コロナ後の市場変化に的確に対応 2020年入社式挨拶 三井不・菰田正信社長
コロナ後のマーケットの変化に的確に対応
入社おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。
三井不動産グループの歴史は、日本の経済・社会の発展とともに、その時代の「パラダイム転換」を捉えた、新たな「価値創造」の歴史です。その価値創造に果敢にチャレンジし、常に自らのビジネスをイノベーションすることが、当社グループのDNAであります。
世界の先進国では少子高齢化や環境問題などの社会課題を抱えていますが、我々は街づくりを通して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現することを目指しています。グループビジョンで示す「&マークの理念」は、多様な価値観を「どちらか」「OR」ということで選択するのではなく、「どちらも」「&」として両立・共存させようというものです。お客様の価値観の多様化に応えていくためには、当社自身の中に多様性を取り入れ、多様な価値観・多様な才能を持った人材が持てる力を最大限に発揮し、シナジーや化学変化を起こせる会社にならなければなりません。
入社にあたり、皆さんに期待すること、心掛けていただきたいことは、以下の5点です。
まず「自立した個人」になること。今日を新たなスタートラインと位置づけ、自らの力で人生を切り開き、高い志を果たしてください。
二つ目は、「幅広い視野を持つ」こと。社会、経済の変化の激しいダイバーシティの現代において、自らの可能性を最大限に伸ばしていくためには、「好奇心」や「ネットワーク力」、価値ある情報を選び取る「感性」が必要です。社内外・世代を問わず、「人との交流」「出会い」を大切にし、物事を見る視野・人間の幅を「外向き」志向で広げてください。
三つ目は、「チャレンジスピリットを発揮する」ということ。仕事をしていくうえで、様々な困難に直面することがあります。そういう時こそ、当社グループのDNAであるチャレンジスピリットを発揮していただきたいと思います。
四つ目は、「健全な心身を保つ」こと。常に心と体の健康を保てるよう、十分な自己管理を心掛けてください。新型コロナウィルス感染拡大防止に関しても、今言われている3つの密のような空間に立ち入らない等の自己管理をしていただきたいと思います。
当社は、多様な人材が自分にあった働き方でその能力を最大限発揮できるよう「働き方改革」に取り組んでいます。労働時間に制約があるという前提で、限られた時間で最大限の成果をあげ、それ以外の時間は、家族と過ごす時間も含め「個人を豊かにする時間」に充てようというものです。それが、社員としての人間の幅を拡げ、ひいては会社の組織としての力を強くすることにつながり、さらには社員の心身の健康を保つことにもつながるからです。
そして最後は、「社会人としてのコモンセンスを持つ」こと。世の中の不祥事のほとんどは、常識の欠如に起因するものです。「コモンセンス」がしっかりしていれば、ごく自然にコンプライアンスの態勢がとれるはずです。
現在、新型コロナウィルスの世界的な蔓延により、世界全体が困難な状況に直面しています。皆さんはこのような混乱の中、社会人としてのスタートを切ることになり、いろいろ不安もあると思います。この新型コロナウィルスの問題については、まずは感染を収束させること、そしてこの問題から発生した経済的ダメージを回復させること、そして、テレワークの進展やEコマースの拡大などコロナ後のマーケットの変化に的確に対応していくことが大事だと考えています。
当社の行っている事業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業です。当社グループが、魅力あふれる企業グループであり続け、今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。
(以上、要旨)
社名変更回数は上場企業トップ!? ナイス 1950年創業から6度目の変更
すてきナイスグループは3月31日、完全子会社のナイスを吸収合併し、商号を「すてきナイスグループ」から「ナイス」へ変更したと発表した。
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持株会社体制をどう見るかだが、同社は1950年に市売木材株式会社を設立してから今回が6度目の社名変更で、社名変更回数としては間違いなく上場企業トップだ。
同社の社名変更の歴史をたどると、1971年、市売木材から日榮住宅資材に変更し、以下、1988年日榮不動産に、1995年ナイス日榮に、2000年ナイスに、2007年持株会社体制へ移行しすてきナイスグループを設立、そして今回、すてきナイスグループをナイスに変更した。
三菱地所 「丸ビル」「大手門タワー・JXビル」再生可能バイオマス経由の電力活用
三菱地所は3月30日、同社が運営管理する「丸の内ビル」及び「大手門タワー・JXビル」の一部で再生可能エネルギー由来の電力供給を受ける契約をJXTGエネルギーと締結したと発表した。
