三井不動産 台湾で2件目の直営ホテルに事業参画
三井不動産は3月7日、台湾で2件目となるホテル「(仮称)中山忠孝ホテル」に参画すると発表した。
台北駅から徒歩3分の地上18階、地下5階建て(ホテル部分は1階の一部と6~18階)、客室数約350室。金毓泰股份有限公司が開発する建物の一部を三井不動産グループが賃借、ホテルとして運営する。アッパーグレードの宿泊主体型ホテル。開業は2022年の予定。
同社グループの台湾での事業は、2016年1月に「三井アウトレットパーク 台湾林口」をオープンしたのをはじめ、2018年に2施設目の「(仮称)三井アウトレットパーク 台湾台中港」、2020年には台湾初のホテル事業「(仮称)忠孝新生ホテル」、2021年には「(仮称)三井ショッピングパーク ららぽーと台湾南港」がそれぞれ開業予定。
今後も2016年に設立した現地法人(台湾三井不動産 股份有限公司)を拠点として台湾各地で商業施設、ホテルのほか、住宅事業、物流施設、複合開発事業などの展開を目指している。
ホテル事業は、全国で23施設5,841室運営しており、今年6 月には「三井ガーデンホテル大手町」と「三井ガーデンホテル五反田」が開業予定で、今秋には「(仮称)三井ガーデンホテル日本橋プレミア」の開業も控えている。
長谷工ライブネット 賃貸マンション開発事業強化
「Live Casa本町計画」
長谷工ライブネットは3月7日、自社賃貸マンションブランド「Live Casa(ライブカーサ)」シリーズを本格展開し、自社開発事業を強化すると発表した。
2017年3月末までに10棟606戸の開発実績があり、今年3月には2棟が竣工予定で、さらに4棟の計画が進行中。計画中を含め18件850戸となる。
今後は、同社が拠点を有する東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・札幌・広島を中心に年間4~6棟の自社開発事業を目標としている。
現在、大阪で建設中の「Live Casa本町計画」56戸は自社長期保有第1号マンションとなる。
日本の子どもには自立・自律の機会がないか 住宅新報のコラムを読んで
3月6日付「住宅新報」のコラム「子どもの自立と空間テーマに 旭化成ホームズがフォーラム開く」の記事に目が点になった。次のようにあった。
「欧米では▷個を認める▷子の責任を問う▷(子どもは)不満でも親に従う▷親子の信頼関係を築く▷(親が)子の心に寄り添う▷ひとり寝-を指摘。一方、日本では▷親子密着▷子の責任は問わない▷(子どもは)不満なら従わない▷親は子を見守る・世話をする▷子のプライバシーない▷川の字就寝-と分析。日本の子どもには自律(立の間違いか)の機会がないという」
講師の大阪市立大学名誉教授で、子どもと住文化研究センター理事長を務める北浦かほる氏の講演をまとめた記事だ。
記者は子育てに失敗した。語る資格はない。欧米の住文化もまったくしらない。しかし、記事だけを読むと、わが国の住文化が全否定されたような嫌な気分になった。
わが社の男女数人の社員に感想を聞いた。「文面からすると、子ども部屋を設けなさいと取れるが、子ども部屋と自立(または自律)は別問題」「これが日本の文化」という声があり、「このフォーラムって、一部屋多く売ろうとしているんじゃないですか」という女性の鋭い指摘もあった。一方では「アメリカでは小さいころからひとり寝をさせる」と、欧米の住文化を肯定的にとらえる者もいた。
記者は、子ども部屋の有無・大小と自立・自律は別問題だと考えている。先日も、半分冗談だが「子ども部屋は2畳大でいい」なんて書いた。記者などは小さいころ、子ども部屋なんか与えられなかった。
これは事実だ。囲炉裏で父親が書く漢字を書き順通り覚え、計算も学んだ。灰に字を書くのだから紙はいらない。寄合というものがあって、近所の人たちが集まって、稲の出来具合、政治の話から猥談まで、祖母の膝の上に座って経済、文化を学んだ。世の中は貧富の差が大きいことを知った。進駐軍がなにをしたかも聞いた。先日、京阪電鉄不動産の「小川」の記事でも書いたが、たき火は情報収集源だった。
