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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は910日、首都圏の20218月度の不動産流通市場の動向を発表した。中古マンション、中古戸建ても新規登録、在庫が減少し、価格は上昇傾向を示す一方で、土地面積、専有面積は縮小傾向にあるなど、市場はひっ迫の度合いを強めている。かつてのバブル発生時は中古市場が新築市場をけん引したが、今回は双方が影響を与え合う様相を呈してきた。

中古マンション 新規登録、在庫減少し成約単価は16か月連続上昇

中古マンションの成約件数は前年比で14.3%減となり、7月に続いて前年同月を下回った。成約㎡単価は前年比7.9%上昇し205月から16か月連続、成約価格は同3.5%上昇し、206月から15か月連続で前年同月を上回った。専有面積は同4.1%縮小した。

新規登録件数は前年比12.4%減の1,319件で、在庫は同19.0%減の34,594戸となっている。

地域別では、成約件数は7月に続いてすべての地域が前年比で減少し、東京都区部と多摩は3か月連続、他の地域は7月に続いて前年同月を下回った。成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は16か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は15か月連続、千葉県は13か月連続で前年同月を上回った。

中古戸建て 新規登録21%、在庫31%減 価格は10か月連続上昇

中古戸建ての成約件数は前年比で9.9%減少し、206月以来14か月ぶりに前年同月を下回った。成約価格は前年比で6.1%上昇し、10か月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比で6.2%縮小、建物面積は同1.4%縮小した。

新規登録件数は前年比20.6%減の3,689件で、在庫件数は同30.7%減の13,690件となっている。

地域別では、成約件数は東京都区部以外の地域が前年比で減少し、横浜・川崎市と埼玉県は13か月ぶり、神奈川県他は11か月ぶりに前年同月を下回った。成約価格は東京都区部以外の地域が前年比で上昇し、埼玉県は9か月連続、横浜・川崎市と千葉県は6か月連続で前年同月を上回った。

新築戸建ての成約件数は前年比34.7%減、成約価格は同4.3%減、新規登録は同38.3%減、在庫は同45.9%減となっている。

 

カテゴリ: 2021年度

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「現代数寄屋『檜の家』」

 別掲のナイスが9月18日にオープンする注文住宅モデルハウス「tvkハウジングプラザ横浜」とともに、隣接する同社グループ菊池建設のモデルハウス「現代数寄屋『檜の家』」を見学した。木造ファンの記者は「tvk横浜」にある50以上のモデルハウスのうちどこが好きかと聞かれたら、ここを真っ先に挙げる。モデルハウスは、木造2階建て延べ床面積約224㎡(68坪)。

 宮大工・菊池安治が1955年に創業した同社ならではのモデルハウスだ。社寺・仏閣の工事事例が豊富な、その匠の技がいたるところに施されていた。

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玄関

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「広間茶室」

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「群青の間」

 外観-アプローチ-玄関は高級料亭そのもので、そのまま酒席に案内されるのではないかという錯覚を覚えた。

 最初に案内されたのは、8帖の「広間茶室」と6帖の「群青の間」だった。見たとたん記者が育った昔の住宅がよみがえった。昔の住宅の欄間には贅を尽くした装飾が施され、その奢侈のほどが家の格にもなった。

 今回の「檜の家」の欄間は端正な格子模様で奢侈に流れる嫌みは全くなく、見えないところに匠の技が注ぎ込まれていた。

 説明を行ったのは同社代表取締役社長・松本敏氏で、わが国には天然針葉樹で建材に用いられるのは木曽ヒノキ、秋田スギ、青森ヒバの3種しかなく、「広間茶室」に使用されている化粧柱は伊勢神宮に用いられている木曽ヒノキそのものと松本社長は話した。

 それだけではない。柱は樹齢300年、差し渡し1mもある巨木のうち、芯を外した部分を使用することで、柱の4面には板目がまったく出ない、分かりやすく言えばバームクーヘンのような切り口にはならないものを使用しているとのことだった。

 柾目と板目の区別は記者もできるが、4面とも均一の表情になるのか説明はさっぱり理解できなかったので値段を聞いたら、松本社長は「市場には出回らないから値はつけられない。普通の柱との比較? これくらい(長押まで手を伸ばした)」と語った。

 記者は、同社の「ハウジングプラザ松戸」モデルハウスに使用されていた古木の「神代欅」を見ているがそれと同じような希少なもののようだ。

 その柱をしげしげと眺め、触ってみた。樹齢300年、築30年ものなら、記者のような醜い老人斑だらけになっておかしくないのに、木肌にはシミなど一つもなく、肌触りは例えていえば芳紀まさに十八か、あるいは鬼も十八番茶も出花というべきか、薄絹のようなきめの細かさだった。その美しさにほおずりしたくなったが、あの金メダルをかじって顰蹙を買った市長さんが目の前にちらつき思いとどまった。

 この柱に舞い上がり、香気に酔った記者は、もう充分、早く帰って記事を書こうと決めたのだが、それだけでは済まなかった、次に紹介された「和厨・茶の間」にとどめを刺された。

 主人(料理人)と家族、友人知人などが食を通じて語り合う空間デザインにほれ込んだ。目線を近づけるように「和厨」は「茶の間」より20cm下げ、床はケヤキのナグリ仕上げだった。

