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「第9回キッズデザイン賞」シンポジウム(六本木ヒルズ森タワーで)

 キッズデザイン協議会(内閣府認証NPO、会長:和田勇・積水ハウス会長兼CEO)は8月3日、子どもたちの安全・安心、健やかな成長発達に役立つデザインを顕彰する「第9回キッズデザイン賞」受賞作品308点の中からより優れた作品として最優秀賞・優秀賞・奨励賞・特別賞など36点を発表した。同賞への応募作品は過去最多の474点だった。

 最優秀賞(内閣総理大臣賞)は「ルナドリームカプセルプロジェクト」(ルナドリームカプセルプロジェクト実行委員会)で、このほか「経済産業大臣賞」4点、「少子化対策担当大臣賞」2点、「消費者担当大臣賞」1点、今年度から新設された「男女共同参画担当大臣賞」1点が選出された。

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 記者は記者発表・表彰式のあとに行われた各受賞者によるプレゼンテーションを取材したのだが、大人の目線ではなかなか気づかないことやドキッとさせられることなどがたくさん報告された。社会経済の変化とそれが子どもにもたらした影響などがよく理解できた。

 いくつかを紹介すると、「夢が描けない子どもが増えている」(総理大臣賞を受賞した「ルナドリームカプセルプロジェクト」)「人口比約2%の弱視は早期発見でかなり改善できる」(経産大臣賞を受賞した「3歳からの『たべたのだあれ? 』視力検査キッド」)「手動と電動のそれぞれいいところを取り込んだ」(子ども向け車いす用アシストを開発したヤマハ発動機)「掃除時間は1998年が42分だったのが2014年は29分に短くなった」(空気清浄機付きスティッククリーナーを開発した三菱電機)「在来作物はわが国の文化」(在来作物で味覚レッスン)などだ。

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 もう一つの取材の狙いは、今年度新設された男女共同参画担当大臣賞にはどのような作品が受賞するかにあった。受賞したのは乃村工藝社の「ノムラのソーシャルマーケティングへの取り組み<チームM>」だった。

 プレゼンを行ったのは、同社営業開発本部企画開発部開発ルームチームMデザイナー・松本麻里氏だった。松本氏はチーム立ち上げから展開、課題、今後の目標などについて次のようによどみなく語った。

 「この5年間で産休を取った女性30名が全員復帰した」「仕事を通じて社会とつながっている、よりエンドユーザーに寄りそった仕事ができることでモチベーションも上がった」「大学などともコラボして、課題の見える化も進めたい」

 話を聞きながら、今年3月に取材した日本建築士会連合会女性委員会(女性委員長:永井香織・日大准教授)を思い出した。この時と同様、松本氏は「あー」とか 「えー」とかの機能語をほとんど話さなかった。最後に松本氏は「まだまだ紹介しきれない取り組みがあるが、社会の課題解決のために取り組んでいく」と締め くくった。

 「チームM」は2年前、同社の新規事業提案で採用されたプロジェクト第一弾で、同社で働く育児経験がある女性社員5名から構成されており、仕事と育児との経験から見えてくる気づきを生かし、子どもたちの未来のために心地よい空間をデザインし提案していくのが目的。

 審査評には、「子育て中の女性社員が部署横断でチームを編成し、子連れで外出しやすい空間や理想的な保育施設の提案を行う社会有用性の高い取り組み。この活動の成果として、同社では育休後の復職率ほぼ100%を継続している。女性の活躍推進というテーマにもっともふさわしいものとして高く評価した」とある。

 

カテゴリ: 2015年度

 大和ハウス工業は8月4日、同社の完全子会社であるフジタと大和小田急建設を平成27年10月1日付で経営統合(合併)し、フジタを存続会社として大和小田急建設は解散すると発表した。

 両社を経営統合することにより、経営資源の集中と最適化、業務の効率化を推進し、国内建設業の収益力の追求や海外事業の拡大・加速を図るのが目的。

カテゴリ: 2015年度

 積水ハウスは8月3日、キッズデザイン協議会が主催する「第9回キッズデザイン賞」で江東区の保育園「江東湾岸サテライトスマートナーサリースクール本園テニスの森キャンパス」が優秀賞少子化対策担当大臣賞を受賞したと発表した。