いまはなくなったかもしれないが、6畳一間に住む家族が、父親が酔っぱらってか寝相が悪かったからか、太ももで赤ちゃんの子どもの鼻をふさいで死亡させるというような新聞記事も読んだことがある。
北浦氏が子ども部屋を設けなさいというのは結構だ。しかし、いまでも満足に子どもに部屋を確保できない貧しい人たちはたくさんいるはずだ。都内のファミリー賃貸は家賃が20万円以上するのではないか。
北浦氏の説に従えば、貧乏人の子どもはみんな自立・自律できない人間に育つということか。
記者はそうではないと思う。記者は田の字型のマンションプランをやめるべきとずっと昔から主張してきた。子ども部屋は小さくていいとも、夫婦の部屋を大きくすべきとも書いてきた。居住環境が人間の成長に大きな影響を与えるのは否定しないが、それが全てではない。環境に順応し、工夫をするのが人間だ。
子ども部屋の有無ではなく、社会(コミュニティ)や家族そのものが壊れてしまいそうないまの社会に問題がある。そちらのほうが深刻だ。北浦氏は「個」というが、記者は「孤」に置き換えて考えないといけないと思う。
働き方改革に欠かせない裁量労働制 残念でならない一連の出来事
本日(3月4日)、「裁量労働制を全社的に違法に適用し、昨年末に厚生労働省東京労働局から特別指導を受けた不動産大手、野村不動産の50代の男性社員が過労自殺し、労災を認定されていたことがわかった。男性は裁量労働制を違法適用された社員の一人だった」(朝日新聞)などとメディアが一斉に報じた。
残念でならない。業界紙の記者として、ご本人のご冥福をお祈りしご遺族にお悔やみ申し上げます。
裁量労働制について政府与党は、今国会に提出する働き方改革関連法案に裁量労働制の拡大に関する部分を削除することを先に決めた。
きっかけとなったのは、厚生労働省の2013年度労働時間等総合実態調査で、一般労働者の「1カ月で最も長く働いた日の残業時間」と、裁量労働制で働く人の労働時間を比較して、裁量労働制で働く人のほうが労働時間は短いというデータを安倍総理に発言させたことだった。
これには記者も唖然とした。国のシンクタンクである官僚がこんな単純ミスを犯すはずはない。経団連の榊原定征会長も「ミスは非常に残念で、あってはならないことだ」(日経新聞)とコメントした。
ここで大きな疑問が一つ。そもそも労働時間等総合実態調査は、大学教授をはじめとする公益代表、労働者代表、使用者代表など20名以上が参加する労働政策審議会労働条件分科会に報告されているはずで、メディアの傍聴・資料配布もあったはずだ。どうして中学生や高校生だってわかる前提条件の違いを見逃したのか。審議会メンバーやメディアの責任も問われるべきだ。
それでも記者は、働き方改革に裁量労働制の拡大は欠かせないと思う。
記者の仕事でいえば、弊社は記者に対して〝さぼっていい〟とは言わないが、一切制約を求めない。「RBA野球の取材をすれば、あとは何を書いてもいい」というのが記者に与えられたミッションだ。
なので、これまで書いた記事に対して「ノー」と言われたことはほとんどない(読者のクレームで削除した記事はいくつかあるが)。どこに取材に行こうが問われない(取材源の秘匿は記者の生命線でもある。最近はそのような取材はやっていないが)。みなし労働が全面的に認められている。
労働時間はどうか。これも会社から強制されたことは一度もない。RBA野球の取材は炎天下で8時間くらい食事もとらず駆けずり回っている。こうしていま記事を書いているが、これは記者が自主的に判断して書いている。労働時間という認識はまったくない。子育てや家事に関する時間が「労働時間」に入らず、専業主婦に「労働」はなく「無職」なのと一緒だ。確か農業も労働時間規制外だ。子育て、家事、農家に労働時間制を採用したら、みんな8時間労働に違反になる。
その代わり、疲れたら休む。そうしないと商品としての労働力の再生産ができなくなり、結局は資本にも大打撃(与えないか)となるからだ。自己管理は自分なりにやっているつもりだ。会社からは「酒を控えたほうがいい」と言われるが、これも自己責任。酒を飲もうがタバコを吸おうが、これは基本的人権の問題だ。
住宅・不動産業界には、裁量労働制が認められる建築士、不動産鑑定士も多いし、商品企画担当、インテリアコーディネート、コンサルティングなどの「専門業務型」「企画業務型」労働も少なくない。宅建士、マンション管理士などは適用外だが、レベルの高い仕事をしている宅建士は多い。適用の対象となる時代がやってきてほしい。
「現行法制下での労働時間管理は、創造性と裁量性を有する労働者の能力を存分に発揮する環境を用意できず、生産性の高い働き方、さらには労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を困難なものにしている」とする経団連の「労働者の活躍と企業の成長を促す労働法制」(2013年)を支持する。
制度を悪用する企業に問題がありそうだが、これは資本主義経済の宿命なのか。明大教授・飯田和人氏は著書「市場と資本の経済学」(ナカニシヤ出版)で次のように指摘する。
「終わりなき自己増殖(無限の余剰価値の追求と獲得)、生産のための生産、蓄積のための蓄積、そして運動それ自体の継続性の確保という、資本の論理…資本内部のヒトとヒトとの関係は、彼らによって、独特の支配-従属関係からなる賃労働-資本関係として組織化されることになる。彼らが資本内部の上下的な秩序関係からなる階層的組織の頂点に立ち、これを資本の論理にしたがって不断に締め上げ規律づけることで、資本内部の人的組織すなわち独特の支配-従属関係からなる賃労働-資本関係は成り立つ」「労働者に与えられる賃金が増えれば、資本の獲得すべき余剰価値が減り、逆の場合にはまた逆の結果になる関係」-資本と労働者は相反関係に置かれていると。
苦役を喜びに転化させることは不可能なのか。労働者側からこの問題に積極的にアプローチすべきではないか。
三菱地所レジ、フージャースコーポなど 本厚木駅前の再開発着工
完成予想図
本厚木駅南口地区市街地再開発組合、三菱地所レジデンス、フージャースコーポレーションは3月1日、神奈川県厚木市の「本厚木駅南口地区第一種市街地再開発事業」を同日着工したと発表した。
プロジェクトは、小田急小田原線本厚木駅から徒歩1分、敷地面積約2,400㎡、22階建て延べ床面積約24,400㎡(容積率700%)。地下は駐車場などで1~3階が商業・業務施設。4~22階が住宅163戸。設計はアール・アイ・エー。施工はフジタ・小島組建設共同企業体。竣工予定は2020年11月。
マンションは2018年秋頃にモデルルームをオープンする予定。専有面積は約55~約110㎡。
アキュラホーム コミュニティをテーマにしたシンポ 3月26日開催
アキュラホームは3月26日(金)、「これからの住宅地を考える会」主催シンポジウム「暮らしを変える『コミュニティ』の条件」を開催する。
会場は、すまい・るホール(文京区後楽1-4-10)、13:00~16:30。後援は住宅金融支援機構、都市住宅学会、JAHBnet、アキュラグループ。参加費無料(定員295名で締め切り)。申し込みは次のwebから。https://www.jahbnet.jp/symposium/2018/
パネリストは、三井所清典氏(アルセッド建築研究所所長)、髙田光雄氏(京都大学名誉教授・京都美術工芸大学工芸学部長)、川崎直宏氏(市浦ハウジング&プラニング社長)、二瓶正史氏(アーバンセクション代表取締役)、齊藤広子氏(横浜市立大学国際総合科学部教授)。
シンポジウムは、ゴールデンウィークに販売開始する同社の戸建て「ヒルサイドテラス若葉台」 のコンセプトとなるもの。
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この種の案内はほとんど記事にしたことがない。そんな暇はない。しかし、同社の「若葉台」には大きな期待をかけている。昨年、どのような企画で挑戦するかは少し聞いた。期待に応えてくれるか裏切るか。皆さんも参加されてはいかがか。
青木茂建築工房×ミサワホーム 「千代田富士見」のリファイニング見学会に450名
「(仮称)富士見2丁目ビルリファイニング工事ASPRIME富士見千代田」
青木茂建築工房とミサワホームは3月1日、「(仮称)富士見2丁目ビルリファイニング工事ASPRIME富士見千代田」の完成見学会を行った。参加者は約450名に上る見込みだ。
昭和56年に建築された旧耐震の専門学校をミサワホームが取得し、同工房のリファイニング建築手法を用い、現行の基準に合致するよう耐震補強工事を行い、賃貸住宅への用途変更、増築・減築、エレベータの新設、大規模な模様替えを施した。
完成後の賃貸住宅は、JR飯田橋駅から徒歩3分、千代田区富士見2丁目に位置する4階建て全16戸。専用面積は約28~57㎡。月額賃料は13万~25万円。9戸に申し込みが入っている。設計・監理・監修が青木茂建築工房。施工は大末建設。
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プロジェクトについては、昨年11月に行われた解体工事見学会を取材しており、詳細はそちらの記事を参照していただきたい。
プロジェクトの北側の隣接地でミサワホーム(事業比率70%)とトヨタホーム(同30%)の分譲マンションが予定されていることを関係者から聞いた。分譲は2年後のようだ。いったいいくらになるか。坪単価600万円に乗るかどうか。市況によっては700万円もあるか。
ミサワホームとトヨタホームのマンション建築現場
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記者は前回もそうだったが、道にまた迷い、見学会開始の10時に間に合わず、青木氏の挨拶は聞けなかったが、前回と同様、学校をリファイニングしたのでスパンが大きく、天井高も確保されていたので比較的容易だったことなどを話したそうだ。近く岡山の公共建築、福岡の商業ビル、東京都大田区の集合住宅も竣工すると話した。
着ているジャケットがまた素晴らしかった。中身はどうか知らないが、衣はまさに(写真の通り)リファイニングそのものだった。とても今年古希を迎えるおじいさんに見えなかった。「先生、素晴らしいジャケットですね」「うん、イッセイミヤケ。これ、(自分に)合うんだよね」
そこで隣にいた女性スタッフに「あれ、いくらですかね」と聞いたら、その女性は「さぁ、男性物はわからないけど10万円くらいするんじやないですかね」「えっ、10万円…」じっと記者の着ているスーツを眺めた。(男は中身だ!)
言っときますが、読者の皆さん。わたしだって50代のころイッセイミヤケのピンクのシャツを買って、白いズボンを穿いてRBA野球の取材に着てたんですから。
そこでイッセイならぬ一句。「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」(古今集)-時期はやや違うが、この日はとても暖かく、コートを脱いで見学に出かけた。浮き立つような取材ができた。
もう一つ。この日の見学会の予定参加者は約450名だと聞いた。一度にたくさん押し掛けるとパニック状態になるので6回に分けるという。断った人もかなりあったそうだ。
すごい数だ。あの「千駄ヶ谷」では約300名だった。450名は記録かもしれない。みなさん、「あおきしげる」をパソコンで検索していただきたい。まず当然ながら青木繁がヒットするはずだが、「青木茂」(記者はいつも記事に書いているから変換キーを押さなくとも「青木茂」になるが)は4番目くらいにヒットする。そのうち逆転するのではないか。
青木氏
これがイッセイミヤケだ
リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13)
土地を耕し、種を植え、花を咲かせた 木下長志氏(享年92歳)お別れの会
木下長志氏「お別れの会」(京王プラザホテル東京で)
既報の通り、今年1月11日に急性心不全のため死去した旧木下工務店の創業社長で日本ハウスビルダー協会理事長、日本住宅建設産業協会(現全国住宅産業協会)の理事長を務めた木下工業会長・木下長志(きのした・ながし)氏(享年92歳)の「お別れの会」が2月27日、都内のホテルで行われた。
