積水ハウス、2020年度の新築戸建てZEH比率91%
積水ハウスは4月26日、2020年度の新築戸建住宅におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の比率が91%となり、第5次中期経営計画(2020 年度~2022年度)最終年度までの目標90%を前倒し達成したと発表した。累積では2021年3月末時点で60,843戸となった。
また、賃貸住宅でもZEHを推進し、家庭部門のCO2排出量を2013年度比55%削減した。
同社は、今年4月22~23日の「気候変動サミット」で発表された、日本の2030年の温室効果ガス排出削減目標46%達成に向け、業界をリードしていくとしている。
スウェーデンハウス 世界初3DキャラクターによるVR内覧サービス モデル来場2.2倍
サイトページ画面
スウェーデンハウスと野原ホールディングスは4月20日、世界初の3Dキャラクターによる接客機能を搭載した室内360度バーチャル内覧サービス「VRモデルハウスウォークスルー」を共同開発し、同日からスウェーデンハウスの公式サイトで提供すると発表した。
「VRモデルハウスウォークスルー」は、両社が共同開発したもので、住宅購入検討者はスウェーデンハウスのモデルハウスをバーチャルで内見でき、オリジナルの3Dキャラクターが内見サポートするウェブサービスだ。
利用者はWeb上でモデルハウスを内覧することができるだけではなく、好みの3Dキャラクターと営業スタッフに現地で説明を受けているような感覚で会話(ボット機能)をしながら、モデルハウスを内見することができるのが特徴。
モデルハウス内見用の3Dサービスは、米国マーターポート社(Matterport, Inc.、URL:https://matterport.com/ )が開発した「Matterport® True3DリアリティーキャプチャープラットフォームおよびMatterport Pro2 3D カメラ」を活用しており、このシステムに3Dキャラクター関連機能を搭載したのは世界初という。
発表会で同社・村井秀壽社長は、「わたしは3年前に終の棲家としてスウェーデンハウスの住宅を建てた。3重窓や高気密・高断熱住宅のよさを実感した。コロナの影響でモデルハウスの来場は減少しているが、Z世代を中心に住宅取得のニーズは高く、当社もまだまだ伸びしろがある。今回の世界初のトライによって業績は10%伸びた」と語った。
また、同社営業推進部部長・大川保彦氏は、「昨年5月から試行的に3Dウォークスルーを導入したところ、モデルハウス来場予約は2020年3月期の757件から、2021年3月期は1,665件へと2.2倍に増加した。モデルハウス来場者による成約率は2~3%だが、Webを通じた成約率は10%に達している」と具体的な数値を示した。
野原ホールディングス社長・野原弘輔氏は、「昨年の春以降、VRの撮影依頼が急増している。DXを加速させる」と話した。
両社は今後、検索項目を増やし、例えばモデルハウスに使用されている家具をクリックすると、製造はどこかいくらで販売しているかわかるようにするなど、ブラシュアップしていくという。
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スマホすら満足に扱えない記者にとって、発表会の1時間というものはちんぷんかん、何のことなのかさっぱりわからなかった-というよりは、ずっと話を信じていなかった。
なぜか。昨日書いた積水ハウスのライフスタイル型モデルハウス「みんなの暮らし 4stories」の記者発表会・内覧会の記事を読んでいただきたい。積水のモデルハウス内覧会は同社の広報のスタッフが撮影した動画を配信したものではあったが、モデルハウスのよさを伝えきれておらず、プロが担当してもオンラインでは住宅の質感を表現できないと確信したからだ。
スウェーデンハウスの住宅だってそうだ。いくら村井社長が「三重窓はいい」といったところで、これは実際に体験してみないとそのよさはわからない。
同社の住宅は、C値(相当隙間面積)もQ値(熱損失係数)もU値(外皮平均熱還流率)も他社を圧しているが、これら優れた数値がもたらす快適な居住環境、空気感、居心地の良さなどのリアル感は、いかなる精巧な3Dキャラクターを駆使し、画像の解像度を上げたところで演出できないはずだ。
