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 「HARUMI  FLAG」の板状型計上戸数は2,690戸で東急不動産の持分は12%-これまで杳として知れなかった「HARUMI FLAG」の事業主10社の持分のうち、東急不動産は12%であることが分かった。5月10日行われた同社の2024年3月期決算説明会で担当者が明らかにした。幹事会社の三井不動産(レジデンシャル)は「非開示情報なのでコメントできない」としている。

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 この日(10日)、記者は午前中の旭化成ホームズ、午後は東急不動産ホールディングスの決算説明会を取材することになっていた。旭化成ホームズの決算説明会はこれまで何度も取材しているが、東急不動産HDは、国土交通省記者会で開催するので取材を申し込んだ。

 同省記者会を訪れるのは、耐震偽装にかかわる記者会見が行われたとき以来だから20年ぶりくらいだった。なつかしさかこみあげてきた。

 遅行指標の決算数字は予想されたことであるので、説明を聞いてそのまま帰ろうと思っていた。ところが、決算短信の「当期の分譲マンションは、『HARUMI FLAG』(東京都中央区)、『ブランズタワー大阪本町』(大阪府大阪市)を新規竣工引渡物件として計上した他、…」が目に留まった。

 そこで、ダメもとで次のように質問した。「『HARUMI FLAG』の計上戸数は何戸で、金額はいくらか、御社の持ち分比率は何%か。それと、都との契約では、利益が計画を1%でも上回った場合は協議を行い、利益は折半することになっているが、協議は行ったのかまだなのか」と。

 すると、同社担当者は「HARUMI FLAG」の板状型計上戸数は2,690戸で、持ち分は12%であると回答した。金額や都との協議については「担当者レベルではわかっているはずだが、ここではよくわからない」とのことだった。

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 これで十分。質問した甲斐があった。「HARUMI FLAG」の事業主は幹事会社の三井不動産レジデンシャルを筆頭に、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、東急不動産、東京建物、大和ハウス工業、住友商事、NTT都市開発、日鉄興和不動産の10社だ。

 東急不動産の持分が12%ということは、10社が均等割りでないことは容易にわかる。記者は同社と三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、東京建物は同じ比率、つまり12×5社=60%だろうと読んだ。三井不動産はこの4社を差別することなど絶対にないと断言できる。

 幹事会社の三井不動産レジデンシャルはその働き、貢献度からして最低で20%だと読み、30%はないだろうから約25%と踏んだ。切りのいいところで24%とすれば、残り16%を4社で割れば4%だ。これまた、三井不動産はこの4社を平等に扱うはずだ。同社のさすがなのはこういうところに表れる。

 この数値を板状型計上戸数2,690戸、1戸当たり平均価格7,500万円に当てはめれば、東急不動産は約323戸、242億円だ。同社の「住宅」セグメント売上高1,882億円(前期は1,463億円)の12.9%、「住宅その他」の計上戸数987戸(同508戸)の32.7%が「HARUMI FLAG」であると推測される。「HARUMI FLAG」は少なからず同社の売上げ、利益に貢献していることが分かった。

 これで取材の目的は達せられたのだが、この数字を補強するため、予定に入っていなかった三菱地所と三井不動産の決算説明会の取材を急きょ申し込んだ。

 快く(そうでなかったかもしれないが)受け入れていただいたので、東急不HDに対する質問と同じ質問をした。三菱地所は「確認します」「幹事会社の三井さんに聞いていただきたい」との回答で、三井不動産は「事業会社の持ち分比率は非開示」「都との契約についても非開示」とのことだった。もう1社にも電話で「公表できるのであれば教えていただきたい」と聞いたら「三井さんに聞いてほしい」とのことだった。

 都との協議に入るかどうかは、まだタワーマンションの引き渡しが済んでいないので決まるのは来年度以降になるのではないか。九分九厘、利益折半になると読んだ。

 

カテゴリ: 2024年度

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「デュオヒルズ青梅ザ・ファースト」

フージャースコーポレーションと大京が5月下旬に販売開始する「デュオヒルズ青梅ザ・ファースト」を見学した。青梅駅から徒歩1分の商・住・公の再開発マンションで、同駅圏では13年ぶりの供給。多摩川へも徒歩10分。価格はリーズナブルなもので、地元居住者を中心に人気を呼ぶ可能性が高いと見た。

