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「プラウド参宮橋」

 野村不動産は4月17日、CLT・鉄骨ハイブリッド構造を採用し、建物全体で約80㎥の国産材を使用した「プラウド参宮橋」を6月上旬に分譲すると発表した。木材使用量は同社のマンションで過去最多となり、全住戸がZEH-Oriented相当の性能を満たしている。

 物件は、小田急線参宮橋駅から徒歩3分、渋谷区代々木四丁目の第二種低層住居専用地域に位置する4階地下2階建て全19戸(広告募集対象外住戸6戸含む)。専有面積は58.13~105.22㎡、価格は未定。竣工予定は2024年5月上旬。施工は大成建設。

 B2階~3階まではRCコアウォール+TWFS構造(厚肉床壁構造)、4階・R階はRCコアウォール+CLT・鉄骨ハイブリッド構造とし、構造CLT、天井、壁面ルーバーなど建物全体で約80㎥の国産木材を使用。同規模のRC構造のマンションと比較した場合、建築時のCO2削減量は約96トン、CO2固定量は約73トンと試算されている。全戸に空調システム「床快full」を採用している。

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フローリングや建具には突板を採用しCLT を活かした仕上げ

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共用部のアート作品にも国産ヒノキ材を使用

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 完成予想図のドーマー(トップライト)がとても印象的だ。このようなマンションは見たことがない。

 同社は現段階で価格は未定としているが、いったいいくらになるか。立地条件からして坪単価700万円以下はありえないのではないか。さらに「床快full」を全戸に採用し、ZEH-Oriented相当の性能を満たしていることなどを考えると、設備仕様レベルにもよるが坪750万円になっても記者は驚かない。

 「木造マンション」は、三井ホームの賃貸「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」(51戸)が最大のはずだが、どこが最初に分譲マンションを供給するか注目している。今回の物件のような第一・二種低層住居専用地域などは最適なはずだ。 

賃料は「調布並み」でも申し込み殺到 三井ホーム「稲城」の木造5階建て賃貸(2021/12/9)

 


 

 

カテゴリ: 2023年度

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「ヴェレーナグラン菊名の杜」

大和地所レジデンスが分譲中の30周年記念物件「ヴェレーナグラン菊名の杜」を見学した。菊名駅から徒歩13分の第一種低層住居専用地域の東傾斜の高台に位置する全125戸で、第1147戸を分譲開始して1か月で35戸に申し込みが入っている。近隣物件と比べ価格(単価)が相対的に安く、眺望が開けている全86タイプのプラン、小・中学校に近い居住環境のよさに人気が集まっている。

物件は、東急東横線・JR横浜線菊名駅から徒歩13分、横浜市鶴見区上の宮一丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率100%)に位置する開発面積約10,292㎡の4階建て全125戸。専有面積は先着順で分譲中の住戸(23戸)の専有面積は70.1594.67㎡、価格は5,798万円~8,798万円(最多価格帯5,800万円台)、坪単価は297万円。竣工予定は202410月中旬。設計・管理は設計集団宙組。施工は大勝。デザイン監修はインターデザイン・小寺源太郎氏、植栽計画は東邦レオ。

今年128日にモデルルームをオープン、これまでの来場者は、ゴールデンウイークまでの予約約50件含め約400件。317日に第11次として47戸を供給し、これまで35件の申し込みが入っている。

来場者・購入者の属性は、居住地は横浜市港北区と鶴見区を中心に市内が約6割、都内は約2割など広域から集客できているのが特徴で、年代は30代のファミリーが中心。

モデルルームは、プレミアム住戸として22戸用意したうちのロフト付き80.6㎡(4戸)。主な基本性能・設備仕様は天井高3.3m(ロフト含む)、リビング天井高2.8m、サッシ高2400ミリで、二重床・二重天井、メーターモジュール廊下幅、奥行き1メートルの幅広御影石キッチン天板、御影石洗面カウンター、食洗機、ミストサウナなど。

同社は人気の要因として、菊名駅圏など周辺物件の坪単価は340370万円になっているのに対して、相対的に安く、敷地形状が東下がりの比高差20mの6棟構成とし、ルーフバルコニー、メゾネット、スキップフロア、ロフト付きなど86タイプのプランを提案し、保育園・小・中学校に近接していることなどをあげている。

