国分寺崖線に近接する1低層&全館空調採用 三菱地所レジ「等々力」分譲
「ザ・パークハウス 等々力」
三菱地所レジデンスは2月20日、国分寺崖線の南端の第一種低層住居専用地域に位置する「ザ・パークハウス 等々力」を3月上旬から第一期の販売を開始すると発表した。
物件は、東急大井町線等々力駅・上野毛駅から徒歩8分、世田谷区中町1丁目の第一種低層住居専用地域(1低層)に位置する敷地面積約3,625㎡、地上3階地下1階建て全39戸。専有面積は70.27~133.57㎡、価格は未定。施工は熊谷組。竣工予定は2025年2月上旬。
主な特徴は、①「等々力渓谷」に近接する風致地区に立地②大型犬飼育可能なプラン(6戸)を設け、ドッグパークやペットルームも設置③全館空調システム「マンションエアロテック」を導入④33%超を緑地化し、生物多様性保全のための取り組み「ビオネット・イニシアチブ」、ZEH-M Oriented の採用-など。
エントランス
外観
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昨年11月に見学取材した同社の「ザ・パークハウス 上野毛テラス」(29戸)もいい物件だったが、国分寺崖線がすぐそばで、1低層の全館空調付きであることを考えると、価格はこちらのほうが間違いなく高くなる。
等々力崖線がアプローチのマンションは過去に1件見たかどうかだ。真夏の気温は5~6度は低い。こんなマンションを買いたい。取材を申し込んで記事にしたい。受けてくれるかどうか。
民泊も可能 大和ハウス「沖縄」/増加する分譲ホテル・コンド リゾマンの行方は
「モンドミオ沖縄リゾート ライカムヒルズ」
大和ハウス工業は2月16日、民泊として賃貸が可能で二拠点居住も想定した沖縄県の分譲マンション「モンドミオ沖縄リゾート ライカムヒルズ」の第1期2次(20戸)の販売を2月17日から開始すると発表した。
物件は、沖縄県中頭郡北中城村に位置する敷地面積約5,204㎡、14階建て全129戸。専有面積は63.10~113.41㎡、第1期2次(20戸)の専有面積は63.22~113.41㎡、価格は3,938万円~1億4,098万円。竣工予定は2025年9月。施工は村本建設。
「モンドミオ リゾートスタイル」は、所有者が住宅宿泊事業者となり、民泊として賃貸が可能で、二拠点生活を前提としたセカンドハウス利用も可能。2024年1月20日から第一期1次として50戸を販売開始しており、契約者の約5割は首都圏を中心とした沖縄県外在住という。
現地は、中城湾を見渡す標高90mの高台に立地。県内最大の商業施設のイオンモール沖縄ライカム、中部徳州会病院、北中城村民体育館、ライカム煌保育園などが徒歩圏。建物は「ZEH-M Oriented」仕様とし、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」による第三者認証で最高等級を取得。管理会社が管理組合運営を行う「第三者管理方式」を導入する。共用施設としてゴルフシミュレーターを設置したゴルフラウンジやプレイラウンジ、BBQテラスなどを備える。
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同社は単価を公表していないが、価格からして坪単価は300万円台の半ばではないか。これが高いか安いかさっぱりわからないが、この種の民泊対応が可能な所有権付きマンションや分譲ホテル・分譲コンドミニアムが今後どうなるのかに興味がわく。
沖縄県では、サンフロンティア不動産が2021年2月に分譲コンドミニアムホテル「HIYORIオーシャンリゾート沖縄」(客室数:203室)を開業した。坪単価は350万円くらいで、開業時までにほぼ完売した。
このほか、サンケイビルと東急不動産は昨年12月、箱根町仙石原の「BLISSTIA(ブリスティア)箱根仙石原」63室(ホテルコンドミニアム38室、ホテルレジデンス25室)を開業した。2016年竣工の「フォーシーズンズホテルレジデンス京都」180室(ホテルゲストルーム123室、レジデンス57室)のレジデンスは現在13室が分譲中で、専有面積は83.64~130.28㎡、価格は4億6,380万~7億5,443万円だ。坪単価は1,800万円超だ。2019年12月竣工の「パーク ハイアット ニセコ HANAZONOレジデンス」(113戸)は現在、坪単価1,000万円以上で売買されているようだ。