 世帯数が著しく増加している豊洲地区の分園で乳幼児を受け入れ、分園からバス約10分の同保育園で保育するサテライト方式を採用。設計期間3カ月、施工期間5カ月という短期間で建設し、江東区の待機児童対策の早期解決に貢献した。

 審査員からは「大型ショッピングモールに隣接し送迎に便利な分園と、子どもが伸び伸び過ごせる本園を送迎バスでつなぐという方式は、これからの都市型の保育施設のあり方として社会提案性が高い。地域の防災拠点として機能する点も優秀。地域における社会課題の解決策を凝縮した好例」として高く評価された。

 同保育園の事業主は社会福祉法人高砂福祉会で、建物は鉄骨造2階建耐火構造(積水ハウスβシステム工法)延べ床面積約1885㎡の江東区認可保育園。定員は222名。

 同社は、今回の「第9回キッズデザイン賞」で同保育園を含め4部門7点がキッズデザイン賞を受賞した。

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 細田工務店は7月27日、木造住宅の構造躯体工事の請負体制が整い、本格的な受注を開始したと発表した。同事業は、これまでの1棟単位の請負とは異なり「木造軸組工法」と「2×4工法」での上棟工事、フレーミング工事の請負を核とし、付帯する基礎工事や屋根工事、造作工事といった一連の工事についても請負うもの。

 独自の施工ノウハウを活用することで、労務確保が難しく工期が遅れるといった問題を抱える事業者の労務確保に応え、工期短縮にも貢献する。

 初年度は、事業基盤の確立をはかりながら50棟の受注を目標とし、次年度には受注の核となる「上棟工事専属チーム」を組織化して150棟の受注を目指す。

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「段取りの〝段〟はどこの〝段〟? -住まいの語源楽-」

 永江朗氏著「広辞苑の中の掘り出し日本語」(出版社:バジリコ)を読み終えた本日(7月27日)、大和ハウスから、住まいのノウハウ本の第3弾「段取りの〝段〟はどこの〝段〟? -住まいの語源楽-」(出版社:新潮社)を頂いた。

 同社がフリーライターの荒田雅之氏と共同で上梓したもので、第57回日本雑誌広告賞(第二部タイアップ部門)で金賞を受賞した週刊新潮の連載企画「住まいの語源楽」(平成25年3月14日号~6月5日号)を加筆・再編集した、住まいや建築に由来する身近な51種類の言葉の語源やその変遷を綴ったエッセーだ。

 記者は最近、週刊誌はまったく読まないので(以前は新潮も文春もよく読んだ)、この連載は全く知らなかったが、目次を見ただけで「これは読まなければ」とすぐ思った。

 まだ読んではいないが、最後のテーマは「終の住処」だ。ここでは、鴨長明の「方丈記」と長明についていろいろ書かれている。記者は3.11後、「方丈記」を40年ぶりくらいに読んだ。あの京都の大地震とその被害について克明にルポしている。記者の鑑のような長明の〝足〟に驚愕したのだが、この「語源楽」は、単なる言葉の意味を紹介するだけの辞書でないのがいい。

 いまは、記者の好きなロバート・ゴダードの最新作「欺きの家」(講談社文庫、上下)を読み始めたばかりで、「語源楽」はすぐには読めないが、必ず読む。住宅を知るにはいい本に違いない。

 ついでながら「広辞苑の中の掘り出し日本語」について。永江氏は、広辞苑の中から面白い言葉を紹介しながら、「乳繰る」の「乳」はおっぱいではなく、「傍ら痛い」の「傍ら」は「片腹」ではなく、「独擅場」は「独壇場」ではなく、「押っ取り刀」は「おっとり」ではないことなどを紹介している。「恋ひ明かす」「雪肌」「目垂り顔」「相悪阻」「浮世糸瓜の皮頭巾」「助三杯」「百舌勘定」などの言葉も面白い。

