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東急ホームズ 輸入住宅の「ミルクリーク」新商品

ゴールデンウィークに前代未聞の来場者400組

 


「ミルクリーク マスターズ グレイス」

 

 東急ホームズは5月16日、開業したばかりの渋谷区の住宅展示場「TBSハウジング渋谷 東京ホームズコレクション」に出展した輸入住宅<ミルクリーク>の新商品「ミルクリーク マスターズ グレイス」のモデルハウスを報道陣向けに公開した。

 インテリアコーディネーターの第一人者である町田ひろ子氏のプロデュースのもと、伝統と革新を融合させた英国の都市型住宅をモチーフに、英国の高級ファブリックブランドであるデザイナーズ・ギルドや英国・欧州のアンティーク家具を用いた3階建て。機能面では、「美・防災」をテーマに組込型防火シャッターと木製サッシの組合せによる防火・防犯性能や、東日本大震災の1.5倍の水平力にも耐える約4.3畳大の「パントリーシェルター」も提案している。

 モデルハウスは延床面積約408㎡(123坪)、坪単価は130万円。ゴールデンウィーク期間中に通常の2~3倍の約400組が来場した。関係者は「前代未聞」とその数を形容した。

 

 

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 記者内覧会には町田氏のほか、同社・金子健彦専務、設計を担当した同社ミルクリーク事業本部商品開発部商品開発課課長・佐藤崇氏などたくさんの関係者が出席。同社広報は「これまで新商品は資料配布だけだったが、当社のスマートハウスを体験していただくために内覧会を行なった」と説明し、町田氏や佐藤氏がそれぞれ熱っぽく語ったように今回の新商品にかける意気込みがうかがわれた。

 モデルハウスの仕掛け・提案に見学者から〝素敵〟の歓声があがったというのもうなづける。外観は彫りの深い窓周りの陰影や「キーストーン」が印象的だ。バルコニーに植えたゼラニウムはわざわざスイスから種を取り寄せたという。

 内装は、デザイナーズ・ギルドの壁紙が圧巻。20色も使っているそうで、ビニールクロスでは味わえない手触り感と微妙な文様や色使いに記者も驚いた。幅53センチしかないその壁紙を寸分の狂いもなく張った職人の技術も相当なものだ。

 照明は、地震による転倒を避けるためフロアスタンドではなく壁掛けにし、シャンデリアも紙製のペンダントにするなどの工夫を凝らしている。主寝室のカーテンは王室の御用達と同じ刺繍製。床はコルク材を多用、リビング床はウォールナットのヘリンボーン仕上げ。階段はサーキュラー階段。電気式の暖炉も提案している。

 パントリーシェルターは、通常は60本が貯蔵できるワインセラーなどとして利用できるが、非常時には10日分の食料などが保管でき、テレビ、蓄電池、金庫、寝るためのマットなども備えられるものだ。

町田氏 佐藤氏

 

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 記者は初めて同社のモデルハウスを見学したが、「ミルクリーク」そのものは、20数年前に東急不動産の大規模団地「あすみが丘」で建売住宅として分譲されたのを見学している。圧倒的な人気を呼んだ。

 その後、東急不動産も同社も建売住宅の供給を減らしており、見る機会はあまりなかった。同社の2012年度の売上高は362億円、注文住宅の契約戸数は569棟、法人建売住宅他が221棟だ。この売上高、契約戸数が多いのか少ないのかは判断が難しいが、〝街づくりの東急〟の看板からして記者はこの2倍はあってもいいと思う。今後伸ばすのではないかとみている。先に東急不動産が分譲し、人気になった淵野辺の建売住宅も同社の施工だった。

 今回のモデルハウスの坪単価は富裕層向けとしてはむしろ安いぐらいだと思う。坪200万円のモデルハウスを見たことがあるし、マンションだって豪華なものは建築費だけでも坪200万円はする。

建築中のパントリーシェルター

 

カテゴリ: 2013年度

三井不動産 今期戸建て分譲 過去14年間で最多の950戸


同社が昨年分譲した「ファインコート目黒」

 三井不動産の平成25年3月期決算は、「賃貸」「分譲」「マネジメント」の主要3セグメントで増収増益となったことから売上高は過去最高の1兆4,456億円、前期比1,075億円(8.0%)の増収、営業利益は1,481億円、同比221億円(17.6%)の増益、経常利益は1,230億円、同比205億円(20.1%)の増益、当期純利益は594億円、同比93億円(18.6%)の増益となった。

