三井ホーム 国内初の2×4工法による大規模木造5階建て受注
国土交通省の「平成26年度木造建築技術先導事業」に採択された国内初となる木造(ツーバイフォー工法)による耐火5階建て特別養護老人ホーム「(仮称)第二足立新生苑」の工事を三井ホームが請負うことが決まった。落札価格は約27億4,889万円。応札したのは、辞退者があったため同社のみだった。
建設地は足立区花畑4丁目。敷地面積は約4,551㎡、建物は5階建て延べ床面積約9,016㎡。1階が鉄筋コンクリート、2~5階が木造ツーバイフォー工法。27年度末に竣工する予定。
これまで規模の小さい混構造の木造5階建ての事例はあるが、これほど大きな規模の木造5階建ては国内初となる。
わが国初の木造5階建て特養 国交省が先導モデルとして決定(2014/8/25)
住宅・不動産業界トップの入社式での訓示
住宅・不動産業界の入社式の訓示を記者に届いた順に紹介する。
まず、大和ハウス・大野直竹社長。大野氏は、「お客さまとの信頼関係を構築し、皆さん自身が信用される『人財』になることが不可欠」とし、「目先の結果に一喜一憂せずに地道に努力を続け、『人間力』を磨いてください。1年では大きな差は付きませんが、5年経過すると努力の蓄積が如実に表れてきます」と呼びかけた。
「また、皆さんは『当社グループが大企業である』と思い入社されたとしたら、それは大きな勘違いです。当社は仕事の大小に限らず、常にお客さまの気持ちを考えて行動し、その積み上げによって成長してきた会社です。皆さんは『中小企業たれ』という言葉のもと、上司・先輩に指導・協力を仰ぎ、『行動第一主義』で自らを鍛えてください」と慢心を戒めた。
次に、三井不動産・菰田正信社長。菰田社長は、新入社員に心掛けてほしいこととして五点をあげた。最初は、「『自立した個人』になること。『自立した個人』として『会社のビジョン』に『自らの志』を重ね合わせ『自己実現』を果たしてください」と呼びかけ、二つ目は「幅広い視野を持つ」こと、三つ目は「チャレンジスピリット」、四つ目は「健全な心身を保つ」こと、そして五つ目は「社会人としてのコモンセンスを持つ」こととした。
「世の中の不祥事のほとんどは、常識の欠如に起因するものです。『コモンセンス』がしっかりしていれば、ごく自然にコンプライアンスの態勢がとれるはずです」と結んだ。
三井ホーム・市川俊英社長は、「三井ホームは若い社員とほとばしるエネルギー、そしてチャレンジ精神に満ち溢れています。今後さらに皆さんと一緒に努力し、三井ホームブランドを『未来へそして世界へ』輝かせていきましょう」とエールを送った。
野村不動産ホールディングス・中井加明三社長は、「当社グループは、まだまだ成熟していない、これから新たな展開を切り開き更なる成長に向け、動き始めた企業グループ」としたうえ、顧客志向、チャレンジ精神、有機的に連携する総合力を養うことを訴えた。
また、ダイバーシティプロジェクトを推進し、生き生きと働いてワクワクした企業グループをみんなで創り上げよう」と呼びかけた。
三菱地所・杉山博孝社長は、三井・菰田社長を意識したわけではないだろうが、仕事に取り組む姿勢として四点をあげた。
①インテグリティ・コンプライアンス②チャレンジ志向・イノベーティブ③グローバル④アズワンチーム-で、「当社は日本で初めてオフィス街を創った」「当社のグローバル事業は経営の大きな柱である。海外に進出するグローバルだけではなく、日本に海外から人を呼び込むグローバルも重要であり、様々な取り組みを行っている。どんな仕事の中でもグローバルに通じる部分がある」と話した。
不動産流通業トップの三井不動産リアルティ・山代裕彦社長は、「働きながら能力、経験、人格を磨き、自らの力を高めていってほしい」「当社の目指す会社の形は自由闊達、自由闊達は三井の社風」と強調し、「私が勝手に考えたことですが、何事をするにも『必死』になれば、『必至』は実現する。この気概を持って社会生活を送ってください」と「必死」と「必至」の将棋からくる言葉を新入社員に贈った。
ポラス 越谷市初の特例子会社へ 障がい者中心の新会社設立
「ポラスシェアード」オフィス内
