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汚染土壌の土嚢(富岡町で)

福島原発 新緑が美しい山並みとあまりにも対照的な光景に声もなし

 ポラスグループと南越谷阿波踊り振興会は4月22~23日、宮城県名取市美田園第一仮設住宅阿波踊り慰問を行った。記者は密着取材を敢行した。数回に分けてレポートする。今回はその第一弾。

 名取市は2011年3.11の東日本大震災で被災エリア住民の約6分の1に当たる954名(このほか行方不明者39名)が犠牲となった。ポラスグループは震災直後、美田園地区に128戸の仮設住宅を建設。その翌年から、仮設住宅の建設にも関わった同社グループの住宅資材センター施工部部長でPO連連長・土屋誠氏(45)の呼びかけで毎年慰問を行っており今回が6回目。

 約60名の参加者は早朝6時30分に越谷市を貸し切りバス2台で出発。常磐道を北へ、約6時間30分の行程をかけて現地に向かった。冒頭、土屋氏は「物見遊山で出かけるのではない。それぞれがツアーで見聞したことを語り継ぎ、国を動かす力になってほしい」と注意を促し、もっとも甚大な被害を受けた閖上地区の被災状況や、仮設住宅建設の経緯、映画「君の名は。」の原点となった新海誠氏の閖上訪問のエピソードなど映像を交え説明した。

 いわきICを過ぎたあたりから放射線量を示すモニタリングが表示され、至るところに設置されているシートで覆われた放射能汚染土と「帰還困難区域」に指定されている大熊町、双葉町などの高い放射線量に声を失った。〝死の街〟を目の当たりにした。

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土屋氏

◇       ◆     ◇

 いわきICを過ぎ四倉IC当たりで、土屋氏は「ほら『二輪通行不可』の注意書きが見えるでしょ。汚染土の土嚢の量も放射線モニタリングの数値も越谷の10倍から数十倍。しっかり見てください」と声を掛けた。

 記者は広野~南相馬間に設置された9カ所のモニタリングポストの数値と、車窓から見える汚染土壌の土嚢をカメラに収めた。

 モニタリング数値は広野町当たりで01 mSv/hだったものが福島原発に近づくにつれ上昇し、双葉町では3.4 mSv/hを記録した。さいたま市当たりで0.05 mSv/hだから68倍の数値だ。

 「帰還困難区域」に指定されている大熊町、双葉町などは人の気配が皆無なのは理解できるが、避難指示が解除された楢葉町、富岡町、南相馬市などでも人家は確認できたが、人の気配は全くなく、車の通行も2~3台はあっただろうか。

 帰りの車中では南相馬を過ぎた当たりからいわき市に入るまでの数十キロにわたり人家の灯りはまったく確認できなかった。新緑が美しい山並みと正反対の光景に暗然たる気持ちになった。

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広野-南相馬間の放射線量0.1~3.4 mSv/hを示すモニタリング表示

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「二輪通行不可」の表示

◇       ◆     ◇

 国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部の祖父江友孝氏は「放射線の発がん影響について」(2011.3.28)と題するレポートで「成人が1000ミリシーベルトを一度に被ばくすると全固形がんの発がんリスクが1.6倍に増加します。これは非喫煙者と比べた場合の喫煙者のリスクの増加程度とほぼ同程度です。現時点で住民の方が受けたと考えられる被ばくによる影響は、それよりはるかに低い値となると予測されます」と述べている。

 レポートが震災からわずか17日後に出されているのに注目したいが、わざわざ喫煙者の発がんリスクと比べているのも興味深い。

 政府は先に、避難指示区域のうち空間線量率から推定された年間積算線量が20ミリシーベルト(3.8 mSv/h)以下となることが確実であると確認された浪江町や富岡町の避難指示を解除した。

 記者は専門家でないのでよくわからないが、チェルノブイリでは6年目以降に5ミリシーベルトへと避難基準を引き上げた。また、チェルノブイリで被ばく(650~1240 mSv)した18歳以下の10~15年後の甲状腺がんの発症リスクは4.0と喫煙者のガン発症リスク1.6の2.5倍にも跳ね上がるというテータもある。

