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ドムスデザインカーザ

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瀧口専務

 人口約8万人の埼玉県本庄市に本拠を構え、埼玉県北、群馬県、栃木県などで事業展開している不動産会社、ケイアイスター不動産をご存じだろうか。分譲戸建て、注文住宅事業が中心で、2012年度の売上高は235億円、販売棟数は1.064棟にも上る。5年前と比較すると売上高は1.5倍、販売棟数は2.4倍に伸ばしている。

 記者は全く知らなかった。同社がRBA野球大会に今年参加して初めて知ったのだが、どうしてそんなに急速に業績を伸ばしたのかを探るために、同社専務取締役・瀧口裕一氏に話を聞いた。

 瀧口氏が同社に入社したのは2008年1月。そして、ご存じのように9月にリーマン・ショックに見舞われた。転機はこのリーマン・ショックにあった。

 瀧口氏は、「それまで行ってきた引き回し営業はやめよう。自社でしっかりしたものを造ろう」と方向転換したのがその後の業績アップにつながったという。しかもそれまで行っていた仲介事業からも手を引いたという。

 つまり、退路を断ってハウスメーカーへの脱皮を図ったのが奏功した最大の要因だ。現在、分譲戸建てと注文住宅の割合は7:3だが、将来的には1:1にするのが目標だ。注文住宅では、先にオープンした渋谷の「青山展示場」に医療環境・住環境を女性の感性でデザイン監修し、コラボレーションした「ドムスデザインカーザ」を出展した。  

 また、他社の分譲戸建てを請け負う「規格型請負事業」を3年前から手掛けており、現在は大手の物件も含めて年間100棟を受注している。マンション事業にも進出した。

 瀧口氏は、同社の夢を次のように語った。「この業界は消費者にいいイメージを持たれていない。『ザ・不動産』から脱却し、しっかり人を育てる。人は宝。使い捨てなど絶対にしない。あこがれの存在にしたい」

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中庭

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 瀧口氏が前職のとき、何回かお会いしている。優秀な企画マンだ。同社に転職したときも電話で少し話を聞いていたが、まさかそんなに成長する会社だとは夢にも思わなかった。

 本社の近くにある住宅展示場のドムスデザインカーザのモデルハウスも見学した。イタリアのデザインを取り込んだもので、ロートアイアンのゲート、中庭、ガレージ付きというのが特徴だった。すべて女性スタッフが企画したもので、円形のバルコニーは「ジュリエットバルコニー」と名付けられていた。

 ロートアイアンは錬鉄製でなくアルミ製だったのはどうかと思ったが、若い層をターゲットにした住宅としては納得できる出来栄えだった。広いガレージと中庭を設けたのは郊外住宅ならではのアイデアだ。

 

ケイアイスター不動産 大相撲熊谷場所を協賛

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「大相撲熊谷場所」

 ケイアイスター不動産が10月12日(土)に行われた日本相撲協会の地方巡業「大相撲熊谷場所」の協賛会社となった。観客は主催者発表で約3,500人。

 当日は、幕内力士の土俵入り・横綱土俵入りのあと、熊谷市長が挨拶したのに続き、同社専務取締役・瀧口裕一氏が「創業以来24年目を迎える当社が地域に貢献したいという思いがかなえられて大変うれしい」と挨拶した。

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塙社長(右)と瀧口専務

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 大相撲の地方巡業は、年6場所行われる本場所のほかに春夏秋冬に分かれて全国で行われるもので、年間20カ所以上に上る(今年度は25カ所)。開催地は決まっているわけではないが、伊勢神宮と靖国神社の奉納相撲だけは毎年行われる。

 日本相撲協会のホームページには、巡業について「親方や力士など大相撲一行、約250名は前日に巡業地に乗り込みます。その時には10日前から現地入りした先発した親方が勧進元(主催者)と会場の土俵や宿泊などの受け入れ体制を整えております」とある。現在、力士は約700人だそうだから、全力士が参加するわけではないようだ。

