大成有楽不動産が変わる 「OBER(オーベル)」リブランディングを具現化

大成有楽不動産はマンションブランド「OBER(オーベル)」の価値向上を目指し、今年1月から新たなコンセプトに基づく商品やサービスを提供するリブランディングをスタートさせたが、そのプロジェクトチームの責任者、同社マンション開発本部企画部管理室室長・土肥(どひ)健作氏に話を聞いた。
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同社は平成24年4月、大成建設グループの大成サービスと有楽土地が合併して誕生したが、旧有楽土地の設立は昭和28年。これまでのマンション分譲戸数は39,000戸を超え、管理戸数は102,000戸を突破している老舗企業だ。
リブランディングは2年半前から検討を始めていたもので、満を持しての今回の発表となった。土肥氏がチームリーダーで、同社社長室経営企画部広報室室長・小林久視氏がサブリーダーを務めている。その狙い、背景などについて土肥氏は次のように語った。
「マンション事業は大手の寡占化が進んでおり、今後も加速する。当社も生き残りをかけてこのプロジェクトをスタートさせました。社内から『うちの売りは何か』など声を聴いたのはもちろん、一般からは4,000件くらいのアンケート調査を行いました。結果は愕然とするものでした。4万戸近い業界でも上位の実績を持ちながら、認知度は極めて低いことを思い知らされました。あぐらをかいていた部分もありました。売り上げが伸びていたときも財産として残せませんでした」
こうした反省を踏まえ、徹底したリブランディングに取り組んできた。
「リブランディングに当たってはインナーブランディングが重要と考え、ワーキングチームも構成を変えたりして社員の意識改革や業務改善に取り組んできました。これからはファサード、エントランス、外構などに当社独自のデザインコンセプトを盛り込んでいきますし、品質管理においては1000項目にものぼる品質のチェックを全ての現場で実施する等、独自の品質管理体制『オーベルクオリティコード』を徹底していきます。コミュニティサポートのための部署を設けましたし、居住者向けのワンストップサービスも行っていきます。これからが勝負です」
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同社の知名度やブランドの認知度の低さにはびっくりもしたが、さもありなんとも思った。記者は約35年間、マンションを取材してきた。もちろん同社のマンションもたくさん見学してきたはずだ。ところが、同社の「売りは何か」と聞かれてもとっさには出てこない。ユニバーサルデザインに早くから取り組んできたこととか、物件ではオードリー・ヘップバーンを起用した「ティアラシティ」、都のマンション環境性能表示で高い評価を得た「桜堤庭園フェイシア」、昨年見学した出色の「オーベル蘆花公園」くらいしかない。
なぜなのか。考えてみてもよく分からない。元々は東証2部にも上場していた数少ない不動産ポストの老舗企業でありながら、会社の顔ともいうべき広報の部署がなかったのも一因かもしれないが、結局は「大成のブランドや歴史があるということに依存してきた」という土肥氏の言葉に行きつく。
そうした体質を一掃するために、インナーブランディングを徹底したというのは納得だ。社員の意識を変えないとこうした試みは成功しない。土肥氏と同じことを言った人がいる。昨年10月からリブランディング「野村の仲介+」を開始した野村不動産アーバンネットの執行役員 流通事業本部営業推進部長・神園徹氏だ。神園氏は「当社の売りはサービス。インナーブランディングを徹底しないと効果を挙げられない」と。
もう一つ、土肥氏が語った「施工会社がどこでも当社の品質管理を徹底する」ことも極めて重要だと思う。土肥氏に話しを聞いた2日前、三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ築地」の記者発表会があり、施工が長谷工コーポレーションであったため、ある記者が「どうして長谷工コーポレーションなのか」という質問をした。これに対して同社開発事業本部都市開発二部長・村裕太氏は土肥氏と同じように答えた。「施工がどこでも三井のマンションです」と。

