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 東急リバブルは9月26日、売買仲介店舗「代々木上原センター」(東京都渋谷区)、「田無センター」(東京都西東京市)、「本八幡センター」(千葉県市川市)、「幕張ベイタウンセンター」(千葉県千葉市)、「阿倍野センター」(大阪府大阪市)の5店舗を10月1日(土)に開設すると発表した。

 今回の出店により、今年度の売買仲介店舗の新規出店数は12店舗となり、売買仲介と賃貸仲介をあわせた全国のリバブルネットワークは172カ所となる。

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「グランドマスト横浜浅間町」

 積水ハウスグループは9月25日、横浜市の「公民連携による課題解決型公募」で選定されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「グランドマスト横浜浅間町」が竣工したのに伴い関係者に公開した。居住面積を最低でも約45㎡確保し〝自立型〟高齢者のニーズに応えるとともに、地域コミュニティ・多世代交流施設を併設しているのが特徴だ。

 物件は、相鉄線天王町駅から徒歩9分、横浜市西区浅間町5丁目に位置する10階建て全76戸。専用面積は45.15~77.29㎡、月額賃料は147,000~244,000円。管理費は20,000円。生活支援サービス費は1名につき30,000円(2人以上は15,000円)。設計・施工は積水ハウス。貸主は積和グランドマスト。

 現地は、古くから地域住民に利用されてきた「横浜市総合福祉センター」の跡地。市は平成25年、高齢者向け住宅を含む施設とすることや、交流スペース、コミュニティハウス、地域防災・地球温暖化対策に供することなどを条件に「公民連携による課題解決型公募」を実施。応募8社グループの中から交流スペース(約484㎡)、コミュニティハウス(約306㎡)の提案が特に優れていた積和不動産が選定された。売却価格は約3億6,000万円(約27万円/坪、容積率400%)。

 サ高住は、45.15㎡の1LDK~77.29㎡の2LDKまで6タイプ。各住戸に床暖房、人感センサー、緊急通報ボタンなどが標準装備。もっとも人気があるタイプは48㎡のBタイプで9戸すべてが予約済みだという。

 1階の交流スペースには入居者も地域住民も利用できるコミュニティカフェやアクティブスペース、2階のコミュニティハウス内には蔵書約2.8万冊の図書館が併設される。

 記者説明見学会で積和グランドマスト・小山健社長は「今後5年間に東京、大阪、名古屋圏で5,000戸を目指す」と積極展開していくことを明らかにした。

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コミュニティカフェ

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エレベータホール(エレベータは15人乗り2基)

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 これまで記者が見学してきたサ高住は、いかにも高齢者を隔離する〝施設〟のようなものも少なくなかったが、今回は間違いなくレベルが高い。居住面積だけでなく、共用廊下・エレベータホールが広く、災害時には地域住民が避難できるよう防災倉庫やかまどベンチも設置されていた。地域の交流センターや図書室が利用できるのもいい。

 PPPの手法がもっともよく効果的に発揮された好例だろう。各自治体は、今回のようなコミュニティ施設などを併設したものについては容積の割り増しなどインセンティブを与えるなどの優遇策を取り、質の高いサ高住やマンションを誘導してほしい。

 とはいえ、サ高住が普通の高齢者が無理なく利用できるようにするためには課題も多い。分譲マンションもそうだが、賃貸マンションの家賃は総体的に高すぎるような気がしてならない。東京圏では郊外でも5坪で5万円くらいする。年金生活者にとってこの額の負担は大きい。

 また、対象が60歳以上で、居住面積が原則25㎡以上(共用の食堂、浴室などがある場合は18㎡以上)、バリアフリーであること、専門家が常駐し入居者の安否確認をすることなどの条件は厳しいようで曖昧であることから、〝玉石混交〟の市場が形成されている。わかりやすい格付けも必要かもしれない。

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2階のコミュニティハウス

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図書館

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店舗・自宅併用賃貸マンション「ベレオプラス」

 積水ハウス・阿部俊則社長兼COOが先の決算説明会で絶賛した渋谷区神宮前の店舗・自宅併用賃貸マンション「ベレオプラス」を見学した。表参道駅から徒歩1分、大通りから1歩入った低中層住宅・店舗などが混在する地域に建つ、敷地面積約177坪の重量鉄骨造3階建て延べ床面積約923㎡だ。表参道の一等地にふさわしい、土地の魅力を最大限に引き出す企画力が光る。阿部社長が絶賛したのもうなずける。

 まずランドプラン。敷地は四角い整形地だが、建物をコの字型に配して、その凹んだ部分に中庭を設け、1階店舗へ誘導するアプローチの役割を果たすのと同時に、住宅部分の採光・通風にも配慮しているのが特徴だ。

