年頭所感 三菱地所社長 吉田淳一氏/三菱地所レジデンス社長脇英美氏
ONE TEAMの精神でチャレンジ
三菱地所 執行役社長 吉田淳一氏
昨年は、年号が令和へと移り変わり新たな時代を迎えた。2019年は、当社もオフィシャルスポンサーとして応援したラグビーワールドカップが日本で開催され、日本代表が予選4戦全勝で初の8強入りを果たす快挙を成し遂げた。チームプレーで勝利を目指す選手の姿は人々に感動を与え、一枚岩となるONE TEAMの強さを実感した。2020年も、国際的なイベントをきっかけとした訪日観光客の増加や、世界に向けた日本の魅力発信などを通じ、日本経済の更なる発展に繋がる年となることを期待したい。
オフィス賃貸事業に於いては、昨年竣工を迎えた「リンクスクエア新宿」や本年1月に竣工予定の「コモレ四谷」の好調な新規貸付に引き続き良好なマーケット環境を取り込んでいきたい。国内最先端ベンチャー企業とも協業し、ロボットなどの新技術の活用を行うなどソフト面でも付加価値の提供やブランディング向上を図り、より一層、競争力のあるオフィスを提供していく。また、2020 年代の成長に向けて、「東京駅前常盤橋プロジェクト」に加え「有楽町エリア」のまちづくりにも精力的に取り組みたい。
分譲住宅事業では、「ザ・パークハウス恵比寿」や「千住ザ・タワー」など、駅から近くかつ好環境・タワー物件・大規模複合開発といった特徴のある物件に人気が集まった。本年2月上旬販売開始予定の「ザ・パークハウス高輪タワー」などもすでに多くの反響をいただいている。今後も多様化するニーズに合った物件を供給していきたい。
商業施設事業では、トレンドである『コト消費』と『インバウンド需要』を取り込んだ各地の「プレミアム・アウトレット」の売上が引き続き好調に推移している。本年春には「御殿場プレミアム・アウトレット」の第4期増設エリア開業も予定しており、引き続いての成長に期待したい。
昨年は、自然災害による被害への備えを再認識させられる年であった。当社としても、1926年以来三菱地所グループ社員総出で総合防災訓練を実施しているほか、平素より独自の災害対策要綱を策定し、食糧備蓄や災害発生時の非常災害体制の編成など、様々な自然災害に対する備えを行ってきたが、引き続き安心・安全なまちづくりに注力していきたい。
2020年は、さまざまな空間やサービスに求められる本質的な価値に思いを馳せ、街に住む人、働く人、訪れる人にとって真に価値ある社会の実現に向けて、グループ全体 ONE TEAMの精神でチャレンジを続けていきたい。
資産価値の高い「一生もの」のマンションを供給
三菱地所レジデンス社長 脇英美氏
2019年の分譲マンション市場は、駅から近くかつ好環境・タワー物件・大規模複合開発といった特徴のある物件やコンパクトマンションに人気が集まった。
その中で当社においては、交通利便性を基礎条件に、多様化するニーズに合った物件を供給することで堅調に推移し、2019年の供給戸数は約3,500戸であった。「ザ・パークハウス恵比寿」「ザ・パークハウス高輪フォート」「ザ・パークハウス浅草」などは引き合いも多く、早期のうちに完売した。
直近で契約を開始した「ザ・パークハウス市ヶ谷」など新規物件の引き合いも順調で、「ザ・パークハウス高輪タワー」などもすでに多くの反響をいただいている。
立地とニーズに適う物件を継続して提供することで、堅調な需要に応えていきたい。
2019 年は「平成」の時代が終わり、「令和」がスタートした。令和元年は、自然災害に見舞われた1年でもあった。三菱地所は、関東大震災の際、飲料水の提供や炊き出し、臨時診療所の開設などを行った。三菱地所グループでは、その経験から、以来90年にわたり災害に備えることの大切さを強く認識してきた。その安心・安全へのこだわりは当社のマンション事業にも引き継がれ、地域を巻き込んだ三菱地所グループの防災倶楽部の活動なども行っている。引き続き、街づくりを担う私たち一人ひとりが日々できることを考え、アイデアを出し合って災害への備えに向き合っていきたい。
