人生の新しい物語のスタート 2020年入社式祝辞 大和ハウス・芳井敬一社長
人生の新しい物語のスタートに三つのお願い
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。役職員を代表して心よりお祝い申し上げます。
本年は、新型コロナウイルスによる影響を受け、残念ながら、入社式を中止としましたが、落ち着いたら皆さんとしっかり話をしたいと思います。今日は皆さんにとって人生の新しい物語のスタートとなる日です。創業65年を迎える当社に入社される皆さんの新たな門出に、三点お願いがあります。
一つ目は「勉強」です。このような厳しい状況の時こそ、勉強して地力をつけてください。皆さんは良き同期、仲間であると同時にライバルです。現在、個人差はほとんどありませんが、これからの勉強次第で大きな差が生まれます。
二つ目は「健康管理」です。仕事をするうえで、社員自身の健康とその家族が最優先されます。また、現場では安全より優先されることは何一つありません。これからは、健康管理を徹底してください。
三つめは「大和ハウスグループの社員として自覚を持って行動すること」です。コンプライアンスの徹底は当然のこと、創業者の著書「わが社の行き方」を熟読し、「行動第一主義」や「全員営業員たれ」「スピードは最大のサービス」といった当社の原点を理解し、業務に邁進してください。
創業100周年(2055年)には皆さんの中から主要な経営層が輩出されるでしょう。その時まで、皆さんはお互いに刺激しあって切磋琢磨し、向上心をもって日々過ごしてほしいと考えています。今後の活躍を大いに期待しています。
(以上、メッセージ)
「明けない夜はない」 2020年入社式挨拶 三菱地所・吉田淳一社長
明けない夜はない
昨年度に当社グループの新たな経営計画として「長期経営計画2030」を策定した。
われわれのやっている「まちづくり」は世の中に必要とされている。感動的な時間、空間を提供し続ける骨太の企業グループを目指している。働き方や時間の過ごし方、暮らし方など、幸せや喜びに関わる色々なことに興味をもって、失敗を恐れずにチャレンジを続けてほしい。
足元、新型コロナウイルスにより不安に思っている皆さんも多いと思うが、会社をあげ感染防止に取り組み、社員や関係者の方々を守りサポートしていくので、安心してほしい。
現在、在宅勤務としており、明日からの皆さんの研修も一定期間、在宅で実施することになるが、自分の身を守ることが、周りの方々の身を守ることになり、それが、東京、世界を守ることにつながる。自覚して行動してほしい。
最後に、明けない夜はない。明けて再スタートを切ったあかつきには、みなさんとともに日本のことを世界に向け、加速して発信していく。長期的な視野を自分なりに持ち、当社の一員として当社グループの価値創造の原動力となることを期待している。
(以上、要旨)
「真のNo.1 ブランドに」 2020年入社式挨拶 三菱地所レジ・宮島正治社長
ザ・パークハウスを真のNo.1 ブランドに
三菱地所レジデンスの「暮らしに、いつも新しいよろこびを。」というビジョンのもと、絶えず住まいについて考え抜き、会社を支える一員として、常に当社の経営ビジョンや事業戦略を念頭に置いて、日々の業務に励んでもらいたい。
マンション市場においては、ニーズが多様化し、選別の厳しい環境が継続しており、当社が顧客から選ばれ続けるためには、これまで以上に顧客に密着したモノづくりが重要だ。住まいを求める顧客一人ひとりの生活目線を取り入れた、ユーザーインのモノづくりが必要となってくる。強いモノづくりを通して顧客の生涯価値を追求し、ザ・パークハウスを真のNo.1 ブランドにしていこう。
当社が「一生ものの住まい」を提供することは、言い換えればライフスタイルを提案することでもある。昨年、当社では「働き方改革」の一環として「本社移転」を実施し、フレックス制度やテレワーク環境の導入など、新しい働き方を実現してきた。さらに昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響も受けて、在宅ワークやフルフレックスなど働き方や暮らし方のニーズは幅を広げている。社員一人ひとりが自らもライフスタイルを充実させ、感じたことを新しいライフスタイルの提案に活かすことが「一生ものの住まい」を創ることにもつながる。
当社が掲げる5つの行動規範(「失敗を恐れない」「自らつくり出す」「開かれていること」「視野を広く持つこと」「誠実であること」)を自ら体現できる社員になってもらいたい。
(以上、要旨)
「未来志向」の企業グループ 2020年入社式祝辞 野村不HD・沓掛英二社長
まさに「未来志向」の企業グループ
皆さんは、本日から野村不動産グループのそれぞれの会社に入社されると同時に、野村不動産グループの一員となります。グループの役職員全員で、皆さんの入社を心よりお祝いし、歓迎いたします。
当社グループは皆さんもご存知の通り、野村不動産における住宅の「プラウド」ブランドに象徴されるように2000 年代以降マンション開発を中心に事業を大きく成長させ、近年では、オフィスや物流・商業施設等、中長期での大規模な複合開発の街づくりを、多数手掛けてきています。また不動産リートをはじめとした資産運用ビジネスに早い段階で参画し、日本トップクラスの資産を運用しています。
不動産関連サービスにおいては、不動産の仲介や法人関連のCRE ビジネス、マンションやオフィス等の管理・運営事業、フィットネスやシニア住宅、ホテル開発等を着実に拡大させています。
そして、グループ全体として中長期の経営目標を掲げ、一丸となって企業価値を向上させています。
入社にあたり、皆さんに伝えたいことが1点あります。
野村不動産グループは、まさに「未来志向」の企業グループであるということです。
野村不動産グループの企業理念は「あしたを、つなぐ。私たちは、人、街が大切にしているものを活かし、未来(あした)につながる街づくりとともに、豊かな時を人びとと共に育み、社会に向けて、新たな価値を創造し続けます。」というものです。
この理念を、お客様や社会に対する「私たちの約束」とし、不動産開発や不動産に関連するサービス・マネジメントビジネスの発展を目指しています。
足元では、新型コロナウイルス問題等により激変する経済環境や、社会の変化が待ち受けています。
その環境を乗り越えていく為には、皆さん一人一人が自分自身の確りとした「未来像と目標」を持って、野村不動産グループの一員としてスタートして頂きたいと思います。
当社グループは、皆さんの「未来や目標の実現」のための「組織や仕組み」を整えていると確信しています。
今日から、まさに社会人生活がスタートしますが、楽しいことより、辛かったり、苦しかったり、壁に直面することが多いと思います。そんな時は、是非、一人で悩まずに、皆さんをサポートしてくれる人事部、またインストラクターや先輩、上司に迷わず相談してください。
そして「焦らず、一歩ずつ」進んで行ってください。
野村不動産グループは、人材を最も大切な財産として成長してきた企業であります。その姿勢は今後も揺るぎません。
コロナ後の市場変化に的確に対応 2020年入社式挨拶 三井不・菰田正信社長
コロナ後のマーケットの変化に的確に対応
入社おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。
三井不動産グループの歴史は、日本の経済・社会の発展とともに、その時代の「パラダイム転換」を捉えた、新たな「価値創造」の歴史です。その価値創造に果敢にチャレンジし、常に自らのビジネスをイノベーションすることが、当社グループのDNAであります。
世界の先進国では少子高齢化や環境問題などの社会課題を抱えていますが、我々は街づくりを通して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現することを目指しています。グループビジョンで示す「&マークの理念」は、多様な価値観を「どちらか」「OR」ということで選択するのではなく、「どちらも」「&」として両立・共存させようというものです。お客様の価値観の多様化に応えていくためには、当社自身の中に多様性を取り入れ、多様な価値観・多様な才能を持った人材が持てる力を最大限に発揮し、シナジーや化学変化を起こせる会社にならなければなりません。
入社にあたり、皆さんに期待すること、心掛けていただきたいことは、以下の5点です。
まず「自立した個人」になること。今日を新たなスタートラインと位置づけ、自らの力で人生を切り開き、高い志を果たしてください。
二つ目は、「幅広い視野を持つ」こと。社会、経済の変化の激しいダイバーシティの現代において、自らの可能性を最大限に伸ばしていくためには、「好奇心」や「ネットワーク力」、価値ある情報を選び取る「感性」が必要です。社内外・世代を問わず、「人との交流」「出会い」を大切にし、物事を見る視野・人間の幅を「外向き」志向で広げてください。
三つ目は、「チャレンジスピリットを発揮する」ということ。仕事をしていくうえで、様々な困難に直面することがあります。そういう時こそ、当社グループのDNAであるチャレンジスピリットを発揮していただきたいと思います。
四つ目は、「健全な心身を保つ」こと。常に心と体の健康を保てるよう、十分な自己管理を心掛けてください。新型コロナウィルス感染拡大防止に関しても、今言われている3つの密のような空間に立ち入らない等の自己管理をしていただきたいと思います。
当社は、多様な人材が自分にあった働き方でその能力を最大限発揮できるよう「働き方改革」に取り組んでいます。労働時間に制約があるという前提で、限られた時間で最大限の成果をあげ、それ以外の時間は、家族と過ごす時間も含め「個人を豊かにする時間」に充てようというものです。それが、社員としての人間の幅を拡げ、ひいては会社の組織としての力を強くすることにつながり、さらには社員の心身の健康を保つことにもつながるからです。
そして最後は、「社会人としてのコモンセンスを持つ」こと。世の中の不祥事のほとんどは、常識の欠如に起因するものです。「コモンセンス」がしっかりしていれば、ごく自然にコンプライアンスの態勢がとれるはずです。
現在、新型コロナウィルスの世界的な蔓延により、世界全体が困難な状況に直面しています。皆さんはこのような混乱の中、社会人としてのスタートを切ることになり、いろいろ不安もあると思います。この新型コロナウィルスの問題については、まずは感染を収束させること、そしてこの問題から発生した経済的ダメージを回復させること、そして、テレワークの進展やEコマースの拡大などコロナ後のマーケットの変化に的確に対応していくことが大事だと考えています。