 20ミリシーベルトを年間被ばくすれば50年で1000ミリシーベルトに達する(被ばく総量と被ばく率の因果関係や閾値は不明)。今村復興相が自主避難者に対して「自己責任」などと暴言を吐き辞任に追い込まれたのは当然のような気がする。

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車窓からの風景

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その3(旗振り役)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その2(語り部)(2017/4/28)

カテゴリ: 2017年度

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「キュープラザ二子玉川」

 東急不動産と東急不動産SCマネジメントは4月28日、都市型商業施設ブランド「キュープラザ」の4番目の施設である「キュープラザ二子玉川」をオープンする。26日、施設がメディアに公開された。

 「キュープラザ二子玉川」は、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅から徒歩1分の3階建て延べ床面積約2,521㎡。

 エリア初の「Climbing Gym Fish and Bird(クライミングジム フィッシュアンドバード)」やピザ料理などが楽しめる新業態の「CHICAMA(チカマ)」など4店舗からなる。

 外観は枕木とレールをイメージした外装とし、建物の随所に在来種の草花をうえるなど環境にも配慮しているのが特徴。

 同社と東京急行電鉄は先に、両社が運営する二子玉川駅直結の商業施設「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」の2016年度の売上高は403.9億円、来館者数は3,121万人となり、全館グランドオープンした2015年度を上回り過去最高を記録したと発表している。

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「CHICAMA(チカマ)」
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 Climbing Gym Fish and Birdでデモンストレーションを見学した。所長の酒井悠さん(26)は沖縄国体にも出場しているプロで、記者の「当然東京オリンピックを目指すのでしょ」という誘導質問に「イエス」と答えた。このほか4人の全日本クラスの選手がヤモリかサルのような格好で難題をクリアした。

 小さい頃は10mくらいの柿の木など平気で登った記者も体験したかったが、落ちて怪我でもしたら「自己責任」といわれそうでやめた。

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酒井氏(色男だが容姿は競技に関係ないとか)

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みなさん全日本クラスとか(たしか右端の人はワールドカップ優勝者)

カテゴリ: 2017年度

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「南三陸ハマーレ歌津」街びらきセレモニー

 ナイスは4月24日、建築家・隈研吾氏が設計した宮城県南三陸町の仮設商店街「伊里前福幸商店街」の移転新築施設「南三陸ハマーレ歌津」が完成、4月23日に街びらきセレモニーを行ったと発表した。

 「南三陸ハマーレ歌津」は、東日本大震災の津波により被災した伊里前商店街があった国道45号沿いの5メートル程嵩上げされた海抜約7mの高台造成地約5,200㎡に完成。建物は木造平屋建て延べ床面積約672㎡。

 同社グループオリジナルの金物接合を用いた木造軸組工法(パワービルド工法)を採用。来訪者の手に触れる部分にはできるだけ地元の木材を使いたいという隈氏の意向を受け、外壁及び下屋部分のポーチ柱には地元の「南三陸杉」を採用。外壁には、地元の製材事業者、丸平木材が製材した木材が用いられている。

 近くには小中学校や防災集団移転団地などがあり、同施設は地域コミュニティーの中核的機能を担いつつ観光交流拠点となる。

 同社は、地元建設会社の志津川建設と山庄建設とで組成した「ナイス ・ 志津川 ・ 山庄 特定建設工事共同企業体」の代表として参画したほか、木質化企画や材料調達、構造躯体材のプレカット加工、施工などに携わった。

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ナイスが事業参画 隈研吾氏が設計した南三陸町「さんさん商店街」オープン(2017/3/6)

カテゴリ: 2017年度

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「(仮称)近鉄博多ビル」

 近鉄不動産と近鉄・都ホテルズは4月19日、福岡市博多区の「博多都ホテル」建て替えの計画案「(仮称)近鉄博多ビル」の概要を公表した。

 福岡市の掲げる「アジアの交流拠点都市」形成に貢献するため博多駅筑紫口駅前の新たなランドマークとなるビルを建設するとしており、外観コンセプトは「緑と水と光のビル」とし、壁面や最上階に水が流れ落ちる滝や緑を設置し、「見える滝」「見える緑」を演出する。

