住友不動産 2021年3月期 減収減益 マンション大幅戸数減ながら営業利益は過去最高
住友不動産は5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高9,174億円(前期比9.5%減)、営業利益2,192億円(同5.4%減)、経常利益2,099億円(同4.8%減)、純利益1,413億円(同0.3%増)となった。営業外損益の改善が進み、純利益は10期連続増益、8期連続最高益を達成した。
セグメント別では、オフィス、ホテルなどの賃貸事業は、売上高3,982億円(同0.6%増)、営業利益1,552億円(同8.4%減)。ホテル、イベントホールなどは新型コロナの影響を大きく受けたが、オフィスは、空室率2.8%(前期末は1.4%)の低水準を維持するなど増収増益となった。
不動産販売は、売上高2,633億円(同18.9%減)、営業利益539億円(16.0%増)。計上戸数は前期の5,431戸から4,164戸へ大幅に減少し、売上高も減少したが、広告費、販売費の減少、粗利益率の改善により営業利益は過去最高となった。マンションの期末完成在庫は1,184戸(前期末1,466戸)。次期計上予定戸数3,800戸の期首契約率は約80%(前期は約80%)まで進捗している。
新築そっくりさん・注文住宅などの完成工事は、売上高1,887億円(同13.8%減)、営業利益155億円(同24.4%減)。計上棟数が9,940棟(同16.7%減)となったため減収減益。
不動産流通事業は、売上高657億円(同7.6%減)、営業利益114億円(同21.3%減)。仲介件数は35,122件(同2,593件減少)。
次期業績予想は、売上高9,200億円、営業利益2,280億円、経常利益2,210億円、純利益1,500億円の増収増益を目指す。不動産販売は減収減益を予想。
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マンションが好調を維持している。同社は第八次中期経営計画(2020/3~2022/3)では「量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールしていく」「競争激化の用地取得環境が続く中、『好球必打』で着実に確保する方針は継続する」と戦略転換し、マンション・戸建ての計上戸数は2019年3月期の5,948戸から2021年3月期は4,149戸へと約1,800戸も減らしながら、営業利益は過去最高となった。
〝機を見るに敏〟の言葉がピッタリの値付けもさることながら、プロジェクトごとの販売事務所を設けず、総合マンションギャラリーを首都圏に7館、関西に2館、東海に1館に集約し、広告費、販売経費などを削減しているのも大きい。
売上高を計上戸数で割った1戸当たり単価は2019年3月期の5,435万円から2021年3月期は6,083万円へ648万円も上昇しているのも「好球必打」を実践している証拠か。
三菱地所 2021年3月期 減収減益 コロナ影響額400億円 次期は売上・利益とも最高へ
三菱地所は5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高は1兆2,075億円(前期比7.3%減)、営業利益は2,243億円(同△6.8%減)、経常利益は2,109億円(同3.9%減)、純利益は1,356億円(同8.6減)と減収減益となった。
新規オフィスビルの通期稼働や竣工、及び既存ビルの賃料増額改定等によりビル賃貸利益は増加し、マンション利益率も改善したが、新型コロナウイルスの影響を受けた商業施設、ホテル事業の利益の減少、海外事業の物件売却収入・利益が減少した。
固定資産売却益、有価証券売却益など特別利益として1,660億円、固定資産除却関連損、子会社清算損、新型感染症対応など特別損失として263億円を計上した。コロナ影響額は、ホテル、商業施設とも約170億円など全体では400億円としている。
