10年計画で収益の柱に 「自由を愛し、自然体」郵政不・岩崎社長 空手初段も取得
岩崎氏
今年4月2日付で設立された日本郵政不動産の社長・岩崎芳史氏(日本郵政代表執行役副社長=75歳)にインタビューした。岩崎氏は、野村不動産ホールディングスの買収騒動は日本郵政として一切発表していないこと、日本郵政グループ全体の約2.7兆円の不動産のうち、比較的規模の大きな利活用が見込める物件は今後10年程で底をつくと想定していること、その間に新会社をデベロッパーとして郵政グループの収益の柱に育てること、健康には全く問題がなく、6年前に始めた空手で奥さんと一緒に初段の認定を受けたこと、酒やたばこ、ギャンブルとも無縁で、〝こよなく自由を愛し、自然体〟が人生観であることなどを語った。
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-野村不動産ホールディングスの買収騒動は、NHKが第一報を報じました。(NHK経営委員長代行を務めた)岩崎さんが仕掛け人ではありませんか
「全くそうではありません。この問題は日本郵政として一切発表していません。縁談とか破談とか話題が先行したということです」
-郵政グループ全体の2.7兆円の不動産も話題になっていますが
「2.7兆円の話は、額が独り歩きしているようです。あくまでこれはグループ全体の不動産で、他の会社と同じように事業を行うための土地と建物の合計額。内訳は土地が1.5兆円、建物が1.2兆円です。本業の郵政事業はユニバーサルサービスの提供を法律で義務づけられていますので、サービス低下を招くような土地利用はできません。その中で、比較的規模の大きな利活用が見込める物件は今後10年程で底をつくのではないかと想定しています。
郵便事業は、かつては鉄道輸送だったのがトラック輸送に代わりました。昨年、地域区分局(いわゆる物流センター)を全国のインターチェンジの近くに12カ所新しく整備しました。郵便物の区分業務や集配機能を集約することで生産性を向上させるという施策ですが、不動産目線として集約後に空いてくるスペースを有効活用しようということです。その事例の先端的なものとして『JPタワー』『JPタワー名古屋』『KITTE博多』などがあります。
また、社宅跡地を活用し、この10年間で分譲住宅、賃貸住宅も展開してきました。今後は、保育施設や高齢者施設といった、より社会的意義の高い開発を積極的に展開していこうと考えています。この1年間で保育施設と高齢者施設として10カ所弱事業化することを決めました。両方をミックスしたものも考えています」
-NTT都市開発がそのような方向を目指していますが
「NTT都市開発さんは会社設立して30年で営業利益が300億円くらいになりました。新会社は今後10年間で営業利益300億円という訳にはいきませんが、NTT都市開発さんなどの他社の事例も参考にしつつ、スピード感をもって事業展開を図っていきたいと考えています」
-将来的には企業買収に動くのではないですか
「企業買収はいい案件があればとは考えていますが、まだ会社を立ち上げたばかりで、宅建建物取引業法の免許取得も手続き中です。
この時期に新会社を立ち上げた理由を改めて申し上げておきますけども、直近の郵政グループ全体の利益構造は営業利益4,500億円のうち9割がゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社です。この金融2社は郵政民営化法で全株処分する方針が示されています。ですから、経営環境として今のうちに郵政グループとして第4の柱を作っておかないといけないということと、不動産は果実が実るまでに時間を要するということから、いま立ち上げたということです。この10年間でプロの専門家集団を育てていく、そういう設計です」
-健康は問題ないですか
「全く問題ないです」
-好きな作家、座右の銘はどうでしょうか
「好きな作家ですか? わたしはキリスト教ではありませんが、遠藤周作の『イエスの生涯』『キリストの誕生』のイエス・キリストのように、迫害されてもみんなに愛を注ぎ、対価を求めない姿勢に共感を覚え、感動したことがあります。今の仕事も『お国のため』というのはおこがましいですが、お役に立つのであればということで引き受けました。座右の銘は『前進あるのみ』です。常に前を向いて進むということです」
-お酒はどうですか? タバコは? ギャンブルは?
