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 日本木造住宅産業協会は先に「平成26年度自主統計および着工統計の分析」報告会を行なったが、記者は品確法による性能評価住宅と長期優良住宅認定戸数が増えてこないことに注目した。

 品確法は、「住宅性能表示制度」「瑕疵担保責任の10年間の義務付け」「住宅に関する紛争処理体制の三つの柱からなる消費者を保護する法律で、平成12年に施行された。

 長期優良住宅は、平成21年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」により住宅を長持ちさせ、環境への負荷を減らす認定制度のことをいう。

 詳細は省くが、双方とも似たような制度で、耐震性、劣化対策、維持・管理、省エネ性などの評価項目など半分くらいは重なっている。長期優良は居住環境も評価項目に入っており、税制面でも品確法よりやや優遇されているのが異なる点だ。

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 考えなければならないのは、品確法も長期優良も〝ビンキリ〟で、最下級にランクされるものは建築基準法に定める「最低基準」とたいして変わらないにも関わらず、戸数が増えないことだ。どちらの制度も受けていない6割以上の戸建ては中古市場でどう評価されていくのかということだ。

 品確法が施行されてからしばらくは順調に戸数を伸ばした。「設計評価」と「建設評価」の合計戸数は平成12年度が約1.1万戸だったのが、19年度には約42.2万戸まで増加した。ところが、「長期優良住宅」制度が始まった21年度以降は頭打ちとなり、消費増税前の駆け込みがあった24年度は約41.3万戸になったものの、26年度は約36.8万戸に落ち込んだ。

 一方、「長期優良」は21年度が一戸建てと共同住宅をあわせた戸数が約5.6万戸で、その後戸数を伸ばし、25年度は約11.8万戸、26年度も10.1万戸と10万戸台を維持している。

 戸数だけでなく、品確法も長期優良も全体の住宅着工戸数に占める割合がここ数年一向に増えないことも問題だ。全国の戸建て住宅に占める品確法の設計評価住宅シェアは22年度の18.2%から26年度は17.1%へ1.1ポイント減少しており、建設評価住宅のシェアも22年度の14.7%から26年度の14.7%へと横ばいとなっている。木住協の会員によるシェアは全国平均と比べやや高く、26年度の設計評価住宅シェアは25.3%、建設評価住宅シェアは15.9%となっている。

 長期優良はどうか。全国の戸建て戸数に占める割合は22年度の19.9%から26年度は18.9%へ1.0ポイント減少している。長期優良に占める木住協シェアは高く、26年度は29.5%になっており、長期優良の3戸に1戸が木住協会員によるものだ。

 数字からは、品確法から長期優良へ切り替えるメーカーが増えているのではないかということがうかがわれるが、関係者によると長期優良のほうが申請の手間などを考えると使い勝手がいいとのことだ。

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 いま、国交省は中古戸建て住宅の流通時の評価方法について検討を進めている。築後20~25年で建物価値をゼロとみなす慣行を改め、基本性能などの客観的な指標を用い、また、リフォームやリノベーションによる使用価値の向上を評価して、建物についても適正に価格として評価しようというものだ。建物を評価する際のインスペクションに関するガイドラインも作成した。

 ここで問題となるのは、インスペクションを行なう際、先に書いた品確法の性能評価住宅や長期優良住宅はともかくとして、評価指標が少ない圧倒的多数の一般の住宅はどのように評価されるかだ。

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 ついでながら、もう一つ問題を指摘したい。国土交通省は今年7月、不動産鑑定士が既存戸建住宅の評価を行うに際の「既存戸建住宅の評価に関する留意点」を策定し、発表した。建物の性能、維持管理の実態調査、リフォームの価格への反映などを盛り込んでいる。

 これに異存はない。しかし、不動産鑑定士がどうして既存戸建ての性能や維持管理に関する履歴、リフォームなどの価値を判断ができるのか。新たに建築士の資格を取得するのであればともかく、これは絶対に無理だろう。中古流通への不動産鑑定士業の参入は、問題をより複雑化するのではないかという不安もある。

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「女性が輝くまち・東京シンポジウム」(都庁で)

 東京都は8月31日、「女性が輝くまち・東京シンポジウム」を開催した。国が主催する「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」と連携して行うもので、世界的に活躍するデボラ・ギリス氏(カタリスト プレジデント兼CEO)の基調講演や、パネルディスカッションを通じて、都の今後の目指すべき方向性をさし示した。約250名が参加した。

