視点を変えれば高齢社会は無限の可能性あり ホスピタルデザイン研究会がフォーラム
「ヘルスケアデザイン産業の最前線」(京王プラザホテルで)
ホスピタルデザイン研究会(代表:戸倉蓉子氏)は3月27日、日本医師会、公益資本主義推進協議会、東京都健康長寿医療センター、日本居住福祉学会などが後援する「ヘルスケアデザイン産業の最前線」と題するフォーラムを開いた。
キックオフ講演会では、経済産業省ヘルスケア産業課課長・江崎禎英氏が「生涯現役社会の構築に向けて」と、医療法人社団慶成会会長・大塚宣夫氏が「高齢者よ大志を抱け!」と題する講演をそれぞれ行った。
医療・介護、建設、住宅・リフォーム、建築士、ホテルなど幅広い分野から約120名が参加した。
戸倉氏
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江崎氏の話は、厚労省などの悲観的で絶望的なデータを経産省の立場から分析すればまったく別の展望が開けるという意味でとても面白かった。要は予防医療に力を注ぎ、高齢者が自ら誇りが持てるように遇し、どんどん社会進出を促す取り組みをすべきということだ。江崎氏が「介護ろし」などと現行の制度を皮肉ったのにはびっくりしたが、当意即妙その通りだと思った。
大塚氏の話も面白かった。大塚氏は、高齢者の増加、家族による介護力の低下、社会保障制度の前提の崩壊などを述べた後、老後を豊かに過ごすための基礎知識を次の通り紹介した。
1)生物の歴史から見た晩年
親を見るDNAは引き継がれていない
2)75歳で心身とも変わる
臓器の耐用年数は70年。自己修復力の低下。認知症の不安など
3)自分を元気に保つ術
自分で老け込むな。依存心を捨てよ。体の言うことを聞くな。リタイアしても朝外出して夕方まで帰るな、それのほうが奥さんも喜ぶ。年を取ったら独立自存
4)老後の沙汰(も金次第とは言わなかったが)
感謝の気持ち。現金主義を貫き不都合、不便を回避せよ
5)終わり良ければすべて良し
つらい思いを家族にさせない。介護はプロに任す
6)高齢者施設の活用
「終身介護」は要注意、8割は後悔する。最期に入る場所を決めておく。それまでは入らないよう頑張る
また、大塚氏は超高齢社会への提言として、高齢者の定義は少なくとも75歳以上にすべきとし、寝たきりが少ないヨーロッパ人の人生の終わり方を紹介し、緩和ケアを充実させ、「自分で嚥下できなくなったら寿命」と悟るべきで、大往生の人生をよしとする社会的コンセンサスが必要と話した。
大塚氏は医療付き老人ホームの「青梅慶友病院」(700床)と高齢者ホスピス「よみうりランド慶友病院」(240床)の会長を務めており、その概要を紹介した。平均年齢は「青梅」が89歳、「よみうり」が87歳。年間死亡は「青梅」が276名、「よみうり」が163名。入院期間は「青梅」が2年半、「よみうり」が1年半。
江崎氏(左)と大塚氏
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フォーラムを企画した埼玉県住まいづくり協議会副会長、日本居住福祉学会関東支部長などを務めるリブラン会長・鈴木靜雄氏が「戸倉さんは平成のナイチンゲール」と持ち上げ、「経産省、日本医師会、日本商工会議所の3者が手を携えるという過去にはありえないトライアングルが実現した。健康経営の取り組みもオーソライズされ、あらゆる産業が健康になることが求められる時代になった。住や医療が連携して次のステップに進まなければならない」と語った。
その言葉は理解できても、なかなか実感できない記者は、これから住宅・不動産業はどうしたら健康長寿社会の実現に貢献できるのか、なにが求められているのかずっと考えた。
真っ先に浮かんだのは富裕層ビジネスだ。これはすでにデベロッパーやハウスメーカーが取り組んでいるが、これに元気な高齢者向けのビジネスも絡んでくる。新しいビジネスモデルも生まれるかもしれない。そんな期待感を抱かせるフォーラムだった。それほど参加者の業種は多種多彩だった。
鈴木氏
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最近話題になっているビジネスとして、第1回「日本サービス大賞」の内閣総理大臣賞を受賞したJR九州の「ななつ星in九州」がある。
JR九州によると、「ななつ星in九州」のスタートは2013年10月で、利用者は昨年11月22日の9期までで約7,700名に達する。利用者の平均年齢は64.4歳で、60歳代を中心に50歳代から70歳代、居住地は関東が多いという。最近の企画では2人利用で200万円~300万円だが、申込受付の電話はつながらない状態だ。
