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「ザ・パークレックス駒込」

 三菱地所レジデンスは6月12日、グループ第2号シェアハウス「ザ・パークレックス駒込」の報道陣向け見学会を行った。すでに6月9日から契約を開始しており、2戸が契約済み。関係者は早期に満室になると見込んでいる。

 物件は、JR山手線駒込駅から徒歩5分、豊島区駒込1丁目に位置する敷地面積約74㎡、延床面積約324㎡の7階建て19室。個室面積は7.02~8.45㎡。賃料は7.9万~8.2万円(共益費7,000円込み)。築30年の建物で、従前は会社の事務所、社宅などとして利用されていたが、雨漏りなどでここ10年間は全フロアの半分以上が使用されていなかった。

 オーナーの依頼を受けて、同社が期間10年の賃貸借契約を結び、リノベーションを施しシェアハウスに再生。運営をシェアハウス事業の最大手オペレーター会社オークハウスに委託する。

 リノベーショ ンに当たっては、適法性を確保するため避難通路、天井高(法律は2.1メートル以上だが、躯体をむき出しにすることで2.6~2.8メートル確保)、開口・採光窓(居室面積の7分の1以上)を設けた。

 1階には駐輪場のほかシアタールームとライブラリー、2階には共用のリビング・ダイニングとシャワーブース、7階にランドリーを設置した。

 「古い建物を有効利用したい」という企業のニーズに応える同社Reビル事業部は、2014年の第一号案件「ザ・パークレックス岩本町」を皮切りに、今回の物件を含めてビル8棟、住宅3棟をリノベーションしている。

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1階ライブラリー(左)と2階リビング

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 断っておくが、見出しに「駒込駅圏ナンバーワン」としたのは、記者ではなくオークハウスの担当者がオークハウスの担当者が「駒込駅圏ナンバーワン」と評価したのをそのまま頂いた。記者はこれまでシェアハウスなるものをトータルして10件も見ていない。全くの素人だ。

 よって、3.5畳大~4.2畳大の個室が広いのか狭いのか(学生時代、北向き3畳間に間借りしたことが一時期ある。タバコは吸えたし、女人禁制でもなかった)、電気、ガス、水道代込みで、ベッド、冷蔵庫、机付きの賃料が高いのか安いのか、エレベータホールのところで靴を脱がなければならないのがいいのか悪いのか、女性専用フロアにはカギがかかるのに他はフリーなのが妥当かどうか、タバコは火災のリスクと汚れるからという理由で「全館禁煙」なのは基本的人権を侵害しているのかどうかなど全く分からない。

 契約は6カ月で、更新料はないというのも、入居者は9カ月くらいで他のシェアハウスに移る人が多いというのも、日本人と外国人の比率が半々というのもコメントのしようがない。

 一つ、考えさせられるのは、同社のこの事業に込める意気込みの高さだ。事業費にしたらこれまでの全案件で100億円どころかせいぜい50億円くらいだろう。1兆1,940億円(2018年3月期)もの売り上げがある同社の0.004%にしかならない。例えは悪いが、一網打尽の商売が似合う同社なのに、貧農が痩せこけた陽も当たらない北向きの狭い棚田に肥桶を担いで肥料をやるような仕事だ。

 しかし、こうした仕事は間違いなく他の事業に大輪の成功をもたらすと確信している。地所のすごいところはこういうところではないか。

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個室

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2階廊下

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 それなのに、わが業界の記者はたった6人しか集まらなかった。しかも、もっとも若い人でも50歳以上、69歳の記者が最年長かどうかは分からないが、平均年齢はひっくるめてリノベしたほうがよさそうな63歳くらいだという。

 他の若い記者の方たちはリノベに精通しているからかもしれないが、他紙と競い合うのが必至の大きなニュースだけを追い、しかし、結局、現場を知らないので当たり障りのないリリースを引き写すしかないクズ同然の記事にはならないのか心配だ。

 蛇足だが、記者は暇だから駆け付けたのではない。RBA野球が明日開幕するので、そのための記事を金曜から月曜まで10本以上書いた。400字原稿用紙にして50枚くらいになる。質はともかく、枚数だけは他の業界紙の記者の比ではない。三菱地所グループの野球部が弱いのはどうしてだ。

