29haの東五反田再開発の集大成 三井不他「パークシティ大崎」完成
「パークシティ大崎」全景
北品川五丁目第1地区市街地再開発組合(業務受託者:三井不動産)は5月20日、東五反田地区にできた「パークシティ大崎」の完成披露説明会を行った。
「パークシティ大崎」は、2棟の業務・商業棟、2棟の住宅棟、1棟の商業棟、地域交流施設棟、大崎の歴史を未来に承継する作業所棟の7棟の建物で構成。三井不動産、日本土地建物、大成建設、大和ハウス、新日鉄興和不動産、三井不動産レジデンシャルが再開発事業の参加組合員として参画。各建物の大半が竣工済み。
商業棟(大崎ブライトプラザ)の1階にはスーパー、2階には医療関係の施設が入る予定。本年9月11日にグランドオープンする。
完成披露説明会には、品川区長・濱野健氏、品川区地域振興部長・堀越明氏、北品川五丁目第1地区市街地再開発組合理事長・井上裕之氏、北品川五丁目第1地区市街地再開発組合 事務局長・松永健司氏らが出席。
井上理事長は「着想から30年、再開発事業が品川区の支援の下、完成することができたことを誇らしく思う。うるおい、賑わいに溢れた地域になってほしい」と語った。
また、今回の再開発事業を支援した濱中品川区長は「今回の開発に携わってきた方々に感謝したい」と述べるとともに、「元々目黒川周辺域は、製品を運ぶには打ってつけの場所で、品川は京浜工業発祥の地でもある。これからは、物だけでなく品川区の中小企業の人々を『SHIP(船)』に乗せて発展の海に漕ぎ出したい。そういう思いから『SHIP』と品川産業支援施設を名づけた」とブライトコア3,4階に開設された品川産業支援施設を紹介した。「SHIP」は中小企業のインキュベーション施設であり、ここを会社の住所地として登記することも可能。その他、3Dプリンターを設置した工房もある。施設利用料は、有料。
住居棟の「パークシティ ザ タワー」は、地上40階、地下2階建て。共同住宅のほか、店舗や、子育て支援施設や地域コミュニティ施設も併設される。
街区幹線道路
大崎ブライトプラザ屋上
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今回見学したのはブライトコアの3、4階と住居棟。
パークシティ大崎は、緑豊かで潤いのある風景を創造するため、マスターアーキテクトとして日本設計が携わり、デザイン監修に光井純氏を、プランツディレクターには西畠清純氏を迎えた。街区内を東西南北に走る道路の街路樹は二重列植にすることで、より建物を引き立たせる工夫がなされている。
街区を彩るシンボルツリーには、街の繁栄を願うオリーブの大樹8本が街区の中心部のほかにも植樹されている。樹齢は250年から600年。樹齢1年に対し1万円だそうだ。はるばるスペインから船で運ばれてきたのでそれほどの高価なものになったようだ。
街のシンボルツリーや街路樹の1本1本にそれだけの費用と時間をかけていることを知り、驚いた。
(岡田寛子)
オリーブの木
マンション エントランスホール
「道」を景観に取り込んだプラン秀逸 旭化成不動産レジ「アトラス調布」完成
「アトラス調布」
旭化成不動産レジデンスは5月18日、調布富士見町住宅の建て替えマンション「アトラス調布」のマスコミ向け竣工見学会を実施した。
物件は、調布駅から徒歩14分。調布市富士見町に位置する地下1階、地上6階建(南棟=ひかりの棟)と8階建(北棟=杜の棟)2棟総戸数331戸(非分譲104戸含む)。専有面積は61.02~80.13㎡、価格は4,183万~5,541万円。駐車場は地下に136台収容。平成27年5月竣工。設計・監修はNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES。施工は東急建設。約8割が販売済み。
マンションの建替え等の円滑化に関する法律による建替えでは初めてと思われる「公道の付け替え」を実施。公道が2棟のマンションを分断しないよう、その両側に並木や植え込みを配し、アルゼンチン斑岩を使用することでマンション敷地内に公道が走る違和感を緩和。共用施設にはガーデンカフェ、キッズルームがある。
建物は居住性を高めるため雁行配棟とし、基壇部の見切り水平ライン、住戸ブロック切り替えのコーニス、トップの庇形状、ロートアルミの手すりなどに工夫を凝らすことで全体として重厚感のある形状にまとめている。(岡田寛子)
エントランスに隣接した庭
セントラルガーデン(完成予想図)
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上記の記事は岡田記者が書いたものに若干手を加えたものだ。このマンションについては別掲の記事も参照していただきたい。記者は私用で見学会は欠席したが、前日にじっくり時間をかけて見学・取材した。どうしても自分の目で完成後の物件を見ておきたかったからだ。
