東京建物「Bloomoi/ブルーモア」第一弾「大山」公開
東京建物「Bloomoi (ブルーモア)」 第一弾プロジェクト発表
「ウォールキッチン」×「コダワリスタイル」
66㎡のモデルルームに5.5畳大の「ウォールキッチン」提案
東京建物は5月29日、働く女性のニーズを商品企画に反映した「Bloomoi(ブルーモア)」プロジェクト第一弾マンション 「Brillia 大山 The Residence」「Brillia 下丸子」のモデルルーム事前案内会を6月8日から開始すると発表した。発表に先立つ28日、報道陣向けに「大山」のモデルルームを公開した。
「Bloomoi (ブルーモア)」は、多様化する女性の、特に働く女性のニーズに現在の分譲住宅は必ずしも応え切れていないことに着目し、「働く女性のニーズをそのまま商 品・サービスとして形にし、働く女性の幸せを実現するプロジェクト」として昨年10月、同社女性社員6人を中心に立ち上げたもの。「Bloomoi」は、 「Bloom(咲く)」と「moi(私)」からなる造語で、働く女性のたくさんの笑顔や才能がしなやかに咲き誇るという意味が込められている。
記者内覧会に臨んだ「ブルーモア」のプジェクトリーダーを務める同社住宅商品企画部課長代理・野口真利子氏は、「働く女性の幸せな提 案を行なうことで、当社のマンションブランド『Brillia』の企業価値を高めたいし、働く女性の社会環境を変えられるようにもしたい。取り組みについ ては役員も見守ってくれている。『これがいい』という答えは出ない。Facebookを通じてお客さんとも対話をしながら、働く女性の声をそのまま形にす ることを最優先した」と語った。 66 ㎡タイプのモデルルームには5.5畳大の「ウォールキッチン」×「コダワリスタイル」が提案されているが、野口氏は「対面キッチンがいいと思っていた私た ちも目からうろこのプラン」と話した。
「Brillia 大山 The Residence」は、東武東上線大山駅から徒歩6分、9階建て全48戸。専有面積は40.22~76.10㎡、価格は未定だが、3LDK(66㎡)で 4,500万円台になる模様。竣工予定は平成26年6月下旬。施工は飛島建設。6月8日からの事前案内回の予約は「目標を超える」90件に達しているとい う。
リビング
◇ ◆ ◇
完璧とは言えないまでも「主夫」として約10年間、食事、洗濯(掃除はあまりしなかったが)などの家事労働をこなしてきた記者は期待と不安を織り交ぜながら発表会に臨んだ。野口氏には「Bloomoi」を立ち上げたときに話しを聞いているし、プロジェクトメンバーの一人、田所氏には田所氏が独身のときインタビュー取材もやっている。お二人とも間違いなく同社の幹部になれる人材だと思った。
そんな二人に対する思い入れもあり、「どこにも負けない商品企画を提案してほしい」という期待が膨らむ一方で、コストなどを考えて「たいしたことはできないのではないか」という不安も頭によぎった。
結果は期待通りでもあり、ちょっぴり不満も残るものだった。期待通りというのは「ウォールキッチン」だ。働く女性だろうが「専業主婦」だろうが男だろうが女だろうが、調理好きにはたまらない企画が提案されていた。まず広さ。キッチンの広さは家族数でも異なるが、記者はプロから「4人家族なら最低4.5畳大、理想は6畳大」と聞いたことがある。そのプロは「独立型がいい」とも語った。
今回の提案はその理想の広さに近い。「よくぞ20坪のマンションに5.5畳大のキッチンを提案した」と喝采した。カウンターの幅は約4500ミリもあった。これだけすスペースがあると十分だ。框つき扉もいい。実際に調理してみると、皿やら茶碗やら鉢やらまな板、調味料、食材などを並べるためには、今の一般的な3~3.5畳大ではまず楽しく調理することは不可能だ。
左からプロジェクトメンバーの岩谷、田所、佐々木、野口、久江の各氏
対面キッチンもいいが、和食でも中華でもイタリアンでも調理に夢中になると、子どもや家族と対話しながらというのは相当の技術がないとできない。臭いなどもオープンキッチンは問題だ。記者はニンニクが嫌いだからあまり使わなかったが、好きなクサヤを焼いて大騒ぎになったことがある。ニオイは2日間ぐらい部屋中にこもる。独立型だと煙草を吸うスペースにもなる。記者は独立型がいいと思う。
もう一つ、「これはいい」と思った提案はオプションだが、こあがりのリビングスペースの提案だ。広さは1.5畳大はあったはずだ。限られたリビングスペースを多目的に利用できるようになっている。