村井社長など3氏の話を聞きながら、3Dキャラクターにトナカイ「ムース先生」やスウェーデンのきれいな女性を起用しようが、劇的に住宅展示場のあり方を変えることなどできはしないと、ずっと考えていた。
ところが、記者発表会の後のシステム体験会で、その考えがぐらついた。
自分のライフスタイルにあわせたモデルハウスを選び、こだわりなども設定し、指向性は記憶させることもできるというのは想定内だ。
驚いたのは、モデルハウスの内観のところどころに◎印がついており、そこをクリックすると、その部位の素材や特徴などが表示されたことだ。読者のみなさんもぜひ体験していただきたい。(VR モデルハウスウォークスルー https://vr.swedenhouse.co.jp/)本音を言えば、記者は操作も満足に行えないので、VR画像などをWebでほとんど見たことがない。どこまでが従来もある技術で、どこからが〝世界初〟なのかよくわからない。
それにしても、凄い世の中になってきた。同じようにAI技術を活用したシステムでは、東急リバブルが投資用マンションと顧客をつなぐ「投資用区分マンションAIマッチングシステム」を開発した。これによると、営業経験5年以上の担当者が行う物件選定と遜色ないレベルを実現したというではないか。
だが、しかし、村井社長も話したように、いかにAI技術が発展しようとも人間の五感に迫るリアル感は開発できないのではないか。
駅から7分で敷地60坪 素晴らしい フージャース「つくば吾妻」82区画 完売
フージャースアベニューの分譲戸建て住宅地「デュオアベニューつくば吾妻」を見学した。つくばエクスプレスつくば駅から徒歩7分の公務員宿舎跡地に開発された全82区画で、1区画当たり敷地面積が約200㎡(60坪)以上の素晴らしい住宅地だ。
物件は、つくばエクスプレスつくば駅から徒歩7分、つくば市吾妻三丁目の第一種中高層住居専用地域、第二種住居地域(建ぺい率60/70%、容積率200%)に位置する全82区画。1区画当たりの敷地面積は約200㎡(60坪)以上で、価格は6,000万円台~8,000万円台。建物は2×4工法2階建て。施工・設計・監理はエステーホーム。販売代理はフージャースコーポレーション。
2018年から分譲開始され、すべて完売となった。
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取材を申し込んだのは、3月22日付でフージャースホールディングスが筑波大学建築デザイン専攻の学生アイデアを採用した3戸の住宅が完成したと発表したからで、プレス・リリースをコピペして書く記事に価値はないと判断し、そもそもこの住宅地がどのようなものか全然知らず、自分の目で確認するためでもあった。
現地は、つくば駅出口(A2)すぐの中央公園・中央図書館・美術館・つくばエキスポセンターを抜けた住宅地としては一等地。記者はつくば駅圏のマンションを10件くらいは取材しているが、このような低層住宅街が駅近にあるのは全然知らなかった。他の出口はみんな商業エリアだ。
住宅地にたどり着いたとき、その素晴らしさに圧倒された。何が素晴らしいかといえば、いかにも戸建て住宅街らしいゆったりしたオープン外構&電線地中化の街づくりだったからだ。最近見学するのは敷地が30坪、広くてもせいぜい40坪くらいのものばかりで、敷地が60坪もある最近の大規模住宅地は、小田急不動産の「南大沢」しか知らない。
ランドスケープデザイン・住戸デザインもいい。同社の戸建てのデザインが10年前くらいに一変したのはよく知っている。設計・施工を今回のエステーホームなど(他では津田産業)に切り替えたからだ。
街並みをみて、見学の目的の一つは達成された。今回を見逃していたら、ずっと知らないままになっていただろう。やはり記者は現場見学が大事だ。
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もう一つの見学の目的である学生さんのアイデアについて。これは、2018年、同大学芸術専門学群・建築デザイン演習および同大学院芸術専攻デザイン領域群・建築デザイン特別演習の一環として「住み継ぐ家」をテーマに企画・設計コンペを行い、39名の学生・大学院生の提案のうち優秀作3案を選び、その設計意図とデザイン提案を活かした住宅3棟を設計・施工したものだ。
