建売住宅のガリバー企業誕生 飯田グループホールディングス
建売住宅のガリバー企業誕生-一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームの6社は11月1日、共同持株会社「飯田グループホールディングス」を設立し、東証一部に上場した。初値は2,226円、終値は2,149円だった。出来高は205万株(売買単位100株)。
直近の決算を合計すると売上高は9,075億円、経常利益は751億円、当期利益は473億円で、売上高は住宅・不動産業で大和ハウス工業、積水ハウス、三井不動産、三菱地所に次ぐ第5位に躍り出た。三菱地所の9,271億円(2013年3月期)も射程圏に捉えている。
主力の建売住宅の販売戸数は29,459戸(アーネストワン8,222戸、一建設7,202戸、飯田産業4,854戸、東栄住宅3,267戸、タクトホーム2,958戸、アイディホーム2,954戸)に達している。建売住宅の全国市場は10~12万戸だから、実に3割前後の市場占有率だ。年間800~900戸の三井不動産レジデンシャルなどとは桁違いの多さだ。追随するところがないという意味では、まさにガリバー企業だ。自動車業界のトヨタ、証券業の野村ホールディングスのような存在だ。
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企業の価値は売上高で決まるものではないが、わが国で100数十社しかない1兆円企業に迫ろうとする同社のビヘイビアには苦言を呈さざるを得ない。新会社を設立したこの日、「飯田グループホールディングス」のホームページを立ち上げたが、リンクされているのは一建設と飯田産業のホームページだけだ。ホールディングスのホームページも知りたい情報らしきものはほとんどない。各社の決算短信や有価証券報告書を閲覧することしか情報を得られない。消費者や投資家に極めて不親切としか言いようがない。
同社が期待するシナジー効果も記者は疑問に思っている。飯田産業や東栄住宅はやや異なるが、一建設とアーネストワンは兄弟というより一卵性双生児のような会社だ。同じ商圏、同じ商品、同じ販売手法の会社が企業規模を縮小するならともかく、それぞれが現在の体制を維持しながら果たしてシナジー効果を得られるのか。逆のアナジーに陥りはしないのか。
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実質的な筆頭株主で代表取締役会長・飯田一男氏について、時効だろうから一言触れたい。
飯田氏の情報は極めて少ない。有価証券報告書にも昭和13年生まれで、昭和42年に一建設(当時、飯田建設工業)を開業したことぐらいしか記載されていない。
本人が極端に表に立つことを嫌っていたからだ。記者は昭和50年代の後半から平成4年ぐらいまで、毎年ではなかったが年に1度くらいお会いしていた。当時、前職で「首都圏建売住宅供給ランキング」調査を行なっており、トップの同社は4,000戸ぐらい供給していた。しかし、正確な数は公表しなかった。そこで、何度も頼み込んで「数字だけは教えるが、オレのことや会社のことについて記事にするな。写真はもちろんメモも取るな」という条件つきで取材に応じてくれた。
事務所はプレハブの2階建てで、いつも数人しかいなかった。エアコンはあったが暖房は石油ストーブだった。飯田氏はいかにも大工出身という短矩でがっしりとした体格をしていた。また、〝吝嗇家〟として知られており、手弁当持参で旧式の古い自転車通勤をしていた。「数字を教えてやるから新聞代をタダにしろ」ともいわれた。
約束の時間から1~2時間待たされることもしばしばあった。「書くな」といいながら、話し出すととまらなかった。「エッ、エッ、そうだろ」というのが口癖で、記者は年間の供給戸数を聞くのが目的だから、相槌を打つだけでほとんど話を聞いていなかった。
バブルが崩壊し、〝これからは戸数を追う時代ではない〟と調査をやめてしまい、飯田氏とも会わなくなったが、平成5年ぐらいのときか。同社が〝破綻する〟という噂を聞きつけたので新社屋に会いに行った。在庫処分に注力しており、「値引き販売して何が悪い」と強気なことを言っていたが、さすがに疲れきった表情をしていた。
その後、平成21年にジャスダックに上場したとき、コメントを取ろうと自宅まで押しかけたが、家族の方から「もう一線から退いておりますので」とお会いすることも出来なかった。
