第26回RBA野球開幕へ わがチームの抱負、新戦力は 水曜ブロック
抽選会場(ヒルトン東京で)
第26回RBA野球大会が開幕する。水曜ブロックは6月18日から、日曜ブロックは6月22日から。先日(12日)に行われた抽選会場で拾った各チームの声を紹介する。いつものような参加者はお酒も入っており、どこまでが本音で、どこからが三味線か大口かは不問にする。戦力分析の参考にはなるはずだ。【 】内は記者のコメント。(順不同)
三菱UFJ不動産販売(荒川監督、佐藤、石本)
「今年は大丈夫。若返りを図った。新卒8名が入った。決勝T進出間違いなし。石本は投げない。やってみないと分からないところが問題」(荒川)【若返りを図ったというが、課題の投手難は解消されているのか】
積水ハウス(小田部長、堀田、田口、坂本、佐川)
「野球? 見るのが好き。中日ファン。データ野球を目指す。ルーズヴェルトベースボールです。8-7で勝つ。応援? もちろん。京葉支店の生田? 田口とのトレードを申し込んでみようか」(小田佳明部長)「新戦力を補強した。創価大のルーキー。ヤクルト小川の後輩。坂本より上。坂本は結婚したからダメかも。期待していない」(堀田)「僕の肩が治った。投げるかも」(坂本)【小田部長が直々出席。やる気満々とみた。創価大はどんどんレベルが上がっている。やる気を見せる坂本も不気味】
ケイアイスター不動産(渡部、島田、豊川、露木、津田)
「高校野球経験者ばかり6人の新卒が加わった。ドーム間違いない。杉山監督? 今日は仕事」(渡部)【昨年は旋風を巻き起こした。フロックではない。間違いなく4強狙える】
日神不動産(小鯖、稲村、柳原、土井)
「まずは1勝。津端? 55歳。最年長勝利投手の記録達成にわれわれが援護する」(参加者)「投手? 言えない。僕が投げるかも」(柳原)【かつての剛球投手・柳原もかつて昔。投手不足は否めない】
リスト(舟山、山中、早川、岩島)
「勤務の関係で出場できるかどうか分からないが、秘密兵器がいる。名前? 言えない。7~8年前の東京代表として甲子園に出場している。僕と2人で投げる」(舟山)「彼はいい。オールマイティ。投手としては八筬さんより上かも」(岩島)【毎年、あと一歩でドームを逃している。秘密兵器がでられるのかどうか。参加者の口ぶりからすると参加できないのでは】
住友林業(大坂、石井、石井)
「鈴木監督? 今日は仕事。僕? 北海道から日帰りで参加できる。初心に帰って投げる。捕手に僕と同姓の21世紀枠で甲子園に出場した千葉・安房出身の石井が入った。どうして黒いかって? 毎週、地鎮祭ですからね。年間50件受注が目標」(石井)「安房高校は100年の歴史があります。私は安房から中大へ進みました」(石井捕手)【みんな鈴木監督に似てきた。どこまでが本当やら嘘やら。石井捕手の加入だけは本当のようだ。動きが鈍くなってきた鈴木監督よりは間違いなく上。捕手が固定できたのは大きい】
セキスイハイム不動産(茂田、柳川、山本、久保田)
「そこそこ若手がいるが、戦力は変わっていない。組み合わせ次第」(参加者)【戦力は変わっていないようだ】
総合地所(石井、横山、岡村、橋戸、安藤)
「投手? 長島だけ。エラーが少なくなってきたのが好材料。『白岡』のマンションが好調。『中延』ももうすぐ発表できる」(石井)【マンションの発表会はしっかりやっているが、野球は今年も苦戦か】
東京建物不動産販売(中根、杉本、小林)
左から中根、杉本、小林さん
「若手は入ったが、生出が東京建物に異動になってしまった。代わりの投手? 養成するしかない。今年は一か八かだ」(参加者)【生出がいなくなったらもとのチームに逆戻り必至】
「今年は野球チームの方々と一緒。よい組み合わせになるよう応援します。ブッフェの方はもっとスイーツを増やしてほしい」(東建不販買替相談センター・小林さん)
スミカ(勝村、西條、時津、川口、好口)
「優勝いけます!新卒で日体大硬式野球部のエース小澤と元全日本の4番齋藤(日体大卒)が入社しました。小澤さんは130~135km/h。齋藤さんは京都外大西高校で1年のとき甲子園出場経験あり」(勝村)【味戸社長からはそこまで具体的に聞けなかったが、これは大変な選手が加入したようだ】
野村不動産パートナーズ(白戸、石田、鶴見、紅露、鳥谷)
「合併したので、それがいい方に傾けばそこそこ行けるだろう。個人的には、自分の役割に徹します」(白戸)【野村リビングサポートと野村ビルマネジメントが合併し、野村不動産パートナーズが新社名に。合併効果がどこまで】
オープンハウス(佐藤監督)
「新人は5人加入して層が厚くなり打撃力が大幅アップ。秘密兵器の投手も軟式に慣れさせるため予選から使っていきます。川崎投手もさらにレベルアップしそうで今年は楽しみ」(佐藤監督)【いつも控えめなコメントが多いが、この日は強気な発言。レギュラーはガラッと変わるようだ】
三菱地所ホーム(大島、新井、長野)
「鈴木監督が異動で参加できなくなった。若返りを図ったので今年は強い」(参加者)【鈴木監督がいたからこそ試合になったチーム。その鈴木監督が抜けて強くなれるか】
住友不動産販売(古賀監督、越智)
村田さん(左)と山口さん