 説明をした方は、まるで高級料亭のシェフかデパートの催事のトップセールスマンかと見まがうほどの巧みな話術でもってまくし立てた。記者は、どこかから借りてきた講釈師ではないかといぶかり、名刺交換をした。「菊池建設 取締役営業本部本部長・二瓶正裕」とあり、松本社長と同じ「一級建築士」だった。

 松本氏や二瓶氏の凄いのは、口八丁手八丁の手練手管で客を丸め込むタイプとは真逆の本物の「士」であり、手抜きをしそうな添え物にまで細やかな気配りをしていることにもそれが現れていることだ。

 添付した和食を擬した写真を見ていただきたい。住宅展示場は火気厳禁なので料理を作り、供することは不可能なので、削り節に似せたものは鉋屑であることはすぐわかった。和食料理の添え物としてよく利用されるヒノキも添えられていた。てっきりフェイクだろうと思ったが、本物だった。鉢物にはこれまた本物の杉の種子が使われており、鰹節もまたスーパーなどで売っているような安価な代物ではなく、最高級の土佐の鰹節だったし、玄関正面の飾り床にも本物のヒノキが飾られていた。

 記者は、これまで何度もモデルルーム・モデルハウスのフェイクの観葉植物はやめよと書いてきた。フェイクはおもてなしの心の欠片もない、「画竜点睛を欠く」そのものだ。せっかくの立派な設備を台無しにする。菊池建設はそんな愚を犯していなかった。ここに匠のこだわり、矜持を見た。

 ナイスは有線テレビ事業も行っている。「檜の家」の販促のテレビショッピングを立ち上げ、「茶室・群青の間」には松本社長を、「和厨・茶の間」には二瓶氏をそれぞれギャラなしの講釈師に起用して宣伝すれば、ジャパネットたかたも真っ青の売り上げを達成するのではないか。お二人には成果報酬としてストックオプション制度を導入すれば文句は言わないだろうし、費用も最小限に抑えられるではないか。

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広縁-書院-広間茶室の床の間

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左が築30年の和室柱、右が新しい木曽ヒノキの板

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「和厨」のケヤキのナグリ床

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菊池安治が開校した日本建築専門学校キャンパス(トイレは出たくなくなるほど気持ちがいい空間だ)

ナイス46種の「木」を使用した注文住宅モデルハウス 「tvk横浜」にオープン(2021/9/11)

人が歩くと床が鳴く「鴬張り」体験 匠の技と現代技術を融合 菊池建設のモデルハウス(2017/1/19)

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「tvkハウジングプラザ横浜」モデルハウス(予想図)

 ナイスは9月18日、横浜の総合住宅展示場「tvkハウジングプラザ横浜」に木造一戸建注文住宅モデルハウスをオープンする。構造材だけでなく内外装の仕上げ材に「木」を多用しているのが特徴。オープン前の9月10日、報道陣向けの概要説明会を行い、隣接する同社グループの菊池建設のモデルハウス「現代数寄屋『檜の家』」とともに公開した。

 モデルハウスは、コロナ禍における居住ニーズの多様化に対応するため、ワークスペースやスキップフロアのほか、内と外とをつなぐ広い土間スペースやロフト空間、ルーフバルコニーなどを設け、家族の時間をはぐくむ「おうち時間」を提案。

 施工にあたっては、同社グループオリジナル金物工法「パワービルド工法」を採用。断熱材には地球にも人にも優しい木質繊維断熱材「ウッドファイバー」や全館空調システムを装備。構造材から断熱材、内外装材まで46種類の木を取り入れている。

 概要説明会で同社上席執行役員 住宅事業本部本部長・原口洋一氏は、「注文住宅事業は創業70周年を機に『新創造』として位置づけ、変わらない価値をベースに適材適所の木づかいを推進し、事業の拡大を図っていく」と語った。

 同社は昨年、創業70周年を迎えたのを機に、すてきナイスグループがナイスを吸収合併し、社名をナイスに変更。組織再編成と構造改革を実施。今年4月からは住宅事業本部は情報館事業部、マンション事業部、戸建分譲事業部、注文住宅事業部の4部制としてスタートさせた。

 構造改革を実施したのに伴い、2015年に開業した「tvkハウジングプラザ横浜」内の土地なし顧客向けのモデルハウスは昨年5月に閉店したが、菊池建設のモデルハウスに隣接する区画が昨夏空いたために出店を申し込み抽選に当たり、衣替えしたモデルハウスの建設を進めてきたもの。

 モデルハウスは、木造2階建て延べ床面積約288㎡。プロトタイプの坪単価は80~100万円。耐震性能は住宅性能表示の最高等級3、省エネ性能はZEH標準とし、LCCMやHEAT20のG2への対応が可能。

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土間

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2層吹き抜けのリビング空間

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菊池建設がデザインした和室

◇       ◆     ◇

 モデルハウスはコンセプトに掲げた「木をつかった上質空間」を具現化したものだ。外観はレッドシダーや深い軒庇、ガラス、石、タイルなどが印象的で、仕上げ材に46種の木を使っているように、飫肥スギのウッドデッキ、徳島スギ、ウォールナット、ミズナラ、北山杉、オニクルミ材などがふんだんに用いられていた。