当社の行っている事業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業です。当社グループが、魅力あふれる企業グループであり続け、今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。
(以上、要旨)
社名変更回数は上場企業トップ!? ナイス 1950年創業から6度目の変更
すてきナイスグループは3月31日、完全子会社のナイスを吸収合併し、商号を「すてきナイスグループ」から「ナイス」へ変更したと発表した。
◇ ◆ ◇
持株会社体制をどう見るかだが、同社は1950年に市売木材株式会社を設立してから今回が6度目の社名変更で、社名変更回数としては間違いなく上場企業トップだ。
同社の社名変更の歴史をたどると、1971年、市売木材から日榮住宅資材に変更し、以下、1988年日榮不動産に、1995年ナイス日榮に、2000年ナイスに、2007年持株会社体制へ移行しすてきナイスグループを設立、そして今回、すてきナイスグループをナイスに変更した。
三菱地所 「丸ビル」「大手門タワー・JXビル」再生可能バイオマス経由の電力活用
三菱地所は3月30日、同社が運営管理する「丸の内ビル」及び「大手門タワー・JXビル」の一部で再生可能エネルギー由来の電力供給を受ける契約をJXTGエネルギーと締結したと発表した。
供給を受けるのは4月1日からで、川崎バイオマス発電が発電する木質バイオマス由来の電力。使用電力のうち「丸の内ビル」が約60%、「大手門タワー・JXビル」が約40%。2棟合計で約10,000t/年のCO2削減を見込んでいる。
三菱地所 新型コロナ対策強化 本社と横浜支店を原則在宅勤務に移行
三菱地所は3月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした東京都などによる在宅勤務及び不要不急の外出自粛要請を踏まえ、3月27日から4月12日まで、本社及び横浜支店の従業員を対象に原則在宅勤務に移行すると発表した。
従前より時差出勤やリモートワークの活用のほか、社内外の会議や面談についてはウェブ会議や電話会議を推奨していたが、対応を強化するものとしている。
「創業100周年時に売上高10兆円の企業グループ」切望 大和ハウス・樋口会長が退任
樋口氏
大和ハウス工業は3月26日、取締役会長・樋口武男氏が今年6月の株主総会で同職を退任し、最高顧問に就任すると発表した。樋口氏は同日付で次のようにコメントした。
◇ ◆ ◇
私は、6月の株主総会をもって取締役を退任し、最高顧問に就任することを決意しました。大変長い間、会長職を務めさせていただきましたが、年齢的なことも含め、また、経営層の若返り等も鑑みて、これからは客観的に大和ハウスグループを眺めながら、気が付いたことを若い社員に伝えていきたいと考えております。
私は何よりも会社が繁栄し続けることを一番願っております。長い間、ありがとうございました。
2001年より社長、2004年より会長職として「創業者精神の継承」と「凡事徹底」を掲げ、経営の第一線において様々な経営改革を断行してきました。また、創業者 石橋信夫相談役の薫陶を受けた私が、次代の大和ハウスグループの人材を育成するべく邁進し、役職員が「多くの人々の役に立ち、喜んでいただけるサービスや商品の提供」に務められるよう、新たな価値創造にも挑戦してきました。
2017年11月より芳井敬一社長の新経営体制のもと、経営基盤やガバナンスなどを再構築し、軌道に乗ってきたところで、昨年、最高経営責任者(CEO)を芳井氏に引き継ぎました。
来年には82歳になりますので、私なりに一定の区切りをつけ、経営の第一線から退くことを社長の芳井氏に報告させていただき、本日の取締役会で決議されました。株主総会以降は、最高顧問として体力の許す範囲内で大和ハウスグループをサポートするつもりです。
これまで私が経営者として邁進できたのも、ひとえに、お客さまをはじめ、取引先様、協力会社の皆様、従業員の皆様等多くのステークホルダーに支えられたお陰であります。
これからも大和ハウスグループが、世の中に必要とされる企業となるよう、また創業者の夢である「創業100周年時に売上高10兆円の企業グループ」となるよう、切望します。
引き続き、大和ハウスグループをご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
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記者は、樋口氏と積水ハウス元代表取締役会長兼CEO・和田勇氏、住友林業前代表取締役会長・矢野龍氏を〝大阪弁御三家〟経営者と呼んできたが、いよいよ三氏の小気味いい絶滅危惧種の大阪弁を聞く機会がなくなりそうだ。残念。
三菱地所 「大手町パークビルディング」の一部を998億円で譲渡
三菱地所は3月5日、「大手町パークビルディング」の一部を譲渡する契約を結んだと発表した。資産ポートフォリオ戦略の一環としてROAの向上を図るとともに、投下資金を回収し今後の事業資金に充てるため。
譲渡するのは同ビルの土地信託受益権準共有持分の約33.1%と、9~20階の事務所部分・店舗部分・地域冷暖房施設部分における区分所有権の共有持分の49.9%。
譲渡先は東京MN1特定目的会社、ジャパンリアルエステイト投資法人、日本オープンエンド不動産投資法人。
同ビルは土地面積約9,338㎡、29階建て延べ床面積約9,338㎡。2017年1月竣工。帳簿価額は約939億円。譲渡価額は約998億円。