10月の訪日客は前年同月比5.5%減の250万人 韓国が激減/韓国への出国も減少へ
日本政府観光局がまとめた2019年10月の訪日外客数は、前年同月比5.5%減の249万7千人となった。韓国からの訪問客が日韓関係の悪化により前年同月比65.5%減の19.7万人と激減したのが影響した。前年同月を下回ったのは、韓国からの訪問者数が半減した2019年8月以来2か月ぶり。
ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催により、ラグビーワールドカップの出場国からの訪日外客数が前年同月に比べ8万1千人増え、東南アジア市場は、全市場で前年同月比が2桁の伸びを記録するなど引き続き堅調に推移している。
市場別では、英国、ロシアで単月として過去最高を記録したほか14市場で10月として過去最高を記録した。
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韓国観光局が発表した10月の入国者数は約165.6万人で、前年同月の約152.8万人より8.4%増加したが、日本からの入国者数は約24.9万人となり、前年同月の約29.0万人から14.4%減少。前年同月比で減少したのは2017年12月以来2年10カ月ぶり。
もう一つのターナーを見た 三井デザインテック 綱町三井倶楽部でセミナー&懇親会
時価50億円!? 綱町三井倶楽部のサロンに掲げられているターナーの作品
三井デザインテックは11月19日、恒例のプレスセミナー&懇親会をジョサイア・コンドルが設計したわが国の歴史的建築物「綱町三井倶楽部」で開催した。
プレスセミナーでは、「働き方改革を革新させるクロスオーバーデザイン」をテーマに、東京大学大学院経済学研究科・稲水伸行准教授と同社企画・マーケティング室長・大川貴史氏によるABWの効果についてのトークセッションと、同社ワークスタイル戦略室長・岡村英司氏によるオープンイノベーションの事例紹介などが行われた。懇親会では、NPO法人オペラ普及団体ミャゴラトーリのソプラノ・高橋絵理氏、バリトン・薮内俊弥氏、ピアノ・松岡なぎさ氏による生演奏も行われた。
セミナーの冒頭、同社・渋谷忠彦社長は業績について、「当社事業の2つの柱の一つ、オフィス、ホテル、商業施設向け事業は大規模開発やリニューアル工事が順調に進んでおり、オリンピック・パラリンピック以降も順調に推移すると予測している。もう一つの柱である住宅向け事業は、当社の関わっている高額マンションなど好調に推移している」と順調に進捗していると話した。
渋谷社長
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ABWが世界的な潮流であることはよく分かる。働く場所を自ら選択でき、ストレスも軽減され、能率・効率も向上することが定量的に証明されているようだ。
セミナーで報告されたオフィスワーカーの行動を可視化する「Beacapp Here Pro」はいま一つよく分からない。労働者を24時間365日〝監視〟することにならないのか。肉牛、養豚、競走馬のタグ(自動管理システム)とどこがどう違うのか。
記者などはほぼ1時間に一度タバコを吸うために地階にある喫煙所に通う。時間にして数分。1日8時間労働として約40分。タバコを吸わない人は〝無駄〟〝怠業〟とみるかもしれないが、記者にとってはブレス(息継ぎ=息をしないと生きられない)と一緒だし、書いた記事をコピーしてタバコを吸いながら校閲する仕事の一環でもある。トイレで用を足すだけでなく化粧、食事、読書その他をする人の気持ちも分からないわけではない。
〝乾杯!〟左から高橋氏、渋谷社長、薮内氏
高橋氏(左)と薮内氏
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エントランスホールにターナーの絵画が無造作に掲げられていることは一昨年紹介したが、そのとき渋谷社長からターナーの作品はもう一点あり、過去に同様の作品が50億円で落札されたと聞いた。
まさか、一介の記者なんぞに三井グループの役員クラスしか利用できない「綱町三井倶楽部」のターナーの絵が掲げられている部屋に入れてくれるはずはないと思い、そんなことをすっかり忘れていた。