 建物外壁には彫の深いシェルテック・コンクリートのほかに大判のタイルを貼りアクセントを持たせている。全体的に陰影の深いシンボリックな外観に仕上げている。

 外構には同社の「5本の樹」計画を盛り込んで環境・景観に配慮。外周は石積みとし、ふんだんに植栽を施している。玄関までのアプローチにも工夫を凝らしている。舗道は緩やかなカーブを描かせ「間」を持たせ、玄関には風除室を設置。エレベータホールも広い。同社が「ホテルライクスタイル」と呼ぶのも納得だ。

 賃貸住宅は1LDK3戸。エネルギーコストをゼロにすることを目標とする「グリーンファースト ゼロ賃貸」の一つで、IHのアイランドキッチン、太陽光発電システム、HEMSを採用。高家賃であるにも関わらず、建物完成前に全戸契約済みになったそうだ。

 阿部社長兼COOは、鉄骨造の課題の一つに「表情」(が乏しいという意味)を挙げたが、この「ベレオプラス」はそれを解消している。

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エントランスアプローチ

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 同社は先に平成29年1月期第2四半期決算を発表。ほとんどの事業セグメントの利益率の改善が継続していることから、通期の連結業績予想を当初計画から平成28年3月10日に発表した通気予想を売上高2兆円(前期比7.6%増)、営業利益1,750億円(前期比16.9%増)、経常利益1,780億円(前期比10.8%増)、当期純利益1,130億円(前期比34.0%増)にそれぞれ修正、4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。

 阿部社長兼COOが「ベレオプラス」を絶賛したのは、業績好調の背景には同社の企画提案力があることをメディアにアピールしたかったからだろう。今度は木造「シャーウッド」で3・4階建てに挑戦してほしい。

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エントランス

 

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準々決勝戦で対決したポラス暮し科学研究所「軌条(きじょう)」(左)とポラス建築技術訓練校「ジャパドゥビ」

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稲山教授

 実物大の木造耐力壁を油圧ジャッキで〝綱引き〟をし、どこが一番強いかをトーナメント方式で競う「第19回木造耐力壁ジャパンカップ」が9月17~19日、静岡県富士宮市の日本建築専門学校で行われ、ポラスグループのポラス暮し科学研究所の「軌条(きじょう)」が準優勝した。また、ポラス建築技術訓練校の「ジャパドゥビ」が審査員特別賞を受賞した。コスト、デザイン、環境負荷など総合的評価を争う総合優勝は四国産業能力開発大学校の「壁SANUKI」が、トーナメント戦はkiba勝timbers(東京木場建材・東日本パワーファスニング・東大木質材料学研究室)の「HAMEX」がそれぞれ獲得した。

 「木造耐力壁ジャパンカップ」は、NPO法人・木の建築フォラムが主催して行なわれているもので、今回は10体が参加。17、18日の予選を勝ち抜いた8体が19日の準々決勝-準決勝-決勝戦を行った。試合は、耐力壁の土台を固定し、それぞれの桁同士の間にジャッキを装着し引き合って行い、破壊されたほうが負けとなる。破壊されない場合は、お互いの壁頂部の水平変位の合計が450mmに達した場合の水平変位の大きいほうが負けとなる。

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試合後の壁の状態を食い入るように見つめる参加者

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 トーナメント決勝戦で「軌条」を30キロニートン当たりで破壊した「HAMEX」の設計を担当した東大木質材料学研究所博士課程・落合陽氏と同修士課程・佐々木賢太氏は、「土台にカラマツのLVLを採用し、ホゾの部分を浅くする一方で、長いビスを使って補強したのが勝因」と語った。

 耐力壁を紹介するパンフレットには「白鵬がツッパリを全力でかましてもビクともしない某ハウスメーカーのような堅固なストラクチャーを兼ね備えた銀河系最強の耐力壁」と自画自賛していた。試合後の強度検証では50キロニュートンだった(過去の記録は62キロニュートン)。

 大会の進行役を務めている東京大学木質材科学研究室・稲山正弘教授は、「今回の作品には私は関与していない。LVLを普及させるためにはコストと防腐・防蟻処理をどうするかが課題」と話した。

 LVL(LaminatedVeneerLumber)は、切削機械でスライスされた単板(Veneer)を平行に積層・接着して造られる木材加工製品。CLTより強度が高いとされるが、コスト面などで住宅の構造材に使われることはないという。

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優勝したkiba勝timbers(東京木場建材・東日本パワーファスニング・東大木質材料学研究室)「HAMEX」(左)と「軌条」

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カラマツのLVLを土台に用いた「HAMEX」

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「HAMEX」のメンバー

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落合氏(左)佐々木氏

 「HAMEX」に完敗した「軌条」のポラス暮し科学研究所・上廣太主席研究員は、「決勝戦までの戦いで弟分の『ジャパドゥビ』にダメージを受けていた」と敗因を語り、訓練校の健闘を称えた。

 「軌条」には補強材として湿ると強度が高くなるというグラスファイバーテープを土台部分に使用しており、地元の川の水を「聖水」としてスプレーでテープに欠けるなどのパフォーマンスを行った。

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 「軌条」に使用されている金輪(左)とグラスファイバーテープ

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 「軌条」のメンバー

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 20歳前後のメンバー8人で構成されているポラス建築技術訓練校の「ジャパドゥビ」が、金物を使用せず兄貴分の「軌条」に善戦したことなどが評価されて審査員特別賞を受賞した。稲山教授も「非常にいい」と褒めた。

メンバーは「本当は施工部門で1位を取りたかった。来年は1位になれるよう頑張る」と話した。

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上段左からポラスグループの小暮涼太、冨田力也、澤田渓史、工藤嵩大、下段左から落合敦哉、林竜樹、甲斐優輝、田川樹の各氏

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 素人の記者が注目したのは、東京理科大高橋研究室の「富士の鬼蜘蛛」だった。壁のほぼ中央に奇怪でしかも稚拙な(失礼)、とても耐力と関係があるとは思えない白い〝蜘蛛の巣〟が貼られていた。

 記者は固唾をのんで四国産業能力開発大学校の「壁SANUKI」との戦いを眺めたが、あっさり敗退した。蜘蛛の巣は全く反応せず、肝心の主(蜘蛛)も出現しなかった。審査員も「効果? ないですね。単なるデザイン」といま一つの評価だった。

 しかし、当事者は真剣そのもの。メンバーを指導した東京理科大工学部建築学科・高橋治教授は、「初めて大会に参加した。蜘蛛の巣に使用した材料は鉄よりも強い新素材の『テクノーラ』で、様々な製品に採用されている。木との接合が課題だが、来年は改良して再挑戦したい」と敗戦にも屈しなかった。高橋氏は「大会はちょっとレギュレーションが細かすぎるのではないか」と注文もつけた。

 新素材といえば、木の繊維でできている「セルロースナノファイバー」もあるではないか。新素材で構造材に新風を送ってほしい。

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四国産業能力開発大学校「壁SANUKI」(左)に敗れた東京理科大高橋研究室の「富士の鬼蜘蛛」

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〝鬼蜘蛛〟

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東京理科大高橋研究室「富士の鬼蜘蛛」メンバー

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 予選で敗退し、作品を見ることができなかった初参加の日本工学院専門学校の「竹筋壁」も面白いと思った。貫(ぬき)の部分に竹を用いているのが特徴で、メンバーは「学校では座学ばっかり。木にも用具にも触るのが初めて」と語った。担任の同校建築学科・井口純先生は「竹を構造材に採用するのは珍しいのではないか。いい経験になった。来年も挑戦したい」と意欲を見せた。

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日本工学院専門学校の「竹筋壁」メンバー

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解体作業(作業をする人数、男女差、時間、一定の枠から部材などが飛び出した場合のペナルティ、掃除などもきめ細かに評価される)

ポラス 4年振り7度目の耐力壁トーナメント優勝 総合は滋賀職能大が4連覇(2015/8/14)

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VRゴーグルを用いた様子

 大京グループの大京穴吹不動産は9月15日、同社のスマートフォンサイトでの売買・賃貸物件紹介にVR(仮想現実)技術を用いた疑似体験システム「ぐるっとネットdeオープンルームVR」の提供を開始したと発表した。

 VRゴーグルと呼ばれる箱型の装置にスマートフォンをセットし、上下左右に動かすことで室内全体を見ることが可能となる。現在約880物件(売買物件約700件、賃貸物件約180件)がVRゴーグルを用いた見学に対応している。全国の営業拠点70店舗で利用できる。

 同社は今年5月からホームページ(http://www.daikyo-anabuki.co.jp/)で売買・賃貸物件を360度のパノラマ画像で閲覧できるサービス「ぐるっとネットde オープンルーム」を始めたが、より利便性を高めるためVR(仮想現実)技術を用いたバーチャル見学システムを今回導入したもの。

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「グレイプス辻堂西海岸」

 東京建物と東京建物シニアライフサポートは10月20日、神奈川県内最大規模となる総戸数158戸のサービス付き高齢者向け住宅「グレイプス辻堂西海岸」を開業する。1964年に完成した総戸数1,311戸の「辻堂団地」再生事業の一環として開発されたもので、地域包括ケアの拠点を目指す。同社グループが目指すCCRCのモデルケースとして位置付けられている物件でもある。開業に先立つ9月12日、メディアに公開された。

