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 大和ハウス工業は5月17日、2021年3月期決算に関するマスコミ向けオンラインスモールミーティングを開催。同社代表取締役社長CEO・芳井敬一氏、代表取締役副社長CFO ・香曽我部武氏、経営管理本部財務部長IR室長・山田裕次氏が出席した。

 芳井社長は冒頭、「新型コロナの感染拡大を防ぐため、このようなオンラインでの説明になったのは残念。みなさんの顔をしっかり見ながら話したかった」と断りながら、3月期の決算概要を15分間説明し、メディアの質問についても約45分にわたり答えた。

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 記者は、この種のオンライン説明会をかなり視聴した。ただ、醜悪な顔はもちろん、自分ですら聞くのが嫌になるほど不快な声を晒すのは恥ずかしく、チャットで質問しようかと思ったが、これまた大変失礼と判断して沈黙を守った。

 質問したかったのは取材フィールドの分譲マンション事業についてだった。記者はこの1年間、同社のマンションは「築地」「白金」「船橋塚田」「平和台」などを見学し、コスモスイニシアの物件もいくつか取材した。物件は今期計上の物件が中心なので、数字には反映されていないのだろうが、商品企画は間違いなく水準以上で、デザイン性も高かった。

 2021年3月期の賃貸・管理を含むマンション事業は、売上高3,393億円(前期比8.92%減)、営業利益53億円(同66.5%減)、営業利益率1.6%(同2.7ポイント減)だった。売上高はともかく営業利益・率が大きく減少したのは意外な感じがした。完成在庫1,458戸(うち契約済み91戸)は前期の1,077戸(同39戸)より381戸増加している。

 マンションブランド〝プレミスト〟は、他の大手デベロッパーの〝マンションはハ行〟に合致するのに、なぜこれほど営業利益・率が低いのか(他の記者の方は誰も質問しなかった)。記者はコスモスイニシアも含めてイメージ戦略、ブランディングに問題があるような気かしてならないのだが…。やはり、恥を忍んで芳井社長に質問すべきだったか。

 それより、顔は誰かのように似顔絵でよく、声は美声ランキングトップの福山雅治さん似に変換してくれるソフトはないのか。

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 同社の2021年3月期は、売上高4兆1,267億円(前期比5.8%減)、営業利益3,571億円(同6.3%減)、経常利益3,378億円(同8.1%減)、純利益1,950億円(同16.5%減)となった。

 新型コロナの影響を大きく受けたが、既受注の請負工事の施工や投資不動産の売却が順調に進捗したほか、米国での住宅事業も堅調に推移し、企業年金制度の資産運用益420億円(費用の減少)が発生したことなどにより、通期業績予想を上回った。売上高・営業利益は11期ぶりの減収減益、純利益は2期連続の減益となった。

 セグメント別では、戸建住宅事業が売上高5,161億円(前期比3.7%増)、営業利益218億円(同20.7%増)と増収増益。コロナ禍でもWebサイト上で楽しく簡単に家づくりを体験できる「Lifegenic(ライフジェニック)」の販売が好調に推移し、海外も堅調に推移した。

 賃貸住宅事業は、売上高9,827億円(同2.3%減)、営業利益908億円(同7.9%減)。新型コロナの影響で請負工事の受注が減少したが、集合住宅の入居率は史上最高の98%に達している。

 住宅ストック事業は、売上高1,247億円(同14.4%減)、営業利益104億円(同37.6%減)。新型コロナ影響に伴いリフォーム工事の受注が減少した。

 商業施設事業は、売上高8,083億円(同0.2%増)、営業利益1,228億円(同12.6%減)。

 事業施設事業は、売上高9,899億円(同14.1%減)、営業利益1,159億円(同3.9%減)。多角化を進め、物流事業は健闘したが、新型コロナの影響で一部の企業の設備投資計画が中止・延期されたのが響いた。

 その他事業は、リゾートホテルやスポーツクラブ事業が新型コロナの影響を受け売上高5,073億円(同4.3%減)、営業利益107億円(同44.1%減)。

 次期業績予想は、売上高4兆3,000億円(前期比4.2%増)、営業利益3,200億円(同10.4%減)、経常利益3,160億円(同6.5%減)、純利益2,150億円(同10.2%増)としている。

 また次期配当は、2021年9月に同社創業者・石橋信夫の生誕100周年を迎えることから年間普通配当116円に、記念配当10円を加え126円とする予定。

カテゴリ: 2021年度

 旭化成ホームズは5月13日、2021年3月期決算概要を発表。売上高6,448億円(前期比0.7%減)、営業利益597億円(同11.5%減)となった。

 建築請負部門(旭化成ホームズ)は、新型コロナの影響を受け、売上高3,947 億円(同5.1%減)、営業利益319億円(同21.8%減)。

 不動産部門(旭化成不動産レジデンス)は、売上高1,701億円(同12.0%増)、営業利益221億円(同22.9%増)。賃貸化した分譲マンション「アトラス」3物件を不動産私募ファンドに譲渡し、投資型事業へ参入した。

