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モデルルーム

 住友不動産は10月24日、武蔵小杉の大規模免震マンション「シティタワー武蔵小杉」の記者発表・見学会を行い、11 月2 日(土)にマンションギャラリーをオープン、事前案内会を開始すると発表した。

 物件は、東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩4 分、またはJR横須賀線・湘南新宿ライン武蔵小杉駅から徒歩4 分、川崎市中原区中丸子に位置する53階建て全800戸。専有面積は55.23~72.35㎡、竣工予定は平成28 年1 月中旬。設計・施工は前田建設工業。

 物件の特徴は、①“武蔵小杉センターゾーン”の大型開発ファイナルステージ「新丸子東3 丁目南部地区」に立地②東急線、JR 横須賀・湘南新宿ラインの「武蔵小杉」駅両方から徒歩4 分③大型商業施設「アリオ武蔵小杉(仮称)」に隣接④〝日本初〟のダイナミックパノラマウィンドウ+アウトフレーム工法を実現⑤水回りを含む間取りとインテリアカラーが無償で選択できる「カスタムオーダーマンション」対応――など。「周辺に多い白やベージュとは一線を画した縦ラインを強調したダークグレー」の外観も特徴だ。

 発表会に臨んだ同社住宅分譲事業本部神奈川事業部長・雲見隆行氏は、特徴について「第三世代のタワーマンション」であることを強調した。同氏によると、「第一世代は従来の思考に基づく高さを競うタワー型」とし、「第二世代は、第一の商品企画の反省に基づきピクチャーウインドウの採用により眺望を重視する進化型」と説明。そして「第三世代とは、眺望重視をさらに発展させ、住戸の間取りに工夫を加え、防災も充実させたもの」とと定義づけした。「自慢のタワーマンション」とも語った。

 現在まで問い合わせは5,000件を超えている。第1期分譲は来春。価格は公表されなかった。


外観

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 記者が注目したのは「第三世代のタワーマンション」というコンセプトだ。免震もアウトフレームも珍しくはないが、同社は「我が国初」として「ダイナミックパノラマウィンドウ+アウトフレーム工法」を紹介した。専有面積は最大でも72㎡しかなく、中心は70㎡だが、「アウトフレームとワイドスパン(約12m)を採用することで廊下面積を少なくし、専有面積(壁心)に含まれる壁の面積を少なくすることで実質的に75~80㎡ぐらいのマンションと同じ居住空間が確保できた」という点だ。

 比較するものによって異なってくるが、これはその通りだ。間口の狭いマンションなどは廊下面積だけで畳2畳分(約3.3㎡)は違ってくる。廊下がないマンションは味気ないが、専有面積圧縮型には効果がある。大きな間取りタイプをなくしたのは、武蔵小杉のマーケットを考えてのことだろう。

 これが奏功するかどうか注目だ。

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 もう一つは、どうでもいいことかもしれないが、発表会に参加した記者の数だ。約40人が集まった。さいきん、大型の共同事業マンションではこれぐらいの人数が集まるが、同社1社単独マンションでこれほどたくさん記者が詰めかけたマンションは少ないはずだ。同社に聞いたら「豊洲かワールドシティクラスと同様で過去最多かもしれない」ということだった。

 最近、三井不動産レジデンシャルが新川崎駅前のタワーマンションの見学会を行ったが、台風の影響もあってか記者の数は20人ぐらいだった。「武蔵小杉」と「新川崎」はかなり単価差があるが、競合するかどうか。住友不動産の物件の単価は「新川崎」とは坪30万円ぐらい高く、野村不動産の280万円を超える285万円ぐらいになると予測したがどうか。

 参考までに。言うまでもないことだが、「新川崎」と今回の「武蔵小杉」の記者の数の差は物件そのものとは全然関係ない。記者も含めて質が問われる時代だ。

商・住一体開発の三井不動産レジデンシャル「パークタワー新川崎」

住んでみたい街3位 教委の売れ行き 野村不動産「武蔵小杉」

カテゴリ: 2013年度

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「スカイフォレストレジデンス」完成予想図

 住友不動産は10月12日、新宿区で開発を進めている大規模複合開発「新宿スカイフォレスト」内の免震マンション「スカイフォレストレジデンス」のモデルルームを公開した。

 物件は、JR 山手線高田馬場駅から徒歩6 分、新宿区大久保三丁目に位置する26階建て全361戸の規模。41.86~81.74兵㎡。価格は未定。竣工予定は平成26 年12 月下旬。設計・施工は大林組。