「O-range STORAGE(オレンジ収納)」
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リブランディングを具現化した商品・提案を現在分譲中の「オーベルグランディオ千住大橋エアーズ」で見た。シアターの冒頭には「オーベル メッセージムービー」が流れた。ユーザーの声を商品企画に生かす「O-range LABO(オレンジラボ)」では「O-range KITCHEN(オレンジキッチン)」「O-range STORAGE(オレンジ収納)」がモデルルームで提案されていた。
一つひとつは紹介できないが、「オレンジワゴン」「シンクフロントレール」「サポートカウンター」「マルチシューズシェルフ」「マルチクローゼット」などはスグレモノだ。記者が推奨する「物干しポール」もついていた。
「オレンジワゴン」「シンクフロントレール」「マルチクローゼット」は他社にはないものだ。とくに「マルチクローゼット」には「長押」のような使い方ができるのには驚いた。
「キッチン」「収納」は先行するデベロッパーと肩を並べるどころかそれ以上かもしれない。第三弾も準備中と聞いた。間違いなく同社は変わることを実感した。

「O-range KITCHEN(オレンジキッチン)」
オリックス 大京を連結子会社化 マンション業界 主導権争い激化
オリックスは1月17日、同社が保有する大京の優先株すべてを普通株式に転換することによって、議決権ベースでの所有割合を31.7%から64.1%に増やし、大京を同社の連結子会社にすると発表した。
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同社が2005年、経営再建中だった大京の支援に乗り出した時点でこのような連結子会社化は予想されたことだが、これによっていわゆる独立系だった大京、ダイア建設(大和地所の子会社)、コスモスイニシア(大和ハウスの連結子会社)、藤和不動産(三菱地所レジデンスに吸収合併)全てが他社の子会社になったことになる。これも時代の流れか。
マンション業界は大手の寡占化・再編が進行しており、この流れはまだまだ加速する。オリックスにはオリックス不動産が、大京には穴吹工務店があり、3社のマンション供給量を合わせると4,000戸を突破する。全体的なパイが縮小する中、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、住友不動産、野村不動産の〝4強〟にオリックスグループがどう肉薄するのか。
このほか東急不動産、東京建物がブランド強化を図っており、新日鉄興和不動産、NTT都市開発なども開発に力を入れている。老舗企業、大成有楽不動産も今年からリブランディングを開始した。面白い展開になってきた。
用地取得から10年 小石川植物園に隣接した住友不動産「インペリアルガーデン」

「インペリアルガーデン」完成予想図
用地取得から10年、「小石川植物園」に隣接する希少の住友不動産「インペリアルガーデン」がいよいよ分譲される。東京火災海上の社宅跡地に建設されるもので、敷地面積約1haの第一種低層住居専用地域に立地する都心では過去にないと思われる低層大規模マンションだ。全167戸のうち半数が億ションとなる見込み。モデルルームは1 月25 日(土)にオープンする。
物件は、都営三田線千石駅から徒歩9 分・東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅から徒歩9分、文京区千石二丁目に位置する4階建て全167戸の規模。専有面積は70.81~102.16㎡、価格は未定だが、西向きの75㎡台が8,000万円台、90~100㎡台の小石川植物園に面した住戸と南向き住戸が1億円以上になる見込みだ。坪単価は400万円。竣工予定は平成27 年1 月。設計・施工は前田建設工業。
主な特徴は、①小石川植物園に隣接した第一種低層住居専用地域②敷地面積1万㎡超③南傾斜の高台立地を活かした4 棟構成④2戸1エレベータ採用(一部除く)⑤間取りとインテリアカラーが無償で選択できる「カスタムオーダーマンション」対応-など。
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同社が用地を取得したあたりから、隣接する小石川植物園の環境・生物多様性を壊すものとして反対運動がずっと展開されてきたマンションだ。
この点については触れないが、富裕層ならだれもが住みたいと思う都心の低層の一等地だ。同社によると、都心6区で1haを超える規模の低層マンションは過去10数年にさかのぼってもないということだが、都内全域に広げても分譲マンションの全歴史のなかでもそうないはずだ。記者が記憶をたどってみたところ、世田谷区で住友商事が「成城ハイム」を分譲したのを思い出した。分譲は昭和56年で、敷地面積は約13,000㎡だ。しかし、これは総合設計制度の適用を受けたため、低層ではなく高層マンションだった。
これ以外は思い出せない。これからの物件では三菱地所レジデンスが「中村橋」で分譲するマンションが規模的には住友不動産のものを上回るようだ。
坪単価も相場だろう。2年前、野村不動産が茗荷谷駅近くで分譲した物件は坪370万円だったが、これはいかにも割安感があった。記者は「『まだ間に合う』借景が見事な野村不動産『プラウド小石川』」という見出しをつけて記事にした。
今回は戸数も多いので即日完売というわけにはいかないが、問い合わせは3,000件を超えているそうだ。広域集客も期待できる。駐車場は50%なのは驚いた。昔の億ションは1戸1台でも足りなかった。時代は変わったものだ。外観フォルムが美しいのも特徴だ。

