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「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」

 野村不動産は10月12日、7月に分譲した東京都町田市の「プラウドシーズン町田ガーデン」31区画、埼玉県新座市の「プラウドシーズンひばりヶ丘テラス」40区画、9月に分譲した埼玉県入間郡の「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」(第1期25区画)が即日完売したと発表した。

 「プラウドシーズン町田ガーデン」は小田急線町田駅バス12分、徒歩3分の全31区画。最多価格帯は4,300万円台。申し込みは41件。

 「プラウドシーズンひばりヶ丘テラス」は西武池袋線ひばりヶ丘駅から徒歩12分の全40区画。最多価格帯は5,300万円台。申し込みは48件。

 「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」は東武東上線鶴瀬駅から徒歩17分の全61区画。最多価格帯4,400万円台。第1期25区画の申し込みは33件。

 いずれも「+αプランニング」をコンセプトに新たな空間設計を提案し、暮らしやすさを拡げる「カスタム収納」を標準装備しているのが特徴。

カテゴリ: 2016年度

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「ルネテラス船橋」(クルドサック中央がシンボルツリーの常緑コブシ)

 総合地所が9月29日、戸建てプロジェクト「ルネテラス船橋」の記者見学会を行った。各分野の専門家を起用、ありきたりの区画割にするのではなく、メイン道路をR状にしたり公園・クルドサックを巧みに配したりすることで独創的なプランを提案しているのが特徴だ。難点は駅からやや距離があることだが、商品力でカバーするか。

 物件は、JR総武本線船橋駅から徒歩17分、船橋市海神町3丁目の第1種住居地域(建ペイ率60%、容積率200%)に位置する全34棟。先着順の住戸(3棟)の土地面積は110.00~110.32㎡、建物面積は97.76~99.36㎡、価格は4,460万~4,960万円。構造・工法は木造2階建(2×4工法)。設計・施工は西武建設。販売代理は東急リバブル。

 現地は、日本道路公団の社宅跡地。当初は全36棟のごく一般的なプランで計画されていたが、美しい街をつくるため多くの街づくりを手掛け、グッドデザイン賞も受賞しているHIRAMEKI・重松剛氏の提案も踏まえて検討を重ね、最終的に図2のように変更した。

 このほか建物デザインは高橋慶郎建築設計事務所、内外装のカラーコーディネートにはアレス建築設計の平田川奈氏、外構・景観設計には石勝エクステリアをそれぞれ起用。電柱の地中化、公園・クルドサック・R状の道路配置、49種200本超の植栽計画などで美しい景観をつくり出した。

 街区を4つに分け、趣味や子育てなどそれぞれの好みによって住戸の選択の幅を広げる工夫を施している。サイクルポート付きで、食洗機、ミストサウナが標準装備。

 販売上ネックになる敷地延長住戸は隣り合う住戸の向きを変え、十分な幅と奥行きを持たせ、敷地南側に公園を配することで難点を利点に転換する工夫も盛り込まれている。

 モデルハウスは約5.6畳大の土間付きで、外と内をつなぐように同じタイルが敷き詰められている。

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モデルハウス 土間

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重松氏

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 見学会場に掲げられていた街並み完成パースを見てびっくりした。大規模とはいえ34戸の、しかも不整形な敷地のほぼ中央に半円形の道路を通した戸建て団地などほとんど見たことがないからだ。利益・効率を優先するデベロッパーはまずこうした道路は設けない。

 同社も当初は並みのありきたりの区画割を検討したようだ。それが別掲の図1だ。全体で36棟になっていた。それをHIRAMEKI・重松剛氏の提案も踏まえて検討を重ね、最終的に図2のように変更した。

 その経緯を同社分譲第一事業部戸建営業部長・入倉康治氏は「当社は後発ではあるが、お客様の印象に残るものにしようと考えた。思い通りの街ができた」と語り、HIRAMEKI・重松剛氏も「過去の街づくりではなく、もっと美しく楽しく、かつシンプルな住み心地のいい街を具現化した」と話した。

