大和ハウス 戸建住宅「xevo Σ」が「日経優秀製品・サービス賞」受賞
「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」
大和ハウス工業は2月16日、同社の戸建住宅最上位商品「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」が日本経済新聞社「2014年日経優秀製品・サービス賞」で「最優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞したと発表した。
「xevo Σ」は、繰り返しの巨大地震でも初期性能を維持できるエネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」を全ての耐力壁に標準搭載した戸建住宅最上位商品。従来と比較して最大で約2倍の強度となった耐力壁により、今まで以上の大空間・大開口を可能にするなど、ワンランク上の基本性能を実現させた。
同賞は今年で33回目となり、日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJ、日経新聞電子版、日経ヴェリタス、Nikkei Asian Reviewの各メディアに掲載された約2万点の新製品・サービスの中から選定され、今回は34点の受賞製品・サービスが受賞している。
北上市の千田工務店 新エネ大賞「審査委員長特別賞」受賞
審査委員と受章者のみなさん(千田社長は後列左端)
わが国最大の地域ビルダーのネットワーク「ジャーブネット」(主宰:宮沢俊哉アキュラホーム社長)の会員、千田工務店(岩手県北上市)が経産省が後援する平成26年度新エネ大賞「審査委員長特別賞」を受賞した。
「自社が施工した太陽光発電オーナーを集めて、コンテストなどのイベントを長年にわたって開催することにより、オーナー同士のネットワークを広げ、太陽光システムの普及に努めている」ことが評価された。
同社は、寒冷地では冬季の日照時間や積雪でパネルが覆い隠されることなどから太陽光発電システムの普及は難しいとされていたのを克服し、県内に点在していた太陽光発電システムを搭載した同社施工の住宅オーナー同士の交流ネットワーク「PVオーナーネットワーク」と称し、2007年から取り組みをスタート。
2015年1月31日に行われる予定の第10回大会では過去最高の380名のオーナーが集まる予定。
受賞した同工務店・千田忍社長は「わたしたちのような小さな工務店でも、意義のある活動と信じて積み重ねてきたことを国に認めていただき、大変光栄に思っています」とコメントしている。
審査委員長の筑波大大学院教授・内山洋司氏(左)と千田氏
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千田工務店の千田孝道会長(当時社長)は存じ上げている。2009年12月、アキュラホームの会合でお話をうかがい、感銘を受けた。記事にもしているので参照していただきたい。その時、オーナー大会の取材も勧められたのだが、岩手県北上市ということから丁重にご辞退申し上げた(遠くて寒そうというのが最大の理由)。3年前に忍氏が社長に、孝道氏は会長に就任したそうだ。
とても盛り上がる大会であるのは容易に想像できる。380名も集まって、楽しく省エネ、創エネ、環境問題などを語り合い、コミュニティにつなげていく活動に拍手喝采!
三井不レジ 既分譲の戸建て「ファインコート」に「エネファーム」導入促進
戸建て用「エネファーム」
三井不動産レジデンシャルは1月28日、首都圏の東京ガス供給区域でこれまでに供給してきた分譲済戸建「ファインコート」(対象:15,110戸)の居住者に家庭用燃料電池「エネファーム」の導入を促進すると発表した。
同社は昨年3月、首都圏の東京ガス供給区域で供給する「ファインコート」の全戸に東京ガスの「エネファーム」を標準採用することを決定している。
4人家族を想定した試算によると、電気と都市ガス給湯器からの給湯を行なう方式と比べ、定格発電時にCO2排出量を約49%削減、一次エネルギー消費量を約37%削減でき、年間の光熱費を約5~6万円節約、年間のCO2排出量を約1.3トン削減できる。
希望小売価格(税別、設置工事費別)は190万円(燃料電池ユニット・貯湯ユニット・バックアップ熱源機・据置台・リモコンセット含む)。10年間の無償メンテナンスサポート付き。
