パナソニック ホームズ 社内表彰「2024年度 アーキテクト・オブ・ザ・イヤー」決定
パナソニック ホームズは7月10日、同社の建物設計の優秀事例を表彰する社内表彰制度「2024年度 アーキテクト・オブ・ザ・イヤー」の最優秀事例6例など全18例を選出、表彰したと発表した。
同表彰制度は、同社の設計従事者の提案力の向上と優秀事例における特長・工夫の水平展開を目的に2016年度から実施しているもの。1次・2次の書類審査を経て、最終審査はコンペ形式により、設計者自らが審査員にプレゼンテーションを行い、総合的な設計提案力を評価する。
選考は全6コース<「設計デザインコース(130㎡未満/130㎡以上)」「空間デザインコース」「事業用物件コース(3階以下/4階以上)」「リフォームコース」>で、応募作品の中からそれぞれ最優秀賞、新人賞などが選ばれる。
今回の対象事例は2023年10月~2024年9月に完工した事例で、応募数は235事例。書類審査を通過した18例が審査対象。審査員は同社の主要役員、建築家の連健夫氏など。
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この種の社内表彰制度は各社が行っており、雑誌社が絡んでいるので他のメディアはリリースをコピペして記事化するのはためらわれ、「か・ち・も・な・い」と判断されるのだろうが、小生などは取材の声が掛れば飛んでいく…会場は多分大阪だろうから無理だが…。
受賞作品はみんな面白い。例えば、設計デザインコース(130㎡未満)の最優秀賞に選ばれたパナソニック ホームズ多摩の山西宏和氏の作品。テーマは「間口狭小地に建つ開放リビングのある家」で、接道幅4.7m・約26坪の限られた敷地で、「家族が集まり、ゆっくり過ごせる明るい
リビング」を実現。2階リビングは最高3.3mの天井高を確保し、勾配天井を活かした木質感あふれる空間が、明るく開放的な雰囲気を演出したもの。
この他、「~暗さへの挑戦~『真のホテルライク』とは」「はじまりの家」「2つのファサード(外観)を持つ完全分離型併用住宅~」「人と街を支える地域健康拠点」「忙しい日々にゆとりを生み出すこだわりの住まい」などのテーマがいい。
6月の工事原価 集合住宅、事務所、工場、住宅とも上昇 建築物価調査会
建設物価調査会は7月10日、2025年6月の「建設物価 建築費指数」(東京2015年100基準)を公表。工事原価は集合住宅(RC造)、事務所(S造)、工場(S造)、住宅(W造)とも前月比で上昇した。
集合住宅(RC造)の工事原価は138.8(暫定)で前月比1.1%増、前年同月比5.3%増、純工事費は140.1(暫定)で前月比1.2%増、前年同月比5.6%増となった。
事務所(S造)の工事原価は137.8(暫定)で前月比0.5%増、前年同月比3.9%増、純工事費は138.7(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比4.0%増となった。
工場(S造)の工事原価は136.5(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比3.0%増、純工事費は137.3(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比3.1%増となった。
住宅(W造)の工事原価は142.7(暫定)で前月比0.8%増、前年同月比3.6%増、純工事費は144.3(暫定)で前月比0.8%増、前年同月比3.6%増となった。
工事原価は、直接工事費と共通仮設費を合計した純工事費に加えて現場管理費や一般管理費なども含めた額。
リスト&ロイヤルHD 日本初進出の高級リゾート「Anantara軽井沢」開発
「Anantara Karuizawa Retreat (アナンタラ軽井沢リトリート)」開発調印式(東京アメリカンクラブで)
リストグループのリストデベロップメントとロイヤルホールディングスグループのロイヤルマイナーホテルズは7月10日、日本初進出となるラグジュアリーホテルブランド「Anantara(アナンタラ)」を冠した「Anantara Karuizawa Retreat (アナンタラ軽井沢リトリート)」に関するマネジメント契約を締結し、浅間山を望む長野県軽井沢町の約4万㎡の高級リゾートを開発すると発表した。