クルーズ人口はどうか。国土交通省の調査では2000年の21.6万人をピークにその後減り続け20万人を割っていたが、2012年に21.7万人へ回復し、2013年には23.8万人と過去最高を記録している。
視点を変えれば、金融資産が数百兆円になるはずの高齢者・富裕層向けのビジネスは無限に広がる。
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記者も相当酒が入っているころだった。ゆったりした作務衣か甚平か茶羽織かを羽織った下駄ばきのおじさんが登壇した。会場の沸き具合からして相当の人であることが分かった。日本BE研究所所長・行徳哲男氏(84歳)だった。会場からは「先生はマグロと一緒。泳ぎ続けなければならない。100歳に向かって頑張って」などの声援が飛んだ。
その先生が、いま話題の安倍昭恵夫人にエールを送る書を披露した。明治天皇御製による「あらし吹く 世にも動くな 人ごころ いはほに根ざす 松のごとくに」という和歌だそうだ。
なるほど。いかに政情、人心が混乱していようと泰然自若として構えなさいということのようだ。
安部昭恵夫人にエールの明治天皇御製の和歌
行徳氏
相羽建設会長・相羽正氏「うちにはなぜか大正天皇に献上した潜水艦の100分の1の模型があるんだよ。社長は65歳のとき、娘婿に譲った。今は何もしていない」
絆コーポレーション所長・吉村健司氏(RBA関係者にはお馴染み)
野村不動産アーバン 大宮と立川に仲介店舗 「野村の仲介+」75部店舗に
野村不動産アーバンネットは3月27日、売買仲介店舗「大宮センター」(さいたま市大宮区)と「立川センター」(立川市)を4月2日に開設すると発表した。
今回の店舗開設により「野村の仲介+」の部店数は首都圏69部店・関西圏6部店の計75部店となる。
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先日、東急リバブルが店舗開設を発表したとき、全国のリバブルネットワークは176カ所となり、この5年間で39店舗、28.5%増やしたと書いた。
同じように野村不動産アーバンネットも調べた。5年前の2011年は42店舗だったので、同社も33店舗、78.6%増やしたことになる。
一方、不動産流通業の〝2強〟三井不動産リアルティと住友不動産販売は店舗集約、移転、改装などは頻繁に行っているが、店舗数そのものはそれほど増えていない。
後続にとっては店舗増=売上増につながると読み、2強はシェアを奪われないよう質の向上を図る図式が見えてくる。
RBA「こだわり記事」は継続します 「住宅サーチ」終了に当たって
すでに告知されていますが、日経新聞のWeb「住宅サーチ」の不動産検索サービスが2017年3月31日をもって終了となり、「住宅最前線 こだわリポート」も同時に終了となります。
2011年4月から6年間、記者の独断と偏見に満ちた記事を事前検閲などまったくせず転載していただいた「住宅サーチ」関係者に心からお礼申し上げます。
そして何よりも辛抱強く読んでいただいた読者の皆さんにお礼申し上げます。ありがとうございました。
振り返ってみれば、読者の皆さんが期待されるセカンド・オピニオン、ネガティブ情報については期待に沿えなかったのではないかと考えています。
しかし、これは当初「住宅サーチ読者の方々へ」でもお断りしましたように、「最優先するのは業界の利益」であって、個別マンションの欠点・難点をあげつらうような記事は書くまいと自らを戒めてきました。中には見立て違いがあったかもしれませんが、意図的にそのような記事を書いたことはありません。これからも書くつもりは全くありません。
むしろ、そのような情報が飛び交っている電子掲示板がよい方向に向かうことを期待しています。
「住宅サーチ」への転載は終了しますが、「RBAタイムズWeb版」はこれまで通りです。〝記事はラブレター〟をモットーに、体力・気力が続く限り情報を発信していきます。「お気に入り」にでも入れていただければ幸いです。
重ねてこれまで拙い記事に付きあってくださった皆さんに感謝しお礼申し上げます。
三井不リアルティ 仲介店舗 「三井のリハウス 六本松センター」開設 全国279店舗に
三井不動産リアルティ九州は3月24日、仲介店舗 「三井のリハウス 六本松センター」を4月1日(土)に開設すると発表した。
これで三井不動産リアルティグループの仲介店舗数は全国で279店舗となる。
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東急リバブルがこの5年間で店舗数を39店舗、28.5%も増やし176店舗にしたので、業界トップの三井不動産リアルティはどうなのか聞いた。