物件は、JR青梅線青梅駅から徒歩1分、青梅市本町の商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)に位置する14階建て全112戸(うち権利者住戸2戸)。専有面積は51.3784.10㎡、価格は未定だが坪単価は210220万円になる模様。竣工予定は20262月下旬。設計・監理は南條設計室一級建築士事務所。施工はイチケン。販売開始は5月下旬の予定。エントリー数は地元を中心にこれまで500件超。

現地は、駅前の四方道路に囲まれた「青梅駅前地区第一種市街地再開発事業」地に位置。建物の1階は商業施設(11区画)、2階は公益施設(図書館の予定)。3階以上が住居で、標準階の住居は南向きが5戸(角住戸含む)、東向きが5戸(同)。

主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(一部2450ミリ)Arauラック(一部除く)、浴室タオル掛け2か所など。

同社管理本部企画総務部担当部長・友野珠江氏は「1月からのエントリー数は500件を突破しています。資材価格の上昇が続いていますが、商品企画には力を入れており、地元子育て世代からの強い『愛』を感じています」と語った。

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Arauラック

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お布団クローゼット

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基壇部

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 河辺駅に設けられているモデルルーム見学を済ませ、青梅駅に降り立った。現地から10数分かけて多摩川・釜の淵公園にたどり着いた。30年ぶりくらいだが、静かで美しい多摩川の景色が鮮やかによみがえった。水量は減ったように感じたが、霞がかかった新緑が視界いっぱいに広がった。風もなく、岩と戯れる水音とホトトギスのさえずりのほかに聞こえるものは一つもなかった。コンビニで買ったビールを飲みながら自然としばし会話した。

 釜の淵公園には「亀の井ホテル」(旧かんぽの宿)が隣接している。レストラン、カフェは営業していなかったので、売店で澤乃井の大吟醸と梅のつまみを買ってテラスで飲んだ。♪時は私にめまいだけを残してゆく だからワイングラスの角氷 眠りにつこうとする愛に ささやかないで♪-時間がたつのを忘れた。

 肝心のマンションについて。外観デザインがいい。基壇部には伝統工芸の「青梅縞」の藍色をモチーフにしたオリジナルタイルとガラスが採用されている。モデルルームに充てられている南東角住戸(84㎡)は立川だったら億ションになるはずだが、6,000万円台に収まるはずだ。同社オリジナルのArauラック付きの洗面室の提案やお布団クローゼット、ソフトクローズ機能付きの外付け引き戸もよくできている。東向きの51㎡のプランは間口が8620ミリ。廊下スペースを少なくし、機能的にできている。

 青梅線沿線では大和ハウス工業「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」(481戸)が人気になっているが、この物件とはまた別の魅力がある。「時の流れに身をまかせ」という歌があったではないか。

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現地(右側が駅舎)

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多摩川

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シラサギ

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亀の井ホテルからの眺め

〝東京の軽井沢〟レベル高い 「来年6月までに完売」あるか 大和ハウス「昭島」(2023/5/26

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 どこかのテレビは昨日、東京都23区の分譲マンションの平均価格が1億円を超えたと報じていた。バラエティ番組であれ報道番組であれ、記者はこの種の報道を見たり聞いたりするとうんざりする。ものにもよるが、「平均値」は落とし穴が隠されており、実態を正確に測るモノサシにはならないからだ。

 例えば、プロ野球選手の年俸。日本プロ野球選手会は毎年、支配下登録選手の年俸を公表しており、昨年は716人の平均年俸は4,713万円、中央値(358番目)は1,800万円と発表した。

 平均年俸と中央値にこれほどの差が出るのは、約100人と言われる1億円プレーヤーが平均値を高めているためだ。年俸200~300万円台の育成選手(今年は242名)を含めれば数値の乖離ははもっと大きくなる。(記者は、独立リーグを含めてプロ野球選手の最低年俸は大卒初任給の約360万円以上にすべきだと思っている。わがRBAの選手もプロ並みの700人はいるが、平均年収は700万円はあるはずで、某チームのエースは数千万円だとみている)

 似たような例では課税標準額がある。富裕層が飛びぬけて多い東京都港区の令和3年度の納税者一人当たり所得割額は約61万円だが、課税標準額が1億円超の納税者1,250人(全体の0.9%)の一人当たりの所得割額は約225万円だ。