施設は、北陸新幹線軽井沢駅から車で約15分、長野県北佐久郡軽井沢町に位置する開発面積約41,933㎡。客室数は:スイート23室(60~120㎡予定)、ヴィラ18棟28室(70~270㎡予定)。開業予定は2030年。館内にはオールデイダイニング、スペシャリティレストラン、バーを含む3つの飲食施設を備える予定。一部のヴィラは、ブランデッドレジデンスとして分譲することも検討している。
この日の調印式に臨んだMinor International Public Company Limited(マイナー・インターナショナル)創業者兼会長・William Ellwood Heinecke(ウィリアム・エルウッド・ハイネッケ)氏は、「当社は世界60か国、650ホテルを運営している。今回、リスト社とロイヤルホールディング社とパートナーシップを組めたことは本当にうれしく光栄に思う。Anantaraの日本進出は素晴らしいこと」と、また、リスト代表取締役社長・北見尚之氏は、「2010年にサザビーズ インターナショナル リアルティの国内独占営業権を取得してから国内のほか、5か国で事業展開しているが、今回は新たな挑戦。最高級のホテルにする」とそれぞれ挨拶した。
ロイヤルマイナーホテルズ代表取締役社長・本山浩平氏は、「2025年3月に設立したロイヤルマイナーホテルズとしてホテルマネジメント契約の第一号となるAnantara Karuizawa Retreatでパートナーシップを結べることを大変誇りに思う。同社は、ラグジュアリー施設の創造における卓越した専門性があり、独自のデザインと上質な滞在を追求するAnantaraブランドの理念と調和している」と、リストデベロップメント代表取締役社長・木内寛之氏は、「当社はこれまで、高品質な住まいと街づくりを通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供することを目指してきた。近年では、ホテルコンドミニアムやラグジュアリー邸宅にも積極的に取り組んでいる。そのような中で、アジアを代表するホテルチェーンである同社と、当社のビジョンが合致し、今回のホテルマネジメント契約締結に至った」と、それぞれコメントした。
マイナー・ホテルズは、AsPAC最大級のホスピタリティ及びレジャー企業であるMinor InternationalPCL(マイナー・インターナショナル)の中核企業。57か国で560 棟以上のホテル、リゾート、レジデンスを運営している。2027年度末までに280軒以上のホテルを新たに加えることを目標に掲げており、世界規模の成長を加速させる。
Anantara(アナンタラ)の発祥はタイで、アジア全域、中東、インド洋、アフリカ、ヨーロッパなど25か国、59軒のホテルを展開している。
イメージパース
医療、福祉、教育、研究を網羅 三菱地所レジ×東京大学「Tonowa Garden目白台」
「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」
三菱地所レジデンスと東京大学は7月7日、国立大学法人東京大学の土地有効活用事業の第一号となる東京大学目白台キャンパス内のヘルスケア複合施設「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」が竣工したのに伴う「まちびらき&完成内覧会」を開催した。
同事業は2020年5月、東京大学目白台キャンパスの土地有効活用に係る事業協力者募集に対し、三菱地所レジデンスが事業主、三菱地所が総合企画として選ばれたもの。2023年8月に着工し、2025年1月に竣工した。施設は期間65年の定期借地権付きで、名称は「〇〇との輪」と「Garden」を組み合わせたもの。
研究施設として、「暮らしの保健室」「みんなのケアをする力をサポート」「看護・ケア専門職のサポート」の3つの取り組みを推進する、東大看護系教員、大学院生、学部生で構成される「東大GNRCオープンラボ」(東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター)が入居している。
