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「ザ・パークハウス東銀座」完成予想図

 三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス東銀座」第1期31戸が最高5倍、平均1.9倍で即日完売した。東京メトロ有楽町線新富町駅から徒歩1分の13階建て全36戸。専有面積は70.82~81.77㎡、価格は7,400万~1億800万円。坪単価は400万円弱。抽選会は11月24日。購入者の居住地は中央区を中心に全国都道府県。

 評価された点は、新富町駅をはじめ徒歩8分圏内に6駅4路線が利用可能な交通利便性の高さ、全戸南向き、三方向角地、南面は前面建物まで約60mの距離が撮れていることなど。

カテゴリ: 2014年度

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「マンション管理業の実態調査調査結果」報告会(霞が関ビル)

 マンション管理業協会(管理協)は11月26日、有識者への研究委託を進めている「マンション管理業の将来展望に関する研究」(代表研究者 大橋弘東京大学大学院経済学研究科教授)のうち、平成25年度に実施した「マンション管理業の実態調査 結果報告書№2」(A4判、94ページ)が刊行したのに伴い、その調査結果報告会を行った。会員会社から約100人が参加した。

 今回の報告書は、24年度に実施した「マンション管理業の実態調査」の結果を踏まえて、マンション居住者のマンション管理に対するニーズや満足度の現状を定性的・定量的に明らかにした。調査はアンケートを中心に行われ、会員の回答数はフロント業務担当者を含め2,463人、マンション居住者は3,670人。 

 調査結果について報告した大橋氏は、マンション管理の知識を豊富に持ち、管理に対して高い関心を持つ居住者ほど設備の保守点検、清掃業務、緊急時の対応のほか、「理事会・総会の運営支援」「組合資産の運用方法の提案」「コミュニティ形成支援」などの充実を望む傾向があることを指摘した。

 また、マンション管理業は労働集約的な業態であり、人的資本の塊であるフロント業務担当者の役割が重要とし、モチベーションをいかに高め、維持していくのか、居住者のサービスへの満足度の向上、中長期的な生産性の向上につながるような教育訓練が必要と述べた。

 報告を受けた後に行われたパネルディスカッションでは、コメンテーターを務めた明海大学不動産学部教授・齋藤広子氏は、「フロント業務担当者のモチベーションが高いほど居住者の満足度が上がる結果が出たのが一番うれしい。管理業務に詳しい入居者ほど多様なニーズがあることも分かった。勇気と感動をもらった」と話した。

 パネリストとしても参加した大橋氏は、「居住者のニーズは複雑。これがファイナルバージョンとは思えない。謎を残したままだ」「業の定義が難しい。パッケージがない。認証制度のようなものをつかってポジティブに見ればやりがいはもっと拡大する」「(管理とは何かの)見方を変えるいいチャンス。ハードのみならず、居住者との接点にもビジネスチャンスがある。従来の延長線ではできない。錘の置き方に期待したい」と語った。

 同じ調査研究者でパネリストの摂南大学経済学部講師・西川浩平氏は、「多様な企業が参入しているが、商品の質の違いが見えない。質の見える化を図らないと、価格競争から逃れられない」と話した。

 フロント業務担当者としてパネリストになった日本ハウズイング・若林達矩氏は「居住者のコミュニティ形成のきっかけを作るフロントの役割は重要」と話し、ダイワサービス・勝又由起子氏は「コミュニティが充実していると入居者トラブルも少ない」などと語った。

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大橋氏

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 腑に落ちるとはこのことを言うのだろう。報告とパネルディスカッションを聴いて、わだかまりが消えすとんと胃に収まったような満足感を覚えた。マンション管理業とマンション居住者の目指すべき方向性がはっきりわかった。

 大橋氏は、標準委託契約業務以外の緊急時対応、資産向上、コミュニティ形成などに居住者ニーズが高いことを定量的に明らかにした。齊藤氏が「ワクワクした」というのもこのことではないか。記者もこれに目を覚まされた。

 つまり、管理会社が行う日常業務は無難にこなして当たり前。居住者はもっと高次のサービスを期待していることが明らかになったということだ。ところが、委託契約業務以外だから当然そこにはフィーは存在しない。フロントがいかにサービスを提供しようが、顧客満足度を高めようが〝ただ働き〟の評価しか受けない。だから、組合の要求は「過剰要求」になり「業務の負担増」につながっていく。

