欣喜雀躍の「住宅新報」名物コラム 怒り心頭の「週刊住宅」連載記事
今週の業界紙には欣喜雀躍もし、怒り心頭以外の言葉が見つからないほどの衝撃と怒りを覚えた記事も読んだ。以下、率直に書く。
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まず、住宅新報の本多信博氏の名物? コラム「居酒屋の詩(うた)」。突然休載してから〝中2週〟で復活した。年齢は記者と同じ70歳。競走馬に例えれば7歳馬8歳馬だ。この時期の〝中2週〟の出走は乾坤一擲の勝負か、あるいは孫に媚びを売る正月の年玉の資金にする駄賃稼ぎかよく分からないのだが、(小生は読んでいないが)いつもと変わらぬ酔っ払い記事に乾杯!
だが、しかし、「日本酒は浦霞をいただいたが久しぶりに90点をあげることができた」は意味不明。料理がおいしかったのか、店の雰囲気がよかったのか、店主(男のよう)の立ち居振る舞いに酔ったのか、「浦霞」を久々に飲んだからなのか全然伝えて切れていない。
本多さんよ、記者が連れていく店を紹介することを条件に、小生の奢りで飲もうではないか。多摩市限定の「原峰のいずみ」は絶品だし、東急プラザ渋谷の7階「荒木山」だったか、タダで飲ませてもらった「底なし」も旨い!
えっ、今回で記事連載は77回目とか。嬉々キキキキ、ケケケケ。
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週刊住宅は、通算599回目の「住宅ジャーナリスト・櫻井幸雄の現場レポート 先端(さき)を読む」に目が留まった。怒り心頭とはこの記事だ。概略は次の通り。
櫻井氏は某有料サイトに月3本、プロ向け記事を今月から発信すると書いている。「新聞社、出版社の有料サイトと比べると、割高である。わたしの場合、月3本で消費税込み1100円!」とし、「少数の読者のために、渾身の記事を書こうと思っているのだが、そうなると、課金を上げざるを得ない」と弁解、「驚くほど読者が少なければ、やめるのも簡単だろう、と逃げ道を用意しての出陣である」と率直に本音を明かす。
さらに、「有料記事は、不動産会社や販売会社への直接取材で聞き出した開発秘話や販売の工夫などを紹介する」とし、「インターネットサイトで、個別物件の特徴を深掘りし、『ここがスゴイ』とほめると、今は『広告目的ではないか』と白眼視される。一方で、間違った知識、浅い取材で物件をけなすと、『歯に衣着せぬ、客観的な記事』と賞賛されたりする。その多くは客観的ではなく、恣意的なのだが、ウケがよい」と、これまた正直に自らの記事に対する読者の声を紹介している。
そして、「プロ向けの有料記事であれば、褒める記事を思いきり書くことができる」と締めくくっている。
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無料であろうと有料であろうと、読まれようが読まれまいが、そんなことは書き手の勝手だ。小生が怒り心頭に発したのは櫻井氏の読者に対する接し方だ。
櫻井氏は、業界の多くの方が認める数少ない「ジャーナリスト・評論家」だ。一般の人向けに「狙い目マンション」を多く紹介している。この記事は読者にとっては無料なのだろうが、一目見て、いわゆるパブリシティ(広告)であることが類推される。「『広告目的ではないか』と白眼視される」のを承知で書いているのではないのか。小生などはこの種のパブリシティはほとんど読まない。チェックするのは物件概要が中心だ。これはうそをつかない。
一方で、「間違った知識、浅い取材で物件をけなすと」賞賛されたりし、「客観的ではなく、恣意的」に書いた記事の「ウケがよい」と堂々と書く。
信じられない。誰だって「間違った知識、浅い取材」で書くことはあるかもしれない。しかし、それを自覚しなから「物件をけなす」ことなど絶対しないはずた。デベロッパーに失礼だし、何よりも「評論家」としての櫻井氏を信用して読む読者に対する冒涜、裏切り行為だ。櫻井氏はウケを狙ったそのような記事を書いてきたのか。人の人生を左右するかもしれない高額商品をそんなふうに扱うのか。
