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 大和ハウス工業は1月19日、同社とグループ会社7社の既存住宅の売買仲介、買取再販、リノベーション・リフォームなどの住宅ストック事業を強化するため、グループ統一の新ブランド「Livness(リブネス)」を立ち上げたと発表した。

 同社グループの売買仲介拠点40カ所を2025年度までに新たに60カ所オーブンさせ、計100カ所を目指すとともに、地方の不動産業者約80社と提携して全国ネットで展開する。現在のグループ全体の売上高1,150億円、営業利益140億円を2025年度までに2,000億円、200億円にそれぞれ増やす目標。

 1月25日に各社が保有する不動産情報を閲覧できるWEBサイトを開設。ホームページに会員登録すると、先着1,000名に簡単なVRゴーグルを贈呈し、ゴーグルを装着するとマンション、戸建てなど最大500件の物件を内見できる「どこでもストア」がスマホ、タブレットを通じて利用できるようにする。また、テレビ電話によって直接営業スタッフと相談できるサービスも行う。

 国が掲げる「住宅生活基本計画」では、既存住宅流通の市場規模は2013年の4兆円から2025年には8兆円へ倍増させ、リフォーム市場規模を2013年の7兆円から2025年には12兆円に拡大させるとしている。

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看板

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 この日の発表会には芳井敬一社長が臨む予定だったが、インフルエンザで欠席。代わりに同社大友浩嗣・取締役常務執行役員が「仲介、買取再販、リノベ・リフォームを一気通貫で提案していく。業界ナンバー1を目指す」と抱負を語った。

 〝やる気〟を内外に示そうという意欲が伝わってきた。不動産流通のことはよくわからないのだが、ハウスメーカー各社の流通事業はデベロッパー系のそれと比べ圧倒的に弱い。

 この日配布された資料によるとグループの日本住宅流通の平成29年3月期売上高は239億円で、店舗は34カ所だ。業界トップの三井不動産リアルティの仲介・アセットマネジメントの売上高は879億円(29年3月期)で、店舗数は281店舗(29年10月)だ。また、業界4位の野村不動産アーバンネットの売上高は299億円(29年3月期)で、店舗数は78店舗(29年9月)だ。大都市圏に特化している野村にも後塵を拝す。

 同社がこれまで販売した戸建て約60万戸のうち流通段階で同社グループが仲介を担当し捕捉できているのは1割くらいだというから、これも圧倒的に少ない。

 他社に引けを取らないのは買取再販だ。グループのコスモスイニシアも積極化しており、日本住宅流通とあわせ500戸を超えるという。ベスト10に入る勢いにある。今後は構造10年、設備10年、地盤10年の保証・保険を付与するという。

 今回の「Livness(リブネス)」は劣勢を一挙に挽回する戦略とみたが、グループの新築マンションや分譲戸建ての顧客にも対応できるよう〝ワンストップ〟型の店舗展開を目指してはどうかと思う。

 「Livness(リブネス)」とは直接関係ないかもしれないが、このところのコスモスイニシアのマンション、分譲戸建て、リノベの商品企画は他を圧している。業界ナンバー1のカギはコスモスイニシアとどう連携するかだと思う。起爆剤になるはずだ。

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 「Livness(リブネス)」のデザインについて。中堅デベロッパーの「リブラン」によく似ているのはともかく、色が大和ハウス工業の素敵な「赤」ではなく「オレンジ」なのが理解できなかった。

 そこで、同社住宅ストック事業推進室 事業統括グループ長・矢田幸司氏に聞いたら「グループ各社の店舗カラーがオレンジなので」ということだった。

 なるほど。ならば、ブランドを浸透させ、〝ダイワレッド〟を〝ダイワオレンジ〟に変えるくらいの意気込みで取り組んでほしい。そういえば、うちのかみさんは〝リハウス〟と〝リバブル〟の区別がつかず〝リブハウス〟と呼ぶ。ここに〝リブネス〟が食い込むとどうなるのか。〝love less〟にはならないか。