ポラスグループのポラスが障がいのある人により多くの働く機会を提供するために「ポラスシェアード」を2月6日に設立し、3月16日から事業を開始した。どのような職場で、何を目指すのか興味があったので取材した。責任者のビジネスサポート課課長・加知方真美子氏は「助走段階を経て第一歩を踏み出せた。親(ポラス)から自立し、利益が出る会社にしたい」と語った。
ポラスグループは、これまでも障がい者の雇用促進に努めてきたが、より多くの障がい者の能力が発揮できる環境や安心して働ける場を恒常的に提供するためには、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)に基づく特例子会社を設立することが最善と判断し、新会社を設立した。
新会社は20名(うち17名が障がい者)でスタート。県内からの通勤者が約7割で、残りは東京都と千葉県など。
当面はオフィスサポート業務を中心に、住宅メーカーならではの図面作成補助(色づけや製本など)や設計での通風計算などを考えているが、それぞれが補完し合い多種多様な仕事を確保していきたいとしている。
障害者雇用促進法では、従業員50名以上の会社は、障がいがある従業員を従業員全体の2%以上雇用することが義務付けられているが、障害者のための特別な配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、その子会社に雇用されている障害者を親会社や企業グループ全体で雇用されているものとして算定できる特例が設けられている。
平成26年5月末現在、特例子会社は全国で391社あり、住宅・不動産関連では三井不動産、長谷工コーポ、レオパレス、大和ハウスグループなどが設立している。埼玉県は21社で、同社が認可されれば越谷市で初となる。
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記者もそうだが、ほとんどみんな障がいのある人が身近にいる。厚労省のデータによると、身体障害者は366.3万人(人口千人当たり29人)、知的障害者は54.7万人(同4人)、精神障害者は320.1万人(同25人)で、およそ国民の6%が何らかの障がいを有している。
この数字は、法律や制度によるもので、「障害」の定義にも問題がないとは言えず、データに表れない人を含めるとその数倍はあるのではないか。例えばOECDのデータ。「過去6カ月間に健康問題や障害がある」と答えた稼働年齢(20~64歳)の障害者割合は20カ国平均で14%あり、もっとも高いスウェーデンは20.5%に達している。もっとも低いのは韓国で3.0%。わが国にはそんなテータはないが、「あなたは何らかの障害を抱えていますか」と聞かれたら、どれだけの人が「ノー」と答えられるか。そんな疑問を抱きつつ、これからのマンションやその他の取材にも生かそうとも考え、同社の取材に出かけた。大正解であった。
加知方氏は、「代表(中内晃次郎氏)とは30回は話し合った。思いは一緒。障がいを持っている人がそれぞれの技術を生かし、カバーしあい、働き甲斐が持てる職場にしたい。現在、30業務を行っている。下請けではなくパートナーとして評価してもらえる会社に伸ばしたい」と語った。
その加知方氏が「私のパソコンの師匠」という、同社が請負った注文住宅の顧客にプレゼントする図面作成の補助を担当している瀬谷裕太氏(22)は、「工業・情報系の高校を卒業しているので、CADの操作は学んでいたが、建築CADは初めてだった。最近は慣れてきたが、表紙も全て手作りなので1冊作るのに約8時間。将来はデザインの仕事にチャレンジしたい」と話した。昨年、住んでいた吉川市から草加市に移り一人暮らしを始めたそうだ。
もう一人、車椅子利用の社員からも話を聞いた。その社員は、電車を利用する場合、エレベータのない駅もまだ多いこと、あっても遠回りをしないと利用できないなどの現状の改善を訴えた。
瀬谷氏(左)と加知方氏
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「障害」の漢字表記は差別的であることから「がい」とひらがな表記をするところが増えている。記事も双方を使い分けた。