そんな櫻井氏の「褒める記事」「渾身の記事」とは何だ。櫻井氏は小生の2倍以上、年間200件くらいのマンションを取材し、褒めているのではないか。それでもまだ足りないのか。
「開発秘話」などは伏せるから価値がある。その秘話を月1100円(1本333円)で売り飛ばすとはどういうことか。どこも絶対〝秘話〟(恥部)など明かさない。リーク記事そのものだし、情報を流す業者も痛くもない腹を探られることにならないのか。
百歩譲って言えば、恥部は暴くものだ。堂々とさらけ出されたらみんな目を背ける(小生は凝視するかもしれないが)。
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小生は前職で、師と仰ぐ故・佐藤美紀雄氏の名物コラム「佐藤美紀雄のワンポイント時評」の編集を担当した。20年以上は続いた。もう時効だから明かすが、佐藤氏は松本清張と同じくらいのひどい悪筆家で、プロの植字屋さんもお手上げだった。小生がいい加減な赤を入れただけで入稿すると、わざと「マン(〇)ション」などと校正ゲラを出してきた。安い一升瓶を買って、職人さんにお詫びしたことも度々あった。
しかし、佐藤氏のコラムは圧倒的な人気を呼んだ。読者のみなさんは信じられないだろうが、「佐藤先生に褒められたいから」優れた商品企画のマンションを企画するデベロッパーがあった。佐藤氏は毒舌家ではあったが、大手、中小を問わずいつも公平、是々非々で論じたからだ。
佐藤氏の前にも後にも、わが業界には「評論家」はひとりもいないと思う。小生は他の評論家先生たちを「御用評論家」「業界妾」と書いたくらいだ。
評論家であろうと誰であろうと、霞を食っては生きられない。糊口を凌ぐのは容易なことではないのも分かる。
だが、しかし、読者を裏切る、もてあそぶ記事を書いてはならない読んでくれる読者は一人だっていいではないか。野垂れ死んでも心を売ってはならない。。小生は〝記事はラブレター〟を死守する。
ナイス 業界初の高性能窓リフォーム商品「あったかMADO」供給開始
既存枠と新規枠のすき間に硬質発泡ウレタンを充填する
ナイスは12月9日、特許技術のウレタン発砲工法を採用した業界初の簡単窓リフォーム商品「あったかMADO」の供給を開始したと発表した。
工務店のリフォーム提案をサポートする総合リフォーム支援サービス「リフォームパッケージサービス」に「あったかMADO」を加え、断熱リフォー ムの受注を支援していく。
「あったかMADO」は、栗原の高性能断熱窓「K-WINDOW」を、BACホールディングスの特許技術である発泡ウレタン充填工法「発砲工法」を用いて取り付ける、業界初のカバー工法によるリフォーム窓。既存のサッシ枠を残したまま、既存サッシ枠と新規サッシ枠の間に硬質発泡ウレタンを充填するため、窓回り全体の断熱性能が向上するほか気密性能、水密性能、耐風圧性能、遮熱性能を向上させることができる。
施工性にも優れており、標準的な窓であれば1時間程度で施工が可能となる。標準仕様はLow-Eペアガラスだが、トリプルガラスなどにも対応できる。
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既存の単板ガラス窓枠を残しながら高性能樹脂Low-Eペア・トリプルガラスなどに変更できることなどまったく知らなかった。
記者は自宅マンションの東側窓(もちろん単板ガラス)の日射がきついので、遮光フィルムをホームセンターで買い、張り付けている。外からは部屋の内部は見えにくく、内側からは膜がかかってはいるが見えなくはない。重宝している。劣化もしない。
分譲住宅はどうかと言えば、高額物件のLow-E採用率は高いだろうが、記者が見学するマンションのうちLow-Eガラスを採用しているのは10物件のうち3物件くらいではないか。情けない限りだ。分譲戸建ての設置率はもっと高いような気がするが、それでも多数ではないはずだ。ナイスの一戸建住宅「パワーホーム」へのLow-Eガラス採用率は100%だという。
既存枠と新規枠のすき間に硬質発泡ウレタンを充填し、断熱性・気密性・水密性・耐風圧性を高める
Low-Eが標準仕様となるようにすべきだし、既存窓枠を残しながら施工できる今回の商品は既存マンション・戸建て用に最適だ。
