RBA OFFICIAL
 

 住友不動産販売の仲介事業「ステップ」と三井不動産リアルティの「三井のリハウス」の取扱件数の差は約3,000件に縮小--住友不動産販売は5月12日、平成27年3月期決算を発表。仲介取扱件数は33,968件(前期比4.2%減)と過去最高だった前期には及ばなかったものの、リテール部門における消費税増税の反動減をホールセール部門の大型取引でカバーし、取扱高は1兆656億円(同7.9%増)と7期振りに1兆円の大台を突破、営業収益は543億円(同3.1%増)と6期連続の増収となり、過去最高を更新した。

 一方、「三井のリハウス」の平成27年3月期の取扱件数は37,156件(前期比12.7%減)で、取扱高は1兆2,731億円(同9.2%減)だった。

 この結果、「三井のリハウス」は大幅に件数を減らしたものの29年連続で取扱件数全国トップの座が確定した。13日行われた三井不動産グループ中期経営計画「イノベーション2017 ステージⅡ」(2015~2017年度)発表会で、菰田正信社長は三井のリハウスについても触れ、「仲介取扱は28年連続でトップ(2013年度末)。当社の既存の住宅、注文、賃貸などの顧客は合計で50万戸もある。ストック事業でも質・量とも圧倒的な優位性を保っていく」と話した。

 全国店舗数は「三井のリハウス」が275店に対して住友不販の「ステップ」は255店。1店舗当たりの取扱件数は「リハウス」が135件に対して「ステップ」は133件とほぼ互角-件数の差は店舗数の差だけとは思えないがどうなのか。住友不販は激しく追い上げているが、その差は大きいのか小さいのか。縮まるのか拡大するのか。

カテゴリ: 2015年度

 三井不動産は5月11日、平成27年3月期決算を発表した。当期(平成26年4月1日~平成27年3月31日)は、連結売上高1兆5,290億円(前期比137億円、0.9%増収)、営業利益1,860億円(同135億円、7.8%増益)、経常利益1,633億円(同187億円、13.0%増益)、当期純利益1,001億円(同233億円、30.4%増益)。期末配当を3円増配し14円(年25円)とする予定。

 売上高、営業利益、経常利益、当期純利益いずれも過去最高を更新。「賃貸事業」における商業施設事業が好調に推移したことに加え、「分譲事業」における個人向け住宅分譲の利益率の上昇、投資家向けの分譲が伸長した。 

 次期については、売上高1兆6,100億円、営業利益1,950億円、経常利益1,710億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,070億円を見込む。1株当たりの配当金は年28円に増配を予定。                              

 (岡田寛子)

カテゴリ: 2015年度

 三井ホームは5月7日、2015年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比2.3%増の2,529億円、経常利益は同6.6%減の42億円、純利益は同1.5%減の18億円。

 昨年4月の消費税増税の反動などにより一時的な落ち込みが続いたものの、政府の各種景気刺激策の効果に加え、株高の影響等もあり、年末にかけて穏やかな回復基調がみられたのが業績を下支えした。

 こうした環境の中、同社は独自技術による付加価値をもたせた「プレイアム・モノコック構法」の基本構造を2×6(ツーバイシックス)ウォール」とすることにより、より高い建物性能を訴求し、「オーダーメイドプライド。」をコミュニケーションワードにイメージアップを図ってきた。

 今後は、同社の強みであるオーダーメイドの家づくりによるデザイン性を訴求するともに、営業力と施工能力の最大化、効率化を図っていく。

 2016年3月の連結業績予想は、売上高は0.4%増の2,520億円、経常利益は同12.5%減の37億円、純利益は8.2%減の17億円を見込んでいる。

◇     ◆     ◇

 市川俊英社長が決算説明会の席上で大規模木造施設について「フォローウインド」と形容したように、木造による施設受注は間違いなく増える。

 記者はその風に乗るだけではなく、さらに「木」の勢いを加速させるために建売住宅の請負を増やすべきだと思っている。現在の数字はあまりにも小さすぎる。売り上げの1%もない。少ないからこそ伸びる可能性も秘めている。

 このことと関連することだが、昨年、流山おおたかの森でハウスメーカー各社が共演した建売住宅団地を見学したが、真っ先に売れたのは同社と住友林業だった。

 この例がよく示している。「木」が他の鉄やコンクリートよりいいのは言うまでもない。最大手の積水ハウスだって鉄は伸び悩むどころかここ数年は減少しており、木の「シャーウッド」がほぼ一貫して伸ばしている。積水ハウスのよさは「5本の樹計画」にもあるのだが、記者はそのうち鉄に並ぶのではないかとさえ思っている。