「医療・ヘルスケア施設」としては、「東大看護ステーション目白台」(一般社団法人東大看護学実装普及研究所)があり、従来の介護保険・医療保険制度による訪問看護のほか、保険外看護サービスとして世帯単位での月額制看護サービス[GNRCつながるケア]も行っている。
この他、小児から高齢者まで全年齢層を診療の対象とするクリニック「ふくろうクリニック目白台」(医療法人社団創福会)、調剤薬局「目白台薬局」(メディシステム)、サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」(コミュニティネット)、介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」(ベネッセスタイルケア)、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム目白台」(ルネサンス)、学童保育施設「ベネッセ学童クラブ護国寺」(ベネッセスタイルケア)、コミュニティラウンジ「目白台の間」(PIAZZA)が入居。防災備蓄倉庫も備えている。
まちびらきイベントに出席した三菱地所レジデンス執行役員投資アセット企画開発部長・渡辺昌之氏は、「隣接地には国際的な交流拠点『目白台インターナショナルビレッジ』があり、多様な機能が融合した施設が完成した。施設名称には地域との輪、東大と隣人との輪、入居者との輪など様々な方々の輪が形成されて広がっていくという願いを込めた。三菱地所グループが長年取り組んできた防災の知見も取り入れ、防災コミュニティの形成にも取り組んでいく。地域の癒しの場であり、出会いの場、研究と学びの場でありたいと願っている」とあいさつした。
東京大学理事・菅野暁氏は、「この土地は、東大附属病院分院として明治41年の開院から平成13年の閉院まで104年の長きにわたり教育、研究の発展にかかわってきた歴史を持つ。閉院後の令和元年度に『目白台インターナショナルビレッジ』が竣工した。今回の施設は、平成16年の国立大学法の改正によって大学が所有する土地の第三者への貸付けが可能になった制度を活用するもので、大学の財務基盤強化の一環として初めて取り組むもの。医療、福祉、教育、研究すべての分野を網羅する素晴らしい施設になった」と語った。
東京大学グローバルナーシングリサーチセンター長・山本則子氏は、「わが国は高齢者が増える一方で、人口が急速に減少してきており、従来型の専門職と家族によるケア体制は限界に近い。私たちが提案しているのは、専門職だけでもなく家族だけでもなく、街の誰もがケアの担い手になろうということ。各種のプログラムには期待をはるかに超える応募があり、ニーズが大きいことを実感している。街ぐるみで支え合い、ともに幸せを追求できる社会の実現を目指したい。この新しい街づくりの試みが広く発展し、日本全国や世界のモデルになるよう微力ながら貢献したい」と話した。
物件は、東京メトロ有楽町線護国寺駅から徒歩6分、文京区目白台3丁目に位置する敷地面積約5,290㎡、5階建て延床面積約9,608㎡。設計は設計工房イー・ディー。施工は東亜建設工業。竣工は2025年1月。
国立大学の土地活用事業は、国立大学法人法が平成16年(2004年)施行され、同28年(2015年)5月の改正により、文部科学大臣の認可を受ければ、国立大学法人は当面使用が予定されていない土地などを第三者に貸し付けることが可能になった。
同大学の土地有効活用事業としては、東京大学西千葉キャンパス跡地利用事業(約75,299㎡)の事業者として野村不動産を代表とする三井不動産、三菱地所、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業が選ばれている。
この他、NTT都市開発が代表企業の東京工業大学田町キャンパス土地活用事業(約23,222㎡)、阪急阪神不動産によるお茶の水女子大学大山学生寮跡地(約8,046㎡)のマンション「ジオ板橋大山」、住友商事を代表企業とする九州大学箱崎キャンパス跡地地区(約28.500㎡)、野村不動産の東京医科歯科大学越中島地区土地活用事業(約17.967㎡)などかある。