容姿端麗・眉目秀麗 三菱地所×隈研吾 「CLT PARK HARUMI」14日運用開始
「CLT PARK HARUMI」パビリオン棟
三菱地所は12月5日、中央区晴海のCLT晴海プロジェクト「CLT PARK HARUMI」が11月29日に竣工し、12月14日の開業から2020年秋までの1年間、運用すると発表した。
施設は、都営大江戸線勝どき駅から徒歩数分、中央区晴海3丁目に位置する敷地面積約3,368㎡のCLT・鉄骨造1階建て高さ18mのパビリオン棟、2階建て展示棟、1階建て展示棟からなる3棟構成。CLT使用量は国産ヒノキ・スギ材約680㎥。2019年6月着工。デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所、設計監理は三菱地所設計、施工は三菱地所ホーム。2020年秋に解体し、岡山県真庭市に企業ふるさと納税制度を活用して譲渡される予定。
岡山県産のヒノキを使用したCLTパネルを現しで使用したほか、国産のスギ材なども多用し、木目の美しさと温かさを最大限生かしたデザインが特徴で、建築物の強度を保つためパビリオン棟は鉄骨との混構造を採用。一時使用のため建基法の耐火・防火制度をクリアし、真庭市へ移設後も公園内であることから法的にはそのまま利用できる。
展示棟では、「Grow with Google ラーニングセンター」が様々なセミナーを開催するほか、子どもも楽しめるアトラクション、パズル、図書コーナーなどを設け、岡山県のご当地メニューにこだわったカフェも開設する。
パビリオン棟(左)と展示棟
展示棟
展示棟 アトラクション展示室内
端材を利用した屋上テラス(奥のビルは「トリトンスクエア」)
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見た瞬間、もう笑うしかなかった。隈氏の作品は結構見ているが、手に取り香りを嗅ぐことができる施設はそうないはずだ。木組の木片一つひとつにこのプロジェクトにかける意気込みが伝わってきた。
一言で言えば容姿端麗・眉目秀麗-例えて言えば、きめ(肌理)細やかな何ものも包み込むような聖母の柔肌にも見え、他方では鉄やコンクリを拒否し続け、傲然と虚勢を張る弁経か不動尊にも見える、見方によってはそのいずれでもない両性具有のセラフィタのようにも解釈できなくもないそんな建築物だ。隈氏が2月の発表会で「美しい」を連発したのを思い出した。子どもも楽しめる工夫を凝らしているのがまたいい。
残念ながら、この日(12月5日)行われたメディア向け記者発表・内覧会には参加できず、同社・吉田淳一社長や隈研吾氏の話は聞けなかったのだが、多くのメディアが伝えるはずだ。そちらを読んで頂きたい。
今回の施設にどれだけの人が訪れるか分からないが、数百万人に上るのではないか。オリンピック・パラリンピック関係者を含めた外国人もたくさん見学し、わが国の伝統的な建築様式を目の当たりにする。その感動を金額に換算したらいくらになるか。数百億円になるのではないかと記者ははじいている。
そんな効果に期待をしているのだが、何が嬉しいか。売上高が1兆2,632億円(2019年3月期)もある三菱地所の事業のうち戸建て分譲住宅はセグメント数字にはなく、「木」で括れば数%あるかどうかだろう。そんな会社が、今回の施設や沖縄・下地島空港、仙台・高森の賃貸マンションなどでCLTを含めた「木」のトップランナーに躍り出たことだ。痛快ではないか。
同社と何かにつけしのぎを削っている三井不動産はどうか。先月開業した「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」では外周部を本物の木で巡らせた。〝見た目〟ではわが国初の木造高層建築物だと思う。
この両社が、生産段階でも消費段階でも環境にやさしい「木」の事業で先導的な役割を果たしている。これが嬉しいのだ。
展示棟(CLT協会運営)
軒天
端材を活用したオブジェ
展示室 階段
展示室 ゲームも楽しめる
エコアイランドにふさわしい施設整備」 三菱地所・吉田社長 下地島空港竣工式典(2019/3/17)
三菱地所 1棟のCLT使用量では国内最大 「みやこ下地島空港」竣工(2019/3/15)
図面・墨なしで現場施工できる ポラス小川祐司氏(39) 埼玉の名工として表彰
ポラスグループは12月3日、同社グループのポラスハウジング協同組合に所属する小川祐司氏(39)が埼玉県主催の「第27回彩の国職業能力開発促進大会~技能者表彰式~」で彩の国優秀技能者(埼玉の名工)として表彰を受けたと発表した。古木の骨組みをベースに、図面を見なくても墨をつけなくても床や壁、天井を現場で施工できる優れた技能を持つことが認められたという。
小川氏は「今回、表彰いただき気が引き締まる思いです。この表彰にふさわしい大工になれるよう、今後とも精進してまいります」とコメントしている。
同賞は、県内で働く現役の技能者の中から産業の発展と後継者育成に貢献するなど他の模範になると認められる技能者を埼玉県知事が表彰する制度。
表彰式では、小川氏のほか和服仕立て職、畳工、左官、理容師、石彫工など名工・技能者19名が表彰された。
小川氏は1998年(平成10年)入社。第38・39回技能五輪全国大会「建築大工」の部で敢闘賞、第26回技能グランプリ「建築大工」の部で敢闘賞、平成27年度「青年優秀施工者土地・建設産業局長顕彰(建設ジュニアマスター)」などを受賞している。
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上段は同社のニュース・リリースをほとんどそのままコピー&ペーストしたものだが、隔靴掻痒とはこのことを言う。これだけでは小川氏がどのような技術を持っていらっしゃるのか記者は分からないし、何もわかっていない記者のコピペ記事は読者の方にどのように受け取られるのか、価値があるのかどうかも疑わしい。
県のホームページにはどのような人が表彰されたかの記載はあるが、具体的にどのような技術であるかは読んだだけでは分からない。
これではいけない。技能五輪を主催している中央職業能力開発協会に問い合わせたら、開催会場にもよるが見学者は数十万人にものぼることもあるようだ。東京都は2021年に開催されるという。一度取材してレポートしたい。小川氏は40歳超えなので出場資格はないのだろうが…。
カンナ削りの全国大会は一度経験している。記事を添付する。
コスモスイニシア 職住近接型レンタルオフィス第2弾「大塚」でオープン
「MID POINT大塚」イメージ図
コスモスイニシアは12月3日、近く開業する「職住近接」型レンタルオフィスの第2弾「MID POINT大塚」のフリー内覧会を行った。
「大塚」は、築27年の8階建てオフィスビルを同社が取得、エントランス・専有部・共用部をフルリノベーションした「リードシー大塚ビル」の5~8階部分をレンタルオフィスとして改装したもの。
5~7階に1~5名用の半個室、完全個室のワークスペースを用意。8階には、入居者が利用できる共用のラウンジを設置している。全72区画。コワーキングは入会金など3万円で、月額利用料は7,000円、月額共益費は10,000円。1名利用は1区画当たり月額利用料27,000円から、月額共益費15,000円から。
昨年11月にオープンした第一弾の「MID POINT目黒不動前」は、「自宅に近い」「内装がきれい」「賃料が安い」「入居者同士のコミュニティがいい」などから人気になっている。
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この種のコワーキング・レンタルオフィスが、個人事業主、起業家などに人気になるのはよく分かる。
人気の要因の一つに法人登記ができることが挙げられている。確かに、分譲マンションは〝専ら居住〟の規約の壁があるし、賃貸マンションなどでも貸主から許可されないだろう。そもそも分譲も賃貸も、「住む」こと以外の利用を想定していない。バブル崩壊までの分譲マンション市場には単身者向けは皆無だった。