 8.6畳大のDOMA、天井高5000ミリのスキップフロアのリビング、セラミックのキッチン天板、菊池建設がデザインした和室の北山杉の框や床柱、板材を圧縮して強度を高めた「Gywood(ギュッド)」、漆塗りのテーブル、(養生中で見ることはできなかったが)新国立競技場にも採用された岩手県、宮城県、山梨県、岐阜県、三重県、兵庫県、高知県、宮崎県の8県産材のスギの濡れ縁など見どころは多い。

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ほぼ完成したモデルハウス

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概要説明会で頂いたナイスオリジナルの食用オリーブ油「小豆島の恵み」(左)と富士山の天然水(徳利にも利用できそう)

「新生ナイスグループ誕生の年」に 杉田社長 経営方針発表会に約1,600人(2020/1/27)

ナイス 首都圏の注文戸建て強化 同社初のモデルハウス「横浜」にオープン(2015/11/21)

カテゴリ: 2021年度

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外観(ちょっとシンプルすぎないか)

 一昨日(9月8日)のソフトバンク戦で、わが西武ライオンズのニール投手は2回3分の2までに3ランを含む被安打11、2与四球で9失点し降板。試合は千賀投手に7回まで4安打に抑えられ0-9で惨敗。普段は温厚な辻監督も「話にならないよ」(毎日新聞)と匙を投げた。これでチームは12カード連続勝ち越しがなく、借金10。Aクラスどころか、中田選手が去ってからがぜん強くなった最下位の日ハムにもその差2.5まで迫られた。

 皆さんはご存じないかもしれないが、12カード連続して勝ち越しがないというのは、7月1日に勝利して以来2カ月半近く勝ち越しがないということだ。都のコロナの4回目の緊急事態宣言期間を上回っている。プロ野球の連敗記録は1998年の千葉ロッテマリーンズの18連敗があり、西武も2015年の13連敗があり、RBA野球大会では東京建物不動産販売は7年間勝ち星がなかったことと比べればどういうこともないが、ファンとしては相当堪える。

 そして今日(9月10日)、オリックスの山本投手が相手だからコテンパンにやられるのだろうとあきらめていた矢先、いつも貴重な情報を提供してくれる同業の記者の方から「栗山巧選手がまさかの『家』をプロデュース!企画型住宅『西武ハウス 栗山巧の家』本日より5棟限定で受付開始」という西武ライオンズが発信したプレス・リリースが届いていた。以下は、その概略。

 サブタイトルには「プロスポーツ界では異例!ご成約先着1邸限定でご自宅に栗山選手が訪問!」とあり、西武ライオンズと西武建設が、栗山巧選手が通算2000安打を達成したことを記念して、両社の協同による同選手プロデュース企画型住宅「西武ハウス 栗山巧の家」を、限定5棟、建築本体価格2,695万円(税込)で、本日(10日)から受付を開始するというものだ。

 「栗山巧の家」は、栗山選手の「オンとオフの切り替えや全てをリセットしてスタートさせる重要な存在」である「家」を西武建設の「匠」が作り上げたプランという。

 リビング・ダイニングは、陽当たりや風通しが良く、リラックスできるよう人目につきにくい2階に設計。さらに、リビングの中に段差を設けて緩やかに仕切られたステップダウンリビングを設置することで、子どもと遊んだり寝転んで読書できたりする工夫を凝らしている。

 外壁には栗山選手の地元・神戸市のレンガ倉庫をモチーフとしたレンガ風タイルを使用して通算2000安打達成までの「積み重ねる」を表現。高さ約2,000mmの位置だけタイルの色を変えるなど細部にまでこだわっている。

 玄関には栗山選手の写真、直筆メッセージや、スパイクの足形を設置する。特典として、先着で1棟目を成約した人の自宅に栗山選手本人が訪問する予定という。

 栗山巧選手は、「家というのは皆さんの生活にとっても非常に大事な場所だと思っています。良いコンディションで戦い続けるために僕がこだわっていることをお伝えし、その話をもとに西武建設の『匠』の皆さんが、素敵な家に仕上げてくださいました。一生に一度の買い物であると思いますが、私にとっても「栗山巧の家」というのは、思い入れがありますし、これからも活躍し続けなければならないなと非常に気合いが入っています。ご購入いただいた方のご自宅にぜひ遊びにいきたいと思いますので、その日が来ることを楽しみにしています」とのコメントを寄せている。

 また、西武建設の企画部・野村卓司氏は、「栗山選手への家というものに対するアンケートをとらせていただき、その内容を元にインタビューをさせていただきました。栗山選手が戦いつづけるために必要と思われている話、家というものへの考え方をお聞きし、それを企画型住宅という形で表現しました。
 この住宅は、なぜこの空間なのか、なぜこの色なのか。栗山選手が戦いつづけ、積み重ねていくことへの私たちの一つの答えとしました。栗山選手と一緒に家づくりをするようなイメージが感じられ、建てるときも住んでからも夢があふれ、家族のほほえみがあふれる仕掛けを施しています」とコメントしている。