モデルルーム
したたか タカラレーベン 日本最大級の「太陽光」に全192戸が100㎡以上「汐見台」

「レーベン横浜汐見台ソラノテ(横浜ソラノテPROJECT)」
タカラレーベンの「レーベン横浜汐見台ソラノテ(横浜ソラノテPROJECT)」を見学した。全192戸が100㎡以上で、太陽光パネルを日本最大級の1,536枚を搭載し、光熱費を約71%節約できるという触れ込みのマンションだ。
物件は、JR京浜東北線・根岸線磯子駅から徒歩15分、横浜市磯子区汐見台二丁目2-2の風致地区に位置する6階建て全192戸。専有面積は101.83~128.24㎡、2期50戸の最多価格帯は4,700万円台、坪単価は150万円。竣工予定は平成26年11月下旬。施工は飛島建設。敷地は旧東京電力社宅跡地。
最大の特徴は、全戸が100㎡以上である点だ。これは「汐見台」の約72haが都市計画法の「1団地の住宅施設」に指定されており、建ペイ率・容積率、住宅の規模、道路、公園、公共施設などがこと細かに定められていることによるものだ。
「汐見台2丁目2-2」は戸数が192戸と決められていることから、同社は全戸100㎡以上にすることを決めた。
第2の特徴は、太陽光パネルを同社としては最大の1,536枚(これまでは「東鷲宮Ⅲの1,200枚」)を設置し、オール電化と組み合わせることで日本最大級のマンション個別太陽光発電システムを採用していることだ。同社の試算によると、光熱費は約71%節約できるという。
もう一つは、共用施設に力を入れている点だ。コンシェルジュサービスを行うほか、キッズルーム、アリーナ、ライブラリー、カラオケ&シアターなどだ。駐車場も196台備え、料金も最高2,000円に抑えている。
昨年10月に友の会優先で50戸を即日完売しており、販売担当者も自信を深めている。戸建て・買い替え検討者の来場も目立つという。
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大手との競合にどうしたら負けないかを示したマンションだ。
いま磯子駅圏では、旧プリンスホテル跡地の東京建物他「Brilliaシティタワー横濱磯子」(1,230戸)と、東芝の社宅跡地の野村不動産・三井不動産レジデンシャル・NREG東芝不動産「ヒルコートテラス横浜汐見台」(416戸)が分譲中だ。前者は単価が180万円ぐらいだが、後者は約155万円。タカラレーベンと競合する。
同じような商品企画では結果は火を見るより明らかだ。同社は「太陽光」が売りではあるが、果たしてそれだけで勝てるか。そこで、同社は「全戸100㎡以上(平均111㎡」」をセールスポイントにした。これはかなりインパクトがある。かつて日本綜合地所が金沢八景で全戸100㎡以上の「グランシティレイディアント横浜」(1,805戸)を早期完売して話題になったが、それとよく似ている。一般サラリーマンにとって「30坪の家」は理想だからだ。隣接する「ヒルコートテラス」は平均88㎡だ。
どうして100㎡にしたか。これにも理由がある。風致地区で一団地指定があるため戸数は192戸に制限されているが、面積規制はない。100㎡以上としたのは、同社は2年前に同じ「汐見台」で平均100㎡のマンション47戸を早期完売した経験がここで生かされた。これが大きな差別化となった。「ヒルコートテラス」より単価を下げられたのも面積を広くしたからだ。
全戸を100㎡以上としたことで、リビングは最低15畳大、居室は6畳大、主寝室は8畳大以上として提案することが可能になった。廊下幅はすべてメーターモジュールを採用している。
「太陽光」だけでない、規制を逆手に取った同社の強かな戦略がうかがえるマンションでもある。

