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左からSUPER STUDIO取締役副社長COO兼CPO・花岡宏明氏、林氏、高波氏、三井不動産スポーツ・エンターテイメント本部商業施設運営一部長・渡辺誠氏

 三井不動産とSUPER STUDIOは5月16日、戦略的資本業務提携の契約を締結したと発表した。コマースビジネスにおけるオムニチャネルサービスの進化とイノベーションの創出を目指すもので、三井不はSUPER STUDIOが行う第三者割当増資による新株式発行の割当先となり、これまでの出資と合わせSUPER STUDIOは三井不の持分法適用会社となる。

 発表会に臨んだSUPER STUDIO代表取締役社長CEO・林紘祐氏は「今後は両社でオムニチャネルサービスのさらなる進化とイノベーションの創出を目指し、三井不動産と共に日本のコマースDXを牽引する存在として、新たなプロダクトやサービス開発なども視野に入れ、成長を続けてまいります」とコメント。

 また、三井不動産執行役員イノベーション推進本部ベンチャー共創事業部長・髙波英明氏は「SUPER STUDIOは、当社のオムニチャネル戦略を実現する上で、顧客体験の向上に必要な機能開発、実装における課題に対してのスピーディーな解決力、デジタル技術を含めた高い開発力、当社戦略への共感・提案力を持つ重要なパートナーです。この度の戦略的資本業務提携を通じ、両社のこれまでの取り組みをより深化させ、今後さらなる協業推進や事業展開、当社の様々なアセットを活用した新サービスの創出などを検討し、ともに成長してまいります」とコメントした。

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左から花岡氏、林氏、高波氏が履いていた白のスニーカー(ネットで調べた。小生の革靴より高い値段が付いている商品もあった)

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 SUPER STUDIOは同日、三井不動産及びグローバル・ブレインが共同で運営するスタートアップ投資事業「31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI事業」、ALL STAR SAAS FUND、きらぼしキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資により約17億円の追加資金調達を実施し、これによりエクイティ性資金による累計資金調達額は約101億円になったと発表した。

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 Eコマースの名前だけは知っている。中古本はもっぱらアマゾンで買う。かみさんもネットショッピングをよく利用しているようだ。見たくもないのにテレビショッピングが大音量でCMを垂れ流している。しかし、小生はどのような業界か市場か、まったく興味はない。完全な門外漢だ。

 今回の取材は、話を聞いても分からないので見送ろうかと思ったのだが、誘いがあった取材は断らないというのが小生の取材姿勢だ。何か新しい発見があるかもしれないと考え出席した。たくさんの記者の方が詰めかけており、関係者を含めると50人はいたはずだ。

 発表会に登壇した方々の話も予想通りちんぷんかんぷん。わかったのは、オンライン、オフラインの垣根はなくなり(オムニチャネルと呼ぶことを初めて知った)、リアル店舗とECサイトの融合が加速度的に進んでいるということだ。

、SUPER STUDIOは全く知らなかったが、MIYASHITA PARK内の白スニーカーを展開するD2Cブランド(この言葉も初めて知った)「GO WITH WHITE(現:DOUBLEW)」は当初売り上げ目標の倍を達成し、「信じられない売り上げ」「ヒアリングから実装までめちゃくちゃ早い」(トークセッションでのモデレーター・槇正宗氏)などと、業界人を驚かせているようだ。

 よくよく考えてみれば、マンション販売現場もリアルとECの使い分けが進んでいる。大手デベロッパーを中心に販売事務所を設けないところが激増しているのがいい例だ。モデルルームを設けないで売るなど小生は信じられないが、これが当たり前になっている。営業利益率が飛躍的に高まっている大きな理由の一つにもなっている。

 具体的事例としては、野村不動産の「インテリアオンラインサロン」がある。同社グループ3社(野村不動産、野村不動産ソリューションズ、野村不動産パートナーズ)の会員15.7万人を対象に、「プラウド」マンションモデルルームや契約者の自宅に届けた納品事例写真から家具を探し購入できるようにしたものだ。「プラウドギャラリー武蔵小杉」では、モデルルームに設置されている家具・調度品・食器類がQRコードをかざして購入できるようになっている。

 同業他社では、「三井のすまいLOOP」「三菱地所のレジデンスクラブ」の会員数はそれぞれ30万人を突破している。文字通りデベロッパーが〝ゆりかごから墓場まで〟を売る時代に入っているということだ。

野村不動産グループ会員限定の家具販売サイト立ち上げ(2024/1/16)

5社ブランドとの連携がいい野村不の常設「プラウドギャラリー武蔵小杉」(2022/6/25)