カテゴリ: 2018年度

 関西学院大-日大のアメリカンフットボールの試合で、「一発で潰せ」などという監督・コーチの指示で「違法タックル」を行った選手の行為が物議をかもし、社会問題となり、刑事事件に発展しつつある。

 記者はアメフトについては全く知識がないので何とも言えないが、野球に関してはグラウンド内の出来事が刑事事件まで発展したケースは「黒い霧事件」など2、3件しかないはずだ。

 刑事事件まで発展しないのは、野球はもとよりスポーツは個々の人間がより強く美しく豊かに生きるための文化であり、娯楽であり、社会通念に照らし合わせ、よほど悪質なプレーでない限り容認しあう暗黙のルールも存在するからだろうと思う。厳密にルールを適用していたらスポーツは成り立たない。

 そんなことを考えていたら、アメフトに触発されたのか、過剰反応を示しているのか、RBA野球の取材・記事にナーバスになっている関係者が増えたような気がする。「個人情報だから」と。

 もちろん、記者も個人情報の扱いには注意を払っている。ネットの時代だ。以前のように書き手と読み手がキャッチボールのように意思疎通できる時代でなくなってきた。意図とは全く逆に解釈され、拡散する危険性も記事ははらむ。個人の自由と表現の自由、この線引きが難しい。

 この問題に逡巡していたら、1行たりとも書けない。勇を揮って書くしかない。基本に据えているのは〝記事はラブレター〟だ。時には勇み足もするし、性格そのものの品性に欠ける表現をすることも少なくない。それでも記事に「愛」を込めれば理解されると信じている。

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 野球用語は「殺」「死」「盗」「暴」であふれている。むしろそれを煽っている。

 「殺」にはは刺殺、併殺、捕殺、挟殺、封殺があり、三重殺まである。「死」もまた死球、1死2死、憤死にキラー(殺人)もある。「盗」では盗塁がある。「とどめを刺す」「とどめの一発」「撃沈」「暴走」なども当たり前のように使われる。

 つまり、たくさん相手を殺したかチーム(巨人は正式には巨人軍)が勝者、勇者となり、たくさん三振に「斬って取る」投手がいい投手として称賛される。打者もまた、相手をねじ伏せる一発逆転のサヨナラ満塁弾を放てる選手が高い評価を得る。それか野球だ。

 そもそも野球は戦争に見立てて考案されたスポーツだからだ。とくに、わが国では戦前、鬼畜米英に対する敵愾心を煽る目的もあってそのような言葉に翻訳された経緯がある。

 中には「サドンデス」(突然死)が「タイブレーク」(均衡を破る)に変更されたものもあるが、禍々しい言葉であふれている野球はすっかり文化として定着している。

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 RBA野球関係者のみなさん、野球は人生を豊かにする文化です。「殺」「死」「盗」「殺」などの戦争用語が頻々と登場するスポーツであるからこそ、それにふさわしい激烈な表現でみなさんを戦場に引きずり込むのが記者の役割だと考えています。どうか記者の意を汲んでいただき、多少の脱線にはご寛恕くださいますようお願いします。

カテゴリ: 2018年度

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第4回「住宅団地の再生のあり方に関する検討会(第2期)」

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浅見氏

 国土交通省は6月8日、第4回「住宅団地の再生のあり方に関する検討会(第2期)」(座長:浅見泰司・東大大学院教授)を開催。住宅団地の再生のために必要な方策について検討を行う上での課題を整理するため、横浜市の取組みや野村不動産のマンション建て替えの実績・課題などに関するプレゼンテーションについて意見交換を行った。

 小林秀樹委員(千葉大大学院教授)は、法制度の課題と提言について資料を提出。ポンプ室跡地に高齢者住宅を事業者が建設した例を紹介。エレベーターを増設しなくても団地に住み続けられるとした。専有部分を有する新棟の建設であり、現行法では全員同意が求められる。このため、特別多数決による敷地分割制度があると団地再生事業の推進が容易になると話した。

 横浜市の建築局長・坂和伸賢氏は、左近山団地、たまプラーザ駅北口、団地再生コンソーシアムなどについて語った。

 同省では今後、近年の制度見直し内容を踏まえ、再生手法の活用や戸建て住宅団地の再生・魅力向上の観点も含めて幅広く検討していく。

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 検討会の会場は霞が関の中央合同庁舎2号館。会が始まるや否や、同省担当者は「冷房を予定していたのですが、6月いっぱいはエアコンが使えない決まりになっておりまして、申しわけございません」と切り出した。とたん、暑さが襲ってきた。汗が噴き出した。