日本綜合地所 千葉NTで「Hundred Code」付きの100㎡住宅

「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央」完成予想図
日本綜合地所は1月15日、「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央」のモデルルームをオープンしたと発表した。全217戸のうち100戸が奥行き4mの「オープンエアリビングバルコニー」付きで、100㎡を超える住戸も多く設けている。価格は2,900万円台から。
物件は。北総線・成田スカイアクセス線千葉ニュータウン中央駅から徒歩5分、千葉県印西市戸神台一丁目に位置する12階建て「スカイヴィラ」119戸と10階建て「ブラッサムヴイラ」98戸の2棟構成。専有面積は80.42~101.42㎡。竣工予定は2015年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
100㎡以上の住戸には「Hundred Code」と名付け、リビングルームは20畳以上、主寝室は8畳大以上、玄関・ホールの幅は1.4mなどの10の条件を設定しているのが特徴。
三井不動産レジデンシャル〝脱LDK〟シニア層のニーズ取り込む「築地」

「グレートルーム」(手前が夫の居室を想定した部分)
三井不動産レジデンシャルは1月14日、「パークホームズ築地グリーンサイド」の記者発表・モデルルーム見学会を行い、同社として初めてのアクティブシニア層向けのニーズを取り込んだ脱LDKのコンセプト「グレートルーム」を提案すると発表した。モデルルームのグランドオープンは3 月上旬、販売開始は3 月下旬を予定している。
物件は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩4 分、中央区築地7 丁目に位置する12階建て全140戸の規模。専有面積は53.25~73.94㎡、価格は未定だが坪単価は330万~350万円ぐらいになる模様。竣工予定は平成27 年4 月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。
現地は、築地川公園に隣接し、あかつき公園にも近接した四方道路の一角。最大の特徴は、銀座まで徒歩14分という交通至便な立地条件からシニア世代のニーズもあると読み、「都心を楽しむ大人夫婦のライフスタイルを提案」していること。コンセプトは、夫婦が自立しながらともに過ごす時間を共有するという意味が込められた「LOIAS(Lifestyle Of Independent And Shared)」。
約70㎡のモデルルームは、ありきたりの○LDKではなく、夫婦それぞれが夫婦別寝室としても利用できるよう「セパレートツイン」を提案し、LDKの大空間を「グレートルーム」として提案。キッチンも幅約6mのI型のほかに、ピザやそば打ちもできる大型のアイランド型の「Linkキッチン」も設置した。
さらに、ニーズの高い「トランクルーム」「キッチンスタジオ」を共用部分に設置するほか、分譲マンションとしては初めて近接する会員制健康クラブ「聖路加フレンズ」と提携し、「介護情報提供」「病院予約サービス」「健康相談」が入会金(10万円)なしで加入できるようにした。また、従来のライフサポーター(管理員)を進化させたコンシェルジュ機能を備えた「レジデンシャルコンシェルジュ」を初めて導入する。従来の管理人とコンシェルジュサービスを一体化することで管理費の低減が図れるという。
発表会に臨んだ同社開発事業本部都市開発二部長・村裕太氏は、「これまで様々なニーズを先取りしたマンションを供給してきたが、今回の物件はファミリー層だけでなく、アクティブシニア層の需要も取り込めるのではないかと、アンケート調査やインタビューを行って企画した。今後も積極的にシニア層向けの商品を供給していく」と話した。