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モデルルーム

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スカイビューガーデン(屋上庭園)

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 商品企画は1か月前に見学した全193戸の「ヴェレーナシティ パレ・ド・マジェステ」とよく似ているので、そちらの記事を参照していただきたい。

 この物件以外の東横線沿線のマンションは最近見学していないので比較はできないが、総合的な商品企画はまずどこにも負けないのではないか。

 同じ30周年記念プロジェクト「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」(全318戸)の第11125戸は坪単価330万円で、約8割に申し込みが入ったという。

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建設現場

上大岡の高台の中層全193 16カ月で完売 多彩なプランが人気 大和地所レジ(2023/3/17

1低層の全125 1147戸登録開始 大和地所レジ30周年記念「菊名の杜」(2023/3/17

11125戸の登録開始 大和地所レジ 30周年記念PJ「北赤羽」人気(2023/3/3

 

 

カテゴリ: 2023年度

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は410日、20233月の首都圏不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの取引件数は前年同月比1.1%増の3,442件、成約㎡単価は同6.8%上昇の69.83万円、価格は同6.8%上昇の4,441万円、専有面積は同0.02%増加の63.59㎡となった。

成約件数は2月に続いて前年同月を上回り、成約㎡単価は205月から35か月連続、成約価格は206月から34か月連続でそれぞれ前年同月を上回った。専有面積はほぼ横ばいながら215月以来22か月ぶりに前年同月を上回った。

中古戸建の成約件数は前年同月比1.2%減の1,186件、価格は同4.6%上昇の3,914万円となった。成約件数は221月から15か月連続で前年同月を下回り、成約価格は2011月から29か月連続で前年同月を上回った。

カテゴリ: 2023年度

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「HARUMI FLAG SKY DUO」

 「HARUMI FLAG」の売主10社は4月6日、新「HARUMI FLAGパビリオン」のメディア向け先行内覧会を開催し、新しい販売街区の50階建てツインタワーマンション「HARUMI FLAG SKY DUO」(1,455戸)の事前案内会を4月8日(土)から開始すると発表した。

 「HARUMI FLAG」は総開発面積約13.3ha、14~50階建て全23棟5,632戸(分譲4,145戸、賃貸1,487戸)と3階建て商業施設から構成。2019年から分譲開始し、これまで板状型2,690戸のうち未分譲8戸を除く2,682戸を完売。

 「SKY DUO」は、都営地下鉄大江戸線勝どき駅から徒歩18分(TOKYO BRT開業後は新橋駅まで約10分)、中央区晴海五丁目の商業地域に位置する50階建て「SUN VILLAGE」 733戸(専有面積49.38~145.54㎡)と50階建て「PARK VILLAGE」722戸(同47.74~161.12㎡)のツインタワーマンション。竣工予定は2025年秋。SUN VILLAGEの設計は三菱地所設計・前田建設工業、施工は前田建設工業。PARK VILLAGEの設計は日建ハウジングシステム・三井住友建設、施工は三井住友建設。第1期販売は6月下旬に開始する予定。予定価格は4,800万円台(1LDK)~34,900万円台(3LDK)。

 情報を公開した2023年1月10日(火)からエントリー数は10,500件を超え、見学予約は2,800件に達し、5月中旬まで満席になっている。

 内覧会に臨んだ幹事会社の三井不動産レジデンシャル都市開発三部事業室・古谷歩氏は「エリア全体で31haという他に類を見ない複合的な開発で、官民連携を図り、デザインを統一し本物の森を作る。パビリオンでは、大型スクリーンや150分の1の模型、レファレンスルームなどを駆使し、東京最前列に位置する新たなランドマークとなる『SKY DUO』の魅力を体感頂けるようにした」と語った。

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完成予想図

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 この記事は、添付したマスターアーキテクトとして街全体のデザインを統括する光井純氏(光井純&アソシエーツ建築設計事務所 代表取締役)のインタビュー記事と一緒に読んでいただきたい。

 もっとも興味深い坪単価について。古谷氏は「階数、方角、プランによって単価差が大きく、平均的な坪単価は公表していない」と話したが、主要なプランについて、20階の北向き1LDKの49㎡は5,600万円台(坪単価377万円)、北向き2LDK66㎡は7,100万円台(同355万円台)、35階の東向き3LDK72㎡は8,100万円(同371万円)、35階の西向き3LDK79㎡は1億300万円台(同430万円台)、35階の南西角の3LDK95㎡は1億4,800万円(同514万円)、プレミアム住戸の3LDK161㎡は3億4,900万円(同715万円)などであることを明らかにした。

 これらの価格からして、平均単価は坪400万円くらいではないかと予想する。それほど外れていないはずだが、古谷氏も「単価では計れない価値がある」と語ったように、総合的な価値をみる必要がある。

 例えば、免制震のハイブリッド工法、長期優良住宅認定、スケルトンインフィル、蓄電池&エネファーム全戸搭載、HEMS、MEMS、メーターモジュール廊下幅、リビング天井高2600ミリ、Low-Eガラス、全館空調(49・50階のみ)など。間違いなくトップレベルのマンションだ。

 さらに、駐車場と電柱を地下化し、メインストリートは高木2列植栽などの街づくり、多彩な共用施設などを考慮すると、われわれが今までに見たことがない街が誕生することになりそうだ。

 光井氏が語った「世界の優れた街の開発では、基本的には駐車場などは地下に潜らせて、地上は人の空間にするということが当たり前になっているのです。『HARUMI』も駐車場と電柱を地下化したのは都やデベロッパーの素晴らしい決断でした。諸外国のどこの街にも負けないものをつくろうとしたということです。そういった点からも『HARUMI』も『(パークシティ)浜田山』と同じように素晴らしい街」が実現する。

 ただ、多くのメディアやブロガーなどが「割安」などと書き立てるのには同意できない。土地の取得価格が1種当たり8万円(記者推測)だから、安くなって当然だと思うからだ。周辺物件などと比較することは無意味だ。

 全住戸の販売が完了・引き渡しが終了した時点で、当初予定の計画より売り上げ・利益が1%以上上回ったら、経費を差し引き、利益は都とデベロッパーとで折半するという契約条項は適用されるのではないかとみている。

記者がもっとも懸念していたアクセスだが、東京BRT(Bus Rapid Transit)は、計画通り本格運行時には新橋まで10分で着くことができるという。

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135㎡モデルルーム

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77㎡モデルルーム

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95㎡モデルルーム

「HARUMI FLAG」で美しい花を咲かせたい 光井純氏 建築美を語る(2023/1/30)

文句なしにいい街づくり・基本性能 坪単価280万円か 「HARUMI FLAG」(2019/4/24)

 

商業施設「三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG」に決定

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「三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG」(写真提供:JOC/三井不動産レジデンシャル)

三井不動産は46日、HARUMI FLAGエリア内のライフスタイル型商業施設の名称を「三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG」に決定したと発表した。2024年春に開業する。

5,632戸の分譲住宅・賃貸住宅と商業施設の合計で24棟を整備する晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業として開発を進めているもので、同社は商業施設の特定建築者に選定されている。

施設1階には、TEAM JAPANゴールド街づくりパートナーとして同社が活動を支援している日本オリンピック委員会のオリンピック・ムーブメントの発信拠点「日本オリンピックミュージアム」サテライトとして、「TEAM JAPAN 2020 VILLAGE」を設置する予定。

施設は、敷地面積約11,300㎡、鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造) 3階、地下1階建て延床面積約19,800㎡。店舗数約40店。竣工は20238月の予定。2024年春に開業する。

カテゴリ: 2023年度

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「クレヴィア西葛西」

 伊藤忠都市開発が分譲中の「クレヴィア西葛西」を見学した。「間取りのない家」がコンセプトで、可動収納とウォールドアの組み合わせにより3LDKのプランを5パターン以上変えられるのが特徴で、購入顧客も選好理由は立地条件に次いで2番目に上げるなど、企画意図がヒットした。

