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「ヴェレーナ大宮大門町」完成予想図

 日本綜合地所が3月に分譲開始する「ヴェレーナ大宮大門町」を見学した。大宮駅から徒歩5分と近く、スーパーマーケットチェーンの㈱マルエツとの共同事業マンションで、単価もリーズナブルだ。

 現地は2017年竣工予定の「大門町2丁目中地区再開発エリア」に近接しているのが最大の特徴。再開発計画の詳細は未定だが、ショッピングモール、公共公益施設、大小のホールなどが予定されている。

 最寄り駅となる大宮駅は14路線が乗り入れをするビッグターミナル。マンションが立地するエリアは大宮駅前から広がる商業地域だが、現地から先は氷川神社の参道に向けて住宅が増えていく地域。建物は14階建て、1、2階は24時間営業を予定しているマルエツとなり、住居部分は3階以上の全48戸(非分譲4戸含む)。全住戸が間口8m以上のワイドスパンとなる。

 物件は、さいたま市大宮区大門町三丁目に位置し、専有面積は65.00~70.15㎡、第1期の価格は3,990万円台からで坪単価は220万円前後になる模様。竣工予定は2015年1月下旬。施工は風越建設。

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 同社の「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央」を見学したとき、この物件のおおよその概要を聞いて坪単価220万円を予想した。

 大宮駅から徒歩5分、中規模物件、商業地域の住環境、このエリアでの同社の知名度などを総合的に判断して予想したが、モデルルーム、現地周辺を見て坪単価250万でもいいのではと思うほど割安感があると思った。

 大宮駅東口は駅前から商店街が広がっていて駅から徒歩5分圏内のマンションは希少性がある。

 敷地形状は南北軸に長く配棟は東向きとなっていて、中層階以上からは氷川神社の参道も眺められる。商業地域の立地だが、住宅地エリアに向いていることもあり日照も確保されている。専有面積は最大でも約70㎡だが、全住戸8m以上のワイドスパンで廊下面積を圧縮し居住性を高めているのも評価できる。

 大宮区を中心に告知を行っているようだが、竣工は1年先であり、現在は同エリアでの競合物件も少なく早期の完売が期待できる。

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モデルルーム

カテゴリ: 2014年度

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「スカイティアラ」完成予想図 

 住友不動産は2月27日、記者見学会を行い、板橋区・志村坂上の大規模マンション「スカイティアラ」のモデルルームを3月1日にオープンすると発表した。ガラスをふんだんに採用し、白と黒のデザインが美しいマンションだ。

 物件は、都営三田線志村坂上駅から徒歩8分、板橋区小豆沢一丁目な位置する敷地面積約16,000㎡の19階建てウエスト棟(456戸)と13階建てイースト棟(165戸)合わせ全621戸の規模。専有面積は57.20~88.40㎡(平均74㎡)、価格は未定だが坪単価は230万円の予定。完成予定は平成27年4月中旬。設計・施工は大林組。敷地はアステラス製薬の工場跡地。

 総合設計制度の適用を受け、広大な敷地内に提供公園を含めた4つの公園を配し、約1,000本の樹木を植樹。

 外観はモノトーンのタイルとガラス手すりのバルコニー、ガラスカーテンウォールで構成。黒や白のマリオン、サッシ枠を巧みに取り入れることでデザイン意匠に工夫を凝らしているのも大きな特徴。最上階は「ティアラ」にふさわしくガラス貼りとしている。

 共用廊下には同社独自のメーターや室外機を外廊下側に設けたシャフトに格納する「S-マルチコア」を採用。天井高は標準階で2,550ミリ。好みの間取りやインテリアカラーが無償で選べるカスタムオーダー対応とする。

 昨年11月から告知を開始しており、これまで広域から約2,000件の問い合わせがあるという。

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最上階の住戸部分

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 物件名に「TIARA」を冠し、〝光景(シーン)となる象徴(シンボル)〟をうたい文句にしているように外観のデザイン意匠に力を入れている物件だ。特に北側の表情が美しい。

 記者の知る限りこれまで物件名に「ティアラ」を付けたマンションは、大成有楽不動産・平和不動産「ティアラシティ」(松戸市、2000年竣工)とタカラレーベン「ティアラの丘」(八王子市、2009年竣工)がある。「ティアラ」が美しいのは何と言ってもオリックス不動産「ダ・タワーズ台場」(港区、2006年竣工)だ。