ここに根本的な問題がある。分譲も賃貸も多様な利用ができるように転換するときが来ているように思えてならない。住友不動産は「ドゥ・トゥール」や「銀座東」で展開しているが、他社もSOHO(Small Office Home Office)を供給したらどうか。価格の高いエリアは、当初は賃貸にし、一定期間利用した後はその利用料を頭金として分譲に切り替えるような賃貸⇒分譲方式はあっていいし、その逆に分譲⇒賃貸も考えられないことはない。
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記者は年間600本以上、400字原稿用紙にして2,000枚くらいの記事を書き、ネットで配信している。量的には誰にも負けないはずだ。だが、卓上キーボードとマウスがないとノートパソコンでは記事を書けないのでこの種の施設の利用は難しい。仮に利用できてもキーボードを叩きつけて書くので、多分、退室を命じられることになりそうだ。
月額約5万円の利用料金は高いのか安いのか。同社の「目黒不動前」の利用者は「安い」と感じている人が多いようだが、記者などは酒とタバコ(喫茶店しか最近はほとんど吸えないので、1本当たり200円にも300円にもなる)、本代で消える。
〝渋谷・東急〟の新しい顔に 新生「東急プラザ渋谷」5日オープン
「渋谷フクラス」
エントランス
渋谷駅西口駅前の新生「東急プラザ渋谷」が12月5日オープンする。1965年の開業以来〝渋谷の顔〟として親しまれてきた旧「東急プラザ渋谷」の建て替え事業「渋谷フクラス」の主要部として装いを新たに誕生するもの。3日、開業を前にしたメディア向け内覧会が行なわれた。
旧「東急プラザ渋谷」は1965年に開業。銀座の名店が楽しめる飲食や女性のファッションビルとして親しまれてきたが、100年に一度の東急グループの再開発事業に伴い2015年に閉館。その建て替え事業として先に竣工した地下4階〜地上18階建ての「渋谷フクラス」の2~8階、17・18階部分を新生「渋谷東急プラザ」として開業するもの。大人の関心が高い「食」「健康」「美」「趣味」「ライフプラン」をキーワードに店舗69店舗が集積する。
コンセプトは「大人をたのしめる渋谷へ」。渋谷から足が遠のいてしまった中高年齢層を呼び戻そうという戦略で、"若者の街"のイメージが強い渋谷で、あえて「大人」をターゲットにライフスタイル提案を行う。
屋上階の17階には、渋谷の街を一望できるルーフトップガーデン「SHIBU NIWA」を設置、総合エンターテイメントレストラン「CÉ LA VI」が日本初上陸する。
5階には「シブヤライフラウンジ」をテーマに、ソフトバンクロボティクスが初めて手掛けるカフェ「Pepper PARLOR」が入居する。
2階から4階には、心と身体の“美”と“健康”をサポートする老舗ブランドなどが初出店する。6階~7階は飲食フロア、8階は東急リバブルの店舗。
施設の商環境デザインを担当しているのはGLAMOROUS co.,ltd.(グラマラス)デザイナー・森田恭通氏。フロアごとに石(2階)、陶器(3階)、紙(4階)、金(5階)、木(6階)、土(7階)、光(17階)をモチーフに各フロアごとに異なる素材を採用しているのも特徴の一つ。
「東急プラザ渋谷」からの夜景
6F_GRAND SESSION
6階共用部
エレベータ周り
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旧「東急プラザ渋谷」は、東急リバブルの旗艦店「渋谷センター」が6階に入居していたので取材のためよく訪ねたが、その行き帰りに1階のカフェで煙草を吸い、懇意にしていただいた東急グループの幹部の方がビル内にあった絵画教室の生徒だったので作品を見に行く以外ほとんど利用しなかった。
そもそも渋谷は、学生のとき、星空を見上げながら(当時は星が見えた)宮下公園で永遠の愛を誓ったはずの彼女に捨てられたのも渋谷だったので、いい思い出がない。「ヒカリエ」もどうもなじめない。
しかし、新生「東急プラザ渋谷」は、女性だけでなくサラリーマンにも支持されると思う。森田氏の自然素材を多用したデザインはいい。とくに6階の「木」をモチーフにした共用部分がいい。
各フロアのテナントも共用部デザインと調和していればもっとよかったのだろうが、それは欲張りか。ただ、2階受付カウンターの側壁がシートパネルだったのは残念。