 このギャップを埋めるのが業界の最大のテーマであるし、だからこそこの難問に解を見出せば、管理業は新たなステップに進める。大橋氏が「外から形を作っていくしかない」と言ったように、これまでの延長線上にはその解はない。高いサービスを提供してそれがきちんとフィーとして評価される仕組みをどこがつくるか楽しみだ。

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齊藤氏

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左から大橋氏、西川氏、若杉氏、勝又氏

主役は参加者 マンションコミュニティを考える 三井レジのシンポに340名(2014/11/27)

カテゴリ: 2014年度

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「Mirai Mansion Meeting」(COREDO室町 日本橋三井ホール)

 昨日11月26日、マンションの管理・コミュニティに関する極めて興味深い、示唆に富んだ催しが2つ行われた。一つは、マンション管理業協会(管理協)が主催した「マンション管理業の実態に関する調査」結果報告会で、もう一つは三井不動産レジデンシャルなどが主催した「コミュニティ」を切り口にマンションの未来像を語るシンポジウム「Mirai Mansion Meeting」だ。

 アプローチの方法は異なっているが、前者のパネルディスカッションでコメンテーターを務めた明海大学不動産学部教授・齋藤広子氏は「感動しました」「ワクワクしました」と何度も繰り返した。齊藤氏と申し合わせたわけではないだろうが、三井レジのイベントのテーマの一つは「私たちのワクワクするマンション」を探ることだった。記者もつられてワクワクし感動した。ぼんやりした未来像がくっきりと浮かび上がった。歳のせいか涙腺も緩んできているが、涙が出るほどうれしかった。是非、二つの記事を合わせ読んでいただきたい。

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左から岩田氏、藤林氏、藤村氏

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各テーブルに置かれていた謎のボックス

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 まずは三井レジのシンポジウムから。会場となった定員300名のCOREDO室町1の日本橋三井ホールには約340名の参加者で溢れかえっていた。圧倒的に多かったのは20~30歳代の若い人だった。

 シンポジウムは3部構成で、第1部では藤村龍至建築設計事務所代表・藤村龍至氏、同社・藤林清隆社長、三井不動産レジデンシャルサービス・岩田龍郎社長が、三井不動産グループが掲げる〝経年優化〟の原点である「サンシティ」と、3.11後のコミュニティを重視した「パークコート東雲」などを紹介しながら、「家族、入居者、地域の3つのコミュニティへの期待が高まっていることに対して、暮らしソフトをどう埋め込んでいくかが課題」(藤林氏)「マンションが変われば地域、日本が変わる」(岩田氏)などの意見が出された。

 第2部では、三井不動産・NPO日本橋フレンド代表・川路武氏がモデレーターとなり、enaAMICE代表・蛯原英里氏、チームラボ代表取締役・猪子寿之氏、issue+design代表・筧裕介氏がセッション形式で話し合った。

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 度肝を抜かされたのが第3部だ。参加者が6~7人のグループに分かれ、マンション管理組合の理事に選出された設定のもとで、未来のマンションについて冒頭の「ワクワクするマンション」像を語り合うもので、おにぎりとお菓子などを食べながら侃々諤々、1時間近く話し合った。見ず知らずの人とどうしてそんなにフランクに話せるのかとあ然とした。

 その結論がまたすごい。「私たちのワクワクするマンション」とは、「井戸端会議の生まれる場所がある」「カベのないマンション」「顔と名前が一致するマンション」「子どもをダシにするマンション」「ゆるいコミュニティ」「自給自足型」「SHAREするのが楽しい」「自分たちだけで完結しないマンション」「地球と共生するマンション」などだ。

 みんなドキリとさせられるものだった。「井戸端会議のある場所」を提案したグループのひとり20歳代の女性は「私は谷中の一戸建てに住んでいます。おばあちゃんとも仲がいい」と話した。井戸など都会ではまず見られなくなっているし、井戸端会議がどのようなものか知らないはずの若い人がそれを望んでいることに衝撃すら覚えた。

 「カベ」とはもちろん戸境壁を取っ払えという提案ではないだろうが、家族、入居者、地域のそれぞれに重く垂れこめている「壁」を取っ払おうとする強い意欲の表れだしメッセージだ。「地球との共生」を堂々と打ちだしたグループには声を失った。