6畳大の主寝室についている3畳大の「スタイルクロゼット」のドアは透明ガラスだったのには驚いた(クロゼットの中には全身が映るカガミがあったがこれは分かる)。プロジェクトメンバーに聞くと「ガラス越しに明日着ていく洋服を眺めるのにいい」とのことだった。ダイニングテーブルは引き出し付で、椅子と化粧道具などを入れられるワゴンを取り替えられるようになっていたのにも驚いた。
不満だったのは、食洗機も物干しポールもオプションになっていたことだ。「働く女性」は食べ物の後片付けや洗濯に要する「労働」は苦にならないのだろうか。コスト計算をしたら大変な額になるはずだ。
もう一つ二つ、提案したい。同社も含め働く女性の労働環境を改善することだ。優秀な女性をどんどん幹部に重用すべきだ。上場デベロッパーの中には社長どころか役員は一人もいないのが現状だ。「住生活総合サービス業」を標榜する業界がこれでは情けない。商品企画部門は勿論だが、用地取得の部署にも女性を起用すれば、また違った土地の魅力を引き出してくれるのではないか。「夫婦仲が良くなるマンション」の提案も行なってほしい。
「働く女性」「専業主婦」などの呼称も改めるべきだ。働く女性を強調するのは、負担が大きく理解されていない側面があるから分からないではないが、本来は働く女性も男性も同じであるはずだ。働く女性の対にあるのは専業主婦なのだろうが、この言葉には一種の羨望や侮蔑の意味が込められている。そもそも「兼業主婦」「専業主婦」などありえない。働くことと家事労働を対立的にとらえる概念がなくなるのが理想の社会だ。もちろん男と女の差別などあってはならない。
クロゼット
野村「北戸田」1期145戸 住友「戸田公園」は497戸
埼京線・戸田市のマンション大激戦 新規・継続含めて1,000戸超
住友不動産「シティテラス戸田公園」 「平井」の経験生きる

「シティテラス戸田公園」完成予想図
先に野村不動産の「オハナ北戸田ガーデニア」を紹介した。今度は住友不動産「シティテラス戸田公園」。概要は先の記事を参照していただきたいが、広告表示では駅から徒歩15分でネックになりそうだが、ネックを解消するため戸田公園駅とマンションまでに無料のシャトルバスを運行する。時間は約5分。大規模だからこそできることだが、これは逆に大きなインパクトを与えるかもしれない。グロスを圧縮した67㎡台も評判がいいようだ。
まず、同社住宅事業本部 埼玉事業所 営業課主任でマンションパビリオンの所長・堤田晃生氏の話から紹介しよう。
「ゴールデンウィークから事前案内会を行なっているが、出足はまずまず、土日は1日20組弱、平日でも途切れなく来場者がある。価格? 価格は決まっていない。『北戸田』との競合? 戸田公園と北戸田はちがう。『平井』でも導入したシャトルバスを運行されるから、駅まで5分に短縮できる。ラッシュ時も混まないで分散されることが『平井』の経験から分かってきた。ストレスなく乗れるのが大きい。バスにしろタクシーにしろ、それなりのお金がかかる。バスの運行経費は管理費に含まれるが、大規模だからこそできること。戸田市の子育てマンションの認定も5月1日付で取得した。67㎡のタイプはお客さんも同業の関係者からも評判がすこぶるいい」
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記者も、この自信たっぷりの堤田氏の話を聞いていて、徒歩15分はネックになるどころか、大きなプラス材料として作用するのではないかと思えてきた。シャトルバスの運行そのものは以前から遠隔マンションにはデベロッパー各社が採用している。同社のミソは「無料」であることだ。これは、4年前に同社と新日鉄都市開発が分譲して早期完売した江戸川区平井のマンション「AQURAS (アクラス)」(全567戸)の経験が生きているのかもしれない。「AQURAS(アクラス)」も駅から15分だったが、やはり駅まで約5分のシャトルバスを採用した。単価も170万円と安かった。
もう一つ、グロス抑制策が功をを奏すのではないかということだ。67㎡のモデルルームは動線がよく、なかなか機能的にできていた。「AQURAS(アクラス)」でも主力は60㎡台だったのがユーザーに評価されたように、このタイプは一定のユーザーに支持されるのではないか。同社はしっかり学習したということか。今回も半数以上がこの67㎡タイプだという。
建物は総合設計制度の適用を受けており、敷地面積約12,000㎡に対して延床面積は約41,000㎡。南向きを中心に建物形状は南北軸が3列に並んだ4棟構成。維持管理費を抑制するため〝過剰〟な共用施設がないのも特徴の一つ。
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こうしてみると、戸田市内で1,000戸超のマンションが競合することは共食いも見られるが、それぞれがコンセプトがしっかりしており、広域から集客できるのではないかとも思える。市況も追い風だ。肝心なのは誰に売るかだ。