約100店舗多いことが分かったのだが、同社は「5年前の2012年4月、直営リハウス5社を吸収合併し、ユニット制の導入、全国の店舗リニューアル工事、リハウスブランドロゴのリニューアル、360°サポートの導入など、ここ5年間余り、不動産仲介事業におけるサービス品質の向上に向けた施策を中心に取り組んできた」(広報)としている。
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住友不動産は3月17日、住友不動産販売の普通株式を公開買付けにより取得し、完全子会社化すると発表した。
事業環境の変化に迅速に対応するためには経営資源の集約及び市場情報の一元管理の必要性が益々高まってくることから下した決断だ。これによって、一時は三井不動産リアルティ、住友不動産販売、東急リバブル、東京建物不動産販売の4社が東証市場に上場していたのが、すべて消えることになる。
寂しい限りだがこれもやむを得ない。時代の流れだ。一般のユーザーからすれば親も子も一緒。総合力がいよいよ問われる時代に突入したということだ。
マンション管理協 管理員の待遇改善を重要課題に 呼称も変えてほしい
先月、別掲の「掃除は科学 床は朝日、窓は読売〟 マンション管理員のスゴ技を1日体験」という見出しの記事を書いた。
マンション管理の仕事がどのようなものか全く知らないのに〝マンションは管理を買え〟などと記事を書くのは管理員や購入検討者に失礼だと思い、取材させてもらったのだが、取材してデベロッパーや管理会社は管理員の待遇改善に一層力を注ぐべきだと強く感じた。
そこで、先日3月16日に行われたマンション管理業協会(管理協)恒例の記者懇親会でこの問題について質問した。
山根弘美・理事長は所用で欠席だったが、栗原清・副理事長(大京アステージ会長)は「ご指摘の通り。フロント、管理員の待遇改善は来期の重要課題の一つ。業務委託契約にサービスの内容を明確にし、報酬に反映させたい」と語った。
また、岡本潮・副理事長(東急コミュニティー会長)も「契約内容がクリアでないのは伝統的になっている。仕事(仕様)の範囲などを明確にし、対価についてもクリアにするよう研究会を開いて取り組んでいる。一歩踏み出した」と答えた。大島宏志・専務理事も「業務委託契約書の見直しについては国交省にも要望している。業界をあげて取り組んでいく」と話した。
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管理員の待遇の悪さに管理協の役員も心を痛めていることがよくわかった。全力で取り組んでいただくようお願いしたい。
個人的には「管理員」「管理人」という呼称も変更したほうがいいと思う。この業界には宅地建物取引士(宅建士)、不動産鑑定士、マンション管理士、建築士、測量士などの「士」がたくさんあり、管理業務主任者という国家資格もある。
一方の「管理員」はどうか。掃除を科学の域にまで高め、マンションの資産価値の維持・向上のために粉骨砕身している技能者であるにも関わらず、「士」とは大きな差がある。職業に貴賎なし-とはよく言われるが、名は体を現すという言葉もある。待遇改善と同時に呼称を格上げすれば、人材不足は一挙に解消されるはずだ。
「看護婦」は「看護師」に、「保母」は「保育士」に、「宅建主任者」は「宅建士」にそれぞれ格上げされた。「農夫」「炭鉱夫」「工夫」「八百屋」「芸人」「外人」など「-人」「-夫」なども軒並み放送禁止用語として自主規制しているではないか。法律用語ですら「日雇い」は「自由労働者」(これは本当だろうか)に、「按摩(あんま)」は「あんま師」と言い換えているではないか。そのうちに「家政婦」「美人」「主婦」も消えるかもしれない。(NHKに聞いたら「ケースバイケースで「特に決めているわけではない」とのことだ)
ここまで自粛すると益々日本語が貧しくなり、却って格差社会を覆い隠すイチジクの葉っぱにならないか不安も感じるのだが、ここまでくれば一蓮托生だ。「管理人」もせめて「宅建士」クラスに格上げしてしかるべきだ。
ついでだが「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」はやめていただきたい。これこそ差別用語だ。こんな差別用語を使っているから「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)なる意味不明の言葉も生まれる。特別に擁護されなければならない老人とは何か、「有料」があるのなら「無料」はあるのか、高齢者はサービスがない(このサービスもものすごく曖昧)施設を利用する選択肢もあるということか。