 「新宿スカイフォレスト」は、JR東日本社宅跡地の約2.4haに今回分譲される「スカイフォレストレジデンス」のほか、37階建てオフィス棟(上層部賃貸住宅)、広場などが配置されるA-1 街区、生活利便施設などからなるA-3 街区で構成。

 「スカイフォレストレジデンス」は、白と黒を基調としたガラスを多用したデザインで、建物の床下を鉄筋コンクリートで固め、地表近くの地盤で建物を支える「直接基礎工法」とした上で免震構造を採用。

 住戸は1LDKから3LDKまで多用なライフスタイルに対応し、水周りの移動も可能な「カスタムオーダーマンション」システムを一部に採用。建物完成後でもプランとインテリアカラーの選択ができる住戸も設定する。天井高は約2.6m。駐車場は地下方式。

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 今回のマンションで注目されるのは、用地取得から販売まで実に9年も経過していることだ。

 同社マンション事業本部東京事業所営業課営業一係主任・大屋康一郎氏は開発の経緯について次のように説明した。

 用地をJR東日本から取得したのは9年前。当初は30階建てと15階建てのマンションのみを計画していた。ところが、新宿区が建築物の高さ規制を40mに強化する動きが表面化(都市計画決定は平成18年)。計画の見直しが迫られた。そこで同社は周辺の地権者などの協力を得て高度地区の特例を受けられる地区計画エリアとして指定されるようにした。

 それが冒頭の計画で、オフィスタワーは150m、マンションは90mとする緩和措置が盛られた地区計画の都市計画決定がされたのが平成22年3月。その直後、東日本大震災が起き、同社は当初の予定だった耐震構造から免震構造に変更するため設計のやり直しを行なった。

 用地取得から販売まで9年もかかったのはこのためだ。地区計画は、名称や位置、区域を定めて建築物の用途や絶対高さ、建ぺい率、容積率、意匠・デザインなどを詳細に決めて、市町村が施行する制度だ。地域の街づくりを建基法、都市計画法で担保するのに有効な手法とされる。全国の自治体が高さ規制を強化するきっかけとなった国立市の場合は、公告縦覧から議会での可決までわずか2カ月だった。

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 分譲単価について大屋氏は「決まっていない」と話したが、比較対象となるのは同社の池袋の「グランドミレーニア」や新宿・富久町の「Comfort Tower」だろう。何に価値を求めるかだが、記者は住宅地のマンションとすれば、戸山公園にも隣接している今回の「スカイフォレストレジデンス」が断然いいと思う。坪単価は350万円ぐらいになるのではないか。

 参考までに。線路を挟んだ対面には〝民活第一号マンション〟と呼ばれた今回のマンションと同じJRの社宅跡地マンション「西戸山タワーホウムズ」(576戸)がある。バブル発生の昭和61年に分譲され、来場者約6万人、申込者約2.5万人に達した空前絶後のマンションだ。真夏の炎天下、登録申し込み者が西戸山公園を何重にも取り巻き、申し込みを終えるまで数時間かかったのを覚えている。確か坪単価は260万円ぐらいではなかったか。

カテゴリ: 2013年度

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「ブリリアときわ台ソライエレジデンス」完成予想図 

 東京建物(事業比率60%)と東武鉄道(同40%)のJVマンション「ブリリアときわ台ソライエレジデンス」を見学した。太陽光発電、蓄電池、MEMSなどを採用し、ランドスケープデザインに力をいれた全329戸の大型物件だ。

 物件は、東武東上線ときわ台駅から徒歩10分、板橋区前野町2丁目に位置する15階建て329戸の規模。専有面積は61.05~106.76㎡、現在分譲中の住戸(14戸)の価格は4,031万~8,105万円(最多価格帯4,500万円台)。坪単価は213万円。竣工予定は平成26年10月上旬。設計・施工は三井住友建設。販売代理は東京建物不動産販売、東武プロパティーズ。

 現地は、「板橋の田園調布」と呼ばれる常盤台住宅地を抜けた用途地域・工業地域の一角だが、マンション化も進んでおり、嫌悪施設はそれほど多くない。

 建物は、バルコニー側サッシ上部に梁のない三井住友建設の「SuKKiT3」構法を採用し、アウトフレームとインフレームを組み合わせた分節手法を用いることでデザインに工夫を凝らしている。

 ランドスケープデザインでは、L型の建物の背後に常盤台住宅地の象徴であるクルドサックとシラカシのシンボルツリーを配しているほか、「エントランスガーデン」「スカイガーデン」「シーズンパーキング」など敷地内の緑化に力を入れている。