 「ティアラシティ」はオードリー・ヘップバーンをイメージ・キャラクターに採用した最初のマンションで、マンションに「ティアラ」があったわけではなく、「ローマの休日」のティアラ姿が広告の前面に押し出されたものだった。外観はベージュ・アールを多用していた。

 今回のマンションは今までの「ティアラ」を冠したマンションと比べてもひけはとらない。むしろ「白と黒」のデザインに記者は惚れ込んだぐらいだ。後姿がとくにいい。シアターでは、商品企画を担当した同社製品企画室シニアエンジニア・山田武仁氏が数分間にわたって物件に込めた「想い」を語っていたのが印象的だった。

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 坪単価は予想していた通りだった。坪250万円を超えてくると準都心部でも販売は苦しくなる。これくらいの単価設定が楽ではないがサラリーマンに手が届く価格帯だ。

 山田氏のシアターでのトーク・出演料を単価に置き換えると1万円/坪の価値はあると思うがどうだろう。ご本人は安すぎるというだろうか。山田氏は間違いなく同社の名物男だし、これ以上ない宣伝マンだ。

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販売事務所に設けられている模型

「シティテラス加賀」 住友不動産・山田氏、商品企画を熱く語る(2013/12/11) 

カテゴリ: 2014年度

 建築工事費の上昇、職人不足は深刻の度を増しているが、その影響はマンションの広告にも表れている。施工会社が決まらず、物件概要に「未定」とするものが散見されるようになってきた。そのような「広告」を見るにつけ、デベロッパーの苦悩が伝わってくる。

 広告の開始時期の制限を定めた宅地建物取引業法第33条には、「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない」とあるが、この規定には施工会社を明記しなければならないとはなっていない。

 つまり、施工会社が決まらなくても広告は打てる。不動産広告の自主規制団体、不動産公正取引協議会では「好ましくはないが違反ではない。施工会社が決まっていないマンションを消費者がどう判断するか」(首都圏)「厳密に言えば違反だが、諸事情があり『予告広告』の段階では未定でも認めている。本広告の段階ではきちんと明記するよう指導している」(近畿地区)としている。

 記者はマンションの施工会社も設計・監理会社も極めて重要な選択肢の一つだと思うが、やはり一番重要なのはデベロッパーの姿勢だ。施工がどこであっても、「これが当社のマンション」と自負できるようなブランドを目指すべきだ。

 とはいえ、施工会社が分からない(そもそも設計会社も監理会社も管理会社も広告で表示する義務はない)マンションの購入を検討する人はどれくらいいるだろうか。施工や設計、監理、管理がどこであるかも重視されるのが本来の姿であると思う。

カテゴリ: 2014年度

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左から東建・田代氏、中村氏

 東京建物は2月25日、東京急行電鉄、オリックス不動産、日本土地建物販売、伊藤忠都市開発とともに開発を進めている横浜市磯子区のプリンスホテル跡地の大規模マンション「Brillia City横浜磯子」(全1,230戸)が完成し、敷地内の歴史的建造物「旧東伏見邦英伯爵邸」(通称:貴賓館)に出店する創作和食レストラン「中村孝明貴賓館」が2 月28 日にオープンすると発表した。同日、報道陣向けに中村氏も出席して試食会も兼ねた内覧会を行った。

 物件は、JR京浜東北線・根岸線磯子駅から徒歩4 分(敷地入口/グランドゲートまで)、横浜市磯子区磯子3 丁目に位置する敷地面積約10.2ha、3~10 階・地下1~2 階、住宅棟13 棟、商業棟1 棟からなる全1,230戸の規模。専有面積は61.27~140.13㎡。坪単価は約190万円。設計・施工は大成建設・長谷工コーポレーション。入居開始はⅠ工区が平成25 年8 月22 日、Ⅱ工区が26 年2 月27 日。

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タイをさばく中村氏

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 さすが〝料理の鉄人〟中村孝明氏だ。内覧会のメーンはマンションが竣工したのでランドプランや共用施設の見学が中心かと思ったが、そうではなかった。メーンは中村氏だった。報道陣もいつもの記者とは異なる人のほうが多いように感じた。

 中村氏の料理は「有明」で食べたことはあるが、ご本人にお会いするのはもちろん初めてだ。中村氏は、「このようなところで開店するのは夢だった。天ぷらはなだ万時代から20年来の友人。1階はカジュアル、2階は懐石。調理人だけでなく接客、洗い場が一緒に力を合わせるから最高の『お・も・て・な・し』となる。地域の方々との交流も行っていきたい」と語った。