 冒頭あいさつした舛添要一都知事は、「知事に就任した時から『女性活躍』は重要な政策の一つと考えていた。5年後には東京オリンピックが開催され、内外から多くの方が集まるが、人種や性別を超えて多様性の象徴となるようレガシーとして残したい。女性活躍の機運は高まってはいるが、まだまだ不十分。いま都の女性職員比率は3人に1人で、管理職比率は15%。国や民間レベルと比べ高いほうだが、管理職比率は近い将来20%に高めたい。地域ニーズを取り込んだ保育施設も都庁内に設置することを決めた。今回の成果は東京都女性白書にも反映させる」などと語った。

 デボラ・ギリス氏は、女性活躍をめぐる世界の趨勢とわが国の現状や課題について語り、「世界に先駆けて女性活躍を国の重要課題として掲げた」ことや「男性が家事労働に参加し、育児休業を取得するロールモデルも出てきている」などと、高い教育を受けているわが国の女性が活躍できる機運が高まっていることを評価し、期待した。

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 デボラ・ギリス氏はわが国の諸外国と比べて遅れている女性活躍の現状と問題点をあげつらうのではなく、外交辞令的ではあったが過不足なく語ったと思った。残念なのは、同時通訳はされたのだが、20分の間にかなり早口で話されたので、内容をよく理解することはができなかったことだ。

 都は近くホームページでシンポジウムの模様を伝えるとのことなので、そちらを是非見ていただきたい。

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左からデボラ・ギリス氏、舛添氏、ワドゥワ駐日インド大使

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和田会長

 ハウスメーカー10社とその流通グループで構成される「優良ストック住宅協議会」が8月26日、記者会見を開き、同協議会会長・和田勇氏(積水ハウス会長兼CEO)は、建物と土地の総額表示で、築20年を経過すると建物の価値がほとんどゼロになる現在の中古住宅の査定方法を改め、土地と建物価格を分離評価して、良質なものが適正に評価される仕組みを構築しなければならないと語った。

 現在、国は諸外国と比較して大きく立ち遅れている中古住宅・リフォーム市場規模を2010年時点の10兆円から2020年には20兆円に倍増させる目標を掲げており、木造戸建ては築後20~25年で住宅の市場価値がゼロとなるような取り扱いを改め、住宅の使用価値を適切に評価する方法と評価の根拠となるデータを整理する必要があるとし、その他インスペクション、リフォーム一体型ローンのあり方などを検討している。

 同協議会は7年も前から土地と建物を分離評価するなど独自の価格査定方法を採用し、実績を積み上げてきた。今回の会見は、国の動きを加速させ、ハウスメーカーの戸建ては築年数が経過しても市場で適正に評価されていることをアピールする狙いがある。

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 「優良ストック住宅推進協議会」が発足したのは7年前の2008年。任意団体が「優良ストック」として認定するのはいかがなものかと記者は思ったが、趣旨には大賛成だった。しかし、いかんせん10社の流通部門が束になってかかっても大手流通会社1社の営業網にかなわないし、発足当時の各社の足並みはそろっていなかった。

 その後、どうなるのだろうと静観していたが、このところ中古住宅流通の市場拡大・活性化が大きなテーマになり、中古査定の見直し機運が高まるにつれ、「スムストック」が俄然注目を浴びるようになってきた。

 築20年で建物の価格がゼロになり、建物と土地の価格をひっくるめて総額表示する従来の査定方法でなく、建物と土地を分け、しかも建物は構造躯体のスケルトン(S)の耐用年数を50年、設備仕様のインフィル(I)を15年として分離査定し、価格査定により透明性を持たせたのは業界に大きなインパクトを与えた。

 協議会のデータによると、一般的な木造住宅の査定価格は築20年以降ではゼロになるのに対し、スムストックは築31年以降でも273万円で成約しており、21年以降の平均建物価格は517万円となっている。

 いいものが評価される時代の流れと、協議会がスムストックの普及に力を入れてきた結果、価格を査定し営業も行う「スムストック住宅販売士」は2013年の1,986名から2014年には3,023名へと52%も増加した。

 成約件数も飛躍的に伸びている。10社の戸建てストックは約353万棟あり、このうち年間約1.4万棟が流通しており、10社の流通捕捉率は前年の5.4%から2014年は9.3%の1,297棟に増加すると見込まれている。

 「いつまでにスムストックを10社で1万棟(捕捉率9.3%から71.4%)に引き上げるのか」という記者団の質問に、和田会長は「そりゃ3年以内にやらなきゃいかんでしょ。10社のトップが集まって決意を約束したんだから」と語った。