「グレートルーム」(バルコニー側から。左がキッチン)
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記者は自分が「アクティブシニア」だとは思わないが、同社がアンケート調査対象にした55~69歳の男女(n=412)の「夫婦は別寝室でかまわない」(40%)が「夫婦は一緒の寝室がよい」(28%)をはるかに上回っており、「リビングの広さ重視」(52%)、「キッチンの広さや設備にこだわる」(42%)というのはその通りだと思う。むしろ「夫婦は別寝室でかまわない」というのは男性の意見であって、女性は「別寝室にしたい」というのが本音ではないかと思う。
その意味で、公開されたモデルルームは理想に近いものだ。アイランド型キッチンがあれば夫婦で調理することも可能だし、ピザだろうがそばだろうが作れる。友人を呼んでパーティだってできる。モデルルームは女性の個室5.5畳大だけがしっかり作られており、男性の部屋(5.5畳大)はウォールドアしかないのがやや気にも障ったが、女性に主役の座を譲るのもわかる。

「Linkキッチン」
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同社はここ数年、「武蔵小杉」「大崎」などで多様なニーズを取り込む間取り提案を行ってきた。特に昨年に公開した「大崎」では、バルコニー側に子ども部屋を提案したのには驚愕したが、〝脱LDK〟には大賛成だ。「グレートルーム」はアメリカでは一般化しており、一般名詞として通用するという話だった。
立地条件からすれば、銀座には近いが、かといって億ションが売れる地域でもない。コンセプトを明確にしたからこそシニア層の需要を取り込めるものになった。ありきたりのプランでは坪330~350万円で売るのは容易ではない。商品企画の確かさをみた。オプションでなく標準にした幅6m弱のI型とアイランド型のキッチンの提案は出色だ。
と同時に、この〝脱LDK〟は建築費の高騰にも対応できるのではないか。これを2LDKや3LDKにしたら、約21畳大の「グレートルーム」など絶対にできないし、仮に建築費が10%上昇してもそれだけ専有面積を圧縮すれば、グロス価格を抑えられる計算になる。

外観
三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス新越谷」 坪185万円の高値で挑戦

「ザ・パークハウス新越谷」完成予想図
三菱地所レジデンスが2月に分譲する「ザ・パークハウス新越谷」を見学した。新越谷駅近に残された唯一の一等地に立地するマンションで、好立地にふさわしく、ここ数年間でもっとも高い単価で同社は挑戦する。
物件は、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)新越谷駅から徒歩3分、越谷市南越谷4丁目に位置する15階建て全156戸の規模。専有面積は66.27~85.43㎡、1期(戸数未定)の予定価格は3,398万~5,588万円、予定坪単価は185万円。竣工予定は平成26年12月下旬。施工はフジタ。
駅近の商業地ではあるが、敷地東側を除く3方が道路に面しており、開放感があり南向きの3LDKファミリータイプが中心というのが特徴。食洗機、ディスポーザー、床暖房などが標準装備。引き戸は戸当たりも含めソフトクローズ機能付きで、浴室のシャワーのスライドバーは2カ所に設置。
これまで約200件の来場があり、1期は70~80戸が予定されている。販売担当者は「これまで新規供給がなく待ち望んでいらっしゃった方の来場が多く、競合物件もない。早期完売が期待できる」と話した。
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今年初めて見学したマンションだったが、予定単価はほぼ予想通りとなった。
東武伊勢崎線は、かつて記者も〝魔の伊勢崎線〟と名付けたようにグロス志向の強い沿線として知られており、一定の価格以上になるとばったりと売れ行きが止まる傾向にある。
しかし昨年8月、現地に販売予告の看板が出ていたとき「間違いなく坪単価は180万円を突破する」と読んだし、高値に挑戦すべき物件だと思った。ユーザーにとって価格は安いほうがいいに決まっているが、デベロッパーは街のポテンシャルを高めるという役割も担っている。このマンションがその役割を果たすべきだと判断した。その願いがかなったのがうれしい。
同駅圏での最近の最高単価は、扶桑レクセル(現大京)がリーマンショック前に分譲した物件の187万円だ。瞬く間に売れたのには驚いたが、今回は果たしでどうなるか。