最優秀賞に選出された染谷美也子さん(芸術専門学群3年生、当時)設計の「ハウス・オブ・プランツ」は、居間や食堂と庭の空間を一体としてデザインしたのが評価された。染谷さんの案は、東京建築士会開催の「第18回 住宅課題賞2018」の審査員賞である「高橋賞」を獲得している。
優秀賞に選出された安喜祐真さん(芸術専攻博士前期課程1年生、当時)設計の「土間のある家」は、玄関から台所にかけて土間空間を広く取った大胆なプランが、リュウ・T・ペニーさん(豪・クイーンズランド大学4年生・短期留学生、当時)設計の「本棚のある家」は、知的な仕事に携わる住民が多いと考えられるつくば市に建つ住宅ならではのアイデアがそれぞれ評価された。
この3戸のうち、染谷さんとリュウさんの提案住宅を見学した。安喜さんの提案を具現化した住戸はすでに入居済みで見学できなかった。
正直に書く。同社は不特定多数に売る建売住宅だから勇気がなかったのだろう。学生さんのプランは一部しか採用していないのは残念だった。
しかし、3人の方は悲観することなどない。みんな素晴らしいし、入選しなかった方も多分独創的な提案を行ったはずだ。入選することだけが目的でない。その過程が大事だと思う。
さて、「ハウス・オブ・プランツ」は、離れの子ども部屋(仕事場などにもなるはず)を提案しているのがいい。デベロッパーは良さを理解していても売れ残りを心配し採用するところは少ないが、記者はかつて、西武不動産が「所沢」の1億円以上の住戸に素晴らしい離れを採用したのを見学し、そのほかでもいくつか見ている。30坪の敷地では無理だが、この種のプランはもっと増えていい。
もらった資料では、染谷さんは2階に子供部屋とほぼ同じ広さの浴室を提案している。これは資料には記載がないだけで、浴室だけではないはずだ。何に使うのだろうか。
リュウさんの提案は記者も大賛成。家全体が書庫のようだ。しかし、リュウさん、造りつけの書棚を建売住宅で提案するわが国のデベロッパーはほとんど皆無です。どのような本を読んでいるか、人に知られたくない人もたくさんいます。これが課題だと思います。絵画、その他置物などにも対応できるといいと思います。
安喜さんの「土間」の提案は、ハスウメーカーやデベロッパーもよく行うプランだ。実際に建てられた住宅はリビング・ダイニングに面したところに「テラス」として設置されているので、安喜さんの意図とは少し違うのではないか。安喜さん、これも許してやっていただきたい。記者も「土間」は内と街や隣近所の人たちとの外を緩やかにつなぐ空間だと思っています。
ZEH供給比率70%達成へ プレハブ建築協会 住宅部会 2020年度活動報告
プレハブ建築協会住宅部会(加盟20社)は3月23日、メディア向け2020年度の活動状況をオンラインで報告した。
「住生活向上推進プラン2020」の実績(9社)については、①住宅性能表示取得率は戸建て83.5%(目標85%)・共同住宅5.2%(同10%)②入居者アンケート総合満足度76.4%(同85%)③長期優良住宅認定取得率84.0%(同85%)④点検・修理等 履歴管理実施率92.0%(同100%)⑤ZEH供給率61.8%(同70%)⑥居住段階CO2排出量削減率45.9%(同70%)-などと目標を下回ったものの高い数値となった。
CS品質委員会の「信頼されるすまいづくりアンケート」調査結果では、「とても満足」33%(前回37%)と「満足」44%(同41%)を合わせ77%(同78%)となった。
環境分科会の環境行動計画「エコアクション2020(2011~2020年)」では、新築戸建てのZEH供給率を国の目標50%を大幅に上回る70%にしているが、7社全社が個社目標を達成すれば70%に達する見込みとしている(19年は7社のうち6社で個社目標を達成)。
ZEHの普及に伴い強化外皮基準を満たす戸建住宅の供給率が大幅に増加、高効率給湯器はほぼ標準化したほか、燃料電池の普及は前年同程度となり、やや頭打ちで、太陽光発電システムの設置率は2年連続で増加し、過去最高に迫る水準になり、HEMSは約6割、蓄電池も2割強の住宅で導入され、次世代スマートハウスへの進化が着実に進展したとしている。
工場生産に伴うCO2排出量は、2010年比▲8.5%(総量)となり、省エネ性能の向上に伴うCO2削減貢献量(累積)は排出量の約11倍となった。