 物件は、東京メトロ東西線西葛西駅から徒歩6分、江戸川区西葛西六丁目の近隣商業地域(建ぺい率100%、容積率400%)に位置する12階建て全49戸。専有面積は33.43~71.71㎡、坪単価は350万円。先着順で分譲中の住戸(5戸)の専有面積は68.46~71.20㎡、価格は6,890万~7,580万円。坪単価は350万円。竣工予定は2024年2月中旬。管理は伊藤忠アーバンコミュニティ。施工は川村工営。設計・監理は三輪設計。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 敷地は東南道路の角地。住戸は2階以上で、6階までは1フロア5戸(うち2スパンは33㎡の1LDK)、7階以上は4戸。

 「間取りのない家」は、夫婦2人、夫婦と小さな子ども1~2人、夫婦と成長したこども1~2人などライフスタイル・ステージによって間取りを変更できるようしたもの。71㎡のAタイプにはウォールドアと可動収納(W850×D600×H2450、本体重量約130~170kg/台)4個を装備している。

 昨年9月にホームページを、今年1月にコンセプトルームをそれぞれ開設。これまでエントリー数は850件超、来場者は約120件。第1期25戸を3月末に分譲開始し、これまでに20戸が成約・申し込み済み。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、3種から選べる「DRESSIMO」、IoTスマート機器など。

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可動間仕切り 

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ウォールドア

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 住宅のnLDK表示の嚆矢は、1960年ころの日本住宅公団の賃貸マンションで、考えだしたのは建築家・磯崎新氏だとされている(磯崎氏は肯定も否定もしていない)。

 記者は、住宅戸数が絶対的に不足していた高度成長期や、ファミリー層を主なターゲットにしていたバブル崩壊前までは、nLDK表示はそれなりに意味を持っていたと思う。しかし、バブル崩壊後は新たな需要層として単身者・DINKSが登場し、子育てを終えた高齢者の需要も多いことから、nLDK表示の意味はないと考えている。住宅の質は基本的には広さであり、その空間をどのように利用するかは購入者が考えることだ。

 デベロッパーもそのことに気がついているようで、モデルルームでは3LDK、4LDKを1LDKにしているケースも多い。

 その意味で、同社の提案はニーズにマッチしたものだと思う。71㎡のA~Dのプランも可動収納・ウォールドアを使いやすいものになっているのがいい。間口はA・Bタイプは7600ミリ、Cタイプは8400ミリ、Dタイプは7550ミリだ。Aタイプの5.4帖大の主寝室に可動収納4個(左右3400ミリ)を1列に並べることもできる。間口が6000ミリの一般的な3LDKではこのような提案はまずできない。

 同社は今後の展開について、可動間仕切りの追加購入を可能にし、他物件にも採用を検討しているという。天井の高さによってサイズを変えられるようにし、量産も可能になればコストが下げられるはずで、普及スピードは高まると思う。

 同社のマンション管理についても一言。マンション適正評価制度が始まって1年が経過するが、★5つの物件を管理会社別でみると、グループの伊藤忠アーバンコミュニティが他社を圧倒している。

「間取りのない家」提案 伊藤忠都市開発「西葛西」コンセプトルームオープン(2023/1/19)

登録件数1000件突破 ★5つ最多は伊藤忠アーバン マンション管理適正評価(2023/4/2)

 

カテゴリ: 2023年度

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「グランドシティタワー池袋」 

 住友不動産などは4月3日、再開発マンション「グランドシティタワー池袋」(878戸)と「グランドシティタワー月島」(1,285戸)のモデルルームをそれぞれ5月下旬にオープンすると発表した。双方とも「ZEH-M Oriented」認定を受けており、双方合わせて4,000件超の問い合わせがあるという。販売は8月の予定。

 「池袋」は、東京メトロ有楽町線東池袋駅から徒歩1分の施行面積約1.7haの「南池袋二丁目C地区第一種市街地再開発事業」で、豊島区最大級、最高層の制震52階建て878戸(非分譲住戸105戸・その他住戸30戸含む)。売主は同社と三井住友信託銀行。設計はINA・清水・前田設計共同企業体。施工は清水・前田建設共同企業体。竣工予定は2027年4月中旬。販売開始は8月上旬。

 「月島」は、東京メトロ・都営大江戸線月島駅から徒歩5分の施行面積約1 .5haの「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」。中央区最高層の58階建て1,285戸(非分譲住戸340戸、その他広告対象外住戸30戸含む)。売主は同社のほか東京建物、大和ハウス工業、首都圏不燃建築公社。設計は五洋建設・大建設計特定業務代行共同体、施工は五洋建設。竣工予定は2026年4月下旬。販売開始は8月中旬。

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「グランドシティタワー月島」

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 坪単価はいったいいくらになるか。とても悩ましい。記者は昨年、東急不動産他「十条」が坪470~480万円で分譲開始されてから相場観が狂ってしまった。

 「十条」がこの単価なら、「池袋」(東池袋だが)で坪500万円以下はありえないし、湾岸の「月島」だって「十条」には負けないような気がする。双方とも坪500万円を超えてくることになるのか。

カテゴリ: 2023年度

 マンション管理業協会は3月31日、マンション管理適正評価制度の登録数が2023年度末で1,195件に達したと発表した。★の内訳は★5が232件(全体の19.4%)、★4が396件(同33.1%)、★3が412件(34.5%)、★2が155件(同13.0%)となっている。

 都道府県別登録数では、東京都が最も多く413件(同34.6%)、次いで大阪府が144件(同12.1%)。戸数規模別では、小・中規模の100戸未満が全体の約86%を占めている。竣工年別では、2011年~2020年竣工、2001年~2010年竣工、1991 年~2000年竣工のマンションが同じような割合で登録されている。評価と戸数規模では、400戸超の大型マンションで★5評価の割合が高くなっている。

 同協会では、★2でも積極的にマンションの管理状況を開示し、得点・ランクアップを目指している管理組合が多くあることから、「評価結果の推移の見える化」の一環として過去の登録ランク(ポイント)との推移が確認できるようシステムの改良を行うとしている。

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 同協会のサイトから、★5つの232件を管理会社別に見てみた。以下の通り。このほか委託管理会社の記載のない物件もかなりあり。

・伊藤忠アーバンコミュニティ(UC)  43件
・三井不動産レジデンシャルサービス 35件
・野村不動産パートナーズ      33件
・長谷工コミュニティ        24件
・東急コミュニティー        18件
・日本ハウズイング         13件
・三菱地所コミュニティ       12件
・近鉄住宅管理           11件
・阪急阪神ハウジングサポート      5件
・東京建物アメニティサポート      4件
・大京アステージ            3件
・サンヨーホームズコミュニティ     3件
・大和ライフネクスト          2件
・遠鉄アシスト             2件
・東武ビルマネジメント         2件
・ライフポート西洋           1件
・大成有楽不動産            1件
・ナイスコミュニティー              1件
・住友不動産建物サービス        1件
・エム・エフ・リビングサポート     1件
・アセットライフ            1件

 

カテゴリ: 2023年度

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「ルピアコート和光本町」

 ポラスグループ中央住宅が分譲中の「ルピアコート和光本町」を見学した。同社のこだわり設備・アイテムをフル装備し、新たな取り組みとして子どもの育ちを支える環境づくり「asobo+(アソボタス)」を採用したのが特徴。予定物件を含め約2,500戸も乱立する大激戦の東武東上線にあって販売は順調に進んでいる。

 物件は、東武東上線・東京メトロ有楽町線・副都心線和光市駅から徒歩9分、和光市本町の準住居地域に位置する8階建て41戸。先着順で分譲中の住戸(4戸)の専有面積は56.82~75.96㎡、価格は5,740万〜7,990万円。坪単価は321万円。竣工予定は2023年10月下旬。施工はライト工業。販売代理はアートランド。今年1月から分譲を開始。これまで20戸弱が成約済み。

 現地は、川越街道に面した準住居地域。小学校へ徒歩6分、中学校へ徒歩3分に近接しているほか、保育園、各種の子ども教室、大小の公園があるなど、子育て環境が整っているエリアの一角。建物はT字型で、標準階フロアは南向きが5戸、東向きが3戸。最上階は75㎡が2戸。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、ピアキッチン(一部除く)、Low-Eガラスなど。

 子育て環境が整っていることに着目し、國學院大學人間開発学部子ども支援学科准教授・青木康太朗氏の指導のもと、「あそびに行きたくなる環境」「好奇心を育む環境」「体を動かしたくなる環境」の3つの視点から、外遊び道具や好奇心・研究心を高めるアイテムなどの仕掛けを施しているのが特徴。階段に世界の国旗、わが国の四季や季節の行事などをデザインを施し、聴診器も用意している。

 同社マンションディビジョン部・西牟田奈津子氏は「当社の様々な子育ての取り組みを青木先生に話したところ、意気投合しました。こどもの知的好奇心を刺激し、自然と会話する入口にしたいですね」と話した。

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ピアキッチンの一部

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リビング

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 モデルルーム見学には、入社間もない同社の女性広報担当者が同行されていた。いい機会だと思ったので、西牟田氏にお会いする前に少し話した。「西牟田さんが入社間もないとき、わたしは他社のマンション見学に連れて行ったことがあるんです。後にも先にもそんなことをした人はいません」「和光は初めてですか? どうですか越谷と比べて。まあ、双方ともいい街です。南越谷の一等地でマンションを分譲したらわたしは坪単価320万円と見ますが(半分おべっか)、和光市はもっと高いはずです。西牟田さんに聞いたら分かります」と。

 坪単価はその通りとなった。越谷より1万円高かった。わが多摩センターは坪252万円なのに、どうしてこんなに高いのか理解できないが、相場としてはこんなものだろう。

 「asobo+(アソボタス)」はいいアイデアだと思う。聴診器の話が出たので、「えっ、お医者さんごっこ? わたしはすっぽんぽんになって、みんなが見守る前で同じ歳の素っ裸の女の子に覆いかぶさったことがあります。同じようなことをするんですか」と聞いたら、もちろんそうではなく、樹木の音を聴くのだそうだ。(樹木に聴診器を当てても絶対に音など聞こえないと思うが…。近くには理化学研究所もあるから聞いてみてほしい)

 こんな話はこれまで。これからが本番。西牟田氏から「牧田さんはもう忘れているでしょうから」と改めて同社のこだわりを教えてくれたので、復習のためと読者の皆さんにも伝えるため、一つひとつ紹介する。モデルルーム来場者に説明するには2時間でも足りないという設備・アイテムだ。

 ①玄関収納に大型電動アシスト自転車充電器コンセント&下部内倒し窓…自転車の充電をできるのはもちろんだが、カビや臭気を発生させない窓付きはとてもいい。今回の物件では全41戸のうち23戸に採用している

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充電器コンセント(左)とシューズクローク(窓付き)

 ②玄関ドアミラー…数年前から採用しているそうだ。ミラーの幅は5cmくらいか。それでも全身が映る。外出時のチェックに女性は重宝するという

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玄関ドアミラー(記者の顔が映っている)

 ③アクンダナ…廊下にブックシェルフを設けることで、子どもが絵本を身近に感じる空間。掲示板付き。キッズデザイン賞・グッドデザイン賞受賞。実用新案取得済み

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アクンダナ

 ④ピアキッチン…同社の十八番。今回の物件の半数に採用。バックカウンター・収納、コンセント、ダイニングテーブル付き。そのよさは言うまでもないが、カウンター・収納などをオプションで購入すれば100万円以上かかるはず。キッチンはタッチレス水栓、食洗機、ホーローパネル、パントリー付き。実用新案取得済み

 ⑤カウンターの高さは950ミリ…「キッチンカウンターは850ミリですが、カウンターの高さを10cm上げても、わたしのように背が低いものでも作業するのに不都合はありません。逆に、カウンター下の収納の高さその分高くすることで、茶碗は4個重ねられます。このような配慮は他社にないはずです」(西牟田氏)。これには絶句

 ⑥かくれんBOX…ダストボックス3個とレジ袋2つがキッチンシンク下に標準装備。実用新案取得済み

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ピアキッチン&かくれんBOX&収納カウンター

 ⑦壁・巾木の角は丸仕上げ、ドアスコープは子どもも利用できる2か所、とどかない鍵、ソフトクローズ機能付き引き戸(同社の戸建ては開き戸もソフトクローズ機能付き)

