伊勢崎線の№1戸建て住宅街 トヨタ&東武鉄道「WELL BIND CITY 獨協大学前」
「WELL BIND CITY 獨協大学前」
草加市、獨協大学、都市再生機構、東武鉄道、トヨタホームの産・官・学5者連携による街づくりが進められている草加市の「獨協大学前〈草加松原〉駅西側地域」の戸建て住宅地「WELL BIND CITY 獨協大学前」を見学した。分譲開始は6月22日。
現地は、かつて“東洋一のマンモス団地”と呼ばれた旧松原団地を中心とした総面積約54haの再開発エリアの一角。団地は老朽化と住民の高齢化などの課題を解決するため2003年から草加市、獨協大学、UR都市機構の3者が連携し、多様な世代の共生、グリーンインフラ、防災拠点の構築、教育の提供、団地の再生などを進めてきた。
今回の「WELL BIND(ウェルバインド)」は、新たに東武鉄道とトヨタホームが加わり、開発面積約6.5haの戸建て住宅地を整備するもの。ソフト・ハード両面から継続的なにぎわいと交流を創出し、地域の活性化に取り組んでいく。周辺には、公園、小・中学校のほか、草加市立松原児童青少年交流センター、獨協大学コミュニティスクエア、商業施設「トーブ イコート」などの施設が整っている。
開発街区はL字型で、Airy Zone(鳥)、Bright Zone(太陽)、Ripple Zone(蝶々)の3つに分け、テーマごとにデザインし、電線地中化、2棟の平屋建て約30坪のクラブハウス、3つの街区公園、敷地面積130㎡以上、太陽光発電・ZEHを搭載したスマートハウスなどが特徴。今後7~8年かけて分譲していく。
物件は、東武スカイツリーライン獨協大学前〈草加松原〉駅から徒歩13分~15分、草加市松原4丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する開発面積約65,357㎡、全373戸。第1期18戸(トヨタホーム10戸、パナソニックホームズ6戸、ミサワホーム2戸)の敷地面積は131.15~134.67㎡、建物面積は102.60~108.76㎡、価格は7,000万円台中心。建物は完成済み。土地売主はトヨタホーム、東武鉄道。
トヨタホーム、東武鉄道は東武日光線南栗橋駅圏でも久喜市、イオン、早稲田大学の5者連携による約16万㎡の「BRIGE LIFE Platform構想」を推進しており、全172区画の戸建て住宅地「BLP-MINAMIKURIHASHI SMART VILLA」の開発を行っている。
モデルハウス
植栽
クラブハウス
クラブハウス
雨水タンク
◇ ◆ ◇
皆さんは、この再開発エリアでの分譲マンション第一号で、東武鉄道の新マンションブランド〝ソライエ〟の第一号マンション「ソライエ草加松原」をご存じか。分譲開始は2012年で、駅から徒歩3分の全255戸。坪単価138万円、最多価格帯3,100万円台と圧倒的に安かったことから人気を呼んだ。
その後、駅名は草加松原から獨協大学前に変わり(草加松原は副駅名)、住友不動産、東部鉄道が継続的にマンションを分譲している。坪単価は250万円くらいのはずだ。都心への近さから言えば安いと思うが、戸数(平均面積74.3㎡)要件が付されており、20坪で5,000万円はする。
「WELL BIND CITY」は駅からややあるが、公園などを通れるからアクセスはとてもいい。そして何よりも土地面積が広く、30坪のスマートハウスが7,000万円台で買えるのだから、これまたものすごく安い。東武スカイツリーラインのナンバーワン戸建て住宅街だと思う。
ただ、同線は京王線と同様、利便性が高いのに不動産価格は他の沿線と比較して〝割負け〟している。足立区北千住のマンションは坪500万円を突破している。しかし、誰も同線だとは考えていない。千代田線北千住だ。縁あって書きたくはないのだが、草加市のイメージもまたいいとは言えない。鉄道会社と自治体はブランディング化にもっと力を入れるべきだ。