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登壇者のフォトセッション

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 このシンポの大きな特徴の一つは、従来の型、殻を打ち破ったことだ。参加者が主役、中心にいることだ。最初から最後まで3時間くらいあったが、途中で退席する人も私語を交わす人も居眠りをする人もほとんどいなかった。

 なぜかを考えた。シンポを仕掛けたのが三井不動産レジデンシャル市場開発商品企画グループであることを知り、その謎が解けたような気がした。このグループは、女性が「住」について興味を持つ機会を提供する女性向けwebサイト「モチイエ女子web」を立ち上げた部署だ。このサイトは従来の男性中心の商品企画に対する反旗だと思う。今回のシンポも同様だ。既成の概念を打破しない限り新しいものは生まれない。いつの時代でも世の中を変えるのは若者だ。若者に依拠しようというこの商品企画グループに拍手喝采だ。参加者から寄せられた多くの声は宝の山だろう。藤林社長も「今後の商品企画に生かしたい」と語った。

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参加者がそれぞれの思いを書き込むカード

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カードを基に行われたミーティング

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 会場で面白いプロジェクトが紹介されていた。「Neighbors Next Project」だ。26歳以下のメンバーが理想のマンションを実現するため調査、研究、体験を通じて2020年までにマンションを建設しようというものだ。

 現在、会員は15名だそうで、三井レジが2011年に有識者などとともに立ち上げた、今回のシンポの主催者でもあるサステナブル・コミュニティ研究会が活動に協力している。

 これもいいプロジェクトだ。詳細はウェブhttp://u26.jpへ。

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「ミライ・マンション・ミーティング」後に各グループがコンセプトを発表しあった

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左から「Neighbors Next Project」の代表・江副生氏(24)、山本遼氏(24)。江副氏は「2016年には着工したい」と語った。来春、ある独立行政法人に入社が決まっている。山本氏は不動産会社勤務。「シェアハウスに興味がある」とのことだった。

将来展望に明かり灯る 「マンション管理業の実態調査」報告 マンション管理協(2014/11/27) 

「エコボイド」「ソラテラス」が圧巻 「パークタワー東雲」完成(2014/3/10)

三井不動産レジデンシャル サステナブル・コミュニティ研究会発足(2012/3/29)

カテゴリ: 2014年度

 

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「ヴェレーナ木場公園」完成予想図

 日本綜合地所が分譲を開始した「ヴェレーナ木場公園」を見学した。同社のマンション坪単価の最高値で、木場・東陽町駅圏でも少なくともバブル崩壊後では最高値と思われる坪単価280万円には心底驚いたが、商品企画は高値更新を納得させるもので、大手デベロッパーのそれをしのぐものだ。

 物件は、東京メトロ東西線木場駅から徒歩7分・東陽町駅から徒歩11分、江東区東陽五丁目に位置する13階建て全36戸。専有面積は61.00~75.60㎡、現在分譲中の住戸(2戸)の価格は4,968万円・4,988万円(60㎡)、坪単価は280万円。竣工予定は平成28年1月中旬。施工は大木建設。11月1日から1期1次20戸の販売が開始されており、これまでに18戸が販売済み。

 現地の用途地域は準工業地域(江東区は23区でもっとも工業系用途の多い区)だが、大通りから一歩入っており、マンション化が進んでいるエリア。徒歩2~3分に都立木場公園と豊住公園がある。

 住戸プランは1フロア3住戸ですべて角部屋タイプ。1住戸に7~8つの窓が付いており、通常の中住戸の開口率が10%くらいなのに対して、ここは約16~24%あるのが大きな特徴。

 モデルルームタイプは68㎡で、間口7.8mのワイドスパン。バスルームを含め窓は8カ所。北側のスカイツリー・豊住公園、西側の木場公園の眺望を確保している。リビング・ダイニングと一体利用ができる約5㎡のオープンエアスペースを設置している。設備仕様は、御影石のキッチンカウンタートップ、食洗機が標準装備。

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 木場、東陽町駅圏のマンションは結構見学しているが、「木場公園」と言えば、10年近く前に明豊エンタープライズが分譲して人気になった「シェルズ木場公園」(127戸)がすぐ思い出される。外断熱工法を採用し、東京都が始めたばかりの「マンション環境性能評価」制度で星3つの満点(12個、現在は15個)を獲得した第一号物件だった。坪単価は240万円だった。