三井・野村の二強に待った 住友不動産が分譲戸建てに参戦
「J・URBAN久我山ヒルトップ」
三井、野村の二強に待った! 住友が都市型戸建て年間数百戸供給-住友不動産は1月22日、同社初と思われる都市型戸建て見学会を杉並区久我山で行い、今後は積極的に供給すると発表した。
冒頭、同社は今年1月1日付で分譲住宅事業本部から分離独立させた「戸建分譲事業部」を立ち上げたと報告した。
同部部長・徳田修氏は「バブル期は八王子、埼玉、千葉方面で面開発を行っていたが、バブル崩壊後はほとんど供給しなくなった。近年では数十戸くらいしか供給してこなかった。今後は当社の強みである注文の〝J・URBAN〟ブランドそのもの、都会的な外観・外構デザインと自社施工、さらには高級設備を装備した長期優良住宅を基本としたものを供給していく」と話した。
すでに数百戸分の用地を取得しており、今回、「久我山」(7戸)とともに「国立」(5戸)「深大寺東町」(8戸)「目黒平町」(11戸)「平井」(10戸)「新宿西落合1期」(12戸)の6物件53戸を昨年末から今年初めにかけ分譲開始した。
「J・URBAN久我山ヒルトップ」は、京王井の頭線久我山駅から徒歩12~13分、同線三鷹台駅から徒歩7~8分、土地面積約100㎡、建物面積約100㎡、価格8,000~9,000万円弱。
販売責任者の同本部第二営業所長・松丸望也氏は、「他の大手デベロッパーの都市型戸建てと異なるのは、敷地延長など条件の悪い住戸を屋上テラス付きとするなどの商品企画に力を入れており、条件の悪い価格の安いところから売れている」と強調した。
これまで分譲開始した6物件53戸のうち約3割がすでに分譲済み。「久我山」も2戸が契約済みで、1戸に申し込みが入っている。従前はテラスハウス風の社宅。
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青天の霹靂だった。同社がここ1~2年、戸建て用地を買っているという話は聞いていたが、その現場を全く見ていない。同社広報に聞いたこともあるが、広報は言葉を濁すのみだった。
単なるうわさだけかと思っていたが、そうではなかった。これまでもずいぶん書いてきたが、大手デベロッパーの分譲戸建ては三井不動産レジデンシャルが独走しており、年間800~900戸をコンスタントに供給してきた。都内23区では1億円前後の物件が飛ぶように売れていた。供給エリアは都内が中心で、対象はアッパーミドル・富裕層。
2位の野村不動産は、三井とは対照的に郊外の区画整理事業地などでまとまった戸数の物件を主に手掛けてきており、年間の供給量は500~600戸くらいだった。
ところが、ここ1~2年、三井を急追しており、今期は1,000戸くらいに伸ばす予定。従来手掛けてこなかった10戸未満の物件も供給するようになってきた。
一方の三井も郊外で久々の区画整理事業物件を供給するなど、やはり1,000くらいに増やす見込みだ。
この2社を追いかける大手デベロッパーはなく、3位グループには老舗の細田工務店、コスモスイニシア、ナイスなどが200~300戸で続き、住友も三菱地所レジデンス、東急不動産も年間せいぜい数十戸程度しか供給してこなかった。三菱地所レジデンスは2013年に分譲戸建て市場に参入すると発表はしたが、現段階では目立った供給はない。
住友不動産の参戦に対して、東急不動産は「特段、申し上げる数字はない」(広報)、三菱地所レジデンスは「昨年の供給量は約40戸」(広報)と答えている。
住友不動産は今のところ、都心志向の「J・URBAN」ブランドを供給していくとしているが、郊外部での供給にも含みを持たせている。記者は間違いなく郊外も供給するとみている。
三井・野村に住友が参戦し、分譲戸建て戦線は過熱する一方だ。3強時代が到来するのか。三菱地所レジデンス、東急不動産はどう動くか。もちろんハウスメーカーもいる。低価格路線で中堅所得層向けに特化し、年間36,000戸も供給している飯田ホールディングスとの住み分けは続くのか。戸建て市場は全員参加型になる気配を見せてきた。
モデルハウス
三菱地所レジデンス、分譲戸建て市場に参入(2013/10/7)
積水ハウス 「グリーンファースト ゼロ」が省エネ大賞 審査委員会特別賞受賞
積水ハウスのゼロエネルギー住宅商品「グリーンファーストゼロ」が「平成26年度省エネ大賞 審査委員会特別賞」(主催:一般財団法人省エネルギーセンター)を受賞。審査員からは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の本格的な普及を目指した住宅である」などと評価された。