 マンションの平均価格も同様だ。元データとなっている不動産経済研究所は、東京23区の供給量11,909戸(シェア44.3%)のうち「三田ガーデンヒルズ」を筆頭とする億ションは4,174戸(首都圏全体に占める割合15.4%、23区に占める割合35.0%)で、これが平均価格を押し上げたとし、首都圏平均は8,101万円、神奈川県は6,069万円、埼玉県は4,870万円、千葉県は4,786万円と発表している。

 つまり、値の幅が大きいものの平均値をとっても意味をなさないということだ。マンションの指標で重要なのは専有面積と坪単価だ。単身者向け市場は存在せず、共働きも少数派だったバブル前と市場は変わってはいるが、坪単価がどんどん上昇し、一方で専有面積圧縮が続く今のマンション市場を注視する必要がある。記者は、Wリビングを提案したコスモスイニシア「イニシアクラウド渋谷笹塚」や、長谷工コーポレーションが開発した「Be-Fit」は専有面積圧縮に対応するプランとして注目している。田の字型プランから脱却すべきだ。

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 価格動向もそうだが、今後の住宅着工動向に注視する必要がある。令和5年度の持家は前年度比11.5%減の219,622戸となり、月別では28か月減少しているが、これは今後も継続するのか、関係者の間で〝適地がない〟が口癖になっているマンションは郊外部の着工が増えるのか、いわゆるパワービルダーによる〝価格ありき〟の分譲戸建てはどうなるかだ。

 貸家が平成30年度から令和2年度まで減少したのは、明らかにレオパレス21の違法建築問題と金融機関の融資審査の厳格化によるものと思われる。その後は持ち直し傾向にあり、今後もしばらくは世帯数の増加が続きそうで、スクラップ&ビルドを繰り返しながら堅調な市場を形成するのではないかとみられる。

 問題は持家だ。減少率は2年連続して2ケタ台。建て替え需要は一定程度見込めるが、利便性を重視した高齢者世帯のマンションへの住み替え、新規需要層の所有から利用への意識の変化、今後需要が顕在化するZ世代の〝モノからコトへ〟志向などの懸念材料もある。漸減傾向に歯止めをかけられるか。

 分譲住宅はどうか。全国的には漸減しているものの、マンションと戸建ての合計では2年連続して持家を上回った。マンションは、札幌、仙台、広島、福岡などを中心とする地方圏での着工が目立つ。デベロッパーの供給意欲も高く、地方中核都市での着工は増加しそうだ。

 首都圏では、23区内では坪単価は400万円を超えつつある。平均的な勤労世帯の取得限界を超えている。大手デベロッパーによる再開発などによる富裕層向けは一段と活況を呈するとみられるが、広さを確保したいファミリー層向けの郊外が増えるかどうか。

 いま一つ読めないのが分譲戸建てだ。コロナ禍での予想外の人気は一巡し、供給トップの飯田グループの2024年3月期の決算はどの程度の着地をみるのか。結果いかんでは〝価格ありき〟の商品企画の見直しが迫られそうだ。

 しかし、その一方で三井不動産レジデンシャル、野村不動産などの大手デベロッパー、ハウスメーカーの高額戸建ては伸びる可能性が高いとみている。

 興味深いのは、埼玉県と千葉県の分譲住宅の着工戸数だ。マンションはあざなえる縄のように絡み合って推移しているが、分譲戸建ては埼玉県が千葉県を毎年4~5千戸上回り、令和4年、5年は神奈川県をも上回った。記者は、埼玉県を本拠にし、圧倒的なブランド力を持つポラスの数値の反映だと思う。同社は今後、都内西部エリアでのマンション供給を増やすとしている。〝ピアキッチン〟が目玉だ。台風の目になる可能性を秘めているとみた。

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令和5年度の住宅着工前年度比7%減の80万戸 2年連続減少持家、貸家、分譲とも減る(2024/4/30)

爆発的にヒットするか長谷工コーポの新提案「Be-Fit」総合地所「みのり台」(2024/4/11) 

Wリビングの提案がいい コスモスイニシア「イニシアクラウド渋谷笹塚」(2016/10/24)

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「パークホームズ城北中央公園」

 三井不動産レジデンシャルは4月30日、同社初のマンションの外装材に天然木を採用するなどバイオフィリックデザインをテーマにした「パークホームズ城北中央公園」の物件エントリーを同日から開始したと発表した。

