野村不動産グループ 記者懇親会 「結束して目標達成を」沓掛社長
挨拶する沓掛社長(写真提供:不動産流通研究所)
野村不動産グループは4月19日、恒例の記者懇親会を行った。冒頭、挨拶に立った野村不動産ホールディングス・沓掛英二社長は、「今年は株式上場10年目、来年は野村不動産創業60年。大きな区切りの年に当たり今期より2025年まで10年先を見通した中長期経営計画を発表したが、経営環境が激変しており楽観視できない。グループ全社が結束して目標に向かって進んでいく。ガバナンスをしっかりすることが大事」などと話した。
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同社は今年4月1日付で、これまでのCSR推進部及び広報IR部を統合し、新たにコーポレートコミュニケーション部を新設し、部長には宇佐美直子氏(前広報IR部長)が就任したが、早速その真価を発揮する場面があった。
同社グループの記者懇親会はこれまで新宿野村ビルの48階にある「野村カンファレンスプラザ」で行われていたが、今年は「ヒルトン東京」に変わった。
沓掛社長は一通り話し終えた後、会場を変更したことに触れ、「今年は奮発してヒルトンホテルにしたが、儲かっているからではない」と参加者を笑わせた。そのとたん、司会を行っていた宇佐美氏が「手狭になったからです」と合いの手を入れた。
間髪を入れずとはこのことを言うのだろう。そのタイミングが絶妙だった。沓掛社長とコーポレートコミュニケーション部が一体であることを満場に知らしめた。
それにしても、代表者の話に割って入る勇気のあるスポークスマンなど政府機関にも民間にもいないのではないか。宇佐美氏の〝快挙〟に記者は普段の2倍の酒で応えた。
会場変更については、会場に着いてすぐ宇佐美氏から「これまでの会場が手狭だったので」という理由を聞いていた。
挨拶する沓掛社長(写真提供:野村不動産ホールディングス)
野村不動産HD CSR推進部、広報IR部を統合、コーポレートコミュニケーション部新設(2016/3/8)
「女性活躍」待ったなし 不動産業界の取り組み/野村不HD・宇佐美広報部長に聞く(2015/8/17)
東急リバブル 新卒採用に「叶える選考」「リベンジャー採用」
東急リバブルは今年度から新卒採用の選考に新たに「叶える選考」と「リベンジャー採用」を開始する。
同社は現在、「お客様評価」「生産性」「働きやすさ」の3つの業界№1実現を中期ビジョンに掲げ、積極的な店舗展開や新サービスの創出、ダイバーシティの推進など様々な取り組みを行っており、多様な人材・優秀な人材を確保するのが目的。
「叶える選考」は、選考フローを①通常選考②№1になった経験をアピールする「№1選考」③宅地建物取引士やFPなどの資格を取得した経緯・頑張りをアピールする「資格者選考」④人には負けない披露できる物・事をアピールする「一芸選考」の4つの選考ルートを学生自身が選べるようにするもの。
「リベンジャー採用」は、最終面接で不採用になった場合でも、再度面接にチャレンジできる制度。緊張して本来の力を発揮できなかったのでもう一度チャレンジしたい、といった強い気持ちや意欲のある学生を歓迎する。
大和ハウス 熊本地震に対する対応を発表 現時点で建物の倒壊なし
支援物資搬送
大和ハウス工業は「熊本地震」に対する4月16日と17日の両日にわたる取り組みを公表した。
備蓄品の輸送については、16日、水:2,200本、アルファ米:1,200食、カロリーメイト:1,500箱 簡易トイレ:400個、毛布:600枚などを午後3時、岡山工場の災害備蓄品を熊本支店、福岡支社に向け搬送。翌17日午前8時、熊本・福岡支店に到着。お客様に配布する予定。
現場の状況については、賃貸住宅の建設現場の1カ所で建築資材が落下するなどの被害あり。熊本県下の建設現場は4月24日まで休工。
社員の状況については、熊本支店は停電・断水などで建物内に入れない状況。18日、仮事務所を建て、発電機も導入し対応する。熊本支店の社員約120名は全員無事。九州の9事業所は営業中。
応急仮設住宅については、依頼を受けた時点で対応できるよう取り組む。
お客様対応の状況については、被災エリアに住宅・賃貸住宅・マンション・店舗・建築等などが震度5弱以上で24,000棟、6弱以上で約7,000棟あり、6弱以上の物件を優先的に連絡し、現場確認を行っている。ドア・サッシ、建具が開かない、ガラスが割れる被害、エアコンの室外機が落下する、立体駐車場が停止するなどの被害がでている。