 それにしても日程はかなりハードだ。10月の秋巡業はこの日の熊谷を筆頭に横浜-土浦-浜松-金沢-綾部-丸亀-出雲-広島-松山へと10月だけで11カ所を巡る。9月末にはジャカルタ巡業も行っている。ただ相撲を取るだけでなく、早朝の稽古、握手会、子ども稽古、観客との交流もある。本人はもちろん、体重が成人大人の3~4倍の百数十キロもある大集団が移動するのだから関係者も大変だろう。

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横綱白鵬関の土俵入り

カテゴリ: 2013年度

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 「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」

 創建は10月21日、入居者からの子育てに関する意見を採用した新商品「子育てKurumu」(木造外断熱工法)を10月26日にモデルハウスをオープンする「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」(80区画)を皮切りに発売すると発表した。

 木造外断熱の家「Kurumu」シリーズは1,700戸の供給実績がある同社の主軸商品。「子育てKurumu」は「水」「空気」「安全」「安心」により重点を置き、約1,000人の入居者アンケートの“あったらいいな”“こうだったら良かったのにな”という声を集めてできた商品。

 ①指詰め・はさまれを防止する引き戸、ソフトクローズ機能付き建具の採用②加湿機能付き換気システム③空気を洗う壁紙④コルクフロア⑤天然素材畳⑥オール浄水-を採用しているのが特徴。

 「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」は、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩15分の全80区画。敷地面積は150.00~196.87㎡。価格は建物約33~35坪の場合「Kurumu」(税込み約63万円~68万円)建物金額総額にプラス100万円が目安。

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「子育てKurumu」

カテゴリ: 2013年度

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「エルグレード三鷹ザ・ファースト」

 近鉄不動産(事業比率50%)と大京(同50%)は10月17日、両社が共同で開発を進めている分譲戸建て「エルグレード三鷹ザ・ファースト」の記者発表会&モデルハウス内覧会を行ない、10月19日(土)からモデルハウスを一般公開すると発表した。両社が共同で分譲戸建て開発を行なうのは初めてで、三鷹市初の「エコタウン開発奨励制度」認定と「環境緑地整備地区」指定を受けた物件だ。

 物件は、JR中央線三鷹駅からバス14分徒歩3分、または武蔵境駅からバス8分徒歩3分、三鷹市大沢3丁目に位置する建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域の全41区画の規模。敷地面積は110.08㎡~125.61㎡、建物面積87.96㎡~96.04㎡、価格は未定だが、6,000万円台が中心になる模様。建物は2×4工法2階建て。施工はエステーホーム。竣工は平成25年10月下旬から。

 三鷹市が今年4月に設けた「エコタウン開発奨励制度」認定第1号プロジェクトで、同制度は開発面積が3,000㎡以上の戸建て開発が対象となり、「創・蓄・省エネ」設備を導入した物件に対してポイントを付与して、ポイントに応じて奨励金を交付するもの。同物件は太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO」と次世代省エネ基準をクリアしていることから246ポイント(1ポイント1万円)を獲得している。

 また、敷地面積を110㎡以上、敷地面積に対する緑化率を15%以上確保していること、屋根、外壁などの形態や色彩が周辺景観と調和していることなどから三鷹市で初めて「環境緑地整備地区」に指定された。

 発表会で近鉄不動産常務取締役首都圏事業本部長・田中孝昭氏は、「マンションでは大京さんとの共同物件は20件あるが、戸建てでは初めて。都市型戸建てを強化したい双方の考えが一致した。今後も共同してやっていく」と話した。また、大京の事業責任者は「近鉄さんとの共同を含めて当面は年間100戸、5年後には年間300戸を目標にしている」と語った。

 第1期1次は今月に竣工する10戸が予定されており、これまでに問い合わせは300件、内覧希望は70件あるという。

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 いい物件だ。間違いなく早期完売する。その理由の第一は割安感があること。