 次期は売上高1兆5,300億円(前期比5.8%増)、営業利益1,600億円(同8.0%増)、経常利益1,320億円(同7.3%増)、当期純利益650億円(同9.3%増)を予想している。

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 同社の売上高が過去最高となったのは、ここ10年ぐらい賃貸ビルや商業施設を積極的に増やし、マンションや戸建て分譲もコンスタントに販売してきたので当然の数字だと思う。有利子負債は2兆1,202億円と2兆円を突破したが、金利安が続いており業績を圧迫するまでにはいたっておらず、首都圏オフィスビルの空室率も3.8%(前期末4.4%)と低下しており、分譲住宅の完成在庫もマンション223戸、戸建て57戸の合計280戸(前期末404戸)と大幅に減少している。

 売上高の過去最高は平成21年3月期の1兆4,189億円で、営業利益と経常利益の過去最高は平成20年3月期のそれぞれ1,792億円、1,628億円だ。このまま推移すれば来期あたりに営業利益、経常利益とも過去最高を達成しそうだ。

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 記者が注目したのは戸建ての収益と戸数だ。当期は464億円(前期比30億円増)、795戸(同9戸減)で、戸当たり単価は5,848万円(同450万円増)となったが、次期の戸数は950戸(同19.5%増)を予定している。

 以下に同社の戸建の収益と戸数を紹介する。

・ 2000年3月期  475億円  821戸
・ 2001年3月期  432億円  769戸
・ 2002年3月期  462億円  900戸
・ 2003年3月期  469億円  921戸
・ 2004年3月期  396億円  841戸
・ 2005年3月期  330億円  676戸
・ 2006年3月期  355億円  706戸
・ 2007年3月期  354億円  707戸
・ 2008年3月期  353億円  713戸
・ 2009年3月期  301億円  572戸
・ 2010年3月期  444億円  829戸
・ 2011年3月期  502億円  925戸
・ 2012年3月期  434億円  804戸
・ 2013年3月期  464億円  795戸

 つまり950戸という戸数は過去14年間で最多になる。2000年3月期以前の数字は把握していないが、同社はバブル崩壊後、自社開発による面開発は行なっておらず、あるいはバブル崩壊後でも最多となるかもしれない。

 マンションほど戸建ての販売戸数はマスコミも注目しないが、一建設グループを筆頭とするいわゆるパワービルダーやハウスメーカーを除いたデベロッパーの中では同社が断トツの多さだ。2位の野村不動産は2013年3月期で売上高353億円、638戸を計上し、三井不動産を追撃する態勢を敷いているようだが、この差は詰まるのかつまらないのか。他のデベロッパーも戸建てを増やす意向で、戸建て市場が面白くなる。

〝オール三井〟の記念碑的都市型戸建 三井レジ「目黒」(2012/5/25)

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京都・けいはんな学研都市の戸建て分譲モデルハウスオープン

 


けいはんな学研都市の街並み

 

 京阪電気鉄道、京阪電鉄不動産、三井不動産、三井不動産レジデンシャル、野村不動産の5社は5月3日、京都府・関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の精華・西木津地区で開発中のけいはんな公園都市戸建新街区「MiraiPa!」の建売分譲戸建1期40戸の「ローズプレイスけいはんな公園都市」「ファインコートけいはんな公園都市」「プラウドシーズンけいはんな公園都市」のモデルハウスをそれぞれ公開する。

 けいはんな公園都市は平成 11 年の入居開始以来、約1,350世帯が入居済みの157万㎡の街。新街区として誕生する5社の街づくり「MiraiPa!」は、環境にやさしい緑豊かな街づくりがテーマで、暑熱環境の緩和、長寿命機器の採用、居住者の環境活動及び環境教育の支援などハード&ソフト両面から CO2 削減に取り組んでいる。

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積水ハウス キッズデザイン体験施設 多摩NT「東山」にオープン

 


「コドモ里山ラボ東京森都心(とうきょうしんとしん)」

 