若い人で溢れかえる「立体都市公園制度」を活用した三井不「MIYASHITA PARK」(2020/9/6)


 

 

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 飯田グループホールディングスは5月15日、2025年3月期決算を発表。売上高14,596億円(前期比1.4%増)、営業利益804億円(同36.0%増)、当期利益491億円(同35.9%増)、純利益506億円(同36.3%増)と増収増益。営業利益率は前期4.1%から5.5%へ改善した。平均価格は3,130万円(同124万円増)、完成在庫は21,619戸(同5.0%減)となった。

主力の戸建分譲事業の計上戸数は38,627戸(前期40,493戸)、売上高12,091億円(前期比0.7%減)。各社の計上戸数(前期)、売上高(前期比)は次の通り。

・一建設    10,153戸(前期10,277戸) 売上高3,058億円(前期比1.6%増)
 ・飯田産業   6,221戸(前期6,166戸) 売上高2,291億円(前期比4.5%増)
 ・東栄住宅   4,747戸(前期4,719戸) 売上高1,793億円(前期比4.1%増)
 ・タクトホーム 5,281戸(前期5,522戸) 売上高1,772億円(前期比0.1%増)
 ・アーネストワン9,524戸(前期10,449戸) 売上高2,377億円(前期比7.6%減)
 ・アイディホーム2,681戸(前期3,340戸) 売上高 790億円(前期比11.8%減)

マンションは、計上戸数1,946戸(前期比206戸増)、平均価格は4,707万円(同743万円増)、売上総利益率は19.1%(同2.1ポイント減)。

次期業績予想は、売上高15,780億円(前期比8.1%増)、営業利益853億円(同6.0%増)、当期利益770億円(同3.6%増)、純利益510億円(同0.6%増)を見込む。

 

 

 

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 ナイスは5月14日、2025年3月期決算を発表。売上高2,430億円(前期比7.6%増)、営業利益46億円(同5.1%増)、経常利益43億円(同0.6%減)、純利益28億円(同31.7%減)となり、マンションなどの住宅事業が増収増益となった一方で、為替差益の減少などにより営業外収益が減少したことから経常利益はほぼ横ばい、前期は固定資産売却益24億円を計上していたため当期は特別利益が減少し、純利益は減益となった。

 セグメント別では、建築資材は売上高1,830億円(前期比7.7%増)、営業利益22億円(同21.3%減)。建材・住宅設備機器の売上が増加した一方、輸入材相場が軟調に推移したことにより減益となったほか、販管費が増加した。

 住宅事業は売上高507億円(前期比11.4%増)、営業利益35億円(同23.5%増)。計上戸数は636戸で、内訳はマンション363戸(新築211戸、中古152戸)、一戸建て273戸。

 次期業績予想は、売上高2,600億円(前期比7.0%増)、営業利益48億円(同3.7%増)、経常利益44億円(同2.2%増)、純利益30億円(同4.5%増)を見込む。年間配当は72円(前期は65円)の増配を予定。

 


 

 

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 フージャースホールディングスは5月14日、2025年3月期決算を発表。売上高921億円(前期比6.6%増)、営業利益92億円(同3.2%増)、経常利益86億円(同13.2%増)、純利益54億円(同13.7%増)となり、資材高騰の影響を受けつつ売上総利益率を23.7%確保し、純利益は過去最高となった。

 不動産開発事業は、売上高536億円(前期比5.4%増)、営業利益48億円(同16.8%増)。マンション・戸建ての計上戸数は1,071戸(同46戸減)。今期計上予定のマンション1,266戸(同203戸増)の期初契約進捗は45%。24都道府県で44プロジェクトを展開している(うち事業完了は21プロジェクト)。

 CCRC事業は、引き渡し戸数の減少などから売上高37億円 (前期比69.2%減)、営業損失355百万円(前期は営業利益2,193百万円)。

 不動産投資事業は、売上高264億円(前期比68.8%増)、営業利益44億円(同95.7%増)。収益不動産、アパートの売却棟数が増加し、増益に寄与した。

 次期業績予想は、売上高1,325億円(前期比43.8%増)、営業利益129億円(同39.8%増)、経常利益100億円(同16.2%増)、純利益65億円(同19.0%増)を見込む。各段階利益で最高益更新の見通し。年間配当は72円(前期62円)の増配を予定。

 


 

 

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 MIRARTHホールディングス(ミラースHD)は5月12日、2025年3月期決算を発表。売上高1,965億円(前期比6.1%増)、営業利益143億円(同7.1%減)、経常利益124億円(同4.3%減)、純利益82億円(同0.4%増)で、増収、営業・経常減益となった。