 物件は、東武東上線上板橋駅から徒歩9分、板橋区桜川2丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する7 階建て全37戸。専有面積は54.10~85.68㎡、竣工予定は2025年4月下旬。設計・施工は安宅設計・埼玉建興株。「城北中央公園」へ徒歩4分の立地特性を生かし、外装材に天然木を採用し、ルーフバルコニーに1.5以上の樹木を植えられる薄型マットを採用するなど、バイオフィリックデザインの考えを取り入れているのが特徴。

 外装材には、兼松サステックの防腐・防蟻処理用木材保存剤「ニッサンクリーンAZN」で加圧式保存処理した国産スギ材に住友林業の木材保護塗料「S-100」を施した建材「SUSTIMBER(サスティンバー)」を採用。同製品は「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」でも採用している。

 また、37戸中7戸にルーフバルコニーを設け、ボスケが提供する5~15cmの薄さにも関わらず1.5m以上の樹木を生育することが可能な薄層緑化マット「安行四季彩マット」を分譲マンションで初めて採用。ガーデニングを楽しむことができる。

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 文句なしにいい。どれほど素晴らしいかは、同社の「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」の記事を読んでいただきたい。マンションの屋上に森を設けた旭化成ホームズ「アトラス江戸川アパートメント」が最高傑作だが、ルーフバルコニーに1.5m以上の樹木が植えられるマンションなど初めてではないか。モデルルーム見学を申し込んだが…。

建築家・藤本壮介氏「大屋根リング」意義を語る 三井不動産「木と生きるイベント(2024/4/17)

さすが三井不動産わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2019/11/13)

 

 

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「ソライエ新柏プレミスト」

東武鉄道(事業比率60%)と大和ハウス工業(同40%)が分譲中の「ソライエ新柏プレミスト」を見学した。駅から徒歩1分、東武ストアに隣接した四方道路に囲まれた一等地で、第1期の坪単価は256万円。販売開始から1か月で全戸数114戸の半数を超える69戸が成約・申し込み済み。極めて好調なスタートを切った。

物件は、東武アーバンパークライン(東武野田線)新柏駅から徒歩1分(70m)、柏市新柏一丁目の近隣商業地域に位置する8階建て全114戸。現在先着順で分譲中の住戸(11戸)の専有面積は63.2978.68㎡、価格は4,498万円~6,498万円。第1期の坪単価は256万円。竣工予定は2025年3月。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は大和ハウス工業。

16日からモデルルームをオープン。来場者は270件、310日に販売開始した第160戸は完売。その後2戸を成約、6戸に申し込みが入っている。これまでの反響数は888件。

敷地は四方道路に囲まれており、道路を挟んだ東側は平屋建ての東武ストア、南側は駅前ロータリー、西側に桜並木が近接。従前はパチンコ屋で、東武鉄道と大和ハウス工業が土地を取得した。

建物はL字型で、標準階の住戸は南東向きが9戸、南西向きが7戸。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2550ミリ(12階)・2500ミリ(3階以上)、食洗機、タオル掛け1か所など。共用施設はラウンジ、ワーキングスペース。駐車場は敷地内69戸分。

販売代理の大和ハウス工業担当者は「当社の千葉県内の物件では『プレミスト千葉公園』150戸に次ぐ、売れ行きのいい物件。60歳以上の戸建てからの住み替え・買い増しされるお客様の比率が高く、50㎡台の住戸は単身女性の購入も目立ちます。将来の資産性を評価されているからでしょう」と語っている。

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現地(敷地北側から)

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現地(敷地西側から。当時はサクラがまだ残っていた)

4LDKは最高15 コロナ禍で驚異的売れ行き 東武鉄道他「流山おおたかの森」(2020/8/25

爆発的にヒットするか 長谷工コーポの新提案「Be-Fit 総合地所「みのり台」公開(2024/4/11

新京成線五香駅圏で17年ぶり ウルトラファインバブル装備 坪単価250万円超 ポラス(2024/3/16

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「パークシティ中野 ザ タワー エアーズ/ザ タワー ブリーズ」(左が「ブリーズ」)

 三井不動産レジデンシャルは4月23日、「パークシティ中野 ザ タワー エアーズ/ザ タワー ブリーズ」のメディア向け内覧会を実施した。JR中野駅前の24階建てと20階建ての大規模再開発・免震タワーマンションで全807戸(販売対象は401戸)。敷地南側に遮るものがなく、「四季の森公園」に近接、武蔵野台地の免震構造・ZEH認証などを考えると、エントリー数が1万件超なのも納得できる。