その理由は、2年前のモデルルーム見学会の時に記事にした「模型を見たとき鳥肌が立つような感覚を覚えた。(ネクスト社の)山中氏は『道から始めた』『車には遠慮してもらう』と語ったように、道と建物との一体感・調和にこだわった企画意図」がその通り実現されているのかどうかを確認するためでもあった。
その企画意図はほとんど瞬時に理解した。雁行配棟のよさについてはいまさら言うまでもないことだが、ランドプランは想像以上の出来栄えだった。
たまたま関係者らの見学会が行われており、物件担当の同社開発営業本部第一営業部長・阿佐部肇氏や、設計・監理を担当したネクスト社のスタッフから説明を受けたのだが、幅員5mの車道には、「アルゼンチン斑岩」が敷き詰められていた。これには驚いた。アルゼンチン斑岩は丸の内仲通りや横浜元町などの街にも用いられているそうで、この石張りの道路を見ただけで、街づくりに込められた強い意志を感じた。よくぞ行政の道路関係者などを説き伏せたものだと感嘆もした。
車道にはピンコロ、イメージバンプを多用して車のスピードを抑制する効果を高める工夫をするとともに、その一方で、車道と舗道・敷地の境をなくしている。実際の市道は車道の両端それぞれ1.25m延長したまでで都合8m幅なのだが、ところどころに鋲を打ち込む以外に境界線はまったくない。総延長は200m近くあった。
付け替えた公道を景観の一部に取り込み一体として開発した画期的なマンションになるはずだ。
植栽計画もいい。敷地・舗道にはシンボルツリーの百日紅のほか、サクラ、ヤマボウシ、エゴノキ、シラカシなどの高木もたくさん植えられているのだが、これらは組合員を含む関係者が千葉や埼玉の植木屋さんめぐりをして選定したのだという。サルスベリの樹齢は数十年もするもので、「瘤(こぶ)」がないことでも自然のまま育てられてきたことがよく分かる。
舗道空間と緑地帯のランドスケープデザインを際立たせているのが建物の基壇部の見切り水平ラインだ。この横筋を1本通すことによって散漫になりがちな風景をきりりと締めている。見事というほかなかった。
抜け・奥行き感を意識したエントランス部分の空間演出もなかなかいい。
見学会では、NEXT ARCHITECT&ASSOCIATESの山中猛社長が「景観や街並みを大切にしたかったから、デザインはマンションっぽくしたくなかった。雁行型にしたり、ラインを変えたり工夫をした。道路に関して言えば、道路屋になれるくらい研究した」と語ったそうだ。「道路屋」という職業があるのかどうかしらないが、街をつくるのに「道」から考えた、あの宮脇檀の哲学に通じるものがある。車優先から人優先の道づくりがこれからも増えることを期待したい。
昨日見た古河市の道路の街路樹プラタナスは苦痛で身体が歪み悲鳴をあげていた。
「アトラス調布」 道からつくり、道を中庭化したマンション(2013/7/25)
プラン・設備がいい 坪400万円は納得 東急不動産「みなとみらい」
「ブランズタワー みなとみらい」完成予想図
東急不動産が6月上旬に分譲する「ブランズタワー みなとみらい」を見学した。「みなとみらい」駅から徒歩2分、みなとみらいのシンボル的存在「クイーンズスクエア横浜」に隣接する免震の29階建てタワーマンション。坪単価は当初380万円くらいと見られていたが、資料請求が7,000件を突破し、人気が高いことから400万円に〝上方修正〟される模様だ。
物件は、みなとみらい線「みなとみらい」駅から徒歩2分。横浜市西区みなとみらい3丁目に位置する地上29階、地下1階建て228戸(非分譲住戸30戸含む)。専有面積は43.09~120.31㎡、価格は未定だが、坪単価は400万円になる模様。竣工は平成28年12下旬予定。設計・監理・施工は清水建設。販売開始は6月上旬。資料請求は昨年11月からこれまでに7,000件を突破している。
現地は、クイーンズスクエア横浜のほかに3つの一流ホテルが近接。建物の北側には「パシフィコ横浜」が北東側には横浜港が広がる。
住戸プランは70~80㎡台のファミリー向けが中心。スクエアなプランが多く、廊下幅はメーターモジュールを採用。リビング天井高は標準階が2550ミリ、上層階は3000ミリ。
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立地条件がいいのは言うまでもないことだが、記者がいいと思ったのは住戸プランとデザインだ。これまで分譲されたみなとみらい21エリアマンションの中では、三菱地所の第一弾マンションもよかったが、今回もいい。1フロア7~8戸構成で、スクエアプランが中心だ。カラーリングは白が基調で、建具・ドアはピアノ塗装。廊下幅はメーターモジュールを採用している。上層階の住戸のリビング天井高は3000ミリで、建具・ドアはほとんど天然木の突板仕上げ。
販売センター・モデルルームを海が見えるクイーンズスクエア横浜の17階に設けたのも正解。
同行した岡田寛子記者はモデルルームを見学して、「眼下には横浜港が広がり、海をまさに独り占めした気分になる眺望…晴れた日には雄大な海を見つめ、夜は横浜の夜景を、夏は花火大会を楽しめるという、これ以上の贅沢があるだろうか…空の青さと海の蒼さがここに住まう人の心を高揚させることは間違いないと確信した…天井から降り注ぐ間接照明は、高級ホテルにいるような落着きを感じる」などと、コピーライターも書けないような言葉で絶賛した。一般のお客さんもそう感じるはずだ。