 試食会で「これを陳建一がばくった」と中村氏が話したフォアグラのムースのようなものはえも言われぬおいしさだった。

 「貴賓館」は鉄筋造の3階建て。延べ床面積は約1100㎡。マンションの管理組合が所有するが、建物の価値、賃料などは公表されなかった。都心なら何万円/坪もするはずだ。

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貴賓館と正面に新設された滝

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 マンションそのものは素晴らしい出来だった。特徴は、①「貴賓館」に和食レストラン「中村孝明貴賓館」がオープン②横浜プリンスホテル跡地約10haを開発③スーパーマーケットやクリニックモールなどの商業施設を併設④駅から徒歩4分の場所に高低差約60mを解消する高速エレベーターを設置⑤地域のコミュニティ活動を広げるタウンマネジメント倶楽部の発足⑥CASBEE横浜でSランクの評価――などで、記者も最高レベルの「S」評価だ。こんなマンションは他にはない。

 唯一納得できないのが売れ行きだ。記者は分譲開始時に見学し、圧倒的な人気を呼ぶと思った。駅につなぐエレベーターを設置し、988台の駐車場の多くを地下化し、大型スーパーに内科・小児科、歯科・耳鼻咽喉科、薬局、認可保育園、美容院、コンビニなどを備えたマンションなどまずないからだ。(分譲開始時は中村氏のレストラン計画はなかったはずだ)

 全13棟もあり駅から遠い住棟は10分以上もかかるが、平均で200万円をはるかに突破しても売れると読んでいた。190万円という単価はいまでも信じられない。これほど予想を外した物件はそうない。

 冷静に振り返ると、眺望の良さと共用施設の充実ぶりを過大評価し、「坂」のマイナスを過小評価したのかもしれない。ホテルがあったとき一度だけ歩いたことがあるが、息が切れた。生活者の視点が欠けていたのだ。

 販売状況については、内覧会に出席した同社プロジェクト開発部部長・田代雅美氏は、「一昨年の初めからこれまで930戸を供給しているがほぼ完売。順調に売れている。お客さまのニーズにあったたくさんの〝売り〟があるマンションだと自負している」と語った。街が完成したことで、販売スピードは加速度的にアップするのではないか。

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貴賓館と客室からの眺め

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竣工した建物

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磯子駅前で咲いていた早咲きの桜

圧倒的な人気呼ぶか東京建物他「Brillia City 横浜磯子」(2012/2/2)

カテゴリ: 2014年度

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「ディアナコート小石川竹早」完成予想図

 モリモトが3月に分譲する「ディアナコート小石川竹早」を見学した。文京区内で過去10年間に供給されたマンションは320棟と少なくはないが、住所が「竹早町」で春日通りに面していないのはこの物件だけで、デザイン性にも優れていることから早期完売は必至だ。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅から徒歩8分、文京区小石川4丁目に位置する9階建て全75戸。専有面積は39.89~98.35㎡、価格は未定だが坪単価は360万円台になる模様。竣工予定は平成27年10月中旬。設計・監理は日本エーコン一級建築士事務所、デザイン監修はアーキサイトメビウス、施工は森本組。敷地はエーザイが所有していた土地。

 現地は、春日通りから一歩入った吹上坂に面したマンションなどが建ち並ぶ一角。デザイン監修はこれまでも〝成熟した大人の感性をもてなす〟がコンセプトの「ディアナコート」シリーズを多く手掛けてきたアーキサイトメビウス・今井敦氏と建築家・藤原益男氏。建物は白を基調に陰影の深い外観で、エントランス部分には錆石割り肌仕上げ。シンボルツリーとして約9のシマトネリコを配置する。

 モデルルームは約89㎡の億ションタイプ。玄関・ホールの床は大理石張り、壁はアフリカ産「ドンシェ」の突板仕上げ。このほかキッチン、洗面室、出窓などに天然石をふんだんに使用しているのが特徴。

 プランは単身者・DINKS向けのコンパクトタイプから億ションまで33タイプ。平均は約72㎡。

 モデルルームをオープンして2週間で来場者は約120組。スタッフ10人で対応しているが、数週間先まで満席のようだ。

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モデルルーム

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 同社の〝ディアナコート〟シリーズは昨年も今井氏と藤原氏のコンビで「ディアナコート小石川播磨坂」(20戸)が分譲された。見学しようと思っていたが、5週間で完売してしまったため見逃した。コンセプトは「播磨坂」と同じのようで、来場者は異口同音に「素晴らしい」を連発するそうだ。