 その点で、三井ホームも引けを取らない。デザイン力が抜群だからだ。展示場での顧客を獲得するのも結構だが、一番わかりやすいのは実際に分譲されている住宅を見てもらうことだ。展示場よりよほど効率がいいのではないか。

 これまで三井不動産や野村不動産に大きく後れを取ってきた東急不動産や三菱地所、住友不動産などはそれぞれ子会社の施工による建売住宅の供給を増やしている。

 三井ホームは三井不動産に売り込みを強化すべきだし、施工部門を持たない野村不動産に攻勢をかけたらどうか。多少価格は高くても評価されると確信している。依拠すべきは一般のユーザーだ。アッパーミドル・富裕層向けでは互角以上に戦えるはずだ。

 

 

 

カテゴリ: 2015年度

特例子会社認定式.jpg
ポラスシェアード課長・加知方真美子氏(左)とハローワーク越谷所長・飯野哲義氏

 ポラスグループの障がい者中心の会社「ポラスシェアード」が4月15日付で、「障害者の雇用促進等に関する法律」に基づく特例子会社の認定を受けた。埼玉県では22社目、越谷市としては初めての認定。

 「ポラスシェアード」は2015年2月設立。4月15日現在22名(うち19名が障がい者)の社員でポラスグループ内のオフィスサポートや設計補助などの仕事を中心に業務を行っている。将来的には一般企業からの受注も視野に入れている。

ポラス 越谷市初の特例子会社へ 障がい者中心の新会社設立(2015/3/30)

 

 

カテゴリ: 2015年度

image.jsp.jpg
「ヘーベルハウス屋上アウトドアフェア」イメージ

 旭化成ホームズは、創エネや家族のコミュニケーション、眺望を楽しむ「屋上アウトドア空間」を提案する「ヘーベルハウス屋上アウトドアフェア」をGWに全国で実施する。

 期間は4月29日(水)~5月17日(日)、全国のモデルハウス。3Dスコープを利用したバーチャルリアリティ屋上体験、新カタログ「HEBEL HAUS THE ROOFTOP」や屋上実例DVDなどを配布する。

特設サイト:http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/lac/gw-outdoor-a.html/

 

 

カテゴリ: 2015年度

image002.gif
「(仮称)銀座8丁目ホテル計画」完成予想図

 三井不動産は4月27日、中央区銀座8丁目の「(仮称)銀座8丁目ホテル計画」を着工したと発表した。

 建設地は、JR新橋駅から徒歩3分、銀座線銀座駅から徒歩6分、外堀通りに面した旧銀座日航ホテル。株式会社SuSuMu が所有する土地に同社がホテルを建築し、竣工後同社グループが賃借しホテルとして運営を行うもの。開業は2017 年(平成29年)秋を予定。

 国内外のビジネス客、レジャー客をターゲットとした、アッパーグレードのホテルを企画している。

 物件は、敷地面積約414㎡、地上14階建て延べ床面積約4,887㎡。客室数107室。設計は日建設計。施工は工新建設。

◇     ◆   ◇

 銀座日航ホテルは会議で何度か利用したことがある。こじんまりとした、レトロななかなかいいホテルだった。

カテゴリ: 2015年度

 長谷工コーポレーションは4月23日、同社と同社の子会社である不二建設が総合地所の全株式を取得し、子会社化したと発表した。

 総合地所は昭和52年に創業以来、首都圏と関西圏で「ルネ」シリーズでマンションや戸建て事業を展開しており、これまでマンションは約6.4万戸を供給。最近はソリューション事業、賃貸管理業、アセットマネジメント事業にも力を入れてきた。

 長谷工コーポは、同社グループの56万戸を超える施工実績と、総合地所のデベロッパーとしてお客さまと直接かかわってきたノウハウが融合することで相乗効果が高いと判断して株式取得を決議したとしている。

 総合地所の平成26年度3月期の売上高は38,787百万円、営業利益は924百万円、経常利益は772百万円。

◇       ◆     ◇

 このニュースには驚いた。記者は新米のころ、安宅産業が破たんし、その住宅部門の営業を承継し、安宅地所を設立したとき、古いビルの一室で当時の役員に取材し、デベロッパーとして独立する決意を聞いた。それからずっと取材してきたし、応援もてきた。その後、同社はレベルの高いマンションを供給してきた。

 思い出すのは、昭和58年当時のマンション不況期のころだったか。長谷工コーポレーション(当時長谷川工務店)もデベロッパーから敬遠されていた。「長谷工ブランド」では売れなくなったからだ。「長谷工隠し」という、マンションの広告から施工する同社の名前を掲載せず、建築現場のシートの「HK」マークを別のシートで覆い隠したこともあった。