 物件は、JR中野駅から徒歩6分~8分、中野区中野4丁目の「囲町東地区第一種市街地再開発事業」地に位置する敷地面積約13,229㎡、24階建て「エアーズ」545戸(販売対象239戸)と20階建て「ブリーズ」262戸(同163戸)の全807戸(同401戸)。専有面積は30.65~125.12㎡。7月中旬に分譲する第1期1次80戸は駅に近い「タワーズ」が対象で、専有面積は54.80~125.12㎡、予定価格は12,000万円台~40,000万円台(最多価格帯14,000万円台)、坪単価は700~750万円。入居予定は2026年7月下旬。デザイン監修は三井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。施工は東急建設。

 現地は、中野駅周辺の約110haで11もの再開発事業が進行中のエリアの一角。敷地は東西軸が長い長方形で、駅に近い側からオフィス・商業棟の「中野M-SQUARE」-「エアーズ」-「ブリーズ」の3棟が建設され、「SQUARE」1~2階には大型スーパーマーケット、飲食店舗などが予定されている。駅北口からペデストリアンデッキで結ばれる。約1.5haの「四季の森公園」や中野区新庁舎、中野中学、東京警察病院、明治大、帝京平成大、早稲田大の大学施設、29年に開業予定の「NAKANOサンプラザシティ」などに近接。

 今回分譲対象となる「エアーズ」の主な基本性能・設備仕様は、中間免震構造、ZEH-M Oriented認定、ワイドスパン、二重床・二重天井、リビング天井高2650ミリ(プレミアムの23・24階は3000ミリ)、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、Low-Eガラス、二重サッシ(南側)、リビング・居室床暖房など。パークシティシリーズで初となる東京ガスとパナソニックが開発した「熱交換気システム・AIR TES」を全住戸に採用し、室内の温度変化を抑制し、花粉なども排除する。

 共用施設は、エントランスラウンジ、ライブラリーラウンジ、ゲストルーム、フィットネスルーム、屋上テラス、ファミリーラウンジなど。

 昨年9月にホームページを開設してからこれまでのエントリー数は1万件超、5月下旬までのモデルルーム来場予約は満席の約350件。今回分譲の第1期1次では「エアーズ」のプレミアム住戸17戸のうち約半数が分譲される。

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エントランスホール

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ライブラリ―ラウンジ

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パーティルーム

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屋上テラス

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ファミリーラウンジ

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 坪単価は700万円を突破すると思っていたが、高くなったものだ。三菱地所レジデンスが2016年に分譲した駅から徒歩6分の「ザ・パークハウス 中野タワー」178戸(分譲149戸)は坪500万円を超えなかったはずだ。同業の記者によると、中古でも坪700万円するとか。

 単価は安くはないが、新宿を起点にすれば、もっとも住みたい街(吉祥寺も悪くはないが)に「中野」は選ばれるのではないか。今回の物件が位置する駅北口エリアは、再開発によって生まれ変わる。駅に近いにもかかわらず嫌悪施設(もうこういう呼称はやめたほうがいいとも思うが)など一つもなく、緑も豊富。大学など教育施設、病院、商業施設もそろっている。道路を挟んだ南側は鉄道線路が走っているのをどう見るかだが、南側の日照なども担保されている。エントリー数が1万件を突破しているのもよくわかる。

再開発が進む中野駅圏三菱地所レジ「ザ・パークハウス中野タワー」(2016/3/7)

感動的なマンションを見た 野村不・三井不レジ「中野ツインマークタワー」(2010/11/27)

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Screenshot 2024-04-20 at 15-10-55 Microsoft Word - 240416_※final※【橋本】多摩美との産学連携リリース_240403TLC_ブランドG加筆 _広報修正-2.docx - 総合[...].png
仮囲いに掲出されたグランプリ賞

 東急不動産、小田急不動産、名鉄都市開発、総合地所、旭化成不動産レジデンス、ジェイアール東海不動産の6社は4月18日、リニア新幹線の神奈川停車駅が予定されている土地区画整理事業地に近接する超高層マンション「ブランズタワー橋本」について、多摩美術大学と産学共同研究契約を締結したと発表した。