今後の物件では、リストデベロップメントが2024年12月に長野県白馬村でホテルコンドミニアム「ラヴィーニュ白馬 by 温故知新」38室を開業する。専有面積は53.96〜144.89㎡、第1期(13室)の価格は8,350万円~2億7,340万円。坪単価は600万円くらいか。
また、ビーロットが箱根芦ノ湖畔に面した国立公園内の敷地面積約33,000㎡で「箱根芦ノ湖ホテルコンドミニアムプロジェクト」を推進している。ホテル(NAGAYA)53室とヴィラ(VILLA)21室で構成される。
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このような新しいタイプのホテル・マンションの台頭で、気になるのはバブル崩壊により市場が崩壊した首都圏近郊のリゾートマンションの行方だ。湯河原、箱根、熱海、伊東、下田、河口湖、軽井沢、湯沢、草津、鴨川…トータルすると数万戸に上るはずだ。空き家対策、二拠点居住と絡めさせれば復活・再生はあるのか。
リスト ホテルコンド「(仮称)ラヴィーニュ白馬by 温故知新」来冬開業(2023/12/13)
「駅徒歩5分以内」は坪492万円 4年前から66%上昇 長谷工総研「CRI」調査
長谷工総合研究所「CRI」最新号№546(2024年2月6日発行)の特集記事で、最寄り駅からの徒歩時間別分譲マンション単価の推移を示した図表に目が留まった。
図表は、首都圏の20階以上の超高層物件を除いたデータで、「駅徒歩5分以内」「駅徒歩10分以内」「駅徒歩15分以内」「駅徒歩16分以上・バス便」それぞれの㎡単価を07年から23年の17年間の推移をグラフ化している。
分譲平均価格は07年の4,644万円から23年は8,101万円へ74.7%上昇しており、専有面積圧縮が進行していることを考慮すると、坪単価の上昇率はそれ以上であることが予想されるのだが、「駅徒歩5分以内」の単価上昇が突出している。
詳しく見てみよう。07年は、「駅徒歩5分以内」は坪単価に換算すると198万円(図から推定、以下同じ)、「駅徒歩10分以内」205万円、「駅徒歩15分以内」161万円、「駅徒歩16分以上・バス便」165万円となっている。
その後、14年くらいまではいずれも横ばいか微増にとどまっているが、15年以降は著しく上昇し、とくに19年を境に「駅徒歩5分以内」の上昇幅が目立つ。23年は、「駅徒歩5分以内」492万円、「駅徒歩10分以内」360万円、「駅徒歩15分以内」271万円、「駅徒歩16分以上・バス便」261万円となっており、19年比の上昇率は「駅徒歩5分以内」が65.7%、「駅徒歩10分以内」が35.3%、「駅徒歩15分以内」が8.4%で、「駅徒歩16分以上・バス便」は1.1%マイナスとなっている(単価が下落した分だけ基本性能・設備仕様もダウンしていると思うが)。
分譲価格そのものは、19年から23年まで35.5%の上昇だから、「駅徒歩5分以内」がいかに著しく上昇しているかが分かる。
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駅距離によってこれほど単価差があることに注目したいのだが、その前に注意すべきことが一つある。データには、20階建て以上、いわゆるタワーマンション(タワマン)は含まれていないということだ。全供給量に占めるタワマンの比率はどれだけあるか知らないが、ひよっとすると4~5割くらいに達するかもしれない。ほとんどが駅徒歩10分以内で、単価も相対的に高いタワマンを含めたらデータは違ったものになるということだ。単価差はもっと拡大しているはず。同社がどうしてタワマンを除いたのか、これは分からない。
このことはともかく、これほどまでに単価が異なるのはなぜか。消費者の物件選好が変化したのか、それともデベロッパーの用地取得、戦略によるところが大きいのか。
コロナによって消費者の物件選好が変わったのかについては、正直よく分からない。変わったようで変わっていないとも読める。
例えば、SUUMOが2014年12月12日~2014年12月15日に行った首都圏在住者アンケート調査(有効回答400件)。物件選びで重視したポイントは1位:家賃・価格91.5%、2位:間取り82.0%、3位:最寄駅からの徒歩分数76.0%、3位:面積・広さ76.0%、5位:路線・駅やエリア74.5%、6位:立地・周辺環境74.0%、7位:通勤・通学時間72.0%、8位:築年数(新築含む)59.5%、9位:住戸の向き・方角59.0%、10位:設備・仕様58.5%の順だ。