 来場者が絶賛するのも当然だ。先日見学した同社の「ピアース高田馬場」もハイセンスなデザインと間取り提案が素敵だったが、今回の「小石川竹早」は大人の感性に訴えるデザインだ。

 「ドンシェ」は樺桜に似た温かみのある赤褐色。これはいい。藤原氏がお気に入りの面材だとか。

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エントランス(完成予想図)

単身者・DINKS向けの最高レベルマンション モリモト「ピアース高田馬場」(2014/2/17)

カテゴリ: 2014年度

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「ハミングテラス」完成予想図

 新日鉄興和不動産が分譲中の売れ行き好調マンション「ハミングテラス」を見学した。日暮里・舎人ライナー高野駅から徒歩1分(15m)で坪単価は153万円。東京23区内の駅1分のマンションでこれほど安いマンションはまずない。売れ行きが好調なのもうなずける。

 物件は、日暮里・舎人ライナー高野(こうや)駅から徒歩1分、足立区扇二丁目に位置する15階建て全102戸の規模。専有面積は67.89~87.54㎡、坪単価は153万円。竣工予定は平成27年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

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 日暮里・舎人ライナーが開業した平成20年前後には沿線のマンションを結構見学をしたが、最近はまったく見ていない。リーマンショック後は供給も激減したはずだ。すっかり忘れられた沿線になったと思っていた。高野駅圏ではマンション供給はこれまでない空白区であるはずだ。

 ところが、昨年の11月、同社は第1期(30戸)を即日完売したと発表した。第1期の価格は2,898万~4,398万円(最多価格帯3,600万円台、3,700万円台)で、契約者の居住地は足立区が約43%、勤務地は千代田区が約26%、港区が約17%だった。

 記者は、足立区の居住者が5割を切り、勤務地が都心であることに興味を抱いた。「高野」駅を「こうや」駅と読める人はまずいないと思われるくらいマイナーなエリアなのに、都心勤務のサラリーマンがよくぞ購入したものだと思った。

 もちろん、即日完売の要因は「駅1分」という近さと、3LDKで3,000万円の半ばという価格の安さだ。販売担当者も「来場者の6割は地元以外。北区、豊島区、大田区や千葉、埼玉方面も多い。ほとんどの人は初めて降りる駅のようだ」と話したことがすべてを物語っている。現地周辺にはコンビニはあるが、飲食店や喫茶店など商業施設はほとんどない。購入者はそんな不便さはもちろん百も承知の上だろう。

 単価を低く抑えられたのは、第一に土地代が安かったのだろうが、もう一つは住空間をカスタマイズできる「One’s Select」を採用していることだ。これは、〝過剰〟な設備を廃し、グレードの高いアイテムはオプションで変更できるものだ。追加費用はローンに組み入れることができるのも特徴だ。

 このため、下足入れなどは同社がモデルルームで提案している数十万円のものを選ぶ人と、ホームセンターなどで販売されている数万円のものを自ら購入する人の割合は半々だという。

 消費増税と建築費の上昇による分譲価格の上昇で第一次取得層の住宅取得はますます難しくなる。少しでも購入価格を抑えられる「One’s Select」はよく理解できる。

 このところのマンション価格上昇で、23区内の駅近ならまず坪単価は200万円を下らないだろうし、駅力のあるエリアなら250万円以上だろう。まだまだこれからも上昇すると考えているはずだ。ここは坪で50~100万円、20坪で1,000万~2,000万円は安い。〝購入するなら今しかない〟と考えたのだろう。

 その後もコンスタントに売れており、現在までに約7割が契約済みだ。

 一駅先の「江北(こうほく)」駅ではタカラレーベンも「TOKYO ECOSMA PROJECT」(127戸)を分譲する。こちらの単価はもっと高くなりそうだ。

カテゴリ: 2014年度

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「オーベル代々木上原」完成予想図

 大成有楽不動産は2月19日、等価交換マンション「オーベル代々木上原」が販売開始2カ月で完売したと発表した。

 物件は、小田急小田原線代々木八幡駅から徒歩3分、渋谷区上原一丁目に位置する5階建て46戸(一般分譲38戸、事業協力者住戸8戸)。専有面積は41.91~73.29㎡、価格は4,470万~9,170万円。竣工は2013年10月。設計・監理は安宅設計。施工は青木あすなろ建設。

