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「イニシア和光」

コスモスイニシアが分譲中の「イニシア和光」を見学した。アドレスは「埼玉県和光市」だが、最寄り駅は板橋区の「地下鉄成増駅」で、隣接する公園とのとの生物多様性保全の取り組みを行い、居住棟と渡り廊下でつながっているクラブハウス付き共用ガーデンを整備しているのが特徴だ。

物件は、有楽町線・副都心線地下鉄成増駅から徒歩10分、東武東上線成増駅から徒歩13分、東武東上線和光市駅から徒歩21分、和光市白子2丁目の第1種住居地域、準住居地域に位置する敷地面積約3,839㎡、地下1階・地上8階建て全100戸。先着順で分譲中の住戸(6戸)の専有面積は68.3890.15㎡、価格は4,948万~6,558万円、坪単価は240万円。建物は202111月に竣工済み。施工は大豊建設。

20209月から販売を開始しており、現在、残りは28戸。来場者は約700組。購入者の約6割が30代のプレファミリーだが、単身者も約1割。居住地は和光市が10%、板橋区と練馬区が各15%、その他、同じような価格帯の都心から同心円状のエリアに広がっている。

現地は東京都板橋区と埼玉県和光市の都県境に位置しており、「大坂ふれあいの森」公園に隣接。

主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、食洗機、ミストサウナ、浴室タオル掛け2か所など。共用施設として多目的に利用できる約90㎡のクラブハウスと共用ガーデン「もりラボ」を整備している。

同社分譲事業部分譲一部プロジェクトマネージャー・宮川香織氏は、「購入者の方に評価されているのは、70㎡以上の広い3LDKと都心への交通利便性、5,000万円台の価格。近接する物件のほか、価格帯がほぼ同じの都心部から同心円状の城東エリアなどとも競合しています。広さを求める単身者の購入も約1割に達しています」と語っている。

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エントランスホール(木の香りと光の演出がなかなかいい。壁は左官仕上げ)

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クラブハウス

        ◆     ◇

 この物件について同社は竣工時にプレス・リリースを発表しており、記事にもしているのでそちらも参照していただきたい。これほどの規模で、別棟の約90㎡のクラブハウスを備えているのは価値がある。

 嬉しかったのは、浴室にタオル掛けが2か所ついていたことだ。同社はタオル掛け2か所を標準としているようだ。こういうところに企業姿勢が表れる。ミストサウナもついていたのには驚いた。

 宮川氏に聞けばよかったのだが、どうして物件名が「和光」なのかは不思議に思った。

 不動産公正取引協議会連合会の自主規制「不動産の表示に関する公正競争規約」の物件の名称の使用基準には、「当該物件の最寄りの駅、停留場又は停留所の名称を用いることができる」とあるように、デベロッパーはポテンシャルにもよるが、物件の名称を物件が所在するアドレスより最寄り駅名を使用するケースのほうが圧倒的に多い。

 典型的な例としては「ひばりヶ丘」がそうで、物件所在地は埼玉県新座市でも物件名に西武池袋線の「ひばりヶ丘」を使用するのがほとんどだ。ずいぶん昔だが、最寄り駅は東急東横線「二子新地駅」なのに、物件名に「二子玉川」を使ったマンションがあった。

今回のケースでは、記者が企画を担当したら「イニシア成増 和光の丘(あるいは森)」とでもする。公取規約に違反しないはずだ。「成増」と「和光」の訴求力は、「川口」と「赤羽」くらいの差があるのではないか。

本旨ではないので書かないが、マンション敷地と隣接公園の境には金網が張り巡らされていた。よくある光景だが、公園は地域居住者に開かれているはずなのに、どこも管理を優先して垣根を設け、居住者から遠ざけようとしている。

都市公園の利用実態調査報告などもほとんどない。国土交通省の平成26年度都市公園利用実態調査は273か所しかなく、しかもアンケートなどが主体だが、これによると「特に不満はない」は50%台で、街区公園、近隣公園などの公園利用率は10%前後にとどまっている。これを逆読みすると、都市公園を利用する人は利用想定圏内のわずか10%くらいしかいなく、しかも満足している人は半分しかないということになる。これが民間施設ならみんな破綻するのだが、指定管理者制度を導入しているのは46%しかなく、民間活力を活用しているのは18.2%しかない。