ところが、この日、セミナーに参加するため受付を済ませたすぐ後、渋谷社長が右隣の同社専務取締役経営企画部長・檜木田敦氏に目配せし、檜木田氏は渋谷社長の意を酌んだのか、「ターナーの絵はここにある」と、ホールに隣接する「サロン」に掲げられているターナーのもう一点の作品を見せてくれたのだ。
冒頭の写真がそれだ。大きさは10号くらいか。エントランスホールの絵は100年以上前から飾られていたためかかなり劣化が進んでいるが、この作品はそれほど傷んでいない。価値はこちらのほうが大きいかもしれない。
檜木田氏は「館内に絵画だけでも20~30点はあるはず」と話した…話からすると、館内の絵画など芸術品だけで数百億円の価値があるとみたが…そんなに価値があるものを秘蔵、死蔵するのももったいない。修復を施し広く一般に公開したらどうだろう。三井の価値も上がるのではないか。
エントランスホールのターナーの作品(右隅には数人の人物が描かれている)
「サロン」のドアの後ろの壁に掲げられているサー・ト一マス・ローレンスの作品
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同社インテリアデザイン事業部の方ともしばし歓談したのだが、記者は「モデルルームのフェイクの観葉植物をやめていただきたい」と懇願した。
この懇願が正しいことを「綱町三井倶楽部」の共用部で発見した。一つはホールに飾られていた盛花だ。甘い香りがホールを包んでいた。10万円はするはずだ。もう一つは、1階ベランダにさりげなく置かれていた「浮き花」だ。これにはもう絶句するしかなかった。ミレーの「オフィーリア」を思い出した。
これが賓客に対する「お・も・て・な・し」だ。価格が数千万円もするマンションのモデルルームに100円ショップでも買えそうなフェイクの仏花や、見たとたん食欲をなくす場末の飲食店のディスプレイにも似た観葉植物や造花をこれ見よがしに飾り立てるデベロッパーの神経が分からない。
そんな無礼を働くばかりか、「来場者プレゼント」なる意味不明の分譲価格に含まれる商品券やギフトカードを配付する-見え見えのおためごかしはやめたほうがいい。
接遇スペースやモデルルームの観葉植物を全て本物にして成功したコスモスイニシア「中央湊」の事例を添付する。
ホール正面の盛花
ベランダに置かれていた「浮き花」
外観
ターナー発見 椿姫 乾杯の歌に「ブラヴォー」 三井デザインテック セミナー・懇親会(2017/12/4)
デザインが企業・経営者、住宅を変える 三井デザインテックが第2回セミナー(2016/10/20)
パーカーズとコラボの第三弾 コスモスイニシア「中央湊」の緑の質と量に感動
いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23)
企業版ふるさと納税分科会 33自治体&28企業 双方で約90名が参加
地方創生SDGs官民連携プラットホーム・企業版ふるさと納税分科会(シティラボ東京で)
内閣府が主催する地方創生SDGs官民連携プラットホーム・企業版ふるさと納税分科会(第4回)か11月15日行われ、全国33の地方自治体と28の企業双方で約90名が参加。自治体によるプレゼンテーションや個別相談会・意見交換会、名刺交換会などで盛り上がった。
同プラットホームは、SDGs17の目標のうち「11 住み続けられるまちづくり」は地方創生と深く関連し、企業版ふるさと納税は「17 パートナーシップで目標を達成しよう」に通じるものであり、地方公共団体が実施するSDGs関連事業に企業版ふるさと納税を活用し双方がwin-winの関係を構築するのが目的。
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平成28年(2016年)の税制改正で創設された企業版ふるさと納税制度は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った場合、寄付額の3割を法人関係税から税額控除し、通常の損金算入による軽減効果(寄付額の約3割)と合わせ最大で寄付額の約6割が軽減されるというものだ。
これまでの実績を見ると、平成28年度の寄付件数517件、寄付額747百万円だったのが、平成30年度では寄付件数は1,359件、寄付額は3,475百万円とそれぞれ大幅に増加している。