「グリーンファーストゼロ」は2013年4月に発売。「ハイグレード断熱仕様」「高効率エアコン」「LED照明」などの省エネ設備を採用。また、日射・通風配慮設計などのパッシブ技術を取り入れることで、快適に暮らしながらエネルギー消費量を大幅に削減。さらに太陽電池や燃料電池による創エネで、「住まい心地向上」と「エネルギー収支ゼロ」を目指す2020年の暮らしを先取りするゼロエネルギー住宅。
現段階でスマートシティ№1団地 ミサワホーム「エムスマートシティ熊谷」
「エムスマートシティ熊谷」(写真提供:ミサワホーム)
ミサワホームが分譲中の「エムスマートシティ熊谷」を見学した。意欲的なスマートシティの提案が評価され、埼玉県住まいづくり協議会が主催する「第二回環境住宅賞 特別賞」を受賞した全73区画の戸建て団地だ。
物件は、JR高崎線籠原駅から徒歩13分、埼玉県熊谷市別府5丁目に位置する全73区画(建築条件付宅地区画数11区画含む)。現在分譲中の建築条件付き宅地分譲の土地面積は169.71~200.52㎡、価格は1,224万~1,640万円。(1区画)。1戸建ての土地面積は178.66~188.84㎡、建物面積は 113.23㎡~119.97㎡、価格は4,490万~4,980万円。構造・工法は木造2階建(木質パネル接着工法)。主な設備は太陽光発電システム、エネファーム、HEMS、電気自動車用充電用コンセントなど。建物の売主・設計・施工はミサワホーム西関東。土地売主はミサワホーム。
今年6月から分譲開始されており、これまで17区画(宅地分譲含む)が契約済み。購入者は熊谷市内と市外が半々。都内の購入者もいるという。
「足水」(写真提供:ミサワホーム)
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土地は熊谷市が学校用地として所有していたもので、市のコンペで4社が応札、同社の応札価格は最高値ではなかったが、プランが評価されて落札した。
快適な暮らしを提案した「涼を呼ぶ街づくり」「過去と未来をむすぶ」「ゼロエネルギーで明日をひらく」「人と人を育むコミュニティ」の4つのコンセプトがいい。
まず、「涼をよぶ」「むすぶ」取り組み。夏季は東からの風が多いことから、風の入り口に公園を設置。既存樹のサクラの巨木を配して風を遮断するとともに、公園の緑陰と散水によって冷やされた風が道路に沿って流れ、各戸に7か所程度設置されたミストスプレーでさらに冷やされ、街全体を自然の力で冷やそうという仕組みが施されている。道路の一部には地表温度を5度くらい下げる効果がある反射性の高い素材を採用している。
公園には井戸を掘り、自動的に井戸水を撒き、ベンチの足元には「足水(あしみず)」を設置。ゆるやかな曲線を描くように道路を配し、建物は太陽光発電の効率を最大限上げるため全棟を南向きにしている。
「ひらく」では、太陽光発電システム(3kw)、エネファーム、「enecoco(見える化システム)」LED照明、涼風制御システムなどを導入。涼風制御では、外気温と天井付近の室温の差を検知し、自動的にトップライトを開放して室内の熱気を排出。温度差が少なくなるとトップライドが閉じられエアコンが作動する。外気温が低くなったらエアコンが自動的に停止する。これは同社独自のシステムだ。
このほか省エネでは、暑い外気温を遮断するクールルーバー、ミストスプレー、保水性インターロッキングも採用している。
「はぐくむ」では、セキュリティ機能も備えたコミュニティハウス(集会室)を設け、公園に設置した「まちの気象台」を通じてリアルタイムで温度、湿度、降雨量、風速などが測れるようにし、暮らしに役立てる工夫を行う。
門柱に設けられたミストスプレー
クールルーバー
室内の熱だまりを解消するトップライトとシーリングファン
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言うまでもなく、熊谷市は夏の暑さでその名が全国に知られている。夏の暑さ対策は必須だ。同社のシミュレーションでは明らかに街全体の温度は数度低くなっている。
