「ザ・リーフィア世田谷喜多見」
小田急不動産の最高峰グレード「ザ・リーフィア」を冠した初の分譲戸建て「ザ・リーフィア世田谷喜多見」を見学した。喜多見駅から徒歩3~4分の1低層・風致地区に位置する全3棟で、2008年から展開している「リーフィア」はもちろんそれ以前の「コートアベニュー」戸建てを含めてトップクラスの戸建てであるのは間違いない。
物件は、小田急線喜多見駅から徒歩3~4分、世田谷区喜多見9丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全3戸。土地面積は133.57~147.25㎡、建物面積111.27~119.26㎡、価格は未定。建物は木造2階建て(2×4工法)で、2025年2月下旬に完成済み。施工は三井ホームエンジニアリング。
現地は、風致地区に指定されている1低層の閑静な住宅街。従前は賃貸アパート。主な基本性能・設備仕様は、全棟〈Nearly ZEH〉、BELS認定、エネファーム、太陽光発電システム、蓄電池、全館空調、ボッシュ製深型食洗機、磁器タイル仕上げ玄関ホール、アイアン玄関門扉(1号棟)、ガラス製階段手摺、フィオレストーン天板、1620サイズの浴室など。
同社は4月28日に物件ホームページを立ち上げ、これから集客を本格化させる予定。
1号棟リビング(吹き抜け部分の天井高は6m弱)
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駅から現地までの道に迷ったため、20分くらい周辺を歩いた。野川を超えた隣の成城学園の邸宅街には負けるかもしれないが、間違いなく喜多見駅の一等地の住宅街だ。
3棟のうち幅員5.8mの西道路に面した1号棟の外観を見て、価格をすぐはじいた。3億円の値をつける自信はないが、2億5,000万円くらいではないかと。その通りだった。同社担当者は否定しなかった。
なぜ、価格予想が的中したか。現地の少し先には、記者が取材した2021年分譲の積水ハウスと清水総合開発のJVマンション「世田谷喜多見ザ・テラス」134戸が建っているが、分譲時の坪単価は375万円だった。マンションと戸建てを単純に比較はできないが、その後の価格上昇を考えると、同駅圏のマンション坪単価は600万円くらいではないか。30坪で1億8,000万円だ。「ザ・リーフィア」の1号棟の敷地面積は約45坪だ。2億5,000万円でも安いかもしれない。
建物のデザイン、基本性能・設備仕様は上段で書いた通り、素晴らしい。唯一不満だったのは階段ステップは15段あったのだか、幅はメーターモジュールではなかったことだ(同社はかつて30坪の建物でも積極的にメーターモジュールを採用していた)。
そこで考えた。急いで売ることはない。同社は「ザ・リーフィア」のシリーズ化も考えているというから、多くのお客さんに見てもらうことを優先させるべきだと思う。そして、価格はお客さんに判断してもらうことだ。オークションにかけたら、3億円で落札される可能性もあるとみた。
幅員5mの東道路に面した2・3号棟は1号棟よりやや設備仕様が劣るので価格は低くなりそうだが、インターロッキング舗装の私道部分がたっぷり取られており、駅からの近道は車が通行できない歩道であるため、来場者の評価も高いという。これらも2億円を突破するはずだ。
記者はこれまで同社の小田急線沿線の分譲戸建てをかなり見学しており、2年前には野村不動産「プラウドシーズン成城五丁目」、今年3月には価格が10億円超の諸戸の家「代々木上原」、4月にはコスモスイニシア「イニシアフォーラム南荻窪」の高額戸建てを見学している。これらと比べて今回の「喜多見」は全然引けを取らない。
現地(1号棟)
現地(2・3号棟)
コモンスペース中央に全5棟差別化できているコスモスイニシア「南荻窪」(2025/4/19)
価格10億円超分譲戸建ての歴史を変えた諸戸の家「代々木上原」完売(2025/3/6)
野村不「高額建売戸建」第2弾「プラウドシーズン成城五丁目」も即日完売(2023/10/7)
稀有な駅近で大規模な1低層積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」(2021/1/16)
建ぺい40%、容積80%の邸宅跡地に21区画売れ行き好調の小田急不「狛江」(2020/2/11)
ヴェール脱ぐ全185区画、敷地170㎡以上の小田急不「リーフィア南大沢ガーデンズ」(2019/4/17)