このほか、住宅ストック分科会では、新しい生活様式へのリフォーム各社の対応について昨年8月と12月の2回ヒアリングを行い、新型コロナを経験したことで、潜在的なニーズを顕在化させる提案型リフォームに転換できるチャンスと捉えていることが報告された。
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へそ曲がりの記者は、以前から思っていることだが、嫌みな質問をした。CS満足度が77%に達しているのは結構なことではあるが、顧客は依頼に応えてくれると期待して発注するのだから満足度がそれなりの数値に達するのは当然だ。気になるのは回答率の低さだ。プレ協担当者は毎年50~60%と話したように、残りの顧客はどう考えているのか、むしろこの人たちから回答を引き出す工夫が必要だと思う。敢えて「不満」を引き出すようなアンケートに切り替え、その不満を解消する取り組みを行えば顧客満足度は飛躍的に増大するはずだ。
この質問に、ブレ協は新たな質問を検討していると答えた。期待したい。
もう一つ、「都内を中心に敷地規模が20坪以下の狭小住宅がものすごい勢いで増えている印象を受ける(住宅着工統計などでは戸建ての敷地面積については非公開)のだが、良好な住環境は担保されるのか危惧している。プレ協の会員は狭小敷地にも対応できるのか、データはあるか」の質問をした。
担当者は、「技術的には対応は可能だが、各社ともそれを売りにするような営業は行っていない」とのことだった。
この問題については、行政がデータを公表し、考えることができるようにすべきだと思っている。
小田急不 分譲戸建て「相模大野プレミアムPJ」第1弾14戸と第2弾12戸 3か月で完売
小田急不動産は3月19日、小田急線相模大野駅エリアの分譲戸建て計画「相模大野プレミアムプロジェクト」第1弾「リーフィア相模大野マスタープレイス」(14戸)と第2弾「リーフィア相模大野リンクプレイス」(12戸)が2021年2月28日(日)に完売したと発表した。
「リーフィア相模大野マスタープレイス」2020年11月14日(土)、「リーフィア相模大野リンクプレイス」は同年11月21日(土)から販売を開始。両物件ともに約3か月での完売となった。
好調の主な要因は、①神奈川県央に位置する相模大野エリアでは約3年ぶりとなる10戸以上のまとまった区画数②ニューノーマルな暮らしに合う多彩なアイデアを盛り込んだプランニングとしている。両物件合わせ173件の来場があった。
「リーフィア相模大野マスタープレイス」は、相模原市南区相模大野九丁目、敷地面積100.27~123.57㎡、建物面積90.05~105.16㎡、価格は5,968万~7,388万円。2×4工法2階建て14戸。施工は三菱地所ホーム。
「リーフィア相模大野リンクプレイス」は、相模原市南区上鶴間本町二丁目、敷地面積107.57~137.69㎡、建物面積85.40~107.66㎡、価格は5,188万~6,588万円。2×4工法2階建て12戸。施工は細田工務店。
コスモスイニシア たまプラーザ駅徒歩5分の戸建て7区画 早期完売
コスモスイニシアは3月22日、分譲戸建て「イニシアフォーラムたまプラーザ」(7区画)を2021年2月20日に契約開始し、2021年3月7日に全戸完売したと発表した。
物件は、田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分、横浜市青葉区美しが丘5丁目に位置する全7区画。敷地面積は126.01~145.14㎡、建物面積は101.97~106.32㎡、価格は10,980万~12,980万円。竣工は2020年12月中旬。施工は東急建設。構造は木造枠組工法2階建て。
2021年1月上旬のモデルハウスオープンから100件を超える来場を集めた。敷地の中心を南北に延びる道路を囲むように7区画を配置。道路はインターロッキング舗装とし、建物を道路からセットバックさせ、季節ごとの花や実などを楽しめるさまざまな樹木を植栽。光や風をたっぷり取り込む最高天井高約3.6mの2階リビング「ソラリビング」を採用した。
駅徒歩5分の立地と、美しい街区設計のつくりこみが評価されたという。
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プレス・リリースだけではよくわからないが、おおよその見当はつく。低層マンションや戸建てなどが建ち並ぶ住宅地ではないか。