「お酒は飲めませんし、タバコは吸いません。ギャンブルもやりません」(酒もタバコもギャンブルと無縁なのは、記者が好きな作家のひとりで、ノーベル文学賞を受賞するのならこの人しかいないと思っている〝孤高の作家〟丸山健二氏と同じだ。年齢も一緒)
-岩崎さんは、丸山健二さんと違いやさしいイメージですか
「いや、いや、それが違うんです。わたしは三井不動産時代、怖い5人の一人に数え上げられていたんです。なぜかというと、横浜支店の時は個室を設けなかった。偉ぶるのが好きじゃないんです。とにかく声が大きく、『これはこうじゃないか』と筋を通して話すもんだから、周囲の社員がわっと集まって侃々諤々となりました。でも、昼になれば『じゃ一緒に飯を食おう』と言って、笑って社員とコミュニケーションをとっていました。
今も日本郵政の副社長としての個室はありますが、郵政不動産の方は個室を設けず社員の近くに座っています」(岩崎氏は横浜時代、当時、大京に圧倒的に負けていたマンション事業を肩を並べるまでに成長させた)
-三井不動産に入社した経緯について。岩崎さんは最初、住友銀行に入行されて3年後に三井さんに入られました。銀行が嫌だったのですか
「いやいや、銀行が嫌だったというわけではなく、わたしは自由人になりたかったんです。たまたま大学の同期が三井不動産を辞めたと風の噂で聞き、その代わりに入社しました。あとで振り返って、こんな自由に働かせてくれる会社は素晴らしいと思いました。
入社して最初の昭和40年代は臨海事業部に所属し、埋め立て事業などで東南アジアなどを飛び回りました。第一次オイルショック時は原油が1バレル2ドルから10ドルに上昇し、中東に資金が集中したこともあり、スエズ運河の拡幅工事でエジプトに駐在員として滞在もしました」
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岩崎氏は後期高齢者の仲間入りをし、社長に就任した。世間には高齢者のトップ就任を良しとしない空気があるが、年齢は全然関係ないと思う。
稲盛和夫氏が日本航空の会長に就任したのは78歳のときだった。日本スーパーマーケット協会の名誉会長・清水信次氏(ライフコーポレーション会長兼CEO)は92歳だ。土光敏夫氏は91歳で亡くなる直前まで第二次臨時行政調査会の会長を務めた。91歳で亡くなったピカソも死の直前まで創作活動を続けていた。安田善次郎は「50、60は洟垂れ小僧、70は働き盛り、80、90は男盛り」と言った。
ただ、経営者たるもの健康に不安があったら務まらない。ましてや岩崎氏は若いときに大病を患ったため、小学生で1年留年した。これが一番心配だった。だから単刀直入に「岩崎さん、健康は問題ないですか」と聞いた。
「全く問題ない」ことに安堵したのだが、問題ないどころか、その健康ぶりに驚愕させられた。
取材を終えてから記者を手招きし傍に立たせた。何をやらかすのかといぶかっていたら、岩崎氏はやや両足を広げて「押してごらん」と話しかけた。
記者も69歳の立派な高齢者だが、75歳の後期高齢者のおじいちゃんを押したばっかりに倒れ込み、頭やら腰を打ち再起不能になり、その責任を問われたらかなわないと考え、恐る恐る言われたままに押した。びくともしないのでさらに強く押したが微動だにしないではないか。
岩崎氏はさらにまた、左腕を水平に持ち上げくの字に曲げて「力いっぱい押してみて」と言った。今度は腕くらい折れても知ったことかと渾身の力を振り絞って押してみたが、結果は同じだった。
唖然とする記者に畳みかけるように、今度はソファに腰かけ両膝に自分の手を載せ、「力いっぱい押さえてごらん」と言うから押してみた。すると、何の苦も無く記者の手を押し上げたではないか。上から抑えられた手をそのまま持ち上げるなんて、どう考えても力学的にあわない。
「これが空手。押されて微動だしないのは、生き方や仕事にも通じる」と岩崎氏は宣うた…。
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この岩崎氏によく似た経歴の人がいる。大京アステージ会長、マンション管理業協会理事長、URコミュニティ社長などを務めた黒住昌昭氏(76)だ。黒住氏は、東大法学部を卒業後、接待攻めに陥落し三井不動産に入社することを決めたが、親に「不動産業などに就職したら勘当だ」と脅され、三和銀行に入行した。
バブル崩壊後、大京再生のため同行副頭取・長谷川正治氏とともに大京グループに送り込まれた。多芸多才ぶりはつとに知られており、5か国語を操り、東大OBコーラス部でテノールを担当し、料理も得意とか。合気道も会得している。