そこで、いろいろ調べてみた。昭和20年に施行された「障害者の雇用の促進等に関する法律」でも「障害者」が用いられているが、「害」が使用されたのは戦後からで、戦前は「障碍」が用いられていたようだ。
「碍」は「さまたげる」という意味があり、1919年に設立された絶縁体メーカー「日本碍子」も「碍」が用いられた。「害子」では具合が悪いのだろう。商号は現在も「碍子」が用いられているが、1989年に社名表記は「日本ガイシ」に変更されている。ホームページでは「碍子」ではなく、ひらがなの「がいし」表記も多い。
「障碍」と「障害」のどちらがいいか分からないが、「障害」と「者」をくっつけて「障害者」とするから問題が生じるようにも思う。「障害」は「持つ」のか「ある」のか「受ける」のか「抱える」のかで微妙に意味も異なってくる。言葉を乱暴に扱ったからこそその反動が表れてきているのではないか。「障害」を英訳すればすぐ浮かぶのは「barrier」だし、「障害者」よりまだ「handicapped person」のほうがすんなり受け入れやすい。中国語では「残疾人」と呼ぶそうだ。
この呼称の問題も含め、健常者と障がい害が共存するインクルージョンの考え方が世の中に浸透するよう企業もわれわれサラリーマンも考えないといけない。同社には、障がい者の立場から戸建てやマンションの商品企画にユニバーサルデザイン(UD)提案がされることを期待したい。
大和ハウス WLB支援「アクティブ・エイジング制度」&「親孝行支援制度」導入
大和ハウス工業は3月27日、ワークライフバランス(WLB)支援のため65歳以降も勤務可能な「アクティブ・エイジング制度」と介護が必要な親を持つ社員の帰省旅費を補助する「親孝行支援制度」を4月1日付で導入すると発表した。
「アクティブ・エイジング制度」は、年齢制限を設けていないため、労働意欲があり、一定の業績が認められるシニア社員については年齢の制約にしばられることなく、勤務を継続することが可能となる。雇用体系は嘱託雇用で毎年更新、給与は20万円/月、週4日勤務(週休3日)など。同社は現在、60歳~65歳のシニア層(394人)を正社員として継続雇用している。
「親孝行支援制度」は、遠方に介護が必要な親をもつ社員の経済的負担の軽減を図るため、年4回を上限に、帰省距離に応じた補助金(1.5万~5.5万円/回)を支給するもの。同社は2012年4月から期限の上限がない介護休業制度を導入しているが、転勤などにより遠方に介護が必要な親をもつ社員は、親元に何度も帰省しなければならず、旅費負担が足かせとなっていたという。
近鉄不動産 首都圏の事業拡大へ 「法人営業センター東京」開設
近鉄不動産は4月2日、「法人営業センター東京」を開設する。投資用および事業用不動産の取扱いやリーシングも含めた首都圏の収益拡大を目指すもので、既存の「近鉄の仲介新宿営業所」(東京都新宿区)を増床し、新たに法人営業部門を設置する。
「法人営業センター東京」は東京メトロ丸ノ内線・副都心線・都営新宿線新宿3丁目駅から徒歩2分。新宿2丁目5番10号 成信ビル9階(「近鉄の仲介新宿営業所」隣接)スタッフは担当部長2名、所長1名含む計8名。
大和ハウスグループの大和リース 全国の自治体・学校に49台蓄電池寄贈
大和ハウスグループの大和リースは3月25日、非常時の地域支援活動の一環としてリチウムイオン蓄電池「パワーイレ」を全国の自治体や学校15カ所に49台寄贈すると発表した。
同社は全国の庁舎や学校などの公共施設でPFI、PPP事業を行っており、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの国内外の災害時においては応急仮設住宅の建設に携わってきた。その経験から、緊急時に司令塔の役割を果たす行政を支援したいという思いから寄贈することにしたもの。
東急リバブル 「千歳烏山」など一挙に5店舗新設
東急リバブルは3月23日、売買仲介店舗「千歳烏山センター」(東京都世田谷区)、「日暮里センター」(同荒川区)、「武蔵小金井センター」(同小金井市)、「芦屋センター」(兵庫県芦屋市)、「琴似センター』(北海道札幌市)の5店舗を4月2日(木)に開設すると発表した。