創建 ECCと提携 語学教室が無料のシェアハウス 大阪・吹田市に開設
「シェアハウス千里古江台」
創建は4月1日、ECCと提携し、暮らしながら英語が習得できる「シェアハウス千里古江台」を大阪・吹田市のパナホーム社宅跡地でオープンする。
同社の賃貸リノベーション事業の一貫として行うもので、ECCと提携し平日17:00から21:00までシェアハウス内で入居者を対象とした語学教室が無料で開かれる。近くにある大型銭湯「健康温泉 万博おゆば」と提携し500円で入湯も可能。
物件は、大阪モノレール山田駅から徒歩11分、大阪府吹田市古江台5丁目に位置する4階建て全72室。収容人数は144名。居室面積は17㎡。賃料は個室が5万円/月、シェアハウスが3万円/月。共用施設はキッチン、トイレ、洗面室、シャワールーム、コインランドリー、多目的室、談話室、喫煙室など。
東急リバブル 仲介店舗「ときわ台」「新浦安」「札幌北」開設 全国176店舗に
東急リバブルは3月23日、売買仲介店舗「ときわ台センター」(東京都板橋区)、「新浦安センター」(千葉県浦安市)、「札幌北センター」(北海道札幌市)の3店舗を4月1日(土)に開設すると発表した。
今回の出店により、売買仲介と賃貸仲介をあわせた全国のリバブルネットワークは176カ所となる。
同社の過去5年間の4月1日現在の店舗数は次の通り。
2017年 176店舗
2016年 167店舗
2015年 162店舗
2014年 148店舗
2013年 137店舗
この5年間で39店舗、28.5%増やしていることになる。
事実の報道とは何か 絶対的、客観的事実はあるのか
住宅ジャーナリスト・櫻井幸雄氏が3月20日付「週刊住宅」のコラム「先端を読む」で、「住友不動産が週刊誌の記事に対して抗議を行い…事実に反する記事内容を正し、デジタル版にも掲載されていた記事を削除させた」と書かれている。
独断と偏見に満ちた際どい記事を書いている記者はドキリとし、早速、件のマンションについての同社の告知を読んだ。同社はそのマンションが値下げされたかのように書かれた記事を「何の裏付けもないにも関わらず読者の耳目を集めようとした悪質な記事」として、「誤報」した週刊誌に抗議し、該当部分の記事を削除させたとしている。
同じような週刊誌の「誤報」は過去にもあったような気がする。週刊誌の記者が値下げの有無を確認していればよかったのに、それを怠ったために「誤報」となった。初歩的なミスを週刊誌記者は犯したということだ。「悪質」と言われても仕方ない書き方だ。
この問題はそれで一件落着なのだが、ジャーナリズムのはしくれとして毎日記事を書いている記者としても見逃せない問題を孕んでいるので私見を述べたい。
櫻井氏は「マスコミは本来、間違った情報を流さないよう努力しなければならない。その努力が弱まったのであれば、(住友不動産のように)強い姿勢も必要ということだろう」と結論づけている。
確かにそうだ。問題は「事実」とは何かということだ。多くの方も指摘されているように、あらゆる事象は事実にもなるし誤報にもなりうる。右から見ればアカで、左から眺めれば暗黒社会になった時代もあるように、記事には書く本人の考え方、思想が色濃く反映される。みんな色眼鏡でものを見ている。自分のモノサシでしかものを測れない。無色透明などあり得ない。その意味では、われわれは間違った記事を書き続けているともいえる。
つまり、絶対的な客観的な事実は結局ないということだ。記事は脚色せず事実だけを書かなければならないとすれば、官報のようなものばかりになる(官報も正確に事実を伝えているかどうか疑問だが)。ニュースリリースはコピー&ペーストで済む。しかし、そんなものが果たして読まれるか。書いた本人の視点、フィルターを通して書くから記事は読まれる。それを否定するのはファッショだ。
ただしかし、先にも書いたように記者の色眼鏡によって「事実」がゆがめられることもある。ジャーナリズムに身を置く者は耐えず自らの立ち位置を検証し、日々生起する事象をしっかり分析して伝えないといけない。ペンは凶器にもなる。
分かりやすい事例を示そう。かつて一般新聞(全てではないが)は銀座のクラブのママさんが殺害されると決まって「銀座の美人クラブママ」と美人という代名詞をつけて書いた。絶対的美人がいないように美人であるか否かはひとそれぞれによって異なり絶対的美人などいないのに、異論を唱える人はいなかった。事実とか常識などというものはそのような危うさもあるということだ。