長々とパンフレットの引き写しのような記事を書いたが、特徴を表現しようとするとそうならざるを得ない。スマートシティ、スマートタウンは結構取材してきたが、パッシブデザインとアクティブデザインを巧みに組み合わせているという点では、現段階でこの団地がナンバーワンではないか。夏に取材すればよかったのだろうが、待ちきれずに寒風吹きすさぶ先週の金曜日に取材した。〝冬寒い〟熊谷を初めて体験した。
それにしても現地まで街路樹らしきものが全然ないのはなぜか。理解に苦しむ。
集会室
中央のポールが「まちの気象台」(その奥に井戸水ポンプがある)
団地までのアクセス道路(街路樹は1本もなし)
スウェーデンハウス またまた「ミカエル」登場 スウェーデン技術者招へい
スウェーデンから来日した左からアンダッシュ氏、パトリック氏、ミカエル氏
スウェーデンハウスは12月15日、本場スウェーデンハウスから技能者3名を招へいし、10月8日から12月21日まで工事現場の指導・確認に当たらせ、交流も行ったと発表した。
木造住宅分野では、外国から高度な技術者を招くのは前例がないため難航したが、法務省の理解を得ることで実現したという。
会見で挨拶した同社取締役執行役員営業本部長・鈴木雅徳氏は、「今年グッドデザイン賞を受賞した当社独自の『木製サッシ3層ガラス網なし防火窓』が断熱性でも快適性でも評価されたが、わが国の省エネ・快適性の基準は世界から立ち遅れている。今回、スウェーデンから技術者を呼んだのは、現場での施工精度を高めることで、もう一度原点に立ち返り、わが国の気候・風土にかなった住宅の開発につなげていく」とその狙いについて話した。
鈴木氏
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3カ月の期間限定で同社社員として来日したのはそれぞれ大工経験があるアンダッシュ・オスミール氏(49)、パトリック・モンフェルト氏(44)、ミカエル・アルム氏(26)。
3人に日本の住宅のデザインなどについて聞いた。通訳を介して返ってきたのは、①四角い住宅が多い(経済設計が多いということか)②屋内が寒い③グレーの色の住宅が多い。色を付けてほしい(これは国民性もある。スウェーデンハウスは派手すぎないか)④家具が置きにくい間取り⑤木造が少ない(鉄やコンクリート住宅が多いということ)-などだった。
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記者は3人の中でもっとも茶目っ気のある独身のミカエル氏の登場に驚いた。全世界で大ヒットしたスウェーデン作家のスティーグ・ラーソンの推理小説「ミレニアム」がまたまた蘇ったのだ。
最初に驚いたのは2012年の1月(別掲の記事参照)。何と「ミレニアム」の主人公・ミカエル・ブルムクヴィストと同姓同名のイケアのPresident &CEOが登場したからだ。
そして今回。小説のミカエルは40歳代だから、年齢はずっと若いが同じ名の「ミカエル」だ。ミカエル氏は「渋谷で食べた神戸牛がおいしかったが、日本の料理は和食だけでなくすべてレベルが高い」と話した。
左からミカエル氏、アンダッシュ氏、パトリック氏
野村不動産 スーパーパッシブデザイン住宅 「府中天神町」に採用
”「プラウドシーズン府中天神町」
野村不動産は12月12日、同社の次世代環境ビジョンを見据えたプラウドスマートデザイン「SMART&GROWING」を進化させた“スーパーパッシブ住宅”「プラウドシーズン府中天神町」の記者見学会を行った。「センターボイド」「インナーテラス」の二つの提案を行っているのが特徴。
物件は、京王線府中駅から徒歩18 分、または武蔵小金井駅行きバス約5 分徒歩3 分、府中市天神町1丁目に位置する全6棟。敷地面積は114.26~114.27㎡、建物面積は101.40~116.79㎡、価格は未定だが、6,000万円台の後半が中心の予定。構造規模は木造(2×4)2 階建て。設計・施工は西武建設。入居予定は平成27年3月下旬。
新しい提案は「センターボイド」「インナーテラス」の二つ。センターボイドは、階段室を家の中央に配置し、2方向に天窓を設けることで風と光の通り道となる機能を持たせたもの。
インナーテラスは、住宅の南側に約2.5畳大の空間を設け、蓄熱・蓄冷効果のある床材・壁材を使用することで、冬場は日中の太陽光の熱を蓄え、夏場は遮熱した風を各居室に送る。YKK APの新商品である日射遮蔽引き戸ルーバーを南側窓に設置する。
それぞれの提案をより効果的に発揮させるために採用しているのがLIXILの「通風建具」。すべての居室ドアと引き戸に採用。ルーバーは手動で簡単に開閉する。