現場支援については、地震発生時から大阪・東京に「災害対策本部」を設置し、18日には福岡支店に「現地災害対策本部」を設置し、対応にあたる。
支援物資搬送
被災当日の災害対策本部設置に関する打ち合わせ
住友不動産 武蔵小山再開発事業に参画 住宅約500戸建設
「武蔵小山駅前通り地区第一種市街地再開発事業」完成予想図
武蔵小山駅前通り地区市街地再開発組合と住友不動産は4月14日、「武蔵小山駅前通り地区第一種市街地再開発事業」が平成28年4月13日付で再開発組合の設立認可を受けたと発表した。
事業地は、東急目黒町線武蔵小山駅東南側に位置し、細分化された敷地の統合と建物の共同化によって土地の高度利用を図り、区画道路や広場などを整備することで、市街地環境の改善と防災性の強化を図るもの。住友不動産は地権者、参加組合員として事業に参画する。
所在地は品川区小山三丁目、施行面積は約0.7ha、敷地面積は5,420㎡、延床面積は53,870㎡、建物は地上41階・地下2階建て。住宅は約500戸。竣工予定は平成32年度。総事業費は約321億円。
大京穴吹不動産 中国語圏の顧客対応に中国人による専門チーム発足
対応する中国人のスタッフ
大京グループの不動産流通事業を手掛ける大京穴吹不動産は4月11日、リノベーション事業部・不動産ソリューション課に国際営業チームを発足させ、中国語圏(中国大陸・香港・台湾)の顧客に物件購入から引き渡しまでワンストップで対応するサービスを開始した。
法務省の統計によると、首都圏の在留外国人は年々増加し、東京都では約45 万人近くに達しており、国籍別では中国が約16.7 万人と約40%を占めている。同社にも中国語圏からの問い合わせは年間約2,000件にのぼっている。
今回、各店舗に配属していた中国人社員3名を本社内に集約し、店舗横断型の専門チームを組成し、中国語での問い合せ対応から物件の紹介、案内、契約、引渡しまでワンストップで対応することにした。3名の社員のうち1名は宅建士の資格を取得している。
住友林業 北野天満宮の〝北野桜〟の苗木の増殖に成功
一般土壌で育成中の苗木
住友林業は4月8日、京都・北野天満宮社務所前にあり、開花の進行とともに白から桃色へと花の色が変化する珍しい品種である御神木“北野桜”の苗木の増殖に成功したと発表した。
北野桜の推定樹齢は120年。樹高8m、直径2m。幹は根元から大人の胸の高さあたりまで芯が腐り空洞になっていることから、樹勢の衰えが危惧されている。
同社は2009年から保護と増殖を目的として研究開発を進めてきており、バイオテクノロジーのひとつである組織培養法によって増殖に成功した。
左から培養3カ月目、6カ月目、8カ月目
街づくりに「スポーツの力」を 三井不動産がスポーツアカデミー
ロゴマーク
三井不動産と三井不動産レジデンシャルは4月1日、「三井不動産スポーツアカデミーfor Tokyo 2020」4月13日(水)に開校すると発表した。
「三井不動産スポーツアカデミーfor Tokyo 2020」とは、不動産開発カテゴリーにおける東京2020ゴールド街づくりパートナーの三井不動産が主催し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が協力して実施するスポーツ教室。講師に一流のアスリートを招待し、オリンピック・パラリンピック競技を体験・紹介していく。
第1回目の4月13日(水)は、中央区立常盤小学校の小学生約50名を招待し、オリンピアンの田中理恵さんによる体操アカデミーのほか、パラリンピアンのウィルチェアーラグビー日本代表島川慎一さん、池崎大輔さん、今井友明さん、同社社員でアテネ2004パラリンピックの日本代表キャプテンを務めた福井正浩氏も講師に迎え、ウィルチェアーラグビーの競技紹介や体験会を実施する。
また、当日は東京2020組織委員会理事の室伏広治さんや今後予定している「三井不動産スポーツアカデミーfor Tokyo 2020」の講師でもあるオリンピアンの朝原宣治さんをゲストに迎え、開校式セレモニーも実施する。
同社は、スポーツを経年優化の魅力的な街をつくる上で重要な要素と捉え、「スポーツの力」を活用した街づくりを推進していくとしている。
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2020東京オリンピック・パラリンピックのゴールドパートナーになっている三井不動産が、このような取り組みを行うのは結構なことだ。
現在、不動産業界のスポーツ・文化活動は、東京マラソンのオフィシャルパートナーとなっているスターツが突出している。同社には陸上競技部かあり、全国トップクラスの選手がいる。プロゴルフアーも多く同社に所属している。かつては大京がオリンピック選手を送り出したことがある。
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第三企画が主催するRBA野球大会は、プロ球団を退団した選手のセカンド・キャリアに貢献している。
元ロッテの主力投手・倉持明氏はリストの監督を務めているし、元横浜ベイスターズの投手・千葉英貴氏はタイセイ・ハウジーの主砲として活躍中だ。元ヤクルトの捕手・高橋敏郎氏も三井不動産グループのレジデントファーストに在籍している。RBAに在籍したことがある元プロは20人くらいに達する。
三井不動産グループからは三井不動産、三井不動産レジデンシャル、三井不動産リアルティ、三井不動産レジデンシャルサービス、レジデントファーストが参加しており、三井不動産、三井不動産リアルティは毎年のように優勝戦線に浮上している。
アキュラホーム 社員の出産、育児を支援する一時金支給額1億円に到達
アキュラホームは3月30日、社員の出産、育児を支援する「しあわせ一時金制度」を2008年4月からスタートさせ、9年目を迎えた今年3月までに支給額が累計1億円に達したと発表した。
「しあわせ一時金制度」は、従来の出産祝い金制度を大幅に見直し、1人目の出産時には30万円、2人目は50万円、3人目以降は1人につき100万円の出産祝い金を支給することにしているもの。
お客様の住まいづくりで“しあわせ”な暮らしの手伝いをする同社社員も幸せであってほしいという、自らも4人の子宝に恵まれた同社社長・宮沢俊哉氏の思いも込められているという。
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同社は社員(配偶者含む)がトータルで何人の子どもを産んだか公表していないが、支給額から推測すると百数十人に達すると思われる。宮沢社長が4人もお子さんがいるとは思わなかったが、昔は4~5人は普通だった(宮沢社長が〝昔の人〟と言っているわけじゃありません)。同社広報マンは3人のお子さんがいるそうで、宮沢社長からは「頑張って4人目を産め(もちろん産むのは奥さんだが)」とはっぱをかけられているそうだ。
こんなことを書くと、「保育園落ちた。日本死ね!」の当事者や支持者に怒られるのかもしれないが、魔女狩りのように袋叩きする・される世の中が怖い。ただ「4人の子宝に恵まれた」という文言はプレス・リリースをそのまま引き写したのだが、子どもはコウノトリが運んでくるわけではないことは記者は5歳のころには知っていた。産む女性のことを考えたら(その痛みはしらないが)「恵まれた」などという表現は適当ではないかもしれない。
東急リバブル 売買仲介店舗 4月1日に全国7店舗一挙新設
東急リバブルは3月31日、売買仲介店舗「高円寺センター」(東京都杉並区)、「国立センター」(東京都国立市)、「白石センター」(北海道札幌市)、「仙台東口センター」(宮城県仙台市)、「瑞穂センター」(愛知県名古屋市)、「豊中センター」(大阪府豊中市)、「甲子園センター」(兵庫県西宮市)の7店舗を4月1日(金)に開設すると発表した。
7店舗は駅前ロータリーや主要道路に面した視認性の高い立地に出店。各店舗周辺には既存マンションや戸建住宅など豊富なストックが形成されており、今後も売買需要が見込まれているエリア。
今回の出店により、売買仲介と賃貸仲介をあわせた全国のリバブルネットワークは167カ所となる。
三菱地所 〝CSRからCSVへ〟新たな価値創造目指す「3×3 Lab Future」
「3×3 Lab Future オープニングシンポジウム 第4回『国産材の活用を考える』」(大手門タワー・JXビルで)