坪単価について。当初、業界内では「坪380万円くらいではないか」という声が広がった。記者はもっと高くなり、坪400万円を突破するかもしれない」と思っていた。その通りとなった。安くはないが、都内の都心物件と比べ、設備仕様・プランなど総合的に判断して極めてリーズナブルな単価ではないか。東建の「目黒」がどうやら坪600万円から坪580万円に〝下方修正〟されたらしいが、これはこれで納得。現段階で坪600万円というのはいかにも高い。
みなとみらいでマンションが分譲されるのは7年振りで、新高島駅圏では近鉄不動産・三井不動産レジデンシャル「BLUE HARBOR TOWER みなとみらい」(355戸)もある。こちらも見学してレポートしたい。同エリアではこの2物件が最後のマンションになる可能性が大きい。
「銀座初」に北海道から沖縄まで問合せ2,500件 NTT都市開発「銀座二丁目」
「ウエリス銀座二丁目」
NTT都市開発が6月中旬に分譲する「ウエリス銀座二丁目」を見学した。「銀座アドレス」で所有権分譲としては10年振りで、初の80㎡台があるマンション。問合せは北は北海道から南は沖縄まで2,500件に達している。建物は2015年2月に竣工済み。
物件は、東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩6分、中央区銀座2丁目に位置する14階建て54戸(事業協力者住戸1戸含む)。専有面積は40.07~80.21㎡、価格は未定。施工はアイサワ工業。販売代理は三井不動産レジデンシャル。
最大の特徴は「銀座二丁目」アドレスでは10年ぶりの所有権分譲だ。敷地は東南の角地で、建物の共用部分はフォワードスタイルがプロデュース。モデルルーム専有部分のインテリアは三井デザインテックの竹下英南氏が担当。逆梁純ラーメン構造を生かしたカウンターサッシを多用しているのも特徴の一つ。
エントランスホールの天井
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銀座のマンションと言えば、今から15年位前、三菱地所レジデンスが分譲した定期借地権付き「銀座タワー」(180戸)を思いだす。坪単価は250万円くらいだったはずで、圧倒的な人気を呼んだ。
このほか、銀座では中堅デベロッパーによるコンパクトマンションが結構分譲されているが、大手デベロッパーでは「銀座タワー」以来ではないか。
最大の特徴は、「銀座アドレス」ではあるがコンパクトではなく80㎡台も8戸あることだ。共用、専用部分の設備仕様レベルも高い。
同社の億ションでは2年前分譲された「代官山」と「有栖川」を見学した際、グレードの高さにびっくりした。今回は億ションというわけではないが、風除室から2層吹き抜けのエントランスホールの演出がいい。ホールはシンメトリーデザインが施されており、壁には無垢材や高級材のシャム柿、大理石の光壁もさることながら、横幅にして2~3m、縦は天井まで細かな大理石のチップが張り巡らされたデザイン壁が圧巻。
専有部では、大日本印刷のアルテレリーフ(型押化粧版)が建具・ドアに採用されており、ナグリ仕上げに似た凹凸の表面が高級感をかもし出している。把手はレザー。キッチン天板は御影石で、同じ御影石を用いたバックカウンターも標準装備。
これまで問い合わせは、北は北海道から南は沖縄まで2,500件を突破しているという。販売を担当する現地レジデンシャルサロン・池谷亮所長は「さすが銀座アドレス」と自信を見せていた。
小さな大理石のチップを張りつめたデザイン壁
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以下の※印の文章は、取材に同行させた新米の女性記者が書いたものだ。素人の目からして設備仕様、デザインなどがどのように映り、どのように表現するか興味があったので、好きなように書かせた。ほとんど手を加えていない。
※
まずエントランスをくぐり、目に飛び込んできたのはバニラホワイトの大理石を薄くスライスして作ったという光りの壁だ。その非常に柔らかな明かりが心を癒す。
上を見上げると、天井の梁と照明はシンメトリーになっており、見る者に安心感と調和を与える。
また、側面のシャム柿の突板パネルの持つ模様が美しく、その重厚感とは対照的に背後から溢れる柔らかな間接照明の光もまた、美しい。
そして、エレベーターホールへと続く通路の壁面は、手で一枚一枚埋め込まれたという天然大理石でできており、「エントランスが2層になっていることで、銀座の隠れ家的な雰囲気を演出しているんですよ」と池谷所長はいう。
安全面でいえば、オートロックはもちろんのこと、エレベーターには住んでいる部屋の階以外には止まらない着床制限があり、室内には防犯センサー、火災報知設備があり、万全の対策が取られている。