 リフォーム部門(旭化成リフォーム)は売上高529億円(同13.7%減)、営業利益45億円(同35.6%減)となった。

 次期業績予想は、売上高7,400 億円(前期比14.8%増)、営業利益630億円(同5.6%増)としている。

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 記者は昨年竣工した「(仮称)宮益坂ビルディング建替計画」がどのような形で報告されるか注目していたが、言及はなかった。私募ファンドに譲渡した3物件にも「宮益坂」は含まれていない。2桁増収増益になっているので、「宮益坂」はそれに寄与しているはずだ。

 ただ、不動産情報サイトには地権者住戸と思われる物件が販売されており、36.09㎡の1Kが1億500万円、48.28㎡の1LDKが1億7500万円、48.72㎡の1LDKが2億1800万円の値が付けられていた。これらを坪単価に換算すると960万~1,477万円となる。

 記者は昨年6月の段階で「坪単価は1,000万円を突破し、オークションにかけたら坪1,500万円でも売れるかもしれない」と予想記事を書いたら、関係者の関心は高いようで、アクセスが殺到した。単価予想は当たらずとも遠からずということか。

 渋谷駅圏のマンションとしては、近くモリモトが駅から7分の「ピアース渋谷」67戸を分譲する。「渋谷駅桜丘口地区」再開発エリアに近接している。坪単価は最低800万円で900万円もありうると見たが、同社は高値追求しないはずだ。取材してレポートしたい。

一般分譲されない可能性高まる 旭化成不レジ「(仮称)宮益坂ビルディング建替計画」(2020/6/15)

カテゴリ: 2021年度

 オープンハウスは5月14日、2021年9月期第2四半期決算を発表。売上高3,639億円(前期比39.0%増)、営業利益416億円(同53.9%増)、経常利益406億円(同56.0%増)、純利益327億円(同80.6%増)。プレサンスコーポレーションの連結子会社化に伴い、負ののれん発生益154億円の特別利益と段階取得に係る差損110億円の特別損失を計上している。

 主力の戸建関連事業は、売上高2,352億円(前年同期比26.1%増)、営業利益329億円(同57.5%増)。

 プレサンスコーポの売上高は494億円(同セグメントは同社の連結子会社化に伴い新たに追加したため、前年同期比は記載なし)、営業利益は21億円(同)。

 通期業績予想は、売上高8,800億円(前期比36.8%増)、営業利益960億円(同54.5%増)、経常利益930億円(同20.2%増)、純利益670億円(同12.6%増)としている。

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 ケイアイスター不動産は5月14日、2021年3月期決算を発表。売上高155,753百万円(前期比29.0%増)、営業利益12,561百万円(同95.5%増)、経常利益12,781百万円(同102.3%増)、純利益7,616百万円(同112.5%増)。大幅増収増益。売上高、各段階利益とも過去最高を記録。営業利益率は5.1%(同2.8ポイント増)と改善。期末配当は95円(前年同期は34円)へ、年間139円(前期は76円)へ増配する予定。

 セグメント別では、分譲住宅の販売棟数は3,179棟(前期比588棟増)で、売上高101,348百万円(前期比30.9%増)。「デザインのケイアイ」を掲げ。地場不動産仲介業者との関係を強化し、土地の仕入れ強化やアウトソースによる販売強化を行った成果としている。

 注文住宅は、不動産業者向けの注文住宅「フィットプロ」の受注拡大に注力した結果、計上戸数176棟(前期109棟)で、売上高1,461百万円(前期比19.9%増)。

 福岡県での分譲住宅・注文住宅を展開するよかタウン事業は、分譲住宅742棟(前期は553棟)、注文住宅85棟(前期は36棟)を計上、売上高は20,248百万円(前期比28.0%増)。

 次期業績予想は、売上高185,000百万円(前期比18.8%増)、営業利益15,400百万円(同22.6%増)、経常利益15,200百万円(同18.9%増)、純利益10,000百万円(同31.3%増)としている。年間配当も1株200円(前期139円)に増配する予定。

 

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 タカラレーベンは5月14日、2021年3月期決算を発表。売上高148,397百万円(前期比11.9%減)、営業利益10,789百万円(同9.3%減)、経常利益9,933百万円(同11.3%減)、純利益4,693百万円(同12.5%減)と減収減益。営業利益率は7.3%(同0.2ポイント増)と改善した。