岩崎氏の空手と黒住氏の合気道が戦ったらどっちが勝つか。体格は断然黒住氏だが…。
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新会社は、日本郵政本社ビルと同じ霞が関一丁目のビル内にあり、資本金は15億円(日本郵政100%出資)。社員は約50名。
岩崎氏は、昭和18年生まれ、東京都出身。同42年東京大学教養学部卒業。同42年住友銀行(現三井住友銀行)入行。同45年7月三井不動産入社。平成7年6月同取締役。同10年6月三井不動産販売(現 三井不動産リアルティ)代表取締役副社長、同平成15年4月同代表取締役社長。同19年4月同代表取締役会長、同21年4月同相談役。同21年6月日本放送協会経営委員会委員長職務代行者兼監査委員。同26年6月ゆうちょ銀行取締役、同28年6月日本郵政代表執行役副社長(現職)、同30年4月、日本郵政不動産代表取締役社長に就任。
URコミュニティ社長に就任して10カ月 黒住昌昭氏に「再生」を聞く(2014/6/24)
都市、住宅、税制の三位一体の取り組み肝要 不動産協会・菰田理事長
菰田氏(帝国ホテルで)
不動産協会は5月16日、定時総会後の恒例の懇親会を行った。
冒頭、同協会理事長・菰田正信氏(三井不動産社長)は、わが国の経済はゆるやかな回復を続けているが、世界情勢は不透明感が増しているとし、「デフレからの脱却を確実なものとし、経済の好循環に向けて成長を加速させるため官民が総力を挙げて、都市と地方のさらなる活性化を図ることが重要。近年、人口減少、少子高齢化など社会構造が変化し、AI、IoTなど革新的な技術が急速に進行しており、街づくりに求められている役割も変化している。
多様な人々の社会参画、健康長寿、環境負荷の低減、新産業の創出など持続可能な社会の実現に向けて解決しなければならない諸課題を、街づくりを通して確実にし、強固な社会を実現することが求められている。そのため、人々が多様に暮らし、働き、憩える、世界に誇れる魅力的な街づくりを行い、豊かな市民生活ができるよう都市、住宅、税制の三位一体での取り組みが肝要」と述べた。
平成30年度の重要課題として①街づくり②豊かな住生活の実現③税制改正-の3点を挙げ、積極的に取り組んでいくと話した。10月に予定されている消費増税については、駆け込み需要とその反動減に各業界団体と連携して対応策を提言していくと語った。
乾杯の音頭を取った同協会会長・木村恵司氏(三菱地所特別顧問)は、「3分間だけ話させてください」とし、IoTをどう利用していくか、30年先、40年先を見据えて考えないといけない、われわれは普段競争しているが、団結しないといけないと話した。
木村氏
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日本小売業協会会長・清水信次氏(ライフコーポレーション会長CEO) 100歳時代というが、75歳で後期高齢者、85歳で末期高齢者。100歳まで生きると年金のこととか生活のことがあるから渋い(厳しい、財布のひもを締めるという意味か)。わたし? 100歳まで生きる。業績? 社長をはじめみんな頑張ってくれているからいいほうだろうね。日本は価格競争、サービス競争で世界一だ(上場会社最高年齢経営トップの92歳。わが三重県出身)
清水氏
不動産協会相談役・岩沙弘道氏(三井不動産会長) (先日、日本郵政不動産の岩崎社長にインタビューしました。岩崎さんは75歳、岩沙さんは76歳。岩崎さんにメッセージをお願いします)郵政不動産は、都市開発、地方再生に欠かせない資産を持っていらっしゃる。時代の変化に応じでその資産を有効に活用し、全体の事業の根幹を担うよう期待している。共同事業? フェアでオープンな形で協力させていただく
岩沙氏(左)と神山氏
不動産協会理事長・菰田正信氏(三井不動産社長) (三井不動産レジデンシャルがRBA野球大会総合優勝戦で旭化成ホームズと対決します。三井さんに一言)三井の力を十二分に発揮してほしい。(やや劣勢ですが)チャレンジスピリッツを発揮してほしい。(社長ご自身はプロ野球はどこのファン? )コメントを差し控えさせていただく
不動産協会副理事長・沓掛英二氏(野村不動産会長) (先日、日本郵政不動産の岩崎社長にインタビューしました。縁談話には全然関与していないということでした。復縁の話も出ませんでした)アハハハハ。(この前、川口のマンションを見ました。最高にいいですね。価格も安い)今はね…(意味深なコメント)