 独創的なプランを象徴するのが敷地延長住戸だ。一般的には日照その他の条件が悪く、価格を下げないと売れないのだが、ここは逆だ。敷地延長部分は幅が約3m、奥行きは約15mあり、しかも隣り合う住戸の向きを変えることでプライバシーを確保し、広がりを持たせ、さらに建物の南側に公園を設置することで開放感のあるものにした。

 敷地の緑化や外構にも工夫を凝らしている。芝生より安価でメンテフリーの「ダイカンドラ」を建物の際まで敷き詰めた住戸もある。

 ロックガーデン付き住戸には「赤ボサ石」が採用されているが、ボサ石は火山岩の一種で軽石のように軽くて吸水性があることから、日陰だと苔が生え趣のある表情になるのだという。

 シンボルツリーには常緑のコブシを植え、街区の一部には西洋シラカバがリズミカルに配置されている。

 同社は商品化に当たって同業他社の物件をかなり研究したというが、高橋氏や平田氏が手掛けた戸建てを記者はほかで見学している。重松氏はたくさんグッドデザイン賞を受賞しているが、今回も間違いなく(エントリーすればだが)受賞するはずだ。

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従前計画1(左)と実施プラン2

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敷地延長部分(左)とその住戸(手前が公園)

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ダイカンドラ

カテゴリ: 2016年度

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外観

 三井ホームは9月7日、同社のロングセラー商品である戸建て「オークリー」のファサード、インテリアのデザインを一新するとともに、新たなライフスタイル提案を組み込んだ新しい「Oakley(オークリー)」を発売する。

 外観を、従来のオークリーで評価の高かった3連の木製窓や木製付梁などはそのままに素材の質感を高め天然木の魅力を前面に押し出し、1階にはコリドー風「和テラス」を設けたウッディスタイルを採用したのが特徴。

 インテリアは、「木を愛し、自然を取り込む」をテーマにさまざまな表情をみせる自然素材である木と石を随所に用い新発表のNEW STYLE COLLECTION第5弾「Essential Nature Styleエッセンシャルネイチャースタイル」を初めて採用する。

 プランニングは、家族や友人をはじめとする人との繋がりや集いを大切にするライフスタイルを意識し、より自由度の高い住まい方が可能な大空間と高い居住性を提案。「心地よい繋がり」をテーマに空間の連続性を重視し、コリドー風「和テラス」を介して屋外ともゆるやかに繋がる快適な居場所を演出している。

 販売エリアは沖縄を除く全国で、参考価格は施工面積49.36坪で坪単価69万円から。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)にも対応し、坪単価差額は+6.8万円。販売目標は年間200棟(昨年度実績は130棟)。

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「和」テラス

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グランド ラウンジ

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 一昨年見学した「川越スタイル」と似てはいるが、外観はウッドプランターや軒の4本の柱が新たに加わったのが特徴。付梁・柱・破風には浮造り加工が施されている。

 このほか、スプーンカット加工されたスキップラウンジの框、ウォールナットの家具、柱ヤバネ、ロングチェア(ジョージナカシマ)、御影石の壁、滝をイメージしたガラスのアートなど木の心地よさ、自然との調和、匠の技を随所に盛り込んでいるのが目を引く。

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スキップラウンジ

三井ホーム、和モダンの「川越モデル」がヒット 2カ月弱で7件成約(2014/10/28)

 

 

 

 

 

カテゴリ: 2016年度

 

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「浦和美園E-フォレスト」

 アキュラホームは9月3日、さいたま市浦和美園地区の先進的モデルタウン「浦和美園E-フォレスト」の販売を開始する。

 「浦和美園E-フォレスト」は、さいたま市の「スマートホームコミュニティ整備事業」に採択された街づくりプロジェクトで、同社は全33区画のうち6区画を担当する。

 創エネ・省エネ・高気密高断熱のハイスペック住宅を建築し、その周辺にコモンスペース(つどいの庭)を配置。住人同士のコミュニティの場として子どもたちが安全に遊べるゆとりの空間を提案している。

 物件は、埼玉高速鉄道浦和美園駅から徒歩6分、さいたま市緑区下野田に位置する全6棟のうち3棟。土地面積は150.00~187.99㎡、建物面積は104.79~109.74㎡、価格は4,850万~5,180万円。