 ホテルは、客室数約200室、客室面積30㎡超とし、最上階にはレストランや日帰り入浴も可能な温泉を利用した屋外温泉スパ・屋内浴場などを設ける。

 また、地下階では地下鉄コンコースと接続し、 立体的な歩行者ネットワークを形成するとともに、地下駐輪場を整備する。2019年のラグビーワールドカップ開催前の開業を目指す。地下3階地上13階建て。

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屋上温泉スパ

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 プレス・リリースだけではわからない部分も多いが、間違いなくトップレベルのホテルになる。客室が全て30㎡以上で、屋上に温泉スパ・浴場を設置し、壁面や最上階に水が流れ落ちる滝や緑を演出するのもいい。外資系はともかく、わが国のホテルは宿泊特化型ばかりが花盛りで正直うんざりしていたので、とてもうれしい。

 外観デザインはどこかで見たような気がするが思い出せない。滝や緑の演出は隈研吾氏がデザイン監修した豊島区庁舎との一体開発「Brilliaタワー池袋」とよく似ている。

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低層部

屋上に里山とせせらぎ、格子デザインも美しい 豊島区新庁舎が完成(2013/12/26)

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「(仮称)tvk ecom park」 壁と屋根部分の「コネックトラス」

 三井ホームは4月19日、グループ会社の三井ホームコンポーネントが実質的に施工したテレビ神奈川の多目的倉庫「(仮称)tvk ecom park」が上棟したのに伴いメディア向け見学会を行った。

 施設は、横浜市西区西平沼町6(tvkハウジングプラザ横浜に隣接)に位置する木造枠組壁工法2階建て延床面積約713㎡の準防火建築物。着工は2017年1月、完成予定は2017年6月。建築主はテレビ神奈川。設計はtvk コミュニケーションズ 一級建築士事務所、施工はtvk コミュニケーションズ。部材供給と建て方施工は三井ホームコンポーネント。

 建築主が地球環境にやさしく周辺環境にも調和する建築を希望し、木材を使用した建築工法を望んだために実現した。単なる倉庫でなく事務所も併設した建物で、太陽光発電設備の搭載も視野に入れた緩やかな片流れ屋根が特徴。

 建物全体の高さを抑え、かつ内部の有効率を高めるために耐震性に優れたステンレス製接合金物「コネック」を採用した「コネックトラス構造」とし、吹き抜け部分の最大天井高5.8m、スパン16.2m、長さ18.9mの大空間を実現した。

 同社はまた、2×4材を用いた軸組工法の簡易型倉庫を計画しており、液体ガラスを採用することで現しに見せる工夫も行うことも明らかにした。

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 美しい。冒頭の2×6の壁と屋根部分の「コネックトラス」の写真を見ていただきたい。下手な記事などいらない。

 美しさを堪能して帰ろうとしたら、別の記者の方が「コストはどうか」という質問をした。大事なことだ。記者の仕事も含めあらゆる取材対象の〝コスパ〟(コストパフォーマンス)を意識しないといけない。

 しかし、質問した方の「コスト」とは、鉄やコンクリとの比較においてどうかという、つまり鉄やコンクリのモノサシで「木」の値段を計ろうとしている魂胆が透けて見える。

 鉄やコンクリが美しくない、劣っているというのではない。それぞれ美しい。鉄は森羅万象を撥ね返す凛とした美しさがあるし、コンクリは何ごとも吸収してしまいそうな堅牢な美しさがある。

 しかし、木が持つ美しさは単に美しいというだけでなく、人や地球環境にやさしい特長を持つ。そのトータルな美の価値、効用の価値を金額に換算したらはるかに鉄やコンクリに勝る。この価値を念頭に置かないで、鉄やコンクリと比較し〝安いほうがいい〟という結論を出すとすれば、結局は〝賃金だって安いほうがいい〟という極論を導きかねない。極めて危険な思考方法だと思う。