 ところが、当時の安宅地所は施工・施工は長谷川工務店だったが、商品企画に確か日建ハウジングだったか東急設計だったかを絡ませ、素晴らしい「ルネ蒲田」(214戸)を分譲して早期完売した。うる覚えだが、1階部分の住戸は専用駐車場付きとしたはずだ。

 同じころ分譲した「ルネ蕨」(342戸)もふんだんに樹木を植え、これも早期完売した。「ルネ御苑プラザ」(301戸)は、それまでの投資用マンションとは全く異なるレベルの高いコンパクトだった。

 当時も圧倒的に施工費が安かった長谷工と設計・企画を分離することで、双方のいいところ取りをしたのが同社だった。コラボの走りだ。さすが商社(系)だと思ったものだ。マンション不況を脱出するのに同社がどれほど貢献したか言い尽くせない。日本ランディックとともにマンション商品企画を牽引した(三井不動産も頑張ったがこれは当然)。

 昭和21年設立の不二建設も由緒ある会社だ。今後、不二建設と総合地所の統合もあるかもしれないが、記者としては「不二総合」なり「総合不二」(やや語呂がよくないか)を残してほしい。

 

 

カテゴリ: 2015年度

 野村不動産アーバンネットは4月21日、第3回「ありがとう、わたしの家」キャンペーンの入賞エピソードを決定・発表した。

 キャンペーンは、不動産情報サイト「ノムコム」で、「家と家族に関する思い出」のエピソードと関連する写真を募集し、入賞エピソードを選定・紹介するもので今回は全国から229点のエピソードの応募があった。

◇       ◆     ◇

 グランプリ(JCBギフトカード10万円分)に輝いた「家の力と家族のちから~無限大」(ちむちむさん、神奈川県)がいい。夫の介護を抑制された筆致で描いているのが却って読者に感動を与える。ノーベル賞作家が書いた介護小説よりいい。ただ一点。人生が暗転する場面で「青天の霹靂」はないのではないか。

 しかし、このような文章を読むと、デベロッパーもハウスメーカーも不動産流通会社も役割は重大で、われわれ記者もいい加減な記事は書けないと思う。胸が締め付けられる。やや長いが、一部を以下に引用する。

 全文はこちらhttp://www.nomu.com/arigato/

◇       ◆     ◇

 昭和二十八年、今から六十年以上も前に、僅か十一歳の時、母親を亡くした夫は、それ以来ずっと、父親と五人の男兄弟の家族で育ったからか、私と結婚して二人の娘に恵まれてからは、尋常でないくらい娘達を大切にした。
 転んでケガをさせてはいけない、熱いものに触れて火傷をさせてはいけない、ブランコもスベリ台も目を離してはいけない、とそれは大事にした。
 同時に、娘達の言うことは何でも聞き、欲しがる物はできる限り与え、勿論、大きな声で叱ったことなど一度もない。
 まさに“掌中の珠”のように慈しんでいた。

 …平成五年、念願だった家を新築することができた。
 長女が十八、次女が十四歳の時だった。
 設計の段階から、家の間取り、家具の配置、カーテン、インテリアに至るまで、全て私や娘達の思い通り、自由にさせてくれた。
 そんな夫の希望は三つだけ。玄関と浴室は広く、天井はできるだけ高く、そして、夫婦の寝室には、セミダブルのベッドを二つ置くことだった。

 私達にとっては、まさに夢のお城がようやく完成し、親類や友人、知人などお世話になっている人達を招いてのお披露目も一通り済んで、一段落して迎えた新居の一周年記念日。
 夫は居間で、大好きなお酒を楽しむために自ら選んだ徳利とお猪口で、晩酌を楽しみながら「これで、二人の娘達が、いつ結婚相手を連れて来ても大丈夫だね。
 結納は和室でやって、床の間には赤い毛せんを敷いて、昆布やスルメを飾るんだ。
僕達は結納をやってないから、良く勉強しておかないといけないな。」などと、上機嫌で話していた。今振り返ると、このころが幸福の絶頂期だったのかもしれない。

 その三カ月後、文字通り「青天の霹靂」、平成六年九月、突然夫が外出先でくも膜下出血を発症。
 私達の未来予想図は、儚くも予測不可能になってしまった。

 …つい最近になって、やっと月に一回、数日間だけ、渋々ショートステイに行ってくれるようになったのだが「僕を愛しているなら、ショートに行かせないで。」とか、「迷惑かけないようにするから家に居させて。」と、毎月涙目で訴える夫。

