の4つのプランを用意している。

 販売に先立って17日行われた記者発表会で同社開発事業部長・戒能隆洋氏は「10年前に分譲開始した1,035戸の『七光台』は先に完売した。2年前に分譲開始した214戸の『六町』も残り一ケタ。今回の用地はUR都市機構かせ今春に購入した。リゾートを全面に打ち出したのは広域から集客できる力があるからで、万人向けの商品を供給しても競合が多いこのエリアでは販売が長期化するだけ。幸い、この3週間で71組の集客ができている。18カ月で完売を目指す。社員の思いが詰まった住宅地」などと語った。

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モデルハウス1-3号棟

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 これまで海外リゾート地をコンセプトにしたマンション、戸建てをたくさん見てきたが、中国、モンゴル以外の海外に行ったことは一度もないし、木造の和風住宅が好きだからなんともコメントしづらい。

 ただ、2つあるモデルハウスのうちの1-3号棟は素晴らしい。戒能氏が話した分譲住宅は万人向けするものではなく個性的な商品であるべきという考えは賛成だし、ユーザーがどう評価するか楽しみだ。

 景観樹・シンボルツリーについて。13本で数百万円という「ココスヤシ」には度肝を抜かされた。「地中海」のシンボルツリーはオリーブだそうだ。未定だが「カリフォルニア」はオレンジか。樹高100mにもなるというセコイアを植える勇気はないだろう。「アジア」なら日本のサクラだろうと思うが、そうではなく「バリ」のバンブー(竹)らしい。インドネシアには「ロンボク」という木はないのか。

 それともう一つ注目すべきなのは「パレットコート」の販売スピードだ。一般的な郊外戸建て分譲住宅地は年間30~40戸売れればいいほうだ。100戸というのは驚異的だ。

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モデルハウス1-4号棟

カテゴリ: 2014年度

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「アルビオコート・一橋学園」

 ミサワホームの軸組工法による分譲戸建てブランド〝アルビオコート〟第一弾「アルビオコート・一橋学園」を見学した。注文住宅の伸びが期待できない今後の市場を見据え、分譲戸建てでカバーする狙いがありそうだが、全13棟とも造り手の思いが伝わってくる商品企画だ。同業他社や大手デベロッパーとも十分戦える商品と見た。

 物件は、西武多摩湖線一橋学園駅から徒歩13分、小平市小川町2丁目に位置する全13区画。建蔽率40%、容積率80%地域。敷地面積は122.20~124.34㎡、建物面積は96.67~99.36㎡。現在分譲中(5戸)の価格は4,390万円~4,890万円。構造・規模はミサワホームMJウッド(耐震木造住宅)2階建て。施工はミサワホーム多摩。建物は竣工済み。販売代理は三井不動産リアルティ。

 道路には保水性のインターブロックを敷き詰め、建物外観は南仏・プロバンスの街並みをモチーフにオレンジの瓦と塗り壁風の白の外壁が特徴で、凹凸をつけることで陰影を醸し出す工夫も凝らしている。全棟に印象的な意匠ウォールを施している。

 建物プランが面白い。全棟とも「階段書斎のある家」「思い出ギャラリーのある家」「小料理屋さん風キッチンのある家」「ホームパーティができる家」「土間部屋のある家」「週末はアウトダイニングの家」など個性的なものばかりだ。

 これまで青田の段階で4棟が売れており、ほぼ半数の契約が現段階で見込まれている。年末までは完売したい意向だ。

 同社は3年後までに軸組工法による分譲戸建てを400~500戸供給する目標を掲げている。

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 同社の分譲戸建てを見学するのは久々だし、もちろん軸組工法は初めてだ。最近見学した三井不動産レジデンシャルの「ファインコート国分寺日吉町」とはコンセプトもターゲットも全然異なるので比較はできないが、どちらかと言えば野村不動産の〝プラウドシーズン〟に似ているといえば似ている。いわゆるパワービルダーの戸建てとは全く異なる。