 積水ハウスは5月3日、キッズデザインの見学体験施設「コドモ里山ラボ東京森都心(とうきょうしんとしん)」を多摩ニュータウン内の681区画の分譲地「東京森都心 多摩ニュータウン東山」にオープンする。コドモの心理学や事故事例から得た知見を生かした生活提案「コドモイドコロ」に基づいて、異業種5社とのコラボレーションで設計・開発したキッズデザインを体験できるモデルハウス。オープンに先立つ4月30日、報道陣に公開した。

 施設は、クルドサックの中央に植えられた大木をそれぞれ眺められる4区画から構成されており、モデル棟は敷地面積約231㎡、建物延床面積約136㎡。子どもにとっていい住まいとは何か〟について考案され、引き出された解答「生きる力を育む家」を実大モデルで実現したもの。ポイントは①イドコロづくりと②危険をコントロールすることの2点。イドコロづくりでは、子どもの感性、知性、社会性を発達させるためのハード・ソフトを盛り込み、危険のコントロールではスマートユニバーサルデザインの考えに基づき、危険を子どもが学習できるようにしているのがポイントとなっている。

 土間収納、ピットリビング、ベンチソファ、マドベ、間仕切るーむ、ビーンズテーブルなどが提案されており、キッズデザイン・アイテムでは、ドア指はさみ防止スクリーン、ビーンズ型ダイニングテーブル、空気環境配慮仕様、フルフラットバルコニー、指はさみ防止引き戸などが採用されている。

 「コドモイドコロ」は、キッズデザイン協議会が10月1日から開始する、子どもの安全向上のための業界横断型ガイドラインを適用し、デザインプロセス評価と企業が実施した製品評価の確認を主体とした認証制度「CSD認証」のプレ認証第一号として合格している。施設について、キッズデザイン協議会専務理事・小野裕嗣氏は「この7年間の取り組みの成果が凝縮されている施設。〝どこがどこなのか分からない〟のが秘訣」と話した。

 現地は、京王相模原線京王堀之内駅から徒歩12分(セカンドステージ)、八王子市堀之内に位置する全681区画の団地の一角。土地売主は同社と大和ハウス工業。昨年4月から分譲が始まっており、これまでに100区画以上が分譲済み。同社が建売住宅(9戸)を分譲するのは今回が初めて。価格は5,400万円台~6,100万円台。


1階リビング

2階こども室

 

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 今から20数年前、記者はユニバーサルデザインと出会ったときから「これからの住宅は人に優しい、環境に優しいが大きなテーマになる」とずって思ってきたが、それを実践しているハウスメーカー・デベロッパーのトップランナーが同社だ。

 今回の施設も見所が一杯だ。全部は紹介しきれないがいくつか紹介しよう。まず2階の「フルフラットバルコニー」。居室とバルコニーのまたぎ部分を解消したものだが、建売住宅のモデルハウスで見学したのは初めてかもしれない。国交省も30年も前から研究してきたものだが、これを採用するハウスメーカー・デベロッパーはほとんどないのが現状だ。同社も2~3年前に提案しだしたばかりだと言う。〝ゲリラ豪雨〟などによる室内への防水対策が難しかったという。またぎ部分がないとどれだけストレスが解消されるかは言うまでもない。これは大人でも子どもでも同じだ。

 「ビーンズテーブル」もグッドアイデアだ。 座ったとき正対しなくてもいいようにテーブルの天板を豆型にしたものだ。これについては最近、室町時代から伝わるという「小笠原流礼法」の講義を受けたのだが、講師の方も同じことを話した。つまり、正対すると部下などはどうしても気後れしてしまい、なかなか自分の思いを伝えられないのだそうだ。確かに大人も子どもも正対すると、「塾、サボったでしょ」「飲み代、過少申告したでしょ」などと目上から全て見透かされているような気持ちになるものだ。

 「マドベ」も、外の景色を眺めながらコーヒーを飲むのもよし、本を読むのにも最適なデスク付きだ。チャイルドロック付の浴槽、引き戸、玄関ドアなどもよく考慮されたもので、倒れてもやけどをしない電気ケルトもあった。記者は独身時代、小さな子どもを預かった際、電気ポットを子どもが倒して大騒ぎとなり、病院に駆け込んだことがある。幸い、指に水膨れが出た程度で済んだが、医者から「君とお子さん、奥さんの関係は何だね」といわんばかりに睨まれ、肝を冷やしたことがある。子どもは一瞬たりとも目が離せないことを学んだ。

 記者はユニバーサルデザイン・アイテムの多くを知っているが、同社の東山プロジェクトリーダー・川口悟氏によると、「先日からすでに見ていただいているお客さまもいらっしゃるが、みんな目を輝かせて見学される。たくさんのお客さまの声をデータ化し、企画に反映していこうという気持ちがわれわれにはある。お蔭さまて販売も極めて順調」と話した。

 同業にも見学をお勧めだ。全部とは言わない。キッズデザインの一つでも二つでも商品企画に採用してほしい。これほど徹底した提案を行なっているものは他にない。


フルフラットバルコニー

指つめ防止玄関ドア

指つめ防止引き戸

 

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ポラス 「子育てママの理想の家をつくろう!」コンペ大会

 


「子育てママの理想の家をつくろう!」コンペ大会

 ポラスが「子育てママの理想の家をつくろう!」コンペ大会を4月26日、同社が分譲中の戸建て団地「パレットコート六町」で行なった。地元の「NPO子育てパレット」と共同で立ち上げたプロジェクトで、「パレットコート六町」を舞台に9人の現役ママが 4 チームに分かれ「子育てママの理想の家」づくりに挑戦、プロの設計士の手を借りながら最優秀賞を競うものだ。

 審査員は、バンビ保育園長の鈴木圭子氏ほか、足立区の職員、足立区在住のカリスマ・ママ、育児情報誌「miku (ミク)」やマタニティ誌「ninps (ニンプス)」、住宅情報誌「suumo (スーモ)」の編集長など6人。ひとりも建築のプロがいないもの珍しいが、審査基準もなし。それぞれの活躍フィールド目線で評価するというもの。

 プレゼンテーションの持ち時間は約10分。子どもを抱えながらの説明で、中には母親の胸の中でぐっすり眠っている子どももいたが、ほとんどは1~2歳児。まるでスズメの学校か七つの子状態。この数十年というもの、小さな子どもがたくさんいる環境など経験したことがない記者はパニック状態に。このような記者見学会を主催したポラス広報に悪態をつきたい気分で早々に退却しようと思ったが、会場の広さは20畳もない。最前列に審査員やポラス関係者がずらっと並んでいる。最後尾の記者席からみんなの前を通って逃げ出す勇気はさすがになかった(ひとりの記者が最初のプレゼンのすぐ後に退席したのを記者の目はしっかり捕らえた)。


各グループのママさんたち


プレゼンするママさん

   
最優勝賞を獲得した宮下さん(左)と加藤さん

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 厳正な審査の結果、賞金10万円の最優秀プラン賞を射止めたのは1階を「華」に見立て、おもてなしの空間とし、2階を「癒」のプライベート空間とした「Give &Take」を提案した宮下記子さんと加藤圭さんのチーム。

 記者はこのお二人の提案も含め、子どもの泣き声にすっかり集中力を欠いていたので中身はさっぱり分からなかったが、このお二人のプレゼンは群を抜いていた。宮下さんが母親役となり、加藤さんが6歳の子役となって演じたコントが冴え渡っていた。プラン説明はメモをみながら説明したが、親子を演じるのは地のままでいいからプロの役者も顔負けの親子を演じきった。2歳という加藤さんの娘さんは、頭に赤いリボンを付けすっかり子ども言葉に戻ってしまったお母さんを不憫に思ったのか、それとも感服したのかぽかんとしていたのが印象的だった。


戒能氏

 

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ポラスは決しておちゃらけのイベントとして今回のコンペを実施したのではない。共催した子育てパレットも地元足立区の行政と連携して虐待防止活動を積極的に展開しているNPOのようだ。昨秋当たりから企画を立て、それぞれのチームが設計士の協力を得ながら最低でも4回、多いところは10回の研究会を経て今回のプレゼンまでこぎつけた。

 同社はビッグなサプライズも用意していた。コンペの最後に挨拶した事業主のポラスグループ・中央グリーン開発事業部長・戒能隆洋氏は「審査員の意見が分かれたほどみんな優れたプランばかり。優秀賞のプランはそのままこの街で建てさせていただくし、他のグループのプランも基本コンセプトを頂いて建てる」と話した。各グループには実際の分譲戸建てとして建設することははっきりとは知らされていなかったようで、会場からは「ワッ」と歓声が上がった。

 同社は優秀賞プランをそのまま建設し、10月にモデルハウスとして公開する予定。

 「パレットコー六町」は、つくばエクスプレス「六町」駅より徒歩17分、足立区東六月町に位置する全206戸の団地。昨春から分譲開始されており、現在まで93戸が販売済み。


「パレットコート六町」の街並み

 

ポラス CASBEE「Sランク」取得した206戸の「六町」(4/27)

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大和ハウス工業  4・5階建て住宅市場に本格参入

 


モデルプラン(5階建て延べ床面積約445㎡)

 

 大和ハウス工業は4月25日、同社初の重量鉄骨ラーメン構造の都市型4・5階建て住宅「skye (スカイエ)」を4月27日から首都圏で発売すると発表した。ゼネコンとして培った技術力とハウスメーカーとしてのノウハウを融合させた商品で、中層住宅市場に本格参入する。年間の販売目標は100棟。本体工事価格は3.3㎡当たり82.5万円から。

 商品コンセプトは「空に伸ばして、広く住む。~『トシナカ』から『ソラナカ』へ」。オフィスビルなどに採用される重量鉄骨ラーメン構造を採用し、天井高2600ミリを実現。壁厚のロスを少なくすることで各階とも1㎡分の有効面積を確保。最大6370ミリスパン、最大2047ミリの「キャンチルーム」も可能となり、多世帯同居、賃貸併用、店舗併用など多様なニーズに対応できるのが特徴。

 見学会で中村泉・同社上席執行役員営業本部住宅事業推進部長は、「中層住宅市場への本格的参入が狙いの商品。戸数はそれほどでもないが、中層住宅のニーズは高まっており、税制改正で使用規模宅地の特例として二世帯住宅も適用となる背景もありこれからも伸びる。ゼネコンとしての技術力とハウスメーカーのノウハウを融合させた」と話した。同社の集合住宅向け商品よりコストも抑えられたという。

 4月27日には「まちなかスカイエ目白台」をオープンする。

 

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 同社は中層住宅市場の背景として、ここ3年4・5階建て住宅が伸びており、平成23年度は2,713棟(前年比5.3%増)という数値を国交省「建築着工統計」資料から抜粋して紹介した。記者は4・5階建て住宅市場データがあることを初めて知った。毎月発表される国交省の住宅着工統計は確認はするが、建築着工統計はみない。

 そこで、平成24年の建設着工統計を調べてみた。4・5階建て建築物は4,121棟で、うち居住専用は2,494棟。つまり約61%が居住専用だ。興味深いのは構造別で、もっとも多いのが鉄筋コンクリートで全体の70.5%に当たる2,905棟(うち居住専用は2,062棟)、次いで鉄骨で全体の28.2%にあたる1,164棟(居住専用は413棟)、鉄骨鉄筋は53棟(居住専用は17棟)だった。

 数値的にはやはり鉄筋が大きなシェアを占めている。この分野に同社はコストの安さ(鉄筋に比べて1割は安いのではないか)、工期の短さ(これも1カ月ぐらい早いようだ)で参入しようという狙いだ。あとはデザイン勝負だろうが、同社は外壁材にタイルや塗り壁も用意する。

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三菱地所ホーム

全棟長期住宅認定取得&「オリジナル HEMS」バージョンアップ

 


渋谷 モデルハウス

 

 三菱地所ホームは4月23日、同社が2×4工法の注文住宅用に開発した高耐力壁の「ハイプロテクトウォール」の標準採用により全ての建物で耐震等級3を確保し、長期優良住宅認定を取得したと発表した。また、昨年4月に発売した「オリジナル HEMS」をバージョンアップし、これまでは手動での機能設定だったものが、自動的に機能を作動させることにより従来仕様より年間の冷暖房エネルギーを約 25%、金額にして約15,000円削減できるシステムを20万円で5月1日から販売する。

 「ハイプロテクトウォール」は、従来の壁倍率4倍に対し、50%耐力をアップさせた壁倍率6倍の外壁。国内の森林保全と環境に配慮したトレーサビリティが明確な国産材の構造合板1級を採用し、壁倍率12倍の高耐力壁の設計も可能としたのが特徴。設計の自由度が高まったため、無柱空間を最大で72㎡まで確保できる。

 発表会に臨んだ西貝昇社長は、「東日本大震災後、安心・安全とエネルギー問題についてのお客さまのニーズが高まっているが、長期優良住宅認定も『オリジナル HEMS 』も時代を先取りした商品で、お客様と楽しみながら建てられるのが特徴。先ごろオープンした『三菱地所レジデンス ラウンジ』の活用を含めてグループと連携を強化していく」と述べた。

 「ハイプロテクトウォール」を採用したモデルハウスを4月27日(土)、渋谷ホームギャラリー(渋谷区神宮前)にオープンする。モデルハウスはリビング約29畳大で、天井高3m、3mハイサッシなどが特徴。

 全館空調の自動制御機能付き「オリジナル HEMS」の年間販売目標は300棟。

渋谷 モデルハウス

 

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 三菱地所ホームの記者発表会に参加したのは初めてだった。以前から、三菱地所レジデンスはマンションを年間 4,000 戸も 5,000 戸も供給しながらどうして建売住宅は供給しなくなったのか、三菱地所ホームはどうして三井ホームの売り上げの10分の1ぐらいの売り上げ(24年度は272億円)しかないのかずっと疑問に思ってきた。

 その一方で、昨年、三菱地所グループが取り組むCSR活動の一環である「空と土プロジェクト」の稲刈り取材を行い、三菱地所ホームが山梨県と協定を結び、県有林のカラマツを構造材として積極的に採用していることを目の当たりにした。同社の構造材の国産材採用比率は業界トップクラスの50%に達する。森林・林業の再生が喫緊の課題だけに、同社の取り組みがきちんと評価されるべきだとも思った。

 そこで、どうして売り上げが地所グループ全体の3%にも満たないのかなどについて、西貝社長らに質問した。西貝社長は、「リーマン・ショック前までは仙台や広島でも営業拠点を構えていたが、それ以後は首都圏と大阪圏の高所得者層を中心に集中的に営業活動をしているため」と答えた。国産材の採用については、「山梨に限らず北海道、岩手などでも協定を結び、今後も積極的に採用比率を高めていく」と話した。

 また、注文住宅事業部門担当の同社常務執行役員・中津川隆士氏は、「当社の営業マンは100人弱。全社員の3分の1ぐらい。同業他社は社員の半分以上が営業マン」と、営業マンが少ないのが同業他社に後れを取っている理由の一つだと話した。

 

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 なるほどとも思ったのだが、ならば営業マンを増やし、中堅層もターゲットとして取り組めば売り上げは飛躍的に伸びると思った。一定のシェアを占めそれを伸ばすのは大変なエネルギーが必要だが、現状は微々たるものだ。どこにも負けない技術力を持っているのなら数字を2倍、3倍ぐらいまで間違いなく伸ばせるはずだ。

 「トレーサビリティ」は、家庭の主婦にとっては食材などを購入する際の最大の決め手になるはずだが、木材がそうはならないのは残念だ。

 

三菱地所グループ「空と土プロジェクト」体験ツアー同行(2012/10/19)

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スウェーデンハウス 網なしの木製サッシ3層ガラス窓開発

 

「木製サッシ3層ガラス窓」

 

 スウェーデンハウスは4月22日、網の入らない耐熱強化ガラス入り防火窓「木製サッシ3層ガラス窓」を4月1日着工物件から使用していると発表した。

 従来の防火窓では、一般的にガラスに細いスチールが網状に入っていたが、お客様から「網なし」の要望が多くあり、この要望を受けて網の入らない耐熱強化ガラスを開発し、国土交通省の防火認定を取得した。自社で生産する。バルコニーなどで用いる片開きドアも防火認定試験に合格しており、11月着工から標準仕様とする予定。

 同社は1993年、日本で初の「木製サッシ3層網入りガラス窓」で防火認定を取得。準防火地域でも防火シャッターを設置することなく建築でき、外観デザインの向上を図ってきた。

 今回の認定取得について、岡田正人社長は、「当社は今年で30周年。網が入らなくてもいいガラス窓の開発・生産によって品質を確保でき顧客満足度を高められる」と語り、同社取締役営業本部長・鈴木雅徳氏も「私は30年前から営業担当として、お客様に窓のことばかり説明してきた。窓は家の顔であり、高気密・高断熱・水密性能・防犯性能はいうまでもなく、外観デザイン、景色としても重要なアイテム」と話した。

 窓単体価格としては従来製品より約1割価格アップになるという。

 

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 網の入らない木製サッシガラス窓は同社の大きな武器になるはずだ。同社が掲げる「家は、窓から」のスローガンもその通りだと思う。記者は絵を描くのが趣味の一つだが、油絵だろうと日本画だろうと、額装なしでは〝絵にならない〟。額縁の選択を間違えるとそれもまた〝絵にならない〟。 

 それほど絵画にとって額縁が重要な役割を果たすが、家の窓も外から眺めればその家の風格、品格を表す。屋内から見れば、窓の枠は絵画と一緒だ。風景は額に収まった風景になる。アルミサッシでも絵になる場合はあるが、わが国の風景にはやはり木の枠がよく似合う。

 同社にお願いしたいのは、そこまで木製ドアにこだわるのだから、外壁仕上げも木製にしてほしい。規制が厳しくて建てられないのだが、木製下見板の壁の家など最近は見たことがない。

 


建材試験センターで行われた性能評価試験。加熱20分終了時の防火窓。
最高温度が800℃に達しても、非加熱側に炎の侵入は認められない

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細田工務店「グローイングスクエア狛江」

 全国住宅産業協会(全住協)の第3回「優良事業賞」受賞

 


「グローイングスクエア狛江」

 

 細田工務店の戸建て分譲団地「グローイングスクエア狛江」が全国住宅産業協会(全住協)の「第三回優良事業表彰」の「優良事業賞」を受賞しした。

 この賞は、良質な住宅供給および住環境の整備を促進すること等を目的とし、住宅性能やデザイン、周辺環境との調和などに優れた事業を表彰するもので、今年で第三回。「グローイングスクエア狛江」は、「戸建分譲住宅部門(中規模)」で、街づくり・プランニングの両面における綿密な通風計画、環境を配慮した設備仕様や、外観の高いデザイン性などが高く評価された。「CASBEE- すまい戸建」の最高等級であるSランクを全棟で取得している。

 物件は、狛江市東野川2丁目に位置する全20区画。敷地面積は120.56~123.11㎡、建物面積は91.08~97.70㎡。

 他の受賞案件は、戸建分譲住宅部門では「リストガーデンダイヤモンドパーク」(大規模=リスト)、「ウィルローズヒルズ赤塚公園」(中規模=グローバル・キャスト)、中高層分譲住宅部門では「グローベル ザ・ステーション新座 グランフォーティアム」(中規模=グローベルス)、「アジュールコフレ大森パークフロント」(小規模=アーパネットコーポレーション)、「ウィルローズ蔵前リバースイート」(小規模=グローバル・エルシード)、「エコヴィレッジ朝霞中央公園」(小規模=りブラン)、不動産関連事業部門では「ジョイナス高宮【戸建賃貸】」(九州八重洲)、企画・開発部門では「サンベストヴィレッジ浮間公園」(SD建築企画研究所)、「デユフレベース南麻布」(サジェスト)、「日神パレステージ初台オペラ通り」(日神不動産)がそれぞれ受賞した。

 

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 悲しいかな、全住協の優良事業賞を受賞した11案件のうち見学したのは同社の戸建てとリストの「リストガーデンダイヤモンドパーク」しかない。

 

細田工務店 「狛江」出足好調 新春5.6日で来場30組(1/7)

リスト 街並み・設備仕様に評価 日産野球場跡地の戸建て(2012/9/4)

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三井ホーム新商品「cafe+( カフェ・プラス)」を発売

トレンドリーダーなママに訴求

 


外観パース

 