2020年の住宅市場においては、単身・共働き・シニア世帯の増加などニーズが多様化し、選別の厳しいマーケット環境であるが、その中で当社が選ばれ続けるために、今まで以上にお客様に密着したモノづくりを行っていきたい。また、これから購入していただくお客様だけでなく、すでに購入され、住まわれているお客様の生活目線での不足、不満といったニーズを汲み取り、モノづくりに反映していくことも必要になっていく。全社員の知見を集積し、資産価値の高い「一生もの」のマンションを供給すべく、お客様のニーズに沿ったモノづくりに取り組んでいきたい。
年頭所感 キーワードは「創意工夫」 ポラスグループ代表 中内晃次郎氏
本年は、日本では56年ぶりに夏の開催となる東京オリンピック・パラリンピックの開催が大きな話題です。大会に向けて様々な開発やインバウンド効果も予想されますが、開催後は国際情勢が不安定なことと併せて、経済の潮目が変わる可能性も考えられます。
そのような背景の中、本年の当社のキーワードは『創意工夫』といたします。意味は「独創的なアイデアを見出し、新たな方法を考え出すこと」とあります。
仕事に取り組む際は『論理的思考(ロジカル・シンキング)』が原則ですが、予測のつかない不透明な時代になると『批判的思考(クリティカル・シンキング)』も必要になります。日々の業務での判断や行動の際に、思い込みや決めつけを排除し、「本当にそうなのか? 」「根拠は何か? 」と絶えず疑問を持ち、柔軟な思考で『創意工夫』をし、改良・改善そして革新を繰り返すことが大切です。
ポラスグループは昨年、多くの方々に支えられ創業50年を迎え、そして次の50年に向けて新たなスタートを切りました。創業者が追い続けた、安全で安心して暮らせる住まいを提供し続けるために全従業員が『創意工夫』の観点を改めて持ち、日々の業務に取り組んでまいります。
年頭所感 「イノベーション&コミュニケーション」合言葉 積水ハウス社長 仲井嘉浩氏
新年、明けましておめでとうございます。 昨年は多数の台風が襲来しました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、1日でも早く平時の生活に戻っていただけるよう全社を挙げて支援してまいります。
さて、東京オリンピック・パラリンピックが開催される日本全体にとって、また積水ハウスにとっても節目となる2020年がスタートしました。今年は、当社にとって創業60周年という記念の年であり、第5次中期経営計画を発表して、新たな成長ステージへと向かう出発の年でもあります。
当社の第1フェーズとなる創業からの30年間は、不足していた住宅の量の確保に尽力するとともに、お客様の命と財産を守るシェルターとしての役割を果たすため、「安全・安心」な住宅の供給に努めてきました。
第2フェーズ、1990年からの30年間では、「快適性」を追求してきました。1990年に「総合住宅研究所」を開設し、ユニバーサルデザインや「5本の樹」計画、スローリビング、 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)など、住みやすさを実現する多くの研究開発に取り組むとともに、六甲アイランドでのまちづくりなど、都市における「快適性」にもチャレンジした時代です。
そして、2020年からの第3フェーズでは「『わが家』を世界一幸せな場所にする」というビジョンのもと住まい手に寄り添い、幸せな毎日を提案・提供する「幸せづくりのパー トナー」を目指します。
2019年は「幸せ」を提供するための準備の一年でした。「幸せ」を研究する機関として発足した住生活研究所の研究成果を生かした「ファミリースイート」を発売し、約5割のお客様に採用いただくなど好評です。米国で開催された「CES2019」において「プラットフォームハウス構想」を発表しました。本年も「CES2020」に出展して、「プラットフォー ムハウス構想」の進捗について発表します。お客様に人生100年時代の「幸せ」を提供するためのイノベーションを起こしてきたいと考えています。