 1万棟に伸ばすためには倍々のスピードでないと達成できず、和田氏も強調したように「スムストック」の認知度を高め、販売士を増やすことができるかどうかがカギとなる。

 和田氏の強気発言の裏には、スムストックが中古市場で適正に評価されれば新築やリフォームの受注増につながり、ハウスメーカーとその流通グループの市場での評価を高めたいという狙いがありそうだ。本気度が伝わる会見だった。

 同協議会は今年7月、組織をより活性化させるため独立事務所を設置した。

仲介市場に「情報の非対称性」は本来的に存在しない(2015/3/16)

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「ホームステージャー1級」合格者と日本ホームステージング協会関係者

 一般社団法人日本ホームステージング協会(代表理事:杉之原冨士子氏)は8月26日、同協会の資格認定制度「ホームステージャー1級」の第一期合格証授与式を行った。

 「ホームステージング」は、売却予定の自宅の資産価値を高め、より早くより高く売却するために専門のコーディネーターが家具や小物を含めたトータルコーディネートでインテリアを演出し、不動産売買のお手伝いするサービスのこと。わが国では馴染みはないが、米国では30年以上前から当たり前のように行われ、ホームステージャーという職業として活躍しているという。

 同協会は、わが国でも中古住宅流通が増え、ホームステージングなしには売却できない時代が到来すると予測し、日本独自のホームステージングの普及とホームステージャー育成を目的に2013年8月設立。

 「ホームステージャー」は、1日の受講と認定試験に合格した「2級」と、より専門的な知識と実践的な提案力を養う2日間の講座と認定試験に合格した「1級」があり、今回の授与式は1級合格者6名が対象。合格者3名(欠席3名)に同協会から合格証が授与された。

 合格証を授与した同協会理事・野口幸恵氏は、「ホームステージングはわが国にはまだ浸透していないが、ホームステージングの活動が必要な時代は必ずやってくる。合格された第一期生の皆さんは、インテリアに特化したコーディネーターとは異なる総合プロデューサーとして活躍していただきたい」と挨拶した。

 合格した小沼景氏(decora社長)は「18年前からリフォーム会社を経営しており、この資格を生かしてよりスピーディに不動産の取引ができるようにしたい」と話し、舘岡伸博氏(TSUNAGU不動産)は「新しい資格で営業マンとして売りになるものとして差別化を図っていきたい」と語った。もう一人の合格者の前田大樹氏(ポラスグループ中央住宅マインドスクェア事業部主任)は「欲しかった資格で、身が引き締まる思い。今後、不動産の価値をあげられるよう現場力、提案力を高めていきたい」と抱負を語った。

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左からそれぞれ合格した前田氏、小沼氏、舘岡氏(写真右は野口氏)

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 「ホームステージング」なる言葉があることすら知らなかった。似たような資格ではいずれも民間の資格制度「インテリアコーディネーター」と「インテリアプランナー」があり、前者は全国に約5.5万人、後者は約8.6千人いる。

 これらの資格と「ホームステージング」が異なるのは、片付けや掃除、引っ越し・保管なども含めたトータルな「家の演出」によって売却予定の住宅の価値を高めようという点にあるようだ。

 同協会の代表理事を務める杉之原氏は、引っ越しや梱包が主な業務の「サマンサネット」を経営しており、「引っ越しの際にお客さんの自宅にうかがうと、とにかく荷物が多い、遺品などの処理にも困っていらっしゃる。売却のネックにもなっている。片づけを勧めるのだが、『片付け』からのアプローチではなかなかビジネスにつなげられない。しかし、米国ではホームステージングが当たり前になっている。ここにヒントを得て、協会を立ち上げた。これから空き家が激増する。遺品整理もビジネスになる時代がやってくる。これまでとはまったく異なった視点で住環境の提案ができる人材を育てていきたい」と話した。

 取材をしながら、盲点を突いたビジネスだと思った。新築だろうと中古だろうと売買の際にもっとも悩む問題の一つに収納がある。マンションの場合、ほとんどのユーザーは「収納が足りない」という不満を抱えている。

 記者は、〝マンションの坪単価は200万円も300万円もするのだから、不要なものは捨てろ〟というのが持論だが、いざ自分のこととなると例えば本が捨てられない。片づけも掃除も苦手だ。

 このようにどう判断していいか分からない人に、プロとして的確なアドバイスができる人というのはありがたい存在だろう。いまは遺産、遺跡、古民家、骨董・古美術、リサイクル、リユース、レトロなどが流行り言葉になっている。ホームステージングがこれらの業種と連携すれば新たなビジネスも発生するかもしれない。