かく言うわたしも同じような記事を書いた。ついこの前、三井不動産レジデンシャル「パークコート一番町」のモデルルームの美しさにほれ込んだのだが、ボキャブラリーの乏しい記者は困り果て、異論・反論があるのを承知で「女優に例えるなら吉永小百合さんか八千草薫さんクラスだ」と書いた。今のところ三井さんからも吉永さん、八千草さんからも、モデルルームをコーディネートした芦原弘子さんからもクレームがない(もちろん吉永さん、八千草さんには了解は得ていないが、芦原さんの事務所には「ぜひ読んでください」と伝言を頼んだ)。これは事実ではないが、これくらいの脚色は許されると思う。
これはわたしも含め同業の記者が考えなければならないのだが、われわれは正確に「事実」を伝えているかという問題だ。正直に言えば、これははなはだ怪しい。
例えば各社が行う見学会のルポ記事。その際、心掛けなければならないのは記者の目から読者に何を伝えるかだ。主催者の発信する情報(事実)だけを伝えるだけでは、読者が知りたい情報(事実)を伝えることにはならない。無色透明の何のポリシーも持たず書く記事は読者の共感を呼ぶことはできない。記者は〝記事はラブレター〟をモットーとしているが、いつも意識している読者とは恋人のような存在だ。
マンションの記事であれば、読者が一番知りたいのは価格だ。ところが、価格を未定として公表しないデベロッパーは多い。その主催者の語るあれやこれやの特徴をそのまま伝えたところで、「価格は未定」の記事はただのプロパガンダに過ぎないと思う。
読者が知りたいということではネガティブ情報もそうだろう。これは難問だ。いかに優れたマンションであれ難点はある。これを伝えないのは客観報道にならないとも考えられる。われわれ業界紙の記者はその点で〝落第〟かもしれない。この問題については機会があればまた書きたい。
「値下げ」についても一言。かつて不動産は「値下げ」について厳しい規制が設けられていたが、現在は旧価格に×印をつけて新価格を表示するいわゆる二重価格表示が一定の要件付きで認められている。
いまだに「値下げ」記事が売れると考えているマスコミがいることにあきれるのだが、そんな記事に飛びつく読者も読者だ。自分の人生を左右しかねない一生に一度の大きな買い物になるかもしれないのに、素人記者のいい加減な記事など参考にすべきではない。売れなければ値を下げるのは当たり前ではないか。価格は市場が決める。
デベロッパーにも注文したい。櫻井氏も指摘しているのだが、以前は良くも悪くも各社の広報担当とマスコミは持ちつ持たれつ親密な関係にあったように思う。かの浜渦氏が強調したように「水面下の交渉」が良好な人間関係を生み、ことを穏便に済ませてきた。
その是非は差し置くとして、記者を育てる意味でデベロッパーはどんどんマンション見学会・懇親会などを行うべきだ。記者もまた現場に足を運ぶべきだ。現場を見ると見えないものが見えてくる。
東急不動産他 日比谷公園近接ビル「日比谷パークフロント」に名称決定
「日比谷パークフロント」
東急不動産は3月22日、ケネディクス、日本政策投資銀行と共同で立ち上げたグリーンアセットインベストメント特定目的会社を通じて建設中のビルの名称を「日比谷パークフロント」に決定したと発表した。5月に竣工する。
ビルは日比谷公園に近接する霞ヶ関エリアに位置し、地下では隣接ビルを通じて霞ヶ関駅と内幸町駅に直結。「公園の中のオフィス」をコンセプトに、日比谷公園の眺望だけでなく、建物の中まで公園のような快適さに包まれた働きやすさを提供する新しいオフィスビルとする。
物件は、東京メトロ霞ヶ関駅から徒歩3分、都営三田線内幸町駅から徒歩5分、千代田区内幸町二丁目に位置する敷地面積6,089.61㎡、地下4階地上21階建て延べ床面積67,000㎡。施工は鹿島建設。竣工予定は2017年5月31日。
ガーデンプロムナード
三井不動産レジデンシャル 学生寮事業に参入 「平和台」全179室 入居前95%申し込み
「カレッジコート平和台」
三井不動産レジデンシャルは3月21日、学⽣寮事業に参⼊し、第⼀弾の「カレッジコート平和台」が2017年3⽉に竣⼯したと発表した。竣⼯後は全国に学⽣寮を展開する毎⽇コムネットが⼀括賃借・運営する。⼊居は4⽉1⽇開始予定で、すでに95%以上の⼊居申し込みを受けている。
物件は、東京メトロ有楽町線・副都⼼線平和台駅から徒歩6分、練⾺区平和台4丁目に位置する7階建て全179室。専用面積は15.76〜16.88㎡。24時間セキュリティ。専有部はバス・トイレ別、独⽴洗⾯台、エアコン、家具家電付き、2ドア冷凍冷蔵庫、ベッド、デスク、チェアなど。設備はオートロック、ランドリールーム、防犯カメラ、⾷堂など。