私は「イノベーション&コミュニケーション」を合言葉に改革に取り組んでいます。イノベーションを起こすには、多くの社員のアイデアが必要です。会社を変えるアイデアは、最前線で働く社員が一番持っていると確信しています。
そして重要なのがコミュニケーションです。事業所内、事業所間、社内外、国内外のコミュニケーションが活発になればなるほど、イノベーションが起こります。それだけでなく「ベクトル」を共有することが可能となり、ガバナンス強化にもつながります。
2020年も全社の「ベクトル」を合わせ、コミュニケーションを活発にとり、お客様に新 しい価値を提供するNEXT積水ハウスをグループ全員でつくってまいります。
年頭所感 ハコやモノの枠を超えて 東急不動産HD社長 大隈郁仁氏
2020年度は中期経営計画の最終年度です。世界的に経済の不透明感が増し、国内では2019年の消費税増税の影響などもあり、国内経済の景況感全体は楽観視できない部分もありますが、不動産業界においては低金利の継続、住宅ローン減税等の政策的支援などに支えられ、都市中心部の利便性の高い地域を中心に住宅やオフィス、ホテルなどの需要は堅調に推移しています。東京オリンピ ック・パラリンピック後の不動産景気を懸念する声もありますが、私はしばらくこの不動産市場の堅調さは続くだろうとみています。
2019年はかねてより地元の皆様と開発を進めてまいりました渋谷駅周辺での「100年に1度」ともいえる街づくりで一定の成果が上がった年です。まさに2019年は「渋谷の年」でした。3月に「渋谷ソラスタ」、そして10月には「渋谷フクラス」という2つの大型オフィスビルの再開発事業が竣工しました。周辺の地権者の方々などと共同事業で当社の資産をバリューアップすることができました。そして12月には若者の街とされる渋谷にあえて成熟した大人をターゲットにした商業施設「東急プラザ渋谷」を開業いたしました。今後も当社の重点地域である「広域渋谷圏」への継続的な投資を進めるなど、グローバル都市“TOKYO”の魅力向上を実現して参ります。
さらに2020年には広域渋谷圏のほか、臨海部にある東京・竹芝で進める大型開発「東京ポートシティ竹芝」の竣工・開発を予定しております。ここでは当社として過去最大規模となるオフィスビルにはソフトバンクグループの入居が決まるなど、竣工を前に全フロアの契約が完了しております。また、住宅事業では「ブランズタワー豊洲」「ブランズタワー大船」など利便性の高い立地での物件開発を進めております。ウェルネス事業ではグループで展開する中長期滞在型ホテルの「東急ステイ」でこれまでの首都圏のほか、金沢や那覇、飛騨高山、函館などインバウンドの動向をにらみ、地方での新店が竣工予定です。そのほかにも太陽光発電や風力発電などの再生エネルギー関連、物流施設、学生専用レジデンスなど様々な事業で竣工を迎える案件が数多くあります。
東急不動産ホールディングスは2019年8月、渋谷ソラスタに本社とグループの拠点を移し、グループ間のコミュニケーションをより活発にできるような環境や空間を作りました。またサステナブルな成長と企業価値向上を実現するため、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでおり、世界的に注目度が高まっている「SDGs」にも取り組んでいます。新本社移転を契機に、グループとしての新たなステージ、つまり名実ともに「ハコやモノの枠を超えて、ライフスタイルを創造・提案する企業グループを目指すステージ」を加速・強化する時だと考えております。2020年度、さらにその先のポスト2020年度以降という長期的視点でも更なる飛躍につながるよう、グループの総力を挙げて邁進していきたいと考えております。本年も東急不動産ホールディングスをよろしくお願いします。
必見!抱腹絶倒!手を握ってもらいたくなる 東急リバブルの車内吊り広告
昨日(12月25日)、東急リバブルの車内吊り広告が面白いと書いたが、同社広報から同社ホームページに掲載されているほぼ同じ内容の法人向けリンクが届けられた。その画像トップにある抱腹絶倒の一度は手を握ってほしくなる、かつ笑える(泣ける)コピーを紹介する。同社とコピーライターは凄い!