一方、三菱地所ハウスネットが2022年6月10日~6月22日に行った「コロナ禍における住まいへの意識調査に関するアンケート」(調査数:2,239名)では、「特に考え方に変わりはない」は60.3%にのぼり、「スーパーやコンビニが近い場所に住みたくなった」16.7%、「自然・公園が近い場所に住みたくなった」15.7%、「駅から近い場所に住みたくなった」13.7%、「治安のよいエリアに住みたくなった」13.1%、「医療機関の近い場所に住みたくなった」11.7%、「自治体のサービスが充実したエリアに住みたくなった」10.7゜%、「郊外に住みたくなった」7.4%、「都心部に住みたくなった」7.15、「閑静な住宅街に住みたくなった」6.3%などが続く。(他の調査ではテレワーク用のスペースを求める声が多い)
このように、コロナ以前とコロナ禍で住宅選好に変化が起きたとは思えない。これほど駅距離によって単価差が激しいのは、〝駅近〟〝資産性〟を全面に打ち出した、マンションデベロッパーの牽強付会そのものの販売戦略が奏功していると判断せざるを得ない。
日照権はまったく考慮されず、用途規制もほとんどない〝なんでもあり〟の商業地域立地の物件よりも、広さやみどりを中心とする住環境を重視する消費者がもっと増えていいような気がするのだが…。小生が2018年に書いた「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の記事は却って〝タワマン〟ブームに火をつけることになったのか。
また怒り沸騰 「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(下)(2018/2/8)
住友不も反論「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(中)(2018/1/25)
羊頭狗肉だ「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(上)(2018/1/24)
関西初の木造マンション「MOCXION(モクシオン)」完成 三井ホーム
「MOCXION ESPOIR(モクシオン エスポワール)」
三井ホームは2月15日、関西エリアで初となる同社の設計・施工による3階建て木造マンション「MOCXION ESPOIR(モクシオン エスポワール)」が完成したと発表。同日、報道陣にも公開した。
物件は、OsakaMetro谷町線千林大宮駅から徒歩4分、大阪市旭区大宮3丁目の第2種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約763㎡、木造(枠組壁工法)3階建て延べ床面積約1,324㎡の全47室。専用面積は23.23㎡。家賃は非公表だが6万円前後になる模様。着工は2023年1月、竣工は2024 年2月。管理運営は学生情報センター。
構造躯体に237.2t-CO2(スギの木470本相当)の炭素を貯蔵しており、建物の劣化対策として耐震等級「3」、BELS評価の「ZEH-M Oriented」を取得、一次エネルギー消費量を20%以上削減。同社独自開発の「高性能遮音床システム「Mute(ミュート)」と、構造強度に優れた木質構造断熱複合パネル「ダブルシールドパネル(DSP)」、エントランスの壁、天井などにナラ材の木をそれぞれ採用している。
見学会で同社関西コンサルティング営業部営業グループ長・楢橋隆氏は「管理運営を担当する学生情報センターの意向も考慮し、エレベータは設置しておらず、部屋は全て同じタイプとした。コストを抑え、利回りを上げるために1時間耐火ではなく1時間準耐火構造としているのもポイントで、ZEH-M仕様は差別化につながるはず」と説明した。
エントランス
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これまで見学した「MOCXION」の「稲城」でも「四谷三丁目」でも「北千束」でもなかった。学生マンションだからそうなのだろう。管理人室もなければエレベータもなし。本物の木はエントランスの壁と天井、ベンチくらい。他は居室を含め「木」に見えるのは全て木調シート。居室の天井高は2400ミリ、キッチン(幅約1.2m)、洗面、浴室、トイレ付き。
もう一つ、これまで取材した女子学生会館や学生マンションとは異なるのも特徴だ。千林大宮駅圏には大阪工大キャンパスがあり、ターゲットは同大学の学生が中心になるようだが、男子、女子の入居区別はないという。
これは結構なことだ。〝爺さん〟〝婆さん〟は禁句のようだし、そのうち女流作家、処女作、女流棋士、女子会も死語となるのではないか。女郎花はほとんど絶滅した。(記者の好きな作家の丸山健二氏は「ブラックハイビスカス」で「不平等社会の陰画にほかならない法の前の平等」と喝破しているが…)