余談はこれくらいにして本題。トヨタホームのモデルハウスは約106㎡。基本性能が優れているのは言うまでもないが、リゾート(ストックフォルム)を想定したデザインが抜群。同社によると、6種のコンセプトと14か国のインテリア、つまり6×14=84種のコーディネートが選択できることになっているそうだ。
いつものように、あら捜しをした。1階の天井高2400ミリは高くない(ポラスは2700ミリが標準)ので、同社担当者にもその旨話した。階段幅も〝狭い、世界のトヨタともあろうものが〟と指摘しようと思ったら、そうではなかった。メーターモジュールを採用していた(パナソニックホームズとミサワホームは尺モジュール)。
この他、サッシ高2380ミリ、2ボウルの洗面、ユニバーサルデザインを考慮した引き戸多用、壁面角のR状仕上げなどが目を引いた。
外構では150~185リットル入る大型雨水タンク、ホースと蛇口が別々の水栓、5本を上回る中高木の植栽(角住戸は11本だった)もいい。
7~8年かけてゆっくり販売するという戦略も納得だ。さすがトヨタ、東武というべきか。販売担当は尻をたたかれなくて済む。全戸が完売するころには、草加駅よりいい街になっているかもしれない。急行停車も草加からこちらに変更されることにはならないか。
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まるで武蔵野リゾート 断熱等級7を初めて体感 旭化成ホームズ 戸建て甲州街道モデル
「Asu-haus(アスハウス)」甲州街道モデル
旭化成ホームズは6月5日、木造戸建て住宅の新ブランド「Asu-haus(アスハウス)」甲州街道モデルハウスをメディア向けに公開した。外気温は30度を超えていたにもかかわらず、エアコン1台で建物内は25度前後に保たれる断熱等級7のすごさを初めて体験し、豊かな緑に圧倒された。〝武蔵野リゾート〟と名付けた。
〝Asu-haus(アスハウス)の未来につながる暮らしと空間〟がコンセプトで、「暮らし」については、エアコン1台で季節・時間・場所を問わず快適な生活ができる「経験価値」、断熱等級6のエアコンをつけたままの全館空調より消費電力は約40%削減できる「経済価値」、ZEHからLCCM(Life Cycle Carbon Minus)の「環境価値」をそれぞれ実現。「空間」については、断熱等級が国内最高クラスの断熱等級7の「温熱性能」、長期にわたって快適性を担保する「構造安全・耐久性能」、地域や自然とつながり多用途に使える「デザイン」としているのが特徴。
これにより、温度差は±1℃以内、温度は夏26~28℃、冬20~23度、湿度は夏60%以下、冬40~60%、壁・床・天井などの表面温度は室温±2℃以内の理想的な環境を目指す。
主なターゲットは、必要最小限の空間と環境を重視し、クリエイティブでファミリー志向の60代夫婦。間取りはシンプルな田の字型で、汎用性を重視している。
見学会に臨んだ同社GREENOVATION推進室室長・白石真二氏は「未来のあるべき姿を見据え、暮らしと空間のそれぞれ3つの価値を実現する。そのために、具体的な4つの温度・湿度の目標値を設定した」と語り、合わせて、ブランドコンセプトである「GREENOVATIONには、環境性と経済性の両立という概念を取り込み、さらに若々しく健康に生きようという意味も込めた」と語った。
また、同推進室企画グループ・高梨拓己氏は外観・外構などについて「5.5寸の切妻屋根を採用することでソーラーの設置、都下での北側斜線制限にも対応できるようにし、日射を遮断するパーゴラのほか、ベビーカー、車椅子にも対応できるスロープを設けた。エクステリアでは14本の中高木を植樹した」と話した。