 物件が位置する相模原市は、多摩美術大学、JAXA 相模原キャンパス・相模川ふれあい科学館、など様々な教育・研究施設があり、相模原市も大学や研究機関との積極的な連携を進めていることから、今回の産学連携となった。

 物件入居者と多摩美大の学生とのワークショップを行うなど、入居者がアートに触れる機会を創出するとともに、多摩美大の学生に自身のアートを表現する場を提供する。第一弾として、仮囲いデザインコンペを開催し、情報デザイン学科2年山本滉さんがグランプリを獲得、仮囲いに掲出された。

 物件は、京王相模原線・JR 横浜線橋本駅から徒歩4分、相模原市緑区橋本二丁目の「橋本駅南口地区土地区画整理事業」に近接する敷地面積約10,472㎡、29階建て全458戸。専有面積は34.39~119.23㎡。竣工予定は2026年6月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。“環境先進マンション”として約4,100㎡の公開空地に緑豊かな景観を創造し、ZEH・低炭素建築物認定の取得を予定。分譲開始は今夏。

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 2027年開業を目指して工事が進められてきたリニア新幹線は、南アルプストンネル静岡工区において静岡県の理解が得られず、開業は2027年度以降とされ、開業は2035年になるのではないかという憶測も流れていることから、事業者としては価格をいくらにするか、悩ましい選択が迫られている。トンネル掘削に反対してきた川勝平太・静岡県知事の辞職に伴う知事選が5月26日行われるが、その結果次第で工事は早まるのか。それとも引き続き交渉が続くのか。

 記者は、予定通り2027年に開業するのであれば、坪単価は400万円をはるかに突破すると読んでいたが、開業が2027年度以降になったことから、坪400万円も微妙だと思う。

日本エスコン「橋本」は坪330~350万円販売代理リストの顧客対応はフル回転(2023/3/3)

ワイドスパン、多面採光がいいリストが販売復代理の山田建設「橋本」(2020/2/20)

知る人は懐かしく、知らない人は行きたくなる 地所「TOKYO TORCH」仮囲いアート(2022/11/15)

カテゴリ: 2024年度

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「Brillia Tower 千葉」

 東京建物(幹事会社)・野村不動産・中央住宅・ファーストコーポレーション4社JV「Brillia Tower 千葉」を見学した。千葉駅圏の一等地、三越千葉店跡地の23階建て免震タワーマンションで、第1期90戸は千葉駅圏最高値となる坪単価421万円だが、地元の富裕層を中心に約7割に申し込みが入り、好調なスタートを切った。

 物件は、JR千葉駅から徒歩4分、千葉市中央区富士見二丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率800%=緩和あり)に位置する敷地面積約3,805㎡、23階建て全491戸 (販売住戸481戸、募集対象外10戸)。専有面積は33.99~160.10㎡。第1期90戸の専有面積は58.26~160.10㎡、価格は6,588万~29,998万円(最多価格帯8,400万円台)。坪単価は421万円。6月に分譲する第1期2次の専有面積は33.99~109.68㎡、価格は3,900万円台~19,000万円台。竣工予定は2026年8月下旬。設計・施工はファーストコーポレーション。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所、オイル。

 現地は、三越千葉店の跡地で四方道路に接道。敷地北側は幅員約50mの大通りに面している。建物の1・2階に店舗、保育施設が入居し、住戸は3階以上で、中央部を吹き抜け空間とした外階段方式。標準階の住戸は南向きが10戸(角住戸含む)、東向きが4戸(同)、西向きが6戸(同)、北向きが8戸(同)。最上階の14戸は100㎡以上のプレミアム住戸。

 2023年9月のホームページ開設以来、総エントリー数は3,000件超、2024年1月6日からオープンしたモデルルーム来場者は約800件。3月9日から申し込みを受け付けた、前建の影響が少ない15階以上の南向き中心の第1期は約7割に申し込みが入った。申込者の約7割は地元の富裕層が中心で、残りの3割もほとんどが千葉に地縁のある人。最上階のプレミアム住戸は12戸販売し、10戸に申し込みが入った(2戸キャンセル)。

 主な基本性能・設備仕様は、2階と3階に免震装置を設置した中間層免震構造、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(最上階2800ミリ)、サッシ高2000ミリ(同2260ミリ)、ディスポーザー、食洗機、バックカウンター・カップボードなど。共用施設はコワーキングラウンジ、フィットネス・スペース、ハーディルーム、オーナーズスイートなど。