最高に素晴らしかったのは、17階にある広さ約163坪の東急不動産が運営する会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート渋谷フクラス」だった。
えも言われぬ美しいブルーグレーを基調とするカラーリングと大理石など自然素材をふんだんに用いているのが特徴。30分2,000円のシャワーブースもある。テラスからは富士山も眺望できる。仮に分譲にすれば坪3,000万円以上と記者ははじいた。
「ビジネスエアポート渋谷フクラス」
従前も悪くはなかったが、8階の東急リバブルの「渋谷センター」の接客ブースは、旗艦店にふさわしいデザインだ。白と黒が基調で、渋谷の街が一望できるキッズスペース付きの10畳大はありそうな部屋もある。トイレ(男子用)がまた美しい。
店頭には、街の移り変わりが見えるタッチパネル式デジタルサイネージや無料で利用できるライブラリー、コーヒーサーバーも設置されている。
東急リバブル「渋谷センター」
キッズスペース付き接客室
飲食では、7階の「やきとり荒木山」しか見なかった。220銘柄の日本酒を揃えており、好きなだけ飲んでいいと勧められたので大吟醸など4~5杯飲んだ。価格はそんなに高くない。近く同業の記者など3人で飲むことにしているが、ここにしようか。
「やきとり荒木山」
17階と18階の日本初上陸「CÉ LA VI」は理解の埒外。コメントのしようがない。高価そうな松の盆栽もソテツなどと一緒にあったが外国人向けだろう。
「CÉ LA VI」
17F_SHIBU NIWAと18F_ルーフトップダイニング
複雑な思いで読んだ 沖縄の米軍用地の取引 不在地主呼び込み活発とか 週刊住宅の記事
週刊住宅の今週号(12月2日号)1面記事を複雑な思いで読んだ。沖縄県の米軍用地の売買が個人投資家の間で活発で、銀行の担保価値は借地料の50倍にも達し、借地料は毎年1%上昇していると報じたものだ。国土の0.6%しかないのに米軍施設の70%超が集中し、沖縄本土の約19%が米軍用地というまるで植民地のような扱いを受けているのに心を痛めている記者は暗澹たる気持ちにもなった。戦争も軍事拡張も経済の延長で、資本の論理が貫徹されるとはいえ、あけすけにそんな恥部をさらけ出すことはないのではないか。メディアリテラシーについても考えさせられた。
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今週もまた業界紙は代わり映えしない記事だろうと思っていたら、あにはからんや、週刊住宅は「沖縄 米軍用地の売買活発 地価は下落知らず」の横2段通し見出しと、「借地料、毎年1%上昇 銀行担保評価額は借地料の50倍」の縦4段見出しの記事が1面を飾っているではないか。
とっさには何が書かれているか判断が付かなかった。強制的に収奪された地主たちは返還運動を展開しているのではなかったのか。
よく読むと〝なるほど〟と納得もさせられる。何しろわが国の2019年度の防衛予算は約5.3兆円だ。同紙によると、国は毎年100億円の借地料を地主に支払っているという。国が借地人で、借地料が毎年1%確実に上昇するのであれば、貸すほうだって安心して貸せるし、銀行にとっても担保価値があるということだろう。
同紙は地元軍用地の投資研究者のコメントとして、現在約4.2万人の地主が5万人に増大するのは時間の問題だとし、3,044㎡の土地が22区画(1区画138㎡)に分筆されて売買されていることを紹介している。
記事には「個人投資家、本土から参戦」などと笑えない見出しも踊っている。
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沖縄は〝3K〟、つまり基地、公共事業、観光経済を支えていると言われているが、この米軍基地用地の売買はその典型例なのだろうか。
〝投資家〟も投資家だ。いくら取りはぐれがないとはいえ、沖縄県人の神経を逆なでするようなことがよくできたものだ。小林多喜二の「不在地主」を思い出した。多喜二はこれを書いたために北海道拓銀を首になった。沖縄県は逆か。
国交省に喫煙所があった 屋上の吹きっさらし 常時10人は利用?