冒頭に参会者が黙とうをささげたのち、木下工業社長・小林伸氏が逝去に至る経緯などについて語り、続いて全国住宅産業協会会長・神山和郎氏がお別れの言葉を述べ、同副会長・牧山蒸治氏が献杯の音頭を取.る式次第によって執り行われた。
遺族を代表して長男の木下正志氏(56)は、「姉が2人いるのですが、父は男が欲しかったらしく、大変かわいがられた。わたしは成人して中学校の教員になったのですが、26、27歳のとき『跡を継がないか』と勧められて木下工務店に入社しました。最初に配属されたのが柏市の営業所でしたが、水が合わなくて半年で入院することになった。結局、そこで辞めることになったのですが、わたしが跡を継いでいたら名前すら残らなかったはず。父は、皆さんにも仰っていただいたように土地を耕し、種を植え、花を咲かせた。偉大な父だった」とお礼の言葉を述べた。
木下正志氏
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他の取材があり、記者が駆け付けたときは散会するところだった。関係者に挨拶して、正志氏から逝去の状況について聞いた。紹介する。
死去した1月11日とは正確には推定ということのようだ。木下氏は長野県飯田市の自宅に一人で住んでおり、その夜、いつものように自分で布団を敷き、着替えをして風呂に入ったまま心不全で亡くなったという。発見されたのは5日後で、診断した医師は「溺死状態だったが、急性心不全が死因で苦しまなかったはずだ」と話したそうだ。
考えてみれば、生まれてきたまんまの裸で死ねるなんて母親の羊水にまた戻るようではないか。大往生だ。木下さん、さようなら。
昭和20年、松本五十連隊に入隊したときの写真も紹介されていた
空手体操をし、住友ビルの641段の階段を上りおおりしていた木下氏
分譲にも生かせる天井高2.7m 長谷工 王子の賃貸・老人ホーム・学童の複合施設公開
「ブランシエスタ王子」
長谷工グループは2月26日、「住」・「商」・「育」の複合開発の街づくりを行う「北区王子5丁目プロジェクト」のエリア内に竣工した自社運営の賃貸マンション「ブランシエスタ王子」と介護付有料老人ホーム「センチュリーシティ王子」の複合施設の記者内覧会を開催した。公開された6つの賃貸コンセプトルームはどれも素晴らしく、「パイロット事業」と位置付けられている意欲がストレートに伝わってきた。
物件は、JR京浜東北線東十条駅から徒歩6分、北区王子5丁目に位置する日本製紙所有の跡地で全体敷地は約43,000㎡。今回公開された賃貸と有料老人ホームは敷地面積約5,900㎡の10階建て。施工は長谷工コーポレーション・馬淵建設。賃貸は専用面積26.29~83.14㎡、平均月額賃料は15万円、平均坪単価は11,200円。貸主は長谷工ライブネット。入居開始は3月1日。介護付き有料老人ホームは自立型が60戸、介護型が30戸。運営はセンチュリーライフ。開所予定は4月。定員35名の学童クラブが併設されている。
プロジェクトの特徴は、圧倒的な人気で早期完売した三井不動産レジデンシャル他「ザ・ガーデンズ東京王子」864戸が敷地南側にあり、今回の賃貸マンション、老人ホーム、認可保育園、学童クラブ、スーパーが併設される住」・「商」・「育」の街づくり行われること。
今回の賃貸と老人ホームは、学童も併設されることからゆるやかなコミュニティを育む木造のパーティルームや一般も昼食時は利用可能な食堂が同一敷地内にあることが特徴。
内覧会で長谷工コーポレーション執行役員・大門栄城氏は「人と人をつなげ、家族の多様性を包み込むのがコンセプト。パーティルームや中庭など多世代が交流可能な施設と、社内コンペによって提案したマーケットにないコンセプトルームを設置したのが特徴。パイロット事業でもあり、将来的には分譲へ反映させることも考えている」と語った。
パーティールーム
中庭
◇ ◆ ◇