 商品は、建築本体価格2,695万円(税込)。構造は木造(枠組壁工法) 2階建て。建築面積は50.30㎡(15.21坪)、延床面積100.29㎡(30.33坪)。施工エリアは埼玉県の各市部、東京都は多摩エリアだが、東京都、埼玉県内の市区町で検討する人は西武建設に問い合わせれば対応するようだ。申込み期間は2021年9月10日~2022年1月末まで。建築請負契約締結期間は2022年3月末まで。問合せは西武建設 企画部 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。      TEL:04-2926-3334 受付時間 10:00~17:00(土日祝定休)

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この玄関はいい(ライオンズブルーなのか)

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足型

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◇       ◆     ◇

 さすが、西武だ。素晴らしい企画だ。記者はこの日(10日)、書かなければならない記事が3本あったのだが、そんなのは二の次三の次、この西武・栗山さんの記事のほうが書く価値ははるかに高い(ナイスさん、菊池建設の二瓶さん、積水ハウスさんごめんなさい)。

 記者はもう30年以上も昔から、同社が施工した分譲戸建て現場を見学してきた。分譲戸建てのデザインは昔も今も最高に素晴らしいと思う。デベロッパーが分譲する分譲戸建てに占める施工シェアもかなり高いはずだ。

 プレス・リリースを読むのを後回しにして、添付されている外観デザインを真っ先に見た。ン…出隅入隅などまったくない総2階建てではないか。坪単価をはじいた。坪88.7万円だ。西武ファン歴60余年の判官びいきも甚だしい記者ではあるが、さすがにこの値段には〝これは高い〟と判定せざるを得ないと思った。

 きっと、これは栗山さんのプレミアム価格を含むのだろうと推測したのだが、小生の一存では決められないので、西武不動産の広報を長年務められ知己の方に助け舟を求めた。「確かにちょっと高いかも。プレミアム価格? まあ1割くらいは価格にオンされているかも。それにしてもいい企画だ」と元広報マンは話した。

 施工する西武建設にもストレートに「坪88.7万円はやや高いのではないか」と質問した。同社からは「2,695万円は税込でして、税抜きだと2,450万円、坪単価80万円になります」とのことだ。

 高いか安いか、これは検討する方が決めることなので、これ以上書かない。繰り返す。栗山さんのサインやスパイクの足型を設置するのは素晴らしい!記者は、東京オリンピック・パラリンピックの選手村になった「HARUMI FLAG」にもアスリートの手型、足型、人型(魚拓のようなもの)をそのまま壁や床などに残して、オークション方式で分譲すれば少なくとも数十万円、金メダリストなどは数百万円、数千万円の値が付くはずと書いた。

 誰も取り合ってくれなかったが、大谷選手のサイン入りユニフォームはオークションで13万210ドル(約1,434万円)の値段で落札されたというではないか。エペ団体の見延和靖選手や車いすテニスの国枝慎吾選手には1億円の報奨金が出たではないか。

 球団にお願いだ。栗山さんの第2弾、第3弾もやっていただきたい。中村さんなら3,000万円の価値(栗山さんごめんなさい)はあるはずだ。そういえば吉永小百合さんも西武ファンだ。5,000万円どころか1億円でどうか。

 オークションといえば、住友不動産販売がステップオークションを始めた。賛否両論があるようだが、記者は時代の流れに沿っていると思う。

 記事を書き終えたとき、西武の攻撃終了。1-7で大敗した。得点は外崎の本塁打のみ、3安打に抑えられた。こうなったらやけくそだ。とことん負けてやれ。何? 虚人も5連敗だと…ギャハハハハ…。

 言い忘れた。住宅事業は〝マネーゲーム〟だ。きっと三井不動産(巨人)、大京(オリックス)、リスト・大和地所レジデンス(DeNA)、阪急阪神不動産(阪神)、ポラス(浦和レッズ)、三菱地所(体操・ラグビー)、スターツ(マラソン・卓球)、旭化成ホームズ(柔道)、木下工務店(スケート)、長谷工コーポレーション(大学駅伝)、ヒューリック(将棋)…も同じようなことをするはずだ。西武さんよ、実用新案登録をしたほうがいい。

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西武建設が施工した三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス「稲毛海岸 美浜の杜シティ」

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慰撫建設が施工したコスモスイニシア「グランフォーラム国立 松景の邸」

開幕前に西武〝日本一〟 素晴らしいボールパーク化工事完了 人材流失に終止符(2021/3/9)

三井不レジ&三菱地所レジ 初の戸建て〝共演〟 全253区画の「稲毛海岸」分譲(2019/10/8

既存の赤松を残し、街を創る 必見の3部作の一つ コスモスイニシアの戸建て「国立」(2018/5/30

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 創建は9月1日、大阪府和泉市の「トリヴェール和泉」ニュータウン内の民間単独事業としては最大級の「ルナシティ青葉はつが野」を開発、9月4日(土)からモデルハウス5棟と「住まいのショールーム」を同時オープンすると発表した。

 物件は、泉北高速鉄道和泉中央駅から南海バス7分徒歩5分、大阪府和泉市はつが野3丁目に位置する開発面積約62,448㎡、全242戸。1995年以降で「トリヴェール和泉」内での民間単独では最大級の規模。