基本設計は、パッシブデザインの第一人者である首都大学東京大学院・小泉雅生教授と小泉アトリエ。2014 年5 月から実際の建物の中で通風・採光・温湿度環境の調査、暮らし方によるエネルギー使用量変化の調査を行ない、効果が高いとして今回採用する。引渡し後も居住者とともにパッシブの効果測定や座談会、住み心地アンケートなどを実施し、そのデータや声を今後の商品企画に生かす。
モデルハウス案内会は12 月13 日(土)から開始し、2015 年1 月に販売する予定。
インナーテラスを設置した住宅
日射遮蔽ルーバー(左)と2階から見たインナーテラス
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パッシブデザインの提案は各社が行っており、高窓やインナーテラスの提案もそれほど珍しいものではない。間違いなく室内温度を外気温度より1~3℃くらいは上げたり下げたりすることができるはずだ。
いったい通風建具のルーバーを誰が開けたり閉じたりするのかという問題もあるが、環境問題に関心のあるユーザーは嬉々として実証実験に取り組むはずだ。
ひとつだけ言わせていただければ、外付けの日射遮蔽ルーバーのデザインがいま一つだ。防犯効果も期待できそうだが、いかにも侵入を防ぐ装置だぞと見せつけるような印象を受けた。サッシにはLow-E複層ガラスを採用しているのだから、そこまでやる必要があるのかどうかとも思った。
同社は日射遮蔽ルーバーの代わりに「すだれ」でも実験したそうで、それだと同じくらいの効果はあるのだが、部屋が暗くなり住宅のデザイン・街の景観も変わるのでやめたという。
なかなか難しい問題だ。デザイン・景観を優先させるなら何もないほうがいい。
ルーバーつきドア
高窓
大成有楽不動産販売 分譲戸建て「葛飾金町」第1~3期 全32戸が即日完売へ
「オーベルコート葛飾金町(右の背後が「オーベル金町レジデンス」)
大成有楽不動産販売が今週末、第3期8戸の最終分譲を行う分譲戸建て「オーベルコート葛飾金町」を見学した。第1期(13戸)、第2期(11戸)とも即日完売しており、今回も即完しそうで全32戸が早期完売となる。
物件は、JR常磐線金町駅から徒歩12分、葛飾区新宿六丁目地区大規模複合(大学・住宅・公園)開発エリア内に位置する全32区画。第3期の土地面積は100.05~131.65㎡、建物面積は94.76~98.95㎡、価格は4,240万~5,180万円。構造は2×4工法2階建て。施工は三菱地所ホーム。完成予定は2015年月4末(3期)。
11月2日に抽選分譲した第1期が即日完売し、引き続いて分譲した第2期も即完している。第3期の抽選は12月13日12:00。
総面積約33.3haの大規模開発「新宿六丁目地区地区計画」の一角にあり、大成有楽不動産が分譲して人気になったマンション「オーベル金町レジデンス」(117戸)に隣接。すぐ近くには東京理科大の葛飾キャンパスがあり、約7.1haの「葛飾にいじゅくみらい公園」もある。
電線類を地下化し電柱をなくした街並みと、建物の外観は赤レンガの陶器瓦や白壁に石のような重厚感がある大判タイルを張った「スパニッシュスタイル」が特徴。
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現地を見て人気になるのも当然だと思った。住環境が抜群だ。「葛飾にいじゅくみらい公園」はところどころにサクラなどが植えられているが、ほぼ全面が芝張り。市民も利用できる東京理科大の図書館も徒歩1~2分圏内だ。
価格も割安感がある。隣接の「オーベル金町レジデンス」とそれほど変わらないのではないか。「オーベル金町レジデンス」は6月に取材しているが、7月から分譲が開始され、現在、キャンセル住戸1戸を残すのみだ。こちらのマンションも割安感があった。
どうして今回の戸建ても大成有楽不が事業主にならなかったのか不思議だが、大成有楽不動産はここ数年戸建ての分譲は行っておらず、大成有楽不動産販売は20数年継続して戸建ての分譲を行っていることにも起因するようだ。
「葛飾にいじゅくみらい公園から「オーベル金町レジデンス」を望む(右側の建物が東京理科大の図書館)
旭化成ホームズ 勾配屋根ニーズ取り込む「ソフィット」発売
「HEBEL HAUS SOFIT(ヘーベルハウス ソフィット)」