三井ホームは4月11日、新商品発表説明会を開き、注文住宅企画型新商品「cafe+(カフェ・プラス)」を4月13日(土)から沖縄を除く全国で発売すると発表した。

 同商品は、子育て期にある30歳代の一次取得者を主な対象とした新商品で、子育てママは「自分の時間と有効なスペースがあったら何に使うかという問いに対し、子どもが未就学以下でも子どもが小学生以上でも友人、お客様が使うもてなしの場とする答えが2番目に多いことに着目。そこで、コストパフォーマンスに優れたブランとするとともに〝居場所としてのカフェ〟を提案した。30のベースプランに「ウェルカム・カフェ」「タタミ・カフェ」「クラフト・カフェ」「フィットネス・カフェ」「ブック・カフェ」の5つのカフェスペースを設置。5つのスタイルにそれぞれ2つの形状や大きさの異なるプランを用意することで無限大のライフスタイルに対応できるのが特徴。「カフェスペース」は1.5~3.5畳大。

 発表会に臨んだ長谷裕・専務取締役は「当社がこれまで弱かった一次取得層向けの30歳代の子育てファミリーがターゲット。2,000万円から2,500万円の受注比率はは現在約26%。この層向けは競合も厳しいが、コストパフォーマンスが高い商品なのでお客様に支持されるはず」と語った。

 プロトタイプの参考価格は延床面積約146㎡(44坪)で24,825,150円(坪単価56万円)。太陽光発電、蓄電システムなどはオプション。販売目標は年間300棟。


ウェルカム・カフェ

タタミ・カフェ

クラフト・カフェ

 

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 同社が新商品を発表すると聞いて、間違いなく第一次取得層をターゲットにした低価格の商品だろうとおもった。その通りだった。なぜ、そう考えたかだが、同社を含めハウスメーカーの取材は多くはないが、どうして2×4トップの全国区の「吉永小百合」の三井ホームは単価の低い商品をあまり供給しないのか不思議に思っていた。三井不動産レジデンシャルは億ションの「パーク・マンション」もあれば、基本的に一次取得層向けの「パークホームズ」、さらにはコンパクトの「ハークリュクス」まで揃えている。三井ホームがアッパーミドルや富裕層向けに特化するというのは記者は理解できない。吉永さんは富裕層にぴったりだが、なかなかどうして庶民的な方だし若年層にも人気のはずだ。

 記者団からは、「これまで高級路線を歩んできたが、路線変更ではないか」「消費税の駆け込み需要を狙っての商品か」「この商品のシェアを伸ばすのか」などの質問が相次いだ。その都度、長谷氏は「路線変更ではない」「消費税の駆け込みが結果として出るかもしれない」「この商品だけを伸ばすのではない」と応えた。これまた当然だ。競争が厳しい第一次取得層向けに注力して他を減らしたら意味がない。ここは三井ブランドを生かして従来弱かった分野も伸ばそうという戦略に間違いない。

 同社によると、フリーの注文住宅と企画型注文住宅の受注比率はおおよそ7:3だという。フリーは平均43坪で坪単価は約81万円、企画型は35坪で坪単価は66万円だ。今回はさらに安い単価で受注増を狙う。

 


フィットネス・カフェ

ブック・カフェ

 

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 この種の商品はかつてUR都市機構が「αルーム」として舗道に面したマンションの1階に設けたことがある。広さは6畳大ぐらいあった。店舗は禁止だが、習い事やギャラリーなどを想定したものだった。最初のうちは入居者はその条件に沿った使い方をしていたが、そのうちにほとんどやらなくなった。

 これは、分譲時に抽選で購入者を決めたことに問題があった。購入するのが最優先になったため、周辺の居住者とのコミュニケーションを図る目的の人が必ずしも購入できたわけではなかったからだ。

 今回の同社の新商品は、需要はあると思う。同社も想定しているように街のトレンドリーダーなママに訴求できれば息の長い商品になるはずだ。

 

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 記者発表会でおいしい「DeLonghi(デロンギ)」のコーヒーがもてなされた。そんじょそこらのまずいコーヒーではない。もちろん「cafe+(カフェ・プラス)」の発表会にあわせた同社の粋な計らいだ。これにも驚いたのだが、記者団もいつも通りたくさん詰め掛けた。40~50人ではなかったか。そこで4月1日付で常務執行役員に就任した前三井不動産広報部長・山本実氏に聞いたが、山本氏も「びっくりした」とその記者団の多さに驚いた。

 デベロッパーもたまにはおいしいコーヒーでも振舞えばもっとマンション見学会の人数が増えるかもしれない。

カテゴリ: 2013年度
 

 

 

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