同社の田園都市線の物件では、一昨年の2月、「青葉台」を見学している。立地も商品企画も似ているのではないか。売れるのは当然のような気がする。マンションより全然安い。よくぞそんな土地を仕入れられたものだ。
ポラス 3か所目の単独住宅展示場「体感すまいパーク東浦和」 開設2か月で550組来場
ポラスグループは3月18日、埼玉県初となるグループ単独の住宅展示場「体感すまいパーク東浦和」のモデルハウスを報道陣に公開した。同社単独の〝体感型〟住宅展示場は2018年に開設した「体感すまいパーク船橋」「体感すまいパーク柏」に次ぐ3か所目で、全4棟から構成。1月3日のオープン以来2か月で550組の来場者を集め、13棟の契約を結ぶなど好調なスタートを切った。宅建免許(従たる営業所)を取得しており、分譲や仲介部門などとスピーディに連携できるのも特徴の一つ。
公開したのは、フラッグシップブランドの「PO HOUS(ポウハウス)」、リーズナブルな価格の「北辰工務店」、2×6工法の「HaS CASA(ハスカーサ)」、鉄骨造の賃貸併用の「GRANSSET(グランセット)」の4棟。他に事務所1棟。
ポラテック取締役木造建築事業部事業部長・橋本裕一氏は、「『船橋』『柏』と比較すると、開設1か月目の来場者数は約1.5倍増。2月末現在の注文住宅部門全体の受注状況は前年同期の17%増で、新型コロナの影響は、過去の消費増税時と比較して〝中・小規模の波〟程度に収まっている印象を受ける。単独展示場は、他社の情報に惑わされず、総合展示場のように設置期限がなく、今回は宅建免許を取得しているので、ワンストップでスピーディに分譲や仲介部門との連携も図れるメリットがある。同様の体験型は越谷エリアに出店することが決まっており、2022年には県西部にも開設する」と語った。年間成約目標は100棟。
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見学会には20人以上の報道陣が参加した。密を避けるため会場はテント張りの屋外で、モデルハウス見学も4組に分かれた。小生が振り分けられた4組の1番最初の見学は「PO HOUS」だった。
「PO HOUS」はこれまで数か所は見学しているが、外壁にアルミ材ではなく本物のアカマツの縦格子が採用されているのを見て、ほとんど瞬時に〝これが一番〟と評価した。記者の見立ては間違っていないはずだ。
玄関を入ってすぐにおしゃれな手洗い場があり、壁は塗り壁、床はカバサクラの突板、巾木は集成材、リビングのテーブルは木目が美しい杉の一枚板、通り土間から差し込む自然光を取り込んだ畳リビング、リモートワーク用の書斎、高低差を演出したスキップフロア、自然木のウッドデッキを敷いた天井付きのインナーバルコニー、檜風呂…。
70万円からという坪単価は、新大久保や渋谷の大手ハウスメーカーの坪100万円どころか坪200万円以上もある富裕層向けの豪華なモデルハウスにはかなわないが、同社のターゲット層はアッパーミドルのはずで、少し背伸びすれば手に届く価格設定になっている。デザイン性、設備仕様などから判断してコストパフォーマンスが最高に素晴らしい。建物は木造3階建て延べ床面積約133㎡(約34坪)。
他では、建物を右と左に鋭角的に切り離し、小さいほうの三角形のスペースを〝離れ〟とし、双方の玄関先の「通り庭」の壁面にせせらぎの音を演出した「HaS CASA」が目を引いた。好みはあるだろうが、アーチやアールを多用し、鮮やかなオレンジ、グリーン、唐草模様の壁面カラーリングなどは女性に好まれるのではないか。ベッドルームには天幕が掛かっていた。
4番目に見学した同社野球部の通算打率4割くらいありそうな4番バッター・藤田俊介氏が担当する「北辰工務店」は坪単価45万円からで、「PO HOUS」とのすみ分けを図っている。
「GRANSSET」は、初のモデルハウスで、賃貸住宅オーナー向けの提案になっている。
武蔵小金井・国分寺・府中の中間点に全33区画 大和ハウス「武蔵府中なごみ」好調
大和ハウス工業が分譲中の戸建て「セキュレア武蔵府中なごみプレイス」を見学した。いずれもバス便ではあるが、武蔵小金井駅、国分寺駅、府中駅の3駅の中間に位置する全33区画で、未分譲4区画を除く29区画のうち17区画(申し込み含む)が販売済み。好調に推移している。