①不動産仲介だけじゃないらしい。
②無人島を売ったこともあるらしい。
③1つの案件を、5つのチームでお取り扱いすることもあるらしい。
④忘れられない握手をするらしい。
⑤物件資料が、泣けるらしい。
⑥寿司も情報も、鮮度が命らしい。
⑦山の値付けもできるらしい。
⑧実は、47年の歴史があるらしい。
リンク先はこちら。
https://www.livable.co.jp/solution/uwasa/
◇ ◆ ◇
みなさん、いかがか。小生は同社には負けるかもしれないが、⑥だけは死守しているつもりだ。とにかく取材したものはどこよりも早く書くことを心掛けている。早いもの勝ちだ。
②④⑤⑦は笑えるし感動もした。②はどこか知りたい。これは取材する価値がある。まさか、さだまさしさんが買った五島列島の一つではないだろうし、双方とも不動産登記などしていないはずの、一触即発の危機を差し招きかねない「竹島」をこっそりと相手国に売り払うような愚行を犯してはいないはずだ。
④はどうか。同社とは個人的に不動産の仲介をお願いしたことはなく、何かの会合などでも女性とは一度も握手した記憶がないが、RBA野球関係者とはある。甲子園大会で達成した選手は10人もいないサイクルヒットを自らのチョンボで取り損ねた大見氏だ。現役を退いた後だったのは間違いないが、不摂生が祟ったのか、気持ちが悪くなるほどぶよぶよだった。これを忘れられないというのか。
⑤はよくわからない。あのRBA三冠王の岡住氏は自ら投げ、球史に残る大逆転負けを喫したあとでナインに対し「申し訳ない」(岡住氏は投手ではない)と誰はばかることなく号泣したのを鮮明に覚えている。が、しかし、「泣ける」のはそのような意味ではなく、小生の記事のような誤字脱字だらけということでもないらしい。これも取材する価値がある。
⑦も興味深い。小生は林野庁が発表する外国人に売られる山林のデータを見るが、実態にはほど遠いような気がする。同社がつぶさに調査して発表したらみんな驚愕するはずだ。
年明けに本当に取材しようかしら。小生の先を越す業界紙記者はいないはずだ。
東急リバブル 新CM「迷子」篇 元旦から放映 太田しずくちゃんと悠木碧さんが好演
山口智充さんと太田しずくちゃん
東急リバブルの新CM、山口智充さん・悠木碧さんが出演する「迷子」篇(30 秒)が2020年1月1日(水)から放映される。
新CMは、休日に出かけたショッピングモールで好奇心旺盛な愛娘サッちゃんが迷子になってしまうが、館内放送のサッちゃんの声(声優・悠木碧さん)が問題を解決するカギとなっている。これまでのCMシリーズと同様「家族の温かさ」を感じることができる一方で、これまでとは異なる緊迫した雰囲気もある作品。川口春奈さん出演の「保健室」篇も引き続き放映する。
サッちゃんを演じるのは静岡県出身の太田しずくさんで、2009年4月3日生まれ。大河ドラマ「八重の桜」や映画、CM など幅広く活躍中とか。
悠木碧さんは「収録はサッちゃん役の太田しずくちゃんとおこなったのですが、彼女の技術の高さと、プロ意識に感動。でもちゃんと子供らしく無邪気な所に更に感動でした。日本の未来は明るいです」とコメントしている。
「パパ」と呼び掛けるサッちゃん(迷子室か。記者もなってみたい)
◇ ◆ ◇
皆さんは、東急リバブルの車内吊り広告をご存じか。〝リバブルは何でも売る〟というようなタイトルで、〝売れない山林原野でも〟きちんと査定して売るとコピーは確か謳っていた。
いまそれを確認しようと、同社のホームページで「車内吊り」を検索したら「当該物件は0」と出てきた。今度は「山林原野」で検索したらまた0。「山林」で5件がヒットした。
あれは面白い。同社広報に問い合わせ中。
「俺は空気だって売って見せる」と豪語した営業マンを取材したことがある。リバブルの営業マンではなかった。
旭化成ホームズ マスターブランド名「HEBEL HAUS」に決定
旭化成ホームズは11月7日、同社の〝へーベル〟ブランド価値向上を目指すため、同社の商品・サービスを包括するマスターブランド名を「HEBEL HAUS」と決めたと発表。また、同社の供給する戸建住宅「ヘーベルハウス」と賃貸住宅「へーベルメゾン」の引き渡し後の無償定期点検サービスを従来の30年間から60年間に延長し、顧客のローン返済額を抑える支払額軽減住宅ローンの取り扱いや、一部の商品で将来の買取保証サービスを開始したと発表した。