 そこで、法の壁は2×6より厚くて(同社は反論するかもしれないが)無慈悲なのは百も承知で、返ってくる答えも分かっていたが、質問された記者の方にもわかってもらいたくて皮肉を込めて質問した。「着衣のマハもいいが、裸のマハがいいに決まっている。どうして外観はトタン(ガルバニウム鋼板など)にして美しさを覆い隠さないといけないのか」と。担当者は予想した通り「現しにするのはこれから」と答えた。

 さらに言えば、全ての木造を手掛けるメーカーにお願いだ。もうメディアの質問意図を忖度して鉄やコンクリの土俵に素っ裸で上がるような真似は止めていただきたい。(理論武装してという意味ですから誤解しないでください)

 参考までに。先の「コストはどうか」という問いに担当者は「鉄と比較して坪あたり2万円安い」と答えた。もちろん、これには木の美しさや人と地球にやさしい価値は含まれていない。もう一つ言っておきますが、わが第三企画の印刷工場の屋内の壁は本物の杉の無垢材ですからね。

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施工過程

 

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「31VENTURES Clip ニホンバシ」

 三井不動産は4月17日、ビジネスの創造・拡大を目指す人同士を結び、オープンイノベーションを実現する「31VENTURES Clip ニホンバシ」を拡張し、日本橋本町3丁目に移転、新装オープンした。

 2014年4月に開設した「31VENTURES Clip ニホンバシ」の取り組みを強化するため、新たにClip ニホンバシビルを建設し、その1階に面積を拡張して移転した。同ビルの2 階・3 階には超小型人工衛星を開発するベン チャー企業、アクセルスペースが入居した。

 新しい施設は、東京メトロ銀座線三越前駅から徒歩3 分、中央区日本橋本町3丁目に位置する敷地面積約281㎡、軽量鉄骨造3階建て。

 会員制で、月5プランが6,000円/月、毎日9 時〜23時、使い放題プラン15,000 円/月 毎日9時〜23時。使い放題プランは法人登記も可能で12,000 円/月。

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ワークスペース

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全体完成イメージ図(左)とD棟完成予想図

 三菱地所は4月17日、東京駅日本橋口前の10年プロジェクト「常盤橋街区再開発プロジェクト」の第一弾の新築工事となるD棟を着工した。

 同プロジェクトは東京駅周辺では最大となる3.1haの敷地に10年超の事業期間をかけて段階的に4棟のビル開発を進める計画で、D棟はその第一弾。地下と低層棟に下水ポンプ所を新設する。都心の重要なインフラとして1964年に日本ビル地下に合築して設けられた東京都下水道局銭瓶町ポンプ場に替わるもの。竣工後は東京都水道局の所有となる。

 D棟の着工を皮切りに今後2018年には高さ200m超のA棟、2023ルンには高さ約390mのB棟を着工する予定で、全体完成は2027年度。

 同社常盤橋開発部長・平井幹人氏は「1964年東京オリンピックのとき竣工した日本ビルは東洋一と言われた。あれから50年。ビルの老朽化が進み、地下の下水ポンプの更新が難しいと言われながら機能を止めることなくかつ将来の更新を見据えて段階的に整備していく。全体が完成する2027年には世界一の街区となるよう開発を進めていく。『常盤橋』の常盤は常に変わらぬ永久不変、不滅を意味する。東京の世界のシンボルとなるよう時代の変化に対応し進化させていく。テクノロジー、AIを駆使して最大限の価値を引き出す」と語った。

◇       ◆     ◇

 私事だが、弊社は本日4月17日、管理部門の一部を東京駅すぐの三菱地所の「丸の内北口ビル」に引越しした。皇居のたもとであり「常盤橋再開発」エリアとは目と鼻の先。日本一どころか世界一の街区になる一角に移ってそれにふさわしい恥じない記事が書けるのかいささか不安になってくるが、事務所はわたしが選んだわけでもない。