 セグメント別売上高は、マンションなどの不動産販売が117,200百万円(前期比9.6%減)、不動産賃貸が5,753百万円(同3.5%減)、不動産管理が5,446百万円(同7.9%増)、発電事業が13,485百万円(同35.7%減)。マンションの計上戸数は2,129戸(JV持分含む)。利益率は改善した。

 次期業績予想は、売上高158,600百万円、営業利益7,900百万円、経常利益7,100百万円、純利益4,800百万円としている。マンション期末計上予定戸数1,800戸に対する期初契約済みは891戸(契約率49.5%)。

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 同社は同日、2022年3月期から2025年3月期までを対象とした、新たな中期経営計画を策定。基本方針として「コア事業のさらなる拡大」、「グループシナジーの最大化」、「事業ポートフォリオの最適化」、「安定的な財務基盤の確立」、「DX推進による生産性の向上と新たなサービスの創出」、「ESGへの積極対応」、「人材育成とやりがいのある職場環境の構築」の7つ柱を掲げた。

 最終年度の具体的数値として売上高2,037億円、営業利益157億円を目指す。

カテゴリ: 2021年度

 飯田グループホールディングスは5月14日、2021年3月期決算を発表。売上高1兆4,561億円(前期比3.9%増)、営業利益1,212億円(同45.2%増)、経常利益1,196億円(同51.9%増)、純利益833億円(同55.0%増)と、大幅増益となった。分譲戸建てがコロナ禍でも好調に推移し、営業利益、経常利益は過去最高。営業利益率は8.3%(前期比2.3ポイント増)に改善した。期末配当は31円から43円へ、年間62円から72円へ増配する予定。

 戸建ての売上高は1兆2,682億円(前期比3.9%増)、件数は46,620件(宅地含む)。1件当たり平均価格は37.9百万円(前期は37.8百万円)。完成在庫は16,273戸(前期17,874戸)に減少。セグメント別の戸建て売上高、件数は次の通り。件数はアーネストワンが初めて一建設を上回った。
・一建設     3,250億円(前期比6.4%増)12,289件
・飯田産業    2,369億円(前期比1.9%増) 7,383件
・東栄住宅    1,638億円(前期比0.1%増) 4,954件
・タクトホーム  1,476億円(前期比4.0%増) 5,115件
・アーネストワン 2,890億円(前期比6.5%増)12,673件
・アイディホーム 1,054億円(前期比0.3%増) 4,195件

 マンション計上戸数は1,603戸(前期は1,951戸)。完成在庫は403戸(同837戸)。

 次期業績は、売上高1兆4,700億円(前期比0.9%増)、営業利益1,280億円(同5.6%増)、経常利益1,250億円(同4.4%増)、純利益860億円(同3.2%増)としている。戸建ては47,000戸、マンションは1,750戸を予定している。

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三井不動産表.png

三井不動産グラフ.png

 三井不動産は5月14日、2021年3月期決算を発表。売上高2兆75億円(前期比5.3%増)、営業利益2,037億円(同27.4%減)、経常利益1,688億円(同34.7%減)、純利益1,295億円(同29.6%減)と増収減益。売上高は過去最高を更新。新型コロナなどによる特別損失543億円を計上した一方、BSコントロールの一環として「新宿三井ビル」などの資産売却による特別利益772億円を計上した結果、純利益は543億円の減益となった。

 セグメント別では、賃貸は売上高6,230億円(同2.0%減)、営業利益1,207億円(同17.2%減)。首都圏オフィス空室率(単体)は3.1%(前四半期末比0.4pt減)。商業施設は315億円の減収。

 分譲事業は売上高7,147億円(同36.4%増)、営業利益1,182億円(同4.5%減)。国内住宅分譲は「ザ・タワー横浜北仲」などの引渡しの進捗により増収増益。国内のマンションの次期計上予定戸数3,800戸に対する契約達成率は99%となっている。投資家向け・海外住宅分譲等は、売上が過去最高となった一方で、前期に高利益率物件を売却した反動により増収減益。

 マネジメントは、売上高4,029億円(前期比4.4%減)、営業利益399億円(同28.2%減)。新型コロナの影響を受け、リパーク(貸し駐車場)、仲介・アセットマネジメントとも減収減益。三井不動産リアルティの仲介取扱件数は前期比10.1%減の38,507件(前期は42,818件)。

 その他は、売上高2,668億円(同17.7%減)、営業損失272億円(前期は22億円の利益)。ホテル・リゾート、新築請負が新型コロナの影響を受けた。

 期末の有形・無形固定資産残高は3兆7,968億円となり、前期末比436億円増加。「新宿三井ビルディング」の売却、販売用不動産への振替などにより5,216億円減少した一方、東京ドームの連結子会社化、三井不動産アメリカにおける「50ハドソンヤード」への新規投資などにより5,652億円増加した。