供給を受けるのは4月1日からで、川崎バイオマス発電が発電する木質バイオマス由来の電力。使用電力のうち「丸の内ビル」が約60%、「大手門タワー・JXビル」が約40%。2棟合計で約10,000t/年のCO2削減を見込んでいる。
三菱地所 新型コロナ対策強化 本社と横浜支店を原則在宅勤務に移行
三菱地所は3月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした東京都などによる在宅勤務及び不要不急の外出自粛要請を踏まえ、3月27日から4月12日まで、本社及び横浜支店の従業員を対象に原則在宅勤務に移行すると発表した。
従前より時差出勤やリモートワークの活用のほか、社内外の会議や面談についてはウェブ会議や電話会議を推奨していたが、対応を強化するものとしている。
「創業100周年時に売上高10兆円の企業グループ」切望 大和ハウス・樋口会長が退任
樋口氏
大和ハウス工業は3月26日、取締役会長・樋口武男氏が今年6月の株主総会で同職を退任し、最高顧問に就任すると発表した。樋口氏は同日付で次のようにコメントした。
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私は、6月の株主総会をもって取締役を退任し、最高顧問に就任することを決意しました。大変長い間、会長職を務めさせていただきましたが、年齢的なことも含め、また、経営層の若返り等も鑑みて、これからは客観的に大和ハウスグループを眺めながら、気が付いたことを若い社員に伝えていきたいと考えております。
私は何よりも会社が繁栄し続けることを一番願っております。長い間、ありがとうございました。
2001年より社長、2004年より会長職として「創業者精神の継承」と「凡事徹底」を掲げ、経営の第一線において様々な経営改革を断行してきました。また、創業者 石橋信夫相談役の薫陶を受けた私が、次代の大和ハウスグループの人材を育成するべく邁進し、役職員が「多くの人々の役に立ち、喜んでいただけるサービスや商品の提供」に務められるよう、新たな価値創造にも挑戦してきました。
2017年11月より芳井敬一社長の新経営体制のもと、経営基盤やガバナンスなどを再構築し、軌道に乗ってきたところで、昨年、最高経営責任者(CEO)を芳井氏に引き継ぎました。
来年には82歳になりますので、私なりに一定の区切りをつけ、経営の第一線から退くことを社長の芳井氏に報告させていただき、本日の取締役会で決議されました。株主総会以降は、最高顧問として体力の許す範囲内で大和ハウスグループをサポートするつもりです。
これまで私が経営者として邁進できたのも、ひとえに、お客さまをはじめ、取引先様、協力会社の皆様、従業員の皆様等多くのステークホルダーに支えられたお陰であります。
これからも大和ハウスグループが、世の中に必要とされる企業となるよう、また創業者の夢である「創業100周年時に売上高10兆円の企業グループ」となるよう、切望します。
引き続き、大和ハウスグループをご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
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記者は、樋口氏と積水ハウス元代表取締役会長兼CEO・和田勇氏、住友林業前代表取締役会長・矢野龍氏を〝大阪弁御三家〟経営者と呼んできたが、いよいよ三氏の小気味いい絶滅危惧種の大阪弁を聞く機会がなくなりそうだ。残念。
三菱地所 「大手町パークビルディング」の一部を998億円で譲渡
三菱地所は3月5日、「大手町パークビルディング」の一部を譲渡する契約を結んだと発表した。資産ポートフォリオ戦略の一環としてROAの向上を図るとともに、投下資金を回収し今後の事業資金に充てるため。
譲渡するのは同ビルの土地信託受益権準共有持分の約33.1%と、9~20階の事務所部分・店舗部分・地域冷暖房施設部分における区分所有権の共有持分の49.9%。
譲渡先は東京MN1特定目的会社、ジャパンリアルエステイト投資法人、日本オープンエンド不動産投資法人。
同ビルは土地面積約9,338㎡、29階建て延べ床面積約9,338㎡。2017年1月竣工。帳簿価額は約939億円。譲渡価額は約998億円。
東急不動産HD社長に西川弘典氏、東急不動産社長に岡田正志氏
西川氏
東急不動産ホールディングスは3月2日、新しい代表取締役社長に取締役執行役員の西川弘典氏が、現代表取締役社長の大隈郁仁氏は代表取締役にそれぞれ4月1日付で就任すると発表した。現代表取締役会長・金指潔氏は取締役会長に就任する。大隈氏は6月下旬開催予定の株主総会後の取締役会をへて代表取締役副会長に選定される予定。取締役・榊真二氏は退任する予定。
西川氏は1958年11月12日生まれ。北海道出身。1982年3月、慶應義塾大学経済学部卒。同年4月、東急不動産入社。2004年4月、リゾート事業本部 資産企画部 統括部長、2010年4月、執行役員 総務部 統括部長、2016年6月、東急不動産ホールディングス取締役専務執行役員 一般管理管掌、2019年5月、代表取締役 上級執行役員 副社長(現)などを歴任。