埼京線・戸田市大激戦 マンション1000戸超が激突
埼京線・戸田市のマンション大激戦 新規・継続含めて1,000戸超
野村不動産「北戸田」は 1 期一挙に145戸供給
「オハナ 北戸田ガーデニア」完成予想図
JR埼京線の戸田市内でマンションの販売合戦が激化している。新規物件では先行した伊藤忠都市開発「クレヴィア戸田公園」(117戸)のほか、野村不動産「オハナ北戸田ガーデニア」(277戸)が今週末から販売開始となり、住友不動産の大規模マンション「シティテラス戸田公園」(497戸)も6月末に分譲開始される。3物件だけでも約900戸。その他の継続物件や小規模物件を含めると1,000戸を突破する。常識的に考えて5年分ぐらいの需要量に相当する。伊藤忠都市開発の物件はすでに記事にしたので、今回は野村不動産と住友不動産の物件を紹介する。
野村不動産の「オハナ」は、埼京線北戸田駅から徒歩9分、戸田市美女木東1丁目に位置する10階建て全277戸の規模。専有面積は68.13~85.41㎡、第1期1次145戸の価格は2,638万~4,053万円(最多価格帯3,200万円台)、坪単価は142万円。竣工予定は平成26年6月下旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は野村不動産アーバンネット、長谷工アーベスト。5月31日(金)に登録が締め切られる。
住友不動産の「戸田公園」は、埼京線戸田公園駅から徒歩15分(シャトルバス5分)、戸田市新曽南三丁目に位置する全497戸の規模。専有面積は64.18~76.72㎡、予定価格は2,800万円台~4,900万円台(最多価格帯3600万円台)。竣工予定は平成26年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
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野村と住友の物件は大規模で、単価水準が近い(住友は「未定」で野村よりは高くなりそうだが、それほど差はないはずだ)ことと、野村は敷地に隣接して東京外環自動車道(外かく環状道路)が走っており、住友は徒歩15分というそれぞれ難点を抱えていることでよく似た物件でもある。ターゲット層はもちろんぴったり重なり合う。
ところが、訴求方法はある意味で間逆、対照的といえるものだ。シアターがそれを端的に物語っている。野村の上映時間は約10分。対して住友は約30分。10分というのは普通の長さだが、住友はかつてないほど長い。このあたりにも両社の差が現れている。
内容そのものも大きな差がある。野村は女性のナレーターがエコーがかかったような声でひたすら「家族の絆」「優しさ」をアピールする。総合地所が花小金井のマンションで演じた「泣かせるシアター」ほどではないが、感性に訴えるホームドラマ風だ。
住友は時間の長さでも分かるように、映画でいえば大河ドラマ、音楽でいえばショスタコーヴッチの長大な、第4楽章どころか第6楽章までありそうな交響曲だ。最終章は戸田公園花火大会が3D風に映し出され、花火の大音響とともにフィナーレを迎える。物件特性をしっかり心の髄まで浸透させようという戦略のようだ。
どちらが奏功するかはお客さんが決めることだから何もいわない。
野村「北戸田」リビングダイニング
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すでに分譲スケジュールが決まっている野村だが、第1期1次145戸を供給するということだけでもすごい人気だ。まだ全ての住戸に要望が入っているわけではないが、供給量が多い外環道側の住戸にはかなりの「バラ」が付いている。
販売を担当している野村不動産アーバンネットプロジェクト営業本部住宅販売部販売二課主任・加藤早苗氏は、「オハナ担当は初めて。コンセプトがしっかりしているから訴えやすい。バルコニーの物干しも、お客さんの声を反映して1本増やしました。供給が増えてオハナ同士の競合が見られるようになったのも最近の傾向」と話していた。
参考までにこれまでの「オハナ」の供給状況を記しておく。「物件名」(戸数) 坪単価 販売開始の順。住友の物件は機会を改めて紹介する。第1次取得層をターゲットに絞り込み、圧倒的な価格の安さと水準以上の設備・仕様であることが人気の要因だ。「14×18」サイズの浴槽を「親子風呂」とネーミングする気配り・心配りは他社も見習っていい。
・「オハナ八坂萩山」(141戸) 133万円 平成23年10月
・「オハナ平塚桃浜」(134戸) 127万円 平成24年1月