 記者からも一言。われわれはよく「びっくりしない」と同じような意味で「ぞっとしない」と言うが、これは「あまり感心しない」という意味だ。

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 ポラスグループは7月14日、埼玉県が平成27年度に創設した補助事業「ミニエコタウン事業」の協働事業者にポラスグループの6社が選定されたと発表した。

 「ミニエコタウン事業」は、既成市街地のエネルギーの地産地消を目指すのが目的で、民間事業者が過去に販売した「ミニエコタウン・モデル街区」で県が指定するエコリフォームなどを行なった場合、費用総額の20%、最大100万円の補助が受けられる。

 「ミニエコタウン・モデル街区」に選定されたポラスグループの5街区(17分譲地・575戸)は、今年度に協働事業者として選定された4企業の中で最大戸数となる。

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 長谷工コーポレーションが学生を対象とした第9回「長谷工 住まいのデザインコンペティション」を実施する。

 今年のテーマは、東京都心で緩やかな勾配のある敷地に30戸の集合住宅を想定した「100歳の集合住宅」。自由にテーマを解釈し、単なる高齢者の住宅とは違った新しい集合住宅、歳を重ねた時に豊かな暮らしを実現できる集合住宅の提案が期待されている。

 賞金は、最優秀賞1点100万円/優秀賞3点各50万円/佳作10点各10万円(全て税込、総額350万円)。昨年は201点の応募があった。

 応募資格は2015年12月31日時点で学生であること(大学院、大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校など)。登録・作品提出締切は2015年11月17日(火)必着(送付のみ受付、バイク便不可)。審査講評・表彰式は2015年12月19日(土)、ホテルニューオータニ。審査委員長は隈研吾氏。

 応募登録はデザインコンペティションホームページから。

http://www.japan-architect.co.jp/haseko/2015/

 

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 積水ハウスは7月3日、キッズデザイン協議会主催の「第9回キッズデザイン賞」の4部門で合計7点のキッズデザイン賞を受賞したと発表した。受賞は同賞のそうせつ以来、9年連続となった。

 キッズデザイン賞は「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」「子どもたちを産み育てやすいデザイン」というキッズデザインの理念を実現し、普及するための顕彰制度。受賞作品には「キッズデザインマーク」の使用が認められる。

 同社が受賞した作品は次の通り。

<子ども視点の安全安心デザイン>

一般部門

☆高速検知住宅用火災警報器「i-FAS(アイファス)」

☆「防災未来工場」キッズ防災リーダー育成プロジェクト~自分・家族・地域を守るために~

学び・理解力部門

☆キャプテンアースの「いえコロジー」セミナー

<子どもの産み育て支援デザイン>

地域・社会部門

☆江東湾岸スマートナーサリースクール本園テニスの森キャンパス

☆共助を取り入れた子育てしやすいまちづくり~子育て共助のまち普及モデル事業~

☆従業員と会社の共同寄付制度「積水ハウスマッチングプログラム」

<復興支援デザイン>

復興支援デザイン部門

☆震災復興と環境保全を通じ、子どもたちの生きる力を育む「巣箱作り体験教室」

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 三井不動産リアルティは7月3日、東京都サッカー協会が主催し、東京都少年サッカー連盟が主管する「東京都U-12 サッカーリーグ」に本年度後期リーグから協賛すると発表した。

 生活圏に根付いた「東京都U-12 サッカーリーグ」の活動は、地域コミュニティを大切にし、子育て世代に向けて事業展開する同社の既存住宅流通事業「三井のリハウス」の活動と通ずるものであり、より一層の地域活性化に貢献したいという思いから協賛を決定したという。

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 記者はサッカーには興味がないが、結構なことだ。興味のある方はRBA野球大会で活躍している三井不動産リアルティ、三井不動産などの野球記事を読んでいただきたい。

RBA野球大会

 

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ポラス代表取締役・中内晃次郎氏

 ポラスグループの平成27年3月期連結業績は、消費増税の反動減の影響を受けたものの、分譲住宅が後半に盛り返し、プレカット事業も生産量が拡大したことなどから、売上高はほぼ前期並みを確保し、純利益は過去最高を達成した。