 街並み、建物の商品企画・設備仕様などを総合的に評価すれば、価格は間違いなく安い。

 思い切った商品企画を採用しているのは、他社と異なり一人の担当者が一気通貫で担当するからだろう。この現場も説明を受けた分譲開発部建売分譲課の多井中新介氏が用地の仕入れからプランニング-販売までを担当している。多井中氏が自ら作ったというコンセプトブックは3冊もあり、全部で56ページもあった。

 個性的なプランの提案は勇気のいることだが、平凡な万人向けのプランよりいい。そのプランを気に入った一人に買ってもらえばいいのだから。本来の分譲戸建てとはそのようなものだ。

 意匠・デザインはそれぞれ好みがあるので何とも言えないし、他社との差別化を図ろうという意図があったのだろうが、巾木が10㎝くらいあるのはいいのだが、回り縁が〝立派〟すぎ、ケーシングもやや派手だと思った。同社の注文住宅は〝シンプルイズベスト〟だそうだが、記者も賛成だ。シンプルなほうが美しい。

 もう一つ、これはいいと思ったのが子ども部屋だ。広さは4.5畳大になっていた。同社は「子ども部屋」の「個室」は「子失」という考えが浸透しており、広さを狭くし、その代わりに親子や家族が集えるスペースを確保することに力を入れているとのことだった。

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カテゴリ: 2014年度

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「SOL HUS 10(ソルヒューステン)」

 スウェーデンハウスは10月3日から10kwの大容量の太陽光発電システムを搭載可能にした「SOL HUS 10(ソルヒューステン)」の販売を開始した。

 両片(りょうかた)流れの屋根形状を採用し、バルコニーまで屋根をかけることで従来の2.3倍の太陽光発電システムを搭載することを可能にした。夏冬の日差しや春秋の自然の風を考慮し、自然環境をありのままに受け容れる工夫もしている。

 116.37㎡(35.20坪)の建物に10.24kWの太陽光発電システムを搭載すると、年間発電量は同社のオール電化住宅の年間使用電力量を大幅に上回る。発電した電力を全て売電できる「全量買取方式」を選択することも可能で、20年間にわたり固定価格で売電ができる。

 「SOL HUS 10」の年間発電量は灯油1,082リットル分、一日の発電量はEV車が東京から名古屋へ走行できる電力量に匹敵する。年間販売棟数は50棟。

カテゴリ: 2014年度

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「+Child firstの家」

 大和ハウス工業は10月3日、厚労省の「イクメンプロジェクト」推進メンバーでもあるオールラウンド・プロデューサーのおちまさと氏(48)がプロデュースした子育て応援住宅「+Child firstの家」を、同社が開発中の埼玉県吉川市の「IKUMACHI(育まち)吉川美南プロジェクト」戸建住宅街区内で公開した。

 「+Child firstの家」は、子どもの安全・健康に配慮した設備提案に加え、親子の時間を共有し、子供の成長に合わせて間取りを変更する工夫など55項目のアイデアを盛り込んでいる。

 記者発表に臨んだおちまさと氏は、「4歳の娘がいるが、生まれたときから楽しく子育てしている。3歳の時から海外旅行を2人でよく行っており、この1年間で6回行った。海外ではチャイルド・ファースト、レディ・ファーストが浸透しているのにわが国はそうではない。〝55〟は親子がヒフティ・ヒフティという気持ちを込めた。出来上がった建物は、年配の方の住まいとしてもいいのではないかと思う」などと話した。

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てーっぶカットする同社埼玉東支社・稲村敏伸支社長(左)とおちまさと氏

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 55項目のそれぞれの設備・アイデアは他社も採用しているものも少なくないが、これだけ揃えたのは初めてかもしれない。「55」は、タレント歌手が歌っている〝5、5、5、5〟のどこかのハウスメーカーに対抗したものではないということだ。

 珍しいものでは、子どもでもインタホンが押せるステップ付き門柱、サイドスロープ付きアプローチ玄関、蒸気処理付き食器棚、排気レス食洗機、ステップ付き2ボウル洗面台、鍵付き扉のある階段、川の字寝室などだ。2階バルコニーがフラットであることも他社と比べて優れている。

 注文を付けるとすれば、サイドスロープ付きアプローチ玄関は傾斜がきつすぎだ。ベビーカー用にはいいが、そこまでするのなら、玄関の隣にあるウッドデッキのほうに回り込んで庭-エントランス全体をスロープにすれば車椅子も利用できるではないかと思う。さらに言えば、浴室が1.25坪なのはいいが、浴槽に子どもが落ちて溺死しないようあるメーカーは研究開発を行っている。同社もやるべきだ。もう一つの課題は階段の幅だ。メーターモジュールも採用すべきだ。

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 おち氏の話を聞きながら、よくもそんなにまめに子育てができるものだと感心してしまった。何か特別の事情があるのかと思ったがそうではない。娘を連れて海外旅行するのは奥さんの負担を軽くするのも目的の一つで、小さい時から子離れする訓練のためにも行っているそうだ。

 「お子さんは2人目、3人目はどうですか」と聞いたら、「分かりません」ということだった。

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フラットな2階バルコニー(左)と1階のウッドデッキ

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 同社が開発を進めている「IKUMACHI(育まち)吉川美南プロジェクト」の戸建街区は270区画。1年半前から分譲開始しており、これまで130棟が販売済み。全棟太陽光発電、エネファーム、リチウムイオン蓄電池を搭載しており、道路と敷地の縁石をなくしてフラットにし、親子ベンチ、ストリートゲートなども設置居ているのが特徴。価格は5,000万円前後。

 駅前の大規模マンションも住友不動産と共同で昨年暮れから分譲しており、全429戸のうちこれまで280戸を販売済み。坪単価は140万円。こちらについては改めて紹介する。

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サイドスロープ付きアプローチ玄関

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既分譲の戸建て街区

カテゴリ: 2014年度

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「デュオアベニュー八王子グランドスクエア」

 フージャースコーポレーションが行った分譲マンション「デュオヒルズ府中多摩川」の見学会記事は先に書いたが、今度は子会社フージャースアベニューが分譲中の戸建て「デュオアベニュー八王子グランドスクエア」を紹介する。

 物件は、JR中央本線・横浜線・八高線八王子駅から徒歩11分、京王線京王八王子駅から徒歩12分、八王子市子安町1丁目に位置する全52区画(このほか分譲済みの10区画とあわせ62区画の開発)。近く分譲する第1期2次(7戸)の予定価格は4,400万円台~4,800万円台、土地面積は125.10~132.75㎡、建物面積は96.26~105.37㎡。施工・設計・監理は津田産業、エステーホーム。7月19日から販売を開始しており、これまでに25戸供給したうち22戸が契約済み。全体竣工予定は来年の5月。野村不動産のマンション「オハナ八王子オークコート」に隣接している。

 同社の戸建てブランド〝デュオアベニュー〟については「国立」と「成城」を取材し記事にしているのでそちらも参照していただきたい。記者はデザインなど商品企画を一新したことで、同社の戸建ては劇的に変わり、それがユーザーにも支持されていることを書いた。「国立」と「成城」も瞬く間に売れたし、今回の「八王子」も間違いなく売れると確信した。

 そのデザイン。今回も施工は津田産業とエステーホームだ。両社とも三井不動産レジデンシャルの都市型戸建て〝ファインコート〟シリーズを多く施工している会社だ。フージャースも「ファインコートのいいところを学ぼう」とデザインを一新した。

 今回の物件で面白いと思ったのは、豊かな植栽計画もそうだが、2階のバルコニーだ。南側の日当たりのいい中央部に設置しているもので、日照を確保しつつ独立性も保ったインナーバルコニーのようなのが特徴だ。これが人気になっているとのことだった。