室内に入り、記者が一番気に入ったのはオープンキッチンからの動線に配慮された設計だ。どこで誰がいて何をしているのか一目瞭然であり、家事をしながら家族の会話を楽しむこともでき、寛ぎの空間を演出している。
バス(1620=記者注)はサーモバスを採用。大人がゆったりと(つかり)疲れを癒すには最適な大きさ。水回りは天然御影石を採用。簡単な手入れで清潔感が持続する。
建物全体から、銀座2丁目の南東角地に永住レジデンスとして住まう贅沢さを随所に感じた。
そしてなによりも、供給数の少ない“銀座アドレス”という希少性の魅力的価値と上質な住み心地を感じたのであった。
◇ ◆ ◇
「心を癒す」「見る者に安心感と調和を与える」「万全の対策」「永住レジデンスとして住まう贅沢さ」「寛ぎの空間」「上質な住み心地を感じた」-何だかパンフレットの引き写しのようにも感じるのだが、本人がそのように感じたのならそれはそれで第三者がとやかく言う問題ではない。マンションの宣伝やパンフレットにはこのような文言があふれかえっている。
それより記者が驚いたのは、この女性記者が喜々としてあちこち写真を撮り、「素敵、素晴らしい」を連発し、池谷亮所長にあれやこれや質問を浴びせかけ、ピンク色のサインペンで字もピンクのメモを取ったことだ。
記者は「素敵、素晴らしい」にはさすがに我慢がならず「年間100件も200件も見学する私が言うのはいいが、あなたはマンションなど見たことがないはず。軽率なことを言うもんじゃない」とたしなめた。
シャム柿の壁
驚!問い合わせ4500件突破 野村不動産「プラウド日本橋三越前」(2015/2/27)
本物の億ションを見た NTT都市開発「ウエリス代官山猿楽町」(2013/9/20)
大和地所レジデンス 国立高校に隣接した低層3階建て「国立」好調
「ヴェレーナ国立大学通り」完成予想図
4月1日付で日本綜合地所から大和地所レジデンスに社名変更になった同社の「ヴェレーナ国立大学通り」の現地を見学した。立地条件は間違いなくいい。4月半ばから販売開始しており、売れ行きも好調のようだ。
物件は、JR国立駅から徒歩16分、国立市東四丁目の第一種低層住居専用地域に立地する三階建て全14戸。専有面積は55.22~104.24㎡、現在分譲中の1期3次(3戸)の価格は4,840万~7,840万円(61.24~98.30㎡)、坪単価は260万円前後。竣工予定は2016年1月下旬。施工は中野建設。
現地はイチョウ並木が美しい大学通りに面しており、国立高校に隣接。対面は国立マンション裁判で〝全国区〟になった明和地所の「クリオㇾミントンヴィレッジ国立」が建っている。間違いなく一等地だ。
4月半ばから販売が開始されており、これまで6戸が販売・申込済み。プランやカラーだけでなく、設備仕様も選べる「プラスオーダーシステム」を採用している。キッチン天板は天然御影石、床暖房、食洗機も標準装備。モデルルームは開設していないが、駅前にマンションギャラリーを設けている。
三菱地所レジ「西新宿タワー60」〝しいたけマンションにしよう〟曽根原氏が提案
「HOMETOWN MEETING vol.2」
三菱地所レジデンスは5月3日、現在分譲中の「ザ・パークハウス西新宿タワー60」のエリアコミュニティイベント「西新宿CLASS in the forest」の第二弾「HOMETOWN MEETING vol.2」を開催。参加者はマンション契約者・申込者を含む40名を超えた。
荒昌史・HITOTOWA INC.代表がファシリテーターとなり、このマンションの開発担当の同社街開発事業部・柴田純氏や、パネリストのNPOえがおつなげて代表・曽根原久司 氏、NPO生態教育センター・奇二(きじ)正彦氏、Community Crossing Japan研修ディレクター・吉高美帆氏、フォーシーカンパニー取締役・鎌田菜穂子氏が「新宿をホームタウンにしよう」と語り合った。
参加者の一人で旅行会社を経営する50代の夫婦は、「とても良かった。緑を豊かにするのはいいことだし、防犯・防災をどうすればいいか、田舎もいい。山梨はよく行く。娘と婿もこのマンションを買った。二世帯(隣居)だよ。資金援助? 別々。婿さんは医者」と話した。
イベントは、防犯・防災、子育て、コミュニティ、サークル、管理などについて「きっかけがあれば参加したい」という意向があることに着目し、6名・団体がナビゲーターとなって、よりよいマンションライフ、地域とのつながりをサポートする目的で設けられたもの。2020年まで合計60回開催する予定だ。
〝新宿モリモリ〟の掛け声をかける左から曽根原、奇二、吉高、鎌田、荒の各氏(身長の差だけではありません。足腰の鍛え方が違うんです)
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曽根原氏と奇二氏の話に会場が沸いた。二人に共通するのは強靭な実践力だ。だから人を感動させるのだと思う。座学では想像もつかない強い言葉がぽんぽんと飛び出した。
まず曽根原氏。〝ウッドマンションにしよう〟〝しいたけマンションがいい〟などと、マンションに森をつくり、しいたけを植えようと提案した。〝開墾モリモリ〟なる景気づけの掛け声を〝新宿モリモリ〟に置き換えてパネリストを引き込んだ。
一昨年発売された「里山資本主義」(藻谷浩介著)が爆発的な売れ行きを見せた。都市と里山(山林)を対立軸として捉えるのではなく、それぞれの課題・問題を補完しあう関係として捉え、持続可能なバックアップシステムを描いてみせたのがヒットした大きな要因だ。
曽根原氏はその「里山資本主義」の先駆者だ。もう10数年も前に山梨県北杜市に移り住み、高齢化率62%、耕作放棄地44%という壮絶な限界集落を都市とつなぎ見事に再生して見せた。
三菱地所グループが展開する「空と土プロジェクト」と連携した活動も行なっている。記者は3年前、三菱地所ホームの稲刈りツアーに同行取材したのだが、携帯もつながらない山ヒルがうようよいそうな寒村で活動している曽根原氏らを目の当たりにして感動したものだ。
今月末には純米酒「丸の内」の種米の田植えツアーを行なうが、定員40名に対して応募は10倍もあったという。
奇二氏も同様だ。今回のプロジェクトに際し、新宿界隈の自然と生き物を8回にわたって観察したのだが、その活動を奇二氏は「歩き倒す」という言葉で形容した。記者は「歩き」に続く言葉は「回る」「ながら」「疲れ」「タバコ」くらい、「倒す」の前には「張り」「突き」くらいしか浮かばない。どうして「歩く」と「倒す」がつながるのか。これが強さなのだと納得するしかなかった。記者も虫の視線と鳥の視線を心がけているが、奇二氏にはかなわない。名前の通り奇人、奇才と言ったら失礼か。
西新宿を「歩き倒した」結果、23種もの野鳥や様々な虫などを見つけたという。「足元の自然に価値がある」と奇二氏は強調した。
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いい取り組みだ。初回も取材したが、建物が完成するのは2017年だが、その後も2020年まで60回も開催するという。イベントは主催者からの一方通行ではなく、「主役は住民」という趣旨から居住者の提案などにも応えていくのがいい。
どこのデベロッパーもコミュニティの取り組みを強化しているが、ここまで徹底しているものはほかにない。物件名のサブに〝ザ・パークハウス ウッドマンション〟あるいは〝ザ・パークハウス しいたけマンション〟を追加して欲しいくらいだ。
イベント全てに参加した人には、マンション1戸を抽選でプレゼントはできないだろうが、せめて皆勤賞として「博士号」の称号くらい与えてもいいのでは。
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マンションギャラリーがある「新宿フロントタワー」に面している青梅街道の緑地帯にたくさん咲いていた「ハルジオン」か「ヒメジョオン」を摘み取り、奇二氏らにどちらか聞いてみた。
ハルジオンであることが分かったのだが、茎が中空で葉っぱが抱き込むようになっているのが特徴だという。この雑草の区別は小さい頃に教わっているはずだが、いまはまったく分からない。これからは間違えることはない。草の名前を覚えるのは楽しいものだ。
青梅街道に咲き乱れる「ハルジオン」
同じ青梅街道に咲くこの花の名前は? 「シラン(知らん)」
フージャースコーポ つくばセンター地区 最後の一等地で「エンブレム」
「デュオヒルズつくばエンブレム」完成予想図
フージャースコーポレーションが5月下旬に分譲するマンション「デュオヒルズつくばエンブレム」を見学した。つくば駅近の最後に残された一等地に立地する免震工法による352戸の規模で、デザイン監修は建築家の光井純氏。
物件は、つくばエクスプレスつくば駅から徒歩4分、つくば市吾妻1丁目に位置する20階建て全352戸(他に管理事務室1戸、ゲストルーム1戸、フィットネスルーム1戸、キッズルーム1戸)。専有面積は75.79~100.40㎡、価格は未定だが、坪単価は170万円台にとどまる模様。竣工予定は平成29年2月下旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地は、つくば駅圏の一等地。計画的に整備されたセンター地区の一角にあり、オークラフロンティアホテル、常陽銀行、つくば中央警察署、大清水公園、筑波合同庁舎などが隣接・近接。周辺はペディストリアンデッキでつながれており、駅まで車道を通らず移動できる。
建物は、つくば駅圏では初の免震工法を採用、デザイン監修は、都市的デザインが特徴で、多くの人気マンションを手掛けている光井純氏。ファサードは白の大きさがそれぞれ異なるフレームを縦横に配置して端正な表情を演出している。
住戸プランはほとんどがファミリー向けで、高層階の天井高は2.8m(他は2.5m)、駐車場は100%自走式。
◇ ◆ ◇