マスターブランドを統一したのは、同社の社名を〝へーベル〟と誤認している層があらゆる年代で50%以上に達し、グループ全体の総合力が市場に見えにくい状況を踏まえ、「いのち・くらし・人生」全般を支える「LONGLIFE」の提供・実現する会社であることをアピールするため。
無償定期点検サービスの期間延長は、築30年を超える戸数が約5万棟に達し、ライフスタイルの変化やリフォーム、所有者の世代替わりによる住み替え、ストック重視の国の施策などに対応するもの。
支払額軽減住宅ローンは、新生銀行と共に開発した商品で、借入元本の一部を最終回一括払いとすることで月々返済額を抑えられる住宅ローン商品。国土交通省の「住宅ストック維持・向上促進事業」にも採択されている。
買取保証サービスの対象は、時代や流行に左右されにくい普遍的なデザイン・間取りで建築するヘーベルハウスのセレクテッドパッケージ「my DESSIN(マイデッサン)シリーズ」。将来的に、スムストック査定方式による査定額に一定の評価を上乗せした評価額をもとに買取保証サービスを行う。
川畑社長
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マスターブランド名を「HEBEL HAUS」と定めたのはいま一つ理解できない。記者などは〝へーベル〟を知ったのはまだ20代の頃だった。今では住宅事業の売上高は7,270億円(19年度予想)で、旭化成グループのマテリアルに次ぐ大きな柱にまで伸長している。
それをどうして漢字やカタカナをわざわざドイツ語の「HEBEL HAUS」にしなければならないのか理解できない。変えるなら「へーベル」「旭化成へーベル」のほうがいいような気がする。もちろん、この先数十年を見通したアルファベッド表記に抵抗感がない若年層に浸透させようという深謀遠慮の計らいがあるのは分かるが…。
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記者が知友目している渋谷区宮益坂の建て替えマンションについては、川畑文俊社長は「価格をいくらにするか、一般分譲するかどうかは検討中。分譲するとすれば来春」と語った。来年1月分譲の同社最大級の等価交換マンション「アトラス築地」(161戸)については「築地本願寺に近接している希少性を加味して適正な値段にする」と話した。
東急不動産HD・東急不動産 働き方改革の見える化 ライブオフィス始動
東急不動産ホールディングスと東急不動産は10月1日からライブオフィスを始動する。従業員を対象に実証実験を行い、外部の知見を取り入れながら収集したデータを分析することで、新本社で進める働き方改革の取り組みの客観的な効果検証(=働き方改革の見える化)を実施。本社を営業ツールとして活用し、オフィスワーカーのよりよい「はたらく」環境づくりの提案へと繋げていく。
大きな取り組みは「コミュニケーション活性化」と「生産性向上」。「コミュニケーション活性化」では、①顔認証での入退館②グループ従業員の交流スペースの設置③ハンズカフェの設置④お客さまとの交流スペースの設置⑤グループABWの導入⑥内部階段の設置-など。
「生産性向上」では、①WELL認証の取得②執務フロアを緑でデザイン③位置情報確認システム④目的に応じた多様な会議室の設置×機能性アロマ⑤集中ブースの設置⑥コンシェルジュコーナーの設置⑦仮眠室の設置-など。
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同じような取り組みでは、三菱地所が今年1月、本社機能を移転してから1年間の効果を発表した。有休の取得が10%増加したとか、会議が減り、コピー、文具の購入は半減したとしている。
また、三井不動産は今年7月、「働き方改革」で新しいシステムを導入することで年間30人分の業務と約7%の紙資料を削減すると発表した。
