「HARUMI FLAG」で美しい花を咲かせたい 光井純氏 建築美を語る

「HARUMI FLAG」全景★

光井氏(「HARUMI FLAG」タワー棟デビューメディア発表会)★
~かつて「パークシティ浜田山」で美しい花を咲かせたように~
「HARUMI FLAG」のマスターアーキテクトとして街全体のデザインを統括する光井純氏(光井純&アソシエーツ建築設計事務所 代表取締役)に2023年1月19日、オンラインによる取材の僥倖に恵まれた。テーマは光井氏がデザインするマンションはなぜ美しいか。光井氏は出張先の故郷・岩国から、1時間にわたって建築物と人、街、自然、美とは何かについて語った。( )は記者 写真提供は★が電通PRコンサルティング、☆が光井純&アソシエーツ建築設計事務所(JMA)
光井氏は1978年、東京大学工学部建築学科を卒業後、岡田新一設計事務所で4年間勤務したのち渡米し、イェール大学大学院で建築学を学び、シーザー・ペリ&アソシエーツ(現ペリ クラーク&パートナーズ)勤務を経て1992年に帰国。シーザー・ペリ&アソシエーツ ジャパン(同)と光井純&アソシエーツ建築設計事務所を設立。国内外の様々なプロジェクトに関わっている。
NTT新宿本社ビル、シーホークホテル&リゾート、九州大学新キャンパス、日本橋三井タワー、あべのハルカスなどの施設のほか、パークコート恵比寿ヒルトップレジデンス、青山パークタワー、幕張パークタワー、オーバルコート大崎、芝浦アイランド、パークシティ浜田山、Brillia L-Sio 萩山など数多くの首都圏を代表するマンションを手掛けている。BCS賞、グッドデザイン賞などの受賞も多数。

メインストリート★

晴海ふ頭公園から(完成予想図)★

九州大学 ウエスト1号館(理学系総合研究棟)☆

NHK大阪放送会館・大阪歴史博物館☆

東京国際空港(羽田)第3旅客ターミナルビル☆

あべのハルカス☆

日本橋三井タワー、日本橋室町三井タワー☆
◇ ◆ ◇
-先生、わたしが2013年以降に書いた記事から「光井純」のワードで検索すると35本ヒットします。これまでマンションは何棟手掛けられたのでしょうか。
光井 進行中のプロジェクトもあるので概算にはなりますが、70棟以上だと思います。そのうち中国、台湾、シンガポールなどの東南アジアを除けば、国内では60棟以上だと思います。
日本に戻って最初に行った仕事はシーホークホテル&リゾートとNTT新宿本社ビルです。そして、縁あって三井不動産の「パークハイム氷川台西」(1997年)のマンションを手伝ったのが、集合住宅としては最初の仕事です。
それから「オーバルコート五反田」(2001年、「オーバルコート大崎」との複合)のデザインコンペがあるというので、応募して競り勝ったのがきっかけで、三井不動産さんとの関係が深まりました。当時、五反田開発を担当されていた現会長の岩沙さん(弘道氏)にデザインを気に入っていただき、意気投合しました。
時代を経るごとに深みを増す建築デザインの在り方と、低層部を張り出すことによってつくられるヒューマンスケールのデザインは、これからの街づくりにとても大事だとする岩沙さんの考え方は、わたしがアメリカで学んだ考え方と一致しました。
それは現在の三井不動産グループの住宅とオフィスなどの複合開発、ミクストユースの街づくりにも基本理念として継承されています。
その意味で「五反田」開発は、その出発点をつくった大事なプロジェクトでした。
-先ほども話しましたが、この10年間のわたしの「こだわり記事」をワードで検索すると、100件ある「隈研吾」は特別として、「光井純」は「安藤忠雄」「青木茂」とほぼ同じの35件です。
そのうち三井不動産関連ですと「SKYZ」に始まり「大崎」「武蔵小杉」「BAYZ」「渋谷大山町」「中央港」「晴海」「幕張」「武蔵小山」「柏の葉」「HARUMI」「白金」「六本木(ホテル)」「豊洲(複合施設)」などです。2013年以前だと「芝浦」「恵比寿」「青山」「浜田山」などが印象に残っています。(このほか、東京建物の「萩山」「聖蹟桜ヶ丘」、フージャースコーポレーションの「府中」「つくば」、オープンハウスの「青山」、伊藤忠都市開発の「松陰神社前」、大和ハウス工業の「有明」、東急不動産の「あざみ野」、総合地所の「名古屋」、相鉄・東急の「横浜」などがあり、モリモトの物件もいくつかあるのに注目)
これが肝心なのですが、「光井純」の次は「吉永小百合」の32件です。わたしもこれには驚いたのですが、つまり先生と吉永小百合さんは美しいということで一致すると。先生のデザインはなぜ美しいのか、人に優しいのか。これが今回の大きなテーマです。

ブランズシティあざみ野(写真提供:東急不動産)

デュオ府中駅前(写真提供:フージャースコーポレーション)
光井 (しばし破顔されたあと)吉永さんと一緒? 大変恐縮でございます。わたしの建築は、アメリカで学んだヨーロッパの古典的建築の考え方に大きな影響を受けています。三層構成、シンメトリー、パラディアンコンポジション、ヒューマンスケール、黄金率などです。クラック音楽を学ぶのと同じ側面があるかもしれません。古典をまず学び、それからモダンにつなげていくことが大事です。
ゴーギャンやピカソなどの絵画も学びました。人の肌を描くとき、光が当たっているところは肌色などを使いますが、陰の部分は緑などを使います。色彩の基礎はとても大事だと思います。(光井氏はかなり専門的なことを話されたのだが、これは省略する。何事も基礎が大事だということだ)
-先生、わたしも油絵を描きますのでよく分かります。(ルノワールは肌を描くとき青を使ったと読んだことがある。記者は陰に黒を使って汚い絵をたくさん描いてきた)
光井 主題の絵に暖色を使う場合、陰に黒を使のではなく、補色を使うときりっと締まる。建築も同じで絵画や古典建築のルールを活用しているところはあるかもしれません。
-わたしは建築物を見るときまず注目するのはデザイン(狭義の意匠ではない)で、そのデザインは美しいか、美しくないかです。それと同時に考えるのが機能美です。丹下健三先生は「機能的なものが美しいのではない。美しきもののみ機能的である」と語りました。先生、この考え方はどうでしょう。(これは永遠のテーマ。数十年考えているが、解は見いだせていない)
光井 丹下先生は巨匠ですので、私も学生時代は「形態は機能に従う」など巨匠の考えを学びました。美しいものは機能的であると。自然界では人間も動植物も何百万年の進化の歴史の中で理想的な形になってきました。しかしながら、人間の作為的なデザインは、自然が積み重ねてきた進化の時間に追いついていないのではないかと思うこともあります。ですから、そう簡単に「美しいものは機能的」とはおこがましくて言えない。
また、わたしは「モノ」として建築を見過ぎてしまうと人が不在となってしまうのではないかという反省がずっとあり、常に人を中心に据えながら建築デザインを考えています。
その場所にいる人の暮らしに思いを馳せて、どんな暮らしをするんだろう、どんな故郷になるんだろうと。そこには川があり山があり、海や森もある。建築デザインはその場所にあったものにならなければならない。
美しく機能的ということで「場所」や「人」から逸脱してしまい、建築だけの普遍的なあるいは自律的な価値を探求し過ぎることによって、近代・現代建築の理論は、建築デザインの中核を成す「人」や「場所性」を置き去りにしてきたのではないかと不安に思っています。
ですから、わたしは街の中で建築物は「人」や「場所」に対してどんな役割を持っているか常に考えデザインすることにしています。人が建物の中にあって美しいと感じるデザインが重要です。どんな人が暮らしていて、どんな子どもが生まれて、どんな生活をするんだろうと思うことが、ご指摘された「優しい」建物に繋がっていると思います。
-ちょっと横道にそれますが、小林秀雄は「美しい『花』がある、『花』の美しさといふ様なものはない」といいました。これは言葉が独り歩きし、いろいろ解釈があるのでしょうが、わたしは「花が美しいのではない、花を美しく感じる心が肝心」と解釈しているのですが、いかがでしょうか。先ほど先生が仰った人が肝心、次代に継承する自然を大事にしないといけないということに繋がるような気がするのですが…。(「花」は世阿弥の世界観を小林秀雄が論じたもの)
光井 私もそう思います。人間も、数十億年の自然との関係の中で進化してきました。その進化の過程で生物としての形や仕組みも変化してきました。しかしながら常に自然の中で育まれ、生物としての感性は遺伝子の中に組み込まれて綿々とつながっています。花や山、森を我々が見たときには、その背後にある自然の均衡を、直感的に美しいと感じている。
だから花の美しさを感じる心は、実はわれわれの体の中にある自然そのものだということです。(なるほど。光井氏のデザインを「美しい」「優しい」と感じるのは、光井氏が人を中心に据え、いつも自然や街との関連性を重視するヒューマンスケールを追求しているからだと得心した)
-先生はこの前(1月10日)も「近景・中景・遠景」から建物がどう見えるかが大事だと仰いました。わたしは先生の作品は遠景からでもすぐ分かります。その象徴的なマンションが「青山パークタワー」(2003年)だと思っています。あの建物は「青山」だからすっきりと街に馴染んでいるのではないかと。(三井不動産のプレスリリースには「ランドスケープデザインは『青山に森を創る』をテーマに、敷地の2/3以上の約5,000㎡を緑地とし、その中に高さ19m・樹齢200余年のケヤキをシンボルツリーとして、また10,000本の樹木・草花を植樹しました」とある)

青山パークタワー☆
光井 そうですね。アメリカの街のシルエット、例えばマンハッタンを見ると、ロックフェラーセンターとかエンパイヤステートビルが核となって大きな山形のシルエットを作っています。マンハッタンという都市全体が、人々の活動や暮らしを包み込みながら、息づく山のような風景を、何百年にもわたる街づくりの試行錯誤の中でつくりあげている。
青山で言えば、渋谷は谷にあり、「青山パークタワー」は丘の上に建っています。丘の上に建つ建物は、周りの建物・風景の中心として象徴となる。建築家は、遠景から風景の中での建物の役割を見つけて、その役割にふさわしいデザインに到達しなくてはなりません。(そんなマンションはどれだけあるか。100のうち10あるかどうかではないか)
-先生のこれまでのマンションで、衝撃を受けたのは「パークコート恵比寿ヒルトップレジデンス」(2000年)でした。「芝浦アイランド」(2007年)にも驚きましたが、もっとも好きなのは「パークシティ大崎」(2015年)です。あの工場街のイメージを一新された。
光井 大崎地区のデザインでは、古典建築が持っている構成要素の基本をベースにしながら、ヒューマンスケール、リズム、分節、コーナー、スカイライン、陰影、ディテールなどの手法に基づいて丁寧に一つひとつデザインを進めました。
-先生、話の腰を折って申し訳ありません。いま、陰翳観を話されました。あのとき(1月10日)、実は午前中に東急不動産さんの「千代田富士見」の記者発表会がありまして、デザイン監修を担当されている隈研吾さんが谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を持ち出して、デザインに陰翳を盛り込んだという趣旨の話をされました。わたしなどは「陰翳礼讃」はやたらとトイレ・厠の話が出てくるので〝なんだ、これは〟と思ってしまうのですが、建築家にとって「陰翳礼讃」はバイブルなのですか。
光井 陰翳は建物の表情をつくる上でとても大事です。建築物は太陽の位置や、大気の状態によって刻々と表情を変えるので、陰翳を考えながらデザインをすることはとても有効です。一方で壁面に張り出しなどをつくると、陰影を生み出すだけでなく、雨が降ったときには水が切れて汚れないという効果があります。庇をうまく作ることで影が生まれる。日陰や木漏れ日があったりすると人間はほっとします。機能的にも省エネに貢献します。
-大変失礼な質問です。これまでデザインされた建物の中で、これはまずかったなどというものはないのでしょうか。
光井 どの花が美しいかと同じ論理で、花はがけ地、水辺、森の中とか、それぞれの場所の制約の中で一生懸命咲いています。それぞれが美しく、どれが一番だと比べることはできません。建物も同様に、敷地の特性、気候、場所の文化や歴史などをしっかりと研究しながら建築家が様々な思考を巡らせ時間をかけて取り組んだら、それぞれの場所でその場所でしか咲かない美しい花になれるのだと思います。(これまた含蓄のある言葉だ。デベロッパーや建築家は考えないといけない)
-住宅都市についてです。わたしはこの前の先生のお話を聞きながら、デザインコードに沿った街づくりとして「幕張ベイタウン パティオス」とUR都市機構が整備した「ベリコリーヌ南大沢」などと比べました。いずれも素晴らしいと思っているのですが、「HARUMI」はちょっと違う、これまでにないものになるのではないかと想像しました。
光井 当初、「HARUMI」のタワー棟は、西の運河に寄って計画されていました。これに対して、私はこの広大な敷地を選手村として一体的に開発・利用するというチャンスは今後ないだろうから、レガシーとして残るようにできないかを考え、タワー棟を街の中心軸に据え、シンメトリーを提案して実現しました。
仮に一般的な都市開発として都があの土地を売却したとすれば、分割され、ばらばらに開発されていたかもしれません。選手村として使われるという運命が「HARUMI FLAG」を実現させた。このような街は今後出てくる可能性は極めて少ないと思います。
-「HARUMI」で注目しているのは、駐車場、電柱が地下化され、先生も強調された「地上は緑で覆われている」という点です。いまそのような街はあるか考えたのですが、「広尾ガーデンヒルズ」は緑に覆われてはいるが、駐車場、電柱は地上です。先生の作品で緑が多いのは「パークシティ浜田山」(2010年)ではないかと思いますが、いかがでしょうか。(質問した時点で「浜田山」が地下駐車場、電柱地下化されていることを失念していた)

パークシティ浜田山☆

パークシティ浜田山☆

パークシティ浜田山☆

パークシティ浜田山☆

パークシティ浜田山☆
光井 「浜田山」は力を尽くしたマンションで、駐車場、電柱は地下化され、地上は緑で覆われています。理想的な街づくりができたと思っています。あのような開発のプロトタイプとして挙げられる例は、バンクーバー、サンフランシスコ、ポートランドなどの街でしょうか。
世界の優れた街の開発では、基本的には駐車場などは地下に潜らせて、地上は人の空間にするということが当たり前になっているのです。「HARUMI」も駐車場と電柱を地下化したのは都やデベロッパーの素晴らしい決断でした。諸外国のどこの街にも負けないものをつくろうとしたということです。そういった点からも「HARUMI」も「浜田山」と同じように素晴らしい街になるでしょう。
-最後の質問です。今後、どのような仕事、街づくりをしたいかについてです。
光井 子どもたちの故郷になって、親から子へバトンタッチできるような街、ずっと住み続けたくなるマンションを作りたいですね。
-先生、いまそんなマンションはありません。(もともとが狭いし)世帯分離によって子どもはどんどん去っていく。
光井 これからは変わると思います。「浜田山」「HARUMI」もそうですが、〝他にはない〟〝ずっと住み続けたい〟と思える未来の世代のために良質な住環境を残していきたい。その場所にしかない、美しい花を咲かせたい。
(光井氏はインタビューの冒頭、「わたしはいま故郷・岩国にいます。前日は東京の本社、その前は広島です。どうしたら地方の街おこし、再生によって元気な街を作れるか、毎日のように考えています」と語った…「毎日考える」ぐさりと胸を衝かれた。先生ですら毎日考える、われわれは怠惰な毎日を過ごしていいのか…)

光井氏★
◇ ◆ ◇
以上、約1時間のインタビューの要約だ。本当は全文を紹介したかったのだが、余裕がない。光井氏は同社のホームページで次のように述べている。こちらも参照していただきたい。
建築を「モノ」としてではなく、文化の一部、そして、優れた街並みの一部となって街と共に成長する、あたかも生き物のように捉えてデザインすることである。この考え方を受け継いで、敷地をとりまく自然環境、街並み、文化、歴史、そして建物に関わる人々、その他多くの設計条件に対して、的確なレスポンス[応答]を行いながら設計を進めていくことを大切にしている。
◇ ◆ ◇
「『パークシティ浜田山』と同じような素敵な街になる」と光井氏が話した「浜田山」は2007年11月8日付の記事で次のように書いた。
「建物外観は光井純氏が総合監修を担当。屋上緑化、地下駐車場、免震構法の採用のほか、スラブ厚280~300ミリ、リビング天井高2600ミリ、床、建具・面材は全て天然石、タイル、突き板仕様で、トータルとしてのグレードが極めて高いのが特徴だ。
高級マンションとしては、広尾ガーデンヒルズが連想されるし、同社の億ションなら『麻布霞町パークマンション』があるが、記者は、立地・コンセプトの違いはあるにせよ、ほぼ同等の価値があると思う。ランドスケープデザインが特に優れている。同社の記念碑的なマンションになるのは間違いない」
本当にそうなのか。いまどうなっているか確認しようと、インタビューの翌日1月20日に現地を見学した。
「浜田山」の全体敷地は約25,000坪。従前は三井グループの運動場として利用されていた。記者はRBA野球大会の取材で何度か訪れている。
1998年だった。勝てば東京ドームという三井不動産V.S.三井不動産販売(現三井不動産リアルティ)の準決勝戦が行われた。三井不リードの最終回、一打逆転の場面で三井不・志村亮投手が三井不販の主砲・江川尚志氏を三振に斬って取った場面が忘れられない。江夏の9球ではなく7球くらいだったと思うが、江川氏ファウルを打つなど粘ったが、最後は空振り三振。「志村さんは本気で投げてきた。最後は球が消えた」と話した。勝った三井不は優勝した。
当時も運動場は緑に覆われていたが、この日見た「浜田山」は成長途上だった。既存樹の巨木はたくさん残されていた。低・中層住宅地であり、街路樹や敷地内の樹木は冬季の日照を確保する目的もあるのだろう。常緑樹は少なく、高木はケヤキ、サクラ、コブシなどの落葉樹が主体だったが、春から秋にかけては緑にあふれ、四季折々の花が咲き、紅葉を楽しませてくれることはすぐわかった。
「HARUMI」が完成すれば素晴らしい街になるだろう。「浜田山」で美しい花が咲いたように、「HARUMI FLAG」にもその場所でしか咲かない美しい花が咲くことを期待している。

「浜田山」の外周の既存樹のケヤキ(従前は2段植栽によって内と外は閉ざされていた)

駐車場が地下化されていることが分かる(記者は車に乗らないが、この価値は計り知れないと思う)
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エントランスの植栽は3段(こんなマンションはそうない)

もう絶句!(モンドリアンの絵画を見るよう)

シンメトリーのデザイン例(右の写真の下部は水盤。景色が映り込む)

隣接の「三井の森公園」
「HARUMI FLAG」最終章のタワー棟分譲へ 光井純氏「街」について語る(2023/1/12)
街の価値を評価したい 三井不レジ他「パークシティ大崎 ザ タワー」(2013/11/27)
感動的なマンション 三井不動産レジデンシャル「浜田山」(2007/11/8)
都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り(2009/10/5)
全19戸にEV充電器付き駐車場 東急不「目黒諏訪山」完成 坪800万円強に納得

「ブランズ上目黒諏訪山」
東急不動産は1月26日、全19戸にEV充電器付き駐車場を設置した「ブランズ上目黒諏訪山」が竣工したのに伴うメディア向け内覧会を行った。アドレスは上目黒三丁目だが、「目黒諏訪山」にふさわしい最高レベルのマンションだと思った。
物件は、東京メトロ日比谷線・東急電鉄東横線中目黒駅から徒歩6分、目黒区上目黒三丁目の第一種低層住居専用地域に位置する地下1階・地上3階建て全19戸。専有面積は約127~188㎡、価格は3億円台~5億円台。坪単価は800万円強。建物は2022年11月に竣工済み。施工は淺沼組。設計・監理は坂倉建築研究所。
現地は、数億円以上しそうな戸建てや低層マンションなどが建ち並ぶ高級住宅街の一角。敷地は、植物家の邸宅などが建っていた敷地跡地。
1年半くらい前から販売しており、現在、残りは1戸で、価格は36,000万円(131.33㎡)。これまで契約済みの住戸の購入者は約4割が目黒区内、約7割が都内という。駐車場賃料は約4万円/月。全て申し込み済み。

地下1階の駐車場
◇ ◆ ◇
内覧会では、住戸の案内はなかったので設備仕様レベルは分からないが、ホームページからして、同社がかつて分譲した高額マンションブランド〝プレステージ〟並みだと判断した。
坪単価は高いような気がしないわけでもないが、外観デザインを見たとたん、価格に見合う価値があると判断した。設計・監理に坂倉建築研究所を起用していることからも、相当力を入れた物件であることがわかる。
EVについては、車のことはさっぱりわからないのでコメントのしようがない。数年先には当たり前になるのか…。

樹齢80年はありそうな敷地内のソメイヨシノ
三井不レジなど4社JV 麻布十番駅近「三田小山町西地区」再開発 権利変換認定

「三田小山町西地区第一種市街地再開発事業」
三井不動産レジデンシャル、日鉄興和不動産、三菱地所レジデンス、首都圏不燃建築公社の4社は1月19日、「三田小山町西地区第一種市街地再開発事業」の権利変換計画が2022年12月21日に東京都知事の認可を受けたと発表した。
プロジェクトは、東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線麻布十番駅に近い区域面積約2.5haの規模。北街区と南街区に分かれており、北街区は42階建て住宅A棟と8階建て事務所棟、南街区は31階建て住宅B棟と16階建て住宅C棟で構成。約1,400戸の共同住宅のほか、オフィスや店舗、保育園、公園を一体で開発する。事業推進コーディネーター施設建築物設計者はアール・アイ・エー、特定業務代行者は戸田建設、大成建設。竣工予定は2028年。
三井不レジ・日鉄興和・三菱地所レジ・首都圏不燃公社 麻布十番駅近接の2.5ha再開発(2020/9/19)
三井不レジ他「パークコート麻布十番ザ タワー」竣工 単価だけでは計れない価値あり(2010/5/26)
住友不動産 都心再開発2物件「大崎」と「麻布十番」(2008/7/8)
「間取りのない家」提案 伊藤忠都市開発「西葛西」コンセプトルームオープン

「クレヴィア西葛西」
伊藤忠都市開発は1月19日、「クレヴィア西葛西」のコンセプトルームを「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」1月21日にオープンし、可動収納やT字型ウォールドアを採用することで間取りを1LDKから3LDKまで自在に可変できる「間取りのない家」プランを提案すると発表した。販売開始は2月下旬。
「間取りのない家」プランとは、キャスター式で設置位置を移動できる「可動収納」と、住戸内の間仕切りを自在に変更できる「ウォールドア」とを組み合わせ、広々とした1LDKから、間数を増やした3LDKまで、ライフスタイルに合わせて変更することを実現したプラン。具体例として1LDKは夫が30歳の夫婦のみ、2LDKは夫が36歳の夫婦と子ども2人(幼児・小学生)、3LDKは夫が50歳で夫婦と子ども2人(中学生・小学生)を提案している。
物件は、東京メトロ東西線西葛西駅から徒歩6分、江戸川区西葛西六丁目に位置する12階建て49戸。専有面積は33.43~71.71㎡。坪単価は350万円を想定している。竣工予定は2024年2月中旬。設計・監理は三輪設計。施工は川村工営。
「低炭素建築物」認定を取得し、スマートフォンで住宅設備や家電を操作できる「loT」設備を導入している。

エントランス
◇ ◆ ◇
同社は、プレス・リリースで〝画期的な住まい〟と謳っているが、同様のプランは同社を含めてたくさん見学取材している。その多くはウォールドアが開発されていなかったころのものなので、あるいは今回の物件は〝画期的な住まい〟なのかもしれない。
ライフステージにより間取りが変えられるのは当然といえば当然だ。田の字型プランから脱却できない業界に問題がある。
「カスタムプラン144+」秀逸 単価も割安 伊藤忠都市開発「クレヴィア浅草」(2017/2/1)
三井不レジ 可動間仕切りで間取り自由自在 「駒沢」に初採用(2014/5/27)
マンションの間取りは「自分で作る」時代へ(2013/10/4)
金利先高観 消費マインドへの影響は 目が離せない展開へ レインズ 流通動向調査
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月13日、2022年12月の首都圏不動産流通市場動向をまとめ発表した。中古マンションの成約件数は2,835件で前年比1.6%減少し、5か月連続で前年同月を下回った。成約㎡単価は69.94万円(230.8万円)で前年比9.0%上昇し、20年5月から32か月連続、成約価格は4,373万円で同6.2%上昇し20年6月から31か月連続で前年同月を上回った。専有面積は62.52㎡で前年比2.5%縮小し、21年6月から19か月連続で前年同月を下回った。
地域別では、成約件数は東京都区部以外の各地域が前年比で減少が続き、横浜・川崎市と埼玉県は12か月連続で前年同月を下回った。成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は32か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は31か月連続、千葉県は29か月連続、神奈川県他は25か月連続、多摩は22か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建て成約件数は1,036件で前年比マイナス10.5%の2ケタ減となり、12か月連続で前年同月を下回った。成約価格は3,872万円で前年比8.7%上昇し、20年11月から26か月連続で前年同月を上回った。地域別動向では、成約件数は千葉県以外の各地域が前年比で減少が続き、東京都区部と多摩、埼玉県は12か月連続で前年同月を下回った。成約価格はすべての地域が前年比で上昇し、千葉県は22か月連続、神奈川県他は18か月連続、東京都区部は12か月連続、埼玉県は8か月連続で前年同月を上回った。
◇ ◆ ◇
中古マンション、中古戸建とも成約件数は減少を続ける一方で、成約価格と㎡単価は上昇し、新規登録件数、在庫件数が増加し続けている。このデータをどう読むか。
中古マンションの成約件数だが、コロナ前の2019年はほぼ毎月3,000件前後で推移しており、減少が顕著というよりはコロナ前の水準に戻ったと解すべきだろうと思う。
それより注目すべきなのは価格・単価の上昇と面積の縮小だ。2022年12月と2019年12月を比較すると、価格は2019年12月の3,550万円から23.2%、㎡単価は27.4%それぞれ上昇し、逆に専有面積は3.3%減少している。
価格・単価上昇率は異常とは言えないまでもかなり高く、専有面積の縮小と合わせ、市況は高止まり、踊り場に差し掛かっているのではないか。
単価水準は平均的な需要層の取得限界に近付いている。記者は無理なく取得できる坪単価は今も昔も坪250万円とみており、それでも活況を呈してきたのは低金利のお陰だ。
その肝心の金利が転換期を迎えた。日銀の金融緩和政策の軌道修正だ。長期金利の変動幅を従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に変更したのは、明らかに住宅市場にはマイナスだ。1.5%の変動幅自体は大きくないが、物価高もあり住宅購入検討者のマインドを冷やすことになるのは間違いない。中古マンション価格は4,000万円を超えると鈍くなると言われており、現状でもそれをはるかに超えている。価格を引き下げようにも、専有面積圧縮も限界だ。この先、どう動くか注視が必要だ。
ひとつだけ楽観的な見方をすれば、新築マンション市場は引き続き供給減少が続き、価格も上昇する気配を見せており、その分だけ中古価格の割安感は増すことだ。基本性能・設備仕様レベルも現在分譲されている物件より10年くらいの物件のほうが相対的に高いものも少なくない。一筋縄では計れない市場に突入するのではないか。
中古戸建ても同様のことが言えそうだが、成約価格は中古マンションと約500万円の差がある。これが今後の市場にどのような影響を与えるか。
いずれにしろ、ここ1~2か月の動向から目が離せない。これまでの市場のターニングポイントはカレンダー変わりにあったからだ。年明けとか年度変わり、ゴールデンウイーク、夏休み明けだ。
イメージキャラに「ちびまる子ちゃん」 NTT都市など5社JV「八千代村上」

「ウエリス八千代村上」(物件ホームページから)
NTT都市開発、名鉄都市開発、西日本鉄道、関電不動産開発、東方地所の5社は1月13日、千葉県八千代市内最大級となる総戸数967戸の大規模プロジェクト「ウエリス八千代村上」を着工したと発表した。2023年6月下旬から販売を開始する。
駅とのつながり・商業施設とのつながり・自然とのつながり・人とのつながりを生み出す「ゆめいっぱいYACHIYO CONNECT TOWN」をコンセプトに、国民的人気アニメ「ちびまる子ちゃん」を広告キャラクターに起用する。
物件は、東葉高速鉄道村上駅から徒歩3分、千葉県八千代市村上南1丁目に位置する敷地面積約23,292㎡、15階建て全967戸。専有面積は3LDK・70 ㎡超を中心に54.90~91.85㎡。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定はI工区が2025年2月上旬、II工区が2027年3月下旬。

◇ ◆ ◇
このプレス・リリースを見て、コロナ禍でも驚異的な売れ行きを見せた、坪195万円の東武鉄道他「ソライエグラン流山おおたかの森」(794戸)と、坪190万円の大和ハウス工業「船橋グランオアシス」(分譲は571戸)を思い出した。
今回の物件は、施工が長谷工コーポレーション、都心の大手町駅まで50分前後という大規模開発というのがよく似ている。坪単価は200万円を突破しそうだが、果たして〝三匹目の泥鰌〟はあるのか。
もう一つの注目点は「ちびまる子ちゃん」だ。過去、俳優などを起用したマンションはたくさんあり、概ね成功しているが、漫画・アニメとなると、記憶にあるのは「アルプスの少女 ハイジ」を新聞の2ページ見開き広告に登場させたリビング住販「ロワジール那須高原」(452戸、1992年11月竣工)くらいだ。
版権は著名人よりは安いと思うが、果たして費用対効果は。肝心なのは商品企画だ。寄りあい所帯なのは気になる材料だ。
記者が思い浮かぶ漫画・キャラクターを列挙する。イガグリくん、赤胴鈴之助、月光仮面、鉄腕アトム、スーパーマン、バットマン、ポケモン、ゴジラ、サザエさん、ドラえもん、キティちゃん、クレヨンしんちゃん、アンパンマン、忍者はっとりくん、タイガーマスク、巨人の星、たっち、キャプテン翼、セーラームーン、ゴルゴ13、ドラゴンボール、鬼滅の刃、キン肉マン…。(このうちよく知っているのは10個くらい)
「ちびまる子ちゃん」が成功したら、もう何でもありだろう。ヤクルト村上選手の人気にあやかりたい。
◇ ◆ ◇
記者がこれまで見学取材したマンションの中から、俳優など著名人をイメージキャラクターとして起用した物件を・著名人 売主「物件名」(総戸数)竣工年月順に紹介する。敬称略
・ハイジ リビング住販「ロワジール那須高原ハイジ」(452戸)1992年11月
・オードリー・ヘプバーン 有楽土地「ティアラシティ」(279戸)2000年8月
・城戸真亜子 総合地所他「ルネアクシアム」(721戸)2001年5月
・片岡鶴太郎 モリモト「クレッセント東京サウス」(113戸)2002年10月
・東儀秀樹 三井不動産レジデンシャル「東京パークタワー」(324戸)2003年3月
・三國連太郎 野村不動産他「神楽坂トワイシア」(237戸)2004年2月
・古田敦也&中井美穂 モリモト「クレッセント川崎センティア」(116戸)2004年2月
・飯島直子 東京建物他「ガーデンアソシエ」(1,502戸)2004年8月
・本木雅弘 三菱地所「Wコンフォート」(1,149戸)2005年2月
・米倉涼子 オリックスリアル他「横浜タワーリングスクエア」(625戸)2005年3月
・ジャン・レノ 東京建物「ブリリアタワー東京」(644戸)2006年2月
・スマップ 三井不動産他「芝浦アイランド」(約4,000戸)2006年11月
・新庄剛志 名鉄不動産他「スターコート豊洲」(740戸)2007年2月
・田原俊彦 アパ「アップルタワー東京」(440戸)2007年2月
・渡辺謙 野村不動産「プラウド新浦安」(733戸)2008年1月
・リチャード・ギア オリックス不動産他「THE TOKYO TOWERS」(2,801戸)2008年1月
・太田光 相鉄不動産他「サクラディア」(821戸)2008年2月
・黒木瞳 三井不動産レジデンシャル他「パークシティ豊洲」(1,481戸)2008年2月
・中山美穂 伊藤忠都市開発他「ザ・コスギタワー」(689戸)2008年5月
・ディカプリオ オリックスリアル「レコシティTOKYO」(450戸)2008年10月
・マドンナ 東京建物他「ブリリアマーレ有明」(1,081戸) 2009年3月
・オダギリジョー 東京建物「ブリリア有明スカイタワー」(1,089戸)2011年3月
・米倉涼子 丸紅他「AQUA VISTA(アクアヴィスタ)」(308戸)2015年2月
・江口洋介 三井不動産レジデンシャル他「東京ワンダフルプロジェクト」(1,110戸)2015年3月
・石川遼 三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス晴海タワーズ」(1,744戸)2016年4月
・江角マキコ 東京建物他「BAYZ TOWER&GARDEN」(550戸)2016年7月
・前田敦子 東武鉄道他「ソライエグラン流山おおたかの森」(794戸)2021年7月
◇ ◆ ◇
リストを観ていただければお分かりのように、バブル崩壊後の大規模マンションが中心で、著名人などを起用することで大量集客・大量販売につなげようというデベロッパーの意図がうかがえる。デベロッパー別ではジャン・レノ、マドンナ、飯島直子、江角マキコなどを起用した東京建物や、スマップ、黒木瞳などの三井不動産レジデンシャル、リチャード・ギア、ディカプリオのオリックスグループが目立つ。
記者がもっとも衝撃を受けたのはオードリー・ヘプバーンを起用した有楽土地(当時)「ティアラシティ」だった。故人であるため肖像権は知名度の割には破格の安さだったとも聞いた。パンフレットを入れる袋、テレカももらった。探せばどこかに保管しているはずだ。ヘプバーンは他の物件にも起用されているはずだが、どこだったか思い出せない。
米倉涼子さん、モックン(本木雅弘氏)、オダギリジョー氏などはよく知らないので集客効果を疑った。スタイルのよさが強調された米倉さんのポスターに目を見張ったが、オダギリジョー氏は小田原城かと思ったほどだ。
石川遼氏はイメージキャラに起用された途端成績が落ちたのも印象に残っている。地所の幹部が嘆いていたのも思い出す。
このほかにもタレントマンションはかなりありそうだが、残念ながら記憶がない。
大和ハウス 再生可能エネルギー100%の街づくり「船橋グランオアシス」完成(2021/4/2)
4LDKは最高15倍 コロナ禍で驚異的売れ行き 東武鉄道他「流山おおたかの森」(2020/8/25)
東京建物・東武鉄道「ブリリア有明スカイタワー」モデルルームを披露(2009/12/14)
〝ハッとしてお台場、グッときて銀座〟〝トシちゃん〟マンション アップルタワーに注目(2005)
〝オーベル〟並みの住戸も 坪1.7万円 大成有楽不の賃貸「浅草橋」

「TERRACE(テラス)浅草橋」
大成有楽不動産は1月12日、同社の賃貸マンションブランド「TERRACE(テラス)」の「TERRACE(テラス)浅草橋」をメディア向けに公開し、1月14日から入居を開始すると発表した。
物件は、JR・都営浅草線浅草橋駅から徒歩2分、JR浅草橋駅から徒歩3分、台東区柳橋1丁目に位置する13階建て全90戸。間取りは1K~2LDK(専用面積25.44~50.88㎡)、賃料は103,000~265,000円。管理費は12,000~20,000円。竣工は2022年12月。施工は大成ユーレック。
同社の分譲マンションブランド〝OBER(オーベル)〟のオリジナル収納〝O-range STORAGE(オレンジ収納)〟を初めて賃貸で採用(一部)したほか姿見、コートフック、ソフトクローズ機能付き引き戸・開き戸、物干しポール、人感センサー玄関照明、Wi-Fiを装備。リビング天井高は2~11階が2450ミリ、12~13階は2500ミリ。12・13階の6mスパンの50㎡の住戸(6戸)はエリアの最高値となる賃料261,000万~265,000円(坪1.7万円)。フィオレストーンキッチン天板、食洗機、ハンスグローエ水栓、14×18浴室など、〝オーベル〟並みの仕様となっている。
このほか、共用施設・設備として1階に約30㎡のラウンジ、屋上にはテラス(ともに利用時間は8:00~24:00)を設置したほか、全戸分の無料駐輪場や宅配ロッカー、バイク置き場、駐車場など。
同社投資開発事業部事業室(第二)次長・前田慶介氏は、「リーシングはこれから本格的に開始しますが、直前の三連休で約40件の来場があり、募集開始して4日間の内覧会で17件の申し込みが入りました。極めて順調なスタートが切れた。平均賃料は16,600円」と語った。
同社の資料によると、「TERRACE」シリーズは2014年竣工の第一号の「上石神井テラス」からこれまで22物件が竣工・着工済み(1,059戸)。

屋上テラスからはスカイツリーも眺望できる

物干しポール(家事労働をしたことのない人はこの価値が分からない)
◇ ◆ ◇
前田氏から微に入り細を穿つ説明を受けた。以下、記者のやり取りの一部を紹介する。( )が記者。
(これ、分譲にしたら単価はいくらですかね)
「わたしは分譲担当でないので…」
(坪430万円でどうですかね)
「そんな安値では売りませんから」と前田氏ではなく記者もよく知るI氏
(なるほど、ならば坪450~475万円でどうですかね。500万円は無理なような気がします。わたしは売る自信がない)
「どうですか。この50㎡の中住戸。スパン6mですよ、キッチンはフィオレストーン、水栓はハンスグローエ。2畳大のワークスペース付き。浴室も1418。オーベル仕様かそれ以上」
(わたしは「築地」を観ていますからね。あれは最高によかった)
「この屋上テラスからはスカイツリーも富士山も見えますから…」
(タバコは? 酒は飲めないの? )
「禁止です」
(ペットボトルに酒を入れて持ち込んだら…)
「騒がれると問題になるでしょうから、大人の対応で…」
(このエントランスの有孔ブロックはいいね)
「そうでしょ。ブロックそのものは高くありませんが、基礎の部分にお金がかかりました」
(浴室にタオル掛けが付いているのはきちんと書きますから。最近の郊外マンションは1本も付けていないのが多い。浴室にタオル掛けは必要だと思いません? 前田さんは独身? 奥さんと一緒のタオル使います? )
「既婚です。かみさんと一緒のタオルでもわたしは構いませんが…」
(うちはひどいもんですよ。わたしのタオルは何年もつかっているガバガバのもの。ふかふかのよりよく拭けるとは思うんですが…。かみさんはきっとふかふか)
(浴槽を取り払ってシャワー室のみという提案はどうですか)
「以前検討したことがあるんですが、コストは浴槽付きの倍だったのでやめました」
説明はものすごく分かりやすかった。これが分譲だったら、ものの1~2分で設備仕様レベルを判断し、売れる単価もはじき出せる自信があるのだが、そもそも賃貸マンション市場はあまり取材したことがないし、同社の賃貸を見学するのは初めて。設備仕様レベルが他と比べていいのか悪いのかさっぱりわからない。
賃料は正直高いと思ったのだが、高いからこそ賃貸脱出派が分譲マンション市場を支えているのだから、なんとも言えない。本来は分譲であろうと賃貸であろうと、戸建て、マンションの別なく自由に選べるのがあるべき姿だと思うが…。

エントランス
樹脂サッシ、ミストサウナ…水準以上大成有楽不のコンパクト「両国」(2022/4/25)
大成有楽不動産「銀座築地」同業他社に一括売却か(2019/11/27)
管理適正評価、長寿命化税制に期待 マンション管理協・高松理事長 賀詞交歓会
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高松氏
マンション管理業協会は1月12日、令和5年新年賀詞交換会を開き、同協会理事長・高松茂氏(三井不動産レジデンシャルサービス会長)は次のように挨拶した。
皆さんあけましておめでとうございます。
理事長の高松でございます。
年頭に当たり新年のご挨拶を申し上げます。
まず、本日は3年ぶりの賀詞交歓会に、斉藤鉄夫国土交通大臣をはじめとする国会議員の先生方そして国土交通省をはじめとする多くの関係者の皆様にご臨席いただき厚くお礼を申し上げます。
丸3年となるコロナ禍は、日本政府の舵取り、医療関係者の努力により、経済活動が緩やかに再開しつつあります。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻による資源価格の高騰など、コスト上昇圧力が、当業界含め、今後の国内経済の課題となっています。
マンション管理につきましては、昨年は大きなトピックスがあった年でした。まず昨年4月に国の管理計画認定制度が施行されました。
認定制度の目指すところは、適正な管理・修繕の実施により、マンションストックの長寿命化を図ることにあります。さらに12月には、同認定を受けたマンションを対象とした「マンション長寿命化促進税制」が与党税制改正大綱に盛り込まれました。
当協会がかねてより要望を続けていた事項が初めて取り上げられたものと理解しており、ご尽力いただいた先生方、国土交通省はじめ関係者の皆様に深く感謝しております。
次期通常国会で関連法案が成立した暁には、本税制を管理組合に適切に説明することで、将来に向けた修繕積立金の積み増しが可能となり、適時必要な修繕工事の実施につながるものと、大いに期待しているところでございます。
また、当協会は、認定制度と同じく昨年4月にマンション管理適正評価制度を始動させました。
評価制度は、管理組合が管理の状況を毎年チェックし等級評価するもので、いわば人の健康診断と同じく良いところ、悪いところを自己確認していくものです。
令和5年1月5日時点で215件の登録があり、協会HP上で情報を公表しています。また、不動産ポータルサイトや流通事業者のHPともリンクしています。
この「管理の見える化」によってマンションの良質な管理が、資産価値、居住価値の維持・向上にも繋がって行く大事な制度と考えています。
当協会は、評価制度の社会的定着に向け、令和6年度末までの3年間で1万件を超える登録を目標とする機関決定を行いました。
この実現に向け、今後、評価制度の適正かつ円滑な運用のためシステムの改善を継続して参ります。
また国の認定制度と評価制度の一括申請を可能とするワンストップサービスを実施しておりますが、より申請者や地方公共団体が利用しやすいよう改善を図って参ります。
合わせて評価制度の登録促進に有効な損害保険のインセンティブの実現に向け、引き続き関係機関との折衝を進めて参ります。
建物と人、いわゆる2つの高齢化は待ったなしの状況です。築40年以上のマンションストックは2021年末現在で115万戸、10年後には2.2倍の249万戸、20年後には3.7倍の425万戸に急増する推計もあります。
ここに住まう居住者の方々の高齢化も進んでおり、役員の担い手不足による組合運営の機能不全、積立金不足により適切な工事の未実施からなる建物の不具合の進行など、ソフト、ハード両面からの管理不全が懸念されます。
このため当協会は管理組合活動をサポートするマンション管理会社の団体として、管理組合運営を円滑化するための諸施策を強く推進して参ります。
一方、従前より申し上げているマンション管理業界の成長発展と社会的評価の向上、業界従事者の処遇の改善と社会的地位の確立については、評価制度による業務の「見える化」の推進、適切な業務水準の確保と幅広い人材活用ならびにDX化も視野を置いた、標準管理規約、標準管理委託契約書の改正について関係機関との協議を進めて参ります。
また社会的評価の向上は業界の信頼確保と表裏一体のものです。このため協会の基幹業務である会員会社のコンプライアンス体制の整備、各種試験講習の的確な運用、厳正な入会審査と与信管理の徹底等、web化を含め進めて参ります。
当協会は本年も様々な課題に積極的に取り組んで参ります。
そして、こうした諸施策を次期中期事業計画としてまとめ、令和5年度より実施して参ります。
結びに、関係各位の協会活動への一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝、またご活躍を心よりお祈り申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。
「HARUMI FLAG」最終章のタワー棟分譲へ 光井純氏「街」について語る

「HARUMI FLAG」メインストリート
三井不動産レジデンシャルなど「HARUMI FLAG」の売主10社は1月10日、「HARUMI FLAG」の最終章となる総戸数1,455戸の50階建て超高層ツインタワー「HARUMI FLAG SKY DUO」のメディア発表会を行い、マスターアーキテクトとして街全体のデザインを統括する光井純氏(光井純アンド アソシエーツ建築設計事務所代表取締役)と、タワー棟のデザインを担当する同社上席執行役員・緒方裕久氏が参加したトークセッションを行った。
発表会ではタワー棟の概要について、三井不動産レジデンシャル都市開発三部事業室・古谷歩氏が説明。
名称は「HARUMI FLAG SKY DUO」に決定し、東京最前列にふさわしい、今後のタワーマンションをけん引する、新たな一対のランドマークトなるようデザインしたと切り出し、建物は免震工法を採用、48階にはスカイラウンジ、ゲストルームを配置し、多様性を実現するため居住者だけでなくゲストも利用できる施設を整備、専有面積は40㎡台から100㎡超で、プラン構成は1LDKが61戸、2LDKが352戸、3LDKが1,042戸。リビング天井高2600ミリ確保して間取りの更新性を高め、メーターモジュールの廊下幅、長期優良、わが国初の蓄電池とエネファーム全住戸に設置、低炭素住宅認定、49・50階のプレミアム住戸には全館空調システムを採用するなどと話した。
4月上旬にモデルルームを公開、第1期の販売を6月下旬に予定しているとした。価格は未定で、4月に発表する。
物件は、50階建てSUN VILLAGE(733戸)とPARK VILLAGE(722戸)のツインタワーで、SUN VILLAGEの専有面積は49.38~145.54㎡、PARK VILLAGEの専有面積は47.74~161.12㎡。竣工予定は2025年秋。設計はSUN VILLAGEが三菱地所設計、前田建設工業、PARK VILLAGEが日建ハウジングシステム、三井住友建設、施工はSUN VILLAGEが前田建設工業、PARK VILLAGEが三井住友建設。

完成予想図

古谷氏
◇ ◆ ◇
トークセッションは、光井氏と緒方氏、三井不動産レジデンシャル都市開発三部事業室・高木洋一郎氏と同室・廣瀬俊輔氏の4氏で行われ、約1時間30分にわたり「SKY DUO」に込めた思いや「HARUMI FLAG」全体の街づくりなどについて語り合った。
光井氏は冒頭、廣瀬氏の問いに答える形で、かつてフランスのパリ博では都市軸をつくり、その中心部にシンボルとしてエッフェル塔を設置したことを紹介しながら、「今回のプロジェクトは、パリ博に負けないくらい大事な都市・街の開発であると考えている。『HARUMI FLAG』の最大の特徴は、非常に大きな敷地を一気に開発することができた。そしてまた、一気に開発するためには強いコンセプトが必要であったが、考えたのは都市軸。既存建物などがある内陸部では実現できない都市軸をつくることで、1キロ先、2キロ先の地球規模の空間を体験することができるデザインにした」と話した。
緒方氏は、デザインコンセプトであるわが国の伝統的なデザインを踏襲することについて、能の二人静の紫の色を盛り込んだことなどを紹介し「東京のビューを手中に収めることができる誇り高いタワー棟をデザインすることができた」と語った。
そして、最後に光井氏は「地下に駐車場を設置し、無電柱化も図ったので、地上部分は緑に覆われている。数値としてのSDGsはもちろん、視覚環境、体感環境として、快適な空間と空気、光を東京でもっとも感じていただけるはず」と締めくくった。
記者はトークセッションをワクワクしながら聴いた。とても分かりやすかった。聴きながら、この種の「住宅都市」の好事例である「幕張ベイタウン パティオス」や「ベルコリーヌ南大沢」と比較した。「南大沢」は施工不良が問題になったが、街づくり・デザインは双方とも素晴らしい。光井氏が力を込めたように「HARUMI FLAG」はまた異なるような気が気がする。「ここでしかできないデザイン」にしたのだろうと得心した。

トークセッション(左から廣瀬氏、高木氏、緒方氏、光井氏)

光井氏(左)と緒方氏
◇ ◆ ◇
記者は、光井氏のファンの一人だと自認している。最初にデビューされた物件は何だったのか思い出せないのだが、2013年以降の10年間の間に「光井純」に関わる記事を何本書いたか、RBAタイムズの「こだわり記事」で検索したところ35本がヒットした。
この35本がどのような意味を持つか、読者の方には伝わらないだろうから、他のワードと比較した。以下に列挙する。
・三井不動産 1,000件超※①
・三菱地所 1,000件超※①
・野村不動産 959件
・積水ハウス 712件
・ポラス 686件
・住友不動産 543件
・東京建物 533件
・旭化成ホームズ 517件
・長谷工 497件
・ミサワホーム 496件
・大和ハウス工業 487件
・東急不動産 437件
・リスト 357件
・オープンハウス 343件
・ナイス 333件
・コスモスイニシア 330件
・鹿島建設 275件
・大京 238件
・三菱地所ホーム 225件
・ケイアイスター不 178件
・サンフロンティア不 172件
・小田急電鉄・不動産 166件
・大成有楽不動産 165件
・明和地所 153件
・総合地所 131件
・三井ホーム 116件
・伊藤忠都市開発 115件
・アキュラホーム 115件
・モリモト 112件
・大和地所レジデンス 103件※②
・日鉄興和不動産 103件
・隈研吾 100件
・飯田建設グループ 87件
・NTT都市開発 61件
・菰田正信 61件
・吉田淳一 43件
・安藤忠雄 39件
・青木茂 37件
・光井純 35件
・吉永小百合 32件
・沓掛英二 29件
・芳井敬一 29件
・仲井嘉浩 28件
・岩沙弘道 26件
・アーキサイトメビウス24件
・坂茂 14件
・山本理顕 6件
※①1,000件を超えるとカウントされない※②大和地所レジデンスは日本綜合地所の記事も含む
皆さんいかがか。長々と書いてしまったが、ここを入れたらあそこはどうかと考えたら次々に入れざるを得なくなった結果だ。抜けているデベロッパーもほかにあるかもしれない。
リスとは、小生の主な取材フィールドは分譲マンションや分譲戸建てなので、その事業を展開している住宅・不動産会社が上位に並び、RBA野球大会でお世話になっている会社が多いのは記者の好みの反映だ。
注目していただきたいのは、個人名で検索した結果だ。菰田正信氏、吉田淳一氏、沓掛英二氏、芳井敬一氏、仲井嘉浩氏、岩沙弘道氏は業界・企業トップとして会見の回数が多いことと、記者の嗜好だ。
自分でも驚いたのは、建築家の隈研吾氏が実に100件も入っていることだ。これは〝木造ファン〟の記者が何かにつけ隈氏を取り上げるからだ。建築家では、安藤忠雄氏は隈氏の半分以下の39件で、その次は「リファイニング建築」の青木茂氏の37件。そして光井氏の35件と続く。光井氏は女優の吉永小百合さんの32件とほぼ並んでいる。ここが大事なことだ。(吉永さんの次位が沓掛氏とは。これはもう笑うしかない。沓掛氏も大満足のはずだ)
なぜ吉永さんかというと、記者が好きだからで、建築物の美しさを形容する形で、ご本人の了解は得ていないがよく名前を使わせていただいている。問題はないはずだ。共通するのは〝美しい〟ということだ。
光井氏はトークセッションで、「近景・中景・遠景がとても重要」と話したが、記者はその外観を遠くから見ただけでほとんど光井氏の作品であることが分かる。光井純=三井不動産レジデンシャルといえるほど記念碑的な物件も多く手掛けている。
デザインの特徴は、シャープで都会的であり、カラーリングではアースカラーのオレンジ、イエロー、赤などの暖色系を多用し、かつブルー、ブラウンなどの抑制的な色彩をマリオンに配したりしてバランスを保っていることだ。目立つのだが主張しないで周囲の街並みにしっくりと溶け合う-これこそ吉永さんではないか。こころの美しさが表情・外貌に現れる。
光井氏の作品(物件)でもっとも好きなのは「パークシティ大崎」だ。あの工場街のイメージを一新した。
そこで東京都と事業者にお願いだ。光井氏は「視覚環境、体感環境が大事」と話した。建物はほぼ完成しているのだから、メディアにも購入検討者にも現場見学会を行い、ランドスケープ・建物デザインを体感できるようにしていただきたい。
文句なしにいい 街づくり・基本性能 坪単価280万円か 「HARUMI FLAG」(2019/4/24)
街の価値を評価したい三井不動産レジデンシャル他「パークシティ大崎 ザ タワー」(2013/11/27)
隈研吾氏デザイン〝番町に負けない〟東急不 フラッグシップ「千代田富士見」

東急不動産は1月10日、隈研吾氏がデザイン監修した免震工法で千代田区初のZEH-Mを取得したフラッグシップ「ブランズ千代田富士見」を1月14日から販売開始すると発表した。同日、隈氏も出席した記者発表会を行った。
「環境先進マンション」のフラッグシップ物件と位置付け、建物は免震工法を採用し、千代田区で初の「ZEH-M Oriented」と低炭素建築物の認定を取得し、デザイン監修に世界的な建築家・隈研吾氏を起用しているのが特徴。
外観デザインは「豊かな緑の中に浮遊する厳かな石のヴェール」がテーマで、外構に自然石を用いているほか、ロビー・ラウンジの前には大きな水景を設置。さらに本物の石の質感を上層階まで設えていくことで、先進的なデザインを目指しているという。
主な基本性能・設備仕様は、免震、ZEHのほか、リビング天井高は2~15階のスーペリアが2750ミリ(16~18階のプレミアムは1フロア2戸で、専有面積は210㎡、リビング天井高は3000ミリ)、リビング・居室とも床暖房、挽板のリビング床、主寝室はオーク材のナグリ仕上げ(オプション)、ガス衣服乾燥機「乾太くん」、グローエ水栓、Miele食洗機、廊下幅1.2m、Low-Eガラス(プレミアムは二重サッシ・樹脂サッシ)、60cm角床タイル、框ドアなど。
このほか、駐車場は全戸分設置し、緑化率22%、コンクリート型枠合板に認証材・国産材)を使用。マンションギャラリーのジオラマ模型や建物模型作成を行わず、デジタルツインを活用したデジタルコンテンツによる接客など。
12月16日に物件ホームページを開設してからこれまで資料請求は約1,000件、2月までのモデルルーム見学はすべて満席。インナーセールで既に全住戸の4割が成約見込みとなっている。
記者発表会に臨んだ隈氏は、「ここには、落ち着いた歴史を感じさせる雰囲気がある。陰翳礼讃と言われているように、今回のために自然石を特別加工し、全面的に採用することで繊細な細かい陰翳、ヒダを演出し、ヒューマンスケールのデザインとした。これまで木を多用してきたが、最近は石にも興味があり新しいデザインとして使うようになった」と話した。
物件は、東京メトロ・都営新宿線九段下駅から徒歩5分、JR飯田橋駅から徒歩8分、千代田区富士見一丁目の第1種住居地域に位置する18階建て全69戸。専有面積は72.96~210.89㎡、坪単価は1,000万円強。竣工・引渡予定は2025年4月下旬。設計・施工・監理は東急建設。デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所。
現地は、九段下駅など7路線が利用可能な「千代田区富士見」エリアの高台に立地。暁星小・中・高校、お茶の水小学校(仮校舎)、フィリピン大使館公邸、野村不動産「プラウドタワー千代田富士見」などに隣接・近接。

隈氏
◇ ◆ ◇
モデルルームを見学してすぐ、同社が過去に千代田区番町で分譲した2物件を含め見学取材した30物件くらいの中で最高レベルだと確信した(免震&ZEHは千代田区内に1物件もない)。
隈氏のデザインによる総延長約35mの御影石張りの外構・エントランス、木調ルーバーパネル、水景を中心としたランドスケープデザインが圧巻だし、設備仕様レベルも極めて高い(もっと高いものもあったような気がするが)。鏡面仕上げの框ドアのデザインがいい(通常のドアの選択も可とか)。
坪単価は、「番町」(現在、三菱地所レジデンスが分譲中で、隣接地では三井不動産レジデンシャルが『ザ』を冠した『パークコート』を今春に分譲する)もあるので1,000万円弱と読んだのだが、甘かった。同社は敢然と挑戦するようで、坪1,000万円を超えると話した(隈氏を起用したのだから、それも理解できる)。上層階のプレミアムは1,500万円と聞いて、これは安いと思った。現地を観ていないのでよく分からないのだが、眺望がよければ坪2,000万円でも安いと思う。2住戸をセットで販売することも可能ということなので、1フロア丸ごとで約25億円。360度丸ごと所有できるのだから安くはないか。
記者は質疑応答で「総合的な評価は『番町』に負けないのではないか」と挑発的な質問をした。同社の担当者は「番町は邸宅街だが、当社の物件は利便性と再開発エリアという特性からして負けていない」と否定しなかった。
参考までに、坪単価470万円の「プラウドタワー千代田富士見」(306戸)は2007年に一挙販売され、平均2.9倍で即日完売している。2012年に分譲された三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザタワー」は坪単価476万円で、全505戸のうち425戸が億ションだったが、わずか10か月で完売している。
◇ ◆ ◇
もう一つ、この物件の特徴である容積率を消化しきれていない点について。現地は建ぺい率60%、容積率400%の第一種住居地域・文教地区に指定されているのだが、敷地の前面道路は6~7m弱であることから、容積率は約260%しか消化できていない。
これは地価の減価要因になるが、逆手にとれば〝売り〟にもなる。小生は、駅前などの商業エリアのタワーマンションよりも、少し奥まった住居系エリアのマンションのほうが住むにはいいと思う。バブル崩壊までの億ションはほとんど全て住居系エリアに立地していた。
ちなみに、千代田区には用途地域は第一種住居地域、第二種住居地域、商業地域の3地域が指定されており、第一種住居地域は皇居、日比谷公園、靖国神社、紀尾井町から富士見町にかけての一帯、容積率300%の地域は皇居、日比谷公園、靖国神社、紀尾井町の一部しかない。今回の物件と同じ容積率が400%のエリアは番町4~6番町もそうだ。
東京都の人口予測で、向こう40年間の2065年までに増加すると見込まれているのは千代田区のみで、中央区、港区、渋谷区、新宿区、文京区などは2030年から2045年の間にピークを迎えると予測されている。
このことを考慮すると、区内の主要エリアでマンションの坪単価が1,000万円を超えるのは当然か。
8物件目〝グラン〟「三番町26」 高値更新の坪1000万円前後 三菱地所レジ(2022/9/14)
これぞ正統派の億ション 話題の東急不動産「ブランズ ザ・ハウス一番町」竣工(2017/1/23)
東急不「BRANZ(ブランズ)」リブランディング 第一弾「四番町」
反響1万件!野村「プラウドタワー千代田富士見」(2007/5/17)
ひと・もの・かねの動きを一変 三井不動産「飯田橋」再開発が完成(2014/5/31)
江戸の「粋」と西洋の「エスプリ」を融合 三井不レジ「パークコート千代田富士見ザ タワー」(2012/11/5)