モデルハウスは、多摩モノレール線甲州街道駅から徒歩4分、敷地面積は約50坪、建物は木造軸組工法(平屋~2階)の切妻屋根の延床面積約30坪。断熱等級7(Ua値0.26W/㎡・K以下)、耐震等級3、耐風等級2。坪単価は135万円から。家庭用エアコン1台で快適性が保たれる全館空調を採用。床はクリ材の突板、窓はトリプル樹脂サッシ。最大天井高はロフトを含めて約6m。販売棟数は2024年度16棟、2025年度25棟を上限とする限定販売。販売エリアは東京都城南・城西地区、都下の一部。6月1日から販売開始されている。
植栽(手前はじゃかご)
◇ ◆ ◇
〝武蔵野の別荘はかくやあらん〟-これが見学した率直な感想だ。これほどコンセプトが明確で、ターゲットも的確なモデルハウスは他にそうないはずだ。
建物外観と外構を見たとき、勾配屋根と左官調仕上げの飽きのこないヴァナキュラーデザインに惹かれ、〝5本の樹計画〟をはるかに上回る圧倒的な緑量に興奮すら覚えた。売上高1兆円を目指す同社にとって2024~2025年度の販売棟数41棟は微々たるものだろうが、〝堅牢だが価格が高い〟〝コンクリート住宅〟とは違った世界観、価値観を垣間見ることができた。
植栽計画について。玄関エントランスには樹肌・樹皮に横縞模様がある「武蔵野ヒノキ」が植えられていた。樹高は高くならないよう建物の高さ6mくらいにコントロールするとのことだった。(どうして「武蔵野」がついているのか、ネットで調べたがわからなかった)。この他はシラカシ、ヤマボウシ、ナナカマド、シャラ、ポプラ、オリーブ、ソヨゴなど。
住宅性能、特に断熱性について。あちらこちらの部屋の壁、サッシ枠、ガラスの温度などを確認した。熱伝導率が異なる木、鉄、コンクリ、ガラスなどが室温とほとんど同じ25℃前後で一定していた。普通はありえないことだ。ただ、断熱等級7は初めての体験だったので、断熱等級6や一般的な全館空調との差はいまひとつよくわからなかった。これは体験してみないとわからないことだ。真夏か真冬が一番いい。
玄関の温度計は外気温31.2℃、建物内は24.5℃を示していた
リビング
モデルハウス(2階から写す)
モデルハウス
武蔵野ケヤキ
外観
旭化成ホームズGr 今期売上高9,600億円へ木造戸建て参入トライアル(2024/5/13)
驚愕!用賀12分 敷地91坪、建坪52坪で25,800万円 大和ハウス・リブネス戸建て
世田谷区瀬田のリブネス戸建て
大和ハウス工業は5月15日、住宅ストック事業ブランド「Livness(リブネス)」のリノベーション戸建て工事がほぼ完了したのに伴う報道陣向け見学会を行った。東急田園都市線用賀駅から徒歩12分の第一種低層住居専用地域に位置する築17年の邸宅をリノベしたもので、土地面積は91坪、延べ床面積は52坪で、価格は25,800万円。レベルの高さと価格の安さに驚愕した。
物件は、東急田園都市線用賀駅から徒歩12分、二子玉川駅から徒歩16分、世田谷区瀬田4丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%、最低敷地面積80㎡)に位置する敷地面積303.57㎡(約91.82坪)、床面積:173.78㎡(52.56坪)。竣工は2006年10月(築17年)で、施工は桧家住宅。販売価格は25,800万円(税込)。
同社の家事シェアをコンセプトに、水回りを2階から1階へ集約し、家事効率を向上させるため回遊動線を確保し、外国人の購入も想定して純和風の6畳間を多目的に利用できるモダンな和風に、アクセントウォールに環境に配慮し再生材料アップサイクル材を多用しているほかは、既存の高級材のカバザクラ材の無垢フローリング、ウッドデッキ、現しの天井化粧梁、樹脂サッシなどはそのまま残しているのが特徴。
同社の本社からバスで移動したため、現地はよくわからかったが、周りの街並みなどから判断して土地代だけでも坪300万円(現地は幅員4mのいわゆる旗竿地なので少し安いはずだが)とはじいた。30坪で1億円だ。マンションなら坪単価650万円はすると考えた。つまり650×52坪=33,800万円だ。これに土地の広さ91坪を考慮したら、新築戸建ては4億円でも安いのではないかと予想した。
リノベなのでそこまでは無理としても、あまりにも価格が安いのに、「値段は記事に書きますよ。変更するつもりはありませんね」と念押しした。
驚いたのはまだある。同社東京本社経営戦略本部リブネス事業推進部部長・平井聡治氏は「土地価格は22,764万円、建物は2,760万円、消費税は276万円)。改修費は建物が1,600万円、外構が600万円の合計2,140万円」と明らかにした。外構にここまで経費をかける分譲戸建ては皆無だろう。
この現地見学会に先立ち、同社は業界動向勉強会(不動産ストック事業篇)を開催。平井氏が約1時間にわたって同社のリブネス事業のこれまでの業績や今後の展開などについて説明、質疑応答にも丁寧に応えた。この勉強会の模様は、機会を改めて紹介する。
リビング(床はすべて無垢のカバザクラ材)
アップサイクル材の壁
キッチン(床はカバザクラの無垢材)
階段室
既存の庭(手前はソメイヨシノ)
⇒
エントランス(Before⇒After)
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ワークスペース(Before⇒After)
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和室(Before⇒After)
平井氏
ポラス「東武動物公園」「ジャパン・レジリエンス・アワード2024」最優秀賞
「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」
ポラスグループのポラスタウン開発は4月26日、同社が開発・分譲した「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」が、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会主催の「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2024」の最優秀賞を受賞したと発表した。NPO法人日本防災環境、ユニソンと取り組んだプロジェクトで、3法人での共同受賞。最優秀賞の受賞はポラスグループとして初。
プロジェクトは、東武スカイツリーライン・東武日光線東武動物公園駅から徒歩10分の全37棟(うち25棟が入居済み)の分譲地。災害に強い街をつくるため、「いつも」と「もしも」の境界をなくすフェーズフリーの考え方を取り入れた分譲地。身の回りにあるモノを、日常時だけではなく非日常時にも役立て、災害時には住民同士が助け合う「共助」、自ら主体的に考え行動する「自助」の醸成が自然にできる街と家づくりを目指し、「防災意識の高い街づくり」に挑戦した。
左2人目からポラスタウン開発・内田里絵氏、NPO法人日本防災環境・加藤愛梨氏、ユニソン・鷲津智也氏
ユニソン「防災トークセッション」に170名/AIの文字起こしは凄いが課題も(2023/7/15)
可視化難しい「防災」「コミュニティ」「環境」に挑戦ポラス「東武動物公園」(2023/6/16)
「成長する家」「両立の家」などシンプルで心地よい暮らし5提案 ポラス「高柳」好調
「楽家RAKUYA 松戸・高柳」
ポラスグループのポラスガーデンヒルズは4月25日、“シンプルライフ研究家マキ”さん&LIXILとコラボした分譲戸建て「楽家RAKUYA 松戸・高柳」(全28棟)のメディア向け見学会を行った。「楽家」はシンプルで心地よい暮らしを提唱するもので、今回の「高柳」は、2021年の第一弾「豊四季」(3棟)、2022年の第二弾「流山おおたかの森」(18棟)に次ぐ第三弾。2月2日に第1期15棟を販売開始して以降、これまでに23棟を成約、残りは5棟。好調な売れ行きを見せている。
物件は、東武アーバンパークライン高柳駅から徒歩13分、千葉県松戸市六高台5丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全28棟。土地面積は120.92~126.91㎡、建物面積は95.30~104.17㎡、価格は3,480万~4,450万円。引き渡し予定は2024年7月。
「楽家」では、これまで家族の好みを自由にアレンジする「自由の家」、家事効率を最適化する「時短の家」、家事と仕事の両立を目指す「両立の家」、家族それぞれが憩いの時間を過ごす「休息の家」を提案しており、今回は家族と一緒に成長する子ども目線の「成長の家」を新たに追加した。
「成長の家」は、子どもに「自分で片づける」習慣を身に着けさせるため、玄関を入ってすぐのところに収納「ファミ片」を設けたほか、リビングに設置したベンチ「オキニコーナー」では、子どもの遊び場や読書コーナー、昼寝などができる工夫を凝らしている。ベンチ下にはお片付けボックスも設置している。
“シンプルライフ研究家マキ”さんは、YouTubeチャンネル「エコナセイカツ」やオンラインサロン「シンプルライフ研究会」を主宰し、アパレルブランドとの商品開発、モデルハウスプロデュースなどで衣食住にかかわる企業とのコラボレーションを得意としており、これまでの累計書籍発行部数は29万部。
「オキニコーナー」(左側は奥行きをとり昼寝もできるようにしている)
「オキニコーナー」
〝マキさん〟(現地で)
◇ ◆ ◇
今年に入ってからこれまで東武アーバンパークライン・新京成線沿線では、添付した5物件のマンション・戸建てを見学した。マンションは坪単価200万円以上だ。豊四季では400戸近いマンションが総合地所などによって分譲される。これも坪200万円以下はありえない。20坪で4,000万円以上だ。
今回の「高柳」は、土地面積が40坪以上、建物面積が100㎡前後で、価格は4,000万円前後だ。価格が安いからと言って基本性能が劣っているわけではない。リビング天井高は2700ミリ、サッシ高は2400ミリ。食洗機、床暖房もついており、多用されている引き戸は開閉ともソフトクローズ機能付き、床は突き板フローリングだ。分譲開始から2か月半で全28棟のうち残り5戸にこぎづけられたのは、マンションと比べ圧倒的に安くて質も高いからだ。
「楽家」はコンセプトを明確にしているのがいい。〝マキ〟さんも「万人に受ける必要はない。その人がいいと思う間取り提案」に力を注いでいるというのも大正解だと思う。かつて建売住宅は大量販売を前提にした画一的、没個性的なプランが中心だったが、いまは時代が変わった。多様化しているニーズに応える個性的なプラン提案はありえる。十中八九の人に嫌われても、他にはない〝これがいい〟と決断させる注文住宅に近い提案ができるのが理想的な建売住宅だと思う。
販売開始1か月で半数以上成約・申し込み東武鉄道&大和ハウス「新柏」114戸(2024/4/25)
爆発的にヒットするか長谷工コーポの新提案「Be-Fit」総合地所「みのり台」公開(2024/4/11)
新京成線五香駅圏で17年ぶりウルトラファインバブル装備坪単価250万円超ポラス(2024/3/16)
野田市内で17年ぶりマンション坪単価200万円 JR西プロ「梅郷」(2024/3/9)
ストンと腑に落ちる「KIZUKI」家事動線・収納に工夫凝らすポラス「南桜井」(2024/2/23)
城南・城西の1億円超の分譲戸建てに注力 野村不「駒沢」に販売拠点
ハイグレードモデルルーム(左)とレセプションスペース
野村不動産は3月8日、建売戸建シリーズ「プラウドシーズン」の販売拠点「プラウドシーズンギャラリー駒沢」を開業し、メディアに公開した。建売戸建ての販売拠点としては、主に中央線沿線の物件が中心の「プラウドシーズンギャラリー武蔵野」(武蔵小金井駅)に次ぐ2か所目で、東京23区内の城南・城西エリアや横浜市青葉区などで、2025年度まで10プロジェクト以上の高額物件が対象となる。
施設は、田園都市線駒沢大学駅から徒歩3分、世田谷区駒沢1丁目に位置する駒沢中村ビル3階。の約895㎡。「コンセプトスペース」、「スタンダードモデルルーム」と「ハイグレードモデルルーム」2パターンモデルルーム、接客ブース11席・シアタースペースなどを備える。営業時間は平日:11:00~18:00、土日祝:10:00~18:00(定休日:火・水・木曜日)。
ハイグレードモデルルーム
◇ ◆ ◇
同社がアッパーミドル・富裕層向けの高額分譲戸建てに力を入れるというのは全然驚かない。かつては創建ホームズなど城西・城南エリアに特化した戸建てデベロッパーが何社かいたが、今は聞かない。販売戸数でしのぎを削る三井不動産レジデンシャルくらいではないか。マンションの坪単価は都心部で1,000万円、20坪で2億円の時代だ。建ぺい率60%、容積率200%のエリアの3階建ては疑問符も付くが、希少な1低層の30坪以上の戸建てが売れないはずはない。
内覧会では、同社の戸建て分譲の理念、歴史、街づくりのこだわり、空間提案、仕様などが分かりやすく説明された。顧客の中には〝野村さんは建売りをやっていたのですか〟と聞かれる人もいるとか(この日の記者の中にも同社の戸建てを知らない人がいたと思う)。40年間優れた街づくり・戸建て分譲を行ってきたのに知らない人がいるということは、まだまだ伸びしろがあるということだ。
また、内覧会では、先週末に分譲した、等々力駅から徒歩13分の全20戸の「プラウドシーズン等々力 壮景の街」第1期11戸が即日完売したと報告された。延べ床面積は100~110㎡で、価格は1億3,000万円台から2億円。当然の人気だ。
同じころに三菱地所レジデンスは等々力駅から徒歩8分の1低層のマンション「ザ・パークハウス 等々力」(39戸)の第1期15戸を分譲し、13戸に申し込みが入った。坪単価は700万円を割っていた。これと比べても、戸建ては〝超〟の字が付くほど割安だ。
これから分譲する京王線井の頭線富士見ヶ丘駅から徒歩1~2分の「久我山五丁目」(8戸)のほか「等々力コート」「赤堤4丁目」「代沢4丁目」「美しが丘4丁目」なども人気必至と見た。
ハイグレードモデルのLDKは広さ35.2畳大で、天井高は3m想定。幅4800ミリのTOYO KITCHEN STYLEが最高に素晴らしかった。Boschの幅60センチの大容量食洗機も初めて見た(「成城」でも採用されていたそうだが見逃した)。3食分の食器が洗え、静かで節水型なので水道費を低く抑えられるとのことだった。天然木を積層・圧着した人口突板建具や1624サイズの浴室「リデア」も目を引いた。
画竜点睛を欠く。唯一気になったのは、至る所に配置されていたフェイクグリーンだった(本物のオーガスタが1鉢置かれていたが、説明されるまで気がつかなかった)。まるで植物園のような、本物の緑が溢れかえっていた「プラウドギャラリー新宿」とは真逆。1億円、2億円する戸建てを購入するひとは絶対置かない代物だ。前日に見学した三井不動産レジデンシャルの女性向け賃貸「SOCO HAUS KORAKUEN」の20鉢はあった緑は全て本物だった。積水ハウスもモデルルームに設けるものはほとんど本物の緑だ。
壁は本物の木(緑はフェイク)
これもフェイク
これが本物だったらどんなに素晴らしいか
野村不「高額建売戸建」第2弾「プラウドシーズン成城五丁目」も即日完売(2023/10/7)
まるで植物園 五感で体験できる 野村不動産 マンション総合ギャラリー「新宿」(2022/2/21)
都内に比肩するものなし野村不「プラウドシーズンひばりが丘」(2012/9/25)
ケイアイスター不 オーストラリアの戸建て・タウンハウス事業が好調
ケイアイスター不動産は2月27日、オーストラリア現地法人KI-Star Real Estate Australia Pty Ltdの戸建てやタウンハウスの販売が好調に推移していると発表した。
同社は2020年に海外事業部門を立ち上げ、2021年にオーストラリア ビクトリア州に現地法人のKAU社を、2023年5月にKAU社と現地デベロッパーの合弁会社MunCorp Pty Ltdをそれぞれ設立。以降、これまで2年間で累計100区画を開発。現在、7つのプロジェクトを推進中。
同社独自の「ケイアイプラットフォーム」の目利きとデータドリブンのアプローチがオーストラリア市場でもその効果を発揮しているとし、今期・来期に累計600区画以上の用地確保を目指し、今後ビクトリア州を中心に豪州での戸建住宅の開発を推進していく。
ストンと腑に落ちる「KIZUKI」 家事動線・収納に工夫凝らす ポラス「南桜井」
「KIZUKIの家 南桜井」
昨日(2月22日)の午前中は、新宿駅から1時間以上かかる東武野田線南桜井駅のポラスグループの分譲戸建てを、午後は南桜井駅から約2時間のリストの「辻堂」のマンション(モデルルームは藤沢駅)をそれぞれ見学した。取材時間はそれぞれ1時間くらいだったが、移動に4時間以上かかった。価格はというと、前者は約30坪で3,000万円前後、後者はこの価格ではワンルームの34.90㎡すら買えない〝駅近〟のタワーマンションだ。「南桜井」から先に紹介する。
ポラスグループの分譲戸建ては、東武野田線(東武アーバンパークライン)南桜井駅から徒歩17分、春日部市西金野井字愛宕の第一種低層住居専用地域(従前は農地)に位置するポラスタウン開発の「KIZUKIの家 南桜井」(全26棟)。土地面積は110.06~132.44㎡、建物面積は93.15~101.70㎡、価格は2,480万~3,380万円。昨年11月17日から販売を開始し、これまで供給した第1・2期18戸のうち9戸が成約済み。残りの8戸は2月23日から販売する。
「KIZUKI」は、18歳の高校3年生の息子さんと8歳の小学3年生の娘さんを子育て中のフルタイムで働く“家事と暮らしの研究家” 中山あいこさんとコラボした、日々の暮らしの中で感じるストレスを一つひとつ検証して得た〝気づき〟を商品企画に反映したもの。2019年に供給した「川口」(3棟)を皮切りに、これまでさいたま市内の5現場で供給しており、春日部市では初の物件。子どものおもちゃや衣服、カバンなどを簡単に収納でき、棚やハンガーパイプは高さを変えることが容易な「ずぼらクロゼット」は2022年のグッドデザイン賞を受賞している。
モデルハウスは2棟で、1棟は調理しながら子どもの様子がうかがえる小上がり付きのマルチコーナー(3.4帖大)、メイクや洗濯干し、アイロンがけなども可能な脱衣場、ずぼらクロゼット、大きめのゴミ箱スペース、土間収納などが特徴。
もう1棟は、エントランス-土間収納-ずぼらクロゼット-パントリー-LDK(16.3帖大)の動線に工夫を凝らし、ランドリールームを広く取り、2階の主寝室(7.1帖大)とベッドルーム(5.2帖大)のほか、もう一つのベッドルーム(9.5帖大)は間仕切りで2ベッドルームにも変更が可能。
見学会で中山さんは、「どうすれば家事動線・効率がよくなるかを2013年からブログで発信しており、3月には3冊目の書籍も発売されます。建築の専門ではありませんが、常識にとらわれない提案が共感を呼んでいます」と語った。
販売担当の同社埼玉中央営業所営業課主任・岩瀬純平氏は、「通常の建売住宅の概念を変えられる物件。ありえない価格の安さと『KIZUKI』の訴求ポイントが多いのが特徴。モデルハウスが完成するまでにこれだけ成約が進んでいる。最終3期を販売開始するが、完売のめどが立った」と話した。
◇ ◆ ◇
大きな収穫が2つ。一つは中山さんの説明がとても分かりやすく、提案意図がモデルハウスにしっかり具現化されていたことだ。家事・育児経験者はみんなストンと腑に落ちるはずだ。「辻堂」の取材があったので質疑応答の時間までいられなかったのだが、マンションは分譲価格の高騰で収納スペースが削られ、平均専有面積は昭和50年代の約20坪まで退行・縮小している現状をどう思うか中山さんには聞きたかった。
もう一つは、「通常の建売住宅の概念を変える」と強調した岩瀬氏の説明が完ぺきだったことだ。岩瀬氏は同社野球部のエースとして〝孤軍奮投〟してきた。最近は肩やら肘の痛みから3回あたりで降板することが多くなったが、ポラスグループ全体の販売エースになれるのではないか。「ありえない価格」とも話したが、基本性能・設備仕様は決して低くない。
左から3人目が岩瀬氏、その隣が中山さん
内観パース(1号棟)
内観パース(2号棟)
◇ ◆ ◇
東武アーバンパークラインについて。同線は建売住宅供給のメッカだった。昭和50~60年代にかけて、同駅もそうだが川間、春日部、豊春、七光台、愛宕、梅郷、江戸川台、初石、豊四季、柏、六実などで年間数千戸が供給されていた。バブル期の南桜井は4,000万円台、5,000万円台ではなかったか。
この日の日経平均株価終値は3万9,098円をつけ、過去最高値の1989年12月29日の38,915円を更新したが、同沿線の建売住宅の価格は当時の6~7掛けではないか。自治体も事業会社も沿線の魅力を伝えきれていない。大宮、春日部、流山おおたかの森、柏、新鎌ヶ谷、船橋でJR・私鉄と接続できる利便性と緑が多い住環境を考えたらもっと高くても売れると思うが…。
モデルハウス(1号棟)
2号棟モデルハウス
飯田GH 2024年3月期3Q決算 利益率大幅ダウン 原価上昇を価格転嫁できず
飯田グループホールディングスは2月9日、2024年3月期第3四半期決算を発表。売上高1兆177億円(前年同期比0.2%減)、営業利益488億円(同43.9%減)、経常利益300億円(55.5%減)、純利益311億円(同53.0%減)となった。主力の戸建事業は売上高8,648億円(同0.2%減)、売上総利益率13.0%(同4.6ポイント減)、販売棟数28,711戸(同1.0%減)、平均価格3,012万円(同0.8%増)となった。
同社は、販売価格については原価上昇分全てを売価に織込めず利益率が低下、市中在庫が過剰な状況が続いており、価格を上げにくい環境で、建物原価については木材価格が低下した一方で、その他資材はメーカー値上げの影響で増加、トータルでは建物原価は2Q比で20万円減少し、土地原価については2Q比で48万円増加。首都圏エリアの販売比率が高まっていることに加え、当該エリアでの仕入単価上昇の影響を受けているとし、適正在庫水準の維持に優先的に取り組む方針としている。
セグメント別の戸建分譲販売棟数は次の通り。
・アーネストワングループ 7,580棟
・一建設グループ 7,229棟
・飯田産業グループ 4,368棟
・タクトホームグループ 3,579棟
・東栄住宅グループ 3,373棟
・アイディホーム 2,566棟
住友不動産 断熱等級7(UA値0.25)の「断熱最高等級7の家」販売開始
「断熱最高等級7の家」
住友不動産は1月30日、注文住宅の新商品「断熱最高等級7の家」を2月1日から販売開始すると発表した。
「断熱最高等級7の家」は、「2×6工法」、「内外壁のダブル断熱」、「高断熱樹脂トリプルガラス」の組み合わせにより断熱等級7を実現。UA値(外皮平均熱貫流率)は、平成28年省エネ基準の0.87の3倍以上の0.25となる。
国は2025年には全ての新築住宅に断熱等性能等級4以上を義務化、2030年には断熱等級5を最低基準として引き上げるなど、住宅市場全体の高品質化を進めている。同社は国の基準を上回る商品を開発することで、住宅市場の高住宅性能のスタンダードを断熱等級6・7基準へと引き上げていくことを目指す。