 現地に着いたとき、〝どこかでみたような戸建て団地〟が隣にあった。すぐ5年前に東京建物・安田不動産が分譲した団地であることが分かった。詳細はそのとき書いた記事を参照していただきたいが、素晴らしい団地で、早期完売した。価格は7,000万円ぐらいしていた。今回はそれよりかなり安い。安いのは、販売担当者によれば「東京建物さんが用地を取得したのはリーマン・ショックの前。今回はそのあと。価格は低いが物件のレベルが低いとは思わない」ということだった。双方とも現みずほ信託から相対で取得したものだ。

 第二の理由は、三鷹市の「エコタウン」の認定を受け、「環境緑地整備地区」に指定されているように、商品開発にかなり力を注いでおり、差別化が出来ていることだ。

建物・外構えは一部しか完成しておらず、全体像がつかめないが、デザインはオリジナリティがある。急勾配屋根やマリオン、付柱・付梁、庇ブランケット、化粧モール、フカシ壁などを巧に配することでシャープな外観を演出している。

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 もう一つ。小さいことかもしれないが、階段はメーターモジュールが採用されていた。一時期、各デベロッパーはこのメーターモジュールを都市型戸建てにも積極的に採用していたが、最近は以前に逆戻りし、尺モジュールが圧倒的に多い印象を受ける。近鉄不動産は「うちの戸建てでは当たり前」とのことだった。

 この話を聞いて、近鉄不動産は以前からユニバーサルデザインに熱心だったことを思い出した。同社の首都圏での戸建てをみるのは「手賀の杜」「東大和」「若葉台」以来だが、これらもなかなかいい物件だった。

 ユニバーサルデザインで言えば、大京もかつて子会社の扶桑レクセルが徹底したユニバーサルデザインのマンションを分譲していた。

 環境にやさしい住宅を供給するのは当たり前だ。同時に人に優しい住宅を供給するのがデベロッパーの使命だ。双方が大激戦の都市型戸建てでユーザーの支持を受けるとすれば、このユニバーサルデザインがヒントになるような気がする。
 

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タウンコーナー(立柱は御影石で、足元はジャワ鉄平が用いられている)

大京 戸建てブランド「アリオンテラス」に期待(2013/8/29)

東京建物&安田不動産の戸建て「Brillia Terrace 三鷹の杜」(2007/5/1)

カテゴリ: 2013年度

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「デュオアベニュー国立」

 フージャースアベニューの分譲戸建て「デュオアベニュー国立」を見学した。デザイン性に優れているのが特徴で、人気を呼んでいるのも当然だ。

 物件は、JR中央線国立駅から徒歩16分、国分寺市光町三丁目に位置する全13区画。建ぺい率40%、容積率80%で、1戸当たりの土地面積は121.00~130.61㎡、建物面積は95.86~99.56㎡。構造は2×4工法。施工は津田産業。建物は完成済み。

 9月から分譲されており、これまで7戸が契約済み。現在分譲中の住戸の価格は4,798万~6,398万円。住戸プランは、耐震等級や省エネ等級で最高等級を取得しているほか、壁・出隅をR状にしているのが特徴。

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 同社は、フージャースコーポレーショングループが2013年4月に持株会社フージャースホールディングスを設立したのに伴い、戸建事業を継承する子会社として設立された。見学の目的は、装いを新たにした同社がどのような戸建てを分譲するのかを見るためだった。先日、フージャースコーポレーションのマンション「デュオヒルズ府中多摩川」を取材した際、販売担当者から「デュオアベニューは新体制になってデザインを一新した。ぜひ見てほしい」とも言われていた。

 正直に書くと、現地を見るまでは半信半疑だった。同社の戸建てはこれまでいくつか見学しているが、レベルとしては〝並〟だった。他社との差別化も今一つだった。それでも売れるのは〝唯一無二〟という不動産の特性によるもので、新会社に移行しても従来とそれほど変わらないのではないかと思っていた。

 ところが、現地を見て〝これは売れる。〟〝大手と互角に戦える〟と確信した。都市型戸建てで他社の追随を許さない三井不動産レジデンシャルの物件とそん色ない出来栄えだった。