 この単価がいかに高かったか。当時、東陽町駅すぐで分譲されていた物件の単価は210万円だった。これだけでも当時の相場と、「シェルズ」のレベルが高かったかが理解されると思う。

 今回、日本綜合地所が分譲する地域の立地条件と建築費の上昇を考慮して、記者は坪単価250万円とはじき出した。ここ10年間で木場・東陽町駅圏の最高値マンションは坪260万円だ。

 販売を担当する入社14年目の同社課長・大竹氏が正直に話してくれた。

 「物件情報を公開したら一挙に3週分の来場予約が入りました。手応えを感じましたが、楽観はできないと思いました。値段を公開していませんでしたし、当社の物件より駅に近いところでこれまで野村さん、三井さん、三菱さんなどが分譲している物件は坪230~260万円。さて、いざ値段をお伝えすると、皆さん、やはりどなたも『安い』とはおっしゃらない。だが、線路際でもない、大通りにも面していないオンリーワンの立地であることは納得していただきました。20戸供給して18戸が成約できたのも立地が評価され、プランが評価された結果。坪単価280万円というのは当社のこれまでの物件でもっとも高い単価です」

 大竹氏が「評価された」というプランはどうか。〝オープンエアスペース(バルコニー)〟と聞いてどのようなスペースのことが分かる方がどれくらいいるだろうか。記者は同社が業界に先駆けて第1号物件を供給したのをよく覚えている。17年くらい昔だ。南武線中野島駅圏で同社は全開口サッシを採用するとともにバルコニー側にウッドデッキを敷くことでリビングとバルコニーを一体利用できる提案を行った。

 興味深かったのは値付けだ。一般的に中高層マンションの値付けは1階部分がいちばん安く、上階に行くにつれ数十万円から数百万円上げていくのが常識だ。ところが、同社は1階部分を中層階より高く設定したのだ。それがものの見事に成功し、1階住戸から売れていった。値付けの常識を同社が打ち破ったのだ。それが今日まで同社の商品企画として生かされている。

 記者は1993年に同社が設立されてからずっと取材を続け、今日に至るまでその歴史を見守ってきた。今回、大手にも負けない商品企画が健在であることを確認し、木場・東陽町駅圏と同社のマンションの歴史を塗りかえる最高値を更新したのがなによりうれしい。

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オープンエアスペース

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「ザ・パークハウス二子玉川ガーデン」完成予想図

 三菱地所レジデンスが近く販売を開始する「ザ・パークハウス二子玉川ガーデン」を見学した。国道246号に面しているが、丘の上で敷地の一部と後背地は第一種低層住居専用地域。国分寺崖線にも重なっており、ランドスケープデザイン、設備仕様レベルも高い。人気必至と見た。

 物件は、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅から徒歩10分、東急田園都市線用賀駅から徒歩10分、世田谷区瀬田4丁目に位置する地上9階建(建築基準法上は地下1階地上8階建)全130戸。専有面積は59.35~97.33㎡、第1期(戸数未定)の価格は5200万円台~13900万円台(最多価格帯7,400万円台)。竣工予定は平成28年1月上旬。施工は東急建設。

 現地は、会員制スポーツクラブと「瀬田温泉」の敷地約7,600㎡の跡地。二子玉川駅から比高差にして約14mのなだらかな坂を上った頂上にあり、9階建てのD棟と5階建てのA棟との差も約3m。A~C棟が南西向きでD棟が北西向き。A~D棟は約2層分のエントランスホール・ギャラリーと連なっている。全体として提供公園や植栽帯、隣接の低層住宅街に面して配棟されているのが大きな特徴だ。

 ランドスケープデザインはパレスホテル東京・赤坂サカスなどを手掛けた「ソラ・アソシエイツ」が監修。周辺の低層住宅街と連なるように緑地帯を設置。樹高約23mのケヤキなど40本以上の既存樹も保存する。移植については、造園を担当する「石勝エクステリア」の「TPM工法」を採用している。屋上は緑化し、太陽光発電を実施する。

 外観デザインはマリオンと外壁スリットをランダムに配して豊かな表情を演出するとともに、人の目線に触れる1・2階部分は「のこびき」細工の天然石を使用する。また、2階ギャラリーはガラス張りとし、「雪山銀狐」と呼ばれる御影石を壁面に配置。後方から光を当てることで夜間には幻想的な文様が浮かび上がる仕掛けになっている。