RC造とのコストについて報道陣から質問が飛んだ。同社はRC造とのコスト比較は行っていないと答えたが、間違いなくRC造よりは安いはずだ。建築費だけでなく、レンタブル比も90%を超えているはずで、かなり高い利回りが期待できるのではないか。延べ床面積が法定容積率を余しているのは、敷地条件や1時間準耐火構造としたのも理由の一つという。
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現地について、おやっと思ったことがある。駅前の幹線道路沿いの用途地域は商業地域のはずで、高層マンションなども建っていたが、表通りから一歩入った現地周辺の建物は「MOCXION」を含めてほとんど2~3階建てだった。低層の店舗や高層マンション、駐車場も点在していたので、第一種低層住居専用地域ではないことは理解できた(大阪市内には第一種低層住居専用地域は存在しない)。
後で確認したところ、現地は第2種中高層住居専用地域だった。にもかかわらず2~3階建てばかりというのは、道路が狭く土地も細分化されているからだろうが、〝なんでもあり〟の大阪の気質なのだろうか。
千林大宮駅前
三井不動産グループ初 木造4階建てカーボンゼロの賃貸「北千束MOCXION」完成(2023/9/6)
レンタブル比67% わが国初の社会人・学生・賃貸の複合 長谷工「コムレジ赤羽」(2022/3/2)
東急不 学生マンション第二弾「赤羽志茂」完成 利回り8%超か 年間1000戸へ(2019/2/28)
居住者の8割が高い評価 三井ホーム 木造マンション「四谷三丁目」アンケート結果
「MOCXION (モクシオン)四谷三丁目」
三井ホームは2月13日、4階建て木造マンション「MOCXION(モクシオン) 四谷三丁目」居住者を対象とした住み心地アンケート調査結果をまとめ発表した。総合的な住み心地については、全入居者15世帯のうち8割の12世帯が「満足」「どちらかといえば満足」と答えるなど、総じて高い評価が得られた。
調査は、猛暑が続いた昨年6~10月の夏の住み心地を聞くのが目的で、2023年10月13日~31日の期間にアンケート形式で実施。全15世帯から回答が得られた。設問は「満足」「どちらかといえば満足」「どちらともいえない」「どちらかといえば不満」「不満」の5択。同物件は昨年5月に竣工、6月16日から入居開始。同エリアのマンションの相場賃料より高く、賃貸市況の閑散期でありながら約1か月で満室となっている。
総合的な住み心地については、「満足」は27%、「どちらかと言えば満足」は58%で、8割以上が高い評価をした。「どちらともいえない」は20%(3世帯)だった。
「次に住まいを探す際、省エネや脱炭素をどのくらい意識するか」の設問では、「どちらかといえば意識する」が67%、「どちらかといえば意識しない」は6%だった。
「夏の夏の断熱性について」は、「満足」が27%、「どちらかといえば満足」が47%で、双方で7割以上が断熱性に満足している。「電気代があがった」という回答をした人はいなかった。「どちらかといえば不満」は13%(3世帯)だった。
「遮音性」については、一般的な木造賃貸では半数以上が上下階の遮音性に不満を持っているが、当物件では低評価は上下階で26%、外部・隣住戸に対しては13%にとどまり、高評価が過半を占め、低評価は3割未満だった。
デザインなどについては、外観デザインへの高評価は実に100%、木質感を演出するエントランスも9割以上が高評価という結果が得られた。
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アンケートに回答した居住者の入居前の住居がどのような形態だったかが不明なので何とも言えないが、総合評価で「満足」が27で、「稲城」の53%より低くなっているのは、木造に対する期待値が高まっているからか、それとも居住環境、広さ、家賃なども影響しているのか。
23区内初の木造マンション「MOCXION四谷三丁目」完成 三井ホーム(2023/5/24)
木造賃貸&ZEH-M 満足度は98% 三井ホーム「稲城」入居者アンケート(2022/12/3)
坪単価、成約価格とも2ケタ上昇 1月の首都圏中古マンション 東日本レインズ
東日本レインズ プレス・リリースから