賃貸としては東十条で坪1万円をはるかに突破するのに驚いたが(分譲も高くなったが)、それでも全120戸のうち72戸が申し込み済みというからさらに驚いた。コンセプトルーム12戸にも6戸に申し込みが入っている。
コンセプトルームが素晴らしい。これはもうすぐにでも分譲マンション企画に反映させることができると思った。
第一は1階の天井高が約2,700ミリあることだ。圧倒的な住空間が広がっている。しかも、エントランス側は〝料亭〟をイメージしたガラリ戸が玄関ドアとは別についており(一部除く)、しかも、表側からも土足で入ることもできるプランが用意されている。
「キッチンスタジオのある家」(約55㎡)はリビング中央にデンとアイランドキッチンが据えてあり、壁面は淡いグレーのアール形状。
「土間のある家」(約52㎡)は、土足でも入れるよう床はタイル張り。大型犬も飼育可能とか。天井が高いので小上がり部分も十分高さが確保されている。
「ギャラリーフォールのある家」(約26㎡)は壁面をアートで飾り、寝室はロフト状の階上に設置されている。
「パーティリビングのある家」(約83㎡)は、中央の突板仕様の床と大きなキッチンが備えられており、対照的な位置に3室と水回りが配置されている。3人でシェアすることも想定しており、そうすれば一人当たりの賃料は1万円くらいに抑えられるという(記者などは信じられないが、若い女性は抵抗感がないかも)。二重サッシが採用され、食洗機もついていた(他の住戸も食洗機がついていたかも)。
「ごろごろできる家」(約53㎡)は、小上がり和室と縁側付き。
10階の「猫と過ごす時間を楽しむ家」(約51㎡)は、逸走防止策が施されているのは理解できないが、猫好きにはたまらないプランなのだろう。賃料は約20万円で、他の住戸より1万円くらいたかいという。
これとは猫と直接関係はないが、西加奈子さん著「きりこについて」(角川文庫)がお勧めだ。この前、広島に取材に行ったとき平積みになっていたので買ったのだが、帯に「日本一賢い猫が、あなたの呪縛を解きほぐす 自分を『ぶす』だと思っている全女子におくります」とあった。記者は女性に「ぶす」などと言ったことなど一度もないが、カープ女子は読むのかと思い、恥ずかしいからビニ本と同じようにカバーをかけてもらって読んだ。最高に面白い。
「駅から7分以内」の本は絶対読んじゃだめだが、これは猫好きも猫嫌いも、「ぶす」も「美人」も大人も子どもも、男性も読むべし。賢い猫が導く人間再生のドラマだ。(どういうわけか東京の丸善本店には2冊しか在庫がないという。東京には「ぶす」はいないということか、それとも「ぶす」と思っていても手が出せないということか。カープ女子はえらい!。小説も「ぶす」はすべてゴシック)
「キッチンスタジオのある家」
「土間のある家」
「パーティリビングのある家」の突板仕様の床
「ごろごろできる家」
「猫と過ごす時間を楽しむ家」(逸走防止というが猫はうっとうしいのが嫌いなのだと思う)
◇ ◆ ◇
多世代がゆるやかに交流できるパーティールームは木造の平屋建てで広さは約50㎡。柱、垂木など構造材は集成材で、床はナラ、天井、壁はスギ、外壁はレッドシダーが使用されている。
中庭は、老人ホーム、学童の側にあるのが約190㎡で、エントランス側にあるのが約150㎡。本物の竹が植えられているのが特徴。
賃貸ラウンジには、堀木エリ子氏の光壁が設置されている。
◇ ◆ ◇
見学時間が1時間くらいしかなく、他の取材もあり大急ぎで書いたのでうまくまとめられなかった。記者は「分譲」の視点でみたが、もうすぐにでも商品企画に生かせると思った。1階をこれほど高くすれば、売れ残ることはない。プランもむしろターゲットを絞り込んだほうが訴求力はあるのではないか。
外階段などを歩くために用意されたスリッパの中にはカイロが入っていた。心づかいがうれしいではないか。「北区に住もう」はそれほど効果がなかったとも聞いた。
1階外廊下
NTT都市開発 新たなワークスタイルの場を提供する「LIFORK 大手町」公開
「LIFORK 大手町」ワークラウンジ
NTT都市開発は2月22日、先に発表した新たなワークスタイル・ライフスタイルを実現する場「LIFORK 大手町」のメディア向け内覧会を行った。