 私もつい「行かないで家にいていいよ。」と言いそうになるが、私にとって、ゆっくり入浴できて、夜中も起こされることなく眠れ、撮り溜めしてあるDVDをゆっくり観ることができる、大切な至福の時間になってしまっているので、そこはグッと堪えている。
 結局は、ショートに行く前と帰ってきた日に飲めるお銚子一本のお酒につられて、行ってくれることになるのだが、そんな家好きの夫のことを、いつからか周りの人達が『箱入りパパ』と呼んでくれるようになった。
 夫は嫌がるが、私は結構気に入っている。
 この次生まれ変わっても、また絶対に私と結婚する、と言ってくれる『箱入りパパ』のために私ができることは、夫より一日でも長く生きるための努力をすることだと、改めて肝に銘じている。

◇       ◆     ◇

  野村不動産アーバンネットは4月21日、同社の仲介「野村の仲介+」店舗「大井町センター」を5月1日(金)に開設すると発表した。

 「大井町センター」は、JR京浜東北線・東急大井町線・東京臨海高速鉄道りんかい線「大井町」駅から徒歩2分の区役所通りに面したビルの7階。

 今回の店舗開設により、「野村の仲介+」の部店数は、首都圏60部店・関西圏5部店の計65部店となる。

カテゴリ: 2015年度

 中古マンションのリノベーション事業を行うインテリックスグループは4月24日、青山通り沿いに個人向けの新ショールーム「青山リノベーションスタジオ」をオープンする。

 “家を知る”をコンセプトに、リノベーションに関する疑問や質問から相談・検討まで、ワンストップで知ることができる場とする。3つの各フロアを巡りながらつくりたい住まいのイメージを具体化し、リノベーション費用や工事についてはもちろん、中古マンション購入からの相談も、常駐スタッフがその場で対応する。

 場所は〒150-0002 渋谷区渋谷2-9-11 インテリックス青山通ビル、JR渋谷駅、または東京メトロ表参道駅からそれぞれ徒歩10分くらい。営業時間は10:00~18:00(水曜日定休)、電話番号0120-55-3927

http://www.ku-kan.co.jp/showroom/aoyama.aspx

カテゴリ: 2015年度

IMG_0067.jpg
直海氏(左)と浜田氏(ザ・リッツ・カールトン東京で)

  SBIモーゲージは4月21日、ザ・リッツ・カールトン東京で記者会見・発表会を開き、2015年5月1日(金)から社名を「ARUHI(アルヒ)」と改め、第2創業期を始動するとともに、新たに元デル代表取締役社長/元HOYA代表執行役の浜田宏氏を代表取締役会長CEOに迎え、現社長の直海知之氏は代表取締役社長COOに就任すると発表した。

 これまで業界のパイオニアとして住宅ローン専門金融機関としては最多の約170店舗を全国展開し、利用客は約11万人に達していることから、今後成長を続けるためには、金融商品とともに新しい住宅物件情報の提供や顧客を囲い込むメンバーズクラブを通じて、「日本一満足度の高い住生活プロデュース企業」を目指すという。

 「ARUHI」は、顧客が住宅を購入する「ある日」が最高のものであり、ARUHIにはギリシャ語で「始まり」という意味があることから、「ある日」に強いメッセージを込めたという。

 会見に臨んだ浜田氏は、「住宅購入者の長いライフステージの中で、当社はローン締結の場でしか接してこなかった。貸しっぱなしはもったいない。トータルで家さがしのお手伝いができるよう、さらに私たちももっと楽しく自由に仕事ができる会社にしようと参画することを決めた」と、CEO就任の理由を語った。

 また、直海氏は、「今後さらに会社を伸ばすためには住宅ローンだけでいいのか、様々な需要を取り込めないか、ローンの枠組みを超えたもっと大きな視野で新しい展開ができないかを考えて、浜田氏を迎えた」と、浜田氏を招へいした経緯を述べた。

 コア事業の「ARUHI住宅ローン」のほか、「ARUHIメンバーズクラブ」「ARUHI家探しサービス」の3本の矢で事業を展開し、現在1,000人、170店舗体制を2020年にはそれぞれ2,000人、300店舗に増やす目標。コア事業では5月に「ARUHIフラット35(リフォーム一体型)」を発売するほか、「女性向け住宅ローン」「リバースモーゲージ」も開発する予定。