 人気の要因として同社は、「駅周辺の利便性と閑静な住環境を兼ね備える『上原一丁目』住所では16年ぶりの供給」だったことをあげている。問い合わせは1,700件を超え、総来場者は約480件。

カテゴリ: 2014年度

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「ライオンズ横浜上大岡ガーデシティザ・イースト&ザ・ウェスト」完成予想図

 大京は2月19日、マンション業界で初めて「スマートコミュニTV」を採用した「ライオンズ横浜上大岡ガーデシティザ・イースト&ザ・ウェスト」の記者見学会を行った。

 物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン上大岡駅から徒歩12分、横浜市南区別所1丁目に位置する6階建て2棟全147 戸。専有面積は57.75~85.82㎡。ザ・イーストの予定価格は4,100万円台~(58㎡台)、4,500万円台~(70㎡台)、坪単価は230万円台。入居開始予定は平成27 年2月27日。設計は東畑建築事務所。施工は佐藤工業。

 スマートコミュニTVは、テレビのHDMI入力端子に専用機器を接続するだけでマンションの電子掲示板ディスプレイとして利用できる、ファミリーネット・ジャパンが提供するマンション一括型の情報配信サービス。エネルギーの見える化を可能にするほか、入居者の生活利便施設の情報、マンション内のイベント、点検・設備交換情報などの配信も行うことによりコミュニティ形成を円滑に行う役割を担っている。

 建物外観は、自然の風合いを持った柔らかい色彩を基調に、低層部にはレンガ調・サンドベージュ、ダークグレーのタイルやマリオンなどで深い陰影を演出。

 商品企画では、「太陽光全量売電システム」と「電力一括購入サービス」「エネルギーの見える化」を組み合わせる「スマートシステム」を採用して最大21%の節電効果を図るのが特徴。また、専用庭は専用カーポート付きや基本セレクト4タイプに3種類のオプションが選べる「プラスフィールドガーデン」を提案。自然の力を生かした「新・パッシブデザイン」なども盛り込んでいる。

 これまで160組の来場があり、分譲は3月から。反響者の年齢は30~40代が中心だが、60代も20%あるという。

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「スマートコミュニTV」概念図
 

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 物件の売りものの「スマートコミュニTV」は説明を聞いてもよく分からなかったが、簡単に言えば、従来では「見える化」の情報はパソコンやタブレットでしか見られなかったものが、テレビの画面で見えるようにしたのが最大の特徴とのことだった。

 これを発展させれば、テレビでPCの映画を見たり新聞を読んだりすることができるのだろうし、スポーツ観戦しながら友達と戦況をチャットのように語り合ったり、それこそテレビ電話など双方向の情報伝達も可能になるのだろう。すごい時代がやってきたものだ。

 単価はやや高い気がしないわけではないが、70㎡台が中心というからグロス価格を抑えて建築費高騰に対応しているようだ。新・パッシブデザインも同業他社より抜き出ており、キッチン天板に天然御影石を採用するなど全体的な設備仕様レベルも高い。駅からフラットなアプローチもアピールできるか。

 

 

カテゴリ: 2014年度

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「ピアース高田馬場」完成予想図

 モリモトが3月に分譲する予定の「ピアース高田馬場」を見学した。駅から徒歩4分の立地で、敷地の東南側に東電の変電所があるために高い建物が建つ可能性が小さく、住戸プラン、デザインの出来が出色。単身者・DINKS向けとしては最高レベルのマンションだ。

 物件は、JR山手線高田馬場駅から徒歩4分、新宿区高田馬場3丁目の準工業に位置する7階建て全52戸。専有面積は25.11~70.33㎡、価格は未定だが、坪単価は340万円ぐらいになる模様。施工は松村組。竣工予定は平成27年6月中旬。設計・監理は庵都市建築設計事務所。デザイン監修はプランテック総合計画事務所、清野燿聖事務所。

 現地は早稲田通りから1歩入った住工混在エリア。敷地は南北軸が長い長方形で、東京電力の社宅跡地。敷地東側は4m道路を挟んで東電の変電所がある。敷地南側は、約5.7mの道路を挟んで中層ビルなどが建ち並んでいるが、日照は確保されそうで、駅近の割にはまずまずの住環境だ。