 

カテゴリ: 2016年度

 日本木造住宅産業協会(木住協、会長:住友林業社長)は8月31日、平成27年度の木住協自主統計調査の結果をまとめ発表した。

 会員の住宅着工戸数は92,439戸(前年比105.1%)となり、このうち木造戸建ては88,489戸(前年比104.2%)と増加した。国交省の住宅着工統計に占める会員会社の木造戸建てのシェアは19.8%となり、前年の19.5%より0.3ポイント増加した。

 「平成25年小エネルギー基準適合住宅」の戸建て着工戸数は53,714戸となり、前年より36,396戸増加(前年比310.2%)し、会員会社が着工した戸建て住宅に占める割合は60.7%になった。

 長期優良住宅の着工戸数は31,032戸(前年比107.5%)で、会員が着工した戸建て住宅に占める割合は35.1%になった。

 会員会社が着工した戸建て住宅に占める太陽光発電搭載住宅の割合は27.9%だった。

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 木造ファンの記者にとって数値がよくなっているのは嬉しいが、会員433社のシェアが19.8%なのはやや寂しい。

 これほどの会員を抱えながらシェアが伸びないのは、中小零細をカバーしていないこともありそうだが、年間で約4万戸、1日当たり約100戸の戸建てを分譲しているガリバー企業の飯田グループホールディングスが加入していないのも大きな要因だ。仮に飯田グループが加入したら、他の数値はともかく、着工シェアは一挙に30%近くに伸びる。

 飯田グループへの取材をやめて10年以上が経過するが、圧倒的なシェアを占める飯田グループを取材しないのはやはり問題がある。応じてくれるかどうかは分からないが、取材を復活することをこの日決めた。

カテゴリ: 2016年度

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洗面室の一例

 フルマラソン3回分の約122km、時間にして約1日分の家事労働時間の短縮-アキュラホーム住生活研究所(所長:伊藤圭子氏)は8月16日、アキュラホームが2015年に全国で手掛けた100棟の住宅について調べたところ、家事動線の短縮や洗面室の面積拡大と収納充実を図った結果、年間にして約122㎞、時間にして約25時間(80mを1分として計算)の短縮が実現したという調査結果をまとめ発表した。

 調査によると、「キッチン⇔洗面室」の距離は、2015年は平均で3.63mとなり、2009年の5.72mから約36.5%短くなった。その要因として、2カ所から洗面室に出入りできる間取りプランの採用率が2009年には21%だったのが、2015年には38%に増えたことを指摘している。

 洗面室については、平均面積は、2009年には4.44㎡(1.34坪)だったのが、2015年には5.22㎡(1.58坪)に拡大している。

 また、キッチンに関する調査では、「対面キッチン」が9割前後を維持しており、主流の流れには大きな変化はないとしながらも、油の飛び、汚れなどの影響を受けやすい完全な「オープンキッチン」はやや減少傾向にあり、機能性を重視した「壁立ち上げ型」が好まれる傾向にあるとしている。

 調査結果について同研究所は、「2014年4月に発売した『住みごこちのいい家』による提案が寄与したものと考えられ、主婦の家事ラクに大きく貢献した」としている。

◇       ◆     ◇

 とても面白い調査結果だ。122kmの根拠について同研究所は、30代の日本女性が1日に歩く歩数6,919歩、歩幅70cm、家事時間(平均4時間33分)の割合が1日の約19.0%などからはじき出したとしている。

 やや乱暴な計算のような気もしないではないが、主婦労働がいかに過酷であるかを同研究所は明らかにした。洗面所を広くして収納を増やしたことが家事ラクにつながったという結果も興味深い。

 注文を付けるとすれば、家事労働時間の短縮は肥満・メタボの改善につながったか、親子、夫婦関係にどのような影響を与えたかなどについても追跡して調査し、報告してほしい。

 

カテゴリ: 2016年度

 

 東急不動産は8月16日、順天堂と東急不動産次世代技術センターとの産学連携による「スマートウェルネス住宅」を目指した都市型戸建て「ブランズガーデン瀬田」のモデルハウスを10月にオープンすると発表した。