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は2月13日、首都圏の2024年1月の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの取引件数は2,711件(前年同月比5.0%増)となり8カ月連続して増加。坪単価は250.7万円(同11.2%増)となり45か月連続、成約価格は4,860万円(同13.7%増)となり44か月連続でそれぞれ上昇した。専有面積は専有面積63.97㎡(同2.2%増)となった。
地域別動向では、成約件数は横浜・川崎市と神奈川県他以外の地域が前年比で増加し、東京都区部は8か月連続で前年同月を上回った。成約坪単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は45か月連続、横浜・川崎市と多摩は7か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建の取引件数は962件(同1.7%増)、価格は3,803万円(同0.6%減)、土地面積は142.22㎡(同6.4%減)、建物面積は102.96㎡(同1.1%減)となった。
地域別動向では、成約件数は東京都区部と多摩、千葉県が前年比で増加し、東京都区部は3か月ぶりに前年同月を上回った。成約価格は東京都区部と埼玉県以外の地域が前年比で下落し、多摩と神奈川県他は2ケタ下落となった。
坪単価399万円 圧倒的な割安感あり 野村不・阪急阪神不「平井」最終分譲へ
「プラウドタワー平井」
野村不動産・阪急阪神不動産が分譲中の「プラウドタワー平井」のモデルルームを見学した。2022年10月のエントリー開始から反響数は約4,900件、2023年1月からのモデルルーム来場者は約950件に達しており、2023年3月の販売開始から販売対象住戸268戸(未分譲23戸含む)のうち239戸(2月13日時点※)を成約済み。今月16日に受け付ける第5期23戸をもって販売を完了する予定で、極めて好調裡に進捗している。
物件は、JR総武線平井駅から徒歩2分、江戸川区平井五丁目の商業地域に位置する敷地面積約3,725㎡、29階建て全374戸(非分譲住戸106戸含む)。専有面積は25.93~120.59㎡、2月16日から申し込みを受け付ける第5期(23戸)の専有面積は52.96~120.59㎡、予定価格は6,200万円台~22,900万円台。2月13日現在※、先着順で分譲中の住戸(4戸)専有面積は93.55~120.59㎡、価格は13,488万~24,988万円。既分譲の坪単価は398.8万円※。建物竣工予定は2024年11月下旬。基本設計・実施設計・総合監修は佐藤総合計画。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。施工は前田建設工業。
現地は、JR総武線平井駅北口に位置する四方道路に囲まれた施行面積約0.7haの「平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」地内に位置。事業は、安全・安心な歩行空間の確保とマンションの供給を通じ、地域の先導的プロジェクトとして位置付けられており、地域の人が利用可能な集会実、防災広場などを整備する。2014年に組合設立、2020年に権利変換計画の認定を受け、2021年3月着工。両社は参加組合員として事業参画している。
建物は南北軸が長い長方形で、住戸は5階以上(28・29階はプレミアム住戸)。住戸プランは南東向きが1スパンのほか、南西・北西(角)、南西、南東・南西(角)向きと南東・北東(角)、北東、北東・北西(角)、北西向きがほぼ半々。主な基本性能・設備仕様は、免震構造、長期優良住宅認定(一部住戸除く)、二重床・二重天井、リビング天井高約2600ミリ(プレミアム住戸28階は約2700ミリ、29階は約2800ミリ)、ディスポーザー、食洗機、二重サッシ(一部除く)、ワイドスパン、幅広(約30cm)フローリング、御影石キッチンカウンタ-(プレミアム住戸はフィオレストーン)など。
共用施設は、3階にCOMMUNITY LOUNGE、STUDY ROOM、LIBRARY LOUNGE、LOUNGE、PLAY AREA、KID’S ROOM、25階にSKY LOUNGE、GUEST ROOM。このほか、このほか、1・2階は商業施設、3階は認可保育園、4階は自転車置き場。
販売担当者によると、2LDKは江戸川区、江東区を中心に集客できており、3LDKは二次取得層も多く、プレミアム住戸は地元の顧客が中心。10m前後のワイドスパン(約72㎡のモデルルームは約10.8m)が高い評価を得ているという。
低層部(完成予想図)
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この再開発計画が権利変換認定を受けた2020年の時点で、記者は坪単価は350万円と予想した。総武線の亀戸-新小岩間では再開発マンションだけでも5,000戸超が計画されており、野村不動産の記念碑的物件といえる「プラウドタワー亀戸クロス」(934戸)の坪単価370万円が上値圧力となると読んだからだ。
ところが、皆さんもご存じのように、2022年ころから都心・準都心のマンション単価が暴騰した。城西・城南はともかく、城北エリアも坪400万円をはるかに突破した。
城東エリアは、豊洲や勝どきの一部の物件を除き坪単価が400万円を突破した物件はないはずだが、「平井」は分譲前に坪400万円を突破すると上方修正した。
予想はやや外れた。既分譲の単価は398.8万円だ。東京駅まで7.5キロメートル圏、乗車時間にして17分のエリアの〝駅近〟マンションでこれほど単価の安い、しかも基本性能・設備仕様レベルが高いマンションは皆無だろう。最終期の50㎡台は6,200万円台(坪単価386万円)というではないか。プレミアム住戸には記者の背丈ほどあるオーダーメイドのタオルウォーマーが提案されていたのには驚いた。
総武線では今後、荒川を越える新小岩、小岩の再開発マンションなどが供給される(新小岩の駅周辺は江戸川区ではなくて葛飾区だが)。「亀戸」と「平井」の上値圧力がなくなるので、坪単価は400万円を超えるとみているのだが…。
※記事掲載は2月10日だが、その後、同社から修正依頼が入り2月13日時点とした。坪単価も当初は390万円としたが、399.8万円に修正した。
モデルルーム
SKY LOUNGE
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「平井」を含む江戸川区について。城東エリアに縁のない方は総武線の「錦糸町」「亀戸」「新小岩」「小岩」はよく知っていても、「平井」を知っている人は少ないのではないか。マンションの供給もこれまでそれほど多くなかった。位置的には亀戸駅から一駅先、新小岩駅の一駅手前で、江東区との区界を流れる旧中川と駅の東側に流れる荒川に挟まれたエリアだ。
駅を降りて街を歩くとすぐわかることだが、江戸川区の最大の特徴はみどりが豊富ということだ。物件ホームページには、23区の公園面積ランキングでは江戸川区は公園数515か所・総面積782.6haと1位にランクされている(2位は江東区の316か所・516.6ha)。公立小学校の数は23区トップで、公立中学校は3位、年少人口は3位となっている。
区のデータによると、平成30年のみどり率は30.8%と、23区平均の24.2%を上回っており、江東区の36.0%に次いで第2位だ。緑被率は18.5%で、20%を超える千代田区、港区、練馬区、世田谷区、杉並区などに及ばない中位クラスとなっている。
みとり利率は河川など水面を含み、緑被率は大規模公園などを抱える都心区が上位を占めているのでこのような結果になっているが、日常的に目にする街路樹の多さは江戸川区が他の区市を圧倒している。
一般社団法人・東京都造園緑化業協会の「平成30年度東京都緑化白書」によると、街路樹本数を区市ごとに見ると、もっとも多いのは江戸川区の約61,000本で、八王子市の約38,000本、世田谷区の約25,000本、足立区の約23,000本、江東区の約18,000本、府中市と町田市の約16,000本、大田区の約11,000本、葛飾区の約11,000本がベスト10。
人口1人当たりの街路樹本数は、トップが約8.9本の江戸川区で、以下、千代田区の約8.1本、八王子市と稲城市の約6.7本、府中市約6.2本、多摩市の約5.3本などが続く。
みどり率や緑被率とも関連がある第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域がない区は千代田、中央、台東、墨田、江東、荒川の6区で、建築規制が緩い準工業・工業・工業専用地域の割合は江東区は実に60.3%で、江戸川区は16.0%だ。緑環境に視点を当てた〝住みたい街〟ランキングをどこもやらないのはなぜだ。
1人当たり街路樹 最多は江戸川区の8.9本1本当たり維持管理費は1.5万円 (2022/8/17)
街のポテンシャル 劇的に変えた 野村不の商業施設「KAMEIDO CLOCK」4月28日開業(2022/4/26)
総武線(亀戸~小岩)の開発に拍車 再開発中心に5000戸超 「亀戸」の上値圧力も(2021/9/1)
圧倒的な価格の安さと平均74㎡の広さアピール 大成有楽不動産「平井」(2020/9/10)