 冒頭で挨拶した同省・真鍋純大臣官房審議官も「そのような事情で会場は暑くなっている。お詫びいたします」と追い打ちをかけ、これまでの検討会の経緯などを述べた後、最後に「皆さんの論議も熱くなることを期待している」と語って、公務のためか会場を抜け出した。

 会場に〝鳥〟残された委員、関係者、傍聴者は80人超。会合は2時間。会が終わってから同省担当者に「気温は何度? 」と聞いても「28度よりは暑いかもしれない。体感温度はひとそれぞれ」とつれない返事しか返ってこなかった。間違いなく30度を突破していたと参加者は感じたのではないか。

 この日は欠席した辛口の櫻井敬子委員(学習院大教授)なら、「法そのものが窮屈で、こんな狭くて暑い会場で妙案が出るはずがない」と一喝したはずだ。

 世の中はクールビズ一色。しかし、国のシンクタンクである国交省の会議室がこんな劣悪な労働・温度環境で、どうして同省が推進している生産性向上が図れるのか。

 記者の事務所はクラシックのBGMが流れ、フェイクでない本物の緑がふんだんに置かれ、わが机の上には鎮静剤の役割を果たしてくれるドクダミが芳香を放っている。

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 しかし、最悪の環境ではあったが、会合そのものは真鍋氏の期待した通り議論白熱、沸騰した(と感じたのは記者だけか)。体感温度を2~3度は上げたはずだ。

 ここで、団地建替えがなぜ進まないか、いちいち書く時間がない。最小限にとどめる。

 野村不動産住宅事業本部マンション建替推進部副部長兼開発課長・目黒朝樹氏らが同社の21件上る建て替え事例や、居住者の負担を軽くするため敷地を二分割し、保留地を確保して建て替えを進めていることを紹介したうえで、一団地の解消が進まないこと、区分所有法や地区計画など法の壁があること、事業採算性があわないこと、権利関係が複雑で事業が長期化するリスクなど課題も多く、部分売却制度はもっと簡便化を図るべきなど話した。

 この問題に対して、委員の大西誠氏(不動産鑑定士、竹中工務店特命理事)は、「心情的には野村さんの味方に付きたいが、正直にいって、それは公平性が担保されているのかという疑問も湧く。わがままではないかといわれかねない」と率直な意見を述べた。

 そして何より、記者の心を揺さぶったのは、この大西氏と戎正晴委員(弁護士)の法とは何か、生きることとはどういうことかの根源的な核心にズバリと迫った当意即妙の言葉だった。

 大西氏は、「マンションに住むと(区分所有)法から逃れられなくなる」と話した。一方、戎氏も、パタパタと扇子が踊っていた会場を皮肉ったのか、「(マンション居住者は)羽ばたけないかごの鳥」と、記者が住むわが多摩ニュータウンそのものの苦境を言い当て、さらにまた「無能力者の扱いをどうするか。法は意思表示をしない人について何の手当もしていない」「都心部はともかく、地方は建て替えの〝タ〟の字も出ないのが現状」などと語った。

 だが、しかし、大西氏も戎氏も、どうすべきかについて言及しなかった。これこそが問題だと記者は思ったのでストレートに両氏に質問した。

 大西氏には「法から抜け出すにはどうすればいいか」と、戎氏には「〝タ〟の字も出ないわたしはどうしたらいいのか」と。

 大西氏いわく。「国交省は法務省とタッグを組んで法の改正(解消とは話さなかった)を図るべき」と。戎氏は「それを論議するのだ」と笑った。

 委員の方たちは、あれやこれやの法律から解き放たれ、自由に天空を舞うオオルリのような存在にマンション居住者や記者をしてくれるのか。次回以降に期待だ。

住民主導のもう一つの「奇跡の街」 横浜・金沢文庫 西柴団地「さくら茶屋」見学(2018/2/14)

「類まれな」レベルの高さ 野村不・三井レジ「桜上水ガーデンズ」完成(2015/8/28)

都市計画の母が泣く たまプラーザの「ユリノキ通り」が消える!? 市が伐採計画(2017/8/22)

カテゴリ: 2018年度

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「ダイワロイヤルホテルグランデ 京都」

 大和ハウスグループの大和リゾートは6月7日、同社のフラッグシップホテル「ダイワロイヤルホテルグランデ 京都」を6月9日にオープンすると発表した。

 京都駅八条口から徒歩5分の9階建て延べ床面積約12,717㎡。客室は20㎡のスーペリアダブルから44~81㎡のスイート(最多は25~28㎡のデラックスダブル)まで7タイプ全272室。

 エントランスからホテル内部に至るまで「和」テイストのデザインを施し、京都ならではの静かで落ち着いた雰囲気を演出しているのが特徴。

 9か国の言葉に対応できるネイティブスタッフが対応し、特別仕様のエグゼクティブフロア(7~9階)では高品質なサービスを提供し、全室に無料のモバイル端末「handy」を用意し、シモンズ社製ベッドを使用。イタリア人シェフによる料理は本場の味だけでなく、日本料理の旨みを巧みに取り入れているという。

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 同社のホテルは、わが故郷三重県の志摩にもあるがロビーを一通り見わたし、レベルを判断しただけで、泊ったことはない。

 なので、今回のホテルはニュースリリースを引き写すしかない。料金をネットで調べたら、朝食付きのダブル・ツインが約36,000円くらいだった。これも高いのか安いのか分からない。

 これが情けない。3年前、オータパブリケーションズ専務・村上実氏に三井デザインテックのイベントでお会いし、驚天動地、仰天、驚嘆、驚愕、感服すると同時に、腹の底から嫉妬した。その時、記事で次のように書いた。

 村上氏は、自らのホームページで「一般読者向けの『月刊ザ・ホテル』編集長時代は年間150日国内外のホテル巡りという体力勝負の時代も経験。…現在毎日必ず1回はホテルで食事をすることをライフスタイルにしています」とある。記者もホテルは究極のマンションだから、名だたるホテルは見てきているが村上氏は桁違いだ。

 今はガウディの「サグラダ・ファミリア」に何やら提案することを考えているそうだ。余計なお世話だが、毎日、ホテルで食事したら、ガウディどころかガチョウのフォアグラにならないか。お金はどうして工面するのだろう。

 ホテルもマンションもこれくらい取材しないと、読者の心に響く記事は書けないということだ。村上氏なら一瞬にしてこのホテルのレベルを理解するだろう。

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ロビー

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 すてきナイスグループが木質繊維断熱材(ウッドファイバー)の普及に力を入れる。同社社長でグループのウッドファイバー株式会社の社長も務める日暮清氏が5月31日行われたグループの業況と事業展開に関する説明会で明らかにした。

 ウッドファイバーは、断熱性能だけでなく、蓄熱性、調湿性、吸音性、防火性に優れ、なによりも主原料を間伐材などの木材を使用することからエコで製造から建築物の省エネルギーに至るまでCO2削減効果が高いとされている。

 しかし、一般的なグラスウールと比較して価格が倍くらいかかるため、公共建築物くらいにしか採用ざれず、個人住宅などにはなかなか普及していない。

 この問題について、日暮社長は、「期待されているにも関わらず、(ウッドファイバー)が普及しないのはコスト、価格が合わないからだが、今後は各県に呼び掛けて、各県から丸太を工場がある苫小牧に運び、商品にしてまたその県に戻し、県産材の活用という切り口で営業していく必要がある。また、環境税(地球温暖化対策税)の税収の使い道としても提案していく必要がある」などと、県産材の活用や環境税の使途の切り口で営業していくと語った。

 

カテゴリ: 2018年度

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「三井ガーデンホテル大手町」

 三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは6月6日、大手町駅から徒歩3 分の宿泊主体のホテル「三井ガーデンホテル大手町」の記者発表会・内覧会を行ない、6月17日(日)に開業すると発表した。同ホテルブランドとしては21番目で、客室数は5,528室となる。

 大手町駅から徒歩3分、東京駅からでも徒歩10分と利便性が高いことから、ビジネスユースのほか観光・レジャー用のニーズも高いとし、「Urban Oasis」をコンセプトに、自然を感じさせる木や緑を共用部分や客室内に多用しているのが特徴。1階に設けたレストランでは滞在スタイルに合わせたオールデイダイニングとする。客室単価は1.7~1.8万円を見込んでいる。