・「オハナ豊田多摩平の森」(151戸) 150万円 平成24年9月
・「オハナ玉川上水」(322戸) 130万円 平成24年12月
・「オハナ草加谷塚」(127戸) 129万円 平成25年1月
・「オハナ北戸田ガーデニア」(277戸) 142万円 平成25年5月
・「オハナふじみ野上野台ブロッサム」(381戸) 平成25年5月
・「オハナ平塚袖ケ浜」(89戸) 平成25年6
三菱地所レジ フラッグシップの〝グラン〟「三番町」
三菱地所 フラッグシップマンション〝グラン〟
第2号の「ザ・パークハウス グラン三番町」
「ザ・パークハウス グラン三番町」完成予想図
三菱地所レジデンスの都心のフラッグシップマンション「ザ・パークハウス グラン」の第2号物件「ザ・パークハウス グラン三番町」を見学した。同社としては「番町エリア」11物件目で、148戸という規模は過去最大。1月に物件ホームページを開設して以来約3,000件の問い合わせがあり、事前案内会への来場も約400件にのぼっており、早期完売する可能性が高い。
物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩5分、千代田区三番町に位置する15階建て全148戸の規模。専有面積は60.68~134.78㎡、価格は未定だが、70㎡台で9,000万円台、90㎡台で1億2,000万~1億3,000万円台になる模様。竣工予定は2014年8月上旬。設計・監理は三菱地所設計、大林組。施工は大林組。販売開始は6月中旬。
現地は、中高層のマンションやビルなどが建ち並ぶ一角。1,000坪超の整形敷地を生かした植栽と水景を融合させたランドスケープデザイン、免震工法、ICキーケースの携帯により自動解錠される5重セキュリティなどが特徴。
外観は彫りの深い立体的なデザインが特徴で、角度や光の加減で表情が異なるようにしており、大小のマリオンと黒枠のサッシ、黒のアルミルーバーを組み合わている。共用部には左官壁や木のアートも設ける。住戸内は梁背を抑えたアウトフレーム順梁の建具はウォルナットの突き板、キッチン天板にはシーザーストーンを採用している。建具ドアはイタリア製。
水景
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同社が「番町エリア」で過去10物件も供給しており、同エリアでは40%を超える供給シェアを占めていることは知らなかった。ただ、「パークハウス・ジオ六番町」(2001年竣工)、「ルクセンブルグハウス」(2003年竣工)、「三番町パークテラス桜苑」(2005年竣工)などいくつかは見学している。物件名に「ジオ」がついている「六番町」は阪急不動産との共同事業で、阪急不動産の首都圏初のマンションだ。
どの物件だったか忘れたが、キッチン調理台にガスとIHが併用可能なものを設置していたのに驚いたことがある。販売事務所から現地までの番町文人通り沿いにも同社の植栽計画が見事な竣工済みマンションがある。
坪単価は「未定」とのことだが、記者が予想した単価にぴったりになるはずだ。
120タイプ リビング
総合地所「八千代台」第1章74戸が即完 高齢者も動く
総合地所「ルネ八千代台」第1章74戸が即日完売
50~60歳代の来場者45%に達する
「ルネ八千代台」完成予想図
総合地所は5月23日、全129戸のうち第1章(期)74戸が即日完売したマンション「ルネ八千代台」の記者見学会を行なった。人気もさることながら、来場者の年齢層は60歳代が35%、50歳代が10%、双方で45%にのぼり、30歳代と40歳代の53%とあまり変らないことが注目される。実際の申込者もほぼ同じ傾向のようで、キャッシュで購入する人が目立つという。
物件は、京成本線八千代台駅から徒歩4分、八千代市八千代台南1丁目に位置する11階建て全129戸の規模。第1章74戸の専有面積は73.80~85.20㎡、価格は2,690万~3,510万円(最多価格帯2,800万円台)、坪単価は126.5万円。竣工予定は平成26年3月上旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。
4月26日から事前案内会を開始し、5月21日に抽選分譲した結果、最高6倍、平均1.15倍で即日完売した。来場者は約290件。
現地は、駅南口からまっすぐ伸びる商店街の中にあり、敷地は商業施設「NSプラザ(旧ナリタヤ)」の跡地。全戸南向きで敷地南側には第一種低層住居専用地域が広がる。舗道に面した敷地内には物件のさきにあるイチョウ並木と連続性をもたせるようイチョウ10本を植え緑化を図る。