 商品企画では、太陽光発電、蓄電池、MEMSなどを採用し、食洗機、ユーティリティシンクなどが無償で選べるようになっているのが特徴。

 第1期分譲として130戸が9月に分譲され、現在、約110戸が契約・申込済み。販売を担当する東建不販住宅販売部課長代理・加覧憲一氏は「まずは好調な滑り出し。防犯、防災、コミュニティの取り組みも評価されている」と話した。

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 今秋分譲マンションが軒並み単価上昇していることから、ここも坪単価は230万円ぐらいになるのではと思ったが、213万円というから妥当な単価に落ち着いた。駅からの距離を考えればリーズナブルの単価だろうと思う。設備仕様なども水準以上だ。

 ひとつだけ注文を付けるとすれば、モデルルームのアクセントに用いられている観葉植物や草花だ。

 これはもちろん価格には含まれないのでとやかく言うつもりはないが、立派なニッチに壁掛け型の造花が飾られていたのにはがっかりした。

 スタッフによると、「最初のデザイナーによるモデルルームは緑が少なかったので、生花を増やした」結果、生花と造花がほぼ半分ずつになったそうだ。ならばすべて生花に変えてはどうか。秋の七草でも飾ったら感動ものだ。

 行きも帰りも販売事務所エントランスのキンモクセイが甘い香りを放っていただけに残念だ。

 この前見学した伊藤忠都市開発の「クレヴィア目黒不動前」ではサントリーの「ミドリエ」が採用されていた。分譲単価は100万円以上異なるが、安い単価のマンションだからモデルルームの草花は造花でいいということにはならないはずだ。

カテゴリ: 2013年度

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「ツクリエ」を採用した伊藤忠都市開発「多摩平」が好調

 〝ライフスタイル・ディベロッパー〟を掲げるアート・ボックスの森肇社長から定期的に送られるメールマガジン「TRENDS EYE」の最新号のテーマは「マドリスト」だった。

 メールマガジンでは、「住宅の間取りを見て楽しむ人を“マドリスト”、実際に間取りを作っちゃう人を“マドラー”と呼ぶそうで、そんな間取り図大好きな人間が増えている。最近、実在する変な間取り図ばかりを紹介するブログやサイト、書籍までもが存在し、“間取り図オフ会”まで開催されているという。今やすっかり間取りは面白カテゴリーになっているのだ。現在13万人ものメンバーがいるmixiの『「間取り図大好き!』コミュニティでは、“マドリスト”たちが集まって、間取りを楽しむ鑑賞イベントなどが開かれている。実在しうるヘンな間取り図を収集して、その生活を想像・批判したり、感動したりするのが主な活動だが、回を重ねる毎に参加人数が増えて、『間取り図大好き!』(扶桑社)として書籍化もされた」とある。

 このようなブームの観を呈している状況について森社長は、「今や中古物件のリフォームが主流なのだ。限られた国土で、特に都心の矮小住宅事情の中で、中古物件の間取りを工夫して少しでも広く暮らしたいという気持ちから、間取り図がもはや癒しの存在になっているようだ。一方で、やっと日本もマンション業者の建築条件のお仕着せではなく、自らの住宅ライフスタイルをユーザーから創り上げようとする時代になったとも言える」と指摘する。

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 記者も仕事柄、マンションや戸建ての間取りはよくチェックする。紹介されているような一般の方が書かれた間取りに関する書籍は手に取るだけで買ったことはないが、一般の方が住宅の間取りに関心を持たれるのは結構なことだとおもう。生活者の視点こそが、森社長がいうデベロッパーの〝お仕着せ〟の間取りを変える力になると思う。

 しかし、最近のデベロッパーは〝お仕着せ〟のプランばかりを提供しているわけではない。いい例が、最近分譲された伊藤忠都市開発「クレヴィア豊田多摩平の森RESIDENS」だ。「多摩平」は、中央線豊田駅から徒歩5分の全440戸の大規模マンションで、先に分譲された1期231戸も好調な売れ行きを見せている。

 このマンションでは、〝作る+家〟という発想から生まれた「TSUKURIE(ツクリエ)」が採用されている。現地のマンションギャラリーに備え付けられているパソコンで質問に答えるだけで、ライフスタイルにあったタイプを選別し、提案してくれるものだ。居室の位置や収納、仕様・カラーリングも自由自在だ。最大で500通り以上のプラン選択が可能だ。何よりも操作が簡単なのがよく、来場者の反応もいいと聞いた。

