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「パナホームスマートシティFujisawa SST」ガーデンパス

パナホーム&三井不動産レジデンシャルが分譲開始

 パナホームと三井不動産レジデンシャルは2月13日、藤沢市のパナソニックグループ工場跡地で開発を進めている藤沢市、パナソニック、Fujisawa SST協議会によるスマートシティ・プロジェクト「Fujisawa SST(サスティナブル・スマートタウン)」の戸建街区(約600区画)でそれぞれ1期分譲を2月15日から開始すると発表した。その前日の14日、降りしきる雪のなか現地を見学した。

 物件は、JR・小田急線藤沢駅からバス5分徒歩1分、藤沢市辻堂元町六丁目に位置する全1,000戸(戸建て約600戸、マンション約400戸)のFujisawa サスティナブル・スマートタウン土地区画整理事業地。街全体完成予定は2018年度。戸建て、マンションのほか商業施設、健康・福祉・教育施設なども併設される。

 パナホームの「パナホームスマートシティFujisawa SST」の第1期分譲は34戸で、土地面積125.01~149.57㎡、建物面積101.82~119.97㎡、価格は5,398万~6,490万円(最多価格帯5,700万円台)。建物は軽量鉄骨造2階建て。

 三井不動産レジデンシャルの「ファインコートFujisawa SST」の第1期分譲は28戸で、土地面積125.05~135.17㎡、建物面積98.36~113.51㎡、価格は5,020万~6,490万円(最多価格帯5,000万円台・5,300万円台・5,600万円台・5,700万円台)。建物は2×4工法2階建て。施工は西武建設、三井ホーム、東急ホームズ、エステーホーム。

 「Fujisawa SST」は2013年9月、国土交通省の「住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されたプロジェクトで、藤沢市などをアドバイザーに、オーナーであるパナソニックを代表に先進的な取り組みに参画する17社などで構成されるFujisawa SST協議会が開発を進めているもの。

 主な特徴は、①多世代に向けライフスタイルを提案する複合大規模スマートタウン②風と光と緑を取り込む、ゆとりある空間を実現③地域サービスとつながるポータルサイト④タウンマネジメント会社による独自のコミュニティ、モビリティ、セキュリティサービス-など。

 2013年9月の広告開始以来、合計で3000件以上の反響があり、モデルハウスオープン後は1000組以上の来場がある。

 両社とも1期分譲の戸数は少なめにしている模様で、即日完売する可能性が高い。

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「パナホームスマートシティFujisawa SST」(写真右の土間提案がいい)

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 詳細は両社が発表したニュースリリースを参照してほしい。記者が注目したのはタウンデザインだ。曲線を多用したゆったりした街路設計で、藤沢市が管理する幅約3.5mのガーデンパス(歩行者専用道路)を住戸間に設けているのが最大の特徴だ。

 これに似たものはかつて分譲されたが、それは団地管理組合などが管理するもので、自治体が管理する例を記者は知らない。これによって隣り合う住戸間の光と風を取り込むことができるように工夫されている。住民の語らいの場や近隣間の交流を促進させ、街の活性化にもつながることも企図されている。

 もう一つは、タウンマネジメント会社によるタウンサービスだ。コミッティ会員は会費(12,760円/月)を負担し、タウンマネジメント会社はFujisawa SSTコミッティ(住民自治会)に様々な支援やサービスの提供を行うものだ。

 タウンマネジメント会社は、会費や関連事業者からの賛助会費に加え、独自の運営収入(コミュニティソーラーからの売電収入、インターネット回線賃貸収入、生活支援用地等賃貸収入)を元にコミッティ運営支援や各種タウンサービスを行う。

 提供されるサービスは、集会所やタウンカメラなどの施設・設備の修繕管理や植栽メンテナンス・清掃などの維持管理から、街としての各種ガイドラインの運営支援やコミュニティ、モビリティ、セキュリティなどのソフトサービスだ。

 これも似たようなものがあったが、これほど大規模なものはまずないと思われる。会費は高いような気がしないわけではないが、わかりやすく考えればマンションの管理費のようなものだ。タウンマネジメント会社が団地全体の維持管理、価値向上を行うと考えればいいようだ。

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 ガーデンパスのコンセプトを住戸デザインにも取り入れているのがパナホームだ。

 ガーデンパスを中央に隣り合う住戸の間はオープンで、北道路に面したところにそれぞれ駐車スペースがあり、玄関の位置は向き合う形で設けられており、南側のガーデンパスからそれぞれアプローチできるように設計されていた。一見したところ、まるでまるでシンメトリーの建物か、左右対称の階段室型マンションを連想させるものだ。