 同社は2000年6月に設立。わが国初の住宅ローン専門金融機関(モーゲージバンク)として、長期固定金利住宅ローン「フラット35」の証券化を主力商品として業績を伸ばしてきた。2014年度の売上高は過去最高の130億円を見込み、住宅ローン実行額は約4,800億円。利用人数は約19,000人。「フラット35」の実行件数は5年連続シェアトップで、融資残高は約2兆円、利用者は約11万人。2005年度から2014年度までの年率平均成長率は15%に上っている。

150421-logo.jpg

◇       ◆     ◇

 浜田氏の話も直海氏の話もストレートに伝わってきた。仰る通りだと思った。住宅メーカーはそうではないかもしれないが、デベロッパーはこれまで顧客を大事にしてこなかった。数万戸、数十万戸ものマンションや一戸建てを分譲しながら、さらに接客したお客さんの数はその数倍もあるはずなのに、売りっぱなしでフォローすることを長い間やってこなかった。だから景気の波に翻弄されてきた。

 そうした反省から、系列の管理会社は「住生活総合サービス業」を標榜するくらいいまはグループをあげて必死に顧客の囲い込みをやろうとしている。

 しかし、言うは易く行うは難し。一筋縄でいかないのがこま分野だ。顧客の数は多いが、それこそ千差万別、十人十色。ニーズは極めて個別的だ。不動産もまた同じものが二つとない特異な商品だ。これをどうマッチングさせていくのか。性能のいいコンピュータも人工知能も最良の提案などできないのではないかと記者は思っている。決め手はやはり直海氏が話したように〝フェース・ツー・フェース〟だろう。他社とどのような差別化を図るのか、お手並み拝見だ。同社は3年前に宅建業の免許を取得しているが、「貸金業」とは全然違うはずだ。

◇       ◆     ◇

 冒頭に書いたように、会場がリッツ・カールトンだったのにびっくりした。ホテルのバンケットサービスマネージャー氏に聞いたところ、芸能関係の催しは多いが、企業の記者発表会は多くないようだ。住宅・不動産会社では初めてではないかと思う。

 もちろん直海氏は会場費がいくらだったかは明かさなかったが、リッツを選んだ価値は十二分にあると思う。記者席の椅子もテーブルも布が巻かれており、壁には高価そうな蒲団張りを施したアート、天井は幾重もある折り上げで、部隊のカーテンはシルク。

 取材後、記者はそのマネージャー氏に声を掛けた。「さすがリッツ」「私は開業初日に宿泊し、感動的なおもてなしを受けた」などと持ち上げた。「ところでタバコが吸いたいのですが、ここは全て禁煙ですよね」といったら、「どうぞ」と記者発表会会場に隣接したテラスに案内された。眼下に檜町公園。テラスの椅子はパイプではなく、本物の木でできており、座る部分は布製だった。

 ここまでなら、あるいは他のホテルもそうかもしれない。リッツがリッツたるゆえんはここからだ。

 記者は1本タバコをふかし帰ろうと思ったら、先ほどのマネージャー氏が「紅茶はお好きですか?」「いえ、私はいつもコーヒーです」と正直に言いかけたところで、こういうところだけは要領がいい記者は「もちろん」と答えた。するとそのマネージャー氏は「よろしかったら、どうぞ」とオリジナルの「ENGLISH BREAKFAST」「SPECIAL BLEND」「STRAWBERRY CHAMPAGNE」のTEA BAGをくれた。言っときますが、絶対記者が催促したわけではありません。リッツの桁違いのホスピタリティの高さについては下記の記事をどうぞ。

 蛇足だが、昨日、三井不動産の記者発表会が行われた「マンダリン東京」には10畳大以上もありそうな豪華な喫煙室があった。あんな立派な喫煙室は見たことがない。

 脱線続きだ。再びリッツ。物は試しに「個室トイレ」に入った。ドアは壁面と一体化された差し渡し1mもありそうな引き戸。入って驚いた。鍵がないのだ。記者もトイレに入ったら必ず鍵をかける。昔、かけ忘れて女性が入ってきたときは心臓が止まりそうになった経験があるので、そんなへまは犯さない。

 しばし思案した。鍵がなければ用など足せないではないか。ところがどうだ。引き戸は自動ドアになっていた。入ったときは自動的に締まり、出るときは手をかざすだけで開く仕掛けになっていた。

 広さがまたすごい。茶室ほどはあった。もちろん板畳もないし掛け軸も掛かっていないが、これだけ広いとゆっくり用を足すだけでは満足できず、いたずらに時間を浪費する人が出てくるのではと少しだけ心配もした。

IMG_0069.jpg
リッツ・カールトンの2階テラスから

比類なきホスピタリティの高さリッツ・カールトン 記者も初体験(2007/4/2)

 

 

 

カテゴリ: 2015年度
 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン