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「第24回全国女性建築士連絡協議会(略称:全建女)」(建築会館ホールで)

 日本建築士会連合会女性委員会(女性委員長:永井香織・日大准教授)は2月27・28日、全国から20歳代~70歳代の女性会員が集まり「第24回全国女性建築士連絡協議会(略称:全建女)」を開催した。今年のテーマは「未来へつなぐ居住環境づくり~大切にしたい暮らし方~」で、震災を経験したからこそ、女性だからこそ未来を見据えて子どもや高齢者など社会的弱者の暮らしを守り、未来を見据えた安心・安全の居住環境づくりに取り組んでいくとアピールした。赤ちゃんを抱えた参加者もいた。

 初日の27日は、日本建築士会連合会副会長・岡本森廣氏と来賓の日本女性学習財団理事長・村松泰子氏の挨拶に続いて、永井氏が「震災を経験したからこそ、将来の子どもたちの安心な居住環境づくりは私たち女性建築士の責務。未来に向けて新たなステージでの活動を行なっていこう」と呼びかけた。

 基調講演では、HITOTOWA INC代表取締役・荒昌史氏が「ネイバーフットデザイン~東日本大震災から学ぶ〝よき避難者〟を育成する防災減災~」をテーマに集合住宅でのコミュニティをどうマネジメントするか、来るべき大災害にどう備えるかなどについて話した。

 その後、秋田県、東京都の活動報告と福島・宮城・岩手の被災3県、液状化に見舞われた千葉県浦安市からそれぞれ被災地からの現状報告や取り組みが紹介された。

 2日目の28日には、8つの分科会で震災後の取り組み、歴史的建造物の再生、景観まちづくり、福祉住宅などについて報告・討論が行なわれ、「未来につなぐ居住環境づくり」「防災に対するハード・ソフト両面での取り組み強化」「震災復興に対する継続的な活動」「社会への情報発信」の4つのアピールを提言した。

 国交省と建設業関連5団体は、女性技術者・技能者を5年以内に倍増させる行動計画を打ち出している。

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永井氏

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 建築士への取材はたくさん行なってきたが、全国組織のしかも女性で構成される団体の取材は初めての経験だった。「建築士」は男性も女性もない「士」の集団だから、ことさら「女性」を枕詞に付ける意味がよく分からなかった。

 なので、永井氏に「どうして女性を付けるのか」という直截的な質問をした。永井氏は待ってましたといわんばかりに、「男女雇用機会均等法(1985年制定)後入社の私も同じ意見を持っていた。女性の建築士は20年も前から、子どもを連れて会議に出たり勉強会に出席したりして、男以上に頑張って社会とつながり仕事との両立を実践してきた。『女性』を付けているのは、女性だからこそという思いが込められている」と答えた。

 「女性だからこそ」――この言葉の意味、重さを探るのが取材の主な目的になった。永井氏が記者会見で強調したのも「女性だからこそ」果たせる活動だった。

 転機になったのは東日本大震災だった。「これから先どうした活動をしたらいいか模索していたとき3.11が起きた。地域・暮らしに根付いた活動のほかに原発の課題も加わった。われわれも震災に対する支援活動をやってきたが、復興は進んではいない。20年以上も前から子どもと弱者に寄り添ってきた私たちこそもう一度足元を見つめ、震災復興の取り組みを全国に発信していく」と永井氏は強調した。

 「協議会」のテーマをこれまでの「地域」から「未来」に転換したのも、より強く社会にアピールしていこうという決意が読み取れる。永井氏は「震災の支援活動を通じて安心・安全の居住環境づくりはハードだけではサポートが難しい。コミュニティを大事にしなければならないことに気づいた」とし、「初めて建築以外の方(荒昌史氏)を講師に招いた」と、ハードもソフトも備えた知識・技能集団として職域の拡大に意欲を見せた。

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 参加者へも直接「女性だからこそ」の質問をぶつけた。生後6カ月の子どもを抱えて参加した新潟県三条市から参加したiaトキワ専務取締役・渡邊久美氏は「主にインテリア関係の仕事をしていますが、わたしのような小さい子どもがいる家のリフォームも多いですからハンディがあるとは思いません」と話した。

 愛知県から参加した人は「みんな性別は意識していないと思います。男性の建築士と異なる点を強いてあげれば、仕事に真面目に取り組むことだと思います」と語った。

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三条市から参加した渡邊氏とお子さん

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 記者が「女性」という色眼鏡で観ていたこともあるのだろうが、気がついたことが二つあった。

 一つは居眠りをする人の少ないことだ。初日の会合は300人近くが参加した。集会は午後1時から5時30分まで4時間30分に及んだ。休憩は2回のみ。この間、居眠りをしている人は皆無ではなかったが、男性の会合などと比べ極端に少なかった。記者などは1時間もじっとしていられない性質なので、これにはびっくりした。

 もう一つは、永井氏もそうだったが、報告者が「あー」とか「えー」とかの機能語をあまり話さなかったことだ。千葉県浦安市の「災害に強いまち〝浦安〟をめざして」について報告した度会紀子氏は約20分間、過不足なく論理的に語りかけたのに惚れ惚れして聞き入った。

 普段から無駄を省き、あいまいさを排除し、それこそミリ単位の仕事をこなしているからだろうか。「坪」「万円」単位でしかものごとを考えられない記者は恥じ入るしかなかった。全国女性建築士連絡協議会の略称は「ゼンケンジョ(全建女)」と呼ぶそうだが、「全賢女」に置き換えられそうだ。

カテゴリ: 2015年度

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壁の耐力を大きくする「ロッドマン」について説明する担当者

 三井ホームは2月26日、枠組壁工法(2×4工法)では国内初の4階建て有料老人ホーム「あっとほーむ鎌倉山」の上棟現場見学会を行なった。

 建物は、鎌倉市笛田5丁目に位置する敷地面積約1,400㎡、4階建て延べ床面積約2,300㎡の耐火建築物。70室。工期は2014年10月から2015年6月の予定。運営は医療法人光陽会鎌倉ヒロ病院。

 敷地条件とコストを考慮して中廊下を敷地なりにクランクさせ、1階は食堂や浴室などの共用スペースと地域住民との交流やイベントが可能なスペースを設置。上層階と壁位置を極力抑えているのが特徴。

 1階部分の壁の端部には大きな引抜力が加わるため、同社が独自に開発した耐力が大きい「ロッドマン」を10本採用している。

 RC造は最近の資材高騰・職人不足が顕著になっており、同社では木造のよさと工期の短さ、コストの低さなどから福祉介護施設などの受注増に期待している。建築コストは一般的なRC造と比較して2割近く抑えられている模様だ。

 木造による大規模耐火建築物では、国内初の2×4工法(1階はRC)による5階建て延べ床面積約9,000㎡の特養施設の入札が近く行なわれる。国交省の先導モデルにもなっている。

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 いつも思うことだが、木造は美しい。どうしてこの木の上にボードなどの不燃材で被覆しなければならないのか。〝燃えていいのか〟と言われれば黙るしかないし、「法の定め」と言われればそれまでだ。

 平成15年の東京都消防庁「隣棟建物への延焼阻止に関する調査研究」(消防科学研究初報40号)には、建物構造別の焼損床面積について次のように書かれている。

 「木造、防火造、準耐火造、耐火造と建物の不燃化が進むにつれて、平均焼損床面積の割合が減少していく傾向が見られた」

 「平成12年度第6回東京都市街地状況調査から、特別区と多摩地区との合計東京都建物構造別比率は、木造15%、防火造57%、準耐火造13%、耐火造15%となっている」

 「出火建物及び延焼被害建物構造別比率は、木造31%、防火造54%、準耐火造5%、耐火造10%となっている」

 そしてまた、「延焼受害性、延焼加害性の双方を考慮し、その火災の綿密な延焼経路、屋根、軒裏、壁、開口部等の防火性や窓などの開口の有無等、様々な基礎データを集積していくことが望まれる」としている。

 調査研究は、木造のほうが非木造と比較して2倍の延焼被害があることを証明している。当たり前だ。

 しかし、それでも「木造住宅は日本の文化だ」と言いたい。美しいわが国の文化をコンクリやら化学製品で覆い隠さないとだめなのか。記者は理解できない。木は燃えるものだ。コンクリや鉄の土俵で木造を戦わせることに無理があるし不公平だ。どんなに頑張っても鉄やコンクリは木のような美しい表情をつくれない。

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建築中の老人ホーム

 

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「スマートコミュニティ稲毛」

11.4haにマンション771戸とクラブハウス、グラウンド

 スマートコミュニティ(千葉市稲毛区、染野正道社長)は2月25日、アクティブシニア向けの所有権付きマンションと会員制クラブハウス利用権をセットにした「スマートコミュニティ稲毛」の記者発表会&内覧会を行なった。5年前から開発を行なっているもので、マンションは全5棟771戸の規模で、隣接する延べ床面積約34,000㎡のクラブハウスやゴルフ練習場、テニスコートなどを備えた約74,000㎡のグラウンドが利用できる。戸数は計画中も含め1,200戸くらいまで増やす計画だ。

 マンションは、JR総武線稲毛駅からバス18分徒歩2分、千葉市稲毛区長沼町に位置する敷地面積約22,000㎡、4~14階建てA~E棟全771戸。今回竣工したD棟(103戸)とE棟(41戸)の専有面積は28.81~76.48㎡、価格は29㎡のタイプが1,890万~、76㎡のタイプが3,830万円~。施工は鵜沢建設。50歳以上の健常者が購入条件。

 管理については、「管理者管理方式」を採用しており、同社の子会社が管理受託者となりマンション管理会社と委託契約を結んでいる。第三者管理方式に近いものだろう。

 クラブハウスは、商業施設イトーヨーカ堂をリノベーションしたもので4階建延べ床面積約34,000㎡。敷地面積約74,000㎡のグラウンド付き。レストラン、カフェ&バーラウンジ、フィットネスルーム、音楽スタジオ、カラオケルーム、アトリエ、ダンスホール、テニス、ゴルフ練習場などが利用できる。毎日行なわれるアクティビティメニューは数十にのぼる。初期費用は入会金、私設利用権が1人入居の場合190万円、2人入居の場合285万円。月額費用はコミュニティサービス費と朝・夕の食事費込みで1人利用が84,763円、2人利用が160,002円。

 具合の悪いときは部屋まで食事の宅配を行なうほか、日常の安否確認、看護士の常駐、協力医院との連携、マンションとクラブハウスとの送迎バスなどのサービスも受けられる。

 マンションの敷地は大地主の屋敷跡地。築300年以上の屋敷などがあったという。地主がイトーヨーカ堂を誘致して事業を始め失敗、屋敷を手放さざるを得なくなり同社が取得。イトーヨーカ堂の店舗も「格安」で取得しクラブハウスにリノベーションしたという。

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染野社長

 発表会に臨んだ染野社長は、「アメリカで人気になっているリタイア後の高齢者が健康なうちに入居し、終身で過ごすことができるCCRCを学んでわが国に生かそうと考えたのが事業のきっかけ。月額9万円の年金の範囲内で安心・安全の生活を楽しめるというのがコンセプト。5年前に始めたころは苦労したが、最近は順調に推移しており、会員数は600人になっている。クラブハウスの運営の損益分岐点は800戸くらいと考えており、隣接地でF棟103戸の分譲を始めるのをはじめ、G棟も計画中で、当面1,200戸くらいまで増やす。もう少し規模の小さいプロジェクトもやっていきたい。住民一人が年間200万円くらいを消費すると考えられ、1エリア1,000人として年間20億円が地元に還元でき、高齢者コストも大幅に削減できる」などと話した。

 会員の属性は女性:男性比が58:42、単身:2人比が74:26、平均年齢が71歳。前居住地は都内と千葉県が各30%、その他首都圏が40%。永住希望が多いという。要介護者は現在13人。

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 マンションとクラブハウス、グラウンドの合計敷地面積は約11.4ha。そのスケールの大きさに驚いた。他に事例がなく、ましてやリーマンショック後だ。事業を始めた同社・宮本雅史会長に信用力と資金力がないとできないことだと思った。よくぞここまでやってこられたものだ。年間100戸を上回る分譲スピードは、こういった高齢者専用分譲マンションのニーズが確実にあることをうかがわせる。

 マンションは分譲当初、坪100万円くらいで始め、最近は坪130万円台で、今後は建築費の上昇の影響から坪165万円前後になるという。単価そのものは相場より高めだが、一般的な分譲マンションと単純な比較はできない。各住棟にはほとんど共用施設がなく、設備仕様も高くはないが、クラブハウスの利用権とセットで考える必要がある。今年1月に見学したフージャースコーポレーション「デュオセーヌつくばみらい」も坪170万円で販売は好調に推移している。

 85歳のご主人と84歳の奥さんが楽しそうに焼き物を楽しんでいた。図書コーナーには入居者からの寄贈による図書約6,000冊が収められていた。貸し出し簿などへの記入も必要ない。これらの価値はマンション単価で測れない。

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クラブハウス内

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図書コーナー

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 課題もありそうだ。入居者の高齢化に伴う重度要介護入居者の増加や死亡に伴う退去の増加だ。そうなった場合の中古市場での評価はどうなるのか。

 染野社長は「クラブハウスなどの利用権付きなどを考えれば、一般的なマンションより評価は高くなるのでは。要介護の入居者には訪問介護などのケア事業も考えている」と話したが、ビジネスモデルの完成にはもう少し時間が必要かもしれない。

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85歳のご主人の素焼きの作品(左)とご夫婦の合作(バイオリンがご主人の焼き物の、花は84歳の奥さんの粘土の作品)

根づくかシニア向け分譲マンション 「デュオセーヌつくばみらい」(2015/1/26)

 

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 東急リバブルは2月23日、売買仲介店舗「久が原センター」(東京都大田区)、「武蔵浦和センター」(埼玉県さいたま市)の2店舗を3月1日(日)に開設すると発表した。

 今回の出店により、今年度の売買仲介店舗新規出店数は11店舗となり、売買仲介と賃貸仲介をあわせた全国のリバブルネットワークは157カ所となる。

 新規出店は多かった昨年の12店舗に迫る勢い。出店スピードは最近の三井不動産リアルティ、住友不動産販売を上回る。

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 野村不動産、野村不動産オフィスファンド投資法人、竹中工務店の3社は2月19日、「新宿野村ビル」で日本初の制振装置「デュアルTMD-NT」を建物52、53階部分にあたる屋内に設置し、超高層建物における長周期地震動発生時の揺れを大幅に軽減すると発表した。設計・施工は竹中工務店。2015年1月に着工し2016年9月に竣工の予定。

 TMD(Tuned Mass Damper=チューンド・マス・ダンパー)」は、建物の揺れと逆方向に動くおもりを用いて、建物の揺れを抑制する装置。建物の揺れ時間が半減し、揺れ幅も大幅に低減するほか、居室内の工事は行わないため専有面積を損なわず、工事中の事故などの危険性も大幅に削減できるという。

 「新宿野村ビル」は1978年に竣工した大臣認定を取得している超高層ビル。現時点でも十分な耐震性能を有しているが、東日本大震災により長周期地震動に対する対応が問われていることから、今回の工事に踏み切ったという。

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 同じような工事は三井不動産が「新宿三井ビル」で鹿島建設の施工により行っているが、三井不は錘を天井から吊るす方式であるのに対し、野村不はレールの上に錘を載せる方式を採用する。理屈は同じだが、技術が異なることから双方が日本初ということのようだ。

三井新宿ビル 重さ1,800t、マンション52戸分の制振装置一部完成(2014/9/2)

 

 

 

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「ザ・パークレックス小網町ビル」

無縁なものが融けあうオフィス・街へ  オープン・エー馬場氏

 三菱地所レジデンスは2月19日、中小ビルを再生する「Reビル事業」の第3号物件「ザ・パークレックス小網町ビル」のリノベーションが完了したのに伴い記者見学会を行った。

 Reビル事業は、築年数の経過などにより競争力が低下し、継続的運営が困難となっている中小事務所ビルを一括賃借。子会社であるメックecoライフやリノベーション物件サイトのパイオニア「東京R不動産」との連携により耐震補強やリノベーション工事を行い再生し、賃貸物件として供給するもの。

 同社がビル事業などを行っている「大・丸・有」の周辺エリアをターゲットにしており、事業を通じて新築マンション事業や再開発事業にもつなげる狙いがある。

 ビルオーナーなどの意向もあるが、おおよそマスターリースは8年間、3カ月くらいで耐震・バリューアップ工事を施し、投資資金は4年くらいで回収する計画。利回りは約20%を見込む。今後3年間で15棟、5年間で30棟の規模を目指し、既存ストックの有効活用という社会的要請にも応える。

 「ザ・パークレックス小網町ビル」は中央区日本橋小網町に位置する築42年の8階建て延べ床面積約1,176㎡。用途は店舗・事務所。“Workspace as Living room”をテーマに「キッチンフロア」「リビングフロア」「サンルームフロア」の異なる仕様の3フロアを用意し、「暮らすように働くオフィス空間」を提案している。

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1階 ビフォー(左)とアフター

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3階ビフォー(左)とアフター

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 「Reビル事業」は第1号物件で見学しているので、事業の意図はよく分かる。同社グループ全体から見れば微々たるものだが、やがて大輪を咲かせるかもしれない。無限の可能性を秘めていると思う。

 この日は、東京R不動産の共同創設者でオープン・エー代表取締役・馬場正尊氏の話を興味深く聞いた。

 馬場氏は、グーグルなどアメリカ西海岸のビルの新潮流について、「オフィスの中に自転車通勤者用の自転車置き場があったり、遊園地や公園のようなものもあったりで、それぞれ無縁だったものが融けあう空間が増えている」などと話した。

 今回のリノベーションでも「居住することと仕事をすることの垣根を取った。このようなオフィスに対する中小企業やベンチャー、クリエイティブ企業の潜在的なニーズは間違いなくある」などと話した。

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馬場氏

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 記者も馬場氏の考えに同感だ。会社のオフィス環境がどうなっているのか知らないが、おそらく喫煙、離席、私語は厳禁。休憩中も退社後も「他社の人と話すな」などと秘密結社のように管理されている会社もあるはずだ。

 もちろん業種によってはそのような拘束も必要だろうが、新しいアイデア、発想はもっと自由な雰囲気でこそ生まれる。記者は昔からそうだが、机に向かって考えるというより、休みながら煙草を吸いながら酒を飲みながら、つまり四六時中考える。〝九時五時〟で働いている感覚はまったくない。7~8時間、ぶっ続けで野球の取材はできるが、1時間以上机に座ってなどいられない。

 東京R不動産のような会社が既成概念をぶち壊してほしい。考えてみれば、昔の会社はどこからどこまでが仕事で勤務外などといった垣根はなかった。お茶を飲むふりをしてお酒を飲んでいた人も少なくないはずだ。動き回らなければ新鮮な情報などつかめなかった。

15万円/坪の耐震補強・リノベ費用で賃料50%アップ地所レジ中小ビルリノベ事業(2014/5/29)

 

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「ソアラノーム荻窪天沼」

 日本土地建物が先に竣工させた高級賃貸マンション「ソアラノーム荻窪天沼」を見学した。さすが日土地、最高の賃貸マンションだ。

 物件は、JR中央線荻窪駅から徒歩7分、杉並区天沼3丁目に位置する5階建て全89戸。専用面積は44.82~71.25㎡、賃料は140,000~207,000円(平均1万円/坪)。設計は三菱地所設計。施工は戸田建設。賃貸運営は東急リロケーション。

 敷地は元勧業銀行社宅があったところ。戦後しばらくは幹部用の木造住宅が建っていたという住宅街の一角。

 目の前は、1955年から1970年頃までは料亭「天沼池畔亭」もあった西武鉄道グループの元オーナー堤義明氏が所有していた「天沼弁天池公園」。2007年に杉並区に売却され、現在の公園になっている。

 建物は、昔の歴史、文化を継承するため木調の縦格子を多用、災害時には地域住民の避難場所としても利用できるよう共用部分を開放する。

 家賃はエリアの相場のようだが、昨年12月からリーシングを開始し、竣工までにすべて申し込みが入った。

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エントランス

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 同社からニュースリリースが送付されてきたので、そのままリライトして記事にする選択肢もあった。しかし、平面図を見ると南西向きの2棟が雁行する形で配され、中庭も設置されていた。設計は三菱地所設計だ。コンセプトは「AMANUMA PARK TERRACE~緑と共に暮らす」。

 ぴんと響くものがあった。日土地の戸建てやマンション、ビルは30年以上前から取材している。多くというよりほとんどの銀行・証券系デベロッパーはバブル崩壊後に破たんしたが、同社は見事に乗り切った。バブルに浮かれなかったのが生き残った最大の要因だろうと思う。

 当時、同社は大規模戸建てを継続して分譲していた。同業他社は1団地で年間数百戸を供給したのに、同社はせいぜい数十戸しか供給しなかった。もちろん毎回即日完売した。売れるのにどうして多く供給しないのだろうと不思議に思ったものだが、大量供給していたら間違いなく今はない。バブル崩壊後も同じようにコンスタントに供給し即日完売した団地はそうないはずだ。

 そんな会社がありきたりの賃貸マンションの竣工にあわせてわざわざわざわざニュースをリリースするわけがないと読んだ。

 そこで、同社広報に電話して現地見学となったわけだが、みぞれ交じりの冷たい雨が降る中、現地について驚愕した。目の前はいかにも歴史を感じさせる公園があった。その公園に向き合うように建物が建っていた。縦格子が見事に公園と調和していた。同社は資産として残すために賃貸にしたようだ。

 エントランス・ラウンジは2層分。随所に本物の石が用いられていた。災害時には地域の住民が避難できるよう開放するという。LPガスを熱源とするLPG対応キッチンを備え、共用部は非常用発電で3日間電力を供給し、マンホールトイレも設置した。中庭にはデッキを敷き詰め、各住戸の門扉はアルミ製だが、ロートアイアンを思わせるよう工夫が凝らされていた。

 共用部を地域住民に開放することにしたのは、現地で説明を受けた同社住宅事業部部長・野田久登氏の経験も生かした。野田氏は3.11のとき仙台に出張で帰って来られなかったそうで、それが商品企画のヒントなった。「マンションで防災対策を完結させるようプランニングしました。見学のとき、若いお客さんがまず目の前の公園を見てにっこりされ、建物や中庭を見て驚かれた。その笑顔がとても嬉しかった」と野田氏は話した。

 記者もこれが嬉しかったのだが、野田氏は記者の拙い記事をいつも読んでくださっているようで、これもまた嬉しかった。

 やはり現地取材に限る。寒さが吹っ飛んだ。

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ラウンジ

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公園から見たマンション(手前はクスの大木)