国交省屋上の「特定屋外喫煙場」(中央合同庁舎3号館屋上で)
国土交通省などが入居する霞が関の中央合同庁舎2号館・3号館から喫煙室がなくなったことは先月書いた。
この日(11月29日)は、社会資本整備審議会住宅宅地分科会の委員による住生活基本計画の見直しに向けた勉強会が行われたので取材に出かけ、念のため「省内に喫煙所はないですか」と職員に聞いた。分科会が始まる直前の午後1時30分前だ。「最上階11階の上の屋上にあります」とのことだったので駆け付けた。
屋上広場の隅っこにそれはあった。広さは10坪くらいか。屋根はなく吹きっさらし。十数人がタバコを吸っていた。
分科会が終了した午後3時30分過ぎにも駆け付けた。会合前と同じくらいの人がいた。タイムを計った。2分間に10人が主に階段を登り屋上に出て行き、7人が屋内に入り主に階段を降りて行った。
「登り」「降り」と書いたのは、屋外に通じるエレベータはあるのだが、「荷物の搬出入用です。荷物以外の利用は極力控えてください」との表示があり、職員は下層階から階段を登り降りする人のほうが多かったからで、全ての人が階段を使ったわけではない。
以前は喫煙所だった2号館のスペース
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このような、喫煙者に対する仕打ちは、今年7月から施行された「東京都受動喫煙防止条例」・「改正健康増進法」改正により、「保育所、幼稚園、学校、各種養成施設、児童福祉施設、病院、行政機関等は屋内完全禁煙。屋外(施設の利用者が通常立ち入らない場所)に要件を満たした喫煙所が設置されることは可」とすることが決まったからだ(9月1日からは保育所、幼稚園、小中高校等は屋外も含めて敷地内完全禁煙)。
都の条例は、都民の責務として第四条で「都民は、喫煙及び受動喫煙が健康に及ぼす悪影響について理解を深めるとともに、他人に受動喫煙を生じさせることがないよう努めなければならない。2都民は、都が実施する受動喫煙の防止に関する施策に協力するよう努めなければならない」としている。
条例に盾突くわけではないが、小生は「喫煙」をやり玉にあげるのなら、「超過勤務」「運動不足」「睡眠不足」「暴飲暴食」「糖分の摂取」「夫婦喧嘩」…も加えるべきだと思う。
「受動喫煙」を言われると返す言葉はないが、喫煙者は激減しているのにどうして肺がんが激増しているのか。きちんと説明してほしい。「閾値」を示すべきだ。
そもそも、「たばこ事業法」は第一条の目的で「我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする」と高らかに宣言しているではないか。
そして何より、わが国の憲法は「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」(第十一条)「すべて国民は、個人として尊重される」(第十三条)「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(第二十五条)と謳っているではないか。
こんな劣悪な環境で妙案が浮かぶはずはないと思うが…
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国交省は「女性職員活躍と職員のワークライフバランスの推進のための国土交通省取組計画」平成27年1月に定めた(令和元年5月31日に一部改正)。全22ページにわたるもので、一通り読んだ。超過勤務の縮減の徹底、フレックスの周知、テレワークの推進など素晴らしい取り組みだ。ひょっとしたら、喫煙は怠業であり、館内禁煙の徹底を指示しているのではないかと心配したが、そのようなことは1行も書かれていない。
タバコを愛する職員の皆さん、喫煙は仕事の能率を上げるのに必要不可欠だと思うし、ストレス解消にもなり、職員同士のコミュニケーションにもなる。階段の昇り降りは大変だろうが、健康増進のためと考えれば苦ではなくなる。
取材の機会があったら真っ先に駆け付けよう。
立派なスギ材の椅子が並べられている2号館の前喫煙所はほとんど利用者がいなかった。
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タバコと言えば、リッツ・カールトンを思い出す。リッツのホスピタリティの高さはよく知られている。記者は「ザ・リッツ・カールトン東京」開業初日に宿泊し、次のように書いた。
タバコを吸いたくなったので、ロビーで「タバコを吸う場所は外しかありませんか」と聞いたところ、「バーなら結構ですので、よろしかったらどうぞ」とスタッフが応えた。内心、真っ昼間から1杯2000円以上もするワインを飲まなきゃならないのかと思ったが、飲み物はオーダーしなくてもいいと言われた。こんなサービスをするホテル・旅館は日本中のどこを捜してもないだろうと思った。
記者は、午後から仕事がなければ、間違いなくここでゆっくりタバコを吸い、ワインを飲んでいただろう。ロビーからは生演奏のクラシック音楽が流れてきていた。