 あちらこちらから記事を打擲されて身もだえることになるかもしれないが、とにかく老骨に鞭打って体力が続く限り書こうと決意を新たにした。

 まさにこの日、第一弾の記事が「常盤橋」というのも何という僥倖か。しかも、〝世界一の街を目指す〟と宣言した平井氏は、同社野球部が黄金時代だった時の正捕手だ。話を聞きながらどこかで聞いた名前だし、見たこともあるような気がしていたが、まさかあの平井捕手が常盤橋担当部長だとは…。平井氏はまだまだ成長し続けているようで、一回り大きくなっていた。

 野球はもうとても無理だろう。これだけが残念。「写真を」とお願いしたら「ビジュアルは勘弁を」と断られた。こっそり撮るべきだったか。まあしかし、また撮る機会はあるはずだ。

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ビフォー&アフター 縁切り工事を施し一方は解体し、他方はビルの機能を維持するという難工事の末、縦に真っ二つに切断された日本ビル(大成建設の技術)

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最後のお別れをする会葬者(北区・清光寺で)

 3月13日早朝に急性心不全で亡くなった株式会社週刊住宅新聞社社長・長尾浩章氏(享年57歳)の同社と長尾家の合同葬が4月11日、北区・清光寺で行われた。喪主は故人の妻で新たに同社取締役社長に就任した長尾睦子氏。

 400名・社を超える芳名板が供えられた中、約650名の会葬者は境内からあふれ長蛇の列をなし、最後尾の人は待つこと約1時間30分。篠付く雨と気温10度の寒さに震えながら故人と最後のお別れを行った。

 長尾睦子氏は25歳で浩章氏と結婚してから家族との時間を大切にしたこと、宅建の資格を取得させられたこと、ゴルフは良きライバルとなるまでに上達したことなどを紹介したあと、「人の子として20年、人の親として20年、自分の人生としての20年を生きろと第三ステージを歩んでいるさなかの突然の別れとなってしまいましたが、主人の教えを守り、精進していく所存です」と謝辞を述べた。

 また、葬儀委員長で同社執行役員事業統括本部長・松本英雄氏は「かけがえのないトップを突然失い、失意のどん底に陥りました。しかし、後戻りはできません。社員一同、長尾社長の遺志を受け継ぎ、会社を一層発展させていく覚悟」と追悼の辞を語った。

 会葬者にはブランケット版の「週刊住宅」号外が配布され、長尾社長の経歴や睦子夫人、長男の思いなどのほか、急逝を悼む業界団体、日本専門新聞協会、不動産三田会から多くの追悼のコメントが紹介された。

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長蛇の列をなす会葬者

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芳名板

◇      ◆     ◇

「ノーサイドにしよう」  長尾社長との確執の14年間に終止符

 平成15年、事件は起きた。あの国立マンション問題の記事が原因で記者はそれまで20年間お世話になった「週刊住宅」を辞めることになった。

 明和地所のプランに対して国立市側が示した対案プランを「刑務所マンション」と主観的事実に基づいて切り捨てた。業界の利益を最優先し信念を貫いた。ところが、記事の一部が会社の事情と衝突した。しこりが残った。熾きになった。

 あれから14年。業界やデベロッパーの懇親会などで何度もお会いしたが、会釈を交わすのみで声をかけあうことは一度もなかった。お互い意地を張り続けた。お互い不器用だった。

 長尾社長の訃報を聞いたとき言葉を失った。「行くな書くな」「行け書け」この堂々巡りが振り子のように記者を激しく揺さぶった。最後は「行け書け」が勝った。「葬儀に行くことが遺族への礼儀。行って追悼文も書くべし」-あるデベロッパーの社長の一言が記者の背中を押した。

 書けば二人の確執に触れざるを得ない。あの時の長尾社長の決断の当否については分からない。長尾氏は慶応ボーイそのもの。とても温和な方だったが、自分が一度決めたことは絶対に譲らない頑固さもあった。だからこそ厳しい環境下で会社を切り盛りされてきたのだろう。