商品企画としては、長谷工コーポレーションが独自に開発した居室ドア把手の出っ張り部分をなくした「プッシュ・プル・プレート」を初採用しているほか、ディスポーザも標準装備。布団クローゼットもある。
見学会で説明した同社分譲事業第一部副部長・鹿谷泰広氏は、「八千代台駅圏では8年ぶりの新規供給。広告は、折込チラシや誌面媒体などはほとんど行わず、マンションから半径2キロ圏の2万から2.5万世帯へのポスティングを重点的に行った。現地が商店街で、地元の方がよく利用されていた商業施設だったので、みなさんよくご存知だった。来場者は60歳代以上が最多の35%を占め、特にキャッシュでの購入が多いのが特徴」などと語った。6月に第2章を分譲するが、鹿谷氏は「第1章では68㎡台の22戸は未供給。購買力の低い層からの集客も期待できる」と早期完売に自信を見せていた。
ラウンジ
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第 1 章の即日完売はあまり驚きはしなかった。都心部の高額だけでなく、郊外の分譲単価が低いマンションも最近は総じて好調だからだ。駅から徒歩4分で、全戸南向き、敷地南側が第一種低層住居専用地域で将来的に環境が担保されているのが人気の最大の要因だ。8年ぶりの供給というのも見逃せない要因だ。それだけ購買エネルギーが蓄積されていたかと読める。
記者が驚いたのは高年齢の来場者・申込者の比率の高さだ。わが目と耳を疑った。郊外マンションといえば、子育てファミリーが中心というのが通り相場だ。50歳代、60歳代で45%に達した最近の郊外マンションの例を記者は知らない。
その理由は分からないが、考えてみるとなるほどと思えなくはない。八千代台駅圏はこれまでマンションもそうだが、アッパーミドルをターゲットにした質の高い戸建てもかなり供給されてきた。5,000万円から6,000万円台もよく売れた地域だ。ローン返済も終えた当時の購入者が〝駅 近〟のマンションに移り住むのはどこにでも見られる傾向だ。今回のマンションは立地の上でも同駅圏では一等地だ。
最近の株高もフォローの風となっているのは間違いない。アッパーミドル層なら最近の株高で数百万円どころか、千万円単位で儲かっている人は少なくないはずだし、塩漬けにしていた株も買値に戻りつつあるのではないか。鹿谷氏も「確かに株で儲かったというお客さんもいらっしゃる」と話していた。
今回の同社のマンションだけでなく、立地条件に恵まれた郊外マンションは高齢者の購入比率が今後高まるのではないか。
リビング
三井不レジ「パークホームズ横濱山下公園」 即完へ
三井不動産レジデンシャル「パークホームズ横濱山下公園」
立地絶好、即日完売へ
「パークホームズ横濱山下公園」完成予想図
三井不動産レジデンシャルが5月25日から登録申し込みを受け付ける「パークホームズ横濱山下公園」のモデルルームを見学した。ジャーナルスタンダードファニチャーが家具をコーディネートしたマンションで、全79戸のうち「登録要望」が入っていないのは数戸のみ。登録即日完売の可能性が大きい。
物件は、横浜高速鉄道みなとみらい線日本大通り駅から徒歩2分、またはJR根岸線関内駅から徒歩10分、横浜市中区山下町に位置する14階建て全79戸。専有面積は40.00~82.10㎡、予定価格は2,700万円台~7,400万円台(予定最多価格帯2,800万円台・2,900万円台)、坪単価は250万円。竣工予定は平成26年1月下旬。施工は三井住友建設。
現地は、神奈川県庁、横浜市庁舎、山下公園、ホテルニューグランド、横浜中華街などが全て徒歩10分圏内の商業地。「山下町」の一等地だ。物件は日本大通りから一歩入ったところで、東南の角地に立地。周囲にはホテル、マンションなどが建ち並んでいるが、建物は道路からセットバックされて建てられており、かなり開放感もある。
プランは80㎡台の4戸を除き、ほとんどが単身者・DINKS向け。モデルルームはジャーナルスタンダードファニチャーが家具をコーディネートしており、ヴィンテージもののトランクや家具などがセットされている。
4月13日からモデルルームをオープンしており、これまで約330件の来場があり、数戸を除く住戸に登録要望が入っている。即日完売する可能性が大きい。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
記者は、横浜の一等地は横浜駅周辺でもなくみなとみらいでもなく山下町だと思っている。山下町は瀟洒なビルもたくさんあるが、歴史的建造物もたくさん残っている文化の香りがする街で、単身者やDINKSが住むにはいいところだ。同社は「山下町」で分譲するのはこの3~4年の間で今回が3物件目。立地は今回がもっともいい。坪単価もリーズナブルだ。