 物件は、東急田園都市線二子玉川駅から徒歩12分、または用賀駅から徒歩10分、世田谷区瀬田二丁目に位置する全9戸。敷地面積は81.30~104.24㎡、延べ床面積は100.09~121.34㎡。構造は2×4工法2階建て・3階建て。施工はイトーピアホーム。外構造園設計施工は石勝エクステリア。

 「スマートウェルネス住宅」では、高断熱性能やエネファーム、外付け日除けを備えた「省エネ性能」、医学的見地を採り入れ突板フローリングや24時間換気を備えた「健康性能」、万が一の際の備えも考えた「安心・安全性能」の3つの視点から各分野の専門家の知見を取り入れて開発を進めている。

 

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「街角一番展示場」モデルハウス

 住友林業は8月8日、木造、墨田区・吾妻橋エリアで木造BF-耐火構造の4 階建て「街角一番展示場」モデルハウス見学会を行った。同エリアは東京都と墨田区が推進する「木密地域不燃化10年プロジェクト」の整備対象エリアに該当しており、展示場は狭小敷地でも木造の防耐火構造の4階建てが可能であることをアピールしていく。

 モデルハウスは建蔽率80%、容積率200%の防火・近隣商業地域に立地。建築面積は32.29㎡、延べ床面積117.31㎡。建築費は80万円/坪から。

 同社オリジナルの「きづれパネル」を用いることでモルタル施工の合理化・コストを削減し、室内床材も同社オリジナルの「挽き板」を使用することで、木のぬくもりを提案している。

 また、断熱・遮音性能の高い「ダブルLow-Eトリプルガラス」または「ダブルLow-E真空トリプルガラス」のサッシを採用している。

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モデルハウス

◇       ◆     ◇

 同社に限ったことではないが、木造建築物の取材でいつも大きな壁にぶち当たるのが防火・耐火基準だ。住林と言えば森林・林業・木の会社だ。素晴らしい木造の住宅が見られるのではないかと期待していたのだが、やはりだめだった。

 建築基準法では防火地域にあっては階数が3以上で、又は延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物としなければならないとあり、柱、壁、床、梁、屋根、階段などが一定時間内(30分から2時間)に変形、溶融、破壊されないことが求められている。

 このため、ほとんどの大規模木造建築物の外観は、主要構造材の壁、柱などは石膏ボードやモルタル、サイディングによって覆われている。見た目には木造であることはほとんどわからない。今回のモデルハウスも同じだ。

 現行の規制は地球環境、低炭素社会実現の視点が欠落している。性質が異なる木を鉄やコンクリと同じ土俵の上で競わせる法律が理解できない。「防火・耐火基準」は、わが国の伝統的な木の文化を否定するものといえば言い過ぎか。

 防火地域の規制についてはもう一つ言いたい。防火地域の耐火建築物は建蔽率の緩和を受けられるが、それより公開空地を確保し、緑被率を高めた建築物は容積率を緩和するほうが望ましい。

 同社オリジナルの「挽き板」はなかなかいい。木材を薄くスライスして合板に張り付けた突板ではなく、鋸(のこ)刃で切り出した厚みのある板であるため、無垢材のような質感がある。欲を言えば、ドアや建具にもこれを採用してほしかった。

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手前から外壁の鉄網+軽量モルタル、防水シート、きづれパネル、石膏ボード

カテゴリ: 2016年度

 旭化成ホームズは8月2日、共働き子育て家族の家づくりに役立つよう「二世帯」「近居」「遠居」タイプごとに新たな「親子コラボ」提案を行うと発表した。

 同社の「共働き家族研究所」と「二世帯住宅研究所」が「同居・近居・遠居」における親サポートの実態を共同で研究・調査した結果、二世帯「同居」だけでなく、「近居」や「遠居」の場合でも共働き子世帯の多くが親から子育て・家事のサポートを受けている実態や、そのサポート内容は住まいの距離に応じて異なること、近居・遠居であっても同居の場合と同様に親への気兼ね・気苦労が存在することなどから、「同居」「近居」「遠居」それぞれのプランニングなどの情報を発信し、共働き子育て家族の家づくりをサポートするというもの。