 物件は、JR東海道線辻堂駅から徒歩20分(バス7分「辻堂団地」徒歩2分)、藤沢市辻堂西海岸二丁目に位置する5階建て全158戸(ほかに(訪問介護事業所・通所介護事業所)。専用面積18.80~67.59㎡、月額賃料36,000円~325,000円、月額管理費15,000円(浴室あり)・20,000円(浴室なし)、基本サービス(税込)37,800円(1人入居)・64,800円(2人入居)、食材費(税込)は3食30日分で27,540円。共用施設はラウンジ、食堂、共同浴室、健康相談室、多目的ルーム、シアタールーム、屋上テラスなど。東京建物が事業主となり、東京建物シニアライフサポートが貸主となり、ツクイが運営を受託する。設計・施工は大末建設。

 現地はUR都市機構(当時日本住宅公団)が1964年に完成させた全1,311戸の「辻堂団地」の一角にあり、URと東京建物が期間50年の定期借地契約を締結し、高齢化率が約40%まで進んでいる団地の再生事業の一環として開発するもの。

 同社グループのサ高住のブランド〝グレイプス〟のコンセプトでもある「自分らしく生きる」生活をサポートすることに重点が置かれており、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、医療機関と連携するほか、辻堂団地からの移り住み、隣接する保育園との多世代交流、近接する松下政経塾とのイベント開催、商店街「なぎさモール辻堂」との連携、東京建物が分譲を予定している隣接マンション(詳細未定)との連携も予定している。

 住戸プランは、一人入居から二人入居までが可能なワンルームから2LDKまでの全37タイプ。ワンルーム(19㎡)と1DK(36㎡)を続き部屋として利用できるも用意する。

 これまで70歳代後半の女性が中心に約150組の来場があり、第1期として76戸の募集を行い、30件の入居申し込みがあったという。

 見学会に出席した東京建物シニアライフサポート・加藤久利社長は、「当社グループのサ高住は本件で10棟目。これまで医療機関や地域連携など様々な取り組み・仕掛けをしてきたが、認知症の方が保育園児と会話され、笑顔を見せたりする姿を拝見すると多世代交流の効果があることを実感できる。今後もCCRCを加速させる」と話した。来年度は新宿区大京町で初の有料老人ホーム53戸と、全124戸の「用賀3丁目」などサ高住4棟374戸を供給することも明らかにした。

 同社グループが目指すCCRC(Continuing Care Retirement Community)とは、①健康でアクティブな高齢者が居住できる②介護が必要になっても生活を継続することができる③地域(多世代)との交流・地域機関(医療)との連携体制がある④新たな仕掛けを作るだけではなく、既存コミュニティを活用し無理なく継続するコミュニティを形成する-など。

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エントランス

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食堂・カフェ・バーラウンジ

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食堂テラス

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隣接する保育園(右側の建物)とは扉一つでつながっている

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 同社グループのサ高住を見学するのは6棟目か。これまでのものより今回は規模が倍くらいあるので共用施設の充実ぶりが目立った。アプローチ・エントランスも立派だし、3人が一緒に入れる共同浴室、シアタールームまであった。住戸プランも夫婦が住める50㎡以上が22戸も用意されている。屋上テラスからは江の島、富士山が展望できる。

 注目したいのがコネクティングルームプランだ。どのような使い方がされるかわからないが、介護度が異なる、あるいは仲が悪い夫婦、兄妹、姉弟などが想定されているようだ。

 もう一つ、取材で驚いたことがある。他の記者が運営受託するツクイに入居者の「徘徊」について質問したところ、同社サービス付き高齢者向け住宅事業第二本部本部長・中村こずえ氏は「私どもには『徘徊』という認識はありません」と答えた。「(特養などの)施設とは異なり、サ高住はあくまでも住宅。入居者の方と1対1で向き合うことが大事」と語った。

 なるほどと思った。記者は特養も有料老人ホーム(なんて差別的な法律用語か)も体験宿泊したことがあるが、夜中に「徘徊」する人や「奇声」(失礼)をあげる人がいて一睡もできず、家に帰って半日寝込んだ。「私どもには『徘徊』という認識はありません」-何と重い言葉か。

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共同浴室

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ヒノキ風呂の共同浴室(左)とフィットネスルーム

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モデルルーム

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新規に大臣認定を取得した「FRウッド」

 鹿島建設、住友林業、ティー・イー・コンサルティング、三井住商建材の4社は9月9日、鹿島の純木質耐火集成材「FRウッド」の部材仕様を合理化し、約4割のコストダウンを実現した純木質耐火集成材の新規大臣認定を取得、9月から販売を開始したと発表した。