 設備仕様レベルも高い。玄関床・キッチン・洗面化粧台・トイレ内カウンターのトップは全て御影石。バックカウンター・収納も標準装備。有償オプションだが輸入クロスもグレード感がある。

 11月29日から第1期分譲を開始するが、戸数は80戸くらいになる模様だ。

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外観

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 現地を見た段階では坪単価は350万円くらいかとも考えたが、レジデンスギャラリーで説明を聞き、モデルルームを見学して坪380万円でもおかしくない単価だと確信した。

 既存樹の巨木を残したランドスケープが秀逸。北西向きの住棟も敷地内の緑地帯や後背地の国分寺崖線の緑が展望されるはずだ。

 唯一気になるのは国道246号に面していることだが、ものは考えようだ。これが国道から一歩入った閑静な住宅街だったら、坪単価は400万円をはるかに突破する。温泉付き会員制クラブ「Aqua sports&spa」も隣接地に建設される。

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模型(左)と「雪山銀狐」

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「ヴィークステージ多摩センター」完成予想図

 清水総合開発が分譲中の「ヴィークステージ多摩センター」を見学した。坪単価は200万円。わが街多摩センターのポテンシャルを考えると極めて妥当な価格だと思う。

 物件は、京王相模原線京王多摩センター駅・小田急多摩線小田急多摩センター駅から徒歩7分、多摩都市モノレール多摩センター駅から徒歩5分、多摩市鶴牧1丁目に位置する15階建て全165戸。専有面積は70.19~85.08㎡、坪単価は200万円。竣工予定は平成27年9月上旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は東京建物不動産販売。

 現地は多摩センター駅南口の商業地域だが、賑やかな商業エリアから外れており、住宅地としては一等地。現在分譲中の駅から4分の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス多摩センター」を除けば、今後、これほど駅に近いマンションは南口ではまず供給されない。ペディストリアンデッキで結ばれており、車道を通らず駅まで行けるのが大きな特徴。

 多摩中央公園、三越、丸善などが入居する「ココリア多摩センター」、パルテノン多摩、京王プラザホテル、多摩郵便局、多摩中央警察署、多摩南部地域病院、イトーヨーカ堂などの生活利便施設がほとんど徒歩数分圏。マンションには保育施設も予定されている。

 建物・商品企画は二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機が標準。

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 わが街だから当然だが、この10年間に多摩センター駅圏で分譲されたマンションは10件くらいあり、そのすべてを見学した。駅近物件では大京と三菱地所レジデンスの2物件があるが、この物件はそれに続く。

 三菱地所レジデンスの物件は、南側と西側に駐車場ビルが建っており、パチンコ屋も近くにあるのは難点だが、多摩センター初の免震で、駅まで4分の近さを考えると、単価(210~220万円)も極めて割安感があると思う。すでに全175戸のうち85%を契約済みだ。

 今回の物件も単価がどうなるか気になっていたが、坪200万円に挑戦したのは大歓迎。

 立川で342万円、町田で300万円の時代だ。街の美しさから言ったらはるかに上回る多摩センターはいかにも割負けしている。根拠がない〝オールドタウン〟などとマスコミが酷評したからイメージダウンを招いたのだが、この数年間に駅周辺で2,000戸を上回るマンションが供給された。街の賑わいは復活しつつある。

 坪単価200万円以下は、都内23区なら足立、江戸川、葛飾区などの城東エリアの相当駅から距離がある物件か、千葉、埼玉の郊外なら遠隔物件でないと供給されない。

 その点、多摩センターはどこにも負けない都市施設が整っているし、絶滅危惧種の草花も季節になると花を咲かせる。これほど子育てに恵まれた地域はそうない。ここも学区の小学校まで車道を通らなくて済む。校庭は是非はともかく芝張りだ。

 販売代理を担当する東京建物不動産販売は多摩センターと永山で1,000戸を超える販売実績があるから、しっかり多摩ニュータウンの魅力を伝えてくれるはずだ。

マンション計画の住民説明会、街づくりを語り合う場にならないか(2014/8/1)

「ザ・パークハウス多摩センター」 駅近の免震、最初で最後(2014/6/6)