 これには驚いた。駐車スペースは隣り合う2~3戸の中央に設けられているケースは多いが、玄関が向き合う形で配置されているものなど記者はほとんどない。ユーザーもこれには驚くはずだ。

 全部見たわけではないが、それぞれ向き合う住戸の玄関のところに背丈以上もあるレトリスか衝立のようなものが設けているのもあった。(…ようなもと書いたのは、記者は寒くてはっきり確認しなかったからだ。この日は雪ばかりでなく、ビニール傘が壊れるほど猛烈な北風が吹いた。昼間だから暖かい南からの海風が吹くはずなのに…低気圧の影響か。ガーデンパスの効果は抜群なのを図らずも実感した)

 これについてはぜひともユーザーの声を聴いてみたいものだ。

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「パナホームスマートシティFujisawa SST」(手前の北道路からエントランス方面を写す)
 

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 三井不動産レジデンシャルの建物はこれまでもよく見てきた外観デザインのものだ。やや異なっているのは、湘南をイメージしたのか淡いブルーや白を基調にしたカラーリングのものが多い。

 モデルハウスはストレージ(収納)がテーマになっている。どの住戸も収納スペースは15畳大確保しているように、見事というほかない。ポラスの「子育てママの理想の家」で最優秀賞になったプランもよかったが、「ステップストレージ」、「ステップダウン収納」、「ボックスストレージ」、「デイリーストレージ」などは必見ものだ。植栽が豊富なのも特徴の一つ。

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「ステップストレージ」

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「ステップストレージ」(左)と「ウォークインクローゼット&デイリーストレージ」

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「ステップストレージ」植栽

 

カテゴリ: 2014年度

 

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「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」ロゴ
 

 東武鉄道は2月13日、今年4月1日から路線愛称として「東武アーバンパークライン」を導入する東武野田線の清水公園駅前で戸建住宅を中心とした約500区画の大規模分譲開発「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」をオープンすると発表した。

 「自然を感じる暮らし」「自分らしい暮らし」「コミュニティでつながる暮らし」の3つがコンセプトで、「自然を感じる暮らし」にはチームネット・甲斐徹郎氏をプロデューサーとして起用する。

 商品企画では、壁紙の一部や庭先のアプローチデッキを住民自ら自由に仕上げることができるほか、専門のスタッフからアドバイスを受けられる工房を設置するなど、「DIY」「ハンドメイド」という考え方を導入する。駅前広場にはカフェや図書館を併設した販売センター(インフォメーションセンター)を設置し、住民と近隣地域が交流できる場を設ける。販売開始予定は7月。

 現地は組合施行による土地区画整理事業地内で、施行面積約28ha、施行期間は1992年~2007年。総区画は約500区画。総事業費は127億円。同社としては同沿線では最大規模の開発。

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駅前広場 イメージ

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「デュオアベニュー成城」

 フージャースアベニューが分譲中の戸建て「デュオアベニュー成城」を見学した。成城学園前駅からは徒歩14分とややあるが、外観デザインがよく価格も7,000万円台でリーズナブルなことから、早期完売は必至だ。

 物件は、小田急小田原線成城学園前駅から徒歩14分、または喜多見駅から徒歩12分、世田谷区成城4丁目に位置する全11戸の規模。土地面積は127.53~160.66㎡、建物面積98.53~103.53㎡。現在分譲中の住戸(2戸)の価格は7098万円・7698万円。建物は2×4工法2階建て。施工はイトーピアホーム。

 現地は、かつて三井不動産レジデンシャルが分譲したマンション「パークシティ成城」の隣接地で、従前は畑。成城4丁目緑地や野川にも近接している。 成城学園前駅からは途中に急坂があるが、隣駅の喜多見駅まではほぼフラット。 建物外観は、一部建物に「バットレス」壁を用いてグレード感を高めている。

 分譲開始して約1カ月で4戸が完売。もっとも価格が高い8,000万円近くの住戸も予約が入っている。11戸のうち2戸は来期引き渡しだが、価格的には割安感があり早期完売しそうだ。

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 同社の戸建て新シリーズ〝デュオアベニュー〟シリーズを見学するのは昨年末の「国立」(13戸)以来2度目だが、今回も見てすぐ〝これは売れる〟と思った。もちろん、価格次第だが7,000万円台という価格もぴったりだ。8,000万円台、9,000万円台になるとエリア的には厳しいと見ていた。

 もう1物件、見学したいと思っていた「デュオアベニュー八王子」(10戸)は瞬く間に売れてしまった。前回の「国立」のときにも書いたが、大手と互角に戦える商品企画だと思う。完全に「デュオアベニュー」は軌道に乗った。

被災地石巻では再開発マンション「石巻テラス」77戸分譲へ

 フージャースコーポレーションは近く宮城県石巻市で再開発マンション「石巻テラス」(全85戸のうち分譲77戸)を近く販売開始する。現段階で価格は未定。

 被災地の市況は分からないが、価格は再開発物件だけに分譲単価はかなり安くなるのは間違いない。〝土地代がただでも建たない〟価格になるかもしれない。

 

 

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「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」

 大和ハウス工業は1月16日、株式会社(本社:大阪市、社長:大野直竹)は、2014 年1 月24 日より、繰り返しの巨大地震でも初期性能を維持できるエネルギー吸収型耐力壁などの新工法を採用した戸建住宅最上位商品「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」を1月24日から発売すると発表した。

 新たに開発した新商品は、エネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」を採用することで阪神・淡路大地震を上回る175kine(カイン=地震の強さを揺れの速度で表す単位。物体が1秒間に何センチ移動するかを示す)の地震波を繰り返し与えた場合でも柱・梁の損傷がなく、高い耐震性を維持できることが実証されている。

 構造躯体を強化したことによって、業界最高クラスの天井高2.72センチ、開口幅最大7.10メートルの大空間を実現した。

 さらに、従来の外張り断熱通気外壁を進化させ、断熱・耐久・遮音性能を高めた。

 外壁材はより深い陰影を生む34ミリ厚の窯業系サイディング「DXウォール」を採用して重厚感をアップさせた。内装材もブラックチェリー、オーク、サべリなど高級樹種を使用し、木のぬくもりと個性的な味わいを演出するフローリング材「ライブナチュラルプレミアム」を用意した。

 販売地域は北海道・沖縄県を除く全国で、販売価格は本体工事価格が「ハイグレード仕様」で2,890 万円台(74.0 万円/坪)~「スタンダード仕様」で2,640 万円台(67.7 万円/坪)~(税込)。販売目標は年間1,200棟。構造は軽量鉄骨構造2 階建て。

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 記者は別の取材があったため、記者発表会が終わったころに駆け付けた。会場には取締役専務執行役員・沼田茂氏や上席執行役員・中村泉氏などがあいさつ・事業説明したほか、会場には実物大の耐力壁も展示されていた。相当力の入った商品に違いない。

 配布された資料には、開発に至った背景として、東日本大震災、阪神・淡路大地震などを経験してより強度の高い商品を開発しなければならないことと、同社が同業他社と比較して建て替え比率が低いこと、単価が低いことが課題としてあげられ、その改善を図るのが狙いであると書かれていた。

 大手6社の建て替え比率では、もっとも比率が高いA社が53.0%であるのに対して同社はもっとも低い32.5%で、請負単価はもっとも高いSR社の34.3百万円に対し同社はP社と同じ3番目の31.2百万円となっている。請負単価が最も低いのはA社の30.3百万円となっている。

 同社は新商品の投入により、テストマーケティングでは平均単価は43.8百万円まで上げられる手ごたえがあるとしている。

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 主なデベロッパーの分譲マンションの1戸当たり販売単価を平成25年3月期の決算数字から調べてみた。

 もっとも高いのは住友不動産で4,811万円、以下、野村不動産4,785万円、三井不動産4,765万円、三菱地所4,315万円、東急不動産3,925万円、大京3,856万円、大和ハウス3,436万円、タカラレーベン3,252万円。もちろんこれは供給エリア、企業戦略によるもので高いほうがいいのか安いほうがいいのか一概に言えないが、大和ハウスの役員はどう考えるのだろう。積水ハウスは4,679万円だ。

 

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「マインドスクェア赤塚」

 ポラスグループの中央住宅マインドスクェア事業部が都内城北エリアで初めて分譲する戸建て「マインドスクェア赤塚」を見学した。商品企画は同社がこれまで埼玉県でたくさん供給してきた物件の延長線上にあるもので、都内のユーザーに特徴をどうアピール出来るかが販売のカギを握っている。