 もともと同社は間取り・収納についてはかなり以前からユニークな提案を行ってきた。最先端のデベロッパーといえるかもしれない。それが今回の新発想に結び付いた。 

 同じようなシステムを採用しているところも増えている。野村不動産のオーダーメイドマンションもそうだし、住友不動産のカスタムオーダーマンション、三菱地所レジデンスの「スマートセレクト構想」「スタイルハウス」などがそうだ。最近では、大成有楽不動産が「新中野」でライフスタイルに応じて間取りプランが変更できるマンションを分譲した。他のデベロッパーも間取り変更、カラーセレクトなどを用意し、ユーザーの希望に柔軟に対応している。一昨日見た三井不動産レジデンシャル「パークタワー新川崎」の間取りは実に動線がよくできていた。

 「マドリスト」のように見て楽しむ時代から、マンション業界は「自分で間取りを作る」時代に変わりつつある。

 参考までに。間取りに関する書籍では故・宮脇檀氏のエッセーが新潮文庫から発行されているし、書名は忘れたが、小説に出てくる家の間取りを再現したものも面白く読んだ。

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「グレーシア調布」完成予想図

単価は280万円 「パルコ」に隣接 歩道空間も確保

 相鉄不動産が近く分譲開始する「グレーシア調布」を見学した。京王線の総延長約3.7㎞に及ぶ地下化と再開発事業により駅周辺が一変する「調布駅」前の一等地のランドマークマンションだ。分譲単価も極めて割安感がある。

 物件は、京王線調布駅から徒歩2分、調布市小島町一丁目に位置する15階建て全120戸(非分譲22戸含む)。専有面積は48.81~74.81㎡、価格は4,000万円台の半ば~6,000万円台の後半、坪単価は280万円。竣工予定は平成27年5月末。設計・監理はタカハ都市科学研究所。施工は大成建設。販売代理は大京、相鉄不動産販売。

 最大の特徴は、調布市の都市計画マスタープランに基づいて建設される再開発マンションであることだ。京王線の地下化に伴い、駅周辺の再開発は歩道空間の確保、建物の高さ制限、商業施設の用途規制などが市の指導により行われている。

 マンションが建つ地域は街づくりのガイドラインに沿って都市型住宅の建設を促進するエリアで、道路拡幅なども併せて行われる。マンションの1~3階までに予定されている商業施設や、マンションの目の前に予定されている京王電鉄の4階建て商業ビル計画も〝嫌悪施設〟が入居することはない。将来にわたって一定の住環境が確保される計画となっているのが最大の特徴だ。

 建物は「パルコ」に隣接。基壇部の外壁はガラスカーテンウォールと御影石で構成。4階以上の住宅ゾーンは白を基調のスタイリッシュな外観となっている。

 住居は南向きの70㎡台の3LDKと西向きの70㎡台の3LDKが中心で、西向き住戸の40~50㎡台は2LDKで構成されているが多くは地権者向けとなる。設備仕様は、住居内の水すべてを浄水する相鉄ピュアウォーターの「良水工房」が標準装備されるほか、グレードアップ仕様のレンジフード、ミストサウナが採用される。キッチンカウンターはフィオレストーンで、玄関収納、引き戸などはすべてソフトクローズ機能付き。

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 記者の個人的なことを言えば、結婚してすぐに住んだのがこの調布(布田)だった。バブルのころ、調布にマンションを買おうと思ったが、坪単価は500万円にも跳ね上がった。20坪で億ションだ。それで断念したわけだが、京王線に住むなら断然調布がいい。

 このマンションについては、以前から見学したいと思っていたが、相鉄不動産の担当者から「まだ価格も発表できない。価格が決まる9月末まで待ってほしい」と言われたため見学を先延ばししてきた。

 単価は極めて割安感がある。記者は坪300万円を突破しても全然驚かない。京王線全体に言えることだが、とりわけ「調布」は他の沿線と比べ割負けしている。しかし、あと5年もすれば街並みは一変する。足りないのはホテル機能ぐらいではないか。

 記者が言わなくとも、ユーザーも将来性を先取りしていて、価格も割安であることが分かっているようだ。同社はあまり宣伝もしてこなかったようだが、調布市民を中心に申し込みが殺到するのは間違いない。2DLKなどは数倍の競争率になるのではないか。

 抽選に外れたら、駅南側で住友不動産が分譲を予定している同じ再開発の16階建ての161戸(専有面積41~70㎡)をお勧めだ。単価は同じになるのか高くなるのか。安くなることはまずないとみた。こちらは「東急ストア」が目の前だ。

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駅前(完成予想図)