 「近居」タイプでは、留守中でも親世帯が子育てサポートしやすいよう親アクセスゾーンと子世帯プライバシー確保ゾーンに分けているのが特徴。

 「遠居」タイプは、親用の駐車スペースを確保し、宿泊する部屋、「子育て・家事」サポートゾーンを設けているのが特徴。

 8月6日(土)から全国の展示場で「共働き家族の家づくりフェア」を実施し、「親子コラボ」を積極的に提案していく。

 発表会で同社取締役専務執行役員・川畑文俊氏は「二世帯住宅をベースに近居、遠居に対応できるプランを提案することで、受注の間口を広げるのが狙い」などと語った。

 

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「住まいと暮らしサロン」

 アキュラホームは7月22日、埼玉県熊谷市に完成させた同社埼玉北支店オフィス棟「住まいと暮らしサロン」の竣工お披露目発表会を行った。中規模木造建築の普及を目指すため、一般住宅用流通材と加工技術を用いた最先端の3階建て建物で、最大無柱空間16m×6m、最高高さ9.4mを実現した。

 構造は、東京大学大学院木質材料学研究室教授・稲山正弘氏、意匠設計・監理監修は河野泰治アトリエ主宰・河野泰治氏が担当。広さ16m×6m、天井高最高9mの大空間を作り出す「シザーストラスアーチ」の3階建てと2階建てオフィス棟からなる延べ床面積約431.34㎡。2階部分を間口方向に1.5m、奥行き方向に3m、2方向に跳ね出させる(オーバーハング)高度な技術が採用されているのも特徴。柱は地元・西川材、その他は北欧材。建築コストはおおよそ坪100万円。

 建物は、同社の埼玉北支店オフィスとして使用されるほか、地域住民の各種講座やサークル活動の場として提供していく。

 同社社長・宮沢俊哉氏は発表会で「現在の中大規模木造は補助金頼り。鉄骨でつくって内装に木を使うと坪180万から200万円にもなる。これではなかなか普及しない。今回は稲山先生や河野先生から学ばせていただいて、木造建築物の新たな時代の幕開けとなるワクワクするような素晴らしい空間ができた。これをプロトタイプにして、さらに研究を加えユニット化し坪80万円くらいでできるようにしたい」と語った。

 構造を担当した稲山氏は「この建物は精度が高く、加工技術も難しく高度なテクニックが必要だが、試行錯誤を重ねながら普及版を開発したい」と話した。河野氏は「オフィスで働く人も、ここに訪れる地域の人も木のにおい、温かみを実感でき、誰でも楽しめる建物に仕上がった」と語った。

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シザーストラスアーチ(左)と階段

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耐力壁の上下に開口部が設けられている

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 稲山先生と河野先生の姿を見たとたん、記者は「なるほど」と思った。稲山先生とは2007年だからもう9年前だ。初めて「耐力壁ジャパンカップ」を取材したときから、毎年のように楽しく、かつちんぷんかんぷんの難しい話を聞いてきた。河野先生もそうだ。

 4年前にアキュラホームが優勝したとき、宮沢社長は商品化も明言している。稲山先生と組んで今回の建物が完成したのは当然の成り行きだと思う。

 難しい技術的なことは分からないので、とにかく美しい木の表情を写真で見ていただきたい。稲山先生が「1フロアの高さは2.7mで、高さ2mの耐力壁の上下に開口部を設けることができたのは画期的」と語ったように、オフィスの足元と上部に風が通る窓が設置されているのもよく見ていただきたい。

 建築物は「美しくないといけない」のが記者の持論であり、丹下健三は「美しい建築物のみが機能的」とも語った。お三方の表情も輝いているように見えるではないか。

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左から宮沢氏、河野氏、稲山氏

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稲山氏(左)と河野氏

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ポラス 4年振り7度目の耐力壁トーナメント優勝 総合は滋賀職能大が4連覇(2015/8/14)

第15回木造耐力壁ジャパンカップ アキュラホームが優勝(2012/9/18)

木造耐力壁ジャパンカップ①ポラスグループが4年ぶり6度目優勝(2011/10/11)

カテゴリ: 2016年度
 

 

 

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