すてきナイスグループ取締役・木暮博雄氏 (RBA野球経験者としては上場企業3人目の社長誕生ですが)まだなっていないからね。(チームは低迷していますが)仕事も野球もちゃんとやってほしい。(Yの弟を補強するのはどうですか)いいね、しかし、わたしはまだ社長じゃないからね(6月28日の総会で社長に就任する予定。写真をお願いしたら「すっかり禿げちゃった」と拒否。昔から禿げていたのでは)
全国住宅産業協会会長・神山和郎氏(日神不動産会長) (横山修二さんが亡くなられました)業界(横山氏は全住協の前身、住宅産業開発協会の初代会長)のトップまで務められた方。(7月上旬予定の)お別れ会にはたくさん来ていただくように協力する(大京時代の部下。大京の山口陽社長と大京アステージ会長・栗原清氏は株主総会で退任されるので、横山氏を知る大京の役員は落合英治専務くらいになってしまった。落合氏も昭和59年入社だから、横山氏と直接話をしたことなどほとんどないのではないか)
東急不動産 全国25カ所で再生可能エネルギー事業を本格展開
東急不動産は5月15日、再生可能エネルギー事業を本格展開し、 風力発電所2カ所を含め北海道から九州・沖縄まで全国25カ所で事業推進すると発表した。
同社は2014年、香川県で太陽光発電事業に参入して以降、リニューアブル・ジャパンと資本業務提携し、国内最大級の蓄電池併設型発電所「(仮称)すずらん釧路町太陽光発電所」、岩手県一関市の太陽光発電と営農を両立する大規模ソーラーシェアリング事業の着手など、 再生可能エネルギー事業を推進してきた。
全国25カ所の事業推進による将来完成時の定格容量合計は一般家庭約12.9万世帯分の年間使用量に相当する約450MWとなり、CO2を年間約36万t-CO2 削減する。
横山修二氏が死去「スケールの大きい方だった 夢を語った」安倍徹夫氏が追悼文
元大京社長、会長の横山修二氏が死去したことに伴い、全盛時の部下で幹部だった安倍徹夫氏(アンビシャス社長)が「日刊不動産経済通信」に追悼文を寄せた。同紙の承諾を得たので、全文を紹介します。
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とにかくスケールの大きい方だった。どんな状況の時でも、正道を歩む経営をされていた。
大京が上場した頃、一番辛かったのはシベリアでの捕虜の時代とオイルショックだったと講話されたことがあった。
「戦時中、学徒動員で徴兵され、戦後シベリアに3年間捕虜として抑留された。厳寒の中、坑夫として過酷な労働を強いられ、毎日満足な食事も与えられず、地下の坑道を数百メートル往来し、周りには病死する若者が続出した。朝起きたら、戦友の堀内君が亡くなっていた」と述懐されていたことがあった。
35歳で独立し、会社を急成長させ、オイルショックの頃は何度も倒産しそうな状況にあったが、どんなときでも部下を信頼し、その家族を大切にされていた。
仕事をぬかるみの道に例え、小学校時代の恩師に教わった「土牛のごとき人生を歩む」を座右の銘にしていると、社員に話をされたことがあった。
大京の売上が7,000億円を超えた頃、常に言われていたのは、投資向け不動産を扱うな、投資向けは必ず崩れる。大京は実需の会社なんだと口癖のように言われていた。
マンション事業の他に海外、特にオーストラリアの開発に夢を抱いていた。
昭和40年代後半には、ゴールドコーストやケアンズに人を派遣し、リゾートエリアの開発やホテル建設に尽力された。部下を信頼し、いつも夢を語っておられた。
私も16年間の役員時代に稟議を却下されたことは1度もなかったと記憶している。
常に部下を信頼し、部下に任せ、事業を成長させ、逆に任せたことによって傷つくことがあっても、常に人を信頼していた。
様々な思い出が走馬灯のようにめぐってくるが、事業を通して正しい道の歩き方を多くの人達が教えられたと思う。海が大好きな方だった。
心から哀悼の意を表します。
巨星消える 木下長志氏に続き大京創業者、横山修二氏が死去 92歳
大京創業社長の横山修二氏が死去した。92歳。詳細は未定。
横山氏は1925年(大正14年)11月23日生まれ。1960年(昭和35年)大京商事、1964年(同39年)に大京観光を創業。1997年(同9年)代表取締役会長に就任。
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記者は14日の夜、業界紙の記者から訃報を知らされた。すぐ、大京創業時の幹部、記者が勝手に呼ぶ〝大京の7人の侍〟のうちの一人に電話した。亡くなられたのは事実のようだが、その侍は「また会いましょう」の言葉を残して電話を切った。もう一人の侍にも電話したが、コール音だけが鳴り響くだけだった。