 販売担当の東京建物住宅営業第二部営業グループ グループリーダー・岡部伸一氏は、「第1期は15階以上の南向きをメインに分譲しましたが、地元の富裕層の方々を中心に〝待ってました〟という評価を頂きました。第1期2次の戸数は未定ですが、第1期とは逆に都内居住者の反響が地元を上回っており、投資目的の方も目立っています」と話した。

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エントランスラウンジ

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モデルルーム

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 記者の最大の関心事は、坪単価はいくらになるかだ。都内準都心部は言うに及ばず神奈川、埼玉の主要都市、札幌、仙台、福岡、那覇などの地方都市も軒並み坪400万円を突破するなど、坪400万円は都市の値打ちを測る分水嶺となっており、政令都市で人口が仙台に次ぐ12番目の県都・千葉も高値圏側への仲間入りを果たしても全然不思議でないと思っている。県内の船橋、柏、おおたかの森などの駅近は坪400~500万円必至と言われている。東京建物は「目黒」や「堂島」で劇的に相場を引き上げた〝実績〟もある。

 しかし、第1期の坪単価421万円は、15階以上の南向きやプレミアム住戸が単価を引き上げた結果で、今後は下層階や東向き、西向き、北向きが供給されることから全体として坪400万円を超えることはなさそうだ。

 坪400万円を超えられないのは、デベロッパーの値付け云々ではなく市場がそのように評価しているからだ。地価公示もその一つだ。令和6年の千葉市の商業地の最高価格は仙台市に大きく水をあけられている。都道府県庁所在地の住宅地価格は、平成元年比で上昇しているのは福岡市、札幌市、仙台市など5市しかなく、42の都道府県庁所在地が下落しているのだが、下落幅が最も大きいのは千葉市の58.4%だ。

 ただ、市場の評価はどうであれ、決めるのは購入検討者だ。記者は幅員50m道路に面し、対面のビルの高さも14階以下の北向き住戸に魅力を感じる。例えば1スパン20戸ある44.80㎡の1LDKタイプ。間口は6900ミリだ。このほか北向き住戸は20坪前後・以下がほとんどだ。人気になると見たが…。岡部氏も「北向きも人気」と話した。

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模型(北側)

千葉駅の一等地三越千葉店跡地東建他「Brillia Tower 千葉」(491戸)第1期は90戸(2024/2/25)

坪270万円第1期1次100戸即完スタート新日本建設など5社JV「ザタワー」(2022/4/1)

坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか競合物件は早期完売狙う(2022/1/17)

 

カテゴリ: 2024年度

 マンション管理業協会(理事長:高松茂・三井不動産レジデンシャルサービス会長)は4月12日、2023年度第4四半期終了時点におけるマンション管理適正評価制度の登録状況、評価結果集計データをまとめ発表した。

 2024年3月末現在の登録は4,180件で、内訳は★5つ1,062件、★4つ1,726件、★3つ1,064件、★2つ321件、★1つ1件。うち国のマンション管理計画認定制度に認定されているのは396件。

 評価データの主な特徴は、管理体制のポイントの平均点は17.67点/20点満点、建築・設備のポイントの平均点は16.03点/同、管理組合収支のポイントの平均点は27.96点/同40点満点、耐震性のポイントの平均点は9.32点/10点満点で、400戸以上の★5の割合は78.3%、50戸未満の★5の割合は19.3%、新耐震基準の割合は91.8%、旧耐震基準の割合は8.2%(うち耐震診断未実施の割合は70.6%)など。

 同協会は2024年度末までに登録件数を1万件に増やす目標を掲げている。

マンション管理適正評価 ★5つは11%のプレミアム横浜市立大・齊藤教授らが報告(2024/4/2)

 


 

 

カテゴリ: 2024年度

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は4月10日、令和6年3月の首都圏不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンション成約数は前年同月比10.7%増の3,810件で、10か月連続して前年同月を上回った。㎡単価は75.88万円(前年同月比8.7%増)で47か月、成約価格は4,821円(同8.6%増)で46か月連続でそれぞれ前年同月を上回った。専有面積は63.54㎡(同0.1%減)となった。

 中古戸建住宅の成約件数は1,349件(同13.7%増)、成約価格は4,137万円(同5.7%増)、土地面積は145.15㎡(同5.8%増)、建物面積は105.10㎡(同2.0%増)となった。

 

カテゴリ: 2024年度
 

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