 二人が良好な関係だった時期もあった。感謝してもしきれないことがある。記者が妻を亡くし2人の小さい子どもを育てたときの約10年間、毎日30分から1時間遅刻したが、長尾社長と会社は黙認してくれた。そのお陰で現在の記者がある。

 同じ新聞の編集部員で、年齢が上だったことから何かと相談も受けた。一緒によく酒も飲んだ。一番印象に残っているのは結婚する時だった。「牧田さん、良家のお嬢さんなんですよね…私との釣り合いが…」と酒を飲みながら深刻そうな顔をしたので、「馬鹿だね、そんなこと関係ない。2人で決めること」と励ました。それが分かってくれたのか、結婚を決意された。その奥さんが長尾睦子氏だ。

 新社長に就任された睦子夫人は悲嘆に暮れ、悲しみに打ちひしがれるはず。慰める言葉もない。しかし、記者もそうだったように、仕事が気を紛らせてくれる。時間の経過とともに前向きになれる時が必ず来る。業界紙の環境は厳しいが、困難な道を切り開いてほしい。この日の多くの会葬者の後ろには数十倍の読者がいる。その読者に寄り添っていただきたい。

 祭壇の笑顔の長尾社長に「ノーサイドにしよう」と声を掛けた。長尾社長も頷いたような気がした。そこでもう一言発した。「長尾さん、わたしのロストボールはどこへ行った? 」「何言ってんですか、ほらここにあるじゃないですか」と、ポケットからボールを出すのをわたしは知らんぷりした。

 滂沱の涙を酒と一緒に飲み干した。

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#7 stories Fresh & Natural 

 三菱地所ホームは4月13日、7つのインテリアカラーによるライフスタイル別のブースと新築分譲マンションのモデルルームを一度に見学できる新たなコンセプトの「リフォームショールーム」を横浜・みなとみらいイベントスクエアに4月29日(土)にオープンする。

 みなとみらい地区の分譲マンション第一号「M.M.TOWERS」(3棟862戸)が竣工して14年が経過。このほか共同事業物件を含めエリア内に約4,500戸の三菱地所レジデンス供給物件があり、他社物件を含めると1万戸近くに上る中古マンションの買い替え・リフォーム需要を取り込むのが狙いとみられ、2013年に丸の内に開設した「三菱地所のレジデンス ラウンジ」とほぼ同じのコンセプトだ。開設前の13日、同社・加藤博文社長も出席して報道陣に公開された。

 「リフォームショールーム」は広さ約109㎡。ライフスタイル・ライフサイクルに応じた7つのインテリアカラーによる様々な生活シーン「#7 stories-至福の瞬間-」を連想させる提案を行うことで、来場者がより具体的なイメージを描きやすくしているのが特徴。本人だけでなく、家族みんながVR体験を楽しめる工夫もされている。

 もう一つの大きな特徴は、三菱地所レジデンスが分譲する新規マンションのモデルルームも見学できることになっており、最先端の設備仕様を確認することが可能なことだ。

 モデルルームに装備されている設備「EYE’S PLUS」、インテリアコーディネーターによる提案「カラースキーム」、広さで価格が決まる「定額制の安心システム」(70㎡で498万円)の3点セット「Re  Dia」を導入する。

 また、今回発表された「システム設計住宅」は、ZEH対応の全館空調「エアロテック」、耐震等級3、長期優良住宅対応の基本性能を備え、これまでのノウハウを生かし様々なライフスタイルにも対応する企画住宅。2階建て・平屋の「WIZE-H」、3階建ての「WIZE-U」に対応しており、2階建て27.55坪の標準モデルで価格は1,980万円から。

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Relax & Friendly(左)とCalm & Elegant

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Feminine & Healthy(左)とBright & Cheerful  

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 加藤社長ら関係者の話を聞きながら、いよいよ三菱地所グループが総力を挙げて他社の草刈り場になっているみなとみらいエリアの仲介・リフォーム需要を一挙に吸収しようという狙いが見て取れた。