ジャーナルスタンダードファニチャーは30歳代によく知られているブランドのようだ。記者は全く知らなかったが、アンティーク家具を飾りたくなる気持ちは分からないでもない。幅広い世代の支持を得るのではないか。
モデルルーム
現地
三井不レジ 目の前が公園「目白」 予約ほぼ満席
三井不動産レジデンシャル「パークホームズ目白ザ・フォレスト」
来場予約 土・日曜は6月上旬までほぼ満席
「パークホームズ目白ザ・フォレスト」完成予想図
三井不動産レジデンシャルが6月中旬に販売開始する「パークホームズ目白ザ・フォレスト」を見学した。4月27日に予約制でモデルルームをオープンしたが、6月上旬まで土・日曜は約50席が全て満席で、平日でも20~30組が訪れているとか。人気は必至だ。
物件は、JR山手線目白駅から徒歩9分、又は山手線池袋駅から徒歩9分、豊島区西池袋2丁目の第1種中高層住居専用地域に位置する5階建て全71戸。専有面積は38.49~89.11㎡、価格は未定だが坪単価は304~305万円程度になる模様。竣工予定は平成26年3月下旬。施工は三井住友建設。
物件の特徴は、目白駅からほぼ一直線の閑静な住宅街を通れることと池袋駅も徒歩圏であることだが、それよりも道路を隔てて敷地南東側全面に江戸時代に狩場の休憩所になっていたと言われる「上り屋敷公園」があることが最大の特徴だ。公園内には見事なムクノキのほかケヤキ、サクラなどの大木も植わっている。38㎡のタイプを除く70戸の住戸がこの公園に面しており、将来にわたって南側の環境が担保される。また、現地は立教大学などとともに第一種文教地区にも指定されている。
価格も割安感がある。記者は現地をみて〝これなら坪単価は320~330万円〟とはじいたが、冒頭に書いたように304~305万円に収まりりそうだ。単価が低く抑えられるのは、敷地北側の住棟以外の部分に都市計画道路が計画されていることもあるようだ。
建物は白を基調とした外観で、梁内蔵耐震壁を戸境壁に採用することで居室内の梁型を少なくした三井住友建設のオリジナルスキット構法が採用されている。
モデルルームの来場が多いことから、現地の販売責任者は「一挙販売もありうる」と話していた。
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現地(右がマンション敷地) | 公園のムクノキ |
日本綜合地所「鶴見東寺尾」 管理コスト抑え健闘
日本綜合地所「ヴェレーナ横浜東寺尾」 管理コスト抑え健闘
「ヴェレーナ横浜東寺尾」完成予想図
日本綜合地所の「ヴェレーナ横浜東寺尾」がバス便のハンディを抱えながら、ランニングコストを抑制した企画が奏功し激戦の駅圏で順調なスタートを切った。
物件は、 JR 京浜東北線鶴見駅からバス約11分徒歩1分、または京浜急行本線生麦駅から徒歩13分、横浜市鶴見区東寺尾5丁目に位置する7階建て全80戸の規模。専有面積は68.26~75.40㎡、現在先着順分譲中の住戸(13戸)の価格は3,179万~3,499万円(最多価格帯3,200万円台)、坪単価は163万円。竣工予定は平成26年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。4月末から販売を開始し、これまで10戸に申し込みが入った。
◇ ◆ ◇
見学の目的は、昨年10月に会社更生手続きが終結し、再スタートを切った同社のマンションがどのようなものなのかを確認するためだ。会社更生手続き終結後では今回が3物件目だった。
鶴見駅圏はマンションの激戦地で、同社のマンションなど20物件ぐらいが供給されている。その多くは同社と同じような中小規模物件で、どのように他社と差別化を図っているかが最大の関心事だった。
まず、モデルルームを見て1階の6住戸に同社オリジナルの商品企画であるオープンエアリビング付き住戸があるものの、他は他のマンションと同等の仕様に思えた。しかし、これまで数多くの同社のマンションを見学してきた記者にとって、何か特筆すべきことがあるのではと思案していたとき、もらったチラシの「ランニングコストを抑えて、ゆとりある暮らしを実現」というコピーと、「管理費+修繕積立金=13,230円」の数字が目に飛び込んできた。
記者はこれまで管理費や修繕積立金の額についてはほとんど関心を払ってこなかった。坪当たり600~700円で、修繕積立金はその半分ぐらいが相場ということぐらいは頭に入っているが、どこも似たり寄ったりだと考えてきた。ところがこのマンションは70㎡で約13,000円というのは、少なくとも同じ規模のマンションとでは月額6,000円から7,000円は安いと睨んだ。