 もう一つ面白いことも聞いた。物件はどこだったか聞き忘れたが、これから供給する物件には「プラウドシーズンの南欧風」を採用するのだという。

 価格最優先のいわゆるパワービルダーの不振が伝えられる中、デベロッパーの戸建て市場は三井不動産レジデンシャルの独走を阻もうと野村不動産が急追し、他のデベロッパーも供給を増やしつつある。フージャースコーポレーションは年間200戸が目標というから、三井と野村の2強にはかなわないが、他となら互角以上に戦えると思う。〝ファインコート〟〝プラウドシーズン〟のいいとこ取りを狙う同社の戦略は正解だろう。

 さらにもう一つ。同社は最近地方での再開発事業を積極的に取り組んでいるが、記者は高齢者向けマンションの分譲に注目している。いまつくばEX沿線で分譲している物件に加え、今度は「柏の葉キャンパス」でも分譲するという。三井不動産レジデンシャルと競合しても勝てない。「高齢者向け」なら地の利もあるし、これは面白い。

 なおももう一つ。同社の事業ポートフォリオについて。同社の2014年3月期決算は72.5%が首都圏マンション事業だったように、これまではほとんどがマンション分譲・販売だった。これを2017年度には市場環境に柔軟に対応するため単品事業のリスクを分散させ、マンション20%、地方・再開発20%、シニア20%、戸建て20%にしようというのだ。マンションは大手の寡占化が間違いなく進む。大手のいいところを取り入れつつ競争を回避する同社の戦略に注目したい。

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エントランス部分の植栽

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キッチンの隣に設けられているミセスコーナー

野村不動産「オハナ八王子オークコート」 上々のスタート(2014/6/2)

〝大手と互角に戦える〟フージャースアベニュー「デュオアベニュー国立」(2013/10/15)

フージャースの戸建て「デュオアベニュー成城」 早期完売か(2014/2/10)

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「スカイテラス南山」全景

 市街化区域に編入されてから44年、開発をめぐって賛成、反対の論議が繰り返されてきた稲城市の「南山東部土地区画整理事業」地内のマンションがいよいよ分譲開始される。9月24日、最先端の都市生活のトレンドを話し合う「GOOD DISTANCE東京メディアセッション」で野村不動産の担当者などが参加して同区画整理地内の「スカイテラス南山」の新しい街づくりが提案された。

 「南山東部土地区画整理事業」は、京王相模原線の稲城駅と京王よみうりランド駅のほぼ中間にあり、稲城市の南東部に位置する丘陵地。開発面積は約87ha。平成18年に組合の設立が認可された。総事業費は408億円。組合員は260人。減歩率は68%。宅地は約2,500区画の予定。「スカイテラス南山」は区画整理事業の愛称。野村不動産は参加組合員としてマンション・戸建て約1,000戸を分譲する。

 同セッションには、野村不動産・東伸明氏、稲城市役所都市建設部市街地整備課長・吉岡博文氏、一般社団エリアマネジメント里山・宇野健一氏、首都大学東京都市環境学部准教授・川原晋氏、ファッションディレクター・千場義雄氏などが参加。

 東氏は、開発まで複雑な経緯をたどってきたことから「周回遅れのトップランナーとして、また、社会の基盤になる街づくりを行うソーシャルデベロッパーとして市民活動を支援するクラブハウスの設置や、新しい形の自治を形成することを提案していく」と語った。

 宇野氏は、「ボランティア・スピリットだけでは限界がある」とし、エリアマネジメント手法をつかって緑化事業、地権者の土地活用支援、木質バイオマスの採用、コミュニティ支援活動などを行い事業として街の価値を高める活動を行っていくと話した。

 吉岡氏は、稲城市が「主婦が幸せに暮らせる街ランキング」(学研パブリッシング発行の雑誌「aene」)で全国2位になったことを報告。市民参加型のいい先例となるよう街づくりを支援していくと語った。

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「プラウドシティ南山」完成予想図

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 この区画整理事業については、これまで数回取り上げてきたのでそちらの記事を参照していただきたい。マンション「プラウドシティ南山」は京王相模原線稲城駅から徒歩6分の全412戸。80㎡台が中心で、価格は未定だが坪単価は180万円前後に落ち着く模様だ。9月28日には街づくりを紹介するイベントでモデルルームも公開されるので見学してレポートしたい。