 同社関係者によると、共同物件も含め「M.M.TOWERS」を筆頭に三菱地所レジデンスは約4,500戸のマンションを供給しており、「M.M.TOWERS」は竣工後17年を迎える。今後、新規マンションの予定はなくリフォーム需要は間違いなく拡大する。同時に仲介事業も強化する戦略なのだろう。

 70㎡で498万円(坪単価24万円)という3点セット「Re  Dia」も割安感がある。

 聞き忘れたが、マンション用の「エアロテック」の実施用実験はどこまで進んでいるのか。これが採用されるようになると大きな武器になるはずだ。

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Mature &Intelligent(左)と Creative & Artistic

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賞品を背景に落合氏(左)と原氏

 大京とフルタイムシステムは4月10日、社会問題になっている宅配便の再配達を減らし、居住者の利便性を高める新発想の各住戸専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を共同開発し、メディア向けにお披露目会を行った。業界紙だけでなく一般紙やテレビ局など約40名の報道陣が集まり関心の高さをうかがわせた。

 「ライオンズマイボックス」は2016年のグッドデザイン賞を受賞した再配達ゼロを目指した取り組みで、「必ず受け取りたい、確実に届けたい」という居住者と宅配事業者双方の視点から利便性を飛躍的に向上させたマンション用宅配ボックス。

 宅配利用頻度やネット通販の標準的な荷物のサイズに応じた居住者ごとの宅配ボックスとメールボックスを一体化。異なる宅配事業者の荷物や複数の荷物を同時収納することができ、ゴルフバッグなどの大型荷物などを受け取れる共用ボックスも設置している。

 この日公開した住戸専用ボックスの大きさは幅30㎝×高さ36㎝(メールボックス12㎝含む)×奥行き45㎝。50戸程度のマンションの場合、幅5.85m、高さ1.8m、奥行き0.45mとなりエントランス部分に設置することを想定している。

 発表会に臨んだ大京・落合英治専務は「当社はこれまで約37.6万戸のマンションを供給し、約53万戸を管理する日本一の会社。〝日本のまちに、活力を。〟をスローガンに様々な不動産ソリューションで社会問題の解決とお客さまニーズの具現化に取り組んでいく」と語った。

 今年度竣工5物件、2018年度竣工10物件への導入を決めており、その後も順次導入する計画で、同社グループが管理するマンション他社が管理する管理組合へも提案していく。

 また、フルタイムシステム・原幸一郎社長は「当社分譲マンション宅配ボックスのパイオニアで、シェアは断トツの62.3%。全国宅配ロッカー登録者約150万人などのデータを持っているのが強み。付置義務化や補助金など国へも働きかけていく」と話した。

 近年のネットショッピングの普及やサービス拡大により、宅配個数は2010年度の32.2億個から2015年度には37.4億個に増加。また、単身世帯や共働き世帯の増加による再配達が社会問題となっており、国土交通省の調査によると、再配達による社会的損失はスギの木約1億7,400万本の年間CO2吸収量に相当し、不在配達に費やされる労働時間は年間9万人の労働力に相当するというデータもある。

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お披露目会場

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 報道陣の多さにびっくりした。「ライオンズマイボックス」を導入する第1号マンション「ライオンズライオンズ東綾瀬公園グランフォート」の記者見学会のときの倍くらいはあった。いかにわれわれメディアは刺身そのものより脇役のツマに興味を示すかを如実に示した。付和雷同、軽挙妄動、軽薄短小はわたしだけではない。いつもこれくらい記者が集まればマンションはもっと売れると思うがどうだろう。

  とはいえ、この取り組み・商品は間違いなく宅配事業者やマンション居住者の支持を得る。大ヒットする可能性も秘めていると思う。

 カギは付置義務化と補助金だ。落合専務は「駐車場の利用率はどんどん低下している。この付置義務の条件見直しと宅配ロッカーの付置義務化を進めてほしい」と話し、原社長も「補助金が出るよう運動していく」と語った。

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大京 「東綾瀬」で足立区初の全戸エネファーム搭載 全戸に宅配ボックスも(2017/3/17)

 

 

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