そこで同社と競合しそうな物件の管理費と修繕積立金の額を比較してみた。その通りだった。競合物件のそれは 70 ㎡弱で 18,880 円だった。月額 5,650 円の差があった。年額にしたら 67,800 円だ。
なぜ同社のマンションは管理費・修繕積立金が少ないのかを聞いた。一つは駐車場(特に機械式)を31台に抑えたこと、第二はエレベータを1基に抑えたこと、第三に共用施設を設けていないことが主な理由だという。
なるほどと納得した。断っておくが、管理費・修繕積立金の額の多寡はマンションの価値とはまた別問題だ。少なければいいというものではない。しかし、第一次取得層にとっては住宅ローンのほか、2~3万円の支出は大きいし、これに駐車場料金もかかってくる。80戸ぐらいの規模でエレベータを1基に抑えるのは許容範囲だと思うし、共用施設を設けていないのもまた理解できる。このマンションは〝贅肉〟をそぎ落とすことがコンセプトであり、それがユーザーにアピールしたということだ。
やはり、同社のマンションにはひと工夫があり、マンション激戦区である鶴見駅圏においてすでに10戸の申し込みが入るなど健闘しているのが分かる。
現地は、バス便ではあるがラッシュ時にはそれほど交通渋滞はなく、生麦駅までほぼフラットの道を歩けること、周囲にはなかなか立派なマンションが建っていることなどは地元のユーザーが一番よく知っていることだ。「東寺尾五丁目」では10年ぶりのマンション供給だという。
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同社が今年3月から分譲開始した「ヴェレーナシティ行徳」は1期1次、2次の全50戸を完売、ゴールデンウィークから1期3次を分譲開始し5月6日現在、20戸の申し込みが入っており、順調なスタートを切った。
完成予想図
最後の同潤会「上野下アパート」 地所レジが見学会
最後の同潤会「上野下アパート」 三菱地所レジデンスが現地見学会
「上野下アパート」
三菱地所レジデンスは5月8日、同社が「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」に基づき建て替える現存する最後の同潤会アパート「上野下アパート」の現地見学会を行なった。
同アパートは昭和4年に建設された4階建て2棟全71戸の鉄筋造で、関東大震災後に16カ所で建設された同潤会アパートのはしりのマンションの一つ。終戦時の東京大空襲にも奇跡的に焼け残ったが、築後84年が経過し、建物の老化や面積の狭さ、住宅設備の旧式化・劣化などが激しいことから建て替えられるもの。完成後は制震構造の14階地下1階建て全128戸(店舗4区画、集会室除く)のマンションに生まれ変わる。三菱地所レジデンスは参加組合員として72戸を分譲する。
外観は洗い出し仕上げ
1階部分の通気孔
◇ ◆ ◇
この日公開されたのは2号館の4つある階段室のほか、ファミリー向け・単身者向け住戸、共同水場、共同トイレ、屋上など。時間にして約30分だった。
同潤会アパートは外観だけなら数物件見ているが、実際の建物の中に入るのは初めてだった。ファミリー向けが約25㎡、単身者向けが約10㎡という狭さにももちろん驚いたが、当時としては最新の設備機器や技術が採用されたであろうことは容易に想像できた。
もっとも驚いたのはダストシュートが各戸に取り付けられていたことだった。キッチンの近くにある金属製のフタを開けて生ゴミなどを捨てると1階まで自動的に落ちる簡単なものだが、これなどは現在の最新のマンションと考え方は同じだ。
もう一つは、通気・採光によく配慮されていることだった。1階の床下をはじめ各居室には全て自然換気口がついていた。内階段の階段室にも通気・採光窓が設置されていた。これもいまのマンションと変わらない。このほか、4階には浴室もトイレもない単身者向けの共同水場と共同トイレが設置されており、各階段室ごとに防火扉も設置されていた。屋上には共同水場があり、洗濯場や物干し、ベンチなどが設置されていた。これなども最近のマンションでいうコミュニティ施設となんら変らない。集会室には受付の窓口があり、窓の格子デザインも美しい。1階部分には鍵つき郵便受けが設置されていた(この郵便受けは当時からあったのかどうかは聞き忘れた)。
![]() 居室 |
![]() 玄関ドア |
![]() ダストシュート |
◇ ◆ ◇
現地見学会で建て替えにいたるまでの説明を行なった上野下アパートマンション建替組合理事長・森瀬光毅氏(69)の話しも興味深く聞いた。森瀬氏は「このアパートを語るには戦前戦後の歴史を振り返る必要がある」と切り出し、昭和4年の大恐慌のときに建設され、16年の戦争勃発のときに住宅営団に移管され、20年の東京大空襲にも奇跡的に焼け残ったこと、サンフランシスコ条約が締結された昭和26年に居住者に分譲され、所有者の組織「協和会」が設立されたこと、平成21年に管理組合を設立したことなどを語った。