 どうでもいいことかもしれないし、稲城市にケチをつける気は毛頭ないが、稲城市が「主婦が幸せに暮らせる街ランキング」で全国2位になったことについて一言言いたい。稲城市が全国2位なら、どうして隣接するわが街・多摩市はそれを上回らないのか。全国上位50にも入っていない。

 ランキングは、「主婦の幸せ度を『HQ(=Happy Quality)』と名付けて数値化。そして『暮らし』『家族』『お金』『食費・健康』『モノ・趣味』の5つの指標に関する幸せ度を全国の市ごとに偏差値化し、『主婦が幸せに暮らせる街』を導き出したという」(同誌)が、そんなものが数値化できるはずはない。「偏差値教育」に毒された人のやることだ。

 もう一つ。同セッションは二部構成で、一部で行われた「ファッションと住まいからみたライフスタイルの変化と最新のライフスタイル」がいま一つよく分からなかった。

 それぞれ1920年代から現代までの変遷をたどり、2020年の未来を予測するものだが、文化やファッションが住まいにどのような影響を及ぼし、また逆に住まいや住宅設備機器は文化やファッションをどう変えたかの関係性があまり語られなかった。

 そこで提案された「都市と距離感を保ったイマドキな家族」像も紹介されたのだが、夫は気持ちの良いLA風のTシャツに高級腕時計、スウェット腰巻き、腰ではくタイプのデニム、PRADAのスリップオープンスニーカー、妻はラルフローレンのシャツ、カルティエのサントス、エルメスのバーキン、ユニクロのjeans、todsの靴という姿だ。

 記者はブランドにまったく興味がないが、エルメスのバーキンは100万円以上、カルティエのサントスも数十万円から数百万円するという。一般サラリーマンが購入できる住宅は4,000~5,000万円が限度だ。

 まさか「南山」のマンションはそのような家族がメインターゲットではないだろうが、ひょっとするとそのような層も取り込もうという狙いはあるかもしれない。

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「都市と距離感を保ったイマドキな家族」像

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「GOOD DISTANCE東京メディアセッション」参加者

野村不動産、全250区画の「プラウドシーズン栗平」9月分譲(2014/8/4)

多摩ニュータウン学会 稲城市の南山東部区画整理・里山を学ぶ(2012/3/26)

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石積みの街が美しい「スマートコモンシティちはら台」

 東日本大震災以降、積水ハウスが全国で展開している「スマートタウン」の一つ「スマートコモンシティちはら台」を取材した。

 現地は、JR外房線鎌取駅からバス約12分、徒歩4分の千葉県市原市ちはら台東に位置する全215区画。昨年7月から建築条件付き宅地や分譲戸建てとして分譲されており、現在まで約40区画が販売済み。

 団地は、平成21年から分譲開始された同社と大和ハウス工業による「かずさの杜 ちはら台」(326区画)に隣接し、一体として開発されたものだ。街づくりは、平成17年6月に施行された景観法の提案制度を使用し、事業者や住民が素案を添えて景観計画策定の提案を行い、その素案に基づいて市原市が策定した景観計画に沿って行われている。

 既存の地区計画で定められている最低敷地面積165㎡や屋根の色彩、道路境界からの壁面の後退距離、垣・柵の構造などに加え、屋根の形状、緑化の基準などが上乗せされている。違反者には罰則もある。

 「かずさの杜 ちはら台」は、全国で初の先進的な街づくりが評価され、2012年のグッドデザイン賞を受賞している。

 積水ハウスの「スマートコモンシティ」は、太陽電池と燃料電池搭載を基本とし、ゼロエネルギー住宅「グリーンファーストゼロ」などとともに「安全・安心」「健康・快適」「エネルギー」「見守り」をキーワードに「SLOW&SMART」な暮らしを提案する同社独自の取り組み。これまで全国16か所、総区画1,708区画のうち、578区画が販売済みだ。