中庭
大成有楽不動産 「OBER(オーベル)」リブランディングをスタート

新しいロゴマーク
大成有楽不動産は1月7日、新築マンションブランド「OBER(オーベル)」の価値向上を図るためブランドコンセプトを再構築し、新たなコンセプトに基づく商品やサービスを提供していくリブランディングを1月からスタートさせたと発表した。
大成建設グループの不動産事業を展開する「有楽土地」と建物管理事業を担う「大成サービス」とが合併して誕生した「売主・管理一体」の体制を活用することで、「デザイン性」「居住性能」「品質管理」「マンション管理」という普遍的な価値を軸にして、住んだ後のことを考えてマンションを「つくり」、住んだ後もお客様と一緒に末永く建物や暮らしを「守っていく」としている。
「OBER(オーベル)」ブランドの新しいコンセプトを分かり易く伝えるために、「住まうほどに、愛おしくなる。」というタグライン(ブランドメッセージ)や「フィロソフィ」「新ロゴ」を定めた。
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同社は平成24年4月、大成建設の完全子会社である「有楽土地」と「大成サービス」が合併して誕生した会社だ。新会社になったときからずっと新機軸を打ち出すのではないかという予感があった。ユーザーに「なるほど」と思わせる分かりやすいブランドコンセプトを打ち出さない限り、「グループ企業の収益力を強化し総合力を高める」ことにはならないし、由緒ある「有楽土地」を消滅会社にした意味がないと考えていたからだ。
この記者の予感を確信に変えたのが、昨年見学した「オーベル芦花公園」だった。敷地内にあった既存樹をたくさん残したが、そのうちの10本以上が世田谷区の保存樹に認定された。このような例はまずない。
その後、「オーベル明石町」「オーベル東中野」などを見学したが、「明石町」は大成建設の免震構造を採用し、「東中野」はLDの位置を無償で変更できる意欲的なマンションだった。
今回打ち出したリブランディングがどのように実際の物件に具現化されるのかしっかり確かめたい。
マンション建築費上昇 住宅着工統計でも顕著
マンションの建築費の上昇が住宅着工統計でも顕在化している。東京都では2年前と比較すると約5%上昇しており、被災地の宮城県では25%もアップしている。
国交省が発表した平成25年11月の住宅着工統計によると、鉄筋コンクリート造による分譲共同住宅の坪単価は東京都が72.6万円、神奈川県が69.3万円、埼玉県が66.0万円、千葉県が59.4万円となっている。また、1戸当たりの価格は東京都が1,579万円、神奈川県が1,443万円、埼玉県が1,540万円、千葉県が1,836万円となっている。被災地の宮城県の坪単価は66.0万円で、1戸当たり価格は1,813万円だ。
これらの数値を平成23年の平均値と比較すると、坪単価は東京都が4.8%、神奈川県が10.5%、埼玉県が11.1%、千葉県が5.9%、宮城県が25.0%それぞれ上昇。1戸当たり価格は神奈川県が14.4%減少した以外は、東京都が1.0%、埼玉県が3.6%、千葉県が25.8%、宮城県が18.7%それぞれ上昇している。
単価上昇がストレートに1戸当たり価格に反映されていないのは、専有面積の圧縮を図り価格を抑えたり、あるいは市場ニーズに対応して広くしたりしているためだ。東京都の単価が相対的に高いにも関わらず1戸当たり価格がそれほど上昇していないのはその典型例だ。
単価上昇はまだ序の口と思われ、デベロッパーはいかに価格を抑え工期の平準化を進めるかが課題となっている。