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横山氏には2005年、大京がオリックスと資本提携し、事実上オリックス傘下になったとき、自宅を訪ねコメントを取ろうとしたが、家族の方から「もう経営にはタッチしておりませんのでコメントは差し控えさせていただきます」としか聞けなかった。これもご本人の意思かどうかも確認できなかった。
横山氏は、バブル崩壊後の経営悪化の責任を取り、平成4年に第一線から退いた。それでも当時の幹部からは「親父」と親しまれ、定期的に会合やゴルフなどをされていたようだ。馬主としても知られており、横山氏の所有馬から数点買って5万円の万馬券を的中したのは30年も昔か。
92歳といえば、今年2月に亡くなった木下工務店の創業社長、木下長志氏と同じ年齢だ。昭和-平成の激動期に活躍した2人の巨星が消えた。2007年、7人の侍のうちの一人、明和地所の創業社長、原田利勝氏が亡くなったとき、秘書を通じ「残念です」と間接的にコメントを聞いたのが最後となった。
土地を耕し、種を植え、花を咲かせた 木下長志氏(享年92歳)お別れの会(2018/2/28)
元大京専務 木原稔氏 マンションの顧客主義を語る(2009/12/10)
元明和地所会長の故原田利勝氏通夜に2500人(2007/6/19)
生物多様性保護などグリーン・インフラ取り組み ポラス「北越谷」分譲地でイベント
1時間半で約90㎡の芝生貼りを終えた参加者(指導した東邦レオのプロも絶賛した)
ポラスグループの中央グリーン開発は5月12日、同社が分譲中の「パレットコート北越谷 フロードヴィレッジ」でポラス暮し科学研究所と合同してグリーン・インフラの取り組みの一環として「南荻島街づくり植栽&防災ワークショップ」を開催した。戸建て購入者や自治会員など多くが参加した。
グリーン・インフラは、自然環境が有する多様な機能を様々な社会課題の解決に役立てようとする考えで、同社は同じグループのポラス暮し科学研究所とともに、CFD(数値流体力学)を活用したヒートアイランド対策、生物多様性の保護、ワークショップを通じた地域貢献普及活動を行っている。
今回は、分譲地内に整備する提供公園の約90㎡の芝生貼り、一部の地域では絶滅危惧種に指定されている元荒川土手に自生するウマノスズクサを公園内に移植し、それを食草とするジャコウアゲハの保護活動を行ったほか、元荒川の河川敷の雑草を踏み固めるミステリーサークルづくりを楽しんだ。
芝生貼り(左)とウマノスズクサの移植作業
ウマノスズクサ
ミステリーサークル遊び
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この分譲地を取材するのは今回で3回目だ。記者は埼玉県の環境アドバイザーを務める松田好行氏(81)の博学のとりこになった。取材そっちのけで松田氏について回り、名前だけでなく食べられる雑草を教わり、「人間は人間を滅ぼす」などといった真理、哲学、生き方までも学んだ。
記者より一回りも年上の松田氏からは「草、木、土、虫、鳥の名前を覚えることが大事」「森は鳥がつくった」「風媒か鳥媒か」「環境教育は言葉が先走っているだけ」「イヌ、ネコ、ネズミなど人間が勝手に草に名前をつけた」「食べられる野草を囲って野菜となった」「人間の歴史はせいぜい3万年。植物は5億年昔」「毒があるから他は食べない」などの言葉が次から次へと発せられ、記者を魅了した。
松田氏は元出版社の経営者で、屋久島の樹木などに関する書物を自ら著し、その後、全国的に環境アドバイザーとして活動している。現在は分譲地の近くに住んでいる。地域の宝だ。
松田氏
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松田氏に教わった野草の名前を列挙する。イヌムギ、カラスムギ、セイタカアワダチソウ、ルービン、ギジギジ(先端の芽は食べられる)、スイバ、ヤブガラシ、カラスエンドウ、コヒルガオ、オオシバリ、ネズミムギ、ヤブガラシ(この芽も食べられる)、ヨメナ、スイバ、ススメノカタビラ…。
ギシギシ(左)とカラスムギ
左からオオジシバリ、カラスムギ、イヌムギ、ネズミムギ、ウマノスズクサ、ヤブガラシ、ギジギジ