 ⑧浴室おたすけバー…シャンプーなどボトルを吊るすことで、棚のぬめりをなくす

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浴室おたすけバー

 ⑨ルーバー付き浴室窓…住戸の半数以上の25戸に採用

 ⑩浴室ドアタオル掛け2か所…最近は1つもない物件が急増している

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タオル掛け2か所

 ⑪トイレ吊戸棚…トイレットペーパー12×12個収納。1か月分だそうで、経産省が備蓄を推奨しているとか

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トイレ吊戸棚

 ⑫ちょい置きスペース付きペーパーホルダー…最近はよく見かけるが、最初に採用したのは同社のようだ

 ⑬変身クローク…幅90cm×奥行き110cm確保したクローゼットで、テレワークスペース、収納空間として利用可能

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変身クローク

 ⑭FUTONクローク…幅90cm×奥行き90cmとし、上部に布団が収納できるようにし、奥と手前に収納棚を設けることで収納量を増やす。実用新案取得済み

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FUTONクローク

 ⑮バルコニー水栓&コンセント

 ⑯ちょいおきレール・ランドリーニッチ・物干しポール…洗濯機の前にハンガーを掛けられるようにし、洗剤などもさっと取り出せるようにし、洗濯ものは室内干しにするスグレモノ

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ランドリーニッチ

 ⑰ひな壇スタンド付き三面鏡…手前と奥で高さを変えた棚を設置することで奥のメイク用品などを取り出しやすくした

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ひな壇スタンド付き三面鏡

 ⑱まもるんスペース…車の出し入れ時の子どもの事故を防ぐスペースを確保。キッズデザイン賞受賞。実用新案取得済み

 以上、18項目もある。記者などは②玄関ドアミラー⑧浴室おたすけバー⑫ちょい置きスペース付きペーパーホルダー⑰ひな壇スタンド付き三面鏡の説明を聞いても訳が分からないが、あると嬉しいものだろう。営業担当者が全部説明するのに2時間では足りないというのもよく分かる。一つひとつは採用しているところはあるが、これほどの仕掛けを施しているデベロッパーなど1社もないはずだ。せいぜいこの18項目のうち半分くらいではないか。ものの数分見ただけでレベルが分かる物件はたくさんある。

 西牟田氏は「モデルルームのように住んでほしいというのがわたしたちの基本的スタンス」と語ったように、100万円以上もするヒアキッチンなどを標準装備するから支持される。

公園隣接・近接 天井高2650ミリ、ワイドスパン…大激戦制すか アンビシャス「鶴瀬」(2023/2/14)

駅距離・準工のハンディものともせず ポラス中央住宅「柏」全196戸ほほ完売(2021/9/29)

ポラス 第14回キッズデザイン賞に「AKUNDANA」と「育実の丘 東大宮」2作品が受賞(2020/8/21)

ポラスのマンション好調 商品企画支えるのは2児のワーキングママ・西牟田奈津子氏(2019/9/15)

カテゴリ: 2023年度

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「ザ・パークハウス聖蹟桜ヶ丘」

 

 三菱地所レジデンスは3月27日、国産材の型枠コンクリートパネルを使用し、エントランスホールなど共用部に多摩産の集成材を多用した「ザ・パークハウス聖蹟桜ヶ丘」を4月中旬より販売開始すると発表した。

 同社の木材利用の推進を目指す「木の守PROJECT」の一環で、型枠コンクリートパネルに国産材を使用し、トレーサビリティ証明を取得したのは日本で初。エントランスホールなど共用部に地元・多摩産の杉の集成材を採用することで天井羽目板や壁面装飾の温もりを五感で感じられるようにする。

 三菱地所グループは、オフィスや住宅などの建設時に使用する型枠コンクリートパネルに持続可能性に配慮した調達コードにある木材(認証材並びに国産材)と同等の木材を使用し、2030年までにその使用率を100%にすることを目指している。

 物件は、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩5分、多摩市関戸2丁目に位置する敷地面積約621㎡、15階建て全42戸。専有面積は66.92~71.97㎡。竣工予定は2023年1月。施工は大末建設。

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エントランス

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エントランスホール

 

 

マンションに世界初のFSC認証型枠を採用 三菱地所レジ「高輪松ヶ丘」(2021/5/24)

カテゴリ: 2022年度

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「Brillia 自由が丘」

 東京建物が分譲中の「Brillia 自由が丘」を見学した。自由が丘駅から徒歩2分の全61戸で、坪単価800万円を超える住戸もあるが、希少立地であることから、モデルルーム来場者は500組を超えるなど圧倒的な人気を呼んでいる。