 売上高は1,734億円(前期比99.9%)、営業利益は104億円(同94.7%)、経常利益は111億円(同97.7%)、純利益は29億円(同117.4%)。契約戸数は分譲住宅が2,074戸(同94.1%)、注文住宅が725戸(同85.1%)。

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 同社の分譲住宅について考えてみる。契約戸数が3年連続で2,000戸を超えた。これはすごい数字だ。しかし、何を持って分譲とするのか、どこと比べるのかによって意味は異なってくるし、この2,000戸がどのような数字かも理解しがたい。

 例えば圧倒的な戸数を誇る飯田グループはどうか。同社の平成27年3月期の売上戸数は45,656戸だ。内訳は一建設が11,686戸、アーネストワンが10,183戸、飯田産業が5,858戸、東栄住宅が4,159戸、アイディホームが3,929戸、タクトホームが3,673戸だ。

 大手のハウスメーカーとはどうか。これはデータがないので分からないが、積水ハウスの分譲住宅の売上高は約1,200億円だから、1戸4,000万円として戸数は約3,000戸だ。もちろんハウスメーカーは分譲が主力ではない。

 デベロッパーとの比較はどうか。トップの三井不動産レジデンシャルの戸建て分譲戸数は899戸で、2位の野村不動産は859戸だ。今期の三井の予定戸数は800戸で、野村は850戸。予定通りであれば、野村が初めて三井を抜くことになる。3位以下は比べ物にならないほど少なく、デベロッパーの分譲戸建ては三井と野村の2強の争いになっている。

 ではいったい、ポラスはこれらと同じ土俵で論じるべきかどうか。「建てて売る」ことを分譲住宅と定義づけるなら、みんな同じだから、飯田グループが圧倒的に多く、積水ハウスなどのハウスメーカー、そしてポラスグループ、三井、野村などと続くことになる。

 しかし、記者はこれらを一括りして比較すべきでないと考えている。飯田グループの分譲住宅はここ数年全く見ていないので何とも言えないが、顧客層が重なる部分はあってもコンセプトも価格帯も商品も異なる。よって、この飯田グループは比較対象としない。ポラスグループが飯田グループと競い合う意味は全くない。

 となると、他のハウスメーカーや大手デベロッパーと競い合うべきだと思う。弱点はある。やはりブランド力は全国展開している大手ハウスメーカーやデベロッパーにはかなわない。ポラスの商圏は埼玉、千葉、それと都内の東武東上線、西武線、城東エリアなどに限られている。

 この主戦場でどう他社との競合に打ち勝つか。記者は十分勝算はあるとみている。商品企画がいいからだ。

 戸数が少ない現場でも街づくりに力をいれているのがその一つだ。住宅のトラブルに際して迅速に対応できないエリアでは事業を行わないという企業姿勢も同社の大きな強みだ。

 住宅そのものの商品企画でも他社より優れているものが少なくない。例えば天井高。同社は1階の天井高2700ミリを標準としている。これは圧倒的な強みだ。無垢材を建具や作り付けの家具に積極的に採用しているのも差別化につながるし、収納などにも工夫を凝らしている。また、以前から入居者同士のコミュニティづくりにも力を入れている。

 ここ1、2年、同社は都内でも数カ所分譲しているが、どこも売れ行きは好調だ。ユーザーに支持されている証だ。記者も大手と互角に戦える商品企画だと思う。

 こうした強みをどうアピールしていくかだが、ここに同社の課題があるように思う。阿波踊りに加え、サッカーの浦和レッズのスポンサーになったことで知名度はかなり浸透しているだろうが、〝ポラスの住宅〟とは何かをわかりやすく伝える工夫が必要ではないか。ブランディング強化に期待したい。

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決算説明会で紹介されたポラスグループ社員で女子サッカー「レッズレディース」の選手。左がDF(ディフェンダー)の千葉望愛さん(経営企画部 経営企画室 広報チーム所属)。右がGK(ゴールキーパー)の池田咲紀子さん(総務部 サービス課所属)

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