今回の出店により同社の全国リバブルネットワークは162カ所になる。
平成26年度 なでしこ銘柄 大和ハウス、積水ハウス、NTT都市開発が選定
大和ハウス工業は3月18日、経済産業省と東京証券取引所が女性活躍推進に優れた上場企業を選出する平成26年度(2015年)「なでしこ銘柄」に選定されたと発表した。
「なでしこ銘柄」は平成24年度から毎年実施されているもので、前年の26社から今回は40社に大幅に増加した。これまでは1業種1社とされていたが、今年度から社数の多い業種については2社に広げたのが主な増加の要因。「女性活躍」の取り組みが増えたためかどうかは不明。
建設業では同社が初めて選ばれたほか、積水ハウスが2年ぶりに復帰した。また、不動産業界からはNTT都市開発が初めて選定された。
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わが住宅・不動産業界から一挙に3社も「なでしこ銘柄」に選定されたことは結構なことだ。しかし、1業種2社までと制限をつけるのはいかがなものか。基準を満たしている会社は全て選定するのが本筋だろう。
さらに言えば、ことさら「なでしこ」を推奨するのも問題がある。性差は関係ないという意味で「サムライ・なでしこ」か「ジェンダーフリー」、あるいは「ダイバーシティ・なでしこ」にすべきだろう。銘柄が増えすぎて推奨する意味がなくなるのが理想ではないか。
長谷工総研 月刊誌「CRI」創刊35周年 記念セミナー
「CRIセミナー」(文京シビックセンターで)
長谷工コーポレーションの企業内研究所、長谷工総研は3月10日、月刊誌「CRI」創刊35周年記念セミナーを開催した。定員いっぱいの約90名が参加した。
冒頭、同研究所・久田見卓社長は「長谷工総合研究所は、長谷工コーポレーションが長谷川工務店という社名の時から企業内調査研究部門として発足、活動を開始し、1994年4月、長谷工総合研究所に改称しました。月刊誌「CRI」は昨年の9月号をもって創刊35周年を迎えることができました。みなさん読者の方々に感謝の気持ちをお伝えするためにCRIセミナーを開催させていただきました。今後とも常に新しい情報を発信してまいりますので、ご支援くださいますようお願いいたします」と挨拶した。
セミナーは、第1部で竹村公太郎氏が「地形から見た都市文明論」と題し、第2部では見城美枝子氏が「HOUSING 未来予想」と題しそれぞれ講演した。両氏ともCRIに寄稿しており、見城氏は2009年6月号から巻頭のエッセーを担当している。
久田見社長
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「CRI」には記者も創刊当時からお世話になっている。記者は主にミクロのマンション市場を追っていたが、CRIはマクロデータをいつも提供しており、全体像をとらえるのに重宝した。「継続は力なり」を実践した。
これから期待したいのは、より読者とのつながりを密にしていただきたいということだ。住宅・不動産業界の企業内研究所の対外活動では、旭化成ホームズの「くらしノベーション研究所」が定期的にセミナー・記者懇親会を行っており、突出した存在だ。長谷工総研も負けないでいただきたい。
野村不HD社長に沓掛氏、野村不社長に宮嶋氏 中井現社長は会長へ
沓掛氏(左)と宮嶋氏
野村不動産ホールディグスと野村不動産は3月6日、野村不動産ホールディングスの社長に沓掛英二副社長が、野村不動産の社長に宮嶋誠一副社長がそれぞれ昇格すると発表した。沓掛氏は6月の株主総会後に、宮嶋氏は4月1日付で就任する。宮嶋氏は同社初のプロパー社長となる。両社の社長を務める中井加明三氏は代表権のある会長にそれぞれ就任する。
沓掛英二氏(くつかけ・えいじ)は昭和35年生まれ、長野県出身。同59年明大卒。同年野村證券入社。平成20年執行役員、同24年副社長、同26年野村不動産ホールディングス副社長。
宮嶋誠一氏(みやじま・せいいち)は昭和33年生まれ、東京都出身。同56年早大卒。同年野村不動産入社。平成16年取締役、平成26年副社長。