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内見イメージ

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岡本理事長(第一ホテル東京で) 

 マンション管理業協会は1月18日、恒例の新年賀詞交換会を行った。例年とほぼ同じ約500名が参加した。

 冒頭、挨拶した岡本潮理事長(東急コミュニティー会長)は、「業界は3つの役割がある。一つ目はハードとしての建物を守る役割、2つ目は居住者の生命・安全を守る役割、3つ目は快適で豊かな生活とコミュニティ支援を通じて居住者の生活を守る役割だ。

 この社会的に重要な役割を社会に広く深く伝え、高い評価、厚い信頼を得るために2つの基本目標として2つのミッションを提示した。

 一つは業界の成長・発展、社会的評価の向上、もう一つは業界従業者の処遇改善、社会的評価の確立に向けて大きく踏み出した。また昨年の一番のトピックスである『マンション管理業務共通見積書式』を策定・公表した。今後、書式を明示し、専有サービス、高齢者ニーズ、民泊対応などの働きかけを行っていく」などと管理員などの処遇改善が業界の発展に欠かせないと強調した。

 また、「3月に公表予定の今後5年間の中期計画を策定中だが、基本方針としてマンション管理業の3つの役割をしっかり果たすことができる体制を確立すること、さらに従来の取り組みから一歩踏み出し、マンションの資産価値と居住価値の維持発展に寄与し、総合的なマネジメント手法の構築の検討、実施を検討している」と述べた。

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 以下、参加者のコメント。順不同

三井不動産レジデンシャルサービス・高松茂社長(同協会副理事長) (「ザ・タワー 横浜北仲」では管理者管理手法を採用されたが)住宅・設備など複雑な複合開発なので、自信をもって提案した。広報を通じていただければ、詳しい話ができるかもしれない。(処遇改善は)給与面では当社は高いほうだと思うが、年齢制限は現在68歳。今年度中に72歳くらいまで引き上げるよう検討を進めている

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高松氏

大京アステージ・栗原清会長(同協会副理事長) 処遇改善は一番重要な課題。当社は、管理組合の声があれば72歳でも73歳でも働ける環境整備を進めている。「共通見積書式」の徹底も重要。管理員に電話対応など業務以外の多大な負担がかかっているのが現状だ

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栗原氏

大和ライフネクスト・山根弘美会長(同協会前理事長) イスラエルでの事業展開を進めていく。(大和ハウス工業会長の)樋口からも「お前のミッションだ」と言われている。日本はゼロから1は作れない。リノベーションは改善なのに対して、イスラエルは破壊的な改革でゼロから1を造る。シリコンバレー化している。エルサレムが怖い? 全然(北朝鮮など)日本のほうがよほど怖い(ヘブライ語が話せて書ける業界人は少ないはず)

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山根氏

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山根氏の自筆サイン(上は左から ネマヤ アュシヨ、下はjoshua 山根)

黒住昌昭氏(同協会元理事長) 今? 合唱と50年以上続けている合気道、それにそろばん教室を開いた。こどもはいいですよ。わたしの経歴なんか全然関係ない。すぐ嫌だという。3人しかいないが、辞められないよう必死ですよ。合気道? 合気道は「気」、信じることだ(記者も「気合い」を入れてもらったが、全然効果がなかった。へそ曲がりには信じる力がないということか)

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黒住氏

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「アセットシェアリング北千住駅前」

 インテリックスは1月15日、3月開業予定の新築ビジネスホテル「アセットシェアリング北千住駅前」の不動産小口化商品を一口100万円単位(5口以上)募集総額19億円(1,900口)で販売開始したと発表した。

 物件は、東京メトロ千代田線・東武スカイツリーライン・つくはエクスプレス北千住駅から徒歩4分、足立区千住4丁目に位置する敷地面積623.77㎡、6階建て延べ床面積1,902.01㎡の全103室。運用期間は30年間。予定利回りは5.1%。