カテゴリ: 2014年度

 リノベーション事業を展開するインテリックスが、全国602万戸のマンションのうち半数近くの314万戸がリノベーションを必要とする築20年以上の物件などとする中古マンションストックの現状をレポートした。

 レポートによると、わが国の総住宅数は6,063万戸に上り、総世帯数の5,246万戸を817万戸上回り、602万戸あるマンションストックのうち半数を超える314万戸が築20年以上の物件とし、築20年以上のストック数は2025年には577万戸へ1.8倍に増加すると予測している。

 国は2020年までに中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を20兆円に倍増させることを目標に様々な施策を打ち出している。

 

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「ルピアコート新小岩」完成予想図

 ポラスグループの中央住宅が近く販売を開始するマンション「ルピアコート新小岩」を見学した。リビング・ダイニングと水回りの動線をつなぎ、さらに家族とのコミュニケーションを大切にした〝ピアキッチン〟が最大の売りで、従来タイプを進化させている。

 物件は、JR総武本線新小岩駅から徒歩14分、葛飾区東新小岩2丁目に位置する12階建て全50戸。専有面積は58.42~87.35㎡、第1期(18戸)の価格は2,980万~5,890万円。坪単価は200万円。竣工予定は平成27年8月下旬。設計・監理は複葉アーキテクツ。施工は川村工営。販売代理は東京中央建物。

 現地は、蔵前通りに面した商業化、マンション化が進んでいる準工地域。徒歩1分にバス停があり、バス停から新小岩までは約5分。

 住戸商品企画は、二重床・二重天井とし、全住戸の4割を実用新案取得済みのピアキッチン付きとし、出窓付き、ロフト付き、窓付きシューズインクロークタイプ、新和室の提案などを行っているのが特徴。食洗機、キッチンバックカウンター・収納も標準装備。

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リビングダイニング

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 駅から徒歩14分をどう評価するかはさておき、モデルルームの提案は差別化が徹底されており、ユーザーを惹きつける魅力が十分ある好物件だ。今回のピアキッチンの特徴は、キッチンの隣にあったトイレの位置を玄関の方に変更し、正面に子ども部屋を配することで、トイレの音のストレスを解消し、家事をしながら子どもの様子をうかがえるようにしていることだ。

 細かな点では、バックカウンター・収納を標準装備とし、キッチン周りの壁にホーロー壁を提案しているほか、出窓付き、窓付きシューズインクローク、ソフトクローズ付き引き戸の多用などだ。

 建築コストがどんどん上昇している中、デベロッパーは設備仕様レベルを落とす傾向にあるが、しっかり提案しているのは評価されるはずだ。坪単価は、周辺物件が軒並み坪200万円を突破してきている現状を考慮すれば、妥当な価格だろうと思う。

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キッチン(正面に子ども部屋)

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 同社が9月に記者見学会を行った「ルピアコート光が丘公園」の坪単価は245万円で、販売に苦労するのではないかと思っていたが、何と第1期25戸が完売したという。ピアキッチン付き、ライトコート付きが人気で、周辺に良好な物件がないのも評価されたという。

 同社はこれまで東武伊勢崎線を中心に年間数棟しかマンションを供給しておらず、都内ではほとんど無名に近い。ピアキッチンやきめ細かな商品企画は間違いなくユーザーに評価される。あとはどうやって認知度を高めていくかだ。大手と同じように現地近くに販売センターを設置して、チラシを配布して、ネットで告知をする従来方式では限界があるように思うが、どうだろう。

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ピアキッチン

ポラスの新ブランド「ルピアコート光が丘公園」 “新価格”でどう挑む(2014/9/4)

 

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「ザ・パークハウス二子玉川」完成予想図

  三菱地所レジデンスは11月13日、首都圏で初となる「ザ・パークハウス」と「THE SAZABY LEAGUE」がレジデンスギャラリーでコラボする「ザ・パークハウス二子玉川ガーデン」のモデルルームを11月15日にオープンすると発表した。

 「THE SAZABY LEAGUE」は二子玉川エリアで9ブランドを展開しており、地域との親和性も高いため、今回のコラボとなった。

 マンションのランドスケープデザインは、パレスホテル東京、赤坂サカスなどを手掛けた「ソラ・アソシエイツ」が監修。石勝エクステリアの大径木を重機で移植する「TPM工法」を用い、樹高約23mのケヤキをはじめ40本以上の既存樹を保存する。住戸プランは66タイプ。