〝駅近〟の半値か6掛け 駅徒歩22分(徒歩2分バス約11分) 大成有楽不「大宮」
「オーベル大宮プレイス」
大成有楽不動産が2月下旬に分譲予定の「オーベル大宮プレイス」を見学した。価格は「未定」だが、単価は浦和や大宮の〝駅近〟の半値か6掛けに落ち着く模様だ。駅西口から徒歩22分(バス利用:徒歩2分バス約11分)をどう判断するか。
物件は、JR大宮駅西口から徒歩22分(バス利用:徒歩2分バス約11分)、さいたま市大宮区三橋一丁目の第二種住居地域・第二種中高層住居専用地域に位置する5階建て全62戸。専有面積は55.00~83.69㎡、価格は未定。竣工予定は2025年1月下旬。売主は同社のほか三信住建。設計・監理はIAO竹田設計。施工はライト工業。
昨年11月からエントリーを受け付けており、これまで213件の反響がある。分譲開始は2月下旬の予定。
現地は、通勤時間帯には駅西口からバスが1時間に10~13本運行されているさいたま春日部線に接道。後背地は2~3階建て戸建て住宅街。結婚式場をはじめ、フレンチレストラン、ベーカリーカフェ、カルチャースクール、保育園が一体となった複合施設「三橋の森」が近接。
主な基本性能・設備仕様は、直床、食洗機、床暖房、オリジナル収納「O-range LABO」、ホームライブラリー、物干しポール、浴室タオル掛けなど。モデルルームタイプは66.99㎡の3LDK。
モデルルーム
マルチストレージ
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価格が高いか安いかは検討者が考えることだから深入りしないが、不動産情報サイトの〝住みたい街〟の上位にランクされる大宮駅圏の徒歩22分(バス利用:徒歩2分バス約11分)をどう見るかだ。近く分譲される駅東口から徒歩圏のマンションや、浦和駅前の再開発マンションの半値か6掛けになりそうだ。
利便性の高いマンションの価格はまだまだ上昇する気配を見せている。検討者は覚悟が必要だ。20坪で5,000万円台のマンションは郊外の一部に限られてきた。
現地
〝駅まえ海ちか〟 港区など〝セカンド〟ニーズが大半 NTT都市ほか「三浦海岸」
「ウエリス三浦海岸」
NTT都市開発(事業比率60%)とフージャースコーポレーション(同40%)が3月中旬に分譲する「ウエリス三浦海岸」を見学した。同駅圏では13年ぶりの新規販売(パンフレットには20年ぶりとあり)だそうだが、〝駅まえ海ちか〟がうたい文句。都内港区などに住むアッパーミドル・富裕層、テレワーク、セミリタイア層などの反響が多く、担当者は〝絶好調〟と話していた。
物件は、京浜急行電鉄久里浜線三浦海岸駅徒歩1分、三浦市南下浦町上宮田の第一種中高層住居専用地域、近隣商業地域(建ぺい率65.26%、容積率200%)に位置する16階建て全237戸。専有面積は62.09~86.14㎡、価格は未定だが坪単価は222万円になる模様。竣工予定は2025年8月下旬。設計・監理・施工は鉄建建設。
現地は、京浜急行電鉄のグラウンド跡地。タワーマンションの計画もあったが、地元居住者の反対運動があり実現しなかったそうだ。隣接地は京急ストア。
建物はL字型で、南向きが178戸、西向きが59戸。南向きは1階部分がハザードマップに該当するため住戸は2階以上。西側は1~7階。南向きは6階以上から三浦海岸が眺められる。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、食洗機、床暖房、浴室タオル掛けなど。共用施設はオーナーズラウンジ、屋上スカイテラス、オーシャンワークルーム(16階)、プライベートガーデンなど。コミュニティルームはボールネンド、TSUTATA、WTW、LOGOS、ForC、学研教室とコラボし多彩な施設とする。
NTT都市開発住宅事業本部事業推進部商品企画担当/営業推進担当統括マネージャー・菅谷将之氏は、「三浦海岸駅圏でのマンション分譲は13年ぶり。絶好調です。それほど宣伝していないにも関わらず、1月からの反響は1,500件。眺望のいい6階以上の角住戸を中心にすでに90件の要望を頂いている。もっとも反響が多いのは都内港区居住者で約3割。品川、大田区が続き、地元の三浦、横須賀は2割。南向きの5階以下と西向きの住戸がどうかですが、西向き住戸は3,500~3,900万円台に価格を抑える予定。第1期の戸数は未定ですが、反響の多さからして、慌てて売る必要はないと考えています」と話した。
プライベートガーデン
オーナーズラウンジ
モデルルーム
◇ ◆ ◇