記者はコロナ禍でもっとも安心して飲食・喫煙できるのは公園だと思っているが、喫煙・飲食を禁止する公園はむしろ増えているはずだ〝そして誰もいなくなった〟に限りなく近づいている。その一方で、公園とマンション・施設との垣根を取っ払った事例の記事も添付する。

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浴室のタオル掛け

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渡り廊下(その後方左の白い建物がクラブハウス、右後方は市民にも公開しているガーデン。そのガーデンと公園の間には金網が張られている)

隣接公園との生物多様性保全の取り組み コスモスイニシア「和光」完成(2021/12/25

 

出来すぎだ!焼杉! 見どころ多い小田急バス×ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」(2021/10/7

「街のシンボルになる」来場者 公園との垣根なくしたフージャース「つくば」に感動(2021/4/28

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「ザ・パークハウス 川越タワー」

 三菱地所レジデンスは3月28日、2022年2月25日から販売開始した「ザ・パークハウス 川越タワー」(全173戸、うち募集対象住戸4戸)第1期1次~3次全98戸に登録申し込みが入ったと発表した。第2期は5月上旬の予定。

 同社は、①駅徒歩1分、川越市最高層タワーの希少性と資産性②川越駅西口の生活利便性の高さ、健やかな学びを育む文化・教育環境③免震構造、平均75㎡のゆとりある間取りなどが評価されたとしている。

 資料請求は約1,700件(2021年9月7日~2022年2月28日)、来場数は約500 件(2021年11月12日~2022年2月28日)、第1期1次~3次(98戸)の専有面積は44.36~117.16㎡、価格は4,588万~20,300万円。登録申込件数は107件、最高倍率3倍、平均倍率1.09倍。

 登録者の居住地は川越市38%が最も多く、次いで川越近接エリア(鶴ヶ島市、坂戸市等)25%、東京都18%、その他埼玉県18%。年齢層は20代~70代と幅広く、40代、30代が最も多い。職業は会社員・公務員が36%、経営者・会社役員が32%、次いで医師が15%。

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「ザ・ホール」

駅前の免震タワーは坪320万円 京王・聖蹟桜ヶ丘を抜き去る 三菱地所レジ他「川越」(2021/12/11)

 

 

 

 

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「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」(右側が「赤羽北ザ・マークス」)

 大和地所レジデンスは323日、分譲開始からわずか6か月で全89戸を完売した「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」が竣工したのに伴うメディア向け現地建物見学会を行った。駅から徒歩3分で坪単価300万円前後という立地・価格の安さが人気の要因だが、高さ規制がない工場地域立地を巧みに生かした天井高3m超のスキップフロア住戸、約20畳大の床下収納付きなど商品企画がユーザーに支持された。

物件は202010月から販売開始し、20213月までに全戸完売している。隣接する全96戸の「赤羽北ザ・マークス」は20219月に販売開始し、20222月までに完売。「フロント」と「ザ・マークス」の販売間隔は約6か月あるが、双方合わせて185戸をわずか1年余りで完売したことになる。

同じころに分譲された板橋区の三菱地所「ザ・パークハウス板橋大山楠ノ杜」187戸とともに城北エリアで圧倒的な人気を呼んだ物件だ。

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基壇部の植栽

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スキップフロア・ルーフテラス付き住戸

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床下収納・スキップフロア住戸

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 この物件と隣接する「赤羽北ザ・マークス」の現地・モデルルーム見学を含めて、今回が3度目の取材だ。物件特性などはこれまで書いた記事に修正を加える必要はないと思うので、そちらを参照していただきたい。

 完成した建物を見学して確認できたのは、記者はてっきり擬石だろうと思っていた外壁(マリオン)や外構には本物の自然石を用いていることだった。東邦レオが施工した外構の植栽もよくできていた。

 専有部では、案内役の同社建築企画第1部主任・山内康平氏は、「プレミアム住戸とスタンダード住戸で設備仕様レベルの差をつけていたが、スタンダードからプレミアム仕様に変更された方が目立った」と語った。

最初の取材では確認しなかった浴室のタオル掛けは2か所にきちんとついていた。ルーフバルコニーの人工芝は1㎡当たり約1万円する高額なものを使用していることも山内氏は明かした。

高さ740ミリ、広さ20畳大の床下収納は課題がないわけではない。高さは1歳児でも80cmを超えるそうだから、布団や衣服など軽いものはともく、大人が重い荷物を出し入れするのは相当骨が折れる。台車・滑車・リフトが必要かもしれない。