三菱地所が3月25日行った「3×3 Lab Future オープニングシンポジウム 第4回『国産材の活用を考える』」を取材した。森林・林業の再生・活性化は喫緊の課題であり、単に再生・活性化の活動を支援するCSR(Corporate Social Responsibility)にとどまらず、新たな価値創造に結び付けていくCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)の視点に共感を覚えた。会場は約80名の参加者で満席となり、木で造られた建具・家具や壁材のやさしい香りが漂った。
「3×3 Lab Future」は、昨年末に竣工した同社とJXホールディングスの共同ビル「大手門タワー・JXビル」1階部分に設けられた施設で、「経済」「社会」「環境」のテーマを通じて幅広く交流しビジネスを創発するための「サードプレイス」を提供するのが目的。次世代環境技術や丸の内エリアの様々な取り組みも展示・発信していく。ビルは「CASBEE」Sランク相当。
シンポジウムでは、慶大特任教授・小林光氏(元環境省環境事務次官)、日本総合研究所 創発開発センター マネージャー・井上岳一氏、筑波大教授・安藤邦廣氏がそれぞれの立場から講話した。また、「森林CSVを意識した、マンション住戸内の小屋づくり」をテーマに、NPOえがおつなげて代表・曽根原久司氏、三菱地所 環境・CSR推進部主事・見立坂大輔氏、三菱地所レジデンス商品企画部グループ長・岡崎新太郎氏がトークセッションを行った。
トークセッションでは、同社グループが開発した商品「箱の間」が公開された。「箱の間」は国産木材で造られた横1735ミリ、奥行き755ミリ、高さ1600ミリの建築と家具の間のようなもので、リビングなどに設置し、仕切ったり、囲んだりと間取りに変化を持たせることができ、住まいに新しい居場所をつくることのできる商品。ライフステージに合わせ変更できるのが特徴。
国産材を用いた間仕切り壁
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「箱の間」は面白い商品だ。女の子はしらないが、記者も小さいころは押入れ、屋根裏、床下、蔵、小屋、トンネル、段ボール、藁山…とにかく狭いところや穴に潜り込んで遊んだ。安倍公房「箱男」を夢中で読んでこともある。
最近、コスモスイニシアがリノベーションマンション「東林間」で、モデルルームに「箱の間」と同じような「リトルテーマパーク、が楽しい家」を提案していた。
曽根原氏はここでも〝モリモリ〟体操で座を和らげていた。
「箱の間」
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3氏の講話は非常に参考になった。小林氏は「スギの学名Cryptomeria japonicaは〝日本の隠れた財産〟という意味なのに使われなくなった。川上から川中、川下までのバリューチェーンがない。建前論ばかりで、地道なことやる人材もいない。緑、竹林が家を飲み込み始めている。風景が壊れていく」などとわが国の森林・林業の現状を憂い、「木のファンを増やすには森のファンを増やすのが近道」とし、〝森の国〟オーストリアに学ぶべきと締めた。
井上氏の話も面白かった。「子どもを森に連れていったら、妻とも仲が良くなった」と笑わせながら、人と森をつなげようと呼びかけた。井上氏は林野庁にも勤めていたことがあるとのことだが、このような〝役人らしくない〟人こそもっとも林野行政に必要ではないか。辞めた理由はしらないが、国はもったいないことをした。
安藤氏は、わが国古来の「板倉構法」を紹介した。「木を太く厚くあらわしで使う」「鎮守の森の言葉があるように、森は守るもの」「林ははやして使え」「木造建築は100年持つ」「スギで環境をつくれる」「一反歩(1000㎡)あれば家は建てられる」など魅力的なフレーズを連発しながら、「大臣認定を取得したから、防火地域でも木造は可能。みんな買える価格にしたい」と語った。
三菱地所・杉山博孝社長はインタビュー記事で「多くの人々が暮らし 、働く『 まち』をデザインし、マネジメントするという仕事は、本質的にCSV(共通価値の創造)であると認識しています」と話している。社員にも檄を飛ばしているようだ。確かにCSVは無限の可能性を秘めていると思う。「3×3 Lab Future」がいつか大輪を咲かすのに期待したい。
〝ケロ、ケロ、ケロ〟カエルも歓迎 三菱地所・空土プロジェクト田植えツアー(2015/6/3)
「ザ・パークハウス西新宿タワー60」 “しいたけマンションにしよう”と提案(2015/5/4)
三菱地所グループ「空と土プロジェクト」体験ツアーに同行取材(2012/10/29)