 「FRウッド」は東京農工大学、国立研究開発法人 森林総合研究所、ティー・イー・コンサルティングと鹿島が共同で開発し、2012年3月に鹿島が大臣認定を取得。東京都内の飲食店舗「野菜倶楽部oto no ha Café」に実適用している。①国産スギ材を多用②木材を被覆せずに「あらわし」とし、かつ「構造部材」として利用可能③荷重支持部の周囲に難燃薬剤を注入し1時間の耐火性能を確保④鉄骨造より36%、鉄筋コンクリート造より47%の環境負荷低減が可能-などが特徴。

 今回新たに取得した大臣認定は、①薬剤注入方法の改良により燃え止まり層の厚さを60mmまたは75mmから「50mm」にスリム化②インサイジング処理を1600孔/㎡から「800孔/㎡」に半減③梁の荷重支持部(無処理層)をスギから構造性能が優れた「カラマツ」へ変更-など仕様合理化によって約4割のコストダウンを実現した。

 4社は今後、公共施設や教育施設、福祉施設など様々な建築用途を対象に、小規模から大規模な建物まで幅広く展開していくとし、混合構造の提案も行っていく。さらに、2時間耐火仕様についても、すでに加熱実験により耐火性能を確認しており、新たに大臣認定を取得し、実用化する。

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従前(左)と新認定

⑥FRウッド(梁)_.jpg ⑦新認定の純木質耐火集成材(梁).jpg
従前(左)と新認定

 

鹿島建設・住友林業 スギ耐火集成材を初採用「oto no ha Cafe」(2013/5/15)

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伐採されることになっている「白山通り」のイチョウ(ごみもなくなるのか)

 先日、記者が以前書いた記事「街路樹が泣いている」を読まれたという千代田区の方から次のようなメールが届いた。

 「今の千代田区では『自転車道整備・歩道整備』の名目で、『神田警察通り』の共立学園横の樹齢80年以上のイチョウの木を全て伐採する計画が持ち上がっております。『街路樹は道路の付属物』の実例です。
 街路樹が泣いている状態です。またこの様な貴重な樹木を伐採するという重要な行政行為が区民には伝えられないのです。
 区議会への説明でも『歩道を整理!』と課長が議員に説明して、予算は通りました。しかし実施の段階で区民・在勤者の知るところになり、今は休止の状態です。区民からの『樹木を保存して、活用する』陳情も出たばかりです。今都内ではオリンピック関連で同じような、街路樹の伐採が多く行われております。
 オリンピックを目途に緑を増やすことが重要なのに、逆行している状態です」

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伐採される「神田警察通り」のイチョウ(共立女子大前で)

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確かに異形であるイチョウ

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「神田警察通り」

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 早速、取材することにした。この方が指摘する「神田警察通り」の伐採計画は、神田錦町から神田駅までの4車線一方通行道を3車線にし、歩道空間を現行の2.7~3.5mを4mに拡幅し、自転車走行空間を整備するものだ。

 平成23年から計画が進められており、第1期工事については昨年から地元と協議を始めており、今年3月の議会で議決されている。計画では共立女子大学と一橋大学施設の間のイチヨウ32本とプラタナス5本を伐採することになっている。

 伐採のために今年7月、イチヨウの枝落としを行ったところ、「切らないで」「かわいそう」「何の説明もなく伐採するのは問題」という声が上がったため工事は中断したままになっている。区は引き続き住民にしっかり説明していくと言っている。

◇       ◆     ◇

 現地を歩いた。計画の主旨はよくわかる。近接する神田神保町界隈は再開発による大規模な店舗・事務所・マンションなどが整備され、また〝食の街〟として人気になるなど、大学の街・古本屋の街が一変したのに対し、神田警察通りは駅から少し離れており、沿道には共立大学、学術総合センター、神田警察署、神田税務署、正則学園、錦城学園、博報堂など外部の人にはなじみがない施設やビルが建ち並び、賑わいの点で大きく差をつけられている。その危機感が背景にあるのだろう。

 イチョウの大木は確かに見事だ。真冬ならともかく、緑の葉が真っ盛りの7月に枝落としすれば「かわいそう」という声が上がるのも当然だ。行政サイドに配慮が欠けていたというほかない。しかし、「全然知らなかった」という住民側にも問題がある。計画は5年も前から始まっている。〝街を自分たちでつくっていく〟主体者意識が欠如していると言わざるを得ない。