このことと関連するのだが、居住性能の高いマンションは床下やロフトの高さ規制1.4m以下を緩和し、容積率の割り増しを行うべきだ。

 嬉しかったのは、小生のブログ記事を購入者の方が読んでくださっていることを広報担当者から聞かされたことだ。小生は、独断と偏見に満ちた記事かもしれないが、一般の人が読まれても誤った選択をしないよう心掛けてきた。嘘は書いていない。これからもプロパガンダそのものの歯が浮くような、目を覆いたくなるようなパブリシティ記事など絶対書かないことを約束する。

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1階ラウンジ(外の水景の水音が聞こえるそうだ)

反響3000件超 ランドスケープ抜群 三菱地所レジ他「板橋大山大楠ノ杜」(2021/12/11

天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9

大和地所レジ 早期完売「フロント」 隣接の「赤羽北ザ・マークス」坪300万円超えるか(2021/8/4

「フロント」に続き「ザ・マークス」も分譲へ 大和地所レジ 必見の「赤羽北」(2021/7/14

 

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「プラウドシティ大津京」

 野村不動産は3月18日、琵琶湖に近い滋賀県大津市の分譲マンション「プラウドシティ大津京」が建物を利用する人々の心身の健康(ウェルビーイング)・快適性などに配慮した建築物として認定される「Fitwel(フィットウェル)認証」を取得したと発表した。

 同認証は、米国疾病予防管理センター(CDC)と米連邦政府一般調達局(CSA)が主導して2017年に開発したもの。わが国では2例目で、住宅での認証は国内初。

 12の評価項目のうち、評価の高かったのは、近隣の公共交通機関や商業施設、緑や遊び場の充実などの「立地・周辺環境の良さ」、EVホールのサインや階段のステッカー、階段の利用を促進する仕掛けなど「身体活動を活発にするための仕掛け」、ヨガスペースの設置、すべての共用スペースで自然を眺められる窓を設置などの「快適に住まうための共用スペース・サービス」の3項目。共用部には滋賀県産材のスギ材を多用している。

 物件は、JR湖西線大津京駅から徒歩11分の15階建て全357戸。専有面積は63.83~174.16㎡。竣工予定は2023年11月中旬。施工は長谷工コーポレーション。

 エントリー開始後1,000件超の反響があり、今年1月のモデルルームオープン後、360組の来場者を集め、2月下旬から販売を開始した第1期では100戸を供給。約7割の申し込みがある。購入者は地元大津市在住が4割で、京都や大阪府在住者の評価も得られているという。

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コーチエントランス(緑が本物だったら凄い)

 

 

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「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」

 三井ホームは3月17日、同社が設計・施工した木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」が、カナダ林産業審議会(COFI)主催の第4回「COFI 木造建築デザインアワード~Big & Tall Wood Challenge ~」を受賞したと発表した。

 受賞したのは、「ツーバイフォー工法を軸に、一般に流通する材料の組み合わせで構成した国内最高レベルの高強度耐力壁「MOCXwall(モクスウォール)」(壁倍率30倍超)を開発・採用するなど、我が国において希少な中層共同住宅の木造化促進に寄与する普及性の高いプロジェクトにより、木造マンションという新たなカテゴリーを生みだした点が高く評価された」ため。

 受賞したのは、このほか「中央区日本橋3丁目プロジェクト」(東京都中央区)、「髙惣木工ビル」(宮城県仙台市)、「ファミリーホスピス京都北山」(京都府京都市)、「桐朋学園宗次ホール」(東京都調布市)、「星野リゾート BEB5軽井沢」(長野県北佐久郡)、「日立建機株式会社土浦工場事務管理棟」(茨城県土浦市)、「流山市立おおぐろの森小学校」(千葉県流山市)。

外貌の呪縛を解き放つか 「現しを求めるのは木造コンプレックス」三井ホーム小松氏(2021/12/9)

賃料は「調布並み」でも申し込み殺到 三井ホーム「稲城」の木造5階建て賃貸(2021/12/9)

「木」の中層マンション「MOCXION(モクシオン)」第一弾 三井ホーム「稲城」見学会(2021/7/7)
 

 