左から渡辺氏、菅野氏、山本氏
3氏によるまちびらきテープカット
外観(北西側)
介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」ラウンジ(全53室のうち8割が入居済み)
サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」ラウンジ(全80室のうち11室が契約済み)
「東大GNRCオープンラボ」
コミュニティラウンジ「目白台の間」(この日は七夕で、勝どきから参加した30代の女性は短冊に「毎日 楽しく過ごせますように」と、学校が休校という8歳の女の子のお子さんは「家ぞくが しあわせに くらせますように」と認めていた)
お茶の水女子大学国際学生宿舎跡地定借「大山」好調首都圏事業強化へ阪急阪神不(2024/3/21)
勝負分けた ロジックの力 言葉と造形の力 ポラス 第12回 学生・建築デザインコンペ
受賞者と審査員で記念写真(ポラテック本社「ウッドスクエア」で)
ポラスは6月30日、「第12回POLUS-ポラス-学生・建築デザインコンペティション」公開審査会を開催し、応募599点のうち一次選考を通過した5作品の中から最優秀賞(賞金50万円)に「暮らしは街にこぼれ」(武蔵野大学・小林由芽さん、野澤沙帆さん)、優秀賞(賞金30万円)に「編まれる時間の住まい」(慶應義塾大学大学院・所新太郎さん、井口雄貴さん、鈴木理紗さん)を選んだ。
コンペのテーマは「“t軸”の家/家々」で、サステナブルな未来に向かって、喜びを持って向き合える家やその集合のあり方を、具体的かつ実際的に提案してもらうもの。
最優秀賞の「暮らしは街にこぼれる」は、道をただの通行空間ではなく、「暮らしの一部」として捉えた全7戸の集合住宅。不定形の建物をアトランダムに配し〝森の抜け道〟〝秘密の密会所〟〝ポケット中庭〟など6つの庭がそれぞれの住宅を緩やかにつないでいるのが特徴。
受賞した小林さんと野澤さんは「模型を仕上げるのに今朝(30日)までかかった。この2日間の睡眠時間は2~3時間。とても嬉しい」と喜びを語った。
優秀賞の「編まれる時間の住まい」は、現代住宅は機能分節が招く思考の単一化であるとし、直線上に並べた機能を壁ではなく段差によって空間を分節し、直線住戸をランダムに交差させることで、生活に思考の余白と密度のある時間を作り出す提案となっている。
このほか、入選作品(賞金15万円)に「はみ出す境界、つながるのりしろ」(広島工業大学・村上寛明さん、中村日香さん)、「月と太陽の降る里」(九州大学大学院・矢野泉和さん、九州大学・菊池慎太郎さん、山之口涼霞さん)、「レジリエントな土壁」(デルフルト工科大学大学院・儲立人さん、中国美術学院・宋雨軒さん)の3作品が選ばれた。
各審査委員の講評は以下の通り。(発言順)
審査委員・中川エリカ氏(中川エリカ建築設計事務所) 今年のテーマは難しいと思っていたが、個性的な提案が多く、それだけ議論も多岐にわたった。すごく熱気帯びたコンペになった
審査委員・原田真宏氏(芝浦工業大学教授) 気になっているテーマだったが、皆さん果敢にチャレンジされた。有意義なコンペだった。欲を言えば、もう少しサステナブルな世界を見せてほしかった
審査委員・今井公太郎氏(東京大学生産技術研究所所長) とにかく応募の多いのがすごい。受賞作は完成度が高い。議論に応えるロジックと造形がいい。これが勝負の分かれ目となった
審査委員・野村壮一郎氏(POLUS社内審査委員) 今回の受賞作品は、図面も模型も、自分が住みたいと思わせる意欲が伝わるような提案が多かった
審査委員長・西沢立衛氏(横浜国立大学大学院Y-GSA教授) 言葉の力と造形の力に対する信頼が我々の中にある。受賞作品にはそれがあった。結果については、違った視点で考えれば違った結果になった。入賞を逸した方、順番が低かった方々もあまり気にしないで、よりよい建築を目指していただきたい
最優秀賞を受賞した小林さん(左)と野澤さん
最優秀賞の「暮らしは街にこぼれる」
優秀賞の「編まれる時間の住まい」