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平沼橋第2ホームギャラリー

 三菱地所ホームは1月13日、横浜市西区の平沼橋第2ホームギャラリー(tvk ハウジングプラザ横浜内)をリニューアルオープン。2階の子世帯部分を、デンマークの〝巣ごもり〟のような暮らしスタイル「Hygge(ヒュッゲ=居心地がいい時間や空間)」を取り入れた全館空調付きの企画型 「システム設計住宅」仕様にした。

 北欧スカンジナビアンモダンのインテリアは、シンプルながらも温かみと機能性の高い空間を表現。照明やキャンドルなどで癒しの空間を演出した。

 1階の親世帯は、日々の生活を優雅に彩るエレガントなライフスタイルを自由設計注文住宅「ONE ORDER(ワンオーダー)」として展示している。

 建物は、木造(2×NEXT 構法)2階建て(ロフト付)の延床面積276.89㎡(83.75坪)。

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 先週の金曜日、タカラレーベンが開設した銀座7丁目のコンパクトマンションサロン「SALON DE NEBEL」を見学したのだが、6か国のインテリア・カラーデザインが選択できるようになっており、一番人気は「Scandinavian」だった。

 小説の世界では、全世界で800万部以上を売り上げたスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの「ミレニアム1~3」の続編ダヴィッド・ラーゲンクランツ「ミレニアム4~5 」(早川書房)も発売された。

 平沼橋には「スウェーデンハウス」の素敵なモデルハウスもある。双方が「ミレニアム」にあやかって競えば、住宅もヒットするかもしれない。

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第3回 土地・建設産業界交流会で挨拶する岩井氏(平成28年12月1日、京王プラザホテルで)

 住友不動産販売元代表取締役会長・社長 岩井重人(いわいしげと)氏が平成30年1月6日4時24分、肺炎のため死去した。享年87歳。通夜・葬儀は親族のみの密葬にて執り行われた。後日「お別れの会」を実施する予定。

 岩井氏は昭和5年4月25日生まれ。長野県佐久市出身。昭和24年4月、住友銀行(現三井住友銀行)入行。同57年3月、専務取締役、同58年6月、住友不動産取締役、平成5年6月、代表取締役社長、同19年6月、代表取締役会長、同23年6月、取締役会長。平成15年4月、不動産流通経営協会理事長、同15年5月、不動産協会理事就任。平成22年11月、旭日中綬章受章。

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 岩井氏は平成28年12月1日に行われた第三企画・RBAインターナショナル主催の「第3回土地・建設産業界交流会」にRBA野球大会会長として出席、「この度、RBA野球大会の初代会長を拝命いたしました、住友不動産販売会長の岩井でございます。RBA野球大会は、不動産業界の繁栄と発展、親睦ならびに国際親善への貢献を目的に平成元年から開催されています。国内、海外の多くの皆さんにRBAの理念を広げていくためには、今後もRBA野球大会を継続して開催していく必要があると思います。RBAの活動に一層のご理解、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます」と述べた。

 散会後、「よかった」と語られたのが記者が聞く最後の言葉となった。ご冥福をお祈りいたします。

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当日配布されたRBAタイムズを読まれる岩井氏

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会場を後にされる岩井氏

 

 

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客室イメージ

 東急不動産とヒルトンは1月10日、東急不動産が昨年3月に取得した長野県・軽井沢町の「旧軽井沢ホテル」においてフランチャイズ契約を締結し、ヒルトンのコレクションブランド「Curio Collection by Hilton(キュリオ・コレクションby ヒルトン)」の日本初進出ホテル「KYUKARUIZAWA  KIKYO, Curio Collection by Hilton」として2018年春にリニューアルオープンし、東急リゾートサービスに運営を委託すると発表した。

 東急不動産ウェルネス事業ユニットホテル・リゾート事業本部長兼東急リゾートサービス社長・速川智行氏は「軽井沢の地で、ヒルトンの国内初出店となるコレクションブランドの出店により、日本の魅力をさらに高め世界に発信できることをうれしく思います」とコメント。

 また、ヒルトンのアジア・オーストラリア地区開発担当上席副社長のガイ・フィリップス氏は「ヒルトンでは東京、大阪、沖縄を含めた主要都市に、現在14のホテルを展開しています。当社の新しいブランドを日本に、さらには軽井沢のような魅力的な土地に紹介できることを、大変嬉しく思います」とコメントしている。

 「旧軽井沢ホテル」は、旧軽井沢エリアに立地し、敷地は明治時代を代表する実業家や文化人、政治家の別荘として利用されてきた。約9割の客室が40㎡を超す間取りとなっている。

 「キュリオ・コレクションby ヒルトン」は、世界で40軒以上展開しており、「キュリオ」という言葉は〝興味深く、ユニークで、他に類を見ない〟という意味が込められている。

 「KYUKARUIZAWA KIKYO, Curio Collection by Hilton」は長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢491-5外に位置する地下1階地上3階建て延床面積6,989.12㎡(他に木造平屋建て81.57 ㎡の教会)。客室数は50室。

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「W OSAKA」完成予想図

 積水ハウスは1月10日、マリオット・インターナショナルが展開するラグジュアリー・ライフスタイルホテルブランド「Wホテル」のわが国初の「W OSAKA」を2021年に開業すると発表した。

 大阪・御堂筋に面した大阪市中央区南船場4丁目の土地約2,544㎡に同社が建設するもので、建物は27階建て全337室。安藤忠雄氏がデザインを監修し、日本設計が設計監理、竹中工務店が施工をそれぞれ担当する。開業は20121年2月の予定。

 各客室のインテリアは、斬新でスタイリッシュなデザインコンセプトを貫き、ブランドのシグネチャーでもあるオールデイ・ダイニングレストランを含むレストランやバー「WOOBar」のほかプール「WETDeck」、フィットネスセンター「FIT」、スパ施設「AWAYSPA」を備える。イベント施設として400㎡のボールルームと会議室も設置する。

 記者会見に臨んだ積水ハウス会長兼CEO・和田勇氏は「マリオットグループとは『セントレジスホテル大阪』や『ザ・リッツ・カールトン京都』などで連携しているが、今回、大阪のメインストリートで第1号の『Wホテル』を建設することになり、また設計を日建設計、監修を安藤忠雄氏に行ってもらうことで関心も高く、鳴り物入りのホテルになるはず。今後、宿泊に特化した郊外型も展開していきたい」などと述べた。

 マリオット・インターナショナル アジア太平洋社長兼マネージングディレクター クレイグ・スミス氏は「大阪は『Wホテル』発祥の地のニューヨークにもっともよく似ているエキサイティングな街。日本の国内・海外の方に、日本の美しい自然、歴史、文化と当社のホスピタリティを堪能していただける。今回の連携を心から感謝している」と語った。Wホテルは現在、世界52カ所で展開中で、2020年までに75カ所に増やす予定。

 また、ゲストとして登壇した安藤忠雄氏は「(積水ハウスの)『希望の壁』はメンテナンスが大変なことはわかっていたが、(話すと同社が断念するのではと思い)黙っていた」と会場を笑わせ、「今回は日建さんがすべてやってくれるので、私は『結構ですね』というだけだが、環境も人間も大切にするイマジネーションが湧いてくる。チームワークで頑張りたい」などと話した。

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和田氏(左)とクレイグ・スミス氏(ザ・リッツ・カールトン東京で)

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 ザ・リッツ・カールトン東京の会場の着くなり、ハードロックかクラブミュージックかダンスミュージックか、記者にはまったく理解不能の耳をつんざくBGMが流れ、演壇中央には大きな「W」の電飾看板のようなものが置かれ、赤や青、緑、紫、黄色、白に目まぐるしく明滅した。