 次期業績予想は、売上高は売上高2兆1,500億円(前期比7.1%増)、営業利益2,300億円(同12.9%増)、経常利益2,050億円(同21.4%増)、純利益1,600億円(同23.5%増)としている。

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 分譲セグメントが極めて好調に推移した。マンションは売上高2,902億円(前期比23.0%増)、計上戸数3,775戸(同581戸増)、戸建ては売上高351億円(同7.6%増)、計上戸数515戸(同34戸増)で、合計売上高3,253億円(同21.1%増)、計上戸数4,290戸(同615戸増)。営業利益は400億円(同35.3%増)。

 完成在庫はマンション150戸、戸建て17戸の合計167戸(前期末は186戸)で、マンション次期計上3,800戸の期初契約済みは99%に達している。同業他社は、住友不動産は約80%、野村不動産は65.3%、東急不動産は54%、東京建物は約88%(2022年12月期1Q)。

 同じ分譲セグメントの投資家向け・海外住宅分譲も著しい伸びを見せた。売上高3,893億円(同52.4%増)、営業利益782億円(同16.9%減)。売上高は過去最高で、国内分譲住宅も上回った。減益となったのは前期に高収益物件の売却があったための反動減。投資家向けの内訳は公表していないが、売却物件は「新橋M-SQUARE Bright」「名古屋三井ビルディング(本館・新館)」「大崎ブライトタワー」「グラントウキョウサウスタワー」「MFLP堺」「MFLP茨木」「MFLP川口Ⅰ」「パークアクシス東陽町・親水公園」など。

三井不の分譲事業 海外・投資向けがマンション・戸建てを抜く可能性大(2021/2/5)

カテゴリ: 2021年度

 エスリードは5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高68,999百万円(前期比11.9%増)、営業利益7,018百万円(同11.7%減)、経常利益7,001百万円(同12.5%減)、純利益4,506百万円(同11.1%減)と減収減益。

 マンションの販売・引渡が好調に推移。2,292戸を引き渡し、5期連続で「完成在庫0」を達成した。一方で、ホテル・民泊物件の棚卸資産にかかる評価損の計上や従業員数増加に伴う人件費の増加により減益となった。

 次期業績は、売上高55,000百万円(同4.7%減)、営業利益6,000百万円(同26.7%増)、経常利益3,900百万円(同23.3%増)を見込む。売上高、経常利益は過去最高を目指す。

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 フージャースホールディングスは5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高80,222百万円(前期比5.9%減)、営業利益5,435百万円(同18.8%減)、経常利益4,616百万円(同16.3%減)、純利益2,878百万円(同939.3%増)となった。

 不動産開発事業は、マンション1,272戸、戸建住宅125戸の引き渡しを行い、売上高55,315百万円(同18.9%増)、営業利益4,671百万円(同111.1%増)を計上した。

 CCRC事業は、268戸の引き渡しにより売上高11,466百万円(同28.1%増)、営業利益351百万円(同35.3%増)。不動産投資事業は売上高7,409百万円(同66.1%減)、営業利益402百万円(同88.9%減)。

 次期業績予想は、売上高76,000百万円(同5.3%減)、営業利益5,700百万円(同4.9%増)、経常利益5,000百万円(同8.3%増)、純利益3,100百万円(同7.7%増)を計画。

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 コスモスイニシアは5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高107,257百万円(前期比3.0%減)、営業利益2,376百万円(同60.5%減)、経常利益2,207百万円(同58.0%減)、純利益2,007百万円(同41.2%減)と減収減益。

 主力のレジデンシャル事業は、新築マンション、新築一戸建の引渡戸数が増加した一方で、売上総利益率が低下したため売上高40,700百万円(前期比8.9%増)、営業利益1,321百万円(同14.5%減)となった。内訳はマンションが20,779百万円(455戸)、一戸建が7,920百万円(92戸)、リノベーションマンションなどが11,248百万円(232戸)。期末完成在庫はマンションが135戸(うち未契約105戸)、一戸建が10戸(同6戸)。

 アパートメントホテル「MIMARU」は、新型コロナの影響を受け売上高593百万円(前期比95.3%減)、営業損失3,017百万円(前期は1,162百万円の利益)を計上した。

 次期業績予想は、売上高115,000百万円(前期比7.2%増)、営業利益3,000百万円(同26.3%増)、経常利益2,300百万円(同4.2%増)、純利益1,800百万円(同10.3%減)の見込み。


 

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