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テーマである「“t軸”の家/家々」に提示されている条件は単純だ。幅員10mの南西道路に接道する縦軸が40m、横軸が30m=1200㎡に7戸程度の木造住宅を建設するというものだ。用途地域も建ぺい率、容積率などの条件はない。
条件提示がない分、難しいと思った。自ら考えるほかないからだ。時間軸も難しい問題だ。過去から現在、未来へと悠久の流れを空間との関連でどう表現するのか、あるいはまた時間と空間の一点に照準を合わせればなにが生まれるのか。
記者は自分なりに、ごく単純にデザインが美しいもの、現法規で実現が可能と思われる作品を選んだ。それが「編まれる時間の住まい」だった。1階部分が「HARUMI FLAG」のように共用部分で、外にも開かれた空間になっており、2~3層の屋根の波打つ横ラインが美しい。
そのほかの作品では、「月と太陽の降る里」は5層分くらいあり、公共施設にすればランドマークになると思った。隈研吾さんも驚くのではないか。「はみ出す境界、つながるのりしろ」は出口がない迷路、解けない知恵の輪だ。どこかの国にこんな住宅はなかったか。「レジリエントな土壁」は審査委員から高い評価を得ていたが、図面が分かりづらかった。
大学院生・大学学部4年生を除く応募者の中で特に優秀な10作品に贈られるUJ賞(Under Junior award)に受賞した東京電機大学・佐久間勇次さん、阿部奏大さん、柿沼瑞幸さんともしばし歓談したが、その作品「絡まる」のデザインが素晴らしいと思った。どこか「麻布台ヒルズ」に似ており、同大学の教授でもあったプリツカー賞を受賞した山本理顕氏もこのような作品があったような気がする。これがナンバーワンか。
要するに、作品は愛と憎しみと同じだ。みんな紙一重。西沢氏も話したではないか。選ばれなくても落胆などしないことだ。
一つ残念だったのは、耳が遠くなったせいかプレゼンから質疑応答、自由論議、講評まで約4時間、話が聞きづらかったことだ。審査員の方々がこのように話したか自信がない。間違っていたら謝るほかない。
令和7年5月の住宅着工 43,237戸 1962年1月以来62年ぶりの低水準
国土交通省は6月30日、令和7年5月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。新設住宅着工戸数は43,237戸となり、前年同月比34.4%減、2か月連続減少した。利用関係別では、持家は11,920戸(前年同月比30.9%減、2か月連続の減少)、貸家は18,893戸(同30.5%減、2か月連続の減少)、分譲住宅は11,924戸(同43.8%減、2か月連続の減少)、分譲住宅の内訳はマンション4,778戸(同56.5%減、2か月連続の減少)、一戸建住宅7,083戸(同29.9%減、2か月連続の減少)。
首都圏マンションは1,977戸(前年同月比66.6%減)で、都県別は東京都1,098戸(前年同月比56.0%減)、神奈川県611戸(同78.1%減)、 埼玉県63戸(同62.9%減)、千葉県205戸(同56.0%減)となった。
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これほど着工戸数が少ないのは記憶にないのでChat GPTに聞いた。さすがChatだ。「月次データがある1960年1月より後では、今回の43,237戸が最少。全期間(1960年〜)での最低は1960年1月の19,900戸。過去65年間で最低水準を記録したということで、これは戦後の住宅着工統計史においても極めて異例です」と答えた。令和6年3月の駆け込み着工の反動減ではあるが、それにしても異常だ。理由はよくわからない。
と書いたのだが、他のメディアは「1962年1月の41,813戸以来の低水準」と報じている。ChatGPTに確認したら、ChatGPTの誤りが分かった。よって、1962年1月以来62年ぶりの低水準に改める。
「誰でもできるラグビー」元日本代表・田中さん 三井不 第28回 SPORTS ACADEMY
★「第28回 三井不動産SPORTS ACADEMY 『ラグビーアカデミー』」(東京ドームシティ ラクーアガーデン芝生広場、以下、★印写真は主催者提供)