旭化成ホームズは11月18日、先に発売した寄棟屋根タイプの戸建て新商品「HEBEL HAUS SOFIT(ヘーベルハウス ソフィット)」の記者説明・見学会を行なった。これまで、同社は陸屋根タイプの「キュービック」を中心に都市部で展開してきたが、勾配屋根に対する潜在ニーズが高いことに対応するもの。商品バリエーションを拡充することでブランドイメージの強化と受注の拡大を図るのが狙い。
外観は、敷地境界に近接した建物配置に対応するため軒が出ないシンプルな箱型デザインの「専用軒樋」を採用。2階バルコニーなどの日除け・雨除けとして軒樋下に収まる「専用システムキャノピー」を設置し、目隠しと外観アクセントとなる「専用ルーバースクリーン」を提案している。
勾配屋根を採用したことで、小屋裏空間全体を居室空間にしているのも大きな特徴で、最高天井高4.3mの吹き抜け空間「ロフティルーフ」を実現。小屋裏アルコーブには調光・調色機能付きの間接照明を提案することで天蓋のある浮遊感を演出。勾配屋根には電動トップライトを設置することで、自然の光を取り込む工夫も盛り込んでいる。
説明会に臨んだ同社常務執行役員マーケティング本部長・川畑文俊氏は、「この10月も上々のスタートが切れた。今回の新商品で勾配屋根を提案することで、顧客満足を高めていきたい」と挨拶。また、技術本部商品開発部長・加藤明氏は、「この1年間で躯体の強化と創空間力の強化をテーマに『ネクストヘーベルハウス』を展開してきたが、第1ステージが完了した。今回の新商品は第2ステージの第一弾。勾配屋根とフラット屋根の双方の〝いいとこどり〟の商品」と語った。
プロトタイプは延べ床面積125.05㎡。発売日は平成26年11月8日。年間販売目標は250棟。
「キュービック」(左)と「ソフィット」
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同社は昨年10月、今回と同じ静岡県富士市の同社住宅総合技術研究所で構造躯体の強化と住空間の豊かさを同時に追求した新商品「NEXT HEBEL HAUS(ネクスト ヘーベルハウス)」の記者発表会を行い、陸屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」と寄棟屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS 新大地」を公開した。
二つの新商品については、当時の記事を参照していただきたいが、「キュービック」については「一つだけ注文をつけるとすれば、外観だ。『キュービック』は…内部空間が素晴らしいだけに外観も魅せるものにしたほうがいいのでは」と書いた。「これが勾配屋根だったらどんなにいいだろう」とずっと考えた。
記者だけではなく、われわれ日本人はみんな「住宅」の外観イメージは勾配屋根が小さい頃から刷り込まれている。子どもだろうが大人だろうが「家の絵を描いて」と言えば、間違いなく寄棟か切妻屋根の家を描くはずだ。勾配屋根は極めて親和性が高い。
さて、今回の「ソフィット」はどうか。上段の写真を見比べていただきたい。左が陸屋根の「キュービック」、右が勾配屋根の「ソフィット」だ。内部空間を考慮しないで、外観だけで好き嫌いをユーザーに質問したら間違いなく「ソフィット」に軍配があがるのではないか。記者も「ソフィット」に一票を投じる。
価格差があれば選択に迷うだろうが、価格はほとんど同じだ。プロトタイプの価格は「キュービック」が2,930万(税抜き価格、35.8坪=坪単価約82万円)、「ソフィット」が3,290万円(同、37.82坪、坪単価約87万円)。
次に内部空間。これは甲乙つけがたい。ユーザーのライフスタイルによって評価は分かれるはずだ。「ソフィット」が提案している勾配屋根の特長を最大限生かした2階リビング・ロフティルーフがいい。密集市街地や狭小敷地の日照が十分確保できないエリアにぴったりだ。小屋裏アルコーブに設置した調光・調色機能付き間接照明や電動トップライトを採用すれば、天井高最高4.3mの浮遊感のある空間が演出できる。
同社のデータによると、2階リビングの受注割合は2011年に2階リビングを提案した「そらのま+」を発売した当時の10%弱から現在は19.5%に高まっている。「ソフィット」の投入によって2階リビングの訴求力が一段と高まるのは間違いない。
「ロフティルーフ」
旭化成ホームズ、坪単価で測れない価値あり「NEXT HEBEL HAUS」(2013/10/29)