 区内にはこのほかにも2カ所で街路樹の伐採計画がある。一つは、御茶ノ水駅から駿河台下までの区道「明大通り」の歩道空間を整備する目的で実施されているものだ。その第1期工事分としてプラタナスなど34本が伐採されることになっている。もう一つは、水道橋駅から神保町交差点までの都の「無電柱化電線共同溝工事」により全体の約4割50本のイチョウが伐採される計画だ。

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「神田警察通り」に面した安田不動産「テラススクエア」の公開空地

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総合設計制度により確保された公開空地の池には鯉や金魚が泳いでいた

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 「明大通り」のプラタナスの伐採については、今年6月15日に行われた区の企画総務委員会の議事録には次のようなやり取りがある。一部を紹介する。区民の代表である区議の街路樹に対する認識がよくわかる。

 道路公園課長 現状のプラタナスが大変樹高が高くなりまして、落ち葉ですとか、あるいは毛虫といった、そういうものが沿道で、実際、非常に困るという問題がございまして、そういう意味では、高くならず、葉張りが余り広がらないということでございまして、そういう特徴があって、今回設定したマグノリアというところは、高さは8メートルほどで抑えられて、なおかつ、木の形、樹形が比較的横に広がらないという特徴、さらに花が咲くという特徴もございまして、選定にふさわしいというところで、地域にご提案したところでございます。

 A委員 …このプラタナスはもう寿命なんですか。年期が来ているの。それとも、生きている木を取っちゃうんですか。…こういう街路樹に関する思想的なというか、物の考え方とか、美観、ゆとり、潤い、品格、そして防火・防災、そういったことも含めた未来をどう描いていくかということについては、詰めが我々が甘かったと思う…何というか、詰めの甘いというか、熟度の甘いというか、そういうところで、やってしまえば簡単なんですけれども、木が高いんですよ、落ち葉が、毛虫がというふうに言われると、全くどうなのかなということは残るので。…このマグノリアで契約しているんでしょうから…まちの人たちは全く知らないわけですし、明治大学だって、あそこ、何ですか、カルチェラタンにしようと言っているわけですし。だったらば、その通りのイメージとして、定着したプラタナスを維持したほうがいいのか、切ったほうがいいのか、あるいは新しく植えたほうがいいのかということについては、やっぱり地元を挙げて協議して確認をすべき事項だと思うんですよね。…

 委員長 議案第31号、歩道拡幅工事「明大通りI期」請負契約について賛成の方の挙手を求めます。〔賛成者挙手〕

 委員長 賛成全員です。よって、議案第31号は可決すべきものと決定いたしました。

 都道「白山通り」の無電柱化については、平成26年6月4日の企画総務委員会でも論議されているが、担当課長は「『白山通り』につきましては、東京都が管理する都道でございます。現在、図の水道橋駅から神保町交差点までの間の約700メートル区間、オリンピックのマラソンコースに指定されておりまして、コースの中で唯一、無電柱化されていない状況にございます。そこで、オリンピック開催に向けまして、ここにつきましては都市計画道路の拡幅整備の予定が入っておりますが、それに先行して無電柱化を行うというものです。……地域もおおむねそれで了解を得ているということでございます」と答えており、イチョウの伐採についてはまったく論議されていない。

 これらのやり取りから判断して、明大通りや白山通りの街路樹の伐採については区議からはほとんど異論が出ていない。「このプラタナスはもう寿命なんですか」という質問が飛んでいるが、この委員の方は現地を見ていないのでは。樹幹を見れば寿命でないことは一目瞭然だ。せいぜい数十年だ。人間なら妙齢にも達していない。プラタナスについての知識がないからこのようなチンプンカンな質問しかできないのだ。

 われわれは都市計画は100年の計と学んだ。その物差しもかなぐり捨てて、100年、200年のスパンで成長する樹木のことも全然考えずに、目先の利便性だけを最優先してマグノリア(これはこれで美しいが)に変更するのは理解できないが、みんなが決めたことだろうからそれはそれでいいのだろう。明大カルチェラタンの歩道に敷かれていたレンガをはがしたのは誰だっけ。

 落ち葉や毛虫について。落ち葉は断じてゴミではない。肥料になるしやがて土にかえる。たき火の材料にして焼き芋を焼くのもよいではないか。毛虫が湧くのはまだ健全ということだ。むしろ毛虫を食べる小鳥が住めなくなってきたことを憂慮すべきだ。

 「白山通り」の街路樹について。水道橋駅から神保町交差点までは古本屋も多いが飲食店も多く、植栽枡・緑地帯にはバイクや自転車が置かれ、ゴミも散乱している。やはり醜い。町内会や商店主などで論議し、きれいにすべきだ。