三井不動産は6月28日(土)、「第28回 三井不動産SPORTS ACADEMY 『ラグビーアカデミー』」を開催。この日行われるJAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)との対戦のため来日しているマオリ・オールブラックス選手や田中史朗さん(元ラグビー日本代表)、マヂカルラブリー 野田クリスタルさん、ラグビー芸人 しんやさんなどを招き、小学校低学年(1~3年生約25名)を対象にした実技やトークショーが行われた。身長166cmの田中さんが「ラグビーは誰でもできる」と話したのが印象に残った。
イベントに参加したのは、マオリ・オールブラックスのアントニオ・シャルフーン、コーリー・エヴァウンス、メイソン・シゥバエアさんの3選手、元オールブラックス代表のデイン・コールズさん、元ラグビー日本代表・田中史朗さん、マヂカルラブリー 野田クリスタルさん、ラグビー芸人 しんやさん。小学1~3年生の子どもとボール回し、タックル(ゲストが腰につけている帯をむしり取るゲーム)、トライなどの実技やトークショー、全員の記念写真撮影会が行われた。
トークショーでは、ゲストから「子どもたちにとって外国の選手と交流できるのはとてもいい経験になる」「ラグビーの可能性を広げるイベント」「(日本の)人と文化が好き」などの声が上がった。女の子から鋭い質問も飛んだ。「どうしたらボールを持って速く走れるのですか」と。マオリ・オールブラックスの選手は「ボールを両手でしっかり持って、脇を締めること」と本質的なことを話した。なるほど、体当たりされボールを落としたらノッコン(スローフォワード)を取られる。
ご主人とお子さんと一緒に観戦していた都内に住む30代の女性は、「ラグビーファンです。リーチ・マイケルさんがいる東芝が贔屓チーム。今季は13~14試合、秩父宮に通いました。イベントに参加したのは小学2年の下の子で、小学6年の上の子もラグビーをやっています」と、とても楽しそうだった。
三井不動産は2016年から「BE THE CHANGE」というスローガンを掲げ、スポーツの要素を盛り込んださまざまな街づくりを手掛けており、2024年4月に策定したグループ長期経営方針「&INNOVATION 2030」では「新たなアセットクラスへの展開」を事業戦略の一つとして、「スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり」を加速させ、リアルの体験価値を最大化することを目指している。
★背番号「31」は三井不動産の「ミツイ」だそうだ
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ラグビーは高校のとき、体育の授業で習ったことしかない。先生から、タックルは足首にしろと教わったが、身長163cmしかない記者は、大きな生徒の太ももに抱きつき、そのままずるずると引きずられ、前進を阻めなかった屈辱的な思いしかない。サッカーもそうだが、猪突猛進そのもの、野蛮なスポーツだと決めつけた。
それでもスポーツはみんな好きだったので、大人になってからも50年以上、大学ラグビーや日本選手権、W杯などをテレビ観戦した。日本ラグビーは世界に通用しなかったので、劣等意識は深まるばかりだった。
ところが、W杯第8回(2015年)大会で世界の強豪・南アフリカに勝利したのをテレビで観ていた。日本中が沸き立った。〝ジャイアント・キリング〟という言葉が流行した。
田中さんが、リーチ・マイケルさんなどとともに日本代表選手だったのを最近知ったばかりだ。この日、身近で田中さんを見て、元神戸製鋼のラグビー選手だった大和ハウス工業代表取締役会長CEO・芳井敬一氏もそうだが、とても〝小さい〟のに驚いた。失礼だとは思ったが、「私は西武ライオンズファン。セカンドの滝澤選手は身長164cmですが、俊敏な守備力はトップクラス。田中さんの身長はいくつですか。ラグビーと身長は関係ないのですか」と聞いた。