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「パークタワー新川崎」完成予想図

「新川崎」「鹿島田」の2つの駅をデッキで結ぶ

 三井不動産レジデンシャルは10月2日、川崎市幸区鹿島田で開発中の47 階建て免震タワーマンション「パークタワー新川崎」のモデルルーム記者見学会を行い、10 月5 日から一般に公開すると発表した。商住一体開発で、マンション全住戸に蓄電池を搭載しHENS連携システムをわが国で初めて導入するほか、「新川崎」「鹿島田」の2駅を新設のペデストリアンデッキで結ぶ。

 物件は、JR 横須賀線・JR 湘南新宿ライン新川崎駅から徒歩3 分、またはJR 南武線鹿島田駅から徒歩4 分、川崎市幸区鹿島田字向島に位置する47階建て全670 戸(事業協力者住戸12 戸含む)。他に店舗3 区画、事業協力者用店舗16 区画。専有面積は45.21~92.04㎡、予定価格は3,300 万円台~8,400 万円台(最多価格帯4,400 万円台)、坪単価は未定だが250~260万円に落ち着く模様だ。設計・監理は松田平田設計。施工は清水建設。竣工予定は平成27 年3 月中旬。

 地権者である三井不動産レジデンシャルや川崎市などが出資した「鹿島田駅西部地区再開発会社」が事業主となっている「鹿島田駅西部地区第一種市街地再開発事業」で、現地の開発面積は約2.3ha。住宅棟と商業・施設棟からなる複合開発。

 従来は狭隘な道路が多くアクセスに難があった「鹿島田」「新川崎」の2つの駅を地上から3層分の高さのペデストリアンデッキで結ぶのも大きな特徴。利便性が一挙に高まる。

 商品企画では、日立製作所・日立マクセルとの共同開発により、“日本初”のマンション各住戸内に設置する蓄電池・HEMS 連携システムを全戸に導入。各住戸の電気代節約と電力需給ピークカットや非常用電源を確保する。また、居住者同士の交流を育む「防災」「エコ」「多世代居住」「コミュニティ」「ユニバーサルデザイン」などのテーマを企画に反映している。「CASBEE川崎」の最高ランク「S」も取得している。

 見学会で挨拶した同社執行役員横浜支店長・徳川浩一氏は、「今回のプロジェクトは、1988年に竣工した『新川崎三井ビル』、約1,600戸の『パークシティ新川崎』とつながる商・住の再開発事業。両駅をペデストリアンデッキで結び利便性の向上にも貢献したい」と話した。

 これまで問い合わせ件数は5,000件超、来場者は1,000件超で、11月に分譲予定の1期1次は280戸ぐらいを予定している。

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リビング

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 なかなか見どころのある、考えさせられるマンションだ。第一に事業者について。再開発や区画整理の事業者には「個人」でもなれるから「会社」でも可能なのだろうが、今回、初めて「開発会社」が事業主になっているのを知った。神奈川県では初だそうだ。「組合」より意思決定がスムーズに行え、事業スピードを上げるのに効果的なようだ。

 もう一つは蓄電池。大きさは幅65㎝、高さ13㎝、奥行き38㎝、重さ24㎏のコンパクトなもので、デッドスペースになっている冷蔵庫の上に棚を設置して置くのだそうだ。1.4kwの放電が可能。「見える化」は、今回は電気とガスだけだが「水」も可能だという。

 「ユニバーサルデザイン」がテーマになっているのも注目される。東京電機大准教授・渡邊朗子氏がプランニングした回遊性が高く引き戸を多用した専有部、建築家・渥美利幸氏が監修した車椅子でも利用できるトイレなど共用部の取り組みが紹介された。

 記者は10数年前、同社が横浜で画期的なユニバーサルデザインをテーマにしたマンションを分譲したのを見学している。今では当たり前になっている浴槽のワンプッシュ排水栓も標準装備されていた。あのときの衝撃度と比べると、専有部の取り組みは物足りなさを感じた。

 縦1列の住戸でいいから他社が真似できないものを採用してほしい。廊下幅は1.2mぐらいにし、トイレスペースは改造すれば広くなるものとか、ドアの幅は90㎝ぐらいにするなどの工夫だ。

 2段のキッチンシンク、段差を設けたキャビネットカウンター、キッチン内を隠せる引き戸などはいいアイデアだと思う。熟年夫婦の入居を想定した夫婦別ベッド(寝室)の提案もいい。キッチンカウンターに採用されているフィオレストーンは「パークホームズ」を含めた同社のマンションで標準化するとも聞いた。共用部の可変性のあるコミュニティスタジオがいい。

 「CASBEE川崎」の「S」を取得しているのは今回で3棟目だから、これは価値がある。

 単価については、年初に「坪単価は300万円を突破する」という噂が流れたが、もしそんな高値になったら批判しようと思っていた。各社が都心部で高値追求するのは大賛成。まだまだ富裕層のニーズに応えきれていないと思うからだ。

  しかし、今回のような郊外部では極力単価を抑え、取得しやすいものを供給すべきだと思う。坪250~260万円には納得だ。グロスも60㎡以下を4割にして取得しやすいようにしているのも正解だろう。

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コミュニティスタジオ(左)とゲストルーム

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 RBA野球大会で三井不動産チームの監督も務めた徳川氏に久々にお会いできてうれしかったのだが、思いがけない歓迎も受けた。

 取材が終わり帰ろうとした16時過ぎだった。子どもたちが「虹だ、虹だ」とはしゃいでいた。空を仰ぐと販売事務所の東側の上空にアーチ形の虹がかかっていた。早速、慣れない手つきで携帯に収めた。

 田舎育ちの記者は小さいころ何度も虹を見た。雨上がりの朝や夕方、山間によく虹がかかった。いまの東京の子どもも大人もそっけない「天気雨」と呼ぶが、我々の地方では「狐の嫁入り」と呼んだ。狐のお嫁さんはあの虹の橋を渡るのだろうかと想像したものだ。

 「新川崎」の将来もまた今日見た虹のように輝いてほしい。

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販売事務所の後方に現れた虹

カテゴリ: 2013年度

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「AQUA VISTA(アクアヴィスタ)」完成予想図

丸紅他「AQUA VISTA(アクアヴィスタ)」イメージキャラに米倉涼子さん

 丸紅(事業比率60%)、住友不動産(同30%)、長谷工コーポレーション(同10%)の3社JVマンション「AQUA VISTA(アクアヴィスタ)」を見学した。都内23区に残された唯一の駅近で単価が180万円台のマンションだ。

 物件は、京成線千住大橋駅から徒歩3分、足立区千住橋戸町に位置する15階建て全308戸。専有面積は70.76~99.05㎡、坪単価は182万円。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は丸紅不動産販売、長谷工アーベスト。竣工予定は平成27年2月。第1章111戸が7月に分譲開始されほぼ完売となっている。

 現地は、総面積12haにも及ぶ再開発「千住大橋駅周辺地区【開発拠点地区】」の総称「ポンテグランデTOKYO」の一角にあり、南側がスーパー堤防を挟んですぐ隅田川という立地。

 建物は、南南西向きの隅田川に面した「ブライトコート」を中心に、南東向きの「ステーションコート」、南西向きの「グリーンコート」の3棟構成。

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 「千住大橋」と聞いて、場所を特定できる人はほとんどいないだろう。北千住か南千住の近くだろうというぐらいは想像するだろうが、京成線の駅名に「千住大橋」があることなど知らない人が圧倒的に多いはずだ。

 記者は再開発が予定されているのは知っていたが、「千住大橋」駅に初めて降りたのは3年前に大成有楽不動産がマンションを分譲開始したときだった。当時の分譲単価は164万円。北千住や南千住では坪200万円を突破していたので、ものすごく割安感はあると思ったが、いろいろ事情があって記事にはしなかった。

 いま改めて駅に降り立ち、再開発計画が具体的に動き出したことを実感した。地所のショッピングモールは来春開業予定で工事が進行しているし、大成有楽不動産は第2弾の「オーベルグランディオ千住大橋エアーズ」(280戸)を分譲中だし、住友不動産も単独で駅前でマンションを分譲している。駅周辺には喫茶店もないが、街が一変する予感は感じることができる。

 今回の物件は、駅近で南側がすぐ隅田川というのが最大の特徴だ。隅田川沿いのマンションは少なくないだろうが、川が蛇行しているので、南側に川が見えるのは希少価値がある。いまから3年ぐらい前にコスモスイニシアが関屋駅で分譲して人気になったのがその一つで、記者も記事にしているが、単価は200万円を超えていた。

 その事例からすれば、このマンションは坪200万円ぐらいになっても不思議ではないが、やはり現在は何もない街であることから価格は低めに設定されたのだろう。第1章101戸が瞬く間に売れたのも納得だ。現在、駅近でこの単価水準のマンションは23区では皆無ではないか。マイナーなイメージを払しょくするためもあるのだろう、イメージキャラクターに女優の米倉涼子さんを起用しているのも「大正解」のようだ。米倉さんを起用したマンションでは10年ぐらい前、オリックス不動産などの横浜の物件がある。申し込みが殺到したのを思い出した。