 物件は、東急東横線・大井町線自由が丘駅から徒歩2分、世田谷区奥沢五丁目の近隣商業地域(容積率300%)に位置する敷地面積約1,445㎡、7階建て61戸。専有面積は32.77(5戸)〜135.69㎡(1戸)、坪単価は700万円台の前半から半ばが中心だが、コンパクト、ファミリー、富裕層向けのタイプによってかなり差異がある。現在、先着順で分譲中の住戸(2戸)の専有面積は88.80・135.69㎡、価格は21,998万円・37,498万円。4月上旬販売予定の第2期3次(戸数未定)の専有面積は32.77~75.18㎡。価格は未定。竣工予定は2024年4月中旬。設計・施工は三井住友建設。デザイン監修はSKM設計計画事務所。

 昨年6月に物件ホームページを立ち上げ、9月にモデルルームオープン、販売開始は12月から。駅徒歩2分圏の物件は22年ぶりとかで、これまで約4,200件のエントリーがあり、モデルルーム来場者は500件超。実需、投資、セカンドユースなど多様な層から支持を得て、これまでに47~48戸が成約・申し込み済み。コンパクトタイプ中心に10戸は未分譲。

 現地の用途地域は近商だが、地区計画により高さ規制が21mと定められているエリアの一角で、敷地は東南の角地。同社グループの東京建物不動産販売が所有していた賃貸マンション跡地で、相対で同社が取得。敷地西側は魚菜学園が入居するビル、東側は道路を挟んで無印良品の店舗ビル。

 建物の1階は店舗、エントランス、駐車場などの共用部分で、住戸は2階以上。2~6階の1フロア住戸構成は10~11戸で、うち4タイプは隣接ビルの日影などの影響を受けるコンパクトタイプ。最上階は7戸で、東南角住戸は135㎡。

 主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、シーザーストーンキッチン天板、カップボード、リビング天井高2400ミリ、食洗機、ディスポーザー、LDK・居室床暖房、Low-Eガラス、樹脂サッシ(一部除く)など。

 販売担当の同社住宅営業第一部営業グループ課長代理でゲストサロン所長・飯野哲朗氏は「アンケート調査を行った結果、ZEH-Mについても高い評価を頂きました」と語った。

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エントランスホール

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モデルルーム

◇        ◆     ◇

 同社と三菱地所レジデンスが自由が丘でマンションを分譲することを知ったとき、坪単価は最低で700万円を突破すると予測した。記者などは柄でもないので住みたいとは思わないが、〝住みたい街〟やら〝住んでみたい街〟ランキングにいつも上位にランクされているのはよく分かるからだ。〝ハイソ〟とはこのような街のことをいう。

 同社のモデルルームは〝ハイソ〟にピッタリだ。もう売れてしまってないという82㎡のメロウ・グレージュのカラーリングは自由が丘ファンには受けそうだ(そんな人がいるのかどうか知らないが)。

 坪単価を聞いて納得もした。駅から徒歩2分で、すぐ目の前は桜並木が美しい九品仏川緑道だ。敷地南側は高さ規制21mがあるので、上層階の日照・眺望も担保されている。欲しい人にとっては単価など関係ないはずだ。

 (千代田区番町地区では、地区計画で建築物の高さが60mと定められているが、日テレの所有地を切り離し、高さを90mにする地区計画変更を巡って紛糾しているが、そもそも地区計画はみんなで決めたルールなので、よほどのことがない限り変更するものではないと記者は思う)

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建築現場

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九品仏川緑道

◇       ◆     ◇

 今回の物件と目と鼻の先で、コンパクトタイプ中心の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 自由が丘フロント」32戸も昨秋取材を申し込んだのだが、瞬く間に売れたようで取材は実現しなかった。

 坪単価は700万円を切っていると聞いたのでびっくりした(坪680万円くらいか)。よほど立地条件に難があるのかと思ったが、そんなことはない。東京建物の物件に引けを取らないと思う。

 自由が丘駅圏では東急不動産もマンションを分譲すると聞いている。こちらも単価は700万円を突破するはずだ。

カテゴリ: 2022年度
 

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