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岡田氏
東急不動産は3月2日、新しい代表取締役社長に取締役上級執行役員副社長・岡田正志氏が4月1日付で就任すると発表。現代表取締役社長・大隈郁仁氏は代表取締役会長に就任する。
岡田氏は1958年8月6日生まれ。岡山県出身。1982年3月、大阪大学工学部卒。同年4月、東急不動産。2010年4月、執行役員 商業施設事業本部長、2015年6月、東急不動産ホールディングス執行役員都市事業担当、2019年5月、東急不動産取締役上級執行役員副社長(現)など歴任。
三井不動産リアルティ 新社長に慶大野球部を学生野球日本一に導いた遠藤靖氏
遠藤氏
三井不動産リアルティは2月28日、新しい代表取締役社長に遠藤靖氏(現代表取締役副社長)が、現代表取締役社長・山代裕彦氏が代表取締役副会長にそれぞれ4月1日付で就任すると発表した。
遠藤氏は、1963年9月生まれ。鳥取県出身。1986年3月、慶應義塾大学経済学部卒。同年4月、三井不動産入社。2016年4月、千葉支店長などを経て、2017年4月、三井不動産リアルティ取締役専務執行役員就任、2019年4月、現任に就任。
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今回の人事異動で、元RBA野球三井不動産リアルティ助監督の吉田裕氏が執行役員に就任する。これで、同社の執行役員は遠藤氏を筆頭に常務執行役員・正木条氏、上席執行役員・石井雄二氏とともに4名となる。部長クラス以上で1チーム造れるくらい同社はRBA野球関係者が幹部を占める。
積水ハウス 世界的サステナビリティ格付け「SAM」で2年連続「Silver Class」
積水ハウスは2月6日、スイスの世界的なSRI(社会的責任投資)分野の調査・格付け会社「RobecoSAM(ロベコサム)社」(S&P Global Inc.)によるサステナビリティ格付け「SAM Sustainability Award 2020」のHomebuilding(住宅建設)部門で「Silver Class」に2年連続で選定されたと発表した。2016年からの3年連続「Gold Class」に続き、5年連続でのClass選定。
ロベコサム社は世界の3,200を超える企業の「経済」「環境」「社会」面での取り組みを評価し、61業種のそれぞれ上位15%の企業を「持続可能性に優れた企業」(日本企業は59社)、うち特に優れた企業を「Gold Class」(同2社)・「Silver Class」(同7社)・「Bronze Class」(同9社)に選定している。
ハウスメーカーで他に選定されたのは住友林業(Gold Class)、積水化学工業(Bronze Class)。
売上高は3期連続、営業利益は2期連続過去最高 東京建物2019年12月期決算 増収増益
東京建物は2月5日、2019年12月期決算を発表。売上高3,230億円(前期比18.2%増)、営業利益524億円(同12.1%増)、経常利益446億円(同6.1%増)、当期純利益297億円(同9.2%増)と増収増益。売上高は3期連続、営業利益は2期連続で過去最高を記録した。配当を前期年間35円/株から6円増配の41円/株とする予定。
ビル事業は、「ザ・スクエアホテル銀座」、「ホテルグレイスリー浅草」などの通期稼働や投資家向け物件の売却の増加が寄与して増収増益。住宅事業は、マンション計上戸数が前期の988戸から1,315戸へ大幅に増加したため増収増益。粗利益率は24.6%の高水準を維持した。
東京八重洲駅前の再開発に伴い、本社機能を「東京建物八重洲ビル」に5月7日付で移転し、「サステナビリティ委員会」を本日付で設置したと発表した。
2020年12月期は、分譲マンションの売上げ減少などから売上高3,300億円、営業利益500億円、経常利益430億円の増収減益を見込む。
同日発表した2020年度から2024年度の5年間の中期経営計画では、営業利益750億円、ROE8~10%、D/Eレシオ2.4倍程度を目指す。グロス投資額は14,000億円。
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マンションの計上戸数は期初予想の1,000戸から1,301戸(前期989戸)へ大幅に増加したのが業績に寄与したが、一方で期末完成在庫は3Qの83戸から216戸(前期94戸)へ激増した。最近ではもっとも多い戸数だ。
この数字に驚いたのだが、同社は「たまたま郊外中心に完成在庫が増えたということで、売れ行きが悪化したというわけではない。引き続き高い利益率を維持している」(広報)と説明している。分かりやすく言えば〝過度に売上げが伸びないよう〟調整したということのようだ。
この言葉を裏付けるように期末契約済み戸数は1,547戸(前期1,577戸)にのぼっている。今期は〝目玉〟になる物件がないようだが、引き続きマンション事業は好調に推移するとみた。