売上高は、不動産事業の新築分譲マンションの売上高は1,065億円、計上戸数は2,339戸(大都市圏比率は44.1%)、1戸当たり平均価格は4,557万円。営業利益率は6.3%。この他、発電施設の売電収入9,9億円、アセットマネジメント事業の運用報酬などにより11億円を計上。

一方、新築分譲マンションの引渡の増加などにより売上原価は前期比6.6%増の1,542億円となり、販売費及び一般管理費が前期比11.2増の279億円ななったことなどから減益となった。

次期業績予想は、売上高2,164億円(前期比10.1%増)、営業利益155億円(同7.9%増)、経常利益120億円(同3.4%減)、純利益80億円(同2.5%減)を見込む。今期計上予定のマンション2,820戸(同社持分2,150戸)の契約進捗率は47.8%。年間配当は21円(前期は30円)の減配の予定。

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 大和ハウス工業は5月13日、2025年3月期決算を発表。売上高5兆4,348億円(前期比4.5%増)、営業利益5,462億円(同24.1%増)、経常利益5,159億円(同20.7%増)、純利益3,250億円(同8.8%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。売上高はコスモスイニシアと大和リゾートの連結変更に伴う1,337億円の減収があったものの、米国戸建て事業の拡大などにより4期連続増収。営業利益は退職給付に関する数理計算の差異1,12億円が発生したことなどにより4期連続の増益となった。

 セグメント別では、戸建住宅事業は売上高1兆1,445億円(前期比20.3%増)、営業利益698億円(同98.6%増)。米国事業が拡大し、国内分譲住宅2,257戸(前期1,760戸)を計上したのが売上げ増に寄与した。請負住宅の計上戸数は2,810戸(同3,424戸)。

 賃貸住宅事業は、売上高1兆3,760億円 (前期比10.1%増)、営業利益1,299億円 (同12.2%増)。請負・分譲事業、賃貸・管理事業とも堅調に推移した。

 マンション事業は、売上高2,694億円(前期比39.0%減)、営業利益109億円(同70.8%減)。コスモスイニシアが持分法適用関連会社になった影響(売上高1,241億円、営業利益74億円)や引き渡し戸数減などにより減収減益となった。営業利益率は4.0%(前期8.5%)。

 商業施設事業は、売上高1兆2,271億円(前期比3.9%増)、営業利益1,459億円(同1.6%増)。請負・分譲事業や都市型ホテル売却、ホテル運営事業が順調に伸びた。

 事業施設事業は、売上高1兆3,697億円(前期比5.8%増)、営業利益1,596億円(同29.5%増)。請負・分譲事業で価格転嫁やVE提案などの取り組みが順調に推移し、物流施設の売却が計画を上回ったことなどにより増収増益となった。

 次期業績予想は、売上高5兆6,000億円(前期比3.0%増)、営業利益4,700億円(同14.0%減)、経常利益4,300億円(同16.7%減)、純利益2,730億円(同16.0%減)を見込む。年間配当は165円(前期150円)の増配の予定。

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 同社は5月14日、マスコミ向けスモールミーティングを行い、同社代表取締役社長CEO・芳井敬一氏、同社代表取締役社長COO・大友浩嗣氏、同社代表取締役副社長CFO、経営管理本部長・香曽我部武氏が出席し、約1時間にわたって記者団の質問に答えた。記者は体調が悪く(腹痛、飲み過ぎではないはず)、オンラインで視聴した。

  もっとも興味深かったのは、今年4月1日付で行った機構改革について芳井氏がその意図などについて説明したことだ。組織改革は「ハウジング・ソリューション本部」を新設し、それぞれの事業本部の機能強化・合理化とさらなるガバナンス強化を目的に、従来の7事業本部から2大本部に再編するもので、組織および業務のスリム化・強靭化を目指すものだ。芳井氏は「これまでの縦割り組織に横ぐしを入れた。効果は早晩出る」と語った。

 考えてみれば、あらゆるビジネスはソリューションだ。今回の機構改革は、売上げ10兆円への布石だとも受け取れる。社内の風通しをよくすることで〝ワンチーム〟にステップアップする狙いがあると見た。

 このことと関連するかどうかはわからないが、2つの新規事業について大友氏は注目すべき発言をした。

 一つは、2023年10月に立ち上げた非住宅の木造化・木質化を推進するプロジェクト「Future with Wood(フューチャー・ウィズ・ウッド)」に対する質問だった。大友氏は〝待ってました〟と言わんばかりに「私が立ち上げたプロジェクト」と紹介し、前期売上げ目標70億円に対し実績は178億円で、今期は200億円に伸ばし、将来的には3,000億円を目指すと話した。

 もう一つは、2024年5月にグループ3社で立ち上げた事業施設・商業施設の不動産ストック事業ブランド「BIZ Livness(ビズ リブネス)」だ。同社グループがこれまで建築してきた事業施設約22,000件、店舗・商業施設など約48,000件のノウハウを活用し、既存施設の建て替え、バリューアップ工事を通じて付加価値の高い建築物にリニューアルする事業で、近い将来4,000億円のビジネスに拡大するという。

 この二つの事業で売上高目標は7,000億円だ。競争が激しい既存の戸建て事業や賃貸事業などと比べて、今後の市場拡大が望める分野だ。

 同社の連結従業員数は48,483人(2024年3月31日)だ。1人当たりの売上高は約1.1億円だ。2055年目標の売上げ10兆円に伸ばすには人員を倍増させる必要があるが、DXを活用し、個々の能力を最大限引き出せばそれほど難しいことではないような気もする。同社のこれからの動きからは目が離せない。芳井氏は不気味な動きを最近している。

カテゴリ: 2025年度

 住友不動産は5月13日、2025年3月期決算を発表。売上高1兆142億円(前期比4.8%増)、営業利益2,715億円(同6.6%増)、経常利益2,683億円(同6.0%増)、純利益1,916億円(同8.2%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、純利益は過去最高を更新。不動産賃貸事業が大幅増益となり業績を牽引し、分譲マンションが堅調に推移したほか、完成工事(ハウジング)事業も最高益を更新した。

 セグメント別では、不動産賃貸は売上高4,725億円(前期比6.3%増)、営業利益1,912億円(同8.3%増)。既存ビルの稼働率改善と値上げのほか、「東京三田ガーデンタワー」、「新宿ファーストタワー」の入居進捗、「住友不動産中野駅前ビル」、「住友不動産新宿南口ビル」などの新規稼働、ホテル、イベントホールなどの収益増も業績に寄与、売上、営業利益とも過去最高を更新した。

 不動産販売事業は、売上高2,464億円(前期比2.2%増)、計上戸数3,526戸(同2戸増)。完成済販売中戸数は、竣工1年超が946戸(前期比175戸増)、竣工1年内が447戸(同335戸減)。営業利益率は24.5%。

 完成工事事業部門は、売上高2,047億円(前期比5.2%増)と相州増益。受注棟数は、「新築そっくりさん」事業は7,044棟(前期比97棟増)、注文住宅事業は2,140棟(同82棟減)となった。

 不動産流通事業部門は、仲介件数31,003件(前期比499件減)、取扱高1兆4,343億円(同3.0%増)、取扱単価46.3百万円(同2.1百万円増)。

 次期業績予想は、売上高1兆300億円(前期比1.6%増)、営業利益2,900億円(同6.8%増)、経常利益2,800億円(同4.4%増)、純利益2,050億円(同6.9%増)を見込む。年間配当は85円(前期は70円)の増配を予定。


 

 

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 明和地所は5月12日、2025年3月期決算を発表。売上高799億円(前期比12.1%増)、営業利益52億円(同5.4%増)、経常利益37億円(同5.5%減)、純利益28億円(同4.2%増)と増収、経常減益となった。主力のマンションは売上高533億円(同8.1%増)、セグメント利益は38億円(同8.8%減)。引き渡し戸数は816戸(前期比12戸増)、1戸当たり価格は5,535万円(前期は5,969万円)。

 次期業績予想は、売上高840億円(前期比5.1%増)、営業利益63億円(同20.2%増)、経常利益43億円(同14.1%増)、純利益29億円(同0.1%増)を見込む。年間配当は45円(前期40円)の増配を予定。


 

 

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 コスモスイニシアは5月12日、2025年3月期決算を発表。売上高1,295億円(前期比4.0%増)、営業利益94億円(同27.3%増)、経常利益79億円(同18.9%増)、純利益53億円(同24.4%増)と増収増益となった。

 セグメント別では、レジデンシャル事業は売上高484億円(前期比11.5%増)、セグメント利益13億円(同113.3%増)を計上。マンションの売上高は274億円(前期比19.2%増)、計上戸数は486戸(同10戸増)、1戸当たり平均価格は6,658万円(同37.3%増)、売上総利益率は24.6%(同1.8ポイント増)、完成在庫は228戸(うち未契約在庫は206戸)。リノベーションマンションの売上高は192億円(同00.8%減)。

 ソリューション事業は売上高479億円(前期比2.1%減)、セグメント利益43億円(同67.0%増)、宿泊事業は売上高236億円(同5.9%増)、セグメント利益67億円(同8.1%増)となった、