 発表会に臨んだ三井不動産ホテル・リゾート本部 ホテル事業部長・小田祐氏は、「世界都市ランキング3位の東京を訪れる観光客はどこを目指すのかといえば皇居や大丸有が上位に位置する。このエリアにホテルを開業するのが積年の課題だった」と語った。

 施設は、千代田区内神田2丁目に位置する14階建て延床面積約6.238㎡。客室は18㎡のモデレートタイプ(106室)が中心の全191室。建物所有者は中央土地で、三井不動産が賃借し、三井不動産ホテルマネジメントが転借、運営する。

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エントランス

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ベーカリーカフェ(緑はフェイク)

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 どこまでもへそ曲がりの記者は、同社ホテル稼働率が90%を超え、外国人と日本人の宿泊客比率が以前は4:6だったのが最近は逆転し、観光・レジャーとビジネスユースの割合も3:7から6:4くらいになっていると小田氏や三井不動産ホテルマネジメント・足立充社長が誇らしげに語っても心を揺り動かされることはなかった。

 日常的にホテルを取材している他の記者にとっては周知の事実で、旧聞に属する類のことであるくらいは容易に想像できる。

 そんなことより、ビビッときたのは、小田氏が「大丸有にホテルを開業するのが積年の課題だった。2020年度には運営ホテルは1満室を超えるメドが立ち、長期的にはアジアを中心とする海外展開などを考えると燎原の火のごとく拡がるのではないか」と語ったことに対してだった。

 今回オープンするホテルは、先にも書いた通り千代田区内神田2丁目にある。「大丸有」は「道」とか「街」のような普通名詞ではなく固有名詞だ。いまから20~30年前、東京都、千代田区、大丸有まちづくり協議会が定めたエリアのことで、内神田はそれに該当しない。ホテルの傍を流れる日本橋川と鎌倉橋がその境界線になっており、ホテルは大丸有のはずれでも入り口でもない。

 それでも小田氏が「大丸有」を口にしたのは、三菱地所の牙城である大丸有に楔を打ち込めたことが感無量だったのかもしれなないし、大丸有の本丸にある「(仮称)OH-1計画」ではフォーシーズンズホテルを開業することになっており、大丸有の外堀では先に「東京ミッドタウン日比谷」を開業し、八重洲では「ブルガリホテル」を開設することを発表できたのがよほどうれしかったのだろう。

 一方、三菱地所は「大丸有」に「八重洲・日本橋」を加えた投資額にして1兆円を超える「東京駅前常盤橋プロジェクト」を推進中だ。

 三井不動産と三菱地所がそれぞれの不可侵の領域に飛車角クラスの拠点を築くのが面白いではないか。

 しかし、記者はだからといって全面戦争の展開にはならないと読む。そんな無謀な疲弊するばかりの他社を喜ばすような愚を犯さないはずだ。菰田社長と吉田社長はこっそりと陰で手を握っているのではないか。

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小田氏

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 記者のホテルを見る視点、基準が狂っているのかもしれないが、廊下、室内の天井高が2.4メートル(一部最高は2.7メートル)で、トイレ・洗面・浴室は3点セットが採用されているのは理解できない。マンション見学会の3倍くらいの報道陣が駆け付けたのも記者の理解の範疇を超える。

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手前の鎌倉橋より内が大丸有

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通常の無垢材(左)と「Gywood(ギュッド)」

 すてきナイスグループは、スギ、ヒノキ、マツなどの国産針葉樹の軽くて、断熱性が高く、暖かくて美しい特長を保持しながら、表面だけをほどよい硬さにすることで、針葉樹の弱点であった傷つきやすさを解消した表層圧密テクノロジー「Gywood(ギュッド)」を開発した。

 平成28年度・29年度林野庁補助事業「新たな木材需要創出総合プロジェクト事業」のうち都市の木質化に向けた新たな製品・技術の開発・普及部門に選定されたプロジェクトで、東京大学、京都大学、京都府立大学、宮崎県木材利用技術センター、ベターリビングとともに開発・研究を行ってきた。

 「Gywood(ギュッド)」は、無垢材の表層部のみを高密度化するため、優れた形状安定性、硬いのに軽い、硬いのに温かい、硬いのに衝撃吸収性がある、軽くて切りやすいのにクギききがよい、無添加無垢材という7つの物理的特長を持つ「無垢の新素材」。