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「レーベン東川口GRANDEST

タカラレーベンが埼玉建興とともに埼玉県内初のPPP(官民連携)分譲マンション「レーベン東川口GRANDEST」(143戸)を販売開始してから1か月が経過するが、販売は極めて好調に推移している。第1期分譲は全戸の5割程度の85戸を供給。驚異的な反響を呼んでいる。

物件は、東京メトロ南北線(埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線)・JR武蔵野線東川口駅から徒歩1分、川口市戸塚二丁目の商業地域(建ぺい率100総合設計により80%、容積率400%569%)に位置する敷地面積約2,109㎡の地下2階地上18階建て全143戸(他にキッチンスタジオ1戸、市行政施設1区画、交番1区画など)。次期分譲予定の第2期(戸数未定)の専有面積は56.1477.13㎡、価格は未定。建物竣工予定は202311月中旬。設計・監理はGA建築設計社。施工は埼玉建興。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン。昨年12月にモデルルームオープン。これまで全体の5割程度が進捗済。

現地は、駅前ロータリーに隣接。徒歩時間は駅から1分だが、歩けばほんの数十秒(30mくらいか)。従前は市営の駐輪場。

埼玉県内の分譲マンションとしては初の「PPP(官民連携)事業」であるのが特徴。20209月に実施された市のプロポーザルでは 、駅前広場の整備と市の行政施設、交番を設けることのほか、事業者は川口市に強い地元業者が求められたため、同社は川口市に本社を置き、共同事業の実績もある埼玉建興とともに共同提案した。

建物は地階が駐輪場、行政施設、タワーパーキングスペース、1階がエントランス、行政施設、交番、2階が行政施設、交番、3階以上が住戸で、ほとんどが南向き。プランは16戸が50㎡台、80戸が60㎡台、47戸が70㎡台。18階建てはエリア最高層。

主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、浴室テレビ、オリジナルウォーターシステム〈ルイックプロジェクト〉、共用部のキッズルームや屋上テラスを備えた「キッチンスタジオ」など。

販売担当の同社マンション事業本部営業推進本部 第1営業統括部 第1営業部次長・花田崇好氏は「販売価格や坪単価については、お客さまは納得されている。人気の要因は駅徒歩1分、南向き中心の配棟計画、デザインなどですが、やはり市が関与しているPPP事業であることの安心感が大きいですね。来場予約はいっぱいで、お客さま対応に追われています」と語っている。

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モデルルーム

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キッチンスタジオ

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花田氏も語ったように「東川口」駅圏ではこれまでのアッパー坪206万円をはるかに突破する値段だ。記者予想も大幅に外れた。

しかし、花田氏の説明を受け、モデルルーム(77㎡)を見学して、価格(単価)に納得した。川口駅の再開発物件は坪300万円をはるかに突破し、浦和駅では350万円超だ。「東川口」は商業施設が乏しいが、都心へのアクセスを考えると〝割安感〟はある。

立地条件も申し分ない。敷地南側には道路を挟んで市の駐輪場や民間の駐車場があるので何とも言えないが、3層以上は前建がなく開放感がある。駅前ロータリーもマンションの敷地同然だ。嫌悪施設などもない。

ひとつ書き忘れた。記者が褒めるのではない。パンフレットには同社のオリジナルウォーターシステムを絶賛する声がたくさん寄せられている。

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建設現場(商業地域立地だが、周囲に高い建物がないことが分かる)

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駅前広場(正面に建物が建つ)

決め手は3LDK70㎡超中心の企画 タカラレーベン「戸田公園」第140戸 販売好調(2020/11/18

 

 

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「レーベン福岡天神 ONE TOWER

福岡市の三菱地所他「光と風の広場」の取材を終えた310日夕、タカラレーベンとグループ会社のタカラレーベン西日本のグループ創業50周年記念物件「レーベン福岡天神 ONE TOWER」を見学した。敷地は6社による入札を競り落としたもので、広大な須崎公園の再整備エリアに隣接。「天神」アドレスは38年ぶりで最高層の免震、他を圧するモデルルーム提案などが評価され、これまで第1期100戸を供給。販売当事者も驚くほどの売れ行きを示している。

物件は、福岡市地下鉄空港線天神駅から徒歩7分、福岡市中央区天神5丁目の商業地域に位置する23階建て全153戸。専有面積は37.05142.99㎡。3月21日に再登録申し込みを受け付ける住戸(4戸)の価格は4,318万~5,528万円(専有面積42.68~58.39㎡)。竣工予定は20242月中旬。設計・監理はデベロップデザイン一級建築士事務所。施工は大豊建設。