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公園の弁天池(今は人工)と料亭の名残を残す山門

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 目の前が公園という東急リバブルの「ルジェンテ立川」の記事は先に書いた。これはこれでいいマンションなのだが、公園は平日利用が朝9時から夕方4時まで、土・日曜日は閉園されるというのも不思議な話だ。

 マンションの取材を終え、タバコを吸うために公園に入った。ここは喫煙は禁止されていない。公園入り口には「柴崎中央公園の利用制限」について、立川市と自治会の連名で次のような看板がかかっていた。

 「平成5年10月頃より泥酔者による喧嘩等の不法行為が多数発生するようになり、連日昼夜を問わず大騒ぎの状況になり…たかりや恐かつとも思われる犯罪行為も発生…平成6年4月より閉鎖…平成7年1月より『柴崎中央公園の利用に関する制限事項』を設けて開園…」

 その制限とは、開園するのは平日の9時から午後4時まで、土・日曜日は閉園するというもので、そのほか酒気、寝泊り、迷惑行為、ペットの放し飼いなどを禁止している。周囲は鍵付きのフェンスで覆われていた。

 利用料金を徴収する公園が閉園されるのはよくあるケースだし、利用をめぐるトラブルでは渋谷区の宮下公園がよく知られているが、普通の小さな公園が土・日曜日に閉園されるのを初めて知った。

 行政が規制をしなければならないような行為をする人もする人だし、フェンスをめぐらし利用日時を定め、解釈によってはロダンの考える人のようにほとんどじっと座り込んで黙考する人しか利用できないような規制をかける行政も行政だ。

 過度の利用制限は、「都市公園の健全な発達を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」都市公園法第一条の目的にも反するのではないか。

 記者が取材した日、公園内では保育園児がはいはいをして遊んでいた。柵の中でしか遊べないというのも悲しい光景だ。記者は檻の中に入るのにものすごい抵抗感を覚えたが、保育士は「違和感はない」と話した。

公園に保育所、マンション岩盤規制を打ち破れるか国交省公園のあり方検討会(2015/2/2)

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「(仮称)新東京武田ビル」完成予想図

 武田薬品不動産、武田薬品工業、三井不動産の3社は2月6日、中央区日本橋本町二丁目の「(仮称)新東京武田ビル」を着工したと発表した。

 建設地は、武田薬品不動産、武田薬品、三井不動産の三社が共同で推進する「(仮称)日本橋本町二丁目特定街区開発計画」の一部に位置づけられており、敷地内では、昨年10 月に再建された福徳神社に続き、今年1 月には福徳神社と一体となった広場空間「(仮称)福徳の森」も着工している。

 新しいビルは、地上24 階・地下4 階、延べ床面積約45,000㎡。設計は日本設計、施工は竹中工務店。竣工は2017年。

 竣工後は武田薬品が現在の東京本社(中央区日本橋二丁目)に代わる新たな東京本社として使用するほか、1、2階は一般も自由に出入りすることができる共用スペースを設け、地下1 階にはテナント(店舗)が入居する予定。

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「リフォームサロン港南台店」

 大和ハウス工業は2月6日、同社グループ会社の大和ハウスリフォームが展開するリフォーム専用ショールーム「リフォームサロン松戸店」と「リフォームサロン川西店」をオープンし、同時に「リフォームサロン港南台店」もリニューアルオープンすると発表した。

 「リフォームサロン」は、「居ごこち、使いごこち、寝ごこち、触りごこち」などの「COCOCHI(ココチ)」をコンセプトにした、郊外の大規模団地に設置する地域密着型のリフォーム専用ショールーム。

 同社は1962年から大規模団地を「ネオポリス」と名付け、これまで全国65カ所、61,000区画を販売してきたが、築年数が経過した住宅や空き家の増加が課題となっている。こうした課題に対応するためもあり、同社は「リフォームサロン」の出店を加速させる。2018年までに3大都市圏を中心に全国20カ所にオープンさせる予定。

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「リフォームサロン港南台店」

 

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