田中さんは「私は166cm。努力は必要ですが、ラグビーは(背が低くても)誰でもできる」と答えた。夢と希望を与える言葉だ。この日参加した小さなラガーマンの中から日本代表が生まれるかもしれない。28回もSPORTS ACADEMYを開催してきた三井不動産と関係者にエールを送りたい。
左からマオリ・オールブラックス選手、コーリーさん、メイソンさん、アントニオさん
★田中さん
めっちゃ楽しい三菱地所など「仲通り綱引き大会2025」ソニー生命 2年ぶり4度目V(2025/5/22)
ラグビー世界最強NZ オールブラックス応援イベントに7000人超柏市×三井不(2019/9/14)
三井DT ミラノデザインウィークから読み解く「Design Trend Report 2025」
左からMERIDIANI、Minotti、Cassina
三井デザインテックは6月27日、2025年4月8日から13日に開催されたミラノデザインウィーク国際家具見本市の分析と家具や空間デザインの最新トレンドをまとめた「Design Trend Report 2025」を発表した。同社フェロー・見月伸一氏の視点で分析し、解説したもの。
レボードによると「COLOR TREND」については、「落ち着きと温かみを備えたアーストーンを基調に、空間に深みや奥行きを与える配色が目立った。ミルクティカラーを中心としたベージュ系の柔らかなグラデーションが多用され、ウッド素材との親和性が高い構成となっている。自然回帰の志向を反映するフォレストグリーンや、やや赤みを帯びたブラウンも多く、70年代ヴィンテージの空気感を取り入れながら、クラシックなトーンに現代的なニュアンスを加える試みが進んでいる」としている。
「MATERIAL TREND」については「素材そのものが空間の印象やメッセージを担う傾向が強まり、軽やかさや懐かしさを伴うウッド素材の再評価が進んだ。特に、鈍い光沢のミディアムウッドや乾いた質感の白木が多用され、曲線的な加工や異素材との組み合わせによって、穏やかで柔らかな雰囲気が生み出されている。また、再生素材や自然由来の素材の探究も深化しており、サステナブルであると同時に工芸的な価値をも備えた表現として注目された」としている。
左からMinotti、LOUIS VUITTON
「STYLE TREND」については「空間に対する身体的な距離感や過ごし方に焦点を当てたスタイルが広がった。奥行きを深く取ったソファや床座の提案に見られるように、柔らかな姿勢でくつろげる環境への関心が高まっている。70年代を想起させる有機的なフォルムや落ち着いた素材構成が特徴で、ヴィンテージとモダンの要素を融合させたスタイルが主流となった。個の寛ぎを尊重しながらも自然な対話が生まれる低重心のレイアウトや、素材のテクスチャーを活かした自由度の高い空間設計が、多様なライフスタイルに寄り添う新たなスタンダードとして提案されている」としている。
左からbaxter、Minotti
「トレンド分析から見える2025年のデザイントレンド」は以下の通り。
2025年のインテリアデザインは、サステナビリティやウェルビーイングへの関心が深化し、ヘルシーでストイックな志向に加えて、情緒や自由さを重んじる暮らしの価値観へと広がりを見せている。さらにパンデミックの収束から2年以上が経ち、コミュニケーションのあり方や生活様式の変化が進む中で家具の使い方も多様化し、新しい寛ぎ方や対話を重視したレイアウトの提案も行われるようになってきた。
その生活形態の変化を表すように、今年のミラノデザインウィークでは70年代の自然回帰や自由なムードを基調に、60年代カリフォルニアの開放感や80年代の華やかさなど、複数の時代を横断する要素を融合させた展示が多く見られた。異なる要素を組み合わせることでヴィンテージ感と現代的感性の調和を図り、ブランドごとに独自の世界観を構築する動きが顕著になっている。
こうした潮流の中で、インテリアは柔軟性や持続可能性を備えるだけでなく、人と人との対話を促し、自由で多様な暮らしを包み込む舞台としての役割を強めている。そして今、その空間が担うのは、単なる機能や様式の表現にとどまらず、個々の人生や感情に寄り添い、豊かさを語る“ストーリーテリング”型のアプローチである。その象徴ともいえるのが、Loro Piana による《La Prima Notte di Quiete》だ。70年代を想起させるインテリアを舞台に、音や光による演出だけで空間に物語を立ち上げた本作は、インテリアデザインがもたらす情緒的な豊かさを体感させる提案であり、これからのミラノデザインウィークが果たしていく文化的役割を先導する存在ともなっていた。