「初戦で旭化成ホームズさん。敗者復活に賭ける」(古賀監督)「昨年の新人がひとりもやめていない。創部以来、初めて」(越智)(古賀監督)【強豪ばかりのグループ入りがどうか】
「女子会、最高! 是非次回もあれば参加したい。今回は抽選会と合同開催になってしまったので前回より委縮してしまう雰囲気でした。女子会は女子会でやってほしい。あと前回スパークリングがあったのですが、今回なかったので復活してほしい」(高田馬場センター・清水さん、笹部さん)「女子会は初めての参加。営業さんがわざわざ招待券を持ってきてくれたので参加しました。もっとこじんまりしていると思ったけれど盛大・豪勢で驚いています」(宮崎台営業センター・山口さん、村田さん)【今回の主役は選手。記者は女子会も取材したかったが、時間がなく全くできなかったのが残念。スイーツやら飲み物の注文を忘れないのはさすが女子会】
積水ハウス京葉支店(遠藤次長、堂原)
「えっ、積水ハウスの田口とうちのエース生田のトレード? とんでもない。今年は本気で死ぬ気で戦います」(遠藤次長)「1年のブランクがあるが、顧問の遠藤次長に参加してもらった」
東急リバブル(大槻監督)
「中途採用がひとり、新卒が2人が加入予定。いいチームになってきた」(大槻監督)【D3カップ戦では鶴巻、谷貝とも三井不動産リアルティに四死球から失点。打線はどこからでも好機つくれる】
旭化成ホームズ(山本監督、今野)
総合優勝カップを受け取る山本監督
「楽しみな新人も入った。昨年よりさらに強くなっている。今野の先発は状況をみて」(山本監督)「35歳? 松坂は1歳下。まだまだわれわれの世代は元気。5回が限界? たまたまそうなっただけで年齢ではない」(今野)【山本監督がいうように今年も優勝候補の筆頭。穴がない。今野の連投はないはず。25回大会決勝戦で最後に投げた篠永が先発するはず】
エイブル(堀内、相川、富島、荒川、津田)
相川
「ヤバイ! 今年4人入った。荒川、海野の時代じゃない。本格派が入った」(参加者)【荒川兄を上回る投手だと前進は可能だが】
三井不動産リアルティ(吉田、石谷、神、西田、平賀、安田)
「D3カップは裏街道。これからが本戦。勢いに乗りたい」(吉田)【D3では東急リバブルを一蹴。ムードはいい】
大和ハウス工業(大原監督)
大原監督
「今年の目標は決勝Tに行くこと。新戦力は野手2人」(大原監督)【トミーの出番はあるのかないのか。欠場だと苦戦必至】
ミサワホーム東京
どこのチームでしたかね(思い出せないのだから、きっと強くないチーム)
北京大付属小学校の訪日団
第26回RBA野球大会〝死のグループ〟続出 波乱含み 予選組み合わせ
393人が参加した抽選会(ヒルトン東京で)
第26回RBA野球大会抽選会が6月12日行われ、予選トーナメント・敗者復活戦の組み合わせが決まった。水曜ブロック・日曜ブロックとも強豪チームが同じグループに入るケースが多く、サッカーWカップ以上の〝死のグループ〟が続出した。以下、組み合わせから戦線を占った。ただ、コメントを取れなかったり欠席したチームもあり、情報は十分ではなく、〝当落〟予想は大きく狂う可能性が現時点ではある。会場で拾った各チームのコメントは改めて紹介する。
水曜ブロック予選組み合わせ
水曜〝当確〟は旭化成ホームズ、三井リアルのみ 他は大混戦
【Aグループ】
戦績からはエイブル、積水ハウスが力上位だが混戦。エイブルは新人4人を補強。抽選会参加者は「ヤバイ!」(危ないという意味か)と叫んでいた。新人が荒川兄に代わって投げるか。
積水は、東京中央支店本店部長・小田佳明氏が直々出席。創価大卒のルーキーを補強したと語った。坂本も「肩痛が癒えた」と先発に意欲を見せている。
この2チームを野村不動産アーバンネット、伊藤忠ハウジング、ちばリハウスが追う展開。野村アーバンは調整が順調のようだ。伊藤忠は波があるが、ここなら勝ち上がれる力がある。ちばリハウスは情報がないが、エース篠原が頑張るか。長谷工グループら他もチャンスがないわけではない。
【Bグループ】
王者・旭化成ホームズの優位は動かないが、ドームを狙えるケイアイスター不動産、住友林業が入ったことで、大激戦区に。ケイアイスターと住林が初戦で対決し、勝ったほうが旭化成とシード権を獲得しそう。
3強を追うのが住友不動産販売。選手が揃うかどうかがカギだが、相手力関係から決勝T進出の可能性は大きい。ここ数年力をつけてきた東京建物不動産販売は生出が東京建物に戻ることが決定。投手の穴が埋まりそうになく苦戦か。しかし、敗者復活の組み合わせ次第で他が漁夫の利を占めることもありそう。
オークラヤは小森が投げられないとみた。総合地所、三菱UFJ不動産販売、パナホームは戦力不足。敗者復活でどこが1勝をあげるか。
【Cグループ】
三井不動産リアルティが優勢。D3カップで東急リバブルに快勝したように調子はよさそう。エース水野は安定感が増した。打線も上下くまなく打つ。
三井リアルを追うのは東急リバブルか。投手難は相変わらずだが、若手が成長している。新人は未知数。
決勝Tへ残りの2つの座をミサワホーム東京神奈川、ナイス、スミカで争う。スミカは不動産健保大会で上位の成績を残しているだけに不気味。いきなり決勝T進出もゆめではない。しかし、ミサワ神奈川、ナイスもチームが若返っており、差はない。
三菱地所ホーム、日神不動産は強気な発言をしていたが、チーム力が一変しているとは思えない。
【Dグループ】
4強どころかドームも狙える積水ハウス京葉、リスト、オープンハウスが同じ組に入った。W杯の〝死のグループ〟を上回る激戦区。積水京葉は技術次長・遠藤順一氏が参加。積水ハウス小田部長の生田と田口のトレード打診を拒否。勝ちに行くと宣言。
リストは、舟山投手が「僕より上」と言えば、岩島は「八筬さんよりすごい」と絶賛した新人が加入。「7~8年前に東京代表として甲子園に出場した秘密兵器」としか明かさなかった。
オープンハウス田中監督は「レギュラー総入れ替え」といつになく強気発言。戦力アップを強調。社会人野球の東京ガスからも補強した。
この3強が星のつぶしあいを演じれはミサワホーム東京、ポラスにもチャンス。ほかはやや戦力不足とみた。
日曜ブロック組み合わせ
日曜 順当ならケンと清水が予選で激突 Bグループは3強の死闘必至
【Aグループ】
昨年の優勝チーム、ケンコーポレーションと準優勝の清水建設が順当に勝ち進めばシード権をかけて戦う。清水としては雪辱したいところだろう。小笠原をあと一歩まで追い詰めた経験が生きるか。ケンは受けて立つか。勝つ野球を知っている。ただ、小笠原は以前ほどストレートに威力がなくなり、変化球に頼る場面も多く見られるようになって来た。不安がないわけではない。
あとは混戦だ。安田は慶大卒の新人が加入。ナインは強気な姿勢を見せている。鹿島はエース豊田が異動。大幅戦力ダウン必至。高原がどこまで踏ん張るか。
初陣日駐にもチャンス。八戸学院の新人が軟式に慣れれば予選突破は十分とみた。ほとんどが野球経験者。ポラスは地力があるが、高齢化が進んでいるのがどうか。東急不動産は、新監督に佐藤氏が就任。ユニフォームを赤に変え意気込んでいるが、ムードメーカーの熊本が関西に異動。「ベンチが静かになるだけ」と強がった。打線が音なしにはならないか。
東京建物は東建不販に出向していた生出が復帰。ムードはいいが、初戦にケンと戦う。出鼻をくじかれそう。久々復帰のコスモスイニシアは戦力未知数。
【Bグループ】
ここも〝死のグループ〟3強のタイセイ・ハウジー、三井不動産、青山メインランドの死闘が演じられそう。タイセイは4人の新人を補強。名門・金足農出身を含む2人は投手。投手難の解消が図れれば上位をうかがえる。
三井不動産は選手が揃えば4強入りができる底力がある。相澤次第か。青山メインは昨年、ケン小笠原をあと一歩まで追い詰めた。補強もできているようで、ドームを狙うか。
3強が揃ったことで他は厳しい戦いを強いられそうだが、展望がないわけではない。サンフロンティア不動産はドラフト候補にものぼったという鹿児島工業の新人内村の補強に成功。虎視眈々と決勝T進出をうかがう。
三菱地所、旭化成リフォームも戦績だけは見劣りしない。戦力が整えば無視できない。7年ぶり復帰の明和地所は藤縄専務の60歳越えの最年長勝利投手が悲願だそうだが、相手が悪いか。菱重エステートはムードはいいが、選手の高齢化が進んでいる。三菱地所リアルエステートサービスもこのメンバーでは苦しいか。
吉田審議官から感謝状を授与される左から丹下氏、細包氏、(吉田氏)、飯野氏
日中友好だ NITTYU(日駐)だ 4強入りするぞ 日駐がRBA初参加
木田監督(左)と石郷岡氏
本日行われる第26回RBA野球大会抽選会にもっともふさわしいチームが参加する。今年初参加する日本駐車場開発だ。RBA野球の総合優勝戦は「中国大使杯」の冠がついている。本日の抽選会にも中華人民共和国駐日日本国大使館からも汪婉駐日大使夫人や北京大学付属小学校の生徒も参加する。
日本駐車場開発のチーム名はそのものズバリ「NITTYU(日駐)」。「日中」は「NICYU」と綴るのだろうが、発音は同じだ。日中友好が求められているいま、これほどふさわしいチームはない。
前置きが長くなってしまった。日駐は昨秋チームを立ち上げたばかり。監督を務める木田晴孝氏(31)は同社の都心五区にある支社のうちの一つ「中央支社長」だ。「3年前から新卒採用を年間100人に増やしており、会社もチームも若い。野球部は25~26人ですが、平均年齢は25歳くらい。レギュラーはほとんど高校、大学の経験者。RBAチームとの対外試合はやったことがないが、月1~2回は練習を積んでいる。投手を中心に守りのチーム」と話す。
エースは八戸学院大卒の硬式の3番手とか。同大学卒のプロ野球選手では西武の秋山、楽天の塩見らがいる。2番手は千葉工大の硬式出身者。木田氏は高校までしかやっていないが、出身は関西の名門・関西学院大学。インタビューの受け答えは理路整然、決して30歳には見えない只者ではない頭脳の一端を垣間見せた。社長が聞いたら泣いて喜ぶのは間違いない。
スポークスマンを務めるのは石郷岡(いしごおか)龍一氏(24)。東京出身だが、父親が青森県出身でこのような珍しい苗字になっているとのことだ。高校は都立だが、大学は帝京大でサークルで活躍したとか。外野で守備と肩には自信があるという。
◇ ◆ ◇
不勉強で申し訳ない。車には乗らないし、どうして駐車場事業の会社が株式の不動産ポストに入っているのかも理解できない。
木田氏がその疑問に完璧に答えてくれた。木田氏によると、同社は単なるマンションなどの平置き駐車場の管理や運営ではなく、都市部のビルなどの付置義務の駐車場の運営が中心で、足りていないところや余っているところなどのギャップを埋めるソリューションビジネスを展開している会社だ。建物などの不動産の活性化ビジネスともいえるので、不動産ポストに入っているようだ。コンサルティング事業にも力を入れており、オーナー、借り手、株主、同社社員などすべてが〝三方よし〟の「ハッピートライアングル」を企業理念に掲げている。
ホテルのホスピタリティにも傾注しており、ウェスティンやキャピトル東急、丸ビル・新丸ビルの車寄せは同社社員が担当しているという。
今後急速に増えそうなマンションの空き駐車場問題にも取り組みを開始し、昨年度は10数件だった受注が今期は3倍増の36件に達している。年間の問い合わせは100件に達しており、今後の伸びを期待している。
◇ ◆ ◇
木田氏、石郷岡氏の話を聞いた限りでは、日曜ブロックの4強入りはともかく、予選突破の力は十分あるとみた。木田氏は「まず1勝。決勝トーナメントに進み、1勝すれば4強ですよね」と、知らないものの強みか、強気発言も飛び出した。エースは八戸学院の3番手というからこれは相手チームにとっては手ごわい。「まだ軟式に慣れていない」(木田監督)の言葉を信じよう。
日駐のナイン
スミカ 水曜ブロックに参戦 健保大会3位の実績 予選突破の力あり
味戸社長兼監督
第26回RBA野球大会に分譲・仲介・高齢者向けを展開するスミカが参戦する。同社社長兼野球部監督の味戸吉春社長に話を聞いた。不動産健保大会で過去3位、オープンハウスにも最終回までリードしていたことがあるというから、参戦する水曜ブロックでは決勝トーナメントに進出する力は十分と見た。
まず参戦の理由。「選手の高齢化が進んでいまして、3年計画で若返りを図ろうと考えています。RBAに参加してうちの力量がどのあたりか体験したい」とのことだ。
さて、同社のチーム力はどのあたりか。味戸社長は、「不動産健保大会にはずっと参加していまして、4年前にはタイセイ・ハウジーさんに準決勝戦で敗れ、3位決定戦でエフジェーネクストさんを破り3位というのがこれまでの最高成績。一昨年は川崎さんを擁するオープンハウスさんにも最終回までリードしていたのですが、確か川崎さんに逆転の本塁打を喰らって負けました・ケン・コーポレーションさんには全く歯が立たない」と話した。
オープンハウスとの戦いは記者も少し知っている。スミカさんには悪いが、あの時オープンハウスは主力メンバーを欠いていた。まともに戦ったらオープンハウスが力上位だろう。「守りのチーム」だそうだ。
しかし、エフジェーネクストを破ったこともあるようだから、相当の力はあると見た。もちろん抽選次第だが、予選を突破する力は十分ありそうだ。味戸社長は「私からは大きなことは言っていませんからね」と何度も念を押された。これからは「仕事も野球もできる人材を採用していく」と語った。
これぞ記者冥利 11件の取材のうち4件がRBA関係者
当時のRBAタイムズ(第2回大会。破った相手は何と旭化成ホームズ)
月並みな言葉だが、記者冥利に尽きるとはこのようなことを指すのだろう。5月26日から6月2日までの約1週間の間、記者は11件の現場取材をした。何と、このうちの4件でRBA野球関係者に会い、話を聞くことができた。
◇ ◆ ◇
まず2日。大和ハウス工業と伊藤忠都市開発のJVマンション「プレミスト浦和常盤」を取材した。対応してくれたのは販売を担当する伊藤忠ハウジング営業統括部 営業統括課・大倉嘉隆選手だった。チームの主砲だ。
大倉選手は、かつてのRBAを代表する城西大卒のスラッガー杉山選手の後輩で主砲。〝城西大四天王〟の一人だ。杉山選手は4年前、40歳にして同社営業統括部長に就任。野球ではレギュラーの座は危うくなってきたが、マンション販売は絶好調。このマンションも「大倉、大出が担当している。是非見てほしい」と言われて見学した。早期完売間違いなしの好物件だ。
大倉選手
その翌日の27日。三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ駒沢ザレジデンス」の記者発表会に参加した。住戸内の空間を自由に変更することができる「KANAU PLAN」を同社が開発し、その第一弾としてこのマンションに導入するというものだった。
記者は他の取材も入っており、遅れて参加した。用意されていた椅子の最後列に座った。どこかで見たような人が物件の説明を行なっていた。渡された資料には、同社の「横浜支店事業企画室主任川崎総一郎」とあった。そのとたん、チームを引っ張っていた俊足巧打の慶大野球部出身の川崎を思い出した。先頭として出塁すると難なく2盗、3盗を決めた。
もう30歳近いはずで、若いときのような活躍は望めないだろうが、本業で頑張ってくれればいい。徳川支店長に頼んで東邦出の山際を出場できるようにしてほしい。
「駒沢」マンション発表会で(中央が川崎選手)
2度あることは3度ある。今度は5月29日に行われた三菱地所レジデンスの中小ビルリノベーション事業第一号物件「神田」の記者発表会だ。築40年のビルを約15万円/坪(総額約1,500万円)の耐震補強・リノベーション費用をかけて賃料を従前より50%アップし、ほぼ満室稼働した案件だ。
ここで、事業者として説明したのが、同社リノベーション賃貸事業部資産活用室資産活用グループ・明嵐(めあらし)二朗氏だ。明嵐氏は「神田は食・住・商が混在する一方で、後背地などは土地の細分化も進み、大型の再開発が困難な地域。これらを再生・支援する意義は大きい」と、実に頼もしい挨拶をした。
明嵐氏はかつての三菱地所の黄金期の主砲だった。もう40歳を越えたはずで、試合には出場していないが、こうした事業こそが同社の業績を支えているし、確固たる基盤をつくるのだと記者は信じている。
明嵐氏
これで終わらないのがRBAのすごいところだ。6月2日。大成有楽不動産の「オーベル若葉台レジデンス」を取材したときだ。同社の広報担当者から販売を担当する大成有楽不動産販売の方を紹介された。「ン? 」どこかで見たような気がした。名刺を見た。「輿水(こしみず)光樹」とあった。
かつて昔だ。輿水氏こそRBAの草創期の〝ミスターK〟だ。有楽土地住宅販売のエースとしてチームを引っ張った。当時強かった大京、力建などにはかなわなかったが、8強の中では力上位だった。輿水氏は選抜チームの選手に選ばれ、オーストラリア遠征にも参加している。
◇ ◆ ◇
今年でRBA野球大会は26回目を迎える。記者は第3回大会から取材を始めた。きっかけは、不動産氷河時代を迎え、明るい話題を提供したかったからだ。もうひとつ、記者の狙いがあった。それは、昔々、土俵の鬼と呼ばれた元横綱・初代若乃花が「土俵には銭が埋まっている」という名言を吐き、これも昔々、南海の鶴岡一人監督が「グラウンドには銭が落ちている」と語ったことを記者は実践しようと思ったからだ。
もちろん相撲取りや野球の選手になろうという意味ではない。「グラウンドには取材ネタが落ちている」-つまり、勝った負けたを単に報じるのではなく、力のある選手を時にはけなし、弱小チームを叱咤激励しエールを送り、感動を伝えれば、10年先、20年先には選手は本業でもそれなりの立場に立つだろうから、黙っていても苦労などしなくても特ダネをものにできるだろうし酒も飲めるだろうと考えた。軽薄短小を地で行く記者だが、このような深謀遠慮の迂遠な計略を練っていた。
いま、その狙いは的中した。11件のうち4件もRBA野球関係者がかかわっているのだからこんな楽しい取材はない。かつて先輩記者は「俺はグリーン上で記事を書く」と豪語し、ツアープロのように毎週、つまり年間50回くらいの接待ゴルフをこなした。記者は23年間ずっと年間にして100回くらいの試合を取材してきた。記者としてどっちが勝利者かは言うまでもない。
第26回大会がいよいよ始まる。老骨に鞭打って頑張りたい。
東急リバブル仕上がる マンション絶好調の伊藤忠ハウジング野球は?
東急リバブル 試合前のミーティング(対する伊藤忠は選手が集まったのはそれから10分くらい後。昨日、虎ノ門でばったりあった面高スポークスマンは遅刻)
第25回RBA野球大会総合優勝戦が行われるこの日5月14日、水曜ブロックの東急リバブル-伊藤忠ハウジングのオープン戦が行われた。試合は7回まで12-1でリバブルが圧勝。三井不動産リアルティとの「D-cup」優勝戦をにらんで完全に仕上がった。谷貝-藤巻の2枚看板が1失点に抑えた。
昨年4強入りを果たした伊藤忠ハウジングは、神-渡辺-(不明)の3人が投げたが惨敗。まだまだのようだ。
リバブル大槻監督は、「3月から始動した。三井不動産リアルティさんには昨年負けているので何とか雪辱したい。その準備は行ってきた。旭化成ホームズさんには先の決勝戦も見学させてもらった。みんな、旭化成さんはどうして負けないのかを学んだ。いいチームに育ちつつある」と、いつでも開幕OKの様子だった。
対する伊藤忠ハウジングはマンション販売が絶好調のようだ。引退の気配を全く見せない杉山部長兼野手は、「『目黒不動前』はあと1ケタ。今週で完売するかも。『原宿』も早期完売。『南砂』も完売した」と上機嫌。「大倉と大出が担当するピン立地の『プレミスト浦和常盤』をぜひ見てほしい。北浦和5分で245万円。これはいける。『綱島』もよかったでしょう」と宣伝も忘れない。
予選で敗退したら「仕事が忙しいからと」戦う前から早くも言い訳を用意しているということか。
伊藤忠ハウジング大倉(左)と大出(「浦和」は必ず見学します)
差し渡し3mはありそうな神宮外苑軟式野球場の大銀杏(根元にあるのはリバブルさんのノックバット。みなさん、円周の計算の仕方はご存じか。直径×πですよ。つまりこのイチョウは胴回り10mはあるということ。わが国の記録では22mという巨木が青森にあるということです。わがRBAの胴回り最大は三菱地所リアルエステートサービスと野村不動産パートナーズの同姓の榊監督。間違いなく120㎝はある。年々成長しているようだ)
第25回RBA野球総合優勝戦 どっちも勝て 記者の〝勝って〟予想
旭化成ホームズ(水曜)-ケン・コーポレーション(日曜)
旭化成がやや優勢
旭化成ホームズ今野投手
日程の都合で越年決戦となった第25回RBA野球大会総合優勝戦が5月14日(水)、東京ドームで19:30に行われる。対決するのは2年ぶり13度目の水曜ブロックの優勝を決めた旭化成ホームズと、3年連続11度目の日曜ブロック優勝を飾ったケン・コーポレーション。果たしてどっちが勝つのか。記者の〝勝って〟予想-。
試合時間2時間がどちらに味方するか
両チームの総合優勝戦での対決はこれまで5度あり、すべて旭化成が勝っている。今回も戦力的には旭化成が勝りやや優勢と見た。ただ、総合優勝戦の試合時間は各ブロック優勝戦の1時間30分ではなく2時間。この30分の時間延長がどちらに味方するか微妙。双方のエースが体力の不安を抱えるからだ。
まず旭化成。先発は35歳になったとはいえ、常勝軍団のエースの座を守り続けてきた今野であるのは間違いない。先に行われた水曜ブロック優勝戦でもオープンハウス打線を5回被安打2、奪三振6、与四死球1とほぼ完ぺきの投球で完封した。
ストレートの威力はさすがに衰えたが、多彩な変化球はさらに磨きがかかっている。ストレートを見せ球に、針の穴を通すコントロールで相手打者を翻弄する。
しかし、その今野にも弱点がある。ここ数年は5回あたりから痛打を浴びる場面がしばしばみられるように、体力に不安がある。序盤に味方打線の援護があればともかく、緊迫した試合展開で投げられるのは5回までとみた。
試合時間にもよるが、2番手として登板しそうな平山は立ち上がりに不安がある。若手の松尾は制球力がついてきたが、果たして大事な試合の後半を抑えられるか。山本新監督が「将来のエース」と期待する川之江-中京大卒の篠永(25)の登板もあるか。
打線は若手が元気だ。山本監督の若返り策が成功した。水曜ブロックで本塁打を放った松井をはじめ原田、横田、池田ら新人が主軸を打つ。ベテランでは久保田がいい働きをしている。決勝戦でも2安打を放っている。強肩の津久井捕手も下位を打つが打力がある。
心配なのは北寒寺だ。決勝戦では全くいいところなく3打席とも凡退した。守備はプロ級だが、打力は年齢か仕事が忙しいのか衰えは隠せない。長打力のある大久保はすっかり鳴りを潜め、巧打者の佐藤も新人にレギュラーの座を脅かされつつある。
同社の前期の業績は絶好調だが、消費増税の反動を最小限に食い止めようと仕事は多忙を極めているはずで、その影響も懸念材料の一つではある。山本監督は就任1年目で優勝を飾ることはできるか。
ケン・コーポレーション小笠原投手
やや劣勢のケンコーポは、旭化成には5連敗しているだけに何とか雪辱したい。田辺監督は奇策に出るタイプではない。真っ向勝負に出ると見た。エース小笠原がどこまで踏ん張れるかだ。
小笠原は体調が万全なら旭化成打線を完璧に抑える力はある。しかし、最近は子育てに忙しいのか慢心なのか、球威不足からつるべ打ちにあった試合もある。決勝戦でも4回を完ぺきに抑えながら、5回には3本の2塁打を含む5本の安打を浴び4失点した。ストレートに球威がなければ並みの投手だ。1カ月の間隔でどこまで調整してくるか。常識的には5回が限度だろうが、小笠原は短期間で見違える投球をしたこともある。
小笠原が崩れたら2番手が難しい。大原は抑えて1巡目までだろうし、かつてのエース笠では1回持つかどうかだろう。元社会人の選手が加入したという噂も聞いたが、果たして選手登録してくるのか。投手ではなさそうだ。
打線はしぶとい打者が揃っている。もっとも期待がかかるのが先頭打者の小田だ。今野を攻略し、味方打線に火をつけたい。〝当たり矢〟矢澤も不気味な存在だ。矢澤は足もある。出塁して足でかき回す場面があれば面白い。羽中田捕手はリードに負担がかかるが、打線の核でもある。ベテラン金子は歳を取るごとにうまくなってきた。大試合にも強い。
今野のカウント稼ぎの球に狙いを定め活路を開きたい。笠、朝日ら下位打線がチームバッティングに徹すれば好機は広がる。チームを温かい目で見つめ続けてきた故・田中健介会長の弔い合戦でもある。
業界の浮沈・盛衰を映す鏡 25周年を迎えたRBA野球大会
「住宅-不動産-建設業界に横串を通した」久米大会委員長
RBA野球大会は住宅・不動産業の浮沈を映す鏡-今年で25回目を迎えたRBA野球大会がスタートしたのは平成元年。バブルの真っ最中だった。しかし、平成2年9月、バブルは一挙に崩れた。株価は下げ基調で値がつかず、マンションの売れ行きもばったり止まった。投資用マンションは市場そのものがなくなった。解約が相次いだ。それでもRBAは一度も中止することなく開催を続けてきた。これまで参加したチーム(企業)は約170チーム(企業)にのぼる。数々のエピソードを交えながら大会の歴史を振り返ってみた。
大会がスタートしたのは平成元年。主催したのは第三企画。久米信廣・大会委員長(第三企画社長)は、「不動産関連の仕事をしていて、何とか業界の役に立ちたいと考えて野球大会を思いついた」と開催を決断。「金儲けと取られるのが嫌で、社員には一切営業の話をするな、第三企画が何の会社かわからなくてもいい。ただただ住宅、不動産、販売、仲介、建設などバラバラだった業界に横串を通したくてがむしゃらに突き進んだ」と話す。スタッフは朝から晩までグラウンドに立ちつくした。
第1回の参加チームは約50。大手デベロッパーからハウスメーカー、流通会社、大手ゼネコンをはじめ、いわゆる街の不動産屋と呼ばれる中小も参加した。このような住宅-不動産、さらには建設業まで巻き込んだ業界を横断するイベントはもちろん初めてだった。
これ以上ない順風満帆のスタートを切った。そして、その翌年、バブルがはじけた。舞台は暗転した。しかし、ほとんどの業界人は「そのうち元に戻る」と高を括っていた。まさか土地神話が崩れ、今日まで20年以上にわたり右肩下がりの経済が続くとはだれも思わなかった。
それでも、平成4~5年まではまだバブルの余熱が残っていた。参加チームも出入りを繰り返しながら毎年50チームぐらいが参加していた。退場を余儀なくされたチームは経営そのものが危うくなり破たんした会社や新規採用がなく選手の高齢化でチームを維持できなくなったところだ。
主だったところを列挙する。第1回大会に優勝するなど第9回大会まで出場し、4度の総合優勝を飾った大京。〝左殺し〟の異名をとった山本雅夫氏(南海-巨人-近鉄)が4番を打ち、首位打者のタイトルホルダー長崎慶一氏(大洋-阪神、元荒川区議)や盗塁王の屋鋪要氏(大洋-巨人)も選手&コーチとして在籍していた。その大京も第10回大会から姿を消した。
マンションデベロッパーの力建も草創期のRBAの大立役者だった。明大の硬式野球部出身者でチームを構成し、社内に夜間練習場を設け〝打倒!大京〟を目指した。プロの道も社会人野球の道も断たれた大條監督は三井の志村氏と互角のピッチングで打者をほんろうした。
このほか、都市型マンションで一世を風靡したアサヒ都市開発、億ションの東高ハウス、ゼネコンの石原建設、東洋信託系のデベロッパー東洋不動産、建売り大手の六建建設、三和ホーム、ハウスメーカーの殖産住宅相互…。ビル・マンションのリノベーションが流行しているが、その草分けの田園都市も5回大会まで参加していた。
その後、リーマン・ショックの影響もあり。今では170社のうち40社ぐらいが業界の表舞台から退場した。第1回大会から第25回大会まで連続して参加しているのは旭化成ホームズ、東急リバブル、みずほ信不動産販売、ミサワホーム東京、ケン・コーポレーション、三井不動産、ミサワホームの6チームしかない。
無謀ともいえる久米の願いはかなった。住宅-不動産-建設をつなぐ横串をこれから縦糸で未来につなげる仕事がまだ残っている。
「来年は優勝するぞ」 三井住宅リースに独身色男の元ヤクルト・髙橋
髙橋氏
三井不動産グループの賃貸マンションの仲介を展開するレジデントファーストに元ヤクルトスワローズの髙橋敏郎氏(33)が「三井不動産住宅リース」の選手として在籍しており、「来年は優勝を目指す」と意気込んでいる。
髙橋氏は山形県出身。新庄東-石巻専修大を経て、2002年のドラフト7巡目で捕手としてヤクルトに入団。
「ウィキベディア(Wikipedia)」によると「遠投120mなど肩はかなり強く、パンチ力もあった。ヤクルトの捕手陣の中でも潜在能力は群を抜いており、楽天の野村克也監督も一目置いていた。楽天の岩隈投手からもホームランを放っている。しかし一軍には古田敦也がいた事や怪我もあり、出場機会に恵まれなかった。
その甘いマスクと明るさで女性ファンや小さい子供のファンも多かったが、2006年10月2日に戦力外通知を受けた」とある。
その後、NPBセカンドキャリアサポートを受けてある不動産仲介会社に入社。2009年には宅建資格も取得。成績優秀社員として社内表彰を受けている。
同社に入社したのは2010年11月。「不動産会社はたくさんあるが、富裕層をターゲットにした特別のマーケットで仕事がしたかった」というのが転職の理由だ。「家賃が40万円以上の高額賃貸の仲介が中心ですが、マンション購入などもグループ会社と連携してソリューションビジネスに取り組んでいる。人と接するのが好きですし、体育会系のよさが発揮できる」と話した。
◇ ◆ ◇
三井不動産住宅リースは第18回大会からRBA野球大会の日曜ブロックに参加しており、通算成績は6勝16敗、勝率.273といまひとつ。今年もエース佐藤が初戦で好投したが、2試合目は欠場して惨敗。2連敗で予選敗退している。
しかし、来年から佐藤-髙橋のバッテリーが組めれば最小失点に抑えられる。あとは打力と守備力の強化だけだ。今年のオール三井の野球大会では佐藤-髙橋がバッテリーを組んで2部の優勝、さらに入れ替え戦にも勝利し、1部昇格を飾っている。
◇ ◆ ◇
「ヤクルトに入るときは、古田さんからレギュラーを奪ってやろうと決意を固めたのですが、古田さんは40歳近くになろうとしていたのに動きが全然衰えていない。衝撃でしたね。レギュラーを奪うなんて考えが甘かった」
ほとんどの新人が受けるプロの洗礼だ。2軍では日替わりで捕手を務めたが、「記憶にないですが、打率は2割ぐらいだったと思います。当時日本最速の2人、五十嵐亮太さんや石井弘寿さんの球を受けましたが、特に五十嵐さんのフォークは捕るのが大変。145キロで落ちますから…」と、当時を振り返る。岩隈投手から本塁打を放ったのは「2軍戦で、ストレート」だったそうだ。
心がけたのはメモだ。「ベンチではいつも小さなノートにメモしていましたね。打者のクセ、性格、球種を張るタイプか、コースで張るタイプか、追い込まれるとどういう打撃をするかなどで、捕手はみんなやっていました」