 第1期1次の建築条件付宅地分譲(21区画)の敷地面積は170.36~211.24㎡、価格は1,323万~2,174万円(最多価格帯1,800万円台)。

 モデルハウス5棟は全棟外断熱工法Kurumuを採用し、ZEH断熱性能基準Ua値0.6を下回る。

◇       ◆     ◇

 記者は、大阪圏の戸建て市場はまったくわからない。和泉市は富田林市に隣接した大阪市の南方に位置することくらいしか知らないし、プレス・リリースにある「トリヴェール和泉」だってどのようなニュータウンか見当もつかない。

 ネットで調べたら、大阪都心の南方約25キロメートル、「なんば」「天王寺」駅から30分圏内で、都市再生機構(UR都市機構)が事業主体の正式名称は「南部大阪都市計画新住宅市街地開発事業」で、事業期間は昭和59年12月から平成26年3月、総開発面積は約368.4ha、計画戸数は7,700戸とある。

 開発規模的には首都圏の千葉ニュータウンの半分くらいで、千葉NTの戸建て単独開発として最大級の大和地所レジデンス「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」(275区画)に近く、最低敷地面積が170㎡以上というのもよく似ている。大和地所レジは分譲開始から2年強で完売となった。創建も好調に推移することを期待したい。

大和地所レジデンス 千葉NT中央でユーロデザインの戸建て全275区画分譲へ(2016/11/2)

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 大和ハウス工業は8月30日、わが国の郊外型住宅団地の現状と課題、今後の展望などを探る「郊外型住宅団地再生」をテーマとした第15回「業界動向勉強会」をオンライン形式で行った。

 各地の団地再生プロジェクトに関わっている東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授・大月敏雄氏が「郊外型住宅団地再生について」と題した講演を行ったほか、同社上席執行役員 リブネスタウン事業推進部長・原納浩二氏などが登壇し、同社の取り組み姿勢や事例などを紹介した。

 大月教授は、全国の先進的な成功事例を紹介するとともに、山万の「ユーカリが丘」は例外としながら、かつての開発手法であった「つくり逃げ」「売り逃げ」「焼き畑」などについても言及。「終わりのない」団地再生の道のりは平たんではないが「夜明け」はやってくると締めくくった。

 原納氏は団地再生が急務になっている社会背景について、住宅ストックは世帯数をすでに上回り、世帯数は2023年をピークに減少に転じ、2033年に住宅ストックの約9.4%、約650万戸が活用されないと予測されていることや、地価下落、少子高齢化、都市部への人口集中、空き家空き地の増加などの社会課題が山積していることを指摘した。

 同氏はまた、1962年から「ネオ(新しい)+ポリス(都市国家)」を全国で61か所、総開発面積3,114ha、総区画数67,884区画を開発した開発者責任として、ネオポリスを「再生」するのではなく、再び「耕す」ことで社会課題を解決する「リブネスタウンプロジェクト」を同社の重要なSDGs戦略として位置づけており、今年4月1日には「リブネスタウン事業推進部」を立ち上げたと説明。

 先行して取り組んでいる「上郷ネオポリス(横浜市)」(1972年開発、700区画)と「緑ケ丘ネオポリス(三木市)」(1971年開発、5,600区画)に加え、「阪急北ネオポリス (兵庫県川西市)」(1974年開発3,950区画)、「阪南ネオポリス(大阪府河南町)」(1972年開発2,360区画)、「豊里ネオポリス(三重県津市)」(1977年開発2,300区画)、「加賀松ヶ丘団地(石川県加賀市)」(1976年開発1,460区画)、「所沢ネオポリス (埼玉県所沢市)」(1970年開発483区画)、「取手北ネオポリス(茨城県つくばみらい市)」(1979年開発382区画)の8か所でまちづくりモデルを展開すると語った。

◇      ◆     ◇

 バブルが崩壊するまでは「土地神話」を信じて疑わなかった記者は、バブルをあおった一人として責任を感じており、大規模郊外ニュータウンの再生には大きな関心を持っており、取材も行ってきた。

 今回講演された大月教授もそうだが、多くの先生は自らが先頭に立ってフィールドワークを行い、団地再生に取り組んでおられる。東京藝術大学准教授・藤村龍至氏は故郷・埼玉県の疲弊する「鳩山ニュータウン」を見るに見かね、誰も手を挙げなかった鳩山町コミュニティ・マルシェの指定管理者に名乗り出たほどだし、「上郷」再生にもかかわった明治大学教授・園田眞理子氏はそれかあらぬか、生まれ変わったように髪の毛が真っ白になられた。頭が下がる。

 原納氏もまた「開発責任」を口にされた。大月氏も指摘したが、デベロッパーの「売り逃げ」「事業離れ」は死語になっていないはずだ。それを実践していたらマンションも戸建て団地もここまでひどくなっていなかったに違いない。

 だが、しかし、大月氏と原納氏の話はあまりにも楽観的に過ぎる、というのが記者の率直な感想だった。

 再生可能なのは、同社が開発したような当初から良好な住環境が整備された限られた団地で、全国に3,000団地あるといわれる郊外大規模団地はそんな恵まれた条件のものはむしろ少ないのではないか。

 極端な例かもしれないが、記者は10年前、昭和40年代半ばに開発された都心から50キロ圏の約1,800戸の団地を見学取材したことがある。1戸当たりの敷地面積は約20坪、建物は15坪だ。前面道路幅は4メートルあるかどうかだ。開発業者はバブル崩壊前に破綻している。

 見学する前に恐れていた惨状を目の当たりにして言葉も出なかった。人口は半減し、55~65歳以下の予備軍も含めれば高齢化比率は49%に達し、限界集落そのものだった。空き家(物置)・駐車場だらけで、出来損ないの歯抜けのトウモロコシ状態だった。

 あまりにも悲惨な状態だったので、記事は場所・団地名が分からないように書いた。居住者や地域の方に迷惑を掛けたくなかったからだ。記事にはアクセスが殺到し、場所を教えてほしいという問い合わせも相次いだが、小生は沈黙を貫いた。今でもその場所を特定した人はいないはずだ。

 そんな経験をしているので、「一部の恵まれた団地以外の再生など絶望的ではないか」と質問した。原納氏は「そうは思わない。国土交通省は本格的に取り組み始めたし、(土地の)所有責任を問う自治体も増えている。時間も体力(資金力)も必要だが、知恵を出し合えばそのような団地でも再生は可能」と語った。

 この回答に勇気をもらったような気もする。もう少し涼しくなったら、またこの団地を訪ねレポートしたい。〝楽観的に過ぎる〟という感想が訂正でき、その団地名を公表できればいいのだが…。

10年の活動を綴った「さくら茶屋物語」発刊 団地再生目指すすべての人に薦めたい(2021/2/8)

45分も時間超過Zoomオンライン「郊外住宅地フォーラム」に参加者400人(2020/6/6)

鳩山NT活性化を「私自身がアート」藝大卒・菅沼朋香氏「ニュー喫茶 幻」開業(2019/3/23)

住民主導のもう一つの「奇跡の街」 横浜・金沢文庫 西柴団地「さくら茶屋」見学(2018/2/14)

「さくら茶屋にししば」など全国先進事例を報告 第2回「住宅団地再生連絡会議」(2018/1/23)

なぜ80年間も持続できたのか 奇跡の街 入間市の「ジョンソンタウン」を歩く(2017/10/16)

全国276団体が参加する「住宅団地再生連絡会議」設立 国土交通省(2017/1/31)

ポラス 〝奇跡の街〟野田市七光台に地域コミュニティ支援のカフェ オープン(2016/11/19)

限りなく限界集落に近い首都圏の郊外団地人口4割減55歳以上の人口比率は48.7%(2012/7/27)

〝奇跡の街〟山万「ユーカリが丘」「電気バス社会実験」出発式(2009/4/24)

カテゴリ: 2021年度

 木造軸組工法住宅の普及と健全な発展に寄与することを目的にしている日本木造住宅産業協会(木住協)は8月25日、「木住協 自主統計および着工統計の分析報告書」オンライン報告会を開催した。

 令和2年度の新設住宅着工戸数は812,164戸(前年度比8.1%減)で、このうち戸建て住宅は463,350戸(同10.7%減)、木造戸建て住宅は414,072戸(同9.9%減)だった。

 これに対し、木住協会員の新設住宅着工戸数は86,652戸(同0.7%増)、戸建て住宅は82,647戸(同1.8%増)となり、住宅着工の木造戸建て住宅に占める木住協のシェアは20.0%となった。20%台になったのは平成28年度以来。木造3階建ては8,650戸(19.2%増)と大幅に増加。全体に占める割合も前年度より10.8ポイントアップの35.5%となった。

 「設計評価住宅」は21,785戸で全体の26.4%、「建設評価住宅」は14,748戸で全体の17.8%となり、「設計」は前年度より増加したが、「建設」は戸数、率とも減少した。

 「長期優良住宅」は28,318戸で、全国統計100,628戸に占める木住協シェアは28.1%、木住協戸建て住宅に占める割合は34.3%(前年度は38.1%)となった。

 「太陽光発電搭載住宅」は20,447戸で、新設戸建て住宅の24.7%を占めたが、前年度の23,251戸、29.5%からそれぞれダウンした。「ZEH適合住宅」は10,877戸で、前年度から1.8%増加した。

 オンライン説明会で同協会・越海興一専務理事は「住宅着工が2年連続して減少しているが、木住協会員の戸数は令和2年度は増加に転じるなど逆風の中で頑張っている」と総括した。

 「報告書」は、A4判53ページに上るもので、令和2年度の住宅着工戸数、3階建て、品確法に基づく設計・建設評価住宅、長期優良住宅、太陽光搭載住宅、ZEH住宅、増改築、3階建てなど国のデータと木住協会員のシェアなど数値を比較できるようにまとめたもの。調査対象は木造軸組工法住宅事業を展開する465社で、回答は80.4%の374社だった。

◇       ◆     ◇

 〝木造ファン〟の記者は、越海専務も総括したように健闘していると思う。3階建てが大幅に増加したのは、敷地の狭小化が進んでいる都市部では、鉄筋造の単価が上昇している一方で木造はそれほどでもなく、価格的に優位性を保っているのと、耐火・防火技術の向上、木のよさが消費者にも浸透している当然の結果ではないか。

 参考までに令和2年度の他の構造などを紹介すると、非木造の鉄筋は222,123戸(前年度比3.6%減)、鉄骨は117,552戸(同12.5%減)、プレハブ住宅は木造が10,566戸(同10.9%減)、鉄筋が2,404戸(同44.5%減)、鉄骨が94,718戸(同12.6%減)、ツーバイフォー住宅も89,580戸(同16.5%減)とそれぞれ大幅に減少している。

 木住協会員会社が「頑張っている」のは嬉しいのだが、いつも不思議に思っていることがある。

 木造戸建て住宅に占める木住協会員のシェア20.0%についてだ。このシェアが高いのか低いのかよくは分からないのだが、わが国の木造軸組住宅を先導する業界団体としては少ないように思う。単純比較はできないにしろ、分譲マンション市場では大手デベロッパーで組織する不動産協会会員の首都圏供給シェアは83.5%(平成30年度)に達しているし、全住宅着工に占める割合が11.0%のツーバイフォー住宅も、日本ツーバイフォー建築協会会員シェアは高いはずだ。

 よく言えば、軸組工法はそれだけすそ野が広く多様性があるということだが、逆に言えば玉石混交、まとまりが悪い業種・業界ということでもある。会員になることがステイタスとなり、消費者にとっては安心・安全につながる団体にならないといけない。

 その〝不思議〟の象徴的な存在が飯田グループホールディングスだ。同社グループ主要6社は木住協の会員ではないが、全体の2021年3月期の分譲戸建て売上棟数は46,620戸だ。全国の分譲戸建て市場の約3割を占める。

 この飯田グループ各社が木住協に加入したら、平成2年度の戸数は199,267戸となり、シェアは20.0%⇒31.2%にアップする。

 同社はまた、今年度から住宅性能評価制度8項目全て全棟最高等級を取得すると宣言した(「設計」か「建設」が明らかではないが、「設計」だと思われる)。これも加えると、全体に占める「設計」割合は17.8%から一挙に34.3%にアップし、逆に「建設」は17.8%から7.4%へ10ポイント以上減少する。同様に「長期優良」「ZEH」などの数値も大幅に減少するはずだ。

 その是非は分からないが、木住協は倫理憲章で「法令遵守と公正・透明な事業活動」「地球環境への貢献」「地域社会への貢献」「安全で快適な居住環境の確保」「人材育成」を掲げている。

 飯田グループもこの倫理憲章には賛同できるはずだし、何よりも木造戸建て住宅の現状と課題が消費者にも伝わることになる。

 記者は報告会で「分譲戸建ての全国シェア3~4割を占めるガリバー企業は加入していないが、加入したらデータは大幅に変わってくるが…」と質問したら、越海専務理事は「私どもは門戸をいつも開けている。(ガリバー企業に)加入していただいたらありがたい」と答えた。

 なので、記者は飯田グルーフHD広報に加入する意向の有無について問い合わせた。回答が得られれば報告したい。

 木住協には、積水ハウス、ミサワホーム、住友林業、一条工務店、オープンハウス、ケイアイスター不動産、ポラス、アキュラホーム、ナイスなど主な戸建てハスウメーカー・デベロッパーが加入している。

〝木の時代へ〟 木住協の季刊誌「木芽」公的データを再編集して〝見える化〟(2021/7/17)

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「セキュレア武蔵府中ひかりテラス」

 大和ハウス工業は7月2日、「家事シェアハウス」を全戸に盛り込んだ分譲戸建て「セキュレア武蔵府中ひかりテラス」のメディア向け見学会を行った。全戸に「家事シェアハウス」を採用するのは初めてで、6月19日から販売開始した第1期11戸ののうち4戸が成約済み、1戸が申し込み済み。

 物件は、JR中央本線国分寺駅からバス約11分、バス停徒歩3分(京王線府中駅から約9分、徒歩3分)、府中市栄町二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する開発面積約4,381㎡の全27戸。現在分譲中の住戸(6戸)の土地面積は113.02~123.17㎡、建物面積は88.62~90.36㎡、価格は5,490万~6,190万円(最多価格帯5,900万円台)。建物は完成済み。構造は軽量鉄骨2階建て。全体完成は2021年11月の予定。

 現地は、東京農工大が社宅などとして所有・利用していた土地で、同社は約2年前に取得し、開発しているもの。府中市景観条例に基づき緑化を図り、全27戸にオリジナルの樹木を植樹するほか、敷地内の樹木には廃材を活用した樹名板を設置する。

 「家事シェアハウス」は2017年から採用しているもので、玄関に家族それぞれの靴、コート、スリッパなどを管理できる「自分専用カタヅケロッカー」、リビングには自分専用の雑誌、美容グッズ、勉強道具などを収納できる「自分専用ボックス」と乱雑に散らかりがちな紙類を収納する「お便り紙蔵庫」、階段室には畳んだか洗濯物を一時的における「階段ポケット」を設けている。

 また、昨年10月から販売開始した据え置き型ダストボックス「D’s stocker」を標準装備している。

 府中市の開発指導要綱では、開発面積3,000㎡以上の最低敷地面積を110㎡とし、低層住居専用地域の緑地率を15%以上確保するよう求めている。

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 記者は今年3月、この物件に近い「セキュレア武蔵府中なごみプレイス」(33区画)を見学しており、記事にもしているのでそちらも参照していただきたい。記事にも書いたのだが、今回の「ひかりテラス」のほうが国分寺駅にも府中駅にも出るのが便利なので、価格は6,500万円くらいが、ひょっとしたららもっと高くなると考えていた。

 しかし、見学会で平均価格は約5,900万円と聞き、その安さに驚いたのだが、設備仕様などモデルハウスの全体的なレベルを考慮すれば、この価格帯もありかと考えた。

 率直に言えば、完成販売で販売開始後10日間で5戸の成約・申し込みは少ないような気がする。バス便ではあるが、国分寺駅にも府中駅にも近い希少の一低層の住宅地であることを考慮すればもっと売れていいはずで、そうでないのは、若い世代では「家事シェア」は当たり前のことなので、心に響かなかったのか。

 「家事シェアハウス」は結構なのだが、それを強調すれば販促に効果があるとすれば、家事労働は夫婦間で平等にシェアされておらず、妻に過大な負担がかかっている情けない現状をさらけ出すようなものだ。

 さらに言えば、いまは共働きが多数派を形成しているとはいえ、専業主婦(主夫)も3割くらいあることを考えれば、「家事シェア」は全戸採用ではなく、選択制でもよかったのではないかと思う。

 記者は、「イクメン」もそうだが、この専業主婦(主夫)の言葉が嫌いで、主婦あるいは主夫をきちんと職業として認め、家事労働も当然のように労働として評価する社会にすべきだと思う。そうなれば「家事シェア」なる言葉は意味をなさなくなり、死滅すると考えている。

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ヤマボウシ(二季咲き)樹名板

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 「家事シェア」より、記者が注目したのは全27戸にオリジナルの樹木を植樹することだった。敷地内の他の樹木には「樹名板」を設置するが、オリジナル樹木には設置しないということだったので、その名前を聞いた。シロモジ、ミツバツツジ、リョウブ、マンサク、カツラ、クロモジ、ナツハゼ、ツリバナ、シデコブシ、ヤマツツジ、エゴノキなどだ。今後、残りの16戸についても別の樹木が植えられる。

 各敷地内には、オリジナル樹木のほかにもシラカシ、二度咲きヤマボウシなど少なくとも5本の中高木が植えられていた。「5本の樹計画」は積水ハウスの十八番だが、大和ハウス工業はオリジナル樹木を含めると6本だ。これらの中高木が育ったら素晴らしい景観を形成するのは間違いない。これは「家事シェアハウス」よりはるかに価値があると思うが、みなさんはいかが。

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武蔵小金井・国分寺・府中の中間点に全33区画 大和ハウス「武蔵府中なごみ」好調(2021/3/15)

大和ハウス 「家事シェアハウス」公開 わかったことわからないこと(2017/7/11)

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 オープンハウスは6月14日、ユニバーサル園芸社と協働して「ONE TREE MAKE A FOREST PROJEKT」を5月から始動したと発表した。
 同プロジェクトを通じ戸建てに住むすべての家庭が一本以上の木を持つことが当たり前になることを最大の目標としており、植栽の品質管理・施工・アフターサービスはユニバーサル園芸社が担当する。植栽に当たっては、単なる戸建ての緑化だけではなく、「アイキャッチ」「目隠し」「シンボルツリー」といった機能を持たせる。初年度の植樹目標は1万本。

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 記者は緑が街のポテンシャルを左右する重要な指標の一つであることを信じており、積水ハウスの「5本の樹計画」をほめたたえてきた。10年近く前からはタイトルに「街路樹が泣いている」を付けた記事も書き、マンションや戸建ての植栽についてもその都度優れたものを紹介してきた。モデルルームの観葉植物も〝フェイクをやめろ〟などとしつこいほど記事にしている。

 今回のオープンハウスの「家庭に1本以上が目標」というのは、積水ハウスが昨年、植樹累計が1,600万本に達したと発表したのと比べると、売上げ1兆円を目指す企業としてはいかにも少ないとは思うが、いわゆるパワービルダーが分譲する戸建ての猫の額もない庭はコンクリートで固められ、ぺんぺん草も生えないものが圧倒的に多いことを考えると、業界の流れを変えるプロジェクトになることを期待したい。

納得の即日完売 デザイン・設備仕様レベル高い ポラス「市川菅野」16棟(2021/5/2)

積水ハウス 「5本の樹」計画 植樹累計が1,600万本突破(2020/4/14)

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)

越谷レイクタウンで見た雑草すら生えない建売住宅の一群(2014/4/29)

街路樹が泣いている ~街と街路樹を考える~⑧(2012/6/5)

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 積水ハウスは6月3日、黄砂や花粉、PM2.5などを除去する室内環境システム「SMART-ECS (スマート イクス)」を搭載した戸建て住宅が半年で2,400棟の年間販売目標を達成したと発表した。

 販売開始は昨年12月14日で、5月31日現在、累計2,489棟を受注。直近の5月契約での採用率は80%を超えている。

 同社は、「スマート イクス」は、室温が外気の影響を受けにくく、外気中の汚染物質を除去し、きれいな空気を取り込みながらも省メンテナンスという空気清浄機能を備えているのが好調の要因としている。

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