「LIFORK 大手町」は、地下鉄大手町駅直結の「大手町ファーストスクエアウエストタワー」1・2階に設けた延床面積約830㎡のコワーキング施設。「Creative Platform〜自分らしく、はたらく、つながる〜」をコンセプトに、コンシェルジュサービス付きの多彩なワークスペースやイベントスペース、ロ ードバイク用室内駐輪スペース、保育所などを併設している。
クリエイティブディレクションは「トランジットジェネラルオフィス」、設計は同じ「トランジッ トジェネラルオフィス」と「KOKUYO」、グラフィックデザインには「STUDIO NEW WORK」、フードディレクションに「EAT TOKYO」、コーヒー監修に「OBSCURA COFFEE ROASTERS」などが担当する。
「ワークラウンジ」の賃料はラウンジ会員が3万円/月、オフィス会員は38.4万~115.8万円/月、ドロップインが3,500円/日。ミーティングルームの使用料は2,200円/30分から。51.9㎡のイベントスペースの使用料は16万円/日。バイクポート使用料は15,000円/月から。
高速Wi-Fi、翻訳・通訳、印刷・製本、資料リメイク、宅配ボックス、コーヒーサービス、飲食・カンファレンスなどのサービスが受けられ、ワークラウンジとバイクポートはシャワールーム付き。
施設は、秋葉原駅前の「LIFORK 秋葉原」とともに4月2日にオープンする。
「LIFORK 大手町」ワークラウンジ
ステップ
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施設は最高だ。もともとNTTの展示場などに使われていたのを改修したもので、1~2階の天井高は8mくらいある。1階の床はチーク材の突板で、ベンジャミンなどの観葉植物は本物が使われている。ソファーはもちろん本皮だ。
提供されるコーヒーも飲んだが、こちらも記者がいつも利用するカフェより数段美味しい。料金も安く、自分で淹れる場合は100円くらいになるという。
企業主導型保育園は、顔認証システムを採用し、子どもを抱えながら入退園できる。ラウンジ会員はシャワー室も利用できる。
難点は酒やタバコがダメなことだ。これは「自分らしく人生を過ごすことができる」LIFORKの主旨とどう整合するのか。「秋葉原」担当の女性は「使い倒す」と表現したではないか。自己を管理できないような人は絶対にLIFORKを使いこなすことも使い倒すことはできないと思うがどうだろう。
賃料・利用料金が高いか安いかよくわからないが、三菱地所が先に公開した新本社オフィスは仮に賃借すると社員一人当たりの賃借料は20万円/月と記者ははじいた。「LIFORK 大手町」の12.6㎡のオフィス賃料は3名定員で38.4万円/月だ。
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スマートフォンすらまともに使えない記者はちんぷんかんぷんだが、自由な働き方が加速度的に進み、自分が場所・時間を選び管理する従来のオフィスとはちがったニーズが拡大するであろうということは容易に想像できる。
いま国会で論議されている裁量労働制はそうした自由な働き方を進めるうえで極めて有効な制度だと思う。もちろん職種にもよるが、そのうちに労働時間という概念すらなくなる時代がくるような気がしてならない。労働者を時間で縛るような企業は生き残れないのではと思う。制度改革を進め、環境を整えるべきだ。
保育施設については、電車を利用して子どもの送り迎えをする場合、駅にエレベータが付いていないとか、ラッシュ時に乗り切れないなどの課題もある。ユニバーサルの取り組みも加速させないといけない。女性だけに負担がかかるようにしてはならない。
保育園(右は顔認証システム)
バイクポート
NTT都市開発 企業主導型保育園併設のシェアオフィス「LIFORK(リフォーク)」始動(2018/2/10)
三菱地所の本丸を見た 機能一新 士気高揚 トマト最高 地所が新本社公開(2018/2/12)