実績を都道府県別にみると、もっとも寄付件数が多いのは鹿児島県で255件、206件の岡山県、長野県の191件が続く。寄付額の最多は北海道の618百万円で、茨城県の547百万円、青森県の501百万円の順。寄付件数の最少は沖縄県の1件で、額の最少も沖縄県で20万円。
寄付額のもっとも多い企業は、平成28年度はニトリホールディングスの約6,163万円(北海道夕張市)、平成29年度はツルハの1億7,000万円(福島県)、平成30年度はCygamesの約4億円(佐賀県鳥栖市)。
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この実績が多いのか少ないのか、見方は人それぞれだろうが、所得税・住民税の控除が受けられ、返礼品ももらえるふるさと納税の平成30年度実績は約5,127億円(対前年度比1.4倍)、約2,322万件(同1.34倍)だ。これと単純比較はできないにしろ、企業版ふるさと納税も飛躍的に増大することを期待している。
各地の街づくりを取材して自治体主導ではうまくいかないことを実感しているからで、この日のプレゼンでも「企業の支援がないと(自治体主導では)どうにもならない」(福島県)「一般財源はゼロ。民主導」(大阪府)「(企業と)一緒に取り組みたい。熱意が欲しい」(北海道恵庭市)などの声が聞かれた。
プレゼンは時間の制約があったためか10自治体しかなかったが、記者が一票を投じるなら鹿児島県日置市の「ごみの減量・子育て支援」の取り組みだ。詳細は内閣府のホームページでも公表されているはずなので省略するが、〝税金を燃やさない〟というスローガンがいい。セコムやALSOK、ホーチキなどが寄付すれば大きな宣伝効果が期待できるし、わが故郷・三重県のカメヤマローソクも乗ってはどうか。
大分県杵築市の「貧困・孤立の連鎖に陥りやすい若者の社会進出支援モデルの構築」には胸を打たれた。
住宅・不動産業界では、三菱地所は岡山県真庭市に寄付すると聞いている。
ジビエなど素材のおいしさ味わえる「薪火グリルazer(アゼル)」 代々木八幡に開業
「薪火グリルazer(アゼル)」(カウンターの目の前に薪窯がある)
保存料や化学調味料を一切使用しない、素材のおいしさをそのまま味わえる飲食店「薪火グリルazer(アゼル)」が11月22日(金)、小田急線「代々木八幡」駅近くでオープンする。開業を控えた11月15日(金)、マスコミ試食会が行われた。
「azer」はペルシャ語のアゼル=炎という意味で、保存料や化学調味料を一切使用せず、エゾシカや軍鶏などのジビエ、短角牛、豚、鶏などの肉や自然栽培の季節の野菜のグリルやサラダが提供される。人気NY系グリルレストランに長年勤務した川端康介氏が独立して開業するもの。店は、小田急線代々木八幡駅から歩いて数分、渋谷区富ケ谷1-51-12。広さは20席/10.4坪。
出店に当たっては、飲食店の独立・開業支援を行っている株式会社上昇気流がサポートしている。
薪窯
川端氏
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案内状が届いたときは〝不動産に関係ない〟とためらったのだが、〝誘われたら断らない〟のが記者のモットーなので参加した。「命を大切に頂く」コンセプトがいいではないか。
店内は、サクラの薪がパチパチと音を発し、勢いよくめらめらと燃えていた。田舎育ちの記者は、焚火を囲みながら大人たちのあけすけな身もふたもない猥談を含む世間話を聞きながら育ち囲炉裏火、炭火、漁火、迎え火、送り火、煙火などは日常だったし、付け火などは全くなかったのでとくに驚きはせず、逆に、ゆらゆらと揺らめく暖炉にはらはらと涙し魅入った青春時代を思い出したのだが、最近の人はこのような炎を見る機会はほとんどなくなったのではないかと感慨を新たにした。
この日供された蝦夷鹿ロース、短角牛Lボーン、プラザオラ(塩漬け)、赤ナス(ヒゴムラサキ)、豚サラミなどは最高に美味しく、本場ドイツ・ゾーリンゲンのナイフの切れ味もよかった。
中でも赤ナスが絶品だった。薪火の遠火で10分くらいかけてじっくりグリルされたもので、マシュマロのように柔らかく、口腔に甘みが広がった。生でも食べられるのに、たっぷり時間をかけて蒸し焼きされるナスも食べられ甲斐があるというものだ。「本当はもっと時間をかけたかった」と話したスタッフの声にまた驚いた。
鹿肉も美味しかったのだが、鹿と言えば、そのまま冷凍保存し、スライスしてルイベ状で刺身として食べるのが一番おいしい。赤みの色が美しく、低カロリーなので記者のような糖尿病でもたくさん食べられる。日本酒はもちろん、ワインは赤でも白でもいける。いつもお世話になっている競走馬を思い出し、〝かわいそう〟が先立つ馬刺しとは比べものにならない。
鹿の生肉を食べたことからE型肝炎を発症した事例が報告され、厚労省が自粛を呼びかけたことから飲食店では供されることがなくなった。残念。
店の印象としては、薪を燃やすための酸素を送り込む機器と排煙設備の音がやや気になり、店舗デザインにもっと工夫を凝らすべきではないかと感じた。料理を引き立たせる音やデザインの役割は大きいはずだ。
まあ、残り火のような記者などの年寄りがメインではなく、火傷を恐れず愛やら恋の火蓋を切るのにもってこいの店なのだろう。隣の女性に「30代ですか」と口火を切ったら、「53歳です」と返ってきた…。会話に点火するどころかたちまち消火鎮火した。
この日供された料理の一部
銀座一等地にワンランク上の商業施設「GICROS GINZA GEMS」開業 野村不動産
「GICROS GINZA GEMS」(ジクロスギンザジェムズ)
野村不動産は11月16日、同社が企画監修・設計監修を行い、グループ会社のNREG東芝不動産が運営する「みゆき通り」「と外堀通り」が交差する銀座の一等地に商業施設GEMSシリーズ13棟目の「GICROS GINZA GEMS」(ジクロスギンザジェムズ)をオープンする。開業に先立つ12日、メディア試食会を行った。
物件は、東京メトロ銀座駅から徒歩2分、中央区銀座六丁目に位置する敷地面積約276㎡、鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)地下3階、地上11階建て延べ床面積約841㎡。
建物外観に立地特性にふさわしい市松模様を採用。キービジュアルも市松模様をベースに展開していく。
低層階(地下1階~2階)には物販店舗の旗艦店、空中階(3階~11階)には世界初出店を含む飲食店舗が入居する。
野村不動産は、GEMSシリーズの開発を年間4棟前後のペースで進め、2028年までに40棟の開発を目指している。
「上杉 銀座本店」
個室(壁際には百数十万円しそうな瘤付き古木がさりげなく置かれていた)
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他の取材があり、記者が駆け付けたのはイベント終了30分前。同業者の後について最初に入ったのが5階の米沢牛が売りの「上杉 銀座本店」だった。店舗を見るだけにしようと思ったら、スタッフと店を経営するエヌディエス代表取締役・情野薫氏から米沢牛とサラダ、赤ワインを勧められ、しばし歓談。
記者は肉をあまり食べないが、なにせ本場松坂牛の三重県出身(地元の人間は臓物のなぜそう呼ぶのか分からないが〝とんちゃん〟をよく食べた)だし、米沢は個人的にも縁ある場所で、米沢牛の美味しいのはよく知っている。
そして何よりも店の名称にも採用されているように、山形は米沢藩主・上杉鷹山を生んだ地だ。記者は政治家や経営者をよく知らないが、童門冬二氏の小説「上杉鷹山」(集英社)を読んだ限りでは近現代のもっともすぐれた政治家&経営者のような気がする。さらにまた、山形県は土門拳、藤沢周平、井上ひさし、丸谷才一など著名な作家・芸術家を輩出しており、好きな県の一つだ。
「上杉 銀座本店」には、専用の化粧室付きの10人くらいが利用できる壁全面が大谷石で張り巡らされた個室もある。客単価は1~数万円とみた。
他の店は、7階の焼き肉店「山科」を少しのぞいただけだが、帝国ホテルのレストランとも競える客単価の高い店が揃っているようだ。「肉屋田中」のおまかせコースは35,000円とか。
〝ハレ〟のはずが…「KAWAII Japanese Room」予約外れ
「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」の追加予約申し込みは失敗した。15:00前にホームページを開いたまではよかった。しかし、15:00丁度に更新することを忘れたので、画面には「申し訳ございませんが、この宿泊施設は現在、当サイトで予約を受け付けておりません」しか表示されず、数秒後に更新ボタンを押さないといけないことを思いだし、予約画面に切り替わったので、住所やらを記入し、予約ボタンを押そうと思ったら、クレジットカード番号を問われた。これで小生はアウト。
普段クレジットを小生は携行しない。〝落とすと心配だからとか、あなた持ってるとジャンジャン使うから〟などの理由でかみさんに渡してもらえないのだ。
事前には、予約ボタンを押すだけでいいと聞かされていたのに…。残念。ケッ、クソッ。〝ハレとケ〟の「ケ」は記者が日常的につぶやく「ケッ」のことか。
ハレルヤ! 増田セバスチャン監修〝ハレ〟を演出したホテル一泊2020円 本日受付
「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」
世界最大級の宿泊予約サイトBooking.comの日本法人ブッキング・ドットコム・ジャパンは11月14日(木)15:00、先に実施した宿泊施設「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」が好評だったことを受け、11月18日(月)、19日(火)の2泊分を予約サイトで世界同時予約を受け付ける。
「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」は、ブッキング・ドットコムと増田セバスチャン氏がコラボレーションし、「MIMARU東京赤坂」(港区赤坂7-9-6)内の一室に「東京に夢中!」というコンセプトで表現した豪華絢爛な宿泊部屋。屋上には、ライトアップされたキノコが設置されている。
11月13日~15日の3泊分を受けつけたところ瞬時に申し込みが入ったことから、11月18日と19日の2泊分の追加予約を受け付けるもの。
客室面積は約40㎡。1泊あたりの料金は2,020円。定員は1泊2名。宿泊者には増田セバスチャン氏がデザインしたオリジナルの浴衣がプレゼントされる。
予約はネット申し込みのみで先着順。予約に関する詳細は次のリンク。https://www.booking.com/hotel/jp/kawaii-room.ja.html?
増田セバスチャン氏は1970年生まれ。90年代より演劇・現代美術の世界で活動をはじめる。独特な色彩感覚からアート、ファッション、エンターテインメントに渡り作品を制作。日本のKAWAII文化を牽引する第一人者。京都造形芸術大学客員教授、ニューヨーク大学客員研究員。
ブッキング・ドットコムは1996年、アムステルダムで設立。多種多様な宿泊施設への予約をワンストップで提供しており、世界最大の宿泊施設数を誇り、リスティング数は2,800万件以上。うち620万件以上が旅館や民泊などの宿泊施設。
増田セバスチャン氏
屋上のアート〝きのこ〟
〝washitsu〟
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「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」は11月16・17日(土日)限定で一般に公開されるが、公開に先立つ11月12日、メディア向けに内覧会が行われた。
公開されたのは、コスモスイニシアの「MIMARU東京赤坂」の1室約40㎡。客室に入った途端、床から壁から天井まで増田セバスチャン氏のアートで埋め尽くされていた。多少は芸術を理解する記者も〝常識〟を超越したピンクを中心とした色彩と柄に仰天唖然呆然自失、色をなくしたが、増田氏は「京都二条城の賓客をおもてなしする客間にヒントを得た。侘び寂ではない〝ハレとケ〟の〝ハレ〟のの非日常を表現した。違和感を覚えるかもしれないが、5分もすれば慣れる。最初の予約は〝秒殺〟で決まったように、間違いなく支持される。通常価格の1.5倍でも受け入れられるのではないか」と平然と話した。
増田氏の話を聞いて記者も即決で申し込みことを決めた。色彩は派手ではあるが、露悪的では決してない。全体的に統一もされていて美しい。感性豊かな子どもは大喜びするはずだ。15:00きっかりに受け付けるということなので、1,000人が同時に申し込めば1000分の1秒の争いか、いや万に一つか。宿泊が決まったらレポートするが、誰と泊るか、これが問題だ。
「MIMARU東京赤坂」エントランス
さすが三井不動産 わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生
「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」
わが国の初の〝見た目〟木造高層建築物が完成-三井不動産は11月12日、新国立競技場に隣接するホテル「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」の記者発表会・内覧会を行った。建築基準法では鉄骨・鉄筋コンクリート造13階建てだが、外観ファサードに反りを取り入れ、客室バルコニーの側壁と上裏(軒天)に本物のスギ材を張り巡らせていた。記者は感動のあまり〝杉乃木ホテル〟と命名した。11月22日に開業する。
物件は、都営大江戸線国立競技場駅から徒歩1分、新宿区霞ヶ丘町に位置する鉄骨・鉄筋コンクリート造13階建て362室。客室は18.5~50.9㎡(中心は24.㎡)。設計は日建設計、施工は清水建設。土地所有者は明治神宮。三井不動産が定期借地として賃借し、三井不動産ホテルマネジメントが運営する。
客室は扁平梁とガラスの手すりを採用することで、室内から眺める視界が広がる設計を採用。屋上にはルーフトップテラスを配置。1階には、RYコーポレーションが運営するモダンイタリアンレストラン「RISTORANTE & BAR E'VOLTA」(リストランテ&バー エボルタ)が出店するほか、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティが提供する体験イベント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の常設会場が出店する。
発表会で同社ホテル・リゾート本部長 ホテル事業部長・小田祐氏は、「当社ホテルブランドの〝プレミア〟シリーズとしては5棟目。たぐいまれな緑に囲まれた都心のど真ん中に立地しており、関係者からは〝こんなホテル他にない〟と評価されている。あらゆる層にディスティネーション目的として利用していただけるよう価値向上を目指す」と語った。
客室単価は2万円以上を目指す。ルームチャージは最低26,000円からとなる模様。
外観デザイン
バルコニー
ルーフトップテラス
大浴場のドレッシングルーム(ドライヤーは5万円のダイソン。我が家の小生は4,000~5,000円で、かみさんは15,000円とか)
客室
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この日の発表会・内覧会を心待ちにしていた。どんなホテルになるのかと。現地は明治神宮外苑水泳場跡地。記者はその施設と隣接する飲食店をよく知っている。30年昔から取材しているRBA野球大会の会場となっている神宮外苑軟式野球場に通っていたからだ。いつも新国立競技場とこのホテルをJR中央線・総武線の車中から眺めている。ホテルの格子デザインが実に美しい。
しかし、木材を多用している新国立競技場に調和させる意図は理解しつつも、「木」らしき外装は〝フェイク〟だと決めつけていた。
この日の発表会・内覧会でも、次のように最大限の皮肉を込めて質問した。「内装材には本物の木を採用しているようだが、外観は(ケミカルの)パネルではないか。本物の木を使う勇気はなかったのか」と。
あにはからんや。小田氏は「わたしの説明が不足していました。外壁は本物の木です。スギ材です」といけしゃあしゃあとのたまうではないか。
これには仰天した。すぐ「申し訳ありません。大変失礼な質問をしました」と謝るほかなかった。穴があったら逃げ出したくなるような恥ずかしい思いをした。
しかし、ただでは起きないのが記者だ。すぐ態勢を立て直し、以下の質問を用意した。
①耐火・防火の法規制をどうしてクリアしたのか②内装・外壁にどれほどの木を採用しているのか③コスト・メンテナンスはどうするのか④このホテルはわが国の木造による中高層建築物の嚆矢にならないか-などだ。
現段階ではこの質問に対する答えは得られていないが、必ず施主の三井不動産、設計を担当した日建設計、施工の清水建設から聞いてレポートする。
その結果によっては、また大恥をかくことになるかもしれないが、〝見た目〟の本物の木造〝杉乃木ホテル〟(杉乃井ではない)と命名したのは間違っていないはずだ。杉板の厚さは3cmくらいか。バルコニーのデッキ床はケミカル製品だった。
客室、その他の設備仕様レベルは、これまで取材した同社の〝プレミア〟シリーズのなかでも最上クラスとみた。レセプションロビーのカウンター周りは名栗仕上げ、エレベータホールや壁は本物の木材が使用されていた。
レストラン(ベーカリー)
隣接する緑地から
シンプルで端正な姿が美しい 三菱地所 わが国初のCLT高層「高森」完成(2019/3/14)
木造とコンクリートの見事な調和を図った「木材会館」(2012/10/2)
横浜版「SDGsストロー・ヨコハマ」1本50円で販売開始 麦わらストローはどうか
記者団の注文に応じデモンストレーションして見せる林市長
横浜市は11月7日、「SDGs未来都市・横浜」の実現を目指すプロジェクトの一つとして、アキュラホームが開発した「カンナ削りの“木のストロー”」の横浜版「SDGsストロー・ヨコハマ」を完成させ、12月1日から販売を開始すると発表した。
「カンナ削りの“木のストロー”」は、持続的な森林保全と廃プラ問題の解決を目指して〝カンナ社長〟で知られるアキュラホームが開発。間伐材などの木材を1mm以下に薄くスライスし、手作りでストローにしたもの。G20大阪サミットやG20関係閣僚会議でも採用されるなど関心が高まっている世界初の商品。
「SDGsストロー・ヨコハマ」は、同社とわが国のSDGs取り組みではトップランナーの横浜市が連携して商品化したもので、市が保有する山梨県道志村の水源林の間伐材(スギ)を「木のストロー」用に薄板にし、厚労省の認可を受けた市内の障がい者の雇用を促進する目的の会社や障がい者地域作業所で製造、市内の飲食店・ホテルなど向けに販売していく。月産1万本で、1本50円(本体価格)で12月1日から販売する。
林文子横浜市長は同日行われた定例記者会見で、「今回のプロジェクトは、プラスチックごみ対策、地球温暖化対策の『環境』と、ビジネス機会・雇用の創出という『経済』、市民・企業の環境意識の醸成という『社会』の統合的解決を図る市の目指すものと一致しており、実現したことは大変うれしい。今後、他地域へも普及したい」などと語った。
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林市長も同社執行役員・滝川健司など関係者も話したが、一般家庭などへ普及させるための壁は厚い。価格だ。ストロー1本の値段は、プラスチック製が0.5円なのに対し、横浜産「木のストロー」は50円。林市長は「木の香りがする」「デザインが美しい」「手になじむ」などと精いっぱいのリップサービスを行ったが、お金持ちはいざ知らず、一般の主婦、あるいは主夫が1本50円もするストローを買う気には全然ならないはずだ。いくら環境問題に理解を示しても、懐に余裕はない。これでは勝負にならない。アキュラホームは1本10円を目指しているようだがそれでも高い。
林市長、脱プラを本気で進めるなら、プラスチック製ストローを製造するメーカー、使用する飲食店、スーパーなどに重税を課し、逆に木のストローを使用した店・個人は税の減免をしてはどうか。
わが家はストローなど全く使わないし、外でもストロー付き牛乳や野菜ジュースを飲むのは年に数回しかない。林市長も使ったことがありそうな麦わらストローを復活したら受けるのではないか。使った後は帽子にもなる。木のストローはスギ材もいいが、クスノキもいい。記者はいつも葉っぱをちぎって匂いを嗅ぐ。鎮静剤の役割を果たしてくれる。
わずか7年間でオフィス面積と肩並べる360万㎡開発 三井不のロジスティクス事業
「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋Ⅱ」
三井不動産は11月5日、ロジスティクス事業説明会を開き、2012年4月の事業参入から開発案件は計画中も含め40物件、総床面積は同社のオフィス事業と同じ約360万㎡にのぼり、累計総投資額は約5,700億円に達すると発表した。
計画総延べ床面積が約70万㎡という「街づくり型ロジスティクスパーク」の旗艦施設「MFLP船橋」では、第Ⅱ期計画「MFLP 船橋Ⅱ」と付帯施設の「MFLP 船橋・&GATE」が2019年10月に竣工。「MFLP 船橋Ⅱ」は免震構造を採用。第一弾の「MFLP 船橋Ⅰ」と外観デザインの統一を図り、72時間の非常用発電設備を備えたほか、施設従業員の満足度向上施策としてラウンジ、スカイデッキ倉庫内全館空調、セキュリティゲート、顔認証システムを採用するなどBCP設備を充実させた。最上階はオフィスフロアにする。
「MFLP 船橋・&GATE」にはカフェテリア、シャワー・更衣室を完備したフィットネスルーム、保育施設(企業主導型)、オープンオフィススペース、レストルーム、トランクルーム・ワイン倉庫機能を備えたストレージサービスなどの機能を整備。入荷から出荷まですべての物流業務フローを自動化した「フルオートメーション物流モデル」を展示する物流ICTショールームも併設する。
「MFLP 船橋Ⅱ」のテナントは8割が決まっており好調なことから、延床面積約268,400㎡の第Ⅲ期計画「MFLP 船橋Ⅲ」を前倒しで開発に着手。「MFLP 船橋Ⅲ」と2021年6月の同時竣工を予定している約20,000㎡の「緑地 空間」には、国際レベルの60m×30mのスケートリンクを併設する。
今回、新たに発表したロジスティクスパーク(MFLP)は「八千代勝田台」「鳥栖」「所沢」「大阪交野」「海老名」の5物件。タイで地元デベロッパーと共同で開発を進めている海外事業第一弾となる案件は2物件合計で敷地面積は約54万㎡、総延べ床面積は約25万㎡、総投資額は約185億円(同社は約半額)となる。2020年に開業する。
記者説明会に臨んだ同社常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏は、事業が順調に伸長していることを受け「『MFLP船橋』は日本一、世界初、これ以上のものはない」とアピールし、「国や各社とも連携を図り、知恵を出し合い、物流から自動運転にトライしていく」などと自動運転にも言及、意欲を見せた。
三木氏
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三木氏は記者説明会で「わたしの話より気合いを入れてつくったムービーを見ていただきたい」とムービーを紹介した場面もあったが、ほとんど約1時間を事業説明と質疑応答に割いた。この間、大成功に終わったラグビーW杯日本大会を意識したわけではないだろうが、〝日本一〟〝世界一〟〝トライ〟などを連発した。ロジスティクスには疎い記者も引き込まれてしまった。
そして何より驚いたのは、2012年に事業に参入してから開発案件の合計延べ床面積は同社のオフィス面積とほぼ同じ360万㎡に上ると説明したことだ。
同社の「霞が関ビル」が竣工したのは1968年だ。それから50年以上かけて実績を積み上げてきたオフィスの延べ床面積と同じ規模をわずか7年で肩を並べるまでに成長させるとは…もう絶句するほかなかった。
三木氏は急速に事業を拡大できた要因として、入札には参加せず相対取引に徹してきたことを上げた。上場会社だけで40社近くある既存ロジスティクス事業者は何をしているのだろうという疑問も新たに沸いた。
「MFLP船橋」計画図
セキュリティゲート付きエントランス
「MFLP 船橋・&GATE」
カフェテリア
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三木氏の話を聞きながら考えたことがある。建ぺい率、容積率だ。配布された資料に記載されている新規プロジェクトのうち「船橋Ⅱ」「船橋Ⅲ」の容積率は400%と思われるが、それ以外の5物件はすべて200%のはずだ。用途地域は分からないが、おそらくすべて準工業地域のはずで、建ぺい率は60%、容積率は200%ではないかと思われる。
これを緩和してはどうかということだ。もちろん闇雲に規制を緩和するのは問題だろうが、立地条件や計画によってはオフィス、その他の用途利用は十分考えられる。同社の「インダストリアルパーク羽田」のオフィスフロアの天井高は実に5mもあった。
建ぺい率、容積率を緩和すれば、その分地価を押し上げることにもなるのだろうが、賃料を引き下げることにもつながるはずだ。準工での〝住工共存〟〝複合タウン〟もいいのではないかと考えるようになってきた。オフィスやスケートリンクを誘致する同社の〝街づくり型〟ロジステックス事業は倉庫=嫌悪施設という記者の既成概念を根底から覆す。
東京都の場合、準工地域の建ぺい率、容積率はそれぞれ原則として60%、200%としているが、土地の利用状況や都市型工業などの育成を図るべき区域は建ぺい率、容積率は最大それぞれ80%、500%にすることができるとしている。
オープンオフィススペース
フィットネスルーム