 記者は戸建てでもっとも重視するのはデザインだ。デザインを見て価格をはじき、価格に見合うデザインであるかどうかを判断する。何が素晴らしいかは写真を見ていただくほかないのだが、バットレス、3連窓、ボーダータイルなどの使い方が見事だ。施工を担当している津田産業は三井不動産レジデンシャルの物件の施工も行っているはずだ。

 販売を担当する同社マネージャー・五十川清美氏が記者の見立てを裏付けてくれた。五十川氏は「お客さまの評価でもっとも高いのが街並み。『ネットで見たらよさそうなので見に来た』というお客さまが圧倒的に多い」と話した。また、「新会社はデベロッパーの戸建てとして評価されるよう街並みから造りこむことを重視している」とも語った。八王子で全62区画の戸建てを分譲するそうだからまた見学したい。

 フージャースコーポレーションはこれまで第1次取得層をターゲットにしたマンションを供給してきたが、フージャースアベニューが大手と互角に戦える戸建てを供給して評価が得られれば、マンション事業もまた違った展開ができるのではないか。

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カテゴリ: 2013年度

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 全国最大級の工務店ネットワーク「ジャーブネット」が2013 年10 月11 日(金)~12 月23 日(月・祝)まで、「木のスマートハウス」を先着500 棟限定で発売する。

 期間中、ジャーブネット創立15 周年を記念したフェア「バリューアップ大感謝祭」を全国で開催し、価格は据え置き100 万円相当の仕様をバリューアップするほか、購入者のライフスタイルに合わせ6つのタイプから搭載アイテムを選べる「限定パック」を付ける。

 「木のスマートハウス」は、エコ設計(日射遮蔽・日射熱利用・自然風利用など)によって年間を通して快適に過ごすことができ、「木材利用ポイント」対象のフローリングなどを採用している。仕様は自由設計、長期優良住宅対応で、価格は1,360 万円(税抜)~、延床面積は100.19 ㎡(30.30 坪~)。

カテゴリ: 2013年度

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「大泉学園」完成予想図

 三菱地所レジデンスは10月7日、戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を立ち上げると発表した。

 同社はこれまでも戸建住宅としては「森林公園パークタウン」(札幌市)、「泉パークタウン」(仙台市)、「金沢文庫パークタウン」(横浜市)、「井口台パークタウン」(広島市)、「ドリームズ・デザイン鷺沼公園」(川崎市)など全国で取り組んできたが、これまでに培ってきたノウハウに住まいのブランド「ザ・パークハウス」のクオリティを融合させ、戸建事業を強化するのが狙い。

 「ザ・パークハウス ステージ」は、「最高の暮らしの舞台となる街並みを実現する」という開発コンセプトのもと、「安心、安全、快適、便利、エコな街づくり」を目指す。年間400~500戸を供給するのが目標。

 第1弾として「ザ・パークハウスステージ大泉学園」(練馬区・総区画数10区画)と「ザ・パークハウスステージ下井草」(杉並区・総区画数16区画)のホームページを10月7日(月)に開設する。

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 これまで何度も書いてきたが、大手デベロッパーの分譲戸建て事業は三井不動産レジデンシャルがこれまでは独走しており、野村不動産が肩を並べようと急拡大している。このほかは2社に大きく立ち遅れており、東急不動産、東京建物、住友不動産がぼつぼつ供給する程度だ。

 しかし、住宅着工戸数からして首都圏の分譲戸建て市場は年間にして5万戸ぐらいの規模がある。うち一建設グループが30~40%のシェアを占める。徹底したローコスト住宅がコンセプトだ。一方の三井や野村は一グループとは一線を画してはいるが、これからは3,000万円台の郊外住宅も手掛けるのは必至だ。

 どうして他のデベロッパーが分譲戸建てを手掛けないのか記者は歯がゆく思ってきた。総合デベロッパーを謳うのなら、メニューに分譲戸建ては必須アイテムだと思う。三菱地所レジデンスは、ニュースリリースにもあるように「泉パークタウン」や「金沢文庫パークタウン」など素晴らしい戸建てを供給してきている。今回の「大泉学園」「下井草」は同じグループ会社の三菱地所ホームが施工を担当する。いずれも激戦地だ。どんな商品になるのか。モデルハウスがオープンしたら必ず見学してレポートしたい。