 これには、〝ひょっとしたらリッツ・カールトンのような〟ホテルかもと予想していた記者は完全にKO状態。

 さらにまた、関係者の口からは「エキサイティング」「fuel(活気、熱量)」「エネルギー」「「カオスとカルチャー」「24時間眠らない」「不可能を可能にする」「固定概念、限界をやすやすと超える」「cheeky acdacious(生意気な)」「spontaneous(自発能動的な)」「bold(大胆な)「witty(機知に富んだ)」「insider(通)」「目立ちがりや」などの単語が次々と飛び出した。

 「W」には“いつでもどんなことでも”(Whenever/Whatever)という意味が込められているようだが、これはもう和田氏の「W」そのものだし、〝Wa―すごい〟ホテルだと納得させるしかなかった。

 リッツとは全くコンセプトが異なる。料金そのものはリッツより安くなりそうだが、ルームチャージなどについてスミス氏は明言を避けたように、〝高いか安いか〟の尺度で測れないホテルだ。〝負けたら あかんで東京に〟の関西の富裕層にはぴったりかもしれないし、東京なら六本木、渋谷、湾岸なら間違いなく受ける。

 それにしても、この前の日曜日には、積水ハウスの「御園座タワー」完成お披露目会で隈研吾氏直々に劇場とマンションのコンセプト説明を受けた。この日は安藤忠雄氏だ。年明けからこんな嬉しい取材ができるなんて何と幸せなことか。

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安藤氏(左)と和田氏

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不動産協会&不動産流通経営協会 合同賀詞交歓会(ホテルオークラ別館で)

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菰田氏(左)と榊氏

 不動産協会と不動産流通経営協会(FRK)は1月9日、恒例の合同新年賀詞交換会を行った。約1,100名が参加した。

 冒頭、挨拶に立った不動産協会・菰田正信理事長(三井不動産社長)は、「今年こそデフレから脱却し、経済の好循環に向けて成長が加速する年にしなければならないという思いを強くしている」と切り出し、デフレ脱却について踏み込んだ発言をした。

 続いて、「わが国の経済は、企業収益や雇用情勢の改善などでゆるやかに回復している。先行きは世界情勢の不確実性など不透明な点もあるが、今後さらに力強い成長を促し、経済の好循環を実現するために官民が総力を挙げて都市と地方の活性化を図ることが大変重要だ。

 当協会はこうした観点から平成30年度の税制要望活動を積極的に進めてきた。先月決定した『平成30年度の税制改正大綱』では、最重点要望だった『土地固定資産税の負担調整措置』の延長が認められた。その他『居住用財産の買換え・売却に伴う特例』や『新築住宅に係る固定資産税の軽減特例』など、当協会の主要な要望がすべて認められた。

 また、都市政策や住宅政策についても、都市再生特区の用途変更の柔軟化、エリアマネジメントの充実、団地型マンションの建て替えに関する制度の整備、宅配ボックスの容積率に関する運用の弾力化が図られるようになった。

 当協会は、魅力的な街づくりと豊かな住生活を実現するとともに、これらを通じて経済の成長に一層寄与するため都市政策、住宅政策、税制について官民一体で要望活動に取り組んでいく。

 今年は都市再生プロジェクトの推進を図るとともに来年度に期限切れを迎える都市再生促進税制について的確に対応するほか、AIの活用、街づくり、働き方改革、多様化する住宅ニーズへの対応、国際化、物流など幅広い取り組みを行い、真の豊かさを実感できる社会の実現に貢献していく」などと述べた。

 乾杯の音頭を取ったFRK・榊真二理事長(東急リバブル社長)は、「当協会が長年要望してきた買取りリフォーム販売における不動産取得税の減額措置の敷地への適用が認められたほか、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の特例の適用期限の延長、地方の空き家等の定額物件の負担軽減措置なども実現した」と先の税制改正で同協会の要望がほぼ認められたことに触れた後、「昨年の不動産流通市場は成約件数、成約価格とも1年間通じて堅調に推移した。足元でも既存住宅への底堅い需要を実感している。

 今年も低金利に加え、税制による支援ローン策などを背景に好取引が続くと期待している。

 人生100年時代、超長寿社会を迎え、不動産の利活用も各様々なパターンが増える。社会の要請を受け止め、新たな制度や技術を活用して隠れた価値を見出すことによって地域の魅力や既存住宅のよさを発信し、不動産流通を活発化させることで内需拡大と諸課題の解決に貢献したい」と述べた。

 来賓として登壇した国土交通省・石井啓一大臣は、「人口減少社会を迎え、持続可能な社会を実現するため、一昨年は生産性革命元年として位置づけ20のプロジェクトを立ち上げた。昨年はその前進の年としたが、今年は深化の年とした。不動産活用の最適化、都市の高度利用、既存住宅の利活用の促進など社会全体の生産性向上に注力していく」と述べ、また、「近年問題になっている所有者不明土地問題、都市のスポンジ化対策、都心部の余剰駐車スペースの有効活用策などについても通常国会へ法案提出に向けて準備を進めている」と語った。

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石井大臣

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  今年の賀詞交歓会での取材のテーマは〝デフレ脱却〟だった。バブルが崩壊して28年。もうそろそろ脱却宣言をしないとこれから先〝デフレ脱却〟は死語と化すのではないかという危機感があるからだ。誰でもいいから脱却宣言を引き出すのが目的だった。

  なので、のっけから菰田理事長が話したのにはびっくりした。一昨年、当時の木村惠司理事長(現三菱地所会長)もあいさつの中でデフレ脱却について触れたが、それほど強い口調ではなかった。それだけに今回の菰田氏の発言は重い。以下、会場で拾った各氏のコメント。順不同

 岩沙弘道・三井不動産会長 (会長、今年デフレ脱却を宣言しないともう永遠に無理では)そう、今年こそ宣言しないといけない。今年は明治改元150年。記念すべき年。来年は元号が変り、消費税も上がる。英知を振り絞ってデフレ脱却を宣言しないといけない

 樋口武男・大和ハウス工業会長 デフレ脱却? そや、素晴らしい年にせにゃあかん。僕は大丈夫だと思う。全体の流れは上向き。プラス思考じゃないといかん。マイナス思考は経営の敵じゃ

 神山和郎・日神不動産会長 昨年と変わらない。デフレ脱却? ムードだけ。実体経済は悪くはならないだろうが、完全に脱却という状況にはなにないのでは。賃上げだけではない条件もある

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左から岩沙氏、樋口氏、神山氏

 髙井基次・大和ハウス工業常務執行役員(マンション事業担当) 業界は(大手の)寡占化が進む。(御社はその一角に食い込まないと)ブランディングをしっかりやって大手の一角に食い込むぞ

 柿崎宏治・明和地所取締役執行役員 名古屋支店開設準備室室長に就任した。用地仕入れはこれから。目標? 年間100戸くらいはやりたい(隣にいた同社福眞吉葉執行役員に「100戸でいいんですか」と言われ)それじゃ200戸にするか

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左から高井氏、福眞氏、柿崎氏、明和地所・三平慎也執行役員 

 荒井正昭・オープンハウス社長(元高校球児) さらに成長の年にしたい。RBA野球? どうも最近の新入社員は野球に興味がないみたいだ

 脇英美・三菱地所レジデンス社長 最高の年にする。〝戌笑う〟っていうじゃない。走り回る

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左から2人置いて荒井氏、脇氏

 高林学・三交不動産社長 (三重県の伊勢出身で、御社のファンですから)そうですか。わたしも伊勢出身(今度、和光市でマンションを分譲するとか。かならず見学する)

 島田和一・タカラレーベン社長 ライフスタイルに新常識をつくる年にする。今週金曜日、銀座8丁目にコンパクトマンションのサロンを開設する。案内状? 届いてない。(間違いなくお伺いします)

 手島芳貴・タカラレーベン常務取締役 RBA野球に復帰する。選手としても出場するつもりでいたが…(同社は東京ドームに進出した経験あり)

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左から高林氏、同社・盛田哉東京支店本部長、手島氏、島田氏、同社・岡部剛専務取締役

 野村均・東京建物社長 今年は中計の4年目の年。右肩上がりの年にしたい。順調に推移している

 神園徹・野村不動産アーバンネット執行役員人事部長 お客さんにも社内でも世の中でも当社が№1と評価される会社にする(ずいぶん成長されたようですねとカメラを向けたら)写真はかんべんしてよ。前とかわらないよ

 廣岡哲也・フージャースホールディングス社長 ホテル、シニアなど業界の垣根を越えてチャレンジしていく

 木村惠司・三菱地所取締役(前不動産協会会長) 消費者物価指数2%の壁があるから…まだわからない

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左から野村氏、廣岡氏、木村氏

不動産協会・不動産流通経営協会2017年 合同賀詞交歓会に過去最多の1,200名(2017/1/6)

 

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「御園座タワー」

 積水ハウスと御園座は1月7日、積水ハウスの分譲マンションと御園座の建て替え複合再開発プロジェクト「御園座タワー」が竣工したのに伴い、監修を担当した建築家の隈研吾氏を招きメディア向け内覧会を行った。

 同プロジェクトは、市営地下鉄東山線伏見駅から徒歩1分、名古屋市中区栄1丁目に位置する1896年(明治29年)の開業以来、名古屋市の芸能・文化を象徴する劇場として親しまれてきた「御園座」の建て替え商業施設と分譲マンションからなる40階建て延べ床面積約56,000㎡の複合再開発。監修は隈研吾建築都市設計事務所。施工は鹿島建設。工期は平成27年4月から29年11月。

 計画に当たっては、新たな「賑わいのあるまち」を創出するため名古屋市総合設計制度を活用。劇場部分の外装は「なまこ壁」の意匠デザインを踏襲し、御園座の格式・伝統を受け継ぐ「朱色」「木調」「市松模様」を多用。客席数は1,298席、歌舞伎のほかコンサートなど幅広い演目に対応する。

 分譲マンション「グランドメゾン御園座タワー」304戸は平均専有面積92.22㎡と広めに設定。坪単価は350万円と〝断トツ〟の高さであったが、ほとんどクローズで全戸が約1年で完売した。

 内覧会に臨んだ御園座代表取締役会長・小笠原剛氏は「いよいよ4月に新生御園座の開業となるが、世界でもっとも著名な隈研吾先生に斬新で素晴らしいデザインの劇場につくり上げていただいた。隣接する岡崎信用金庫も先生が担当されており、二つの建物は街のシンボルとなるはずで、街の活性化につなげていきたい」と挨拶した。

 コンセプトなどについて説明した隈研吾氏(東京大学教授)は、「中心市街地の活性化は世界の都市のテーマ。今回は、日本の伝統を継承し発展させるために御園座の歴史をリサーチ」し、「ファサードの白い格子のなまこ壁は、特殊な照明計画も用いて光をまとったユニークであざやかなデザインとした。名古屋の勢いを象徴する朱色の御園座レッドの祝祭空間はロビー・ホワイエから街路まであふれ出るようにデザインした。華やかな市松模様は音響にも効果があることが分かり客席全面に展開した。住宅部分も格式のある繊細なデザインにした」と語り、「これまでもたくさん劇場を手掛けてきたが、日本の伝統を未来につなぐこのような劇場は他にない。名古屋の新しい文化の核になり、さらにこれからの日本文化をけん引するコアになることを確信している」と締めた。