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住宅着工統計の「工事費」とは、躯体工事費と建設設備費を合わせたもので、工事に伴う地盤調査、既存たてものなどの除去費用、設計・監理費、近隣対策費などは含まれないので、広義の工事費ではない。また、工事費予定額であって実際に要した工事費ではない。この種の統計では低めに設定される傾向があり、工事予定額を100とすると実際の額は100~102が目安とされる。
「旧耐震マンション 何も検討しない」選択肢はない アークブレイン・田村氏
三井不動産&三井不動産レジデンシャル「マンション再生セミナー」
三井不動産と三井不動産レジデンシャルが12月8日に行なった「マンション再生セミナー」で、建て替えの留意点について講演したアークブレイン・田村誠邦社長(明治大学特任教授)の講演内容を紹介する。
田村氏は、次のように話した。
①耐震性に不安のある旧耐震マンションについては、早晩、耐震補強を含む大規模修繕か建て替えるか選択が迫られる。何も検討しないというのはあり得ない
②大規模修繕か建て替えかという検討は、できるだけ客観的にかつ各組合員の参加を促進することが必要で、当初から「建て替え検討委員会」などと選択の幅を狭める名称は使うべきではない
③建て替えの場合、これまで自己負担なしに建て替えられた事例は条件に恵まれたためで、今後は自己負担を覚悟しなければならない
④今後は平均還元率に代わるマンション建て替え判断基準が必要で、「建て替え後に従前と同面積の床を取得するために必要な平均追加負担額」とか、「建て替えによる経済メリット」を比較・検討し、総合的に判断すべき
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管理組合に参考になるのは、「建て替え」や「大規模修繕」を検討する際の呼称だ。田村氏が何度も繰り返したように、はじめに結論ありきの印象を与えないよう工夫することが大事だ。決まるものも決まらなくなる。
「建て替え」でも「大規模修繕」でもない「リファイニング」、さらにはコンバージョンや、マンションそのものを売却して消滅させる区分所有関係の滅失も選択肢に入ってくる時代が来るかもしれない。
もう一つ、還元率についてもしっかり認識することが必要だ。田村氏は講演の中で、「販売単価が165万円/坪以下では建設コストが低い場合でも100%還元は困難」などと話した。
記者も同感だ。経済状況・市況やマンションの建てかた、規模によって異なってくるが、建設コストが85万円/坪以下というのは、ここ数年は難しいのではないか。土地代がゼロの場合であっても建替えにともなう建築費とその他の経費、デベロッパーの利益などを含めると125万円/坪ぐらいかかると見ている。
例えば、従前が20坪で同じ規模のマンションを建て替えた場合、価格は2,500万円だ。これを建て替え後の増床床を処分(分譲)して自己負担なしにするには、同じ価格の住戸を2倍確保しなければならない計算になる。つまり5,000万円で、坪単価にすると250万円だ。
坪250万円以上のエリアは、首都圏では東京23区内か郊外ターミナル駅圏なら可能だ。しかし、戸数が2倍になるような容積を余しているマンションはごく限られたものになるはずだ。さらに、最近は建物の絶対高さを抑える自治体が増えており、容積率を引き下げるダウンゾーニングを実施しているところも少なくない。
還元率100%などの幻想は捨て、還元率はせいぜい50%ぐらいと考えたほうが賢明だ。「何も検討しないというのはあり得ない」のだから、足りない部分をどう補うか、建て替えコンサルの腕の見せ所になるのではないか。