インテリアが、その場で営まれる人々の生活や物語を織り込んだ表現へと進化するなか、2025年のミラノデザインウィークは、自由で情緒的な暮らしの価値観とともに、多様なライフスタイルに寄り添う新しいデザインのあり方を具体的に提示していた。
Loro Piana による《La Prima Notte di Quiete》
三井不動産 「ららテラス」首都圏6施設目の「北綾瀬」オープン
「三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」
三井不動産は6月24日、ライフスタイル型商業施設「ららテラス」として首都圏6施設目となる「三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」をオープンした。年間売上目標は120億円、年間来場者目標は350万人以上。
北綾瀬駅北改札からからペデストリアンデッキで直接接続されており、「暮らし 綾なす」を施設コンセプトに、綾瀬エリア初となる大型フードコートの10店舗のほか、地域居住者のデイリーニーズに応じた全51店舗が入居する。
この他、地域に愛される施設を目指した取り組みとして、綾織を取り入れた外観とし、ストリートピアノの設置を予定。その他、ZEBOriented(物販等)、DBJGreenBuilding認証、太陽光パネルの実装(約80,000kWh/年)、屋上・歩道の緑化(計約960㎡の緑地)などサステナブル社会の実現に向けた取り組みを行っている。
同社は国内商業施設として、22施設のリージョナル型ショッピングセンター、13施設のアウトレットモール、37施設の都心型・複合型商業施設、15施設のライフスタイルパークを展開しており、今回の「北綾瀬」はライフスタイルパークに該当し、首都圏では「南千住」「武蔵小杉」「TOKYO-BAY」「HARUMI FLAG」と、2025年5月31日にオープンした「川口」続き6施設目。コンセプトは「街の賑わい」と「日常生活の彩り」の提供。
施設は、東京メトロ千代田線北綾瀬駅直結、足立区谷中四丁目に位置する敷地面積約8,700㎡、鉄骨造4階建て延床面積約31,800㎡。設計は基本設計が石本建築事務所、実施設計が大本組。施工は大本・三浦建設共同企業体。環境デザインは船場。運営・管理は三井不動産商業マネジメント。
北綾瀬エリアの世帯数は2018年の12,101世帯から2024年は14,116世帯と右肩上がりで増加しており、1㎞圏内の新築マンションも2022年の1棟から2025年5棟に増加。坪単価は数年前と比較すると倍近くに上昇している。
ペディストリアンデッキ
フードコート
屋上緑化
抜群に美味しい「ザファーム」のミニトマト「ららテラスHARUMI FLAG」(2024/3/1)
「南船橋」駅直結の商業施設開業/再開発「日本橋」の次は「水道橋」か三井不動産(2023/11/29)
5月の訪日外客数 前年同月比21.5%増の約369万人 5月として過去最多
日本政府観光局(JNTO)は6月18日、2025年5月の訪日外客数は前年同月比21.5%増の3,693,300人で、5月として過去最高だった2024年の3,040,294人を65万人以上上回り、同月としては過去最高を更新したと発表した。
5月は桜シーズンと夏休みシーズンの間に挟まれた時期であり、多くの市場で訪日需要が前月に比べ落ち着く時期であるものの、一部の市場で祝日やスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられたことなどにより、東アジアでは中国、東南アジアではフィリピン、欧米豪では米国を中心に訪日外客数が増加したことが今月の押し上げ要因となった。
インドで単月過去最高を更新したほか、韓国をはじめ中国、台湾、米国など21市場で5月として過去最高を記録した。