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 「ポンテグランデTOKYO」について少し触れておく。詳細は街づくりを主導しているUR都市機構のホームページで確認していただきたい。

 住宅街区はB~Hまで7街区あり、C街区は先に触れた大成有楽不動産が2年前に分譲開始した「オーベルグランディオ千住大橋」(251戸)が完成済み。同社が現在分譲中のマンションはH街区だ。そして、丸紅他の今回のマンションはD街区だ。

 このほかの街区の詳細は、Bについては土地所有者のURが更地として順次公募していく。価格は坪100万円を超えるとみられている。川沿いのE、Fは150mぐらいの超高層、Gは90mぐらいの高層マンションになる予定。土地所有者はいずれもニッピ。デベロッパーとしてはのどから手が出そうな土地だろうから、分譲単価は200万円をはるかに超えてくるとみたがどうだろう。公共施設については今年度中に終了する予定だ。

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「クレヴィアタワー目黒不動前」完成予想図

 伊藤忠都市開発の「クレヴィアタワー目黒不動前」を見学した。同社の首都圏での「クレヴィア」シリーズでは初のタワーマンションで、坪単価330万円も過去最高単価、品川区初の免震「長期優良住宅」認定も取得している。

 物件は、東急目黒線不動前駅から徒歩4分、またはJR五反田駅から徒歩10分、品川区西五反田3丁目に位置する21階建て全138戸の規模。専有面積は42.05~73.87㎡、坪単価は330万円。竣工予定は平成27年2月。設計・施工は三井住友建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。すでに第1期55戸が完売している。

 現地は、山手通りに面しており、建物は敷地境界線から約10mセットバックして建てられており全戸南向き。免震構造を採用したほか、三井住友の「Sulatto3(スラット3)」構法により南側の開口部の梁をなくし約2.2mのハイサッシを実現した。共用部分にはサントリー・ミドリエを配置。

 住戸プランは、単身女性に人気のエリアであることを重視し、1LDKタイプを40戸、2LDKを62戸それぞれ設置し、全体の74%を単身・DINKS向けとしているのが特徴。

 販売事務所ではキヤノンMRシステム「MREAL」によるバーチャル見学が可能。「免震構造」もよく見える。

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サントリー・ミドリエ

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 最近見学しているマンションの単価予想は三菱地所レジデンスの「千鳥ケ淵」以外はことごとく外している。デベロッパー各社がみんな強気な価格設定をしているからだ。ここも現地を見て坪単価330万円とはじいたが、担当者に「私は330万円ぐらいだと思うが、もっと高いんでしょう」と聞いたら「いえ、330万円です」と答えが返ってきた。

 単価は決して安くはないが、建築費が上昇していること、免震タワーであることなどを考えるとリーズナブルなものだろうと思う。

 単価予想が的中したのもうれしかったが、それ以上にうれしかったのは、記者が推奨しているサントリー・ミドリエが販売事務所の正面に飾ってあったことだ。大きさは幅約8m、高さ約2m。完成後のマンション共用部分にも同じミドリエが設置されるという。

 72㎡のモデルルームは動線とカラーリングがいい。デザイナー・別府ひとみ氏がコーディネートしたもので、キッチンカウンターはフィオレストーンを採用。ドアノブは台座まで一体となったもの。引き戸はソフトクローズ機能付き。格子デザインやグレーが基調の建具・ドアなども採用されている。

 敷地の周囲には8~9階建ての建物が建っているが、それ以上のフロアからは北側の都心方面も望める。1期完売も納得だ。

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建築現場

カテゴリ: 2013年度

  

 野村不動産・三井不動産レジデンシャル・積水ハウス・阪急不動産の4社が新宿区富久町で開発中の「Tomihisa Cross」内のマンション「Comfort Tower」第1期482戸が9月21日に登録を締め切った結果、769件の申し込みがあり、最高8倍、平均1.6倍の競争倍率で即日完売した。第1期の販売戸数482戸は2013年のマンション供給数で全国1位の記録。

 第1期の価格は3,198万~17,570万円(最多価格帯6,500万円)、専有面積は36.22~120.65㎡。

 申込者の属性は、平均48.8歳(40歳台22%、50歳台26%、60歳以上22%)。家族数は平均2.3人。職業は会社員46%、役員・オーナー19%、医師10%。居住地は新宿区20%、港区5%、その他23区42%。現居住形態は持ち家58%、借家29%。

◇       ◆      ◇

 坪単価330万円、最多価格帯6,500万円の富久町のマンションが一挙に482戸も売れるなんて信じられない。記者の相場観からすれば最多価格帯はアッパーで6,000万円だ。これは完全にアベノミクスに金利先高観、価格先高観、消費増税などの様々な要因がミックスされた結果だ。