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中央側溝とクルドサックも特徴の一つ

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 同社の「スマートタウン」の取材は、昨年行った宮城県富谷町の「スマートコモンシティ明石台」に次ぎ2回目だった。隣接の「かずさの杜 ちはら台」は3年前、大和ハウスが見学会を行っているので、訪ねるのは2回目。

 「明石台」もそうだったが、タクシーを降りた途端、街路に沿った区画が昔懐かしい石積みが施されているのには驚いた。以前はこの種の石積みは珍しくもなかったが、最近はほとんど見なくなった。

 道路には縁石がなく、舗道と敷地の境界もフラットとし、一部は中央側溝を採用しているのも大きな特徴だ。行政の理解を得られるまで時間が掛ったが、粘り強く説得して実現したようだ。

 街づくりの基本設計は、同社とも縁が深い宮脇檀建築研究室で活動されていた二瓶正史氏が担当。「道」を大切にした宮脇氏の思想はこの街にも受け継がれている。

 

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街並み

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 驚いたのはこれだけではない。販売責任者の同社千葉南支店不動産課課長・青木博氏(47)から街づくりについて説明を受けたのだが、同社の不退転の姿勢に胸を打たれた。すべてのデベロッパーが学ばなければならないと感じた。

 不退転の姿勢はどこから生まれたか。依拠する街が大きく影響しているのは間違いない。

 同社千葉南支店は木更津市にある。読者の皆さんもご存じのように、木更津市は土地区画整理事業が全国的に盛んなところで、かつて東京湾アクアラインの開通などをあてこんで各地で開発が行われた。前市長はその旗振り役として全国に名を馳せた。

 ところがバブル崩壊。土地区画整理事業は動き出したら止まらない特徴がある。多くの事業が破たん状態に陥った。2002年には前市長が業務上横領容疑で逮捕され、市長を辞任。駅前の大型商業施設の撤退も相次いだ。

 記者は当時、小雨が降る中、1日がかりで市内の区画整理事業を取材したことがある。赤土だらけの禿山をみて呆然としたのを鮮明に覚えている。工事を請け負ったゼネコンはその後、民事再生法の申請を行った。

 青木氏はそのころ住宅展示場の担当だった。「赤ん坊まで買っても土地は余ると言われていた」と青木氏が振り返るように、「地価下落日本一」という不名誉な新聞記事が躍った。当時千葉南支店の成績は全国の中で下位に甘んじていた。

 青木氏は5年前、当時の支店長から「かずさの杜 ちはら台」の販売担当を任された。   

 責任者として就任するとき、「覚悟を決めよ。時が経つほどに価値が高まる街にするために、緑化基準を含めた街づくりのルールをお客さんに徹底するよう重要事項説明はお前が一人で全部やれ」と言われたそうだ。青木氏はその指示を守り、5年間で自社が販売した166区画全てのお客さんに1人当たり2時間半かけて重要事項を説明したという。

 同社が販売した「かずさの杜 ちはら台」の166区画は5年間で完売した。今の時期、166区画の住宅を5年間で販売するのは容易なことではない。今回の「ちはら台」の年間40区画販売も驚異的な数字だ。地域に根ざさないとできないことだ。その後千葉南支店の成績も回復し、全国トップレベルになったというのもうなずける。

 同社の「5本の樹」計画はよく知られているが、宅地購入者に中高木の植樹をお願いするのもまた容易なことではない。いま全国を席巻している建売り販売会社の住宅を見ればよく分かる。敷地はほとんどコンクリで固められ、樹木どころか雑草すら生えないのが当たり前になっている。お客さんが「いやだ」と言ったらそれまでだ。

 同社の街づくりに掛ける熱意は居住者にも浸透している。月額1,000円の管理費を徴収して樹木管理などに充てる仕組みも構築しているのだが、いつも草取りをしている年配の人に青木氏が「その草取りは業者がやってくれますよ」と声を掛けた。その人は「美しい街をつくろうというのはみんなで決めたこと。私の姿を子どもたちが目にすることでいっそう街に愛着をもってくれたらと思ってね」と話したそうだ。

 記者はこの話を聞きながら、住民の街を大切にする意識の高さに感動したが、販売を終えた街にも足しげく通う青木氏のことを見事だと思った。一方で、マンションデベロッパーなどが事業回転を速めるために〝事業離れ〟をいつも口にするのを思い出した。

 青木氏は「私たちももちろん販売が終了した後もアフターサービスを通じて関わり続けますが、私たちが離れても街全体の評価が高まっていくようにと願っています」と語った-〝経年美化〟の実践だ。

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「かずさの杜 ちはら台」の街並み(当初計画では右の公園に隣接する部分はコンクリの擁壁だったが、緑化を図ったという)
 

街のレベル高い「かずさの杜ちはら台」 大和ハウス「xevo Li」見学会(2011/10/21)

カテゴリ: 2014年度

 

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「ハイブリッドS-MJ」

 積水ハウスは8月25日、木造住宅「シャーウッド」に在来工法の4倍の業界最高強度を持つ耐力壁などを採用し、耐震性能を維持しながら設計の自由度も高めた新構法「ハイブリッドS-MJ」を開発、「シャーウッド」全商品に同日から導入すると発表した。

 新構法は、合板の二重張りや高耐力接合金物などにより強度を高めた耐力壁や、ラーメン柱と耐力壁の併用によりモノコック構造の堅さとラーメン構造の高い自由度を併せ持つ構造などを導入しており、設計条件が厳しい敷地や、3階建て、多雪地域でも大空間の提案が可能という。

 価格は3.3㎡当たり61万円から(本体価格のみ)。販売目標は150棟/月。

カテゴリ: 2014年度

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「プラウドシーズン栗平」

第一弾 全250区画の「プラウドシーズン栗平」9月分譲

 野村不動産が9月上旬に分譲開始する戸建て「プラウドシーズン栗平」を見学した。開発面積約25haの「稲城上平尾土地区画整理事業」地内に位置する全250区画の大型プロジェクトで、1区画最低面積を130㎡とし、ランドスケープデザインや外構・住戸デザイン、エネファーム全戸導入、ラクモア採用など街づくりにかける意気込みが伝わってくる物件だ。

 物件は、小田急多摩線栗平駅から徒歩9分、または小田急線新百合ヶ丘駅からバス約11分・徒歩1分、稲城市平尾の土地区画整理地内に位置する全250区画。敷地面積は135.00~159.18㎡、建物面積は100.52 ~118.93㎡、価格は未定だが5,000万円台から6,000万円台になる模様。建物は木造(2×4) 2階建て。設計・施工は東急建設、西武建設、細田工務店。

 かつて小田急多摩線の新百合ヶ丘駅徒歩圏では1億円以上、その他の駅圏では7,000~8,000万円の建売住宅が飛ぶように売れていた。さすがに最近の価格はそれほどでもないが、小田急不動産を中心に大手のハウスメーカー、デベロッパーが戸建てや停止条件付き宅地分譲を行なっており、良好な住宅地を形成している。

 区画整理事業方式により開発されたため、ここも良好な街並みを形成している。街全体は起伏に富み、1区画最低面積は130㎡、道路幅員は6m以上。外構には「まちなみツリー」「まちなみ花壇」を配し、各住戸のシンボルツリー、印象的なデザインの門柱、「コーナーウォール」などを設置。建物の外観には軒や窓周りにデザインモールやロートアイアン風のバルコニー手すりを設けている。

 住戸プランでは、全戸にエネファームを採用。同社の戸建てでは初めて「ラクモア」を導入。モデルハウスは吹き抜けリビング付きで主寝室にDENを設置し、浴室は1620サイズ、引き戸は全てソフトクローズ、2階のバルコニーは回遊できる広さなのが特徴。