三浦海岸のマンション・分譲戸建ては、バブルがはじける前までは結構取材している。記者は海好きで、取材のほかにも三崎口や油壷、観音崎まで足を運び、ホテル・民宿などに泊まり、美味しい魚を食べ、酒を飲んだ。海は半日眺めていても飽きない。心が洗われるような気がする。
菅谷氏から反響の約3割は港区居住者と聞きいささか驚いたが、湘南エリアの立地が良く、価格も高いマンションは同様の傾向を示しているので納得もした。単価は都心と比べ3分の1か4分の1だ。設備仕様レベルは高くはないが、セカンドと考えれば゛あまり関係ない。お金持ちは好きなようにするのではないか。
取材の帰り、都内なら価格は3倍しそうなマグロのカマを買った。河津桜もほころびを見せていた。記者もお金があったら、こんなところでゆったり暮らしたい。海が見えなくてもいい。7~8分もすれば海だ。菅谷氏に三崎口では富裕層向けのマリーナが整備中と聞いた。さもありなん。
現地(駅のホームから)
駅前で
分譲企画⇒バブル崩壊⇒ホテル⇒分譲コンバージョン リスト「三浦海岸」(2022/5/28)
郊外マンションも堅調な市場を形成するはず 旭化成ホームズの図表が示唆するもの
子世帯世代(30-44歳)の東京23区の2019年と2022年の転入転出状況の比較
旭化成ホームズは2月5日、二(2)世帯住(10)宅の日(2月10日)に向け、2月10日から全国の展示場にて二世帯住宅の相談ができる来場フェアを開催と発表。次のようにリポートしている。
コロナ禍以降、東京23区の人口の転入超過が減り、2021年には転出超過となりましたが、2022年には転入超過に戻っています。2022年の東京23区とそれ以外の東京圏(東京都下、埼玉県、千葉県、神奈川県)の年代別人口の転入超過数を見たところ、東京23区においては主に15歳~20歳代の大量の転入超過が全体として転入超過に転じた主な要因となっています。子育て期の子世帯世代の30~44歳については逆に転出超過であり、23区外の東京圏が転入超過であること、また同時に0~14歳でも同様の傾向がみられることから、子育て世代の都心から郊外への転出傾向は続いていると考えられます。
二世帯住宅の子世帯世代となる30歳~44歳の都心からの転出傾向はコロナ禍が起きた2020年から加速しています。東京23区のコロナ禍前(2019年)と後(2022年)の転入転出の状況を比較したところ、前者は60人の転入超過であったのに対し、後者は22,405人の転出超過であり、うち9割強が都下及び神奈川、埼玉、千葉の東京圏へ転出していました。
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コロナ禍で東京都の転入超過が減り、一方でさいたま市の人口増が日本一で、人口増加率は流山市が日本一になったことは知っているが、同社が公表した図表は今後の住宅市場を占う意味でとても興味深い。
先日(1月31日)、LIFULL(ライフル)の「2024年LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング(首都圏版)」発表会でLIFULL HOME'S総研副所長・チーフアナリストの中山登志朗氏は、「勝どき」など都心・準都心の割安価格のマンションが人気になった一方で、利便性がいい割には割安価格の郊外住宅も安定した人気があることから分譲住宅も賃貸住宅も「二極化」傾向にあると話した。
記者は、住宅選好の要因は人それぞれ千差万別なので、「二極化」と一言で市場を判断するのは控えたいが、郊外マンションや分譲戸建ての取材を通じて、商品企画を間違えなければ今後も堅調な市場を形成するとみている。
端的な例が大和ハウス工業の「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」だ。全481戸のうち390戸を約半数で成約した。残りは91戸だ。すさまじい売れ行きだ。日鉄興和不動産他「リビオシティ船橋北習志野」も第1期で販売住戸数販売住戸223戸の半数超117戸を契約したと発表した。
「北習志野」は見学していないが、野村不動産「オハナ北習志野」(241戸)や三交不動産「プレイズ船橋 北習志野」(96戸)などの取材で現地はよく分かる。駅前の住宅団地の建て替え事業だ。「昭島」もそうだが、街路樹が見事だったのを記憶している。単価は「昭島」が坪250万円、「北習志野」は坪220万円くらいではないか。
この先、郊外マンション単価は資材高騰の影響を受けてじわじわと上昇すねると思われるが、坪250万円以下に抑え、基本性能・設備仕様の手抜きをしなければユーザーの支持を得られると思う。戸建ても基本的には同じだ。企画力が問われる。