 9月27日に事前案内会を開始して以来、これまで約450件の来場がある。

 物件は、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅から徒歩10分、世田谷区瀬田4丁目に位置する8階建て130戸。専有面積は59.35~97.33㎡、予定価格は5,200万円台~13,900万円台(予定最多価格帯7,400万円台)。竣工予定は平成28年1月上旬。施工は東急建設株。

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 ニュースリリースからも外観やランドスケープデザインに力をいれていることがうかがわれる。

 「SAZABY」の喫茶とか「KIHACHI」くらいは知っているが、衣料ブランドは全く知らない。同社と「SAZABY」とのコラボマンションはこれまで結構あるのではないか。モデルルームを見学して詳報したい。

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サブエントランス

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「アトラスタワー町田」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスが12月にも分譲を開始するJR横浜線町田駅直結の「アトラスタワー町田」を見学した。価格は未定で単価予想は極めて難しいが、坪300万円前後になるのではないか。

 物件は、JR横浜線町田駅から徒歩2分、小田急小田原線町田駅から徒歩8分、町田市原町田3丁目に位置する22階建て全155戸(事業協力関係者取得住戸17戸含む、別に店舗)。専有面積は58.52~88.67㎡、価格は未定。設計・施工・監理は戸田建設。竣工予定は平成28年2月末日。

 2階に設けたエントランスからJR横浜線町田駅までペディストリアンデッキで結ばれており、隣は市立図書館。

 建物は制震工法を採用。住戸は南東向きの間口7~12mのワイドスパンで、角住戸比率は50%超。セミSI工法によりメンテナンス性を高めており、リビング天井高は約2.6m、サッシ高は2.12m。住戸によってキッチンは同社オリジナルの対面型キッチンが選べる。

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 これほど単価予想が難しい物件もそうない。比較できそうな物件がなかなか見つからないからだ。JR町田駅周辺の物件では2年前に野村不動産が分譲した「プラウド町田」(161戸)が180万円だった。駅から5分で、所在地は相模原市だ。これとは比較にならない。

 同じ沿線の小田急・JRの駅直結の再開発タワーマンションでは野村不動産「プラウドタワー相模大野」(308戸)と、横浜市住宅供給公社「マークワンタワー長津田」(209戸)がある。双方とも3年前に分譲され、圧倒的な人気を呼んだ。単価は230万円くらいだった。

 この2物件が今回のマンションと比較になりそうだが、市況が激変しており、これより高くなるのは間違いない。駅力も町田は相模大野や長津田に負けない。よって、建築費の上昇も考慮に入れると下限は250~260万円と見た。

 アッパーはどうか。直近ではやはり野村不動産「プラウドタワー立川」(319戸)と「プラウドシティ蒲田」(320戸)がある。立川は342万円、「蒲田」はやや低く330万円くらいだ。

 「JR町田」が「立川」や「京急蒲田」と比較してどうかだが、これが微妙だ。記者の個人的な評価からすれば似たり寄ったり。街並みはあまり美しくない(美しいのは多摩センターだが、マンション単価では比較にならないほど負ける)。

 旭化成不動産レジデンスはまさか立川や京急蒲田ほどの高値追求はしないとみた。前例もある。

 同社は7年前、現在と同じように価格がどんどん高くなっているとき、小田急線の「アトラスタワー向ヶ丘遊園」(251戸)と日暮里駅前の「ステーションプラザタワー」(285戸)を分譲している。前者の坪単価は210万円、後者は260万円くらいだった。記者は双方とも極めて安いと評価した。「日暮里」は周囲の友人にみんな勧めた。中古でも当時より坪100万円くらい高いのではないか。

 よって、アッパーは310万円とみた。自信はない。外したらゴメンナサイというほかない。

「立川」に続き「京急蒲田」、駅直結の威力まざまざ 野村不動産(2014/9/2)

商・住・公の機能備えたハイレベルの野村不動産「プラウドタワー相模大野」(2011/8/2)

「横浜ポートサイド」の再現なるか 横浜公社「マークワンタワー長津田」(2011/7/22)

超割安の旭化成ホームズ「アトラスタワー向ヶ丘遊園」(2007/2/20)

総合的レベルが高い旭化成「ステーションプラザタワー」(2007/3/6)

カテゴリ: 2014年度
 

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