野村アーバン タワーマンション売りやすくする「ホームステージングサービス」(2014/10/31)

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 東急リバブルは8月25日、リノベーションマンション「L’GENTE LIBER(ルジェンテ・リベル)」で、タブレット端末を利用してカラーセレクトプランの組み合わせをシミュレーションできるアプリケーション「たてものみらいchanger」を試行導入したと発表した。

 アプリケーションは、セールスビジョンが東急ホームズ監修のもと、主に中古物件を取り扱う不動産仲介会社向けに開発したもの。カメラで撮影した物件の写真をもとに、タブレット端末で、アプリ内に格納された建物の部材・建材・色調などを自由に組み合わせ、リノベーション後のイメージを手軽にシミュレーションできるツール。

 同社は、現在販売中の「ルジェンテ・リベル向ヶ丘遊園」のカラーセレクトプラン用にカスタマイズし、業界に先駆けて導入した。この物件では、床と建具の色調を「ウォルナット」「ナチュラル」「ホワイト」の3種類から選べる。

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 国土交通省は8月24日、「第7回 新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会」を開き、人口減少・少子高齢化社会におけるオープンスペースの再編と利活用のあり方、まちの活力と個性を支える多様な都市公園の運営あり方などについて検討してきたこれまでの内容をもとに、新たな時代の都市をつくる緑とオープンスペースの基本的考え方を中間とりまとめとして整理・公表した。

 中間とりまとめでは、少子高齢化と人口減少、環境問題、都市基盤ストックの形成、財政制約の深刻化、市民意識の変化・企業の社会貢献など都市を取り巻く社会状況を踏まえ、新たな時代の都市を支える緑とオープンスペースのポテンシャルを最大限に発揮することが重要とし、①ストックの効果をより高める②民間との連携を加速させる③都市公園を一層柔軟に使いこなす観点が必要としている。

 これらの観点から、新たな時代の都市づくりにグリーンインフラとして緑とオープンスペースが寄与していくためには①新たな時代の都市を支える緑とオープンスペースの戦略的な確保・活用②まちの活力と個性を支える多様な都市公園の弾力的な運営③幅広い主体と協働により質を向上させていく仕組みの構築などの具体的な施策を推進することが必要としている。

 今後、広場空間の実態調査、実例と分析と課題抽出、多様な都市公園の運営のあり方の整理などを行い、来年1月ころに最終とりまとめを検討することになっている。

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 何度かこの「検討会」を傍聴した。進士五十八座長(東京農大名誉教授・元学長)を筆頭に各委員が遠慮せず自由に発言していたので、ものすごく面白かった。

 もっとも注目したのは、「都市公園」のあり方だけでなく、「オープンスペース」「緑」「都市空間」などを含めた都市全体のあり方に各委員が言及し、都市公園法などを硬直的に解釈・管理するのではなく、柔軟な運用・運営によって多様な対応が可能だと各委員が指摘したことだ。

 いま、都市公園の中に保育所などの子育て支援施設、老人デイサービスなどの高齢者福祉施設、観光関連施設、にぎわい・地域活性化施設の設置の是非が論議されているが、検討会はどのような方向性を打ち出すか。都市公園はもともとそのような機能を備えており、弾力的な公園運営を進めるべきとしている。

 都市公園内の施設建設につい関連することだが、今から6年前、東京都の民設公園制度を活用して東京建物・西武鉄道のマンション「Brillia L-Sio 萩山」(全184戸)が建設された。

 この制度によって、敷地の底地権はマンションの管理組合が所有し、マンションの維持管理費とは別に月額25万円(1戸当たり平均約1400円)を公園の維持管理費用に当てる。公園を一般に公開することを条件に、公園にかかる固定資産税、都市計画税は減免され、実質的に無料となる。

 東京建物と西武鉄道は公園部分に地上権を設定。管理組合の委託を受けて向こう35年間、公園の維持管理を行う。長期の管理基金として1億500万円を拠出している。東大和市は、公園内に設置されたトイレのみを管理する。

 マンション居住者は広い公園を所有し、維持管理にも貢献しているという満足感を味わえるし、行政は維持管理に関する費用負担を抑えられるという「Win Win」の関係が保たれていると思うのだが、その後、まったく供給されていない。なぜだろう。

なぜ農学、環境、家政学者の会合はおおらかなのか 国交省検討会(2015/3/17)