また、「あまり都を批判したくないが、区分所有法もないとき都は売りっぱなしで何もしてこなかったのが、建て替えを遅れさせた」と悔しさを滲ませ、「当初から住んでいる方は103歳の川口さんなど施設に入っている人を含め3人ぐらいしかいない。私の母親も3年前に亡くなった。皮肉な結果だが、建物の老朽化だけでなく高齢の入居者が減ったのも建て替えにつながった」と話した。
建て替え後については、「ここは子ども会や婦人会なども盛んに行なわれていた。みんな親や兄弟のようなもの。人情溢れる下町の精神を残していきたい。私も100歳まで頑張る」と語った。
森瀬氏
![]() 集会室の格子窓 |
![]() 集会所の受付 |
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記者は三菱地所レジデンスが建て替えを発表した昨年、〝これで同潤会アパートは見納めになる〟と思い、1階にあった区分所有者が経営する飲み屋で酒を飲み、いろいろなことを聞いた。アパートは風呂なしなのでみんな利用したと思われる隣にある風呂屋も利用した。酔っ払っていたので記憶は確かではないが、記者のような貧相な身体とは対照的な黒光りする肌に立派な刺青が彫られている人の裸身にしばし見とれたのもここだったはずだ。
![]() 郵便受け |
![]() 階段室 |
![]() 屋上 |
![]() 共同水場 |
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三交不 新ブランドの〝プレイズ〟「おおたかの森」好調
三交不動産 新ブランド〝プレイズ〟「おおたかの森」出足好調
「プレイズ流山おおたかの森」完成予想図
三交不動産が5月中旬に分譲開始する同社の〝アトレ〟に替わる新ブランド〝プレイズ〟を冠した「プレイズ流山おおたかの森」を見学した。第1章(期)として分譲する予定の28戸を上回る戸数に対して購入要望が入っており、上々のスタートを切った。
物件は、つくばエクスプレス・東武野田線流山おおたかの森駅から徒歩11分、千葉県流山市十太夫に位置する7階建て全74戸の規模。専有面積は69.37~84.03㎡、予定価格は2,600万円台~3,900万円台(最多価格帯3,000万円台)、坪単価141万円。竣工予定は平成26年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
建物は道路面から約2.2mの高さに位置しており全戸南向き。無償のカラーセレクト、キッチン高さセレクトのほかに、住宅ローンに組み込める有償の間取りメニュー、グレードアップメニューが選べる「プレイズセレクト」が利用できるのが特徴。35年返済で月々6,000円(200万円)、3,000円(100万円)、2,000円(75万円)コースなどが提案されている。
4月27日から30日までの3日間の事前案内会に分譲予定の第1章28戸を上回る30戸以上に購入要望が入っており、販売担当者は確かな手ごたえを感じ取っていた。
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この物件については、今年の不動産協会の新年賀詞交歓会で同社東京支店支店長・森本浩史氏から「今年初めにおおたかの森で坪単価140万円の大規模マンションを分譲する」と聞いており、その単価の安さに驚き、見学を約束していた。
おおたかの森駅圏のマンションについては開業時から5物件ぐらい取材しているが、駅近では坪180万円というのが相場で、駅から11分とはいえ坪140万円というのは圧倒的な割安感がある。30戸以上に購入要望が入ったのは当然だろう。70㎡で賃料が18万円という同駅圏の賃料相場からして70㎡で2,800万円台という価格帯はいかにも有利だ。
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同駅圏のマンション・戸建て市場は今後益々活況を呈す。現在、同社のマンションのほか住友不動産が3年前から3物件で合計548戸を、東日本ハウスが27戸をそれぞれ分譲中だし、タカラレーベンも近く65戸のマンションを分譲する。さらに、駅から数分のところでは三井不動産レジデンシャルが敷地面積約9,800㎡の用地を取得済みだし、タカラレーベンが駅近で33戸を分譲する。
また、大手ハウスメーカー7社による95区画の大規模戸建て・土地分譲の「クイーンズフォレスト」の分譲も始まった。