「首里城の焼失 慙愧に堪えない」涌井史郎氏 国交省「芝生懇談会」(2019/10/31)
比類なきホスピタリティの高さリッツカールトン(2007/4/2)
10.7haの複合大規模複合開発 「有明ガーデン」に決定 住友不動産
「有明ガーデン」全容
住友不動産は11月27日、同社が開発を進めている開発面積約10.7haの江東区有明北地区3-1街区の複合開発プロジェクト名称を「有明ガーデン」とし、その計画概要を決定した。
同プロジェクトは2016年4月、国家戦略特別区域に認定されており、開発が進む臨海副都心の中でも施設・交通インフラの拡充、住宅開発などにより、多くの人口増加が予測されているエリア。開発規模は、約18haの「HARUMI FLAG」に抜かれる前までの7年間で都内最大規模。
プロジェクトは、東京湾岸エリア最大店舗数を誇る200店超の大型商業施設を核とし、国際会議にも対応可能な国内最大約8,000人収容の劇場型ホールや劇団四季の劇場、大規模な温浴施設を備えた749室のハイグレードホテル、露天風呂付き温浴施設、総戸数1,539戸のトリプルタワーマンションなどで構成されており、“新たな賑わい創出機能”と“地域利便機能”を併せ持つ新拠点形成を図る。約38,000㎡の緑化エリアも整備される。
5層からなる商業施設は同社が初めて自社で運営するもので、2階はアパレル・食物販・雑貨など、3階はアウトドア、スポーツ用品や生活雑貨中心、4階はキッズ系専門店、5階はレストランや大型フードコートなどで構成。敷地内に配した全11カ所、総面積23,000㎡超のイベントスペースを活用し様々なイベントも開催する。
4層からなる国内最大、約8,000人を収容する劇場型ホール「住友不動産 東京ガーデンシアター」は、大迫力のライブイベントから国際会議まで対応可能。
施設は、ゆりかもめ有明駅から徒歩2分・東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅から徒歩4分、江東区有明2丁目に位置する敷地面積約107,000㎡、延床面積約333,500㎡(マンション街区約161,000㎡、商業街区約172,500㎡)。開業は2020年4月から順次オープン。設計・施工は竹中工務店・前田建設工業。
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実はこの日(27日)、同社はメディア向けプロジェクト発表会を行った。記者にも案内が届いていたのだが、すっかり失念しており、同業の記者から「どうしたの」との知らせを受け、駆け付けようと思ったら着くころには発表会が終わる時間だと分かり諦めた。
なので、上記の記事は二ユース・リリースをコピー&ペーストしたもので、情けない記事になってしまった。少しは読者の皆さんの参考になるよう、いくつか記事を添付した。
このプロジェクト用地を同社が落札したのは2010年12月で、落札価格は容積率100%当たり一種42万円だった。記者は「安値で落札」と書いた。
3.11が起きたのはその3か月後だ。液状化が心配になり、震災から1カ月後の4月、勝どき-晴海-豊洲-市場-有明-東雲-辰巳を見て回った。辰巳の都営住宅は大きな被害を受けていたが、他のエリアの被害は「軽微」だった。〝さすが東京都、液状化対策はしっかりやっている〟との印象を受けた。それでも、住友は高い買い物をしたのではないかと心配になった。
あれから約10年。すったもんだの末、豊洲市場の移転が決まり、「HARUMI FLAG」は好調なスタートを切り、東急不動産他「豊洲」は江東区最高値の坪400万円を突破したにも関わらず第1期で450戸を供給した。湾岸は勢いを取り戻している。全1,539戸の「シティタワーズ東京ベイ」も売れ行き好調と業界紙は報じた。「有明ガーデン」はやはり安い買い物だったと言えるのではないか。
東京オリンピック・パラリンピック選手村用地が1種8万円(記者の推測)で民間11社に売却されたことはこの際問わないことにする。
好スタート 第1期は330戸 住友不「シティタワーズ東京ベイ」 プラン秀(2017/8/17)
都営辰巳団地は軒並み20~30㎝地盤沈下液状化被害 ~現地ルポ~(2011/4/7)
「晴海」「豊洲」「有明」 液状化は全く問題なし~現地ルポ~(2011/4/6)
記事は足で書け」「百聞は一見にしかず」業界紙に苦言を呈したい(2011/3/29)
海・山・地の神の怒りの刃見る思い千葉市美浜区の液状化被害も甚大(2011/3/23)
この巨大地震でも口をつぐむ人とマスコミ報道(2011/3/23)
スウェーデンハウス・岡田正人社長が死去 享年72歳
スウェーデンハウス代表取締役社長・岡田正人氏が11月18日死去した。享年72歳。通夜は11月25日(月)18時から、告別式は1月26日(火)10時30分から12時まで。同社と岡田家の合同葬により青山葬儀所で執り行われる。
葬儀委員長は同社代表取締役会長・齋藤英男氏、喪主はご令室の岡田みどりさん。連絡先は同社総務部(03-5430-7620)。