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「明大通り」のプラタナス

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明大キャンパスから駿河台下に向かう通りのプラタナス

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 東京都は平成17年度「街路樹充実」事業で、当時の都内における街路樹本数48 万本(国道2万本、都道約16万本、区市町村道30万本の合計)を100万本に倍増していくことを打ち出した。計画は順調に進んでおり、平成23年度末には中木を含めて79万本に増加。都道の街路樹本数は39万本に達し、「魅せる街路樹」を目標に掲げる。

 「幹周90cm以上の大径木の街路樹は、都市に『うるおい』や『やすらぎ』を与えるだけでなく、ヒートアイランド現象の緩和や大気浄化機能にも大きな役割を果たしている」としながらも、「数々の役割を担っている街路樹は多くの課題も併せて抱えているのが現状」とし、「2020年の東京~大震災を乗り越え、日本の再生を牽引する~(平成23年12月)」で「大径木再生大作戦」事業を打ち出し、大径木を『元気で生き生きとした街路樹』に再生していくこととしている。

 さらに、「平成26年度 大径木再生指針」には次のような記述がある。

 「街路樹の中には、東京の顔、地域の顔として親しまれているものも多い。また、東京都が街路樹管理を担う前から存在する樹木については、地域住民の関心の深いことが多い。こうした街路樹については地元住民等の意見に十分留意する必要がある。街路樹についての住民の意見は一つとは限らず、例えば直近の住民は落葉などの問題とも関係して伐採や更新に理解を示す一方、やや離れた場所の住民や一般通行者は伐採や更新に反対するといった場合も少なくない。このような傾向は景観的、歴史的価値の高い街路樹を抱える地区や、近隣住民の街路樹への関心や思い入れの強い地区ではいっそう強くなることが多い。

 このような地区における街路樹の管理については、個別・地域的な事情に充分配慮しながら計画的に行うことが必要不可欠であり、『街路樹防災診断』の結果からそのまま措置方法を決めるのでは不十分である。個別・地域的な背景にも留意して措置方法を検討する必要がある」

 また伐採や剪定がスムーズに行われている例として、住民協議会、杉並区、東京都の三者による「中杉通りケヤキ並木連絡会」をあげ、「丁寧な事前説明、意見聴取や管理の試行を行って地元住民の理解を得ることにより、安全等の観点から必要な伐採や剪定がスムーズに行われている」としている。

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よく管理されている「白山通り」の街路樹と植栽枡

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水道橋駅に近い「白山通り」

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伐採されるイチョウ

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都のお知らせ看板

樹齢30年以上 戸建てより低く〝伐採〟された「白岡ニュータウン」のケヤキの街路樹(2016/4/27)

続々「街路樹が泣いている」 押上・異形のスカイツリーに怒れるスズカケ(2015/3/20)

街路樹が泣いている(8) 奇形ばかり海浜幕張・電柱そのもの府中街道の街路樹(2012/6/5)

 

 

 

 

カテゴリ: 2016年度

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「&Renovation渋谷青山営業所」

 コスモスイニシアは9月10日、マンションリノベーション特化型の店舗「&Renovation渋谷青山営業所」を青山・表参道の一等地にオープンする。「あなたの〝好き〟や〝憧れ〟をもっと身近に」がコンセプトで、従来の仲介店舗とは全く異なるショールームのような体感型とすることで新たな需要を掘り起こす。

 提供するのは①イニシアパッケージ②ホームデコレーション③リノベーション済マンションの3つ。

 イニシアパッケージは、同社の新築マンションブランド「INITIA(イニシア)」仕様をパッケージ化することで、従来のリフォーム会社、リノベーション専門業者、デベロッパー系などと一線を画すデザイン・感性にこだわった商品を提供する。

 ホームデコレーションは、イニシアパッケージの6つのデコレーションから好みのものを選択できるようにすることで、設計料を無料にするなどコストダウンを図る。

 リノベーション済マンションは、同社の新築マンションと同様の設備仕様にするほか、シニア向けやトランジットジェネラルオフィスとコラボしたデザイナーズホテルのような商品も供給する。住宅設備は最大10年保証とし、工事費は65㎡で約1,000万円を実現する。

 同社は1970年に創業して以来40年を超え、新築マンションを約10万戸、一戸建てを約1,000戸供給している。供給量はデベロッパートップクラスで、最近はデザインにこだわった商品企画が評価されている。

 同社はリノベーション事業を新築に次ぐ事業の柱として位置づけており、今年度引き渡し予定戸数275戸を2年後の2018年度には400~450戸を目指す。青山の一等地に店舗を構えたのは、今後、新築でも都心部で供給していくことから双方のニーズを商品に反映させていくのが狙い。

 店舗は、東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅から徒歩3分、渋谷区神宮前5-52-2、青山オーバルビル地下1階。店舗面積は約50坪。営業時間は10:00~18:30。連絡先は0120-1248-61。