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「下井草」完成予想図

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「青山モデルハウス」

提案型の「青山モデルハウス」オープン

 住友不動産が注文住宅事業の強化に乗り出す。今期中にモデルハウスを全国で20カ所に出店する計画で、100棟体制を構築し、今期からスタートした第六次中期経営計画の期間中に年間受注棟数3,000棟の達成を目指す。その一環として9月26日、新たに「TBSハウジング渋谷」にオープンした提案型のモデルハウス「青山モデルハウス」を報道陣に公開した。

 「青山モデルハウス」は、特定の商品をイメージしておらず、これまで以上に同社の商品企画力、設計力を幅広い顧客に訴求する役割を担ったもの。個性的でモダンな外観デザインをベースに、半外空間、SPA、床暖炉、光庭を設け、人間の副交感神経を刺激する空間を提案している。

 同社の平成25年3月期の実績は受注2.389棟、今期目標は2,500棟。新設するモデルハウスは青山のほか、石巻、浦和、前橋、浜松、豊洲、札幌、津など。

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半外風呂のSPA

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 今回のモデルハウスは昨年オープンした「J・レジデンス」とは一変したモダンなものだ。プランも光庭をエントランスとリビングの境に設置したほか、床暖炉、半外風呂のSPA、ソファベッドコーナーを設けたルーフバルコニー、四を壁に囲まれた屋上ルーフバルコニーなどを提案している。延床面積は1階が175.55㎡、2階・屋上が100.60㎡。

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 SPAには驚いたが、富裕層向けにアピールするモデルハウスとしては納得できる。そのまま建てれば1億円をはるかに突破するそうだが、これも納得だ。むしろもっと自然石や天然木を盛り込んでもいいと思ったぐらいだ。

 さらにいえば、富裕層向けに訴求する商品としては、同社はまだまだ弱いと思う。高単価マンションも少なくはないが、億ションは圧倒的に三井不動産レジデンシャルに負けている。

 モデルハウスでひとつ、これはいいと思ったのは、カーテンボックスがなく、天井から直接カーテンが下げられるものだった。特許を出願中ということのようだが、マンションにも採用できそうだ。

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カーテンボックスがないのですっきりした天井になっている

住友不動産 デザインがいい注文住宅新商品「J・レジデンス」(2012/6/18)

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「無限の間」にもなる「白の間」「月の間」

 旭化成ホームズは9月25日、埼玉県さいたま市大宮に完成した「しぜんごこちの家」のコンセプトを搭載したモデルハウス「街かどへーベルハウス大宮東町」を報道陣向けに公開した。狭小敷地の3階建ての身の丈住宅ではあるが、自然の心地よさを巧みに住戸内に取り込みながら、夫婦の居場所、子ども部屋のあり方、一人で思索する場、地域とのつながりなどを様々な仕掛けで見せる盛り沢山・欲張りな家でもある。

 モデルハウスは1階が約36㎡(約11坪)、2階が約53㎡(約16坪)、3階が約41㎡(約12坪)の延べ床面積約132㎡(約39坪)。建築面積は約59㎡(約18坪)。周囲は住宅やマンションなどが建ち並んでいるどこでも見られるような地域の一角。

 テーマが面白い。名付けて「五更観月の家」。「五更」とは、夜明け前のぼんやりとした4時ごろのことをいう「戊夜(ぼや)」と同義語で、せめて家にいるときは「ON」と「OFF」を切り替えて「ぼんやり」とした時間を過ごしませんかという意味が込められている。「観月」とは文字通り、周囲に建物が立て込んでいる都会で「夜空」を眺められる空間を提案している。

 まず、自然の心地よさの提案。門柱と一部の塀には、割栗石をじゃかご風に仕上げたものが採用されていた。最近あちこちで目にかけるが、門柱に採用しているのは初めて見た。これは石のままでもいいが、土や砂などを入れれば自然に草花が生えてくるものだ。玄関ポーチはメンテ不要で30年の耐久性があるという南米・中米産のリグナムバイタ・パルサイト材を採用。

 1階は「夫婦の居場所」。ソファーコーナーと小上がりのタタミコーナーにすることで、7.2畳大の広さにもかかわらず多様な利用の仕方を可能にしているのが特徴。別に寝ることも可能だ。

 2階は「みんなの居場所」。それぞれがやりたいことをしながら一緒に過ごす団らん=「家居(いえい)」と、みんなが一堂に集う団らん=「円居(まどい)」の二つの団らんを提案したもの。クス材のキッチンテーブルは、家族だけでなく仲間とのホームパーティが開けるよう調理台や座卓にも早変わりするスグレモノだ。このほか、パソコンが利用できる文机コーナー、床上げ和室もある。

 3階は「ひとりの居場所」。二人の子どもを想定したもので、それぞれ4.0畳と3.8畳の個室とは別の勉強することを想定した3.9畳の「あいの間」、親やこどもが一人でぼんやりと過ごすことを想定した4.0畳大の「白の間」、さらには「白の間」とつながる「月の間」を設けている。

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「夫婦の居場所」について説明する旭化成ホームズ「くらしノべーション」主幹研究員・村松浩氏。右の写真はテーブルを座卓にして質疑応答の場になった「移ろ居の間」

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 住宅は平屋(フラット)が一番いいのは言うまでもないことだが、都市圏ではそんな贅沢はできない。このモデルハウスは実によく考慮された家だと思う。住居のあり方を考えさせられる住宅でもある。

 例えば「子ども部屋」を想定した「ひとりの間」。いったい「子ども部屋」の概念はいつごろからわが国に持ち込まれたものか、子どもに個室を与えることが本当に子どものためなのか、「あいの間」では子どもたちはどのような勉強をするのか考えてしまった。「白の間」もそうだ。「白」とは多様な用途に利用できるという意味が込められているのだろうが、記者は「思索の間」「哲学の間」「和合の間」「和解の間」「再生の間」「愛憎の間」「女人禁制の間」「男子入るべからずの間」などにしたら面白いと思った。「無限の間」でもある。

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床上げ和室(左)と「白の間」(手前)「月の間」

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割栗石を用いた門柱と外構

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「コモアしおつ」 「トリコパルク」街区

平均70~80坪の広さと植栽計画が特徴

  「四方津」を「しおつ」と読める人はそれほどいないはずだが、記者はパブロフの犬のように「しおつ」に条件反射して積水ハウス「コモアしおつ」を見学した。十数年ぶり、造成中を含めると5度目の見学だったが、別荘風の「トリコパルク」を含め約80haの団地を電動アシスト付き自転車で隈なく回った。

 物件は、八王子駅から約30分、JR四方津駅を降りて、全長約209メートル、比高差約89メートルを上り下りする斜行エレベータに乗って約5分の山梨県上野原市コモアしおつに位置する開発面積約80ha、予定区画数1,413区画。平成3年から建売住宅や停止条件付き宅地分譲が行なわれている。これまでに1,347区画が分譲済み。

 故・宮脇檀氏が基本設計を担当した団地として知られており、ループ状の道路、ボンエルフなど人に優しい街づくり、1区画平均70~80坪のゆったりした区画割が特徴の団地だ。管理組合を設け、共用施設の維持・管理を行なうのも戸建て団地としては先進的な取り組みだった。

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「時計のこうえん}(左)と街並み

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 団地見学会はプレハブ建築協会が9月13日に実施したものだ。記者は忙しくて参加申し込みしなかった。ところが、前日、積水ハウス「グランドメゾン狛江」を取材したとき、同社の広報担当者から「しおつ」の名が出たとき、条件反射を起こした。過去4度も取材しているように「しおつ」が好きなのだ。それでも1度は断ったのだが、当日に飛び入り参加することを決めた。バス乗り場の新宿西口に着いたのは出発予定の20分前だったが、乗り場が分からず、結局電車で向かった。

 現地に着いた11時ころにはすでに見学会は終了していた。ここで、同社から思いがけないプレゼントがあった。電動アシスト付き自転車を貸してくれたのだ。自転車などもう10年近く乗っていない。こぐのが大変だからだ。恐る恐る乗ってみたら、これが速い。団地内の公道は制限速度30キロの表示があったが、車でも追い越せると思った。

 この電動アシスト付き自転車のお陰で、徒歩なら数時間かかるはずの取材を1時間30分ぐらいで済ますことが出来た。1丁目から4丁目まで隈なく回った。その成果が写真だ。取材目的の一つだった「宮脇さんに会う」こともできた。つたない記事より写真のほうがよく分かっていただけると思う。

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外周道路と街並み

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 街路計画では、外周約2.5キロの道路はループ状にし、舗道にはボンエルフ、ハンプ、ピンコロ、インターロッキングを多用。路地空間も設置し、角住戸のコーナーにはカエデなどの色彩鮮やかな草木を配するなどデザインにも工夫を凝らしている。

街路樹・公園樹にはカエデ、ユリノキ、アメリカフウ、マロニエ、モミジ、カツラ、メタセコイア、コブシなどの中高木が植わっている。

 車の運転手には注意を促し、歩行者には絵画的な手法で魅せる、宮脇氏の遊び心を見るような団地だ。宮脇氏が手がけた代表的な団地としては東急不動産の〝アイビーとレンガ〟の「柏ビレジ」があるが、「コモアしおつ」こそ宮脇氏の集大成の団地だ。このほか、宮脇氏が手がけた出色の団地としては「ホーメストタウン八王子」「季美の森」「高幡鹿島台」「緑園都市」などがある。

 「トリコパルク」は仏語の「トリコット(編み物)」と「パルク(公園)」をあわせた造語だ。完全なオープン外構で、開放的な街並みを実現しているのが特徴。同じコンセプトの街並みは同社の他の団地でもいくつか見学している。

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「トリコパルク」の街並み

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 平成3年の分譲開始からずっと担当している同社東京分譲事業部しおつプロジェクト課長・岡本正生氏に話を聞いた。

 岡本氏は都心の青山に住んでいる。わざわざ1時間半以上もかけて四方津まで通っている。「自分で担当を志願した」。その理由を「1区画80坪という圧倒的な広さと環境に惚れ込みました。他では味わえない楽しさがあった」と岡本氏は話した。

不動産のプロの岡本氏を心酔させるしおつの魅力は記者も理解できる。1区画80坪の団地は地方には沢山あるだろうが、首都圏では昭和50~60年代にはほとんど姿を消した。平成の時代には都市型戸建てが主流になったからせいぜい30~40坪だ。

 立地を考えれば、販売スピードは驚異的ですらある。冒頭に書いたように、現在までに1,347区画成約済みだ。年間に換算すると約60戸を成約している計算になる。バブル崩壊後の首都圏の郊外団地では年間20~30戸を販売するのがやっとだったことからも、この団地の健闘がうかがえる。

 なぜ売れるのか。時代の変化に対応し、取得しやすい価格帯になってきたのが最大の理由だろう。分譲当初は確か5,000~7,000万円台だったはずだ。それが最近では3,000万円でも取得できる住戸があるという。「ここ数年は20歳代、30歳代の若い世代の購入が増えているのが特徴。大月や上野原に住む親世帯が『資金援助するからしおつに住め』と勧めるケースが多い。団地内で親子が近居するケースもある」と岡本氏は話す。

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岡本氏

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  4年前に府中から移り住んだ元システムエンジニアの65歳の居住者が、街の魅力を代弁した。

 「60年間、府中に住んでいたが、たまたまネットでみここの中古情報をみて現地見学したら、積水ハウスの営業マンに『土地も新築もある』といわれ、土地を購入しようと考えたが、面倒になり建売住宅を買った。値段も4,000万円を切っていた。府中の家もまあ広かったが、夏の西日で室内は50度になった。ここは西側に山があるので西日も入らない。快適だよ。ここは塀がないのもいい。不便? 新宿まで70分、住めばどういうことはない」と。

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 今後、この街がどうなるのかも大きな関心事だ。街づくりは最終段階に入った。街の管理は積水ハウスが支援し、管理組合や自治会が中心になって進めていくのだろうが、果たして持続可能な街として機能するかどうか。

 岡本氏や住民、市役所などに聞くと、この街は人口も増加しており、隣の大月市民にも人気だという。しかし、高尾あたりの昭和の時代に建設された大規模団地は居住者の高齢化が進み、空き家の発生やコミュニティの崩壊も懸念されている。「しおつ」も成り行きに任せれば、この問題に突き当たるのは必至だ。

 積水ハウスは「まちづくり基本方針」として「環境マネジメント」「経済マネジメント」「生活マネジメント」「タウンマネジメント」の4つを掲げる。「経年美化」の看板が評価されるのはこれからだ。

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「斜行エレベータ」(同社ホームページから)

カテゴリ: 2013年度

優秀賞モデルハウス上棟式に150組・450人が参加

 

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「パレットコート六町」で行なわれた上棟式イベント

 

 ポラスグループの中央グリーン開発831日、先に同社が行なった「子育てママの理想の家をつくろう!」コンペ大会で最優秀賞に輝いたプランのモデルハウス上棟式イベントを、現在分譲中の足立区の戸建て団地「パレットコート六町」で行なった。入居者や近隣の親子連れなど150組・450人が集まり、餅撒きや日曜大工体験、交流会、マルシェなどを楽しんだ。

 コンペ大会は、地元の「NPO子育てパレット」と共同で立ち上げたプロジェクトで、「パレットコート六町」を舞台に9人の現役ママが 4 チームに分かれ「子育てママの理想の家」づくりに挑戦、プロの設計士の手を借りながら最優秀賞を競うもの。最優秀賞には1階を「華」に見立て、おもてなしの空間とし、2階を「癒」のプライベート空間とした「Give Take」を提案した宮下記子さんと加藤圭さんのチームが受賞。このプランを団地内に建設して、モデルハウスとして利用されたのち建売住宅として分譲される。完成は11月の予定。

 

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「パレットコート六町」

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 別の用件があったので、駆けつけたときには上棟式は終わっていた。上棟式といえば、記者が小さい頃などは「餅撒き」が楽しみだった。上棟した建物の上に大工さんや施主が上り、紅白のもちや〝ご縁がありますように〟という意を込めて5円玉などの小銭(われわれの時代には1円玉もあった。つまり1円がキャラメル代になったので流通していた。10円玉もまれにあった)が撒かれた。拾うのは主に子どもだが、集落の大人もみんな集まった。

 このほか、葬式でも運動会の玉入れの籠のようなものから小銭が撒かれ、子どもたちが拾い集めた。結婚式では石ころや材木を道路上に置き、お嫁さんが通れないように「垣」をしたものだ。垣を先導役が取り除くのだが、艱難辛苦を乗り越えて嫁いでいくようような願いが込められていたのだろう。このように冠婚葬祭は村のコミュニティを支えていた。こどもはこのような行事を通じて社会を理解していった。例えば葬式の小銭撒きでも、世帯主などの大黒柱が亡くなった場合は撒かれなかったから、子どもでもその家の死者の位置を知ることができた。小銭の額でお金持ちか貧乏かを判断したものだ。経済を学び、不平等社会を学んだ。

 いまはこのような行事はほとんど行なわれなくなっただろう。ポラスでも上棟式で餅や小銭を撒くケースは皆無ではないが非常に少ないという。

 コンペ大会の責任者、ポラスグループの中央グリーン開発取締役事業部長・戒能隆洋氏は「これまで分譲した158棟のうち127棟が入居済み・契約済み。街並みが整ってきたことで成約スピードもあがってきた。8月は11戸が成約できた。このようなイベントを行なうことで地域コミュニティが形成されることが嬉しい。商品開発にも生かしていきたい」と話した。

 

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地元のフラダンスのサークルも参加            日曜大工の体験コーナー 

ポラス 「子育てママの理想の家」コンペ大会

カテゴリ: 2013年度
 

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