グループとして福岡県内2棟目、福岡市内では初の供給物件で、モデルルームオープンは昨年12月。来場者はこれまで500件超。127日から販売を開始しており、310日現在、第196戸が成約済み。

敷地は3方に接道。従前の敷地は戸建てなどで、6社による入札で同社が取得した。「天神」アドレスのマンションは38年ぶり(九州産業研究所調べ)。敷地北東側は幅員15mの市道を挟んで敷地面積約4万㎡の須崎公園に隣接。同公園では、隣接する市民会館と一体的に再整備する事業が進行中で、約2,000席の大ホールを備えた拠点文化施設や芝生広場、レストランなどが計画されている。文化施設は20243月開業、公園は263月の供用開始が予定されている。

2階から16階までStandard floorは37㎡台と70㎡台が1スパン、40㎡台、50㎡台、60㎡台がそれぞれ2スパン。17階~21階までのPremium floor1フロア6戸で、それぞれ43㎡台、56㎡台、75㎡台、83㎡台、95㎡台、100㎡台。22階以上のExecutive Suite floor8戸は全て100㎡以上。

主な基本性能・設備仕様は、免震、二重床・二重天井、リビング天井高25502700ミリ、ディスポーザー、食洗機、オリジナルウォーターシステム〈ルイックプロジェクト〉など。共用部はウイ・アンド・エフ ヴィジョン監修によるラウンジ(1階)、スカイラウンジ(16階)、ゲストルーム(17階)など。

販売を担当するタカラレーベンマンション事業部 営業推進事業部 第1営業統括部 第1営業部1課長・松島勇一郎氏は、「当社の50周年記念にふさわしいフラッグシップマンション。モデルルームを見学される方は皆さん驚かれています。実需はもちろんセカンド、投資も少なくありません」と話した。

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エグゼクティブスィートのモデルルームLDK(壁面は大理石、テーブルは原価200万円、サッシの高いのも分かるはず)

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居室内装

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主寝室

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洗面(水栓はグローエ)

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スタンダードフロアの70㎡台のモデルルーム

               

九州圏のマンションは、建築家・磯崎新氏がコ-ディネートした「ネクサスワールド」と西鉄不動産のいくつかのマンション、熊本県の「くまもとアートポリス」(KAP)しか見学・取材したことはない。

今回は4度目の見学・取材だが、市場はさっぱり分からない。それでも数えきれないほど見学した同社のマンションの中では出色の出来で、50周年記念にふさわしい記念碑的なマンションだと確信できる。

2223階の「Executive Suite」仕様の100㎡のモデルルームの提案がいい。リビングのテーブルは原価200万円もし、大理石や鏡を張り巡らせた壁などオプション仕様だけで2,0003,000万円くらいするそうだが、レベルは首都圏の億ションに引けを取らないどころか、それ以上だと思う。富裕層の心を間違いなく捉える。

モデルルームは75㎡のタイプもあるが、こちらも首都圏で観る同社のモデルルームと同じだ。来場者は目を丸くするのは間違いない。

坪単価は〝書かない〟という約束だが、過去の福岡市内の供給物件の最高値を更新するそうだ。

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建設現場

公園が旅の目的になる わが国初のPFI事業 三菱地所他「光と風の広場」開業(2022/3/11

 

 

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「プレミスト新小岩ルネ」

 大和ハウス工業(事業比率55%)と総合地所(同45%)が明日3月5日から販売開始する「プレミスト新小岩ルネ」を見学した。駅から徒歩17分と距離はあるが、総武線沿線の〝駅近〟マンションと比べて、坪単価にして100万円前後の差があり、住居表示が「中央一丁目」であることからも分かるように、区役所、小中学校、商業施設などの生活利便施設が整っている。嫌悪施設もない。

 物件は、JR新小岩駅から徒歩17分(新小岩駅からバス約6分徒歩2分)、江戸川区中央1丁目の準工業・近隣商業・商業地域な位置する15階建て全122戸。第一期一次(40戸)の専有面積は65.49~78.66㎡、価格は4,588万円~6,888万円(最多価格帯4,900万円台・5,200万円台)、坪単価は260万円。登録受付は3月5日~6日、抽選日は6日。竣工予定は令和5年6月。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、企業の事業所跡地で、24時間営業のスーパー・西友に隣接しているほか、小学校は4分、中学校は3分、病院は4分、小松川境川親水公園は2分、区役所は3分。