 申込者の年齢で60歳以上が22%もあり、居住地は23区が42%で新宿区以外が圧倒的に多いのも驚きだ。富久町に縁のある人が買っているのだろうか。港区も5%あるが、港区内では坪単価330万円という物件は姿を消しつつあるからだろうか。豊島区池袋だって坪350万円だ。やはり富久町は安いのか。記者には理解できない。一昨日見学した伊藤忠都市開発の「クレヴィアタワー目黒不動前」も坪単価は丁度330万円だった。

地揚げから30年 坪330万円のマンションに再生「Tomihisa Cross」(9/5)

 

 

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ウェリス代官山猿楽町

車寄せにせせらぎ 〝シンプル イズ ベスト〟住戸内は白が基調

 NTT都市開発が分譲中のマンション「ウェリス代官山猿楽町」を見学した。〝シンプル イズ ベスト〟-久々に本物の億ションを見た。

 物件は、東急東横線代官山駅から徒歩5分、渋谷区猿楽町の第二種低層住居専用地域に位置する地下2階地上3階建て全44戸の規模。専有面積は64.30229.72㎡、坪単価は585万円。設計・監理NTTファシリティーズ設計協力アーキサイトメビウス施工鹿島建設竣工 平成255。販売代理は三菱地所レジデンス三井不動産レジデンシャル7月末から分譲開始されており、現在までに30数戸が契約済み。地方の購入者も2割。

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エントランス

      ◆      ◇

 久々に本物の億ションを見た。億ションとは果たして何かという概念だが、記者はひと言で言えば、1億円以上のマンションにふさわしい住環境と建物の〝品格〟だと思う。かつて億ションの立地はほとんどが住居系立地だった。たまに商業系も分譲されたが、工業系などは皆無だった。億住戸をたくさん含んだタワーマンションが最近はたくさん分譲されているが、これらは厳密な意味で億ションではない。

 その意味で、今回のマンションは間違いなく億ションだ。「代官山ヒルサイドテラス」に近接した住居系用途が億ション立地の第一の条件を満たしている。

 建物も品格がある。品格とは一体何ぞやという問題もあるが、記者は「凛とした美しさ」だと思う。外観は南安錆びの自然石を採用。すっきりしたデザインでさりげなく高級感をかもし出している。

 地下駐車場(52台収容)の石張りの車寄せには「ららせぎ」を設置。エントランスのドアや住戸内のドアはウォールナットのスプーンカット仕上げを多用。このほか共用部分や住戸内の床は全て白系の大理石がふんだんに用いられている。エントランスの正面には堀木エリ子氏の和紙アートが、その奥には浅見貴子氏の墨の絵画が飾られている。 住戸内のデザインは白が基調。これも美しい。天井高は約2700ミリ。

 なぜ「凛とした美しさ」をこのマンションは備えているか。もちろん設計・監理を担当したNTTファシリティーズ、設計協力のアーキサイトメビウスの設計力もあるのだろうが、鹿島の施工力もあると思う。「赤坂」「加賀」「代官山」などに代表されるように、とにかく鹿島のマンションは美しい。

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ロビーラウンジ

      ◆      ◇

 このマンションについては、2年前、野村不動産がもう少し先で分譲した「代官山」を見学したときに現地を見ており、どのようなマンションになるか興味を抱き、必ず見学しようと思っていた。たまたま本日、アパの記者発表会があったので見学した。

 正直に話すと、こんな素晴らしい億ションになるとは夢にも思っていなかった。億ションといえば、三井不動産レジデンシャルが図抜けている。他のデベロッパーがどんなに頑張っても抜けないだろうとずっと思ってきた。もし、肩を並べるとすれば既存のデベロッパーではなく積水ハウスとか新日鉄などの異業種ではないかと考えてきた。同社には失礼だが、まさか億ションに挑戦するとは思わなかった。これまで大手とのJVを通じてノウハウを蓄積してきたのだろう。

 今回の億ションは、高額マンションとしては「ウェリス有栖川」(57戸、坪単価585万円)、「ウェリスタワー愛宕虎ノ門}(110戸、坪単価450万円)についで3棟目だそうだ。いずれも順調に売れているという。「NTT」のマンションブランドが大手を脅かす時代が来るかもしれない。そんな予感がする今回のマンションだ。車寄せにせせらぎを設けたデベロッパーなど聞いたことがない。

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車寄せのせせらぎ(写真ではよく分からないが、水が流れる音やきらめきが見事に演出されている)

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