 物件は、東京メトロ有楽町線・東京メトロ副都心線赤塚駅から徒歩5分、板橋区赤塚2丁目の建ぺい率60%、容積率200%の第一種中高層住居専用地域に位置する全9棟。土地面積は84.56~94.52㎡、建物面積89.61~105.14㎡、予定価格は5,000万円台~6,000万円台が中心。建物は2×4工法2階建て。建物は一部完成済み。1月18日から分譲を開始する。

 現地は、駅前の商店街を抜けた戸建てや中層マンションなどが建ち並ぶ住宅地の一角。小学校へは徒歩3分。前面道路は4m、全9棟のうち敷地延長住宅は4棟。建物外観は南フランスをイメージしたオレンジの瓦屋根、アーチ窓、連窓、石積みの花台・エントランスなどが特徴。南西の角住戸は擬石と石積みのサイディングを採用した尖塔付きの印象的なデザインが施されている。

 住戸の商品企画では、全棟が1階天井高2.7mで、吹き抜け付きリビング・ダイニング、畳コーナー付き、書斎付き、1階リビング天井高3m、ワインセラー付き、リビングイン、スキップフロアなどそれぞれ特徴を持たせているのが特徴。食洗機のほか、タッチレス水栓、タッチレススイッチ、オート開閉機能付きトイレ、人大キッチンカウンター・シンクなども標準装備だ。

 反響はよく、すでに地元板橋区や練馬区を中心に135件に上っている。

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モデルハウス 吹き抜け             主寝室

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 同社の分譲戸建てはたくさん見学しているので、記者にとって目新しいものはそれほどないが、厳しい建築規制の中で豊かな居住空間を確保した商品企画は刮目に値する。都内のユーザーは驚くものばかりではないか。

 その一つは、同社としては「初めて経験する」という厳しい第2種高度地区の建築規制を受けながら、工夫を凝らして同社の特徴にこだわっていることだ。1階リビングの天井高が2.7mというのもその一つだ。

 その一方で、1階部分の天井高を十分確保しながら、勾配屋根を逆手にとって2階の主寝室の天井高は最大3.1mにし、子ども部屋もビルトインガレージの上に設置することで最大3.2mの天井高を実現した。斜線制限の厳しい位置に水回り部分を集約する工夫も行なっている。1階リビングの天井高が最高3.0mというものもある。主寝室は1戸を除き最低7畳大以上としている。

 同社は今後、都内城東・城北エリアでも積極的に分譲戸建てを分譲する。天井高2.7mが標準の〝ポラスモデル〟は十分戦える商品企画であるのは間違いない。ひとつ注文を付けるとすれば、建物の完成予想図だ。質感が表現できていない。

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キッチンの壁掛け

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営業マン手作りの看板(全棟間取りが異なり、特徴があることを強調している。つたない手書きの文字や切抜き写真がまたいい)

 

カテゴリ: 2014年度

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「まちなかジーヴォ調布多摩川(xevoEDDI)」

「まちなかジーヴォ調布多摩川(xevoEDDI)」で公開

 大和ハウス工業は1月10日、リアルサイズの建物で最新の住まいと住まい方を体感できるモデルハウス「まちなかジーヴォ調布多摩川(xevoEDDI)」を公開した。

 「xevoEDDI」は、同社と世界的な建築家、鈴木エドワード氏がコラボレーションした提案型住宅で、同社の最新の設備機器と、鈴木氏のデザインや住まい方提案を融合したもの。建物は、京王相模原線京王多摩川駅から徒歩3分、調布市多摩川4丁目に位置する敷地面積107.15㎡、延べ床面積84.45㎡の2階建て。

 最大の特徴は、太陽光を屈折・拡散させて室内の明るさ感を向上させた同社オリジナルの「照度UP窓」を北側の居室や壁面など5カ所に設置していること。明るさだけでなく、UV透過量を削減し、色温度をアップさせ目隠し効果もあるという。商品化のための実験段階で、価格などは公表しなかった。

 「まちなかジーヴォ」は全国260カ所で展開しているが、今後倍増させる計画。

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窓を閉めた状態(左)と開けた状態

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  「照度UP窓」なるものを体感した。事前に担当者から話を聞き、一般的なガラスとの比較写真も配布されてはいたが、体感した1階の子ども部屋がどれほど明るいのは全然分からなかった。担当者も恐縮しきっていた。

 ところがだ。ある同業の記者が窓を開閉して明るさが変わることを「証明(照明)」した。写真左が窓を閉め切った状態で、右が開け放ったときのものだ。居室内の天井近くが明らかに締め切った状態のほうが明るいことが分かる。

 そこで考えたのだが、ここまでやるのならいっそ太陽光そのものを取り込んで照射したほうがいいということだ。コストにもよるが、そうすれば居室だろうがキッチン、風呂場、トイレなどの好きなところに自然光を取り入れることができる。記者は3年前、そのような装置を見学している。

 鈴木エドワード氏のデザインは白を基調にしたシンプルなもので、外観やインナーバルコニーの格子などに鈴木氏の思いが込められているという。

 分譲予定価格は7,280万円。駅から徒歩3分、鈴木氏がデザイン監修していることを考えれば安い。

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2階のテラス(掃きだし窓がフラットなのも特徴の一つ)

「スカイライトチューブ」体験・見学会 牛久工務店(2011/3/14)

太陽光採光システムの普及に期待 ~ラフォーレエンジニアリング・田中氏に話を聞く~(2011/2/16)

カテゴリ: 2014年度

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「SMA×ECO CITY(スマ・エコ シティ)相模原 光が丘エコタウン」完成予想図 

 大和ハウス工業は12月26日、相模原市で分譲中の「SMA×ECO CITY(スマ・エコ シティ)相模原 光が丘エコタウン」が神奈川県「環境共生都市づくり事業」に認定されたと発表した。

 横浜線淵野辺駅からバス10分徒歩1分の全127戸の戸建て団地で、太陽光発電システム・家庭用リチウムイオン蓄電池・LED照明・高効率給湯器・EVコンセントを搭載し、同社オリジナルのエネルギーマネジメントシステム「D-HEMS Ⅱ」による家庭内のエネルギーの見える化を図っている。

 環境共生都市づくり事業に認定されたのは13件目で、民間の戸建て団地では初。

大和ハウス「SMA×ECO CITY(スマ・エコシティ)つくば研究学園」まちびらき(2013/12/14)

カテゴリ: 2013年度

 

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「本社」試行棟

 アキュラホームは12月16日、「戦略商品開発プロジェクト」発表会を行い、同時に同プロジェクトを具体化した2棟の試行棟を報道陣に公開した。

 同プロジェクトは、同社グループ、JAHBnet会員、大工職人などから寄せられた約3万件の「KAIZENプロジェクト」をもとに徹底したコストダウンとバリューアップを研究し、試行棟として具現化したもの。約35~36坪の本体価格1,380万円を1,280万円に約100万円安く提供できるとしている。

 試行棟のうち「本社」が「KAIZENプロジェクト」で寄せられた約3万件の声のうち半数を企画に盛り込んだもの。「土の無駄をなくす」「施工の合理化」「バリューアップ」の3つが特徴。「土の無駄をなくす」では、雨水・排水配管を工夫し、さらに残土をスロープ・つき山に利用するなどして工事費の約3%30~40万円を占める「土」に関する費用を13万円分削減した。施工の合理化ではオリジナルハイドアの採用、梱包レス搬入、「養生(床)レス」「組み立て搬入」などを実施。一方で、バリューアップとして1200ミリ軒出し、大型玄関収納、和風庭の提案などを行っている。

 もう一つの試行棟「埼玉第一事業部」棟では、スケルトンインフィルを提案して分譲住宅でありながら注文住宅の要素を盛り込んで設計料などの低減をはかっているのが特徴。

 発表会に臨んだ宮沢俊哉社長は、「本社主導ではなく、地域の声を生かし変化している消費者の価値観にあった豊かな暮らしを提案していく。今年度は9棟を完成させるが、来年度は会員を含め50棟ぐらい建設したい」と抱負を語った。

 先日、広島県福山市で行ったイベントには3,000人を超える来場者があり、昨年広島市で行ったイベントでの来場者約900人を大幅に上回ったことも報告された。

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和風庭とカーポート                           深い軒

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 「本社」試行棟は、なるほどと思う一方で、首をかしげざるを得ないものもあった。いいと思ったのは約80万円の外構費で和風庭を提案しているものだ。自然石をエントランス部分に敷き、カーポートはコンクリートではなく砂利と廃材を利用したものだ。大型玄関収納も機能的なものだ。軒の出を1200ミリにしたのもいい。特殊な構造を必要とせず、最大限伸ばせる長さにしたという。ステップ材が既製品なのはどうかと思ったが、大工さんが仕上げた集成材の階段もなかなかいい。大幅にコストダウンされていた。高性能の雨樋を採用して外観デザインをよくしているのも評価できる。

 しかし、塩ビシート張りの床材はどうか。昔の塩ビシートと比べればはるかに優れているが、継ぎ目がないのでいかにもシートという印象を受ける。

 スケルトンインフィル提案は一部のメーカーも提案しており、きめ細かな対応ができるという点でいい。

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塩ビシート張りの床と階段(手すりはこれからつけるのだそうだ)

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「埼玉第一事業部」試行棟

カテゴリ: 2013年度

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まちびらきのテープカットをする左から北村氏、市原氏、沼田氏、中村氏 

 大和ハウス工業は12月14日、つくば市研究学園でNTT都市開発とともに開発を進めている「SMA×ECO CITY(スマ・エコシティ)つくば研究学園」のまちびらきを行なった。つくば市長・市原健一氏、同社取締役専務執行役員・沼田茂氏、同社上席執行役員・中村泉氏、NTT都市開発取締役住宅事業部長・北村明義氏の4氏がテープカットを行い祝った。

 「SMA×ECO CITY(スマ・エコシティ)つくば研究学園」は、茨城県つくば市の「実験低炭素タウン構想」に基づく先進モデル街区として整備が進められているもので、全175区画に家庭用リチウムム蓄電池(6.2kWh)や太陽光発電システム、家庭用燃料電池(エネファーム)の3電池を設置するほか、同社オリジナルのエネルギーマネジメントシステム(D-HEMS Ⅱ)によるエネルギーの見える化や街全体の見える化も「SMA×ECOクラウド」で実施する。街並みを保全するため地区計画・景観協定を定め、電柱・電線の地中化も実施する。

 また、「D-HEMS Ⅱ」で計測したエネルギー情報を利用して、光の色の変化や音で知らせるコミュニケーションロボット「HEMS版ココナッチ」を一部住宅に導入する。

 沼田氏は、「2011年に立ち上げたスマートシティプロジェクトは大阪府堺市、埼玉県・吉川南、神奈川県相模原市とともに進めている4カ所の一つ。先進の技術を採用して、つくば市の実験低炭素モデル構想にも貢献し、ネット・ゼロ・エネルギー(ZEH)を目指す」と話した。また、同社つくば支店長・宮武孝之氏は、「来年末に全棟が完成する。再来年の3月までに全戸完売したい」と意欲を語った。

 物件は、つくばエクスプレス研究学園駅から徒歩11分、つくば市研究学園C43街区に位置する開発面積約5.1ha。敷地面積は平均200㎡、延べ床面積は117.10~126.40㎡、価格は4,580万~4,920万円(最多価格帯4,600万円台)。会員優先販売ですでに10件が契約・申し込み済みで、3件が商談中。

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モデルハウス

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 つくば沿線の区画整理事業に記者は〝果たして大丈夫か〟と懐疑的だが、関係者が揃って販売に自信を見せていた。15カ月で完売するためには月間12戸を販売しなければならない。同社は3年前、隣接地で積水ハウスと50区画ずつ合計100区画の戸建てを3年がかりで完売したという。近接する創建「ルナつくば研究学園」(141区画)も同じぐらいかかっている。

 販売スピードは、既分譲の戸建ての倍になる計算だが、「電柱の地中化、太陽光・リチウム蓄電池・エネファーム、4,000万円台の半ばという価格帯が評価されている」と宮武氏は胸を張った。

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左からエネファーム、・リチウム蓄電池、スマ・エコプラウド

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 街区の整備はUR都市機構が行なっているので大和ハウスやNTT都市開発に責任はないのだが、街路樹がないのはどういうわけか。

 駅から現地までの途中の街路にはハナミズキと思われる街路樹が植えられていた。ところがしばらく歩くと、街路樹は途絶えた。LEDの街路灯のみが寒々と突っ立っていいた。どこまでも広い道路の両側には緑があふれているつくば市の中心市街地とは対照的だ。

 つくば市も含めてURは街路樹の価値をどう見ているのだろう。電柱のように街路樹が切られているのは見るに忍びないが、新しい街づくりで街路樹が1本もないというのは信じられない。造成費や道路の維持・管理費を抑えるためだろうが、これでは将来の街のポテンシャルはあがってこない。大事なものを忘れているのではないか。

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街路樹が1本もない近隣の街路(右の写真はC43街区に隣接する街区の既存樹の立派な松。この非対称をどう理解すればいいか)

カテゴリ: 2013年度

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「子育てママの理想の家」

 ポラスグループの中央グリーン開発は11月29日、地域の子育てママさんの提案をそのまま建設・販売する「子育てママの理想の家」4棟が完成したのに伴い報道陣向けに公開した。

 「理想の家」は、今年1月、地域の子育てママを支援する活動を行なっているNPO法人子育てパレットと同社グループが協働で立ち上げた「子育てママの理想の家をつくろう」プロジェクトによるもの。4月のコンペティションによって4作品を選定。当初の予定では6名の審査員によって選ばれた最優秀プラン「Give&Take」のみをモデルハウスとして建設されることになっていたが、他の3チームも「建築に値する」と判断されて全棟を建設することになったもの。11月16日から販売されている。

 挨拶した中央グリーン開発事業部長・戒能隆洋氏は「全206棟のうち169棟を供給し151棟を販売することができた。2年間で完売する当初計画通りに進捗している。今回の『理想の家』を始め補助事業の太陽光・HEMSなどを採用した住宅を供給して販売スピードを加速させていきたい」と話した。

 今回公開されたモデルハウス4棟のうち最優秀の「Give&Take」(土地面積約96㎡、建物面積約96㎡、価格4,080万円)が販売済み。戒能氏は「このプランはもっとも条件が悪かったにも関わらず、プランの良さが評価された」と提案者を称えた。

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 記者は、最初のコンペティションを取材したとき、小さな子どもの声を含めてにぎやかな模様をストレートに伝えて顰蹙を買った。改めて関係者にお詫びしたい。

 実際の建物が完成したのを見て、「子育てママ」の問題は、単にママの置かれている問題だけでなくパパの立場、就労条件、地域とのコミュニティの問題など様々な問題が建物に反映されていると感じた。以下、ママさんやパパ、デベロッパーの商品企画担当者、営業マンにも参考になるはずなので、思ったままを紹介する。不愉快な表現があるとすれば、すべて記者の責任であることをお断りする。

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「Give&Take」の提案者(左から加藤さん、宮下さん)

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 Bチームの「Give&Take」モデルハウスが「花丸」だ。ハウスメーカーやデベロッパーの発想の域を飛びぬけていた。記者がもっとも評価したのは主寝室から梯子ではなく階段でつながっているロフト「パパのくつろぎ空間」。ロフトにこもって仕事ができるし、布団を持ち込めば一人寝もできる。もちろん酒もタバコも吸える。企画した宮下さんは「みんなに聞いたら、男の人ってこもりたがるのよね」と話した。当たり! 世の男性は押入れや段ボール箱にこもった経験は必ずあるものだ。子宮願望といってよい。これを巧に取り込んだ。(関係ないが安部公房の「箱男」もお勧め)

 対面キッチン&リビングとつながった1階の段差リビングもいい。小上がりのステップを3段、高さ約60センチにしたのがミソだ。

 この種の段差リビングはポラスも他社もよく提案するが、高さはせいぜい40~50センチだ。60センチにしたのは「結婚当時の写真とか子どもの記録、捨てたくない思い出がつまったガラクタ、季節の入れ替えものなど何でも収納したい」(宮下さん)というのがその理由。高さが低いと作業がしづらく、まるまる収納スペースにできないのは容易に想像がつく。これは、ポラスの住宅は1階の天井高を2.7メートルにしているから実現したプランでもある。2.6mだと60センチの高さを確保したら、段差リビングは居室にならない(建基法では居室の天井高は2.1メートル)。

 このほか、玄関と連結している土間収納はプロがよくやる提案だ。巨大パントリーもいい。

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左から段差リビング、階段つきパパの空間、土間収納

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 Cチームの「私たちの理想の家ストーリー」が「三重丸」。出隅入隅などを多用してコストをまったく考慮していないのがいい。圧巻は2階の提案だ。主寝室は8.9畳大、その隣には小さな子どもを想定した5.2畳大の洋室がオープンになっており、さらに親子はもちろん夫婦のコミュニケーションの場ともなるサンルーム&多目的空間が提案されている。一体として利用すれば20畳大の空間が実現する。これはすごい! 

 多目的空間については「折りたためるカウンターの反対側は、狭いながらもパパ専用のスペース。家族が寝たあとでも眠りを妨げることなく読書をしたり持ち帰った仕事を片付けたりができます。ママが反対側に座って洗濯をたたんだり…すれば夫婦の会話も自然に生まれます…」とあった。

 「子育て」は「働くママ」の問題だし「夫婦関係」の問題だ。さらにいえば近隣住民とのコミュニケーションの問題かもしれない。このCチームは30坪の住宅に夫婦の空間として2階のほとんど全てを提案しているのが素晴らしい。1階キッチン隣の勝手口、玄関サイドの納戸の提案もいい。

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「私たちの理想の家ストーリー」を提案した坂本さん(写真は左からサンルームと不思議な空間、主寝室と子ども部屋)

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 Aチームの「~家族が楽々HAPPYスマートライフ♪~」、Dチームの「つながる家族繋がる時間」は、ポラスの住宅とそん色ないが、強烈にアピールしたBやCと比較するとコンペ作品として物足りなさを感じた。

 Aチームのプランの玄関・框・ホールの提案は消化不良。アピールしたいことをもっと明確にしたらよかったのではないか?

 中2階のPAPAスペースももう一工夫が欲しい。広さは1メートル四方。机とパソコンがセットされていた。ここに夫なり妻なり子どもが「こもって」何かやるだろうか。疎外感を味わうだけではないか。Bチームのプランのように自らの意思で入るのと、追いやられて入るのとではまったく意味が異なってくる。

1階の約3畳大のリビングに面した階段下畳コーナーも狙いはいいが、空間の高さは約130センチ。子どもが成長したらどういうペースになるのか、居室としても使えない。

 Dチームのプランは、「子育てママ」の主張が強すぎる感がある。1階の洗面室に隣接した日当たりのもっともよいところに「ママコーナー」を設置し、その一方で、北側の1畳大もないところに「パパの秘密基地コーナー」を設置していた。これには正直驚いた。パパがかわいそうだ。

 ところがどうだ。この理不尽なプランの感想をわが社の働く女性に聞いたら、「このプランはよく理解できる。パパのものなんか捨てたくてしようがない。置いてもらえるだけでありがたいと思うべき」と痛烈な答えが返ってきた。

 プロジェクトのWeb人気投票ではAチームが21.8%、Bチームが28.4%、Cチームが19.6%、Dチームが30.2%の支持を集めたそうだ。つまり、もっともママの主張を盛り込んでいたこのDチームのプランが一番ママに人気があったということだ。これは、子育てママに非協力的なパパ社会に対するママの趣意返し、倍返しではないかと考えてしまった。

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 家事労働をどう考えるかを聞くため、「食洗機」についてコンペ参加者に聞いた。

 「私は食洗機が欲しい」

 「食洗機はいらない。食器洗いは苦にならない」

 「旦那に食洗機欲しいと話したら『お前、専業主婦だろ、それぐらいやれよ』と言われた。来春から私も働くようになるから、買ってもらえそう」

 「えっ、食洗機付いていないの? 私は三人家族で食器洗いにかける時間は10~15分」

 「食洗機は最初から付かないと聞いていた」

 別の子育てママ3人に聞いた。

 「食洗機は必需品。ルンバもそう」(2人。そのうち階段を上り降りするルンバが開発されるのではないか)

 「うちは旦那が夜遅いから食事は娘と二人。食器洗いは10分で済む。ディスポーザーはあるととても便利」

 記者は子育てママ、働くママにとって食洗機は必需品だと思う。最近は価格の上昇で食洗機をオプションにするところが増えているが、一次取得層の住宅こそ標準化すべきだ。家事労働の価値を理解できない商品企画担当や営業マンは失格。売れるものも売れなくなってしまう。

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 この企画が発表されたとき、どうせママさんたちは販促のための〝客寄せパンダ〟になるのだろうと思った。プレゼンもほとんど聞いていなかった。

 ところが、ママさんたちのプランを盛り込んだ上棟式を取材して、考えを改めた。ポラスは真剣に入居者とともに地域とのコミュニティ形成に取り組んでいた。スタッフも入居者も汗だくになりながらイベントを楽しんでいた。

 そして今回。4つのプランをすべて見た。B、Cとも素人の域を超えていた。AとDはB、Cと比較するとややインパクトに欠けていたが、思いはひしひしと伝わってきた。各チームともキッチン、収納、浴室などには力を注いでいた。それだけ現状の住宅は子育てママや働くママの希望する住宅とかけ離れているということだ。

 現段階で4プランのうち売れているのはBプランというのも納得だ。供給サイドは〝売れない〟リスクを恐れて万人受けするプランにするが、Bプランはそうではないことを実証した。

 今回の経験でポラスは供給サイドと消費者の間には少なからずずれがあることを学んだはずだ。潜在的なニーズも把握したはずだ。今後、どのように商品企画に生かしていくか楽しみだ。 

ポラス 優秀賞モデルハウス上棟式に150組・450人が参加(2013/9/2)

ポラス 「子育てママの理想の家」コンペ大会(2013/4/26)

カテゴリ: 2013年度
 

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