 同社・日暮清社長は、5月31日行った同社グループ業況・事業展開説明会で「まだ開発途上だが、用途は多様で、わが国の地域創生や林業・木材産業の復権に貢献することを目指す」と語った。

 

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新小岩駅南口-(これが美しいか)

 「足が弱って目が見えなくなって、耳も聞こえなくなった」「90になって独り暮らし? えらいわね」「夜になると寂しい」「そうよね」「だから、電気をつけっぱなしで寝るの」「そう、それがいい。テレビをつけっぱなしという人もいるわよ」「でも、しょっちゅう、2時間おきくらいに起きちゃうの。トイレに行きたくなる」「まだまだ若いわよ」「子どもの世話になりたくないからね。子どもだって、親のために生きているわけじゃないし」「そうよね、わたしも姑で苦労したもの」「そーなの」「生きているうちが花よ」

 新小岩駅前のアーケード街「ルミエール商店街」の真ん中に置かれたベンチで二人の後期高齢者と思われる女性が話し合っていた。

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 次の取材まで時間があったので、約1時間、商店街を歩いた。ネオン、看板、立て看とそのコピーをいくつか紹介する。

 「コピー5円」(この前のホテルオークラは40円だった)「仏花80円」(花屋)「さらば膝の痛み」(整骨院)「生サーモン(左の店)冷シャンプー(左の店)」「2階ですけど、どうかご安心してお入りください。物件情報量と情熱だけは、どこにも負けません」(間口が狭い宅建業者)

 「100円」(回転寿司)「「らぁ麺420円」「4円パチンコ」「古着100円」「新発売いきなり値引き 本体一括0円」(モバイル)「6月羽ばたく飛翔」(トートロジーのパチンコ屋)「万引き警戒」「禁止拍照」「防犯カメラ作動中」「2人に1人ががんと言われています」(何屋だったか。記者も〝お前はダニだ〟と言われたことあり)「閉店セール オール¥30」「24時間営業 大漁」「喫煙ルーム 未成年の方の入室はご遠慮ください」(コンビニ)

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「ルミエール商店街」
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 駅前の喫煙コーナーには「葛飾区きれいで清潔なまちをつくる条例」が平成13年3月に施行されたことが紹介されていた。

 その条例には、「まちを汚す行為」として、区内の道路・公園その他の公共の場所で「吸い殻・空き缶等をみだりに捨てること」「歩行喫煙をすること」「飼い犬等のふんを放置すること」「落書きをすること」が禁止され、「区の責務」として「きれいで清潔なまちづくりを推進するための施策を総合的に実施する」こと、「区民等の責務」や「事業者の責務」には市が推進する施策に協力することが書かれている。

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「守ろうよ わたしの好きな 街だから」

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 平成18年に施行された景観法の第一条(目的)には、「この法律は、我が国の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする」とある。

 しかし、「良好な景観」「美しく風格のある国土」「潤いのある豊かな生活環境」「個性的で活力ある地域社会」「国民経済及び地域社会の健全な発展」とは何かについては、全文を読んでも全く書かれていない-〝カオスが美だ〟という説もある。

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新小岩駅(左)と秋葉原駅のホームの階段(どっちがきれいか)

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芳井氏

 

プレハブ建築協会は531日、通常総会を開き、樋口武男会長(大和ハウス工業会長)の任期満了に伴う新会長に芳井敬一氏(大和ハウス工業社長)を選任した。

芳井氏は、総会後の記者会見で「業界の経験は浅いが、様々なニーズの変化に迅速に対応し、プレハブ住宅の生産の合理化や長期優良住宅の普及などに積極的に、前向きに取り組み、大役を果たしたい」と語った。

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 答えは返ってこないだろうと思ったが、芳井氏は神戸製鋼のラガーマン出身なので、いま大騒ぎの例のアメフトの件について聞いてみた。

 芳井氏は「ラグビーとアメフトはぜんぜん違う。アメフトは分からないので、あのプレーや処分について答えようがない」と語った。

 関西学院大学卒の前会長・樋口武男氏ならどう答えただろうか。30分間くらい熱弁をふるったのではないか。

 

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不動産流通経営協会 懇親会(ホテルオークラで)

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榊氏

 不動産流通経営協会(FRK)は5月31日、定時総会後の懇親会を開いた。

 冒頭、同協会・榊真二理事長(東急リバブル社長)は、「平成30年度の税制改正に際しましては、住宅土地税制などの期限延長のほか、当協会が長年要望してまいりました、宅建業者による買取再販事業に際しての不動産取引税の減額措置の敷地への適用などを実現していただきました。