都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り(2009/10/5)

 

 

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ポラスグループの「泰斗連」

 ドドンドドンカンカンカン踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊らにゃ損そん-本場徳島県出身のポラスグループ創業社長の故・中内俊三氏の呼びかけで昭和60年に始まった埼玉県越谷市の第31回「南越谷阿波踊り」が8月22日、開幕した。

 今年の参加連は舞踊集団菊の会や徳島や高円寺の招待連も含め77連、踊り子は約6,000人。22日と23日の2日間で約70万人の人出が見込まれている。

 第1回から会社をあげて活動を支援しているポラスグループは16万枚の団扇を配布し、2000名を越えるグループ社員の多くは15~16の連の踊り子・鳴り物や、施設の設営、運営などの裏方として参加した。同社グループの代表的な連「PO連」は、昨年新設された地元連の中から優れた連を表彰する「徳島市長賞」を受賞している。

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昨年、「徳島市長賞」を受賞したポラスグループの「PO連」

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 ハウスメーカーの広報担当者で組織する住宅広報連絡会も例年臨時会として南越谷阿波踊りの視察・参加を行なっており、22日は報道関係者を含め約40名が参加。駅近くの飲食店で腹ごしらえと景気づけの酒をひっかけ、舞台踊りの見学とにわか連の踊りに飛び入り参加した。

 記者は10数年間、この恒例のイベントに皆勤賞で参加しているが、ほとんどはへべれけに酔っ払い、招待連の芸術的な舞台踊りが佳境に入る頃には熟睡している。

みんなからすっかり馬鹿にされているので、今年は一念発起。酒は控えめにして約3時間、じっくりと沿道から流し踊りを見学、堪能した。

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住宅広報連絡会 臨時会

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記者のためにわざわざ会場に駆けつけてくれたポラス広報の華 神田さん

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阿波踊りの美しさは衣装や編み笠にもあるが、記者がたまらなく好きなのは、浴衣の赤やピンクの裏地からのぞく白いたびとすねのコントラストだ。「九米の仙人の、物洗ふ女の脛の白きを見て、通を失ひけんは、まことに、手足・はだへなどのきよらに、肥え、あぶらづきたらんは、外の色ならねば、さもあらんかし」(徒然草)もよく分かる

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 国土交通省は8月19日、昨年6月から行われていた「日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会」(委員長:卯月盛夫早大教授)の報告書をまとめ発表した。同懇談会は平成16年の景観法制定から10年が経過したことを契機に、景観行政に関する幅広い点検・検証を行うため7回にわたり開催されていたもの。

 報告書は、景観行政を取り巻く状況や景観法の活用実態といったわが国の実情を踏まえた上で、良好な景観が地域に暮らす人々の誇りとなり、地域全体の価値の向上につながることを示すとともに、国内外の人々が日本的で美しいと感じる景観の「創出」と「保全」のために必要な方策のあり方についてまとめたもの。

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 記者もこの懇親会を2回くらい傍聴した。「日本らしく美しい景観」という文言に惹かれたからだ。「日本らしく」かつ「美しい」景観とはどのような景観なのだろうと考え、懇談会の委員の方々から「日本らしく美しい景観」の概念が示されるのではないかと思っていた。

 ところが、報告書の中には「日本らしく美しい景観」の文言は何カ所か登場するが、その具体的な内容についてはまったく書かれてはいない。今回の懇談会の目的は、そのような概念について論じるのではなく、良好な景観形成を進めるうえでの基本的な考えや、景観マネジメントについて論じる場だったからだ。

 それでも、専門家から「日本らしく美しい景観」について語ってほしかった。「日本らしく」というのは四季折々に変化する自然的景観、白砂青松のことだろうと思うし、また、歴史を感じさせる神社仏閣や古民家、あるいはまた水墨画のようないかにも日本人が好むモノトーンの世界なのか。さらにはまた、端正なシンメトリックな景観のことをいうのだろうか。それともまた、機能的なものが美しいのか、美しいものが機能的なのか…考えれば考えるほど「美」とは何かという疑問に行きつく。小林秀雄は言った。「美しい『花』がある、『花』の美しさといふ様なものはない」と。