セグメント別では、オフィス、商業施設、ホテルなどのコマーシャル不動産事業は売上高6,724億円(前期比7.1%減)、営業利益1,807億円(同3.8%減)。オフィスは、四谷タワーなどの通期稼働、みずほ丸の内タワー・丸の内テラス等の竣工、既存ビルの賃料増額改定などにより賃貸収入・賃貸利益が増加した。空室率は2.35%(前期末1.86%)と若干上昇した。商業施設やホテルは、新型コロナの影響を受け、収入、利益とも大幅に減少した。
住宅事業は、売上高3,627億円(同5.9%減)、営業利益240億円(同1.0%減)。国内分譲マンションの売上計上戸数は増加したが、首都圏郊外や地方都市での売上計上物件が多く、平均戸当たり単価の低下により減収。一方、粗利益率の上昇により利益は増加した。海外は、アジアでの分譲マンション事業利益などが増加した一方で、前期に計上した英国での物件売却による収入・利益の反動減があった。
2022年3月期業績予想は、新規ビル竣工やキャピタルゲイン増加などを見込み売上高1兆3,260億円(前期比9.8%増)、営業利益2,450億円(同9.2%増)、経常利益2,200億円(同4.3%増)、純利益1,420億円(同4.7%増)、と売上高・営業利益・経常利益とも過去最高を見込む。配当は33円を予想している。
なお、純利益が前回予想を上回ったため年間配当を30円予想から31円に増配する予定。
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記者の取材フィールドであるマンション事業がどう着地するか注目していた。前日の東急不動産ホールディングスが完成在庫を827戸(前期比82.6%増)も出したからだ。
マンションの売上高2,035億円(前期比0.2%増)、計上戸数3,214(前期は3,476戸)、粗利益率18.7%(同17.8%)、完成在庫213戸(前期比160戸減)となり改善した。2022年3月期は2,030億円、計上戸数2,900戸、粗利益率20.0%を予定している。
オンライン決算説明会で、同社取締役兼代表執行役執行役専務・片山浩氏は「当初はコロナの影響で在庫が増え、値引きも想定していたが、予想以上に好調に推移した。しっかりと良い物件・エリアを選んで、そのエリアにマッチングしたスペックの良いものを創っていけば、都心も郊外も好調は持続できる」と語った。
記者は、同社のマンションをこの1年間1物件も見学していないのでよくわからないのだが、業界全体としては価格が上昇する一方で、その分だけ専有圧縮、設備仕様レベルダウンしていると思っている。質問したかったが、決算資料を読み込んでおらず、パソコンの操作の仕方もよくわかなかったのでやめた。同社のスペックは落ちていないと理解することにした。
ナイス 2021年3月期 減収増益 記念含め3期ぶり期末30円復配
ナイスは5月12日、2021年3月期決算を発表。売上高は2,140億円(前期比14.9%減)、営業利益は44億円(同273.5%増)、経常利益は39億円(同1,004.2%増)、純利益は20億円(前期は純損失37億円)となった。売上高は減少したが、粗利益率の改善、販売用不動産の売却などを行った結果、大幅な増益となった。
次期業績予想は、売上高2,050億円、営業利益32億円、経常利益26億円、純利益18億円を計画。
また、同社は同日、前回2020年11月発表の期末15円復配に加え、創立70周年を記念して期末配当を30円に修正すると発表した。配当は3期ぶり。
なぜだ マンション完成在庫827戸(前期比82.6%増) 東急不HD 2021年3月期
東急不動産ホールディングスは5月11日、2021年3月期決算を発表。売上高9,077億円(前期比5.8%減)、営業利益565億円(同28.7%減)、経常利益465億円(同31.0%減)、純利益216億円(同43.9%減)と減収減益となった。オフィスなどは堅調に推移したものの、新型コロナの影響を受けウェルネス、ハンズなどが営業損失となったのが響いた。コロナによる特別損失として66億円を計上した。
オフィス・商業施設などの都市事業は売上高3,049億円(同4.2%増)、営業利益550億円(同4.7%増)と増収増益。オフィス空室率は1.3%(前期は0.6%)と低水準を維持した。