東急不動産HDにもその効果を発表してほしい。記者が注目しているのは「Green Work Style」の導入だ。これは、これまでも機会あるごとに書いてきたが、オフィスだけでなく分譲マンションのモデルルームなどもそうすべきだ。せっかく質の高い設備機器を装備しながら、観葉植物だけは「管理が大変」「経費が掛かる」だとかの理由を付けてまがいもの(フェイク)を堂々と飾る。この業界の無神経さが記者は理解できない。
本物の緑を飾った場合と、フェイクの観葉植物を置いた場合のマンションの成約率をどこかやらないか。本物は効果があるということを積水ハウス「品川シーサイド」は証明していないか。
年間30人分の業務と約7%の紙資料削減 三井不「働き方改革」で新システム導入(2019/7/12)
有休取得10%増、会議減り、コピー、文具購入ほぼ半減 三菱地所 本社機能移転効果(2018/1/24)
いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23)
「大都市圏中心に展開する優位性あり」川畑社長 旭化成ホームズが新中計発表
川畑社長を中央に、左が鶴川氏、右が兒玉氏
旭化成ホームズは5月31日、2024年度を最終年度とする「中期経営計画2021」を発表。「Challenge & Growth(挑戦そして成長)」を戦略コンセプトに掲げ、数値目標として売上高7,200億円(2018年度比19.1%増)、営業利益720億円(同13.4%増)を目指す。
「良質な社会ストックの追求」「拡大への挑戦」「グループ基盤の構築」の3つを経営戦略の柱とし、「良質な社会ストックの追求」では、「ロングライフ住宅の実現」で培ってきた財産をベースにリフォーム提案力、買取借上げなどのサービス充実、ファイナンシャル相談を推進する。
「拡大への挑戦」では、シニア向け賃貸住宅の棟数ナンバーワンを目指すとし、「へーベルハウス」(健常期)⇒「へーベルVillage」(フレイル期)⇒「Villageリーシュ」(要介護期)へとシームレスなサービス提供体制を構築する。中高層建築や海外事業も積極的に展開する。
「グループ基盤の構築」では、IT活用に40~50億円を投資し、働く場所を選ばない「シンクライアント」の導入や常務システムを開発する。人材育成にも力を入れ、グループ全体のバリューチェーンの強化・拡張を目指す。
発表会に臨んだ川畑文俊社長は、「住宅市場は今後縮小しているが、大都市圏など21都府県で展開している当社の縮小スピードは緩やかで優位性がある。営業体制も戸建て・賃貸・集合住宅などを併売する体制を敷いているのが強み」などとし、2025年度には売上高1兆円を目指すと語った。
2019年4月付で旭化成リフォーム代表取締役に就任した鶴川和豊氏(旭化成ホームズ執行役員)は、旭化成ホームズ、旭化成不動産レジデンスとの連携を強化し、2021年度売上高を700億円(2018年度比19.9%増)、営業利益73億円(同17.7%増)に伸ばすと話した。
また、2019年4月付で旭化成不動産レジデンス代表取締役社長に就任した兒玉芳樹氏(旭化成ホームズ取締役常務執行役員)は、引き続きマンション建て替えナンバーワンブランドを目指し、商業ビル、オフィスビル、賃貸マンションなど新しい事業にもチャレンジし、2021年度売上高1,850億円(2018年度比37.0%増)、営業利益198億円(同43.5%増)を掲げた。
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記者がもっとも注目している「宮益坂ビルディング」の建て替えマンションについて、「計画が発表された段階では坪800~850万円と予想したが、その後の展開を見ると、オークションでもやれば坪1,000万円どころか1,500万円もありうるのではないか」と兒玉氏を挑発したら、「現在、権利変換手続きが長引いており、いつ分譲するか、いくらになるか申し上げられない。確かに定借マンションの坪800万円はベンチマークだが…」とかわされた。
(かつて昔、宮下公園で星空を眺めながら永遠の愛を誓った彼女に捨てられた記憶しか渋谷にはなく、好きになれないのだが、蓼食う虫も好き好きだ)