 柿葺落(こけらおとし)は4月1日。二代目松本白鸚(松本幸四郎改め)と十代目松本幸四郎(市川染五郎改め)の襲名披露公演が行われる。

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隈氏(左)と小笠原氏

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大階段(左)とホワイエ

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客席

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 「なまこ壁」は下段、中段、上段でそれぞれデザインが微妙に異なり、壁面から浮かせて張られているため、見る方向で表情が変る。夜間はLEDでライトアップされる。

 内装の日本古来の大和壁、市松模様、格子もさることながら、「わが国伝統の祝祭空間」(隈氏)が演出されているエントランスアプローチ、ホワイエ、客席など全面展開されている鮮やかで明るい「御園座レッド」が圧巻だ。えも言われぬ朱赤が高揚感を誘う。

 緞帳も、大丸松坂屋百貨店・トヨタ自動車寄贈の松村公嗣氏作「野分(のわけ)」、名古屋鉄道・三菱電機寄贈の杉本健吉氏作「天人奉楽」、積水ハウスの寄贈の絹谷幸二氏作「黄金旭日名古屋城」の3張が披露された。絹谷氏の作品は1億円近いそうだ。

 「グランドメゾン御園座タワー」は2015年9月からクローズで販売開始され、2016年12月までに完売。同社は価格を公表していないが、坪単価は当時としては断トツの350万円。それでも「〇〇さん(著名な歌手)は1フロア丸ごと買った」(地元記者)ように関係者・富裕層中心に圧倒的な人気を呼んだ。

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大丸松坂屋・トヨタ自動車が寄贈した緞帳の前で記念写真に応じる二人

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積水ハウスが寄贈した絹谷幸二氏作の緞帳

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マンションのロビー(6階)

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前田氏

 プレゼンは簡潔明瞭に-ポラスグループ中央住宅マインドスクェア事業部事業推進課主任・前田大樹氏が、12月1日に行われた日本ホームステージング協会主催の第2回ホームステージングコンテストでグランプリ賞を獲得した。作品名は「夏色綾瀬」。日照に課題があったリビングを明るくしたもので、簡潔にわかりやすく説明したプレゼン力が評価された。

 「ホームステージング」とは、売却予定の自宅の資産価値を高め、より早くより高く売却するためにインテリアを演出し、不動産売買の手伝いするサービスのこと。米国では30年以上前からホームステージャーという職業として定着している。同協会は2013年8月、日本独自のホームステージングの普及とホームステージャー育成を目的に設立された。

 2015年8月には、同協会が認定する「ホームステージャー1級」第一期生6名のうちの一人に前田氏も選ばれている。昨年行われた第1回のホームステージングコンテストに応募したが、グランプリを逸している。

 「応募は昨年が20作品、今年は65作品。レベルもはるかに高くなっていた。わたしの昨年の作品も悪くはなかったと思うが、『浦和美園ステージング』という名称がやや平凡だった。200字制限のプレゼンもわかりづらかった」と反省した前田氏は、「同じ不動産業の嫁さんと一緒にたくさん物件を見て、展示会などにもよく足を運び提案力を高めてきた。今回の作品は、綾瀬川が近くに流れるので『夏色綾瀬』という印象的な名とし、特徴を一般の人にもわかりやすくアピールしたのがよった」と受賞の喜びを語った。

 物件は、南側に掃き出し窓がなく、日照にも制限があるリビングの照明を変更し、テレビ台の一部を鏡面仕上げにするなど全体を明るくした作品。ホームステージングを施したその週に物件は成約に至っている。

 前田氏は「今後は予定されているホームステージャー2級認定講師を目指し、ホームステージングの普及に貢献したい。将来的には公的資格に昇格させないといけない」と今後を見据えている。

 同協会によると、12月1日現在、ホームステージャー1級は96名、同2級は1,759名で、前年よりそれぞれ43名、1,091名増加している。法人会員も30社に上っている。わが国でも中古住宅流通が飛躍的に増え、ホームステージングは今後必須条件になるといわれている。

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カテゴリ: 2017年度
 

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