「いい思い出? ドラフト指名されたときぐらい。あとはほとんど悔しい思い出しかないですね。特に入団4年目はクビになるのが不安でしたね…」(プロは芽が出ないと3~4年でほとんどが退団。10年いられる選手は2割ぐらいではないか)
◇ ◆ ◇
ウィキベディアにあるように、確かにハンサムだ。色黒なのか鍛えているせいかマスクは黒かったが、マスクで隠すのがもったいないほどだ。礼儀正しいのがまたいい。現在のRBA野球選手約800人の美男子コンテストをやれば間違いなくベスト3に入る〝色男〟だ。
花嫁候補を募集中で、好みの女性は「和服が似合う控えめな女性。歳下がいい」とか。趣味は野球とゴルフ。ゴルフのスコアは平均90くらい。「当たれば300ヤード飛ぶ」そうだ。
RBAタイムズで「花嫁募集」と紹介してから1年も経たないうちに結婚。すぐ子どもが産まれた監督もいる。
ヤクルト時代(髙橋氏提供)
元プロ野球首位打者・長崎慶一氏(元大京コーチ)RBA25周年記念懇親会に出席
長崎慶一氏
プロ野球大洋ホエールズ時代の1982年に打率.351で首位打者に輝き、平成元年の第1~3回RBA野球大会に大京のコーチを務めていたレイアンドエム社長・長崎慶一氏(63)が11月22日(金)に行われる「RBA設立25周年記念懇親会」に出席される。開催を前に長崎氏は「野球も仕事もプラス思考。失敗したらどうしようなんて考えないで行動すること」とRBA関係者にエールを送った。
◇ ◆ ◇
まず長崎氏の輝かしい経歴を紹介しよう。
長崎氏は大阪出身。法大では、六大学野球リーグ史上初の2シーズン連続首位打者を獲得するなどの活躍を見せたあと、1972年、ドラフト1位で大洋ホエールズに入団。当初は三振の多い打者だったが、自然体で構え、身体の回転で球を運ぶ打法に変更してから打率が上昇。1982年には、当時、中日ドラゴンズの田尾安志氏と首位打者を争い、対中日最終戦で大洋が田尾氏を敬遠〝攻め〟にして長崎氏が打率.351で首位打者になった。その差はわずか2毛差だった。
その後、阪神タイガースに移籍。1985年の日本シリーズでは西武相手に第6戦で満塁本塁打を放ちチームを初の日本一に導き、優秀選手賞に選ばれている。
1987年に現役引退。その後はテレビの野球解説者、シドニー五輪の日本代表打撃コーチ、高校教師を経て、2003年、荒川区議選に自民党から出馬して当選。区議を1期務めたあと、2007年に民主党公認で参院選に立候補したが落選。現在は、冒頭の会社社長として、いわき市の震災復興プロジェクトでもある観光農園「ふくしま和郷園・きずな農場」のオープンに向けて取り組んでいる。
◇ ◆ ◇
「私が大京さんでコーチを務めたのは3年間だが、力建さんや東急リバブルさんが強かったのを覚えている。当時の大京さんは勢いがありましたね。選手も高校や大学野球の経験者が多く、決断力が速く、マイナス思考の人はいなかった。野球も営業も一緒。三振したらどうしよう、ゲッツーだったらどうしようと考えると、絶対三振するんですよ。プラス思考でまず行動すること。失敗したら、そこで考えればいいと」と、何事もプラス思考に徹することを強調した。
もう一つ、長崎氏はものの見方・考え方にも通ずる貴重なアドバイスをした。「毎日、数字を追いかけていたら疲れちゃう。私は、広島の山本浩二さん(法大の先輩)から教わったんですが、規定打席403(当時、試合数は130試合で規定打席は130×3.1=403)を4つに分けて、100試合で30安打放つことを考えた。それ以上打てればもうけものですよ。根つめると精神的によくない」(ものごとをクォーターで考える思考方法はラグビーやテニスに代表されるように欧米の発想だろうが、わが国の証券取引でも2003年から四半期決算が導入された)
「バブル崩壊後、企業スポーツは真っ先に弾き飛ばされた。なのに、RBAはよくぞ25年間も継続してやってこられた。すごいこと。ドームや海外交流の機会があれば、仕事の疲れも吹っ飛びモチベーションも上がるはず。22日は友人を連れて出席させていただく」と語った。(記者は、大京のコーチ時代、何度かお会いしているが、それより西武ファンの記者は長崎氏が西武の息の根を止める満塁弾を高橋直樹投手から放ったのをよく覚えている)
◇ ◆ ◇
長崎氏のプラス思考は現役を退いてからも変わらない。先に高校教師になったことを書いたが、「自分の息子を教えるため。自分の息子を教えられないシステムに問題があると思った」からだそうだ。
区議に立候補したのもプラス思考・「少年の野球教室を行なっており、グラウンドがないので区に陳情に行ったら『区議になったら出来るかもしれないよ』と勧められ立候補したら受かっちゃった」
参院選の出馬については「甘かった。スポーツ省をつくろうという動きに乗って立候補したが、選挙のシステムもよく分からなかったし、区議を辞めて2カ月しか準備期間がなかった」
そして、現在のビジネス。いわき市のハワイアンズに隣接するゴルフ場跡地約2万坪のうち1万坪に農業法人と組んで観光農園を開業する計画だ。「ふくしま和郷園・きずな農場」と称するもので、いちごやトマトを栽培してハワイアンズのお客さんなどに販売するほか、100本のバラの庭園、キャンプ場、レストラン、直売場などを整備するものだ。「準備まで2年かかったが、一部は来年オープンできる」そうだ。