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エッジ スタイル

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◇       ◆     ◇

 同社の新築マンションについてはここ数年、木質感にこだわったりアンティークな建具・家具を採用したりしてデザインを一新したのは実感しているが、今回の店舗もその延長線上にある。

 どこも真似ができないというのはいかにも同社らしいのだが、今回の店舗は一般的な不動産仲介店舗とはまったく異なるし、大手デベロッパーが力を入れ出したワンストップ型店舗とも趣が異なる。どちらかと言えばインテリア・家具メーカーのショールームやサロンに近い。

 ここまで徹底し、しかも表参道の一等地に設けたところに、同社のリノベーション事業にかける意気込みが伝わってくる。

 ただ、どこにもない店舗だけにどう認知させていくのか、どう集客するのかという課題もありそうだ。様々なイベントを仕掛ければ大ヒットするかもしれない。

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ホームデコレーション

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カテゴリ: 2016年度

 優良ストック住宅推進協議会(会長:和田勇積水ハウス会長兼CEO)は8月29日、記者会見を開き、活動状況を報告した。

 冒頭、和田会長は「会が発足して9年目を迎えるが、最近ようやく活動が浸透してきた。しかし、まだまだ啓蒙が不足していると考え、この1年間はスムストック販売士を増やそうと試験を年2回から3回に増やし、年間で約1,200人、今年6月末で4,230人に増やした。スムストックをより有効に活用していただくよう専用のローンも三井住友信託銀行さんに作ってもらった。2~3年後には何とか成約件数を1万戸に引き上げたい。現在の既存住宅は20年で資産価値がゼロになり、投資累計では約500兆円が消滅している。一方で、スムストックはきちんと定期点検しており、50年後でも約500万円の建物価値がある。きちんと再生して若者に買ってもらえる環境を整えたい」などと語った。

 また、「中古住宅」の呼称変更については、「横文字でなく何とか日本語で適切な表現がないか国土交通省にも働きかけ、『既存住宅』にしてもらった」と話した。

◇       ◆     ◇

 和田会長が力説されるのはよくわかる。値段が高くても将来にわたって安心して住める住宅が評価されるようになってほしい。

 しかし、悪貨は良貨を駆逐するとはよく言ったものだ。現実はどんどん逆方向に進んでいる。

 これは建売住宅市場のことだが、世間を席巻しているのは圧倒的な価格の安さを売りにしているメーカーだ。どこのエリアでも出隅入隅はない積み木のような外観で、間取りはほとんど同じ、外構もなし。価格は3,000万円くらいだから大手などより1,000万円も安い。こうした住宅の市場占有率は30%を超える-これが現実だ。

 〝売れるものがいい商品だ〟-これに反論できる人はどれだけいるだろうか。

◇       ◆     ◇

 「中古住宅」「既存住宅」「既築住宅」…呼称は様々でどれがいいのか記者もよくわからない。昔から使われてきた、今も主流になっている「中古住宅」を変更するのはかなり難しいような気がする。

 「既存住宅」についてだが、記者は「きぞん」と発音してきたが、世間的にはそうなっていないようで「きそん」と発音するようだ。NHKでも昭和16年に定めてから「きそん」となっている。NHK「放送研究と調査MARCH 2014」では「『既存』については,これまで『〜ゾン』を認めたことがない。国語辞典では『キゾン』の読みを参考として入れる場合もあるようだが,今回は調査も実施しておらず,現行どおり(『キソン』)とする」となっている。和田会長も「きそん」と発音されたように聞こえた。

 「きそん」か「きぞん」かは、国立国語研究所などにも問い合わせたが、結局はよくわからなかった。用例として「既存」は明治時代にも使われていたようだが、「きそん」なのか「きぞん」なのかはわからない。「名誉毀損」の「毀損」は「きそん」とふり仮名がつけられていたようだ。「既存」は「きそん」と読んでも「きぞん」と読んでもコンフリクト(衝突)が起こらないのでどちらでもいいと解釈できそうだ。「存」は「そん」も「ぞん」も読み方がある。

 しかし、「きそん」は「毀損」を連想させる。ここは「きぞん」と発音しようではないか。国土交通省でも「きぞん」だし、「既存不適格」も「きぞん…」と読んでいる。

 「既築」は経産省の「既築住宅・ 建築物における高性能建材導入促進事業」などの制度があるが、記者などはすぐ「鬼畜米英」を連想する。これも改めてほしいが、国の機関でもそれぞれ異なるのだから難しい問題だ。

 いっそ、一般に公募して決めたらどうか。いい呼び名が浮かぶかもしれない。

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