価格がいくらになるか注目していたが、かなり抑制気味で、第一次取得層向けをターゲットにしていることがうかがわれる。もう少し設備仕様のグレードを上げてもいいのではないかと率直に思ったが、マンション価格高騰の波はまだつくばには届いていないことを考慮したのかもしれない。
光井氏を起用したのもいい。つくば市民に光井氏の実績がどう評価されるか分からないが、これまでの作品とはやや趣が異なる。同社が数年前に分譲した「府中」も光井氏がデザイン監修しており、今回が2物件目。
国はつくば市内の公務員宿舎約2,500戸を処分することを決めており、その受け皿の一つとして注目されるのは間違いない。単価が低いことから、他の物件への影響は必至だ。
NTT都市開発 「つくば」ナビにロボット起用 女性が好き? 宅建知識はなし
「ウエリボ」くん(マンション模型の前で)
NTT都市開発、日立ライフ、長谷工コーポレーションの3社は4月30日、現在分譲中の3社JVマンション「ウエリスつくば竹園」の案内係にロボットを起用すると発表。ロボットクリエーターの高橋智隆氏が開発した人を認知し、音声にも反応し、話もできる「ウエリボ」くんで、集客力アップに関係者らの期待は大きい。5月1日からマンションギャラリーで採用される。
「ウエリボ」は、NTT都市開発のマンションブランド「ウエリス」とロボットを合わせた造語で、挨拶ができ、簡単な会話も交せるスグレモノ。
物件は、つくばエクスプレス「つくば」駅より徒歩15分、茨城県つくば市竹園3丁目に位置する14階建て全327戸。専有面積は71.10~130.33㎡、坪単価は140万円。竣工予定は平成28年5月下旬。施工は長谷工コーポレーション。今年3月から分譲されており、約30戸が契約・申し込み済み。現地は公務員宿舎跡地。
高橋氏と「エボルタ」くん
◇ ◆ ◇
タレントならいざ知らず、ロボットがマンションナビゲーターを務めるというのは業界初で、この機会を逃してなるものかと、記者は発表会におっとり刀で駆けつけた…つもりだったが、思わぬ事故が重なったため、1時間近く遅れてしまった。会はほとんど終了時に差し掛かっていた。
あせった記者は、「ウエリボ」くんが他の記者に愛嬌を振りまいているところに割り込み、「こっち向いてよ」とカメラを構え数10センチの近くから大きな声で呼びかけた。そのとたんウエリボくんはそっぽをむいた。声が聞こえなかったのかとまた声を掛けたが、また無視された。
機嫌が悪かったのだろう、たかがロボットだろうとその場はあきらめた。そして高橋氏の一人トークセッション。高橋氏は自身が開発した「キロボ」を宇宙に送り込み、「エボルタ」でグランドキャニオンの登頂とルマン24時間完走に成功し、「ロボカップ世界大会」で5連覇を達成したロボット研究の第一人者だ。
何を話すのか興味深く聞いていた。とくにキロボが宇宙から生還したときの第一声に注目した。「地球は青かった」を超える声を期待したのだが、何とキロボくんは「地球は青色LEDのようだった」としか発しなかったそうだ。
先の記者を無視したことと、地球生還の第一声に落胆した記者は、高橋氏に食って掛かった。「わたしみたいな年寄りにはそっぽを向くのか。地球は青色LEDと似ているなどありきたりの言葉しか発せないその程度の想像力か、つまり高橋さんを超えることはできないのか」と。
高橋氏答えて曰く。「肌の露出度の多いほうに反応するようにプログラミングしている。言葉はわれわれスタッフが考えたことで、残念ながらロボット自身がそれ以上のことを発することはできない」
そこで納得。記者が醜いからそっぽをむかれたのではなく、カメラを構えたままで声をかけたのがいけなかったということだ。肌の露出度の大きいほうに反応するということは(記者もそうだし高橋氏もそうだろうと思うが)、ウエリボくんは女性が好きで、しかも表面積が大きいぽっちゃり型に鋭く反応するようだ。美醜を分けるのかは聞き逃した。
語彙不足もやむを得ない。人間を超えたらそれはそれで恐ろしい。「バカ」などと返したら袋叩きにあいかねない。
ひょっとしたら、関係者の入れ知恵で「ココハサイコウ」「カクヤス」「トチダイガタダデモコンナヤスネデハブンジョウデキマセンヨ」などと宣伝しないのか心配になったので聞いたら、「宅建の知識は認識していませんが、法令違反のないよう教えます」(NTT都市開発広報)とのことだった。
記者は俳優・タレントが出席したマンション発表会はかなり経験しているが、今回のウエリボくんは世代を問わず人気が高い米倉涼子さんとか福山雅治さんクラスだと思うがどうだろう。販売を担当する長谷工アーベストの責任者O氏も格好いいが、やはり知性と体力では比較にならない。O氏は「ウエリボくんが集客してくれたら、物件特性はわたしに任せてください」と話したので大丈夫だろうが。
高橋氏はトークセッションで「5年以内に一人一台小型ロボット端末を持ち歩く時代がくる」と衝撃的な発言をした。
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発表会に1時間近く遅れたのは、この日事故があった東武伊勢崎線の電車内で1時間近く缶詰にされたのと、つくば駅に降りてから早く会場にたどり着こうとタクシーに乗ったのがいけなかった。現地までの地図を運転手に渡したにもかかわらず、その運転手は何を勘違いしたのか、タカラレーベンの建築中の前を通り過ぎたまではよかったが、左に曲がるべきところを右に曲がり、なんと完売しとっくに閉鎖されているタカラレーベンの販売事務所で「ここ」と降ろし走り去った。そこからまた20分くらい歩かされた。
こんなことをやっていたら、外国人やロボットに職を奪われることになる。不動産流通近代化センターは呼称を変更し「近代化」はなくなったが、10数年前「近代化」の名称を変更したタクシー業界はまた「近代化」を復活したほうがいいかも。
「ウエリスつくば竹園」完成予想図
東京建物〝プラウド〟に挑戦状 ほぼ同じ単価で「日本橋三越前」
「Brillia 日本橋三越前」
「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」と同じビルにモデルルームを設けた東京建物「Brillia 日本橋三越前」を見学した。
物件は、東京メトロ銀座線三越前駅から徒歩6分、または東京メトロ日比谷線小伝馬町駅から徒歩2分、中央区日本橋本町3丁目に位置する12階建て44戸。専有面積は51.21~72.75㎡、価格は未定だが、坪単価は380万円強になる模様。竣工予定は平成28年10月下旬。施工は飛島建設。販売開始は6月下旬。
現地は、先に完売した野村不動産「プラウド日本橋三越前」と目と鼻の先。元問屋街の一角。
リビング・ダイニング
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同社の女性を中心とした商品企画プロジェクトチーム「Bloomoi(ブルーモア)」のアイデアがふんだんに盛り込まれたマンションだ。意表をつく提案が随所に施されている。
まず、「おそうじ浴槽」。浴槽に洗剤入れが付いており、洗剤を入れるだけで自動的に浴槽を洗う機能付きのものだ。担当者の話をよく聞いていなかったので、てっきり浴槽に浸かるだけで身体を洗ってくれるノーベル賞級の発明かと思ったが、そうではなかったのは残念だが、これはいい。主婦(主夫)の家事労働の負担を軽減してくれる。どこのメーカーか知らないが、ここまでやるなら浴室全体を自動的に洗う商品を開発すべきだ。
プレミスト機能付きの便座もいい。便座に座るだけで便器にミストが噴(糞?)霧され、汚れが付きにくいものだという。これも掃除する人でないとそのよさは分からないはずだ。
部屋干しスペースにもなる床に人工芝を張り、天井に物干しポールを設置したコンサバトリー(サンルーム)も業界初の提案だろう。パターの練習もできる。
これらよりすごい提案は、土間スペースの提案だ。狭い空間に多目的に利用できるスペースを確保した大胆なアイデアがいい。
もう一つ、玄関から直接キッチン、居室、趣味室に入れるよう工夫したプランもいい。逆梁を巧みに利用してカウンターをキッチン、リビング、居室に設けているのもなかなかのアイデアだ。
ただ一つ気になることがある。最近の若い女性の間にはお酒を飲みながら調理をすることが流行っていると「Bloomoe(ブルーモア)」の責任者から聞いたが、これって単なる〝キッチンドランカー〟ではないのか。酒を飲みながら調理したら味など分からなくなるし、アル中にならないか。記者はそんな女性を何人も知っている。
野村不動産の「プラウド日本橋三越前」に勝てるかどうかは書かない。これはユーザーが判断することだし、そんなことを書いたらそのうちにマンションの取材などできなくなってしまう。
キッチンからリビング・居室の方向
驚!問い合わせ4500件突破 「プラウド日本橋三越前」(2015/2/27)
東京建物 東京駅徒歩圏の「TOKYO YAESU」は坪450万円
「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」
東京建物は4月24日、東京駅徒歩圏初のタワーマンション、旧キリンホールディングス本社跡地プロジェクト「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」と、同社の女性社員が中心の商品企画チーム「Bloomoi(ブルーモア)」の声を反映させた「Brillia日本橋三越前」のモデルルーム見学会を行った。
双方とも見どころいっぱいのマンションだが、「日本橋三越前」より「東京駅徒歩圏初」の話題性と駅力に敬意を表して前者から先に紹介する。
「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」は、JR東京駅から徒歩16分、またはJR京葉線八丁堀駅から徒歩1分、中央区新川2丁目に位置する30階建て全387戸。専有面積は40.93~120.08㎡、価格は4,000万円台~2億円台、坪単価は450万円の予定。設計・施工は三井住友建設。管理は東京建物アメニティサポート。竣工予定は平成29年11月上旬。事業主は同社(事業比率80%)のほか三菱地所レジデンス(同20%)。
物件の特徴は、何と言ってもまず東京駅から歩ける初の大規模タワーマンションであること。敷地面積は約3,000㎡。総合設計制度の適用を受け、地区の建築物の高さ規制(38m、または50m)を大幅に超える100mを実現。敷地の約50%を公開空地とするとともに、1階の外壁の半分近く約200㎡を壁面緑化した。建物は免震工法を採用している。
昨年12月から物件ホームページを開設しているが、これまでに中央、港、江東区居住者を中心に資料請求は約5,000件にのぼり、4月25日のモデルルーム見学予約数は1,000件を突破している。
コンパクトタイプは10%くらいで、海外からの投資は少ないという。「目黒」との競合もあまりないというのもうなずける。需要層は異なるはずだ。
エントランスロビー
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まず、坪単価から。記者は同社の「目黒」が坪600万円と聞いてから羅針盤を失った船のように相場観が狂ってしまった。
なので自信はないが、見学前は坪480万円と予想した。「東京駅徒歩圏」と考えれば「目黒」をはるかに上回るだろうが、「八丁堀駅圏」とみれば、他の中央区の晴海などのタワーマンションと比較すればそんなに高値は付けられないし、同社はそこまで強気の価格設定はしないと読んだ。
さて、本日の見学会。28階、29階の100㎡以上(18戸)プレミアム住戸でも坪単価は600万円、平均で450万円というのは新価格ではあるが、記者予想を下回った。相当安いと思った。
規模が異なり、ランドスケープが素晴らしい「目黒」とは単純比較はできないが、住戸の設備仕様はこちらが上だと思った。キッチン天板はアフリカ・アンゴラの貴重な御影石「ステラブル」で、バックカウンターも標準装備。リビングドアなどは突板の浮造り仕上げ。天井高は2600㎜以上。他の標準タイプもキッチン天板はカナダの「カレドニア」御影石を採用しており、全体的にグレードは高い。
キッチンも特徴の一つ。「Bloomoi(ブルーモア)」とキリンビールの女性社員とが「働く女性がもっと幸せになる住まい」グループインタビューを実施して編み出したのが「お酒が楽しめる空間」だ。3種のプランが提案されていた。バックカウンターも3種とも無償でセレクトできる。
これは取材する時間が少なかったのでよく分からなかったが、女性も「(調理をし)ながら飲む」のが流行っており、その空間を提案したという(キッチンドランカーとどう違うのかは不明)。そのうちの「スマートスタイル」は天板の立ち上がりを30㎝強とり、様々な調理アイテムが収納できるように工夫されていた。これはいい。
共用部分のデザインでは、今をときめく今井敦氏や2016年竣工の銀座松坂屋再開発「銀座6丁目プロジェクト」の使用行施設の内装デザイナーに決定しているグエナエル・ニコラ氏などを起用。力が入っていることが伝わってくる。
壁面緑化
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「丸の内」と言えば三菱地所であるように、「八重洲」と言えば東京建物だ。お膝元であるだけに、相当力が入っていることが伝わってくるマンションだ。それを示す余談をいくつか。
まず、壁面緑化。200㎡という面積がどの程度のものか示すデータはないが、仮に高さを2mとすると100mだ。これほど大きい壁面緑化を施したマンションはまずないはずだ。
販売センターは、グエナエル・ニコラ氏がデザインしたエントランスロビーをそのまま再現したもので、これもなかなかいいのだが、記者が驚いたのは報道陣にふるまわれたお茶だった。
どこのマンション見学会でもお茶や水がふるまわれ、たまに「ボルヴィック」「エビアン」なども出されるが、ほとんどはペットボトルだ。今回もお茶のペットボトルだったのだが、いつものとはラベルが異なっていた。「キリン別格日本冠茶」(かぶせちゃと読むそうだ)とあった。
記者は普段ペットボトルのお茶など飲まないし買ったこともないので、このお茶がどのようなものか全く分からなかった。すでに1.8キロ入りの水のペットボトルくらいはありそうな重いパンフレットをもらっていたので持ち帰るのも嫌だったが、いくらするのか調べようと持ち帰った。若い女性にあげたので飲まなかったが、普通のお茶の1.5倍くらいの216円だった。
マンション建築費は数年前と比べ1.5倍くらいに上昇しているが、まさか同社はこのお茶の上昇分を分譲価格に上乗せしていないだろう。単価の安さからすれば、ひょっとしたらキリンからただでもらったものかもしれない。
そういえば、おなじみずほグループの大成有楽不動産の「品川勝島」マンション見学会では〝“コーヒーメーカーのフェラーリ〟と呼ばれる「LA-CIMBALI(ラ・チンバリー)」で淹れたコーヒーを頂いた。マスコミ対応でも双方は競っているのか。
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