 最大の特徴は、広告表示に〝ハイエンドデザインマンション〟と謳っているようにデザイン意匠や使い勝手が優れていることだ。デザイン監修に大江匡氏と清野燿聖氏を起用していることからも力の注ぎようがうかがわれる。

 玄関・廊下は天然石張りで、キッチン天板はフィオレストーン、キッチンキャビネット、食洗機、ドラム式洗濯乾燥機などは標準装備。床は木目調のフローリングで、サッシは2.3m。

 先週末からモデルルームをオープン。大雪に見舞われたが、約30件の来場があり、来場者からは高い評価を得たようだ。

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エントランス

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 正直に書くと、最初現地を見たときの記者の単価予想は「坪300万円でも厳しい」だった。敷地の東側には明日にでも高い建物が建ちそうな空き地があったからだ。現地が準工であることは知らなかったが、商業系のエリアだとすれば日照が全然確保できないと判断した。

 ところが、販売事務所でモデルルームを見て、予想はどんどん吊り上った。これまで同社の〝ピアース〟シリーズはたくさん見てきたが、今回のデザイン、商品企画が最高かもしれない。モデルルームの出来が素晴らしかった。格子デザインをあしらったDENの提案もいいし、キッチンの背面からランドリー、浴室、主寝室への動線もいい。ワイドスパンの東側の窓側は腰壁にしてプライバシーにも配慮している。

 見学を終えて、販売事務所の責任者から「いくらになるか知ってますか」と聞かれたので「坪340万円でしょ」と答えた。ぴったりだったようだ。

 同駅圏では、坪単価370万円の大規模タワーマンションも分譲されているが、住戸デザイン・仕様だけならモリモトのマンションが勝っている。グロスを抑制しているので、「高田馬場」が好きなアッパーミドルの単身者・DINKS層にアピールできれば早期完売は間違いない。

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外観

カテゴリ: 2014年度

サステナブル・コミュニティ研究会がアンケート調査

 表札表示は6割、コミュニティ形成活動なしが6割-サステナブル・コミュニティ研究会(代表:三井不動産レジデンシャル)が実施した「マンション・コミュニティに関するアンケート調査」で課題が多いマンション管理の実態が浮き彫りになった。

 調査結果では、コミュニティ形成に関する活動が「特にない」が約60%にのぼり、行事は「年1 回程度」「2~5 回」が約30%、「防災訓練」実施は約40%にとどまった。コミュニティの自己評価については約70%が「良好」となった一方で、「良好とはいえない」が6%あり、課題については「区分所有者高齢化」が約30%、「ルールを守らない居住者増加」も約20%にのぼった。

 同研究会は、「居住者が楽しく・安心して暮らせ、次の世代にも、さらにその次の世代にも住み続けてもらいたいと思えるような地域社会」(サステナブル・コミュニティ)のあり方を外部有識者や団体と共同で研究し、情報ツールやプログラムを通じて、研究成果を社会に発信していく研究会として2011 年7 月に発足。

 アンケート調査は、今後のマンション開発や管理運営に生かすために行ったもので、調査対象は三井不動産グループが管理を行っている関東エリアの約1,600棟の管理組合。回収数は691棟(回収率43%)。

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 記者が注目したのは、コミュニティに関する活動は「特に活動していない」が6割にのぼるなど活発でない一方で、コミュニティの自己評価では「理事会などでの意見が活発」「イベント・行事への参加も積極的」「懇親会や回覧板を通じて名前が分かり挨拶ができる」「問題が発生したらその都度解決するようにしている」ことなどが高い評価を受け、全体として70%が「とても良好」「おおむね良好」としていることだ。

 活動が活発ではないのに、活発な活動を評価する-この相矛盾した回答をどう評価するかだ。また、コミュニティが「良好とはいえない」と回答した6%の少数派が「お互い興味を示さない」「参加意識の欠如、協調性が欠ける」「自分勝手が多い」「共助の関係はほとんどできていない。自助にも不安」と強い不満・不安を示したのと合わせ興味深い。「表札を掲げている住戸は少ない/ない」が32%にも達するなど、いわばコミュニティ拒否派の存在も無視することはできない。

 「共同住宅」という共助なくして財産維持・管理ができないマンションであるにも関わらず「われ関せず」という居住者が少なくない、同床異夢の実態が浮き彫りになった。問題解決は一筋縄ではいかないということだ。この複雑な問題に同研究会はどのような解決策を打ち出すか興味深い。

カテゴリ: 2014年度
 

 

 

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