マンションなどの住宅事業は、売上高1,463億円(同7.3%増)、営業利益は84億円(同1.2%減)となり、利益率が低下した。
管理事業は売上高1,848億円(同3.1%減)、営業利益66億円(同4.2%減)、仲介事業は売上高1,284億円(同2.3%減)、営業利益123億円(同19.1%減)となった。ウェルネスは114億円、ハンズは44億円の営業損失を計上した。
2022年3月期業績予想は、売上高10,400億円(同14.6%増)、営業利益800億円(同41.5%増)、経常利益665億円(同42.8%増)、純利益300億円(同38.4%増)。売上高は初の1兆円超を目指す。セグメントは従来の7事業から4事業に再編。人財と資源活用の観点から社会的役割の親和性が高い事業領域に区分する。
また、同社は同日、2030年を目標年度とする長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を発表。「WE ARE GREEN」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーであるグリーンを基調に、多様なグリーンの力を融合させ、魅力あふれる多彩なライフスタイルを創造するとしている。具体的数値ではROE10%以上、営業利益1,500億円以上を目指す。
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ウェルネス事業やハンズ事業が新型コロナの影響を受け営業損失を出したのはやむを得ないが、住宅事業でマンションの完成在庫を827戸(前期比82.6%増)も出したのに驚いた。3Qの段階でも453戸あったので増えるとは思っていたが、これほどの在庫を出すのは信じられない。
同社は在庫増について、コロナの影響を受け販売を先送りしたことや期末に竣工が集中したためとしているが、これは同業他社と同じはずだ。
他社はどうか。三井不動産は3Qの段階でマンション計上戸数2,969戸に対して完成在庫は151戸だ。先に決算を発表した野村不動産ホールディングスは計上戸数3,669戸(戸建て含む)に対して完成在庫は販売中が239戸で、未販売182戸と合わせ421戸だ。
先日も書いたが、大和地所レジデンスは2020年3月期の870戸に続き、2021年3月期の完成戸数898戸を3月の時点で完売したと発表した。同水準のモリモトも完成在庫は少ないはずだ。
これらと比較して同社の在庫の多さは異常だ。827戸といえば、三井不動産がリーマンショック後の2010年3月期で計上戸数4,651戸に対して、872戸の完成在庫を出したのと同水準だが、その時は最悪期だったし計上戸数がまったく異なる。
コロナ禍でもマンションや分譲戸建ては堅調な動きを見せており、同社も今期売上予想に対する期初の契約済みは54%(前期比4ポイント+)としているので在庫を圧縮できるかもしれないが、完成後1年経過すれば「中古」とみなされ、売れ残りというイメージが広がる。販売経費もかさむ。営業マンだって疲弊する。
同社のマンションはこの2年間一つも見学していないが、同業他社と比べて見劣りするのか。商品企画、ブランディングを考える必要があるのではないか。
余計なお世話だし、同社に限ったことではないが、住宅評論家や専門家を起用し(ただではないはず)、狙い目だとか住みたい街だとか語らせるのはいかがなものか。逆効果だってある。タレントはお金がかかるかもしれないが、集客力は桁違いのはずだ。東京建物は「ブリリア」を打ち出したとき、これで成功した。大成有楽不動産は昔、オードリー・ヘプバーンを起用した。故人のため著作権料はものすごく安かったと聞いた。
もう一つ。分譲戸建ても計上戸数はゼロだ。〝街づくりの東急〟はどこへ行ったのか。
ついでにもう一つ。記者は〝マンションはハ行〟と書いたことがある。三井不動産「パークホームズ」、三菱地所「(ザ・)パークハウス」、野村不動産「プラウド」、東京建物「ブリリア」、大和ハウス工業「プレミスト」だし、住友不動産も「(シティ)ハウス」だ。「ブランズ」が負けるはずないではないか。