 この制度改正は、売買価格に占める割合が高い既存住宅の取引の活性化に大きく寄与するものと期待している」と税制改正を評価し、昨今の不動産流通市場については「平成29年度の首都圏におけるレインズデータを見ますと、成約件数は約6万9千件と、前年度比2%減少の水準に留まったものの、平均成約件数はマンション、戸建て、土地ともに前年度を上回っております。

 一言で言えば、取引件数が高い水準を維持している中で、価格も堅調に推移している状況と申せましょう。本年4月以降の市況についても、昨年度に続き税制改正や低金利政策の下支えなどにより、概ね順調に推移していくものと考えております。

 本年度の4月には、改正宅建業法が全面施行され、建物状況調査がスタートしたところでありますが、この新たな仕組みは、既存住宅に対する消費者の信頼を高め、流通市場を活性化するうえで、大きな効果が期待されるところでございます。

 当協会も、その担い手である宅建業者が混乱して消費者に不便をかけることのないよう、現場の意見を吸い上げるとともに、行政、業界関係者としっかり情報共有しながら、定着を図ってまいりたいと考えております」と述べた。

 また、不動産流通市場の活性化、円滑化を進めるための重要な活動として、「政策提言」と「調査研究」に取り組んでいるとし、「当協会におきましても、昨年度、米国において不動産テックビジネスがどのように成長し、それらが不動産取引上で、どのような使われ方をしているのか、つぶさに見聞してまいりました。

 一方、近年、不動産流通市場を取り巻く社会・経済環境も大きく変化し、消費者のライフスタイルや価値観などが多様化していく中で、消費者が期待するレベルも益々多様化・高度化してきております」とし、これまで実施した「住宅市場ポテンシャル調査」や「ひとり住まいの持ち家ニーズ調査」結果などを踏まえ、「『住宅取得という夢の実現』をお手伝いすることを使命とする不動産流通業といたしましても、こうした潜在的なニーズをどのように顕在化させていくか、さらには多様化するお客さまのニーズにどのようにお応えするのか、会員の皆様とともに知恵を絞ってまいります」と述べた。

 最後に、「消費者にとって 不動産取引が、分かりやすく、安心し、満足していただけるものとなるよう、不動産取引の透明性をさらに高め、不動産流通の発展と内需の拡大に全力で取り組んでまいります」と締めた。

 続いて、来賓として登壇した国土交通省 土地・建設産業局長・田村計氏は、「国土交通省は平成28年度から小さなインプットで大きなアウトプットが得られる生産性革命を推進しているが、今年はさらに進化、深める年にしたい」として、コンパクトシティ、人手不足対策、スポンジ化、都心部の余剰駐車場活用、ストック活用、山林取引の透明性などについて言及した。

 乾杯の音頭を取った同協会副理事長・田中俊和氏(住友不動産販売社長)は、「インスペクション制度がスタートしたが、現場は混乱なく、いいスタートが切れた。既存住宅の魅力を発信し、前に進めたい」などと語った。

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田村氏(左)と田中氏

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 目的・理由は明かせないが、懇親会の途中、会場を抜け出しホテルにA4の文章4枚のコピーをお願いした。費用は172円。スーツのポケットをまさぐり、手のひらに糖尿の薬とともに数個の100円玉のほか50円玉、10円玉、1円玉を示し、払おうとした。ところが、1円玉は1個しかなく、171円を差し出し、「1円まけてもらえないか」と頼んだら認めてくれた。

 ホテルオークラに料金を値切ってまけてもらったことがなによりも嬉しかった。記者は何が嫌かと言えば、ポケットに小銭がジャラジャラと入っていることで、何が嬉しいかと言えば、小銭が過不足なく料金として払えることだ。

 ある男性は「ホスピタリティを考えたら、当たり前のこと」と話したが、記者はそうではないと思う。余分の金を払ってでもサービスの提供を受けようと考えさせるのが本物のプロだ。手数料の値引きを売りにするような宅建業者は疑ってかかるべきだ。

 コピーを取ったことで、1円まけてもらったことで、どこよりも早く榊氏の挨拶をほぼ完ぺきにホームページにアップすることができた。

 

 

 

 

カテゴリ: 2018年度
 

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