 建物は1フロア3戸の南向きと、1フロア6戸の東向き2棟構成。住戸プランは60㎡台が70戸、70㎡台が52戸。主な基本性能・設備仕様は直床、リビング天井高は2450~2600ミリ、食洗機、浴室タオル掛け2か所など。共用施設としては、屋上緑化を施した屋上テラス「エアリ―テラス」のほか、最上階の「スカイラウンジ」、1階の「コミュニティラウンジ」 など。SDGsに貢献するためコンポストを提供し、バルコニーに置いて堆肥にできる取り組みも行う。

 販売を担当する大和ハウス工業・中川唯氏は、「沿線でたくさん供給されている〝駅近〟物件の坪単価は300万円をはるかに超えていますが、ここは駅から距離がある分、価格も抑えられています。3年前に当社が分譲した『プレミスト新小岩親水公園』のオーナー様たちは、流行に敏感でインテリアにこだわりを持たれる方が多く、そんな地元の皆様に評価いただけるよう、モデルルームにも力を注ぎました。リビング天井高(2500ミリ)は区内の他の物件より高くはあっても低くはないはずです」と語った。

 また、中川氏は電子錠を標準装備していることについて「この単価のマンションで着いているのは珍しく、区内の物件では他にないことも確認しました」と誇らしげに語った。

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新小岩ルミエール商店街

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小松川境川親水公園

◇        ◆     ◇

 このマンションについて両社は昨日(3月3日)、プレス・リリースを出した。そのままコピペしてもよかったのだが、そんな記事など何の「か・ち・も・な・い」と判断した。そこで、総合地所の広報担当の方に無理をいって、本日の見学が実現した。両社にお礼申し上げる。

 どうしてもモデルルームを見たかった理由はもう一つある。「プレミスト新小岩ルネ」という物件名に閃くものがあった。両社JVは初めてであり、「ルネ」もついているので、総合地所は単なる〝ぶら下がり〟ではなく、商品企画にもそれは現れているはずだと考えたからだ。

 その推測はズバリ的中した。坪単価はこれくらいだと思うが、72㎡のモデルルームはよくできていた。大和ハウスのオリジナル・オーダープラン「マイスタイルデザイン」を10階以上の住戸に導入するというのがその一つだ。

 それより記者が嬉しかったのは、浴室タオル掛けが2か所あったことだ。どんどん価格が上昇する一方で、いくらもしないタオル掛けが1つに減り、あるいは1つもついていない物件が増えていることを中川氏に話した。

 この点について、中川氏は「プレミストブラント向上のため、金額の高い低いで仕様設備に極端な差をつけるのはなくそうという動きが社内で出ています」と語り、タオル掛けは当初計画では1カ所だったのを2か所にし、今後は全ての物件に採用していくとのことだった。

 些細なことだが、こうしたデベロッパーの〝良心〟は消費者に響くと記者は確信している。先日見学した大成有楽不動産「オーベル習志野大久保」もそうだった。こちらも当初は1つだった「タオル掛けは2つ必要だね」と担当者同士で話し合って実現したと聞いた。拍手喝采。こうした動きが加速することを期待したい。

 これは、ゼネコンにもお願いだ。地価、建築費の上昇でデベロッパーからの〝価格下げ〟圧力が高まっているのは理解できるが、最小限必要なものは譲らないで頂きたい。コストを下げて粗利益率を高めても、売れなければ結局は利益率が下がることになる。その分だけブランド力の低下を招き、現場が苦労する。

 嬉しかったことは他にもある。建築現場の仮囲いに、江戸川区立第三松江小学校3年生が描いた図画が展示されていたことだ。数えたら138枚あった。素晴らしい作品ばかりだった。捨てないで額装でもして子どもたちにプレゼントしてはどうか。

 その小学校の校庭には河津サクラが咲いていた。♪ドキドキドン!一年生 ー サクラさいたら いちねんせい ひとりでいけるかな〜となりにすわるこ いいこかな♪-年甲斐もなく口すさんでいた。

 まだある。施工現場の仮囲いの中でタバコを吸っている人の姿が見えたので、「すいません、たばこ吸わせてもらえませんか」と声を掛けたら了承してもらった。図画の話やら最近のマンションの質が落ちていることやらのついでに、たばこのお礼に「長谷工さんの赤羽の施設はいいですよ」と話しかけたら、現場所長さんが「コムレジでしょ。見学を勧められているのですが…」と話した。所長さん、絶対見るべき。

 デベロッパーの皆さん、同業の記者の皆さん、どうですか。現場取材をするとこんな嬉しい体験ができる。見学会をどんどんやり、コピペを止めて街に出よう、現場を見よう!

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建設現場

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江戸川区立第三松江小学校3年生が描いた図画

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小学校に咲いていた河津サクラ

レンタブル比67% わが国初の社会人・学生・賃貸の複合 長谷工「コムレジ赤羽」(2022/3/2)

二重・樹脂サッシ&タオル掛け2か所に感動 大成有楽不「習志野大久保」1期1次即完(2022/3/1)

大和ハウス 販売好調の「プレミスト王子神谷」2期分譲開始(2022/2/19)

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「ディアナコートたまプラーザ」

モリモトが3月下旬に分譲する「ディアナコートたまプラーザ」(44戸)と「ピアース用賀」(35戸)に注目しており、モデルルーム見学をお願いしたのだが、コロナ禍でもあり、お客さん対応に限定しており、同業などからの見学申し込みを全て断っているとのことだった。物件概要、現地地図だけで判断して、人気化は必至だ。見学が可能になるころには完売している可能性が高い。

「たまプラーザ」は、東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分、横浜市青葉区美しが丘1丁目の第2種中高層住居専用地域に位置する6階建て44戸。専有面積は33.57105.39㎡。設計・監理はスペーステック一級建築士事務所。外観共用部デザイン監修はアーキサイト メビウス。施工は風越建設。

現地もモデルルームも見学していないので、いい加減なことは言えないが、間違いなくたまプラーザの一等地だ。坪単価は最低で430万円、平均すると400万円台の半ばか。同駅圏の最高値を更新するはずだ。端正な外観デザインが美しい。

「用賀」は、東急田園都市線用賀駅から徒歩2分、世田谷区玉川台一丁目の第1種住居地域、第2種低層住居専用地域に位置する6階建て34戸。専有面積は36.6478.78㎡。設計・監理はケプラー都市建築設計。デザイン監修は南條設計室。施工は新日本建設。

 こちらも立地はおおよその察しが付く。記者は2014年分譲の「ディアナコート用賀翠景」と2018年分譲の「ディアナコート用賀」を見学している。今回は「ピアース」なのでコンパクトが中心のようだ。坪単価は500万円を超えないとは思うが、超えても驚かない。

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「ピアース用賀」

プラン・デザイン秀逸 地所レジ、住友に勝てるか モリモト「ディアナコート用賀」(2018/3/6

自然素材が見事に調和 モリモト「ディアナコート用賀翠景」(2014/10/24

 

 

カテゴリ: 2021年度

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「コムレジ赤羽」

 長谷工コーポレーションは3月2日、わが国で初と思われる「社会人棟」「学生棟」「賃貸棟」からなる複合共創型レジデンス「コムレジ赤羽」が竣工したのに伴う記者内覧会を行った。赤羽駅から徒歩8分の全340戸で、レンタブル比率(有効率)は実に67%で、ICTを積極的に活用し、それぞれの棟が緩やかにつながる仕掛けが随所に施されている。建物の一部をRC造と木造のハイブリッド構造とするなど木質化の取り組みも行っている。付加価値の高いレジデンスだ。

 物件は、JR赤羽駅から徒歩8分、北区赤羽南二丁目の準工業地域に位置する敷地面積約5,197㎡、RC造8階建て(一部木造、鉄骨造)全340戸。竣工は2022年2月下旬。事業主・設計は長谷工コーポレーション。施工は長谷工・不二建設共同企業体。敷地は大日本印刷の施設跡地。

 「社会人棟」は全168戸で、専用面積は16.41~16.50㎡、賃料は107,000円/月、共益費は13,000円/月。シャワー室か浴室付き。

 「学生棟」は全112戸で、専用面積は13.50~17.85㎡、現在募集中の住戸(56戸)の賃料は80,000円/月~95,000円/月。シャワー室か浴室付き。

 「賃貸棟」は全60戸で、専用面積は29.20~58.54㎡、現在募集中(18戸)の賃料は128,000円/月~260,000円/月、共益費は24,000円/月~30,000円/月。食洗機を標準装備。

 貸主はいずれも長谷工ライブネットで、敷金・礼金・更新料は1か月(学生棟の礼金は150,000円)。家具・家電はベッド・チェア・エアコン・照明・冷蔵庫・電子レンジなど。インターネットは無料。契約は普通借家契約で、契約期間は2年間。

 地域や大学・企業とも連携したコミュニティ形成の取り組みを進めていくのが大きな特徴で、それぞれが緩やかにつながる共用部分に工夫を凝らしているほか、学習プログラム「GAKU家」を通じて様々なイベントを開催していく。

 また、顔認証、ランドリーの稼働状況、フィットネススタジオの混雑状況、CO2濃度確認、カフェテリア決済などICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)を積極的に採用しているのも特徴の一つ。

 内覧会で、同社都市開発部門不動産投資事業部事業部長・浅野武彦氏は、「2017年に当社の若手が取り組み始めたのに端を発している。『コムレジ』には、コミュニティとコンプレックス(複合)の意味が込められており、これまでにない『賃貸』のコミュニティをどのようにして育てるかをハード・ソフト両面で実現しようというプロジェクト。新しい試みとして一部木造化も図った。共用部の設備などはすべてコミュニティに欠かせないもの。当社が保有する施設でもあり、今後もどんどんアップデートしていく」と語った。

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ツドイラウンジ・パーティルーム

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エントランス

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中庭

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フィットネススタジオ

◇        ◆     ◇

 数えたわけではないが、浅野氏は数分間のあいさつの中で〝コミュニティ〟の言葉を5回は使った。いうまでもなく、わが国の格差社会はどんどん進行し、家族間のコミュニティすら希薄になっていることを考えると、浅野氏がコミュニティを強調するのは分からないではないが、言うは易く行うは難し。社員、普通の賃借人、学生が交じりあうことなど不可能ではないかと思った。これまで見学した集合住宅のうち、サ高住と賃貸マンションなど2つの組み合わせはあったが、今回のように3つが同じ敷地内に収まっているのは初めてだった。

 なので、同社に聞いたら、同社も「当社の調べでは他にはない」とのことだった。入居後1年経ってから、この共創プログラムがどのように評価されているか知りたい。

 内覧会では、入居者すべてが出入りできるエントランス、社会人・賃貸棟のみ利用可のエントランス、フィットネススタジオ(115㎡)、サウンドルーム(38㎡)、学生は立ち入れない飲酒可能のツドイラウンジ・パーティルーム(220㎡)、ワーキングルーム(10室)、ゲストルーム(23㎡、2室)、カフェテリア、共用ランドリー、シェアリビングなどの共用施設を見学した。

 その多彩さと広さに驚いたのでレンタブル比率(有効率)を聞いた。何と67%だった。このレンタブル比率が全てを物語っている。一言でいえば、極めて付加価値が高いということだ。分譲マンションだったら、坪単価370万円の価値があると思う。この高さをどうアピールできるか。

◇        ◆     ◇

 前段ですべてを言い尽くしたはずだが、木質化とリーシングについても触れたい。

 木質化は、学生棟の北東側の一部で行われており、1階はRC造、2階から5階までが木造のハイブリッド構造だ。構造柱(管柱)はスギ集成材、垂木はスギ製材、梁、大引、母屋はカラマツ集成材を採用している。

 もう一つ、カフェ棟の天井部分にはカラマツの不燃化を施した木ルーバーが使用されていたが、ルーバーの総延長は1,073.1mもある。カフェ内は木の香りが心地よかった。このカフェ棟と中庭を包み込むようなコの字型の住棟配置もいい。設計を担当したのは同社エンジニアリング事業部第一設計室だ。波を打つデザインもいい。

 社会人棟のリーシングでは、1フロア24戸に対して同じ業種は1つに限定しているとのことだ。なるほど。1フロアに競合会社の社員が入居したら企業も入居者も問題が起きたら困る。それを避けようということか。

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一部木造の学生棟(1階と2階以上では外観も異なるのが分かる)

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学生棟 シェアリビング

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カフェ棟(天井はカラマツ材のルーバー)

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カフェ棟

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