FJネクスト 2021年3月期 減収減益 ワンルーム伸びるも中古マンション4割減
エフジェーネクストは5月10日、2021年3月期決算を発表。売上高72,988百万円(前期比14.0%減)、営業利益7,351百万円(同29.4%減)、経常利益7,334百万円(同29.0%減)、純利益4,983百万円(同26.0%減)と減収減益となった。
主力の新築マンション売上高は33,819百万円(前期比6.2%増)、売上戸数1,142戸(同8.3%増)。内訳は資産運用型ワンルーム「ガーラマンション」が売上高26,006百万円(同13.9%増)、売上戸数969(同14.4%増)、ファミリー向け「ガーラ・レジデンス」が売上高7,812百万円(同13.3%減)、売上戸数173戸(同16.4%減)。中古マンション売上高は21,484百万円(同41.1%減)、売上戸数871戸(同42.0%減)。
2022年3月期の業績予想は、売上高810億円(前期比11.0%増)、営業利益80億円(同8.8%増)、経常利益80億円(同9.1%増)、純利益55億円(同10.4%増)を計画している。
明和地所 2021年3月期 マンション順調に推移 大幅増収増益
明和地所は5月10日、2021年3月期決算を発表。売上高50,109百万円(前期比23.6%増)、営業利益3,626百万円(同121.3%増)、経常利益3,007百万円(同184.0%増)、純利益2,721百万円(同448.3%増)と大幅増収増益となった。
主力の不動産販売事業は、新型コロナ対策としてマンションの引渡しを前期から当期に変更した住戸があったため830戸(前期比86戸増)、中古マンション69戸(前期比16戸増)の引渡しを行ったことなどから売上高は43,666百万円(前期比27.5%増)、セグメント利益は3,621百万円(同126.7%増)となった。
2022年3月期業績予想は売上高52,100百万円、営業利益3,900百万円、経常利益3,100百万円、純利益2,600百万円を予想。2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」を適用するため、対前期増減率は記載していない。
アグレ都市 2021年3月期 売上高、利益とも過去最高更新 配当も前期末18円⇒42円へ
アグレ都市デザインは5月6日、2021年3月期決算を発表。売上高20,485百万円(前期比12.8%増)、営業利益1,305百万円(同85.0%増)、経常利益1,137百万円(114.7%増)、純利益783百万円(同120.5%増)と大幅増収増益となった。売上高・各段階利益ともに過去最高値を更新した。
主力の戸建販売事業では、自社ブランド「アグレシオ・シリーズ」322棟、土地分譲25区画(アセットソリューション事業4区画を含む)の引渡しを行った。
期末配当は、3月12日公表の1株当たり38円から4円増配し、1株当たり42円(前期末は18円)とする予定。
2022年3月期業績予想は、売上高23,779百万円(前期比16.1%増)、営業利益1,438百万円(同10.2%増)、経常利益1,211百万円(同6.5%増)、純利益823百万円(同5.1%増)としている。期末配当も44円と増配を予想している。
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明日(5月7日)、同社の「アグレシオプラス西新井IV」(全23戸)を見学取材する予定だ。しっかり見学してレポートしたい。
野村不動産HD 2021年3月期 減収減益 新型コロナ影響額は事業利益で140億円減
野村不動産ホールディングスは4月27日、2021年3月期決算を発表。売上高は5,806億円(前期比14.2%減)、営業利益は763億円(同6.8%減)、事業利益764億円(同7.7%減)、経常利益は659億円(同9.7%減)、純利益は421億円(同13.7%減)となった。
新型コロナウイルスの影響額は、事業利益ベースで約140億円(2020年7月時点では同200億円と想定)となり、当初予想から60億円減少。各部門の利益率向上・経費削減 による約100億円の利益の増加により、事業利益は前期比7.7%減の764億円となった。
事業別では、住宅部門は計上計画が少なかったうえ、新型コロナの影響により一部物件の計上時期を変更したことで、マンションと戸建てを合わせた計上戸数が3,669戸(前期比1,070 戸減)と減少。粗利益率は22.6%(前期20.4%)と向上した。2022年3月期計上予定売上高3,150億円(戸数:4,400戸)に対する期初進捗率は65.3%と堅調に推移している。
都市開発部門は、新型コロナの影響により商業施設の賃貸収入やホテル事業、フィットネス事業の収入が減少した一方で、オフィスビル、物流施設を中心とした物件売却が堅調に推移し、売却粗利益は211億円(前期比20.1%増)となった。
サービス・マネジメント分野は、私募REITを中心に運用資産残高が増加し、CRE部門、運営管理部門は、新型コロナの影響を一部受けたものの、主に年度後半にかけて、仲介取扱高の増加、および受注工事の利益率改善などによって回復し、サービス・マネジメント分野全体では増収増益となった。
2022年3期の業績予想は、売上高6,800億円、営業利益770億円、事業利益840億円、経常利益725億円、純利益495億円と増収増益を見込む。売上高、事業利益、純利益は過去最高となる見通し。
配当は、2020年5月に公表した配当予想を修正し、2021年3月期の年間配当金を1株82.5円と9期連続の増配とする。2022年3月期の年間配当は85.0円の予定。
いちご2021年2月期決算 コロナの影響受けホテルの賃貸収益が大幅減少
いちごは4月19日、2021年2月期決算を発表。売上高613億円(前期比29.8%減)、営業利益96億円(同65.1%減)、経常利益71億円(同70.6%減)、純利益50億円(同38.7%減)となった。新型コロナの影響を受け、ホテルの賃貸収益が大幅に減少した。
アセットマネジメント事業は、コロナの影響を受けいちごホテル売上に連動するベース運用フィーが減少し、物件売却益がなかったことなどから売上高は2,480百万円(前期比37.2%減)となった。
心築(心を込めて既存不動産に新しい価値を創造する)事業は、コロナの影響により資産の売却を見送り、売却益が減少した結果、売上高は54,780百万円(同32.0%減)となった。ただ、レジデンスは賃貸収益の安定性を背景に堅調に推移した。
収益の安定性が高いクリーンエネルギー事業は売上高4,654百万円(同22.6%増)と順調に成長した。
2022年2月期業績予想はレンジでの開示とし、営業利益120~91億円(前期比24.1%増~5.9%減)、経常利益89~60億円(同24.0%増~16.4%減)、純利益80~50億円(同59.1%増~0.5%減)を見込んでいる。
新入社員85名の各々の思い込めた85の漢字 宮沢カンナ社長が削り出す アキュラ入社式
夢をつなぎ削り出した宮沢社長
“カンナ社長”で知られるアキュラホームとアキュラホームグループ、スマートアライアンスビルダーは4月1日、「カンナ削り入社式」を開催した。
今回は、新入社員85名から多く寄せられた「コロナ禍でも繋がりやコミュニケーションを大切にしたい」「対面の入社式を希望したい」という声を受け、昨年実施したオンライン入社式ではなく、同社グループとしては初めてとなる新入社員とともに作り上げる入社式とした。
実施に当たっては、新入社員全員が所信表明として漢字1文字(合計85文字)を全長3メー トルに及ぶ木材に書き、宮沢俊哉社長が大鉋(おおがんな)で削り出した。入社式後には、85名で「絆」の人文字を描き、「全員が力を合わせて1つのものを作りあげる」決意を固めあった。
カンナ削りの実習
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同社からプレス・リリースが届いたとき、せっかく新入社員が書いた全体で85の漢字を宮沢社長が削り取ったら何も残らないではないかと思った。すぐに問い合わせた。宮沢社長は夢を消しさったのではなく、85の漢字が書かれた木の薄皮をはぐようにして全てつなげたのだという。さすが!宮沢社長!
漢字でもっとも多かったのは「挑」で、進、楽、成、気、希なども多くみられたそうだ。
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宮沢社長は、以下の祝辞を述べた。
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、学生生活や就職活動など大変苦労されたと思いますが、数ある企業からアキュラホームグループを選んでいただき、大変うれしく思います。
今年度は5,589名のエントリーの中、新入社員85名を新たに仲間として迎えることができました。昨年はコロナ禍の中で日本全体、世界全体が厳しい状況におかれた年でしたが、アキュラホームグループは、「ESG(環境、社会、企業統治)に優れた日本一の注文住宅・まちづくり企業といえばアキュラホームグループとなっている」というビジョンを掲げた中期5ヵ年計画の初年度でもありました。昨年は突然の環境変化の中でも、逆境をチャンスと捉え、ITを駆使した遠隔操作のロボットによる展示場案内、WEBを活用したイベント開催などへの営業面のシフト、新型コロナウイルスを前提とした新生活様式を代表とする商品開発など、様々な施策を打ち出すことで当初の事業計画以上の業績を収めることができ、結果として、決算賞与の支給など社員への還元も行うことができました。
今後も、新たな取組として総合展示場ではない「まちかどモデル」の展開やWEBを活用した販売戦略、リフォーム事業・土地仲介事業の立ち上げ、お客様から大工さんを指名していただく大工指名制度など様々な取り組みを予定しています。働く社員にも幸せになってもらうために、物心両面の充実も図っていく予定です。中期5ヵ年計画では売上1,000億円企業を目指し、全国のホームビルダーとの賢い連携をはじめ、社員一人ひとりの専門性を活かしてその知見を最大限に活かす専門チームという独自の取り組み、分社化により子会社社長など、社員の活躍する場、挑戦する場を次々と用意しています。
皆さんにも、このような取り組みの実現のため、また皆さんの成長に向けて、当社が大切にし、根幹となる「匠の心」をもち、お客様に喜んでもらうために努力し、つくる喜びを感じながら仕事に取り組んでほしいと考えています。
幸せを提供し続けるためには、現状維持ではなく常に進化し続けることが重要です。また当社が大事に思う、失敗を恐れず挑戦すること、挑戦を通じて気づきを得て成長するという経験を是非たくさん積み重ねてほしいと思っています。
昨今の変化し続ける時代において、新しい価値観が生まれていますが、このコロナ禍という苦境を乗り越え、入社してきた皆さんだからこそ、新しい価値観、時代の変化を捉え、柔軟に対応し、未来に向かって力を発揮してくれると期待しています。
本日は様々な感染症対策により、新入社員85名が一堂に会することができました。本日の入社式では、入社した皆さんの意見やアイディアもたくさん盛り込んだ内容となっています。かけがえのない仲間となる同期との「絆」を大切にし、お互い切磋琢磨しあい、様々な経験を重ねながら、一人ひとりが成長することで会社の成長・発展につながり、アキュラホームグループの未来を創っていきます。今日から社会人として、アキュラホームグループの一員としての自覚をもち、社会人としての第一歩を踏み出してください。
皆さんのこれからの社会人生活が、公私ともに輝か しいものになることを祈念して、私の祝辞とします。
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リリースには、次のような新入社員のコメントも寄せられている。
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一年前のちょうど今頃、新型コロナウイルスが流行し始め、これまで当たり前に過ごしてきた日々ががらりと変わってしまいました。就職活動においても、自分自身が一体何をしたいのか、これから先、何を大切にすべきなのか、改めて考えさせられるきっかけとなったと同時に、慣れないオンラインでの選考は、失敗や発見の連続でした。そうして、いくつもの壁にぶつかり、悩みながらも就職活動を進めていたとき、アキュラホームグループに出逢いました。
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住まいづくりへの情熱、信念、そして誇り。住まう人の喜びのために精進し、努力を惜しまない「匠の心」はもちろん、いち早くコロナ禍でも安心して快適に暮らすことのできる住まいを提供できる行動力に感銘を受けたことを今でも覚えています。住まいに関することだけでなく、カンナ削りの木のストローをはじめとする社会貢献活動など、「日本の住まいづくりを変える」という、その強い想いと高い志に惹かれ、いつしかその一員になりたいと願うようになっておりました。
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このたびの新型コロナウイルスで、世の中では様々な活動が自粛などとなっています。今後、働いていくにあたって予想もつかないような事態が起きることもあると思いますが、ピンチをチャンスに変えられるよう柔軟な発想をし、トライ&エラーで実践していきたいと思います。これから先、一年前のあの頃のように悩み、戸惑い、壁にぶつかって立ち止まってしまうことも多々あるかもしれません。そんな時は今日の喜びを思い出し、何事にも全力投球で取り組 み、前に進んでいきます。そして、新入社員一同、アキュラホームグループの一員として恥ずかしくない社会人となるため、日々高みを目指し、精進して参ります。これから、同じ想いを持ち共に入社した仲間たちと切磋琢磨しながら成長し、会社の発展のために努めさせて頂くことをここに誓い、決意表明と致します。