物件は、JR中央本線武蔵小金井駅からバス約12分徒歩4分(他に国分寺駅、府中駅からのバス便あり)、府中市新町2丁目の第一種低層住居専用地域(建ペイ率40%、容積率80%)に位置する全33区画。現在分譲中の住戸(6戸)の土地面積は111.31~121.15㎡、建物面積87.82~95.37㎡、価格5,670万~6,690万円。建物は軽量鉄骨造2階建て。
現地はスバルの社宅跡地。1年半前に入札により土地を取得。昨年9月から建築条件付宅地分譲を開始、これまで8区画を契約済み。建売りは昨年11月からこれまで15棟が完成しており、うち9区画(申し込み含む)が販売済み。合計、未分譲4区画を除く29区画のうち17区画(申し込み含む)が販売済みとなるなど好調に推移している。
街区全体の道路幅を5~6.5m確保、北側接道の敷地面の高さを南側接道敷地より10~20センチ高くし、さらに駐車スペースの位置を工夫することで日照と風通し配慮しているのが特徴。また、市と景観協定を結び、外壁、外構なども統一し、街区7か所に自然石のコーナーウォールとシンボルツリーを配するなど街づくりにも力を入れている。
主な基本性能・設備仕様は、エネファーム、食洗器、防犯合わせガラス、樹脂サッシ(室内側)、フラットバルコニー、宅配ボックスなど。
同社多摩支店多摩住宅営業所 立川店店長・築田浩幹氏は、「3月に入って街並みが整ってきてから動きがよくなっている。小中学校、スーパーなど利便施設が近くに揃っており、道路幅も広い住環境のよさが評価されている。北道路と南道路で約1,000万円の価格差を設け、予算に応じた価格設定にしているのも奏功している」などと語った。
同社はまた、国分寺駅と府中駅のほぼ中間にある同じ府中市の東京農工大社宅跡地で全27区画の建売住宅「セキュレア武蔵府中ひかりテラス」を6月末から分譲する。家事シェアアイテムを装備する。こちらのほうが「なごみプレイス」より国分寺駅、府中駅へのアクセスがいいことから価格は若干高くなりそうだ。
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取材する前は、いわゆるパワービルダーの建売住宅に近づけるために価格を抑制し、基本性能・設備仕様レベルも下げているのではないかと思っていたが、そんなことはなかった。価格はパワービルダーのそれより1,000万円くらい高いはずだが、ユーザーもこの価格に納得しているのではないか。外構・植栽などは一部未完成だが、しっかり造りこみも行っている。
一つ、強調しておきたいのは、フラットバルコニーについてだ。同社は居室内とバルコニーの跨ぎ部分をフラットにしてから20年くらい経過する。同社商品企画の最大の〝売り〟の一つだと記者は思っているのだが、当たり前と思っているからか、これをパンフレットなどで全然謳っていない。どうしてだろう。マンションも戸建てもこの跨ぎにストレスを感じている人は多いはずだ。
「セキュレア武蔵府中ひかりテラス」提供公園
耐震+制震の性能持つ高性能耐力壁「Endure Wall(エンダーウォール)」 ポラス
ポラスグループのポラス暮し科学研究所は3月8日、耐震・制震の性能を併せ持つ高性能耐力壁「Endure Wall (エンダーウォール)」を開発し、すでに注文住宅への採用も決まったと発表した。同日、同研究所内の実大実験施設で、従来の耐力壁との性能の違いが分かる記者見学会を行った。
「Endure Wall」は、複数回の地震にも耐えられる強度を持つ耐力壁と、地震の揺れを吸収する高い剛性を持つ特殊な「性能復元材」KOA制震ダンパーを組み合わせることで、コストパフォーマンスに優れ、設計やデザインの自由度も高めることを可能としたのが特徴。
同じ耐震性能を持つ30~40坪の一般的な住宅の場合、従来では22枚の耐力壁が必要なのを、「Endure Wall」はバランスよく配置すれば4枚で済ますことを可能とした。価格は1戸当たり約40万円(坪単価1万円)。すでに4件の成約があるという。木造軸組み工法と2×4工法に対応する。
従来型の耐力壁を用いた建物と「Endure Wall」を組み込んだ建物に阪神淡路大震災の揺れの50と70%の揺れ(中地震)を2回、熊本地震の前震と本震(大地震)の揺れを2回、合計4回それぞれ与えた実験の結果、「Endure Wall」を用いた建物の変形は小さく、構造性能を低下させないことが実証されたという。
現在の耐力壁は熊本地震のような大きな地震が度重なって起きた場合、耐震性が弱まるとされている。
ポラス ブルックリンスタイルの3階建て「小竹向原」 デザイン性、仕様レベル高い
ポラスグループのポラスタウン開発が分譲中の「ブルックスクエア小竹向原」を見学した。東武東上線ときわ台駅から徒歩14分の3階建て全12戸で、1月15日から分譲を開始し、これまでに5戸を成約している。デザイン性が高く、よく工夫されたプランがいい。
物件は、東武東上本線 中板橋駅・ときわ台駅から徒歩14分、板橋区大谷口北町の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全12戸。現在分譲中のⅡ期(6戸のうち5戸)の土地面積は65.05~99.37㎡(一部私道負担あり)、建物面積は85.70~101.08㎡、価格は6,680万~7,380万円。構造・規模は木造3階建て2×4工法(全12戸のうち1戸は木造2階建て2×4工法)。入居予定は2021年3月中旬。
昨年11月から物件ホームページを開設。1月16日にモデルハウスをオープン。これまで87組の来場者を集め、成約は5棟。来場者からは〝デザインは見たことない〟という声が聴かれるという。
現地は、戸建てやマンション、小工場などが建ち並ぶエリアの一角で、敷地北側は道路を挟んで石神井川。
建物の外観は、ブルックリンの街並みをモチーフに、レンガ調のサイディング、陰影が深いキーストーン、ホワイトモール付きのブラックサッシなどを採用。インテリアスタイルは、無機質なマテリアルに本物のブリックレンガを用いた「ヴィンテージ」スタイルと、トラディショナルな雰囲気を演出したニューヨークの地下鉄(サブウェイ)の壁を思わせるアクセント壁を用いた「モダン」スタイルの2種類。
主な設備仕様は東京ガスの「くらし見守り差サービス」、Rinnaiのガス衣類乾燥機「乾太くん」を標準装備したほか、床暖房、食洗器、Low-Eガラスサッシなど。床材にウイルスや雑菌の除去効果がある「エアー・ウォッシュ・フローリング」(ikuta製)を採用。キッチンスタイルも、無垢材のようなメラミン素材のGRAFTEKTと本物の焼き物の質感が特徴のTOKLAS Bbの2種類。
◇ ◆ ◇
最初に現地を見たときは、外構の植栽はできておらずマンションの相場などと比較して平均7,500万円はちょっと高く、7,000万円くらいではないかと値踏みしたのだが、取材を終えたときは7,500万円でも安いと思った。設備仕様レベルが高く、住戸プランもよく工夫されていたからだ。
例えばモデルハウスになっているヴィンテージスタイルの1号棟(建物面積107㎡)。1階に夫婦それぞれの個室としても利用できる8.8帖台の主寝室と浴室、トイレ、洗面・ランドリーを配し、2階はブルックリンテイストのバールカウンターとテレワークスペース(2帖大)を設置、3階は5帖大と6帖大の個室だ。とくにテレワークスペースが秀逸だ。
これは好みの問題でもあるが、唯一理解できなかったのは、テレワークスペースとリビングを区切る構造材をいかにもフェイクと思われるコンクリ打ちっぱなし風のアクセントクロスで覆っていたことだ。全体的に本物仕上げに見えただけに残念。現しでもよかったのではないか。設計を担当したのは同社の〝エース〟M氏だと聞いた。Mさん、こういうのを画竜点睛わ欠くというのではないですか。
もう一つの2号棟(建物面積103㎡)がまたよくできている。南北に長い敷地を巧みに利用し、2階にサブウェイタイル、GRAFTEKTキッチンを採用し、ライブラリーコーナー-リビング-吹き抜け付き小上がりマルチコーナーとつないでいる。3階に2つの居室と3.1帖大のDENを設置し、インナータイプのテラスバルコニーもいい。設計担当は、物件を案内していただいたポラス埼玉中央事業所設計課係長・内田里絵氏。
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モデルハウスに用いられていた赤ワインはチリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンだった。値段は不明。記者のお勧めはブルックリンクラフトビール。これは間違いなくおいしい。記者が販売担当だったら、これをお客さんに振舞う。