飯田グループホールディングスの代表権を持つ会長に就任したのだから、マスコミにも登場し、波乱万丈を語って欲しい。「チープな建売住宅」のイメージを払拭する責任があるのではないか。
旭化成ホームズ 坪単価で測れない価値あり「NEXT HEBEL HAUS」
「NEXT HEBEL HAUS 新大地」(左)と「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」
旭化成ホームズは10月28日、静岡県富士市の同社住宅総合技術研究所で戸建て住宅の新商品発表会を開き、低層戸建住宅用の躯体システム「鉄骨軸組ハイパーフレーム構法」の優れた構造性能を最大限に生かした内部空間の縦方向へのプラン自由度を高め、新たに開発した外装部材やインテリアを備えた「NEXT HEBEL HAUS(ネクストヘーベルハウス)」シリーズを平成25年11月1日(金)から発売すると発表。
同時に、「NEXT HEBEL HAUS」を盛り込んだ陸屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」と寄棟屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS 新大地」を新たにラインアップに加え、関東、東海、関西、山陽、九州北部で販売していくと発表した。同社の主力商品にする考えだ。
「NEXT HEBEL HAUS」は、コストアップ要因を企業努力で抑えながら「鉄骨軸組ハイパーフレーム構造」の強化を図り、1階の階高を16cm高くする仕様を導入するとともに、2階の床を約80cm下げた中間層に設置する「クロスフロア」を実現。住空間の自由度を飛躍的に高め、インテリア・エクステリアを進化させたのが特徴。2~3年かけて開発してきた。平成25年度の販売目標は3,000棟。
「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」は、大都市圏の狭小敷地の子育てファミリーをメインターゲットに置いた商品で、「クロスフロア」を採用することで、4層にも5層にも見える豊かな住空間を提案している。コンセプトモデルの延床面積は118.16㎡(35.8坪)。本体価格は2,930万(税抜き価格)。平成25年の販売目標は150棟。
発表会に臨んだ同社取締役兼副社長執行役員・池田英輔氏は、「2~3年前から開発を進めてきたもので、これまでやってきたことをてんこ盛りにした商品」と語り、同社技術本部商品開発部長・加藤明氏は、「設計の自由度を高め小さくても豊かな空間を実現したことと、インテリア・エクステリアのアイテムを増やしたことの2つの進化を遂げた商品」と特徴を語った。
池田氏
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報道陣に公開された「NEXT HEBEL HAUS 新大地」は広さ約60坪。新商品の特徴であるダウンフロア400ミリ、クロスフロア、勾配屋根などを駆使して2.7m・3.2m・5.2mなどの天井高を提案した5層住宅だ。外観に木目調軒天やルーバースクリーン、キャノピーを採用し、住戸内も床・壁・天井に無垢材をふんだんに用いた「ウッディモダン」を提案している。それこそ「てんこ盛り」のモデルハウスだ。
「カフェミックス キッチン」(左)と「キッズピット」
「パパボックス」
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記者が注目したのは「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」だ。これまで軸組工法や2×4工法による中2階や2層吹き抜け空間の提案はたくさん見てきた。鉄骨住宅の同社の提案もこれまで見てきたものと大差はないだろうと高を括っていた。
ところが、従来のものとは全く異なっていた。従来の中2階はどちらかといえば閉じられた空間を中2階に設置したものが多かった。
今回の提案は閉じられた空間でもあるが、上下階やスキップフロアの隣り合う住空間との一体利用を想定したものだ。「個室を最小限に抑えている」ためもあり、床面積にして20坪の空間が0坪ぐらいの空間に見える。3.2mの天井高を実現した「クロスフロアのリビング」が上層階のダイニングキッチンや下層階の子ども部屋ともつながっているのには驚いた。新たに加えられたインテリアスタイルの「カフェミックス」も需要層のニーズにマッチした提案だと思う。
一つだけ注文をつけるとすれば、外観だ。「キュービック」は合理的な住宅に違いないが、内部空間が素晴らしいだけに外観も魅せるものにしたほうがいいのではと思った。
クロスフロア空間
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われわれ記者は戸建てであろうとマンションであろうと、すぐ坪単価で価値を判断する。今回のプロトタイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」は約83万円で、約36坪で2,930万円だ。しかし、先にも書いたようにこの商品は坪単価で測れない価値がある。3層~4層の住空間があるからだ。
もう一つ、この坪単価と関連することだが、間取り表示について。記者はあまり間取り表示を重視しない。基本的には居住面積だ。居住面積が間取りを決定付けるからだ。その意味で、今回の商品は○LDKとして表示ても意味がない。DK表示の物差しを超える価値がある。
ちなみに建基法でいう「居室」とは天井高が2.1m以上で、採光と換気について一定の基準を満たさなければならないが、広さについての規定はない。マンション業界などは自主規制として4.5畳大以上を「居室」としたときがあった。
腰窓付きのクロスフロアで住宅の特徴を話す担当者(上階のダイニングキッチンから写す)
国交省「省CO2先導事業」に採択 ポラス「大宮ヴィジョンシティ みはしの杜」
「大宮ヴィジョンシティみはしの杜」
調整区域であるために実現した全戸150㎡以上の敷地
ポラスグループのボラスタウン開発と中央住宅が11月8日から分譲を開始する分譲戸建て「大宮ヴィジョンシティみはしの杜」を見学した。国交省の「平成25年度第1回住宅・建築物省CO2先導事業」に採択された物件で、全戸が敷地面積150㎡以上のレベルの高い住宅だ。
物件は、JR大宮駅からバス10分徒歩3分、さいたま市大宮区三橋に位置する全125区画の団地。土地面積は150.24~175.50㎡、建物面積は111.23~117.79㎡、価格は未定だが3,000万円台の後半から5,000万円ぐらいになる模様。建物は木造軸組工法2階建て。第1期は24戸で、来年5月にかけて順次販売する予定。現在、200組以上の事前反響がある。
全体で4件採択された先導事業の中で同社のプロジェクトは、CO2削減の取り組みは当然ながら、ライフスタイルに応える幅広い選択肢を提案した街づくり、1区画150㎡以上という区画割、エネルギーの「見える化」を一歩進めて顧客の自発的な活動によりコミュニケーションツールとして機能するよう提案しているのが評価された。流体解析により近くの川や公園の冷気を取り込むパッシブランドデザイン、環境やエコに関する体験学習プログラムも用意されている。
同社オリジナルの「ヴィジョンHEMS」を開発し、単なるエネルギーの「見える化」だけでなく、クラウド型としているために定期メンテナンス案内、植栽管理サポート、イベントの発信など居住者間のコミュニティ形成に役立つよう仕掛けられているのが特徴。18区画のゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を設置するほか、全戸に家庭菜園スペース「ポタジェ」も設けられる。
モデルハウスは「可変の家」「素足の家」「フレンチハウス」の3タイプで、それぞれが125戸に計画的に配置される。
購入者がSo-netの〝世界最速〟下り最大2Gbpsの超高速通信「NURO(ニューロ)光」を契約すると、「ヴィジョンHEMS」へアクセスが便利なタブレット端末がプレゼントされる。
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同社の分譲戸建てはたくさん見学しているので詳細は省くが、一言でいえばかゆいところに手が届く気配りがなされている。1階の天井高2700ミリ、階段ステップ16段、電動シャッター、暖房機能付き洗面室、脱衣棚、食洗機などが標準装備。オープン外構のランドデザインもいい。この価格帯からして極めてレベルが高い。
モデルハウスは「フレンチハウス」のデザインがいい。女性が企画したもので、アーチ型の下がり壁を採用し、さりげなくニッチを設けたり、アンティーク家具をアクセントに置いたりした見せ方が巧みだ。「可変の家」はステンレスカウンターのシステムキッチンが素晴らしい。「素足の家」はやや懲りすぎ。杉板壁は凹凸などつけないで、自然のままがいいと思う。
左から「フレンチハウス」「可変の家」
「素足の家」
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同社の団地の敷地は、登記簿上の地目は「宅地」で、用途地域は「市街化調整区域」だ。この一角だけが調整区域で、周囲はマンションや戸建てが建つ市街化区域だ。
調整区域は原則として住宅は不可の地域のことだ。どうして、同社の分譲戸建てが建築可能になったのか。長くなってしまうが、「調整区域の開発」について勉強する意味もあるので少し紹介する。
今回の開発が許可されたのは、都市計画法34条14号の規定によるものだ。同項には「都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為」となっている。また、同法11号には、「市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であっておおむね五十以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち…」とある。これは2001年に廃止された同法43条の「既存宅地」制度に似た条項で、「都道府県の条例で定めるもの」となっている。
ところが、さいたま市にはそのエリアを指定する条例がないために、条例が必要でない14号を適用した。長期にわたって宅地として利用されてきたのが開発許可となった大きな理由の一つで、1区画当たり最低面積が150㎡以上となっているのも市の調整区域での宅地開発基準に基づくものだ。
かつて埼玉県では同法34条1号を利用した花屋、八百屋、雑貨屋などの「店舗」が年間で数百戸も〝分譲〟されたことがあるが、最近は規制が厳しくなりそのような店舗は激減している。例外的に「コンビニ」の建設が許可されるケースは増えているようだ。
調整区域開発の参考になるプロジェクトだ。
参考までにある県の「34条1号店舗」として許可されるものを紹介する。織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、書籍・文具などの小売業、一般飲食店(料亭を除く)、洗濯・理容・美容・浴場業(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所)など。風俗営業は不可。管理上必要なものは休憩室、湯沸室、更衣室、シャワー室、便所などで、その規模は20平方メートル以下-となっている。店舗併用住宅は、既存住宅を改造する場合は許可される場合もある。
オープン外構 洗面室の脱衣棚とタオル掛け
「人は宝」 急伸するケイアイスター不動産 瀧口専務が語る
ドムスデザインカーザ
瀧口専務
人口約8万人の埼玉県本庄市に本拠を構え、埼玉県北、群馬県、栃木県などで事業展開している不動産会社、ケイアイスター不動産をご存じだろうか。分譲戸建て、注文住宅事業が中心で、2012年度の売上高は235億円、販売棟数は1.064棟にも上る。5年前と比較すると売上高は1.5倍、販売棟数は2.4倍に伸ばしている。
記者は全く知らなかった。同社がRBA野球大会に今年参加して初めて知ったのだが、どうしてそんなに急速に業績を伸ばしたのかを探るために、同社専務取締役・瀧口裕一氏に話を聞いた。
瀧口氏が同社に入社したのは2008年1月。そして、ご存じのように9月にリーマン・ショックに見舞われた。転機はこのリーマン・ショックにあった。
瀧口氏は、「それまで行ってきた引き回し営業はやめよう。自社でしっかりしたものを造ろう」と方向転換したのがその後の業績アップにつながったという。しかもそれまで行っていた仲介事業からも手を引いたという。
つまり、退路を断ってハウスメーカーへの脱皮を図ったのが奏功した最大の要因だ。現在、分譲戸建てと注文住宅の割合は7:3だが、将来的には1:1にするのが目標だ。注文住宅では、先にオープンした渋谷の「青山展示場」に医療環境・住環境を女性の感性でデザイン監修し、コラボレーションした「ドムスデザインカーザ」を出展した。
また、他社の分譲戸建てを請け負う「規格型請負事業」を3年前から手掛けており、現在は大手の物件も含めて年間100棟を受注している。マンション事業にも進出した。
瀧口氏は、同社の夢を次のように語った。「この業界は消費者にいいイメージを持たれていない。『ザ・不動産』から脱却し、しっかり人を育てる。人は宝。使い捨てなど絶対にしない。あこがれの存在にしたい」
中庭
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瀧口氏が前職のとき、何回かお会いしている。優秀な企画マンだ。同社に転職したときも電話で少し話を聞いていたが、まさかそんなに成長する会社だとは夢にも思わなかった。
本社の近くにある住宅展示場のドムスデザインカーザのモデルハウスも見学した。イタリアのデザインを取り込んだもので、ロートアイアンのゲート、中庭、ガレージ付きというのが特徴だった。すべて女性スタッフが企画したもので、円形のバルコニーは「ジュリエットバルコニー」と名付けられていた。
ロートアイアンは錬鉄製でなくアルミ製だったのはどうかと思ったが、若い層をターゲットにした住宅としては納得できる出来栄えだった。広いガレージと中庭を設けたのは郊外住宅ならではのアイデアだ。
ケイアイスター不動産 大相撲熊谷場所を協賛
「大相撲熊谷場所」
ケイアイスター不動産が10月12日(土)に行われた日本相撲協会の地方巡業「大相撲熊谷場所」の協賛会社となった。観客は主催者発表で約3,500人。
当日は、幕内力士の土俵入り・横綱土俵入りのあと、熊谷市長が挨拶したのに続き、同社専務取締役・瀧口裕一氏が「創業以来24年目を迎える当社が地域に貢献したいという思いがかなえられて大変うれしい」と挨拶した。
塙社長(右)と瀧口専務
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大相撲の地方巡業は、年6場所行われる本場所のほかに春夏秋冬に分かれて全国で行われるもので、年間20カ所以上に上る(今年度は25カ所)。開催地は決まっているわけではないが、伊勢神宮と靖国神社の奉納相撲だけは毎年行われる。
日本相撲協会のホームページには、巡業について「親方や力士など大相撲一行、約250名は前日に巡業地に乗り込みます。その時には10日前から現地入りした先発した親方が勧進元(主催者)と会場の土俵や宿泊などの受け入れ体制を整えております」とある。現在、力士は約700人だそうだから、全力士が参加するわけではないようだ。
それにしても日程はかなりハードだ。10月の秋巡業はこの日の熊谷を筆頭に横浜-土浦-浜松-金沢-綾部-丸亀-出雲-広島-松山へと10月だけで11カ所を巡る。9月末にはジャカルタ巡業も行っている。ただ相撲を取るだけでなく、早朝の稽古、握手会、子ども稽古、観客との交流もある。本人はもちろん、体重が成人大人の3~4倍の百数十キロもある大集団が移動するのだから関係者も大変だろう。
横綱白鵬関の土俵入り
創建 子育てママの声を反映した外断熱の新商品「子育てKurumu」発売
「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」
創建は10月21日、入居者からの子育てに関する意見を採用した新商品「子育てKurumu」(木造外断熱工法)を10月26日にモデルハウスをオープンする「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」(80区画)を皮切りに発売すると発表した。
木造外断熱の家「Kurumu」シリーズは1,700戸の供給実績がある同社の主軸商品。「子育てKurumu」は「水」「空気」「安全」「安心」により重点を置き、約1,000人の入居者アンケートの“あったらいいな”“こうだったら良かったのにな”という声を集めてできた商品。
①指詰め・はさまれを防止する引き戸、ソフトクローズ機能付き建具の採用②加湿機能付き換気システム③空気を洗う壁紙④コルクフロア⑤天然素材畳⑥オール浄水-を採用しているのが特徴。
「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」は、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩15分の全80区画。敷地面積は150.00~196.87㎡。価格は建物約33~35坪の場合「Kurumu」(税込み約63万円~68万円)建物金額総額にプラス100万円が目安。
「子育てKurumu」
三鷹市初の「エコタウン」「環境緑地整備地区」 近鉄不動産・大京「三鷹」