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 懇談会はわれわれが景観の価値を認識するうえで示唆的な提言も行っている。例えば、「良好な景観は、地域を再生・活性化させる可能性を有する貴重な資産として捉えるべきであり、その保全・創出は地域の経済的価値を向上させる大きな要因となり得ることから、計画政策は経済政策の面からも重要である」「住宅地の生け垣や樹木が管理されず荒廃することで、周囲の景観の悪化をもたらされるなど、地域資源の劣化(外部不経済)を抑制することも重要となる」「その際、例えば、一定の地域の住宅所有者が全員加入し、賦課金により共有地の維持管理や建築行政のコントロールなどを行うアメリカのHOA(Homeowners Association:住宅所有者協会)のように、罰則まで設けて劣化資産を排除し、地域の不動産価値を維持する手法も参考になる」としている。

 懇親会はまた、景観協議の進め方にも言及しており、「景観計画区域における建築物の形態意匠、高さの制限等に関する基準である景観形成基準には大きさ、色彩など定量的なものと、『周辺と調和を図る』など定性的なものがある。建築物の建築等の行為は、定量的な景観形成基準だけに適合すればよいものではなく、周辺の既存の景観とのバランスも踏まえつつ、周辺も含めた景域全体の質的向上に資するよう、定性的な基準を個別の協議において的確に解釈し、良好な景観形成のための創造的な景観協議を積極的に進めるべきである」としている。

 この伝でいえば、いま各自治体が進めている建築物の絶対的高さを例えば20mというような半端な数値で規制することが都市景観にどのような影響を及ぼし、また居住性向上という視点からして、定量的な規制はどのような地域資源の劣化をもたらしているのかいないのか論議してほしいものだ。

 

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【大和ハウス工業】「グローバルゲート」完成予想図.jpg
「グローバルゲート」完成予想図

 豊田通商・大和ハウス工業・日本土地建物・オリックス・名鉄不動産の5社は8月20日、名古屋市中村区の「ささしまライブ24地区」で開発を進めている「グローバルゲート」のウエストタワー上層31階から36階にプリンスホテルがホテル・レストランを開業し、2階から4階にコンファレンスセンターを設置すると発表した。同ホテルとしては名古屋初進出。

 「グローバルゲート」は、あおなみ線ささしまライブ駅に直結(名鉄・近鉄名古屋駅から徒歩10分)の36階建てウエストタワー、17階建てイーストタワーの2棟で構成され、延べ床面積は約15.7万㎡。竣工予定は2017年3月、ホテル部分は同年秋開業予定。事業は5社が組成する「ささしまライブ24特定目的会社」が担う。

 「ささしまライブ24」地区は、名古屋駅の南に位置する旧国鉄笹島貨物駅跡地の約12.4ヘクタールと中川運河船だまり周辺を含む大規模再開発エリア。

 

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 三井デザインテックは8月17日、今年のミラノサローネ国際見本市の分析と家具や空間デザインの最新トレンドをまとめた「Design Trend Report 2015」を発表した。

 レポートは、今年のミラノサローネでは、彩度・明度とともに低く、全体的に落ち着いた深みのあるカラー表現が昨年同様よく見られたとし、全体的にくすんだグレイッシュなカラーが多い一方で、シーズンカラーとして赤の存在感が目立ってきているとしている。

 また、形状の変化としては、生活スタイルに応じて自在に形をアレンジできるモジュール・システムが増加し、フレキシブルなフォルムの家具が多く展開されてきており、特に、今シーズンは曲線を活かした形状のデザインや軽量感のあるフレーム・デザインが特徴的としている。

 さらに、ウッド素材と最新デザイン技術が融合した独特の素材感が加わっているパターンが多く、アフリカやインドなどの伝統的な柄をアレンジしたパターンなどもよく見られた。

 スペースデザインとしては、ブラックを効かせた、クラシックとモダンが調和した空間スタイリングがトレンドとして数多く展示され、可愛らしさとクラシカルさがミックスした柔らかい色の組み合わせによるノスタルジックなスパイスを効かせたフェミニンな空間スタイルも注目されたとしている。

 ミラノサローネ全体から見える様々なトレンドを分析した結果、新しいデザインの潮流は、「原点回帰」「本格派志向」「手作り」だという。

  以上のような傾向から読み取れる2015年のインテリアトレンドにおけるキーワードは、「Exceed The Nostalgia~手仕事によるクラフト感と時代を超越した上質感~」であり、レトロとモダンがミックスされ、人の手を感じられるインテリアが多く登場してくるとしている。

 三井デザインテックは10年にわたり、ミラノサローネを定点観測しており、デザイントレンドレポートとして毎年発表。2015年は7月24日を皮切りに、業界関係者向けに三井デザインテックデザインラボラトリー所長・見月伸一氏によるデザイントレンドレポートセミナーを開始している。

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