 次期業績予想は、売上高1,520億円(前期比17.3%増)、営業利益110億円(同16.4%増)、経常利益96億円(同20.9%増)、純利益65億円(同22.1%増)を見込む。年間配当は38円(前期30円)の増配を予定している。

 

 

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 旭化成ホームズは5月9日、2025年3月期決算を発表。売上高9,935 億円(前期比8.8%増)、営業利益913億円(14.9%増)となり、ともに4期連続で過去最高を更新した。個人住宅の着工戸数が減少する中、事業エリアを大都市圏に絞り、アッパーミドル・富裕層向けの大型化・高付加価値化を進めているのが奏功した。

 領域別では、建築請負事業は売上高4,195億円(前期比4.6%増)、営業利益446億円(同27.7%増)。大型化・高付加価値化の推進に加え、受注棟数回復と集客構造の改革に向け、各エリアにおいて不動産部門、リフォーム部門との連携強化を図り、受注増につなげた。

 高額商品のRATIUSシリーズ受注棟数は745棟(2023年度は648棟)、2025年1月に発売した3階建て邸宅「FREX asgard(フレックス アスガルド)」の受注棟数は103棟、昨年トライアルした木造戸建て住宅「Asu-haus(アスハウス)」の受注棟数は10棟。

 不動産開発事業は売上高527億円(前期比14.9%増)、営業利益91億円(同2.0%減)。マンションの売上戸数は635戸(前期は525戸)。事業拡大のため、今年3月には首都圏での土地仕入れに強みを持つTHEグローバル社との業務資本提携を締結し、2025年4月には競争力や戦略遂行力、意思決定のスピード向上を強化するため、同事業を旭化成不動産レジデンスから吸収分割の方法により旭化成ホームズに承継した。

 賃貸管理・不動産流通事業は売上高1,681億円(前期比7.9%増)、営業利益171 億円(同7.2%増)。管理戸数は12.6万戸を超え、空室率は2%台前半を維持するなど堅調に推移。リフォーム事業は売上高578億円(前期比2.7%増)、営業利益74億円(同11.3%増)。

 海外事業は売上高2,930億円(前期比15.9%増)、営業利益123億円(同6.8%増)。北米事業において、東部エリアへの事業拡大を目指し、上期にフロリダ州のサブコントラクターであるODC社を買収したことや、為替の影響により売上高、営業利益は前年比でプラスとなった。

 次期の業績予想は、売上高10,740億円(前期比8.1%増)、営業利益961億円(同5.2%増)を予定している。

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 上段の記事は、同社代表取締役社長・大和久裕二氏も出席して512日に行われた決算補足説明会で配布された資料と大和久氏らの説明を加味して書いたものだ。記者はオンラインで参加した。

 補足説明会で記者団から木造戸建て「Asu-haus(アスハウス)」に質問が飛んだ。大和久氏は受注棟数について「多くはない」と話し、今後実証実験を通じ課題などを整理して本格的な受注活動につなげる意向を示した。

 記者は昨年6月に行われた「Asu-haus(アスハウス)」甲州街道モデルを見学取材しており、どこにも負けない、素晴らしいモデルハウスだと思った。

受注棟数が10棟というのはいかにも少ないという印象を受けるが、モデルハウスの立地条件(多摩モノレール線甲州街道駅から徒歩4分)を含めた〝本気度〟に課題があるような気がする。

戸建て市場が縮小する中、大手・中小の競争は激化している。この市場に参入するには人材を含めたエネルギーは通常の2倍、3倍必要だと思う。手っ取り早いのはMAではないか。

もう一つ、注目しているのは同社の今後の事業ポートフォリオだ。戸建て市場は縮小する一方だから、今後の伸長は望めない。伸ばせるのは海外事業と不動産開発部門だろう。海外事業は同社も2030年ころには売上高を5,000億円まで伸ばす意向だ。不動産開発部門でも現在の売上高500億円台を倍増させることができるのではないかと見ている。マンションの建て替えではどこよりも実績があり、最近は再開発案件に積極的に取り組んでいる。〝アトラス〟のブランディングがカギを握ると見ている。

外観・内装とも黒・グレーが基調玄人の虜になるか旭化成ホームズ「FREX asgard」(2025/3/4)

まるで武蔵野リゾート断熱等級7を初めて体感旭化成ホームズ戸建て甲州街道モデル(2024/6/6)

アーチ型天井と列柱の無柱空間に驚嘆旭化成ホームズ「新宿」に富裕層向けモデル(2020/6/16)

 

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