「エルグレード三鷹ザ・ファースト」
近鉄不動産(事業比率50%)と大京(同50%)は10月17日、両社が共同で開発を進めている分譲戸建て「エルグレード三鷹ザ・ファースト」の記者発表会&モデルハウス内覧会を行ない、10月19日(土)からモデルハウスを一般公開すると発表した。両社が共同で分譲戸建て開発を行なうのは初めてで、三鷹市初の「エコタウン開発奨励制度」認定と「環境緑地整備地区」指定を受けた物件だ。
物件は、JR中央線三鷹駅からバス14分徒歩3分、または武蔵境駅からバス8分徒歩3分、三鷹市大沢3丁目に位置する建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域の全41区画の規模。敷地面積は110.08㎡~125.61㎡、建物面積87.96㎡~96.04㎡、価格は未定だが、6,000万円台が中心になる模様。建物は2×4工法2階建て。施工はエステーホーム。竣工は平成25年10月下旬から。
三鷹市が今年4月に設けた「エコタウン開発奨励制度」認定第1号プロジェクトで、同制度は開発面積が3,000㎡以上の戸建て開発が対象となり、「創・蓄・省エネ」設備を導入した物件に対してポイントを付与して、ポイントに応じて奨励金を交付するもの。同物件は太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO」と次世代省エネ基準をクリアしていることから246ポイント(1ポイント1万円)を獲得している。
また、敷地面積を110㎡以上、敷地面積に対する緑化率を15%以上確保していること、屋根、外壁などの形態や色彩が周辺景観と調和していることなどから三鷹市で初めて「環境緑地整備地区」に指定された。
発表会で近鉄不動産常務取締役首都圏事業本部長・田中孝昭氏は、「マンションでは大京さんとの共同物件は20件あるが、戸建てでは初めて。都市型戸建てを強化したい双方の考えが一致した。今後も共同してやっていく」と話した。また、大京の事業責任者は「近鉄さんとの共同を含めて当面は年間100戸、5年後には年間300戸を目標にしている」と語った。
第1期1次は今月に竣工する10戸が予定されており、これまでに問い合わせは300件、内覧希望は70件あるという。
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いい物件だ。間違いなく早期完売する。その理由の第一は割安感があること。
現地に着いたとき、〝どこかでみたような戸建て団地〟が隣にあった。すぐ5年前に東京建物・安田不動産が分譲した団地であることが分かった。詳細はそのとき書いた記事を参照していただきたいが、素晴らしい団地で、早期完売した。価格は7,000万円ぐらいしていた。今回はそれよりかなり安い。安いのは、販売担当者によれば「東京建物さんが用地を取得したのはリーマン・ショックの前。今回はそのあと。価格は低いが物件のレベルが低いとは思わない」ということだった。双方とも現みずほ信託から相対で取得したものだ。
第二の理由は、三鷹市の「エコタウン」の認定を受け、「環境緑地整備地区」に指定されているように、商品開発にかなり力を注いでおり、差別化が出来ていることだ。
建物・外構えは一部しか完成しておらず、全体像がつかめないが、デザインはオリジナリティがある。急勾配屋根やマリオン、付柱・付梁、庇ブランケット、化粧モール、フカシ壁などを巧に配することでシャープな外観を演出している。
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もう一つ。小さいことかもしれないが、階段はメーターモジュールが採用されていた。一時期、各デベロッパーはこのメーターモジュールを都市型戸建てにも積極的に採用していたが、最近は以前に逆戻りし、尺モジュールが圧倒的に多い印象を受ける。近鉄不動産は「うちの戸建てでは当たり前」とのことだった。
この話を聞いて、近鉄不動産は以前からユニバーサルデザインに熱心だったことを思い出した。同社の首都圏での戸建てをみるのは「手賀の杜」「東大和」「若葉台」以来だが、これらもなかなかいい物件だった。
ユニバーサルデザインで言えば、大京もかつて子会社の扶桑レクセルが徹底したユニバーサルデザインのマンションを分譲していた。
環境にやさしい住宅を供給するのは当たり前だ。同時に人に優しい住宅を供給するのがデベロッパーの使命だ。双方が大激戦の都市型戸建てでユーザーの支持を受けるとすれば、このユニバーサルデザインがヒントになるような気がする。
タウンコーナー(立柱は御影石で、足元はジャワ鉄平が用いられている)
〝大手と互角に戦える〟フージャースアベニュー「デュオアベニュー国立」
「デュオアベニュー国立」
フージャースアベニューの分譲戸建て「デュオアベニュー国立」を見学した。デザイン性に優れているのが特徴で、人気を呼んでいるのも当然だ。
物件は、JR中央線国立駅から徒歩16分、国分寺市光町三丁目に位置する全13区画。建ぺい率40%、容積率80%で、1戸当たりの土地面積は121.00~130.61㎡、建物面積は95.86~99.56㎡。構造は2×4工法。施工は津田産業。建物は完成済み。
9月から分譲されており、これまで7戸が契約済み。現在分譲中の住戸の価格は4,798万~6,398万円。住戸プランは、耐震等級や省エネ等級で最高等級を取得しているほか、壁・出隅をR状にしているのが特徴。
◇ ◆ ◇
同社は、フージャースコーポレーショングループが2013年4月に持株会社フージャースホールディングスを設立したのに伴い、戸建事業を継承する子会社として設立された。見学の目的は、装いを新たにした同社がどのような戸建てを分譲するのかを見るためだった。先日、フージャースコーポレーションのマンション「デュオヒルズ府中多摩川」を取材した際、販売担当者から「デュオアベニューは新体制になってデザインを一新した。ぜひ見てほしい」とも言われていた。
正直に書くと、現地を見るまでは半信半疑だった。同社の戸建てはこれまでいくつか見学しているが、レベルとしては〝並〟だった。他社との差別化も今一つだった。それでも売れるのは〝唯一無二〟という不動産の特性によるもので、新会社に移行しても従来とそれほど変わらないのではないかと思っていた。
ところが、現地を見て〝これは売れる。〟〝大手と互角に戦える〟と確信した。都市型戸建てで他社の追随を許さない三井不動産レジデンシャルの物件とそん色ない出来栄えだった。
記者は戸建てでもっとも重視するのはデザインだ。デザインを見て価格をはじき、価格に見合うデザインであるかどうかを判断する。何が素晴らしいかは写真を見ていただくほかないのだが、バットレス、3連窓、ボーダータイルなどの使い方が見事だ。施工を担当している津田産業は三井不動産レジデンシャルの物件の施工も行っているはずだ。
販売を担当する同社マネージャー・五十川清美氏が記者の見立てを裏付けてくれた。五十川氏は「お客さまの評価でもっとも高いのが街並み。『ネットで見たらよさそうなので見に来た』というお客さまが圧倒的に多い」と話した。また、「新会社はデベロッパーの戸建てとして評価されるよう街並みから造りこむことを重視している」とも語った。八王子で全62区画の戸建てを分譲するそうだからまた見学したい。
フージャースコーポレーションはこれまで第1次取得層をターゲットにしたマンションを供給してきたが、フージャースアベニューが大手と互角に戦える戸建てを供給して評価が得られれば、マンション事業もまた違った展開ができるのではないか。
ジャーブネット 「木のスマートハウス」500棟限定販売
全国最大級の工務店ネットワーク「ジャーブネット」が2013 年10 月11 日(金)~12 月23 日(月・祝)まで、「木のスマートハウス」を先着500 棟限定で発売する。
期間中、ジャーブネット創立15 周年を記念したフェア「バリューアップ大感謝祭」を全国で開催し、価格は据え置き100 万円相当の仕様をバリューアップするほか、購入者のライフスタイルに合わせ6つのタイプから搭載アイテムを選べる「限定パック」を付ける。
「木のスマートハウス」は、エコ設計(日射遮蔽・日射熱利用・自然風利用など)によって年間を通して快適に過ごすことができ、「木材利用ポイント」対象のフローリングなどを採用している。仕様は自由設計、長期優良住宅対応で、価格は1,360 万円(税抜)~、延床面積は100.19 ㎡(30.30 坪~)。
三菱地所レジデンス 分譲戸建て市場に参入
「大泉学園」完成予想図
三菱地所レジデンスは10月7日、戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を立ち上げると発表した。
同社はこれまでも戸建住宅としては「森林公園パークタウン」(札幌市)、「泉パークタウン」(仙台市)、「金沢文庫パークタウン」(横浜市)、「井口台パークタウン」(広島市)、「ドリームズ・デザイン鷺沼公園」(川崎市)など全国で取り組んできたが、これまでに培ってきたノウハウに住まいのブランド「ザ・パークハウス」のクオリティを融合させ、戸建事業を強化するのが狙い。
「ザ・パークハウス ステージ」は、「最高の暮らしの舞台となる街並みを実現する」という開発コンセプトのもと、「安心、安全、快適、便利、エコな街づくり」を目指す。年間400~500戸を供給するのが目標。
第1弾として「ザ・パークハウスステージ大泉学園」(練馬区・総区画数10区画)と「ザ・パークハウスステージ下井草」(杉並区・総区画数16区画)のホームページを10月7日(月)に開設する。
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これまで何度も書いてきたが、大手デベロッパーの分譲戸建て事業は三井不動産レジデンシャルがこれまでは独走しており、野村不動産が肩を並べようと急拡大している。このほかは2社に大きく立ち遅れており、東急不動産、東京建物、住友不動産がぼつぼつ供給する程度だ。
しかし、住宅着工戸数からして首都圏の分譲戸建て市場は年間にして5万戸ぐらいの規模がある。うち一建設グループが30~40%のシェアを占める。徹底したローコスト住宅がコンセプトだ。一方の三井や野村は一グループとは一線を画してはいるが、これからは3,000万円台の郊外住宅も手掛けるのは必至だ。
どうして他のデベロッパーが分譲戸建てを手掛けないのか記者は歯がゆく思ってきた。総合デベロッパーを謳うのなら、メニューに分譲戸建ては必須アイテムだと思う。三菱地所レジデンスは、ニュースリリースにもあるように「泉パークタウン」や「金沢文庫パークタウン」など素晴らしい戸建てを供給してきている。今回の「大泉学園」「下井草」は同じグループ会社の三菱地所ホームが施工を担当する。いずれも激戦地だ。どんな商品になるのか。モデルハウスがオープンしたら必ず見学してレポートしたい。
「下井草」完成予想図
住友不動産 注文住宅を強化 今期中にモデルハウス20カ所新設
「青山モデルハウス」
提案型の「青山モデルハウス」オープン
住友不動産が注文住宅事業の強化に乗り出す。今期中にモデルハウスを全国で20カ所に出店する計画で、100棟体制を構築し、今期からスタートした第六次中期経営計画の期間中に年間受注棟数3,000棟の達成を目指す。その一環として9月26日、新たに「TBSハウジング渋谷」にオープンした提案型のモデルハウス「青山モデルハウス」を報道陣に公開した。
「青山モデルハウス」は、特定の商品をイメージしておらず、これまで以上に同社の商品企画力、設計力を幅広い顧客に訴求する役割を担ったもの。個性的でモダンな外観デザインをベースに、半外空間、SPA、床暖炉、光庭を設け、人間の副交感神経を刺激する空間を提案している。
同社の平成25年3月期の実績は受注2.389棟、今期目標は2,500棟。新設するモデルハウスは青山のほか、石巻、浦和、前橋、浜松、豊洲、札幌、津など。
半外風呂のSPA
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今回のモデルハウスは昨年オープンした「J・レジデンス」とは一変したモダンなものだ。プランも光庭をエントランスとリビングの境に設置したほか、床暖炉、半外風呂のSPA、ソファベッドコーナーを設けたルーフバルコニー、四を壁に囲まれた屋上ルーフバルコニーなどを提案している。延床面積は1階が175.55㎡、2階・屋上が100.60㎡。
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SPAには驚いたが、富裕層向けにアピールするモデルハウスとしては納得できる。そのまま建てれば1億円をはるかに突破するそうだが、これも納得だ。むしろもっと自然石や天然木を盛り込んでもいいと思ったぐらいだ。
さらにいえば、富裕層向けに訴求する商品としては、同社はまだまだ弱いと思う。高単価マンションも少なくはないが、億ションは圧倒的に三井不動産レジデンシャルに負けている。
モデルハウスでひとつ、これはいいと思ったのは、カーテンボックスがなく、天井から直接カーテンが下げられるものだった。特許を出願中ということのようだが、マンションにも採用できそうだ。
カーテンボックスがないのですっきりした天井になっている