型式適合認定制度の理解・認識不足 大和ハウスの建基法不適合問題 外部調査委報告
大和ハウス工業は5月31日、戸建て・賃貸住宅の建基法不適合問題について、社外の監査役と専門家専門家で構成される外部調査委員会の中間報告を受け、全文を公表した。再発防止策を含めた最終報告は6月中をめどに作成される予定。以下、概要。
現在の調査状況
大和ハウス工業では、2000年12月より、改正建基法施行(2000年6月)に基づく型式適合認定を取得、個々の建築確認の簡略化を図っていた。同社が型式適合認定制度を用いて建築確認申請を行う場合、型式適合認定を受けている仕様(独立基礎高さ620ミリ)しか用いることしかできず、その仕様から少しでも外れている場合は、一般的な建築確認申請を行う必要があった。
独立基礎不適合問題
同社では、型式適合認定制度導入以前の戸建て住宅・賃貸共同住宅の独立基礎は、高さ620ミリの独立基礎を用いることとされていたが、高さ620ミリ以外の独立基礎も採用されていた。
しかしながら、型式適合認定制度導入後、各事業所の設計責任者は高さ620ミリ以外の独立基礎の型式適合認定を取得しているものと誤認した可能性があり、そのことが今回発覚した独立基礎不適合問題発生の事態を生じさせた原因の一つであると思料される。
2001年9月、技術本部長名で各事務所の設計責任者に発信した社内通達でも、高さ620ミリ以外の独立基礎は型式適合認定を取得していないことを周知させることができなかったことが問題である
L字型受柱不適合問題
同社は、型式適合認定制度導入以前、関東地区の賃貸共同住宅の居住空間を多くとりたいという顧客の要望に応えるため、2階外部廊下を支える独立柱の代わりにL字型受柱を採用することがあった。それにより、2階外部廊下を建築面積に含めずに建ぺい率を計算することができ、賃貸共同住宅の居住面積を大きくすることができた。
しかし、型式適合認定制度導入に際し、L字型受柱については型式適合認定を取得しているものと誤認し、建築確認申請を行った可能性がある。
2007年ころ、建築確認検査機関からL字型受柱の型式適合認定取得に関して疑問を呈され、型式適合認定を取得していない事実が判明した。2008年以降、L字型受柱不適合問題は終息した。
防火基礎不適合問題
同社がL字型受柱不適合問題の調査を進めていた際、2階外部廊下を支える受柱に防火基準に不適合のおそれのある物件があることが判明した。
L字型受柱を採用した建物については、一般的な建築確認申請を行い、L字型受柱について耐火被覆による防耐火措置を講ずることが建基法・消防法、その他関係条例の防火基準に照らし必要か否かを指定建築確認検査機関の厳格な審査・チェックを受けるべきであったが、型式適合認定を取得しているものとして建築確認申請を行ったため、防火基準に不適合の恐れがある建物が建築されることとなった。
型式適合性等のチェックに係る体制
同社では、今回の不適合問題以前に過去3回(2014年、2015年、2015年、2016年)不適合問題を発生させ、2016年4月に仕様監理部を設置し、現在、新規仕様及び変更仕様に関する技術情報を一元管理し、不適合を防止する体制となっている。
しかしながら、今回の不適合が発生した2000年から2013年時点では、同部署は存在せず、型式適合認定については、各部署の設計者が自らチェックシート等に基づく管理体制を執っていたが、実際には今回の不適合問題が発生していることから、今後、これらのチェックに係る体制についても実際に機能していたか等についても、調査を進めていく必要がある。
現時点における考え得る本件不備の原因・背景
これまでの調査委員会の調査によれば、今回の不適合問題が発生した原因ならびに背景には、型式適合認定制度を導入した当時、同社の役職員に型式適合認定制度を用いて建築確認申請を行うためには、型式適合認定を取得している仕様しか用いることができず、その仕様から少しでも外れている場合は一般的な建築確認申請を行う必要があることについての理解・認識が不十分な者が少なからずいたと思われる。この点についてもさらなる調査が必要である。