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野草にはヒトリシズカ、フタリシズカ、ムラサキシキブ、イチニンソウ、ニニンソウ、ハハコグサ、チチコグサ、オドリコソウ、シラサギソウ、ワスレナグサ、ツキミソウ、ワスレナグサなど素敵な名前がついているものも多いが、言葉にするのもためらわれるようなオオイヌノフグリ、ヘクソカズラ、ハキダメギク、ドクダミ、ブタクサもあれば、(この草の名前? )シランなどと人を食った名前も、さらにまたオミナエシ(女郎花)、ボケのように考え込んでしまう雑草もある。松田さん、どうしてなのか教えてください。
元荒川土手の桜
今年3月の全国ホテル 稼働率は微減ながら稼働率指標は上昇 週刊ホテルレストラン
オータパブリケイションズが発行している「週刊ホテルレストラン」2018年5月11日号によると、2018年3月の全国のホテル平均客室稼働率は82.1%で対前年月比0.1ポイント減、定員稼働率は75.0%で対前年月比0.1ポイント減となった。
また、「全国客室平均単価(ADR)エリア分析速報」集計によると、ADRの全国平均は10,856円で対前年同月比0.9ポイント、RevPAR(室料売上÷客室総数)は8,989円で対前年同月比1.3ポイントそれぞれ上昇した。
2018年3月は、本州エリアでは軒並み稼働率は低迷傾向にあったが、北海道・九州・沖縄では稼働率は伸長した。特に北海道はインバウンド増加に伴う内容のコメントが多く寄せられており、稼働率・ADR・RevPARの3指標が伸びた。
野村不動産 「ノーガホテル上野」11月1日に開業
「NOHGA HOTELUENO」(ノーガホテル上野)レストラン・ラウンジ
野村不動産は5月10日、「NOHGA HOTELUENO」(ノーガホテル上野)を2018年11月1日に開業し、宿泊予約を5月10日(木)より開始すると発表した。
同ホテルは、「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」をコンセプトに、同社グループが商品開発、サービス提供をし、ホテルが立地する地域に応じたデザインとするほか、地域の職人やデザイナーと連携したオリジナルの家具・備品・アートなどを配置する。
物件は、JR山手線・京浜東北線上野駅から徒歩5分、台東区東上野2丁目に位置する延床面積約4,896㎡、全130室(18~60㎡、平均20㎡前半)。付帯施設はレストラン、フィットネス、ライブラリー、ギャラリーなど。朝食付ルームチャージはスーペリアダブル(20㎡)が25,400円、ツイン(24㎡)が34,500円。
スイート
テラス
明和地所 札幌・赤れんが庁舎のリニューアル事業に参画
赤れんが庁舎
明和地所は5月8日、2016年6月に北海道と締結した包括連携協定に基づき札幌市中央区の赤れんが庁舎のリニューアル事業に参画すると発表した。
赤れんが庁舎は1888年(明治21年)に建てられたアメリカ風ネオ・バロック様式の建築で、1969年(昭和44年)3月に国の重要文化財に指定されている。近年、建物の劣化が進んでいることから、耐震対策を含めた改修を行い、国内外に向けた歴史文化・観光情報発信拠点としてリニューアルする。平成31年度に着工し、同34年の完成を目指す。総事業費は78億円。
同社は1986年に創業した翌年の1987年に札幌市に支店を開設し、マンションの開発・分譲事業を展開している。
平成29年 外国資本による森林買収 東京ドーム32個分 農水省
農林水産省は4月27日、平成29年の外国資本による森林買収事例について、調査結果をまとめ発表。全国で44件、広さは東京ドーム約32個分の148haだった。
事例でもっとも多いのは北海道の39件(53ha)で、利用目的は「不明」がもっとも多く25件。1件当たり面積がもっとも広いのは福島県いわき市の90haで、アメリカの法人が太陽光発電事業用地として取得した。
このほか、国内の外資系企業と思われる者による森林の取得が40件、881haあった。
平成18年に調査を開始してから29年までの事例累計は188件、1,589haで、もっとも多いのは北海道の156件、1,364ha。
森林法では、面積にかかわらず、森林の土地の所有者となった場合に市町村へ届け出なければならず、違反した場合は過料10万円の罰則がある。
また、国土利用計画法では、一定面積以上(都市計画区域以外は10,000㎡)の土地売買について届け出義務を課しており、違反した場合は6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。