  同社の戸建て住宅向けコミュニティ支援・生活サポートサービス「SMART&GROWING」を採用するほか、交流拠点となる「クラブハウス」も設置する。

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◇   ◆   ◇

 栗平駅は何度も建売住宅やマンションの取材で訪れている。今回の物件は、小田急不動産との競合もあるし、戸数が多く、はるひ野、京王線若葉台などでの供給も少なくないので高値追求はできないだろうと思った。7,000万円を超えることはないと予想したがその通りだ。アッパーで6,500万円ではないか。

 街並みの美しさや設備仕様の高さをアピールできれば十分勝負できると読んだ。同社は、大手町へ乗り換えなしで通勤できること、隣接の区画整理が進めば若葉台へのアクセスが飛躍的によくなる利便性もアピールしていくようだ。

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コーナーウォール

◇     ◆   ◇

 同社は昭和45年に約1,680区画の町田市・玉川住宅地(成瀬土地区画整理事業)に参画以降、「鶴川緑山住宅地」(約1,200区画)、「千都の杜」(約730区画)、「八千代緑ヶ丘」(約1,000区画)など40年間で合計25件(うち事業完了済20件、現在施行中5件)の土地区画整理事業に継続的に携わってきた。

 今回見学した「プラウドシーズン栗平」は施行中の「稲城上平尾土地区画整理事業」(施行面積25ha)地内のプロジェクトだが、同社はこのほかにも稲城市の2つの土地区画整理事業にかかわっている。「南山東部土地区画整理事業」(施行面積87.5ha)と「稲城小田良土地区画整理事業」(施行面積29ha)だ。3プロジェクトの合計施行面積は約142haだ。同社がどれだけの区画を取得・分譲するかは現段階で不明だが、マンションを含め千数百戸にのぼりそうだ。

 さらに同社は区画整理事業方式による戸建て分譲として今年に入って「プラウドシーズン船橋小室」(施行面積13.2ha、312区画)の分譲を開始した。「三芳町富士塚土地区画整理事業」(施行面積14.6ha)でも事業参画する。

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◇     ◆   ◇

 土地区画整理事業は「都市計画の母」と呼ばれてきた。記者も昭和50年代からそう呼んできた。地権者が権利に応じて土地を提供し(減歩)、その土地を道路や公園などの公共用地に当て、一部を売却して事業資金とする(保留地減歩)手法が、宅地不足を解消する合理的で公平な制度として定着し認識されてきたからだ。

 ところが、区画整理事業は地価の上昇を前提にした事業であるため、バブル崩壊後は様相が一変した。義業の長期化による金利負担増、減歩率の上昇、保留地の売却が進まないなどの理由から破たんするところが相次いだ。記者は減歩率が97%、つまりほとんど何も残らなかった広島県福山市郊外の「佐賀田土地区画整理事業(あしな台)」(19.5ha、342区画)の悲劇的な事例を取材している。

 昨年、三井不動産レジデンシャルが同社としてはバブル崩壊後で初めて茨城県守谷市の「松並土地区画整理事業」(施行面積41.7ha)に参画して話題になったが、それほど区画整理事業は厳しい環境下にある証左だ。

 その意味で、野村不動産の区画整理事業への参画は驚嘆に値する。稲城市での3つのプロジェクトは区画整理の復権・再生につながるかもしれない。それにしても、昭和45年に市街化区域に編入されてから区画整理事業が検討されてきた「南山東部」はそれから44年。当時生まれた子どもは44歳だし、母はすっかりおばあちゃんになっているはずだ。減歩率は68%で事業費は402億円。この間の推進派と反対派の賛否両論の時間とエネルギーを金額に換算したらいったいいくらになるのか。

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「みんなの書斎」(キッチンサイドに設置されており、料理に関することや子どもの勉強にも使える。キッチンやニッチなどにはマグネットが使えるホーローが多用されているのも特徴)

「区画整理の限界を超える」か スマートシティ「ビスタシティ守谷」(2013/2/22)

多摩ニュータウン学会 稲城市の南山東部区画整理・里山を学ぶ(2012/3/26)

カテゴリ: 2014年度
 

 

 

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