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元谷外志雄氏と元谷芙美子氏
 

 アパの代官山のマンションは新居千秋氏が設計監修を担当し、坪単価は650万円-アパは920日、201111月に奈良県から取得した代官山の用地(約517坪)でマンション「THE CONOE<代官山>(ザ・コノエ代官山)」の記者発表・起工式を行なった。

 発表会でアパグループ代表・元谷外志雄氏は、「代官山にふさわしいものをつくるため、一層気合を入れて、設計監修を新居さんに依頼した。これまで『CONOE』ブランドで展開してきたが、超高級路線にふさわしい最上級の『THE CONOE』にした。現段階で価格は発表しない」と語った。また、アパホテルの元谷芙美子社長は「憧れの地に力の集大成として万感の思いを込めた」と話した。

 物件は、東急東横線代官山駅から徒歩1分、渋谷区恵比寿西1丁目に位置する敷地面積約1,700㎡、延床面積約10,516㎡の地下2階地上13階建て。戸数は109~120戸。設計・監理はIAO竹田設計。設計監修は新居千秋都市建築設計。施工は日本国土開発。

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現地

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 早朝に行なわれた会見場に集まった記者の数は会場に入りきれないほどの約50人(記者でない人も相当いたはず)。質問は2人に制限された。記者も手を上げたが、質問は打ち切られた。約30分の会見は、ほとんどが元谷氏の〝独演会〟に費やされた。

 聞きたいことは、いったいいくらぐらいで分譲されるかだ。同社が用地を取得した段階では坪単価500万円もあると予測したが、最近の市場動向と同社の意気込みからして600万円をはるかに超え650万円ぐらいになるのではと予測した。ある関係者は「いい線」と話した。専有面積は120戸として57㎡が中心になるが、109戸のプランも浮上しており、そうなれば平均で60㎡ぐらいになると予想される。最上階は面積にもよるが、3億円を突破しそうだ。

 設計監修に新居氏を起用したのは大正解。新居氏は10年ぐらい前、この代官山でも素晴らしいマンション「Brillia代官山プレステージ」を手掛けている。(坪単価、専有面積はあくまでも記者の予想。元谷社長は「マンションは市況商品。私も分からない」と話した)

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新居氏

 

アパ 代官山の一等地でマンション用地取得(2011/12/15)

アパの逆襲 業界初のソフトクローズ機能付きドア採用(2010/9/27)
代官山〝ヒルサイドに負けない〟マンション(2006/2/25)

カテゴリ: 2013年度

 

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「デュオヒルズ府中多摩川」完成予想図

初の食洗機標準装備 ドアスコープは2カ所に設置

 

 フージャースコーポレーションが分譲中の「デュオヒルズ府中多摩川」を見学した。京王線聖蹟桜ヶ丘駅からのバス便物件だが、単価138万円が圧倒的に安いマンションだ。

 物件は、京王線聖蹟桜ヶ丘駅からバス7分・徒歩6分、府中市四谷5丁目に位置する8階建て全187戸の規模。専有面積は65.4491.18㎡、近く分譲する住戸(9戸)の価格は 2400万円台~3800万円台、坪単価は138万円。竣工予定は平成262月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 現地の用途地域は工業地域だが、かなりマンション化が進んでおり、敷地南側は戸建て予定地で、2棟のマンションも近接している。敷地北側は「四谷下堰緑地」。徒歩1分にショッピングセンターがある。

 建物は南向きで、ファミリータイプがほとんど。〝贅肉をそぎ落とした〟マンションではあるが、その一方で、①ドアスコープは大人用と子ども用の2カ所に設置②ドアノブはメーカーと共同開発したユニバーサルデザインのもの③トイレも含めたドア把手は壁面まで後退④合理的な収納⑤食洗機を標準装備-など、子育てファミリーに配慮した住戸プランを盛り込んでいるのが特徴。駐車場台数は住戸の約6割。シャトルバス(月額700円負担)が運行される。

 7月から分譲開始しており、1期(30戸)が完売。販売を担当する原紘美さんは、「この前の台風にも関わらず3連休で26件の来場があった。担当者3人でてんてこ舞いの忙しさ」と話していた。

      ◆      ◇

 この現場はよく知っている。夜中にタクシーで家に帰るとき、近くの国立I.C.で降り、現地近くを通って「府中四谷橋」に向かうコースを辿った。工場地域ではあるが、最近はマンション化が進んでいる。10数年前、日本綜合地所が100㎡マンションを分譲したときも取材しており、「30坪のマンションが4,000万円以下で買える」などとあるテレビ局のニュース番組でしゃべったものだ。いまでもこの日本綜合地所のマンションは人気があるそうだ。

 さて、今回のマンション。決してアクセスに恵まれているわけではない。しかし、価格が圧倒的に安い。普通のサラリーマンでもそれこそ〝家賃並み〟で取得できる価格帯だ。

 嬉しいのは、同社としては初めて食洗機を標準装備したことだ。お金持ちは食洗機がオプションだろうと標準装備だろうとあまり関係ない。しかし、忙しい共働きの主婦(あるいは主夫)にとって食洗機は必需品だ。

 もう一つは、ドアスコープが2カ所ついていることだ。来訪者はモニターで確認はできるが、戸別の大人用のドアスコープでは子どもは確認できない。記者を含め男性はドアスコープなどのぞいたことがないだろうが、女性や子どもはほとんどが確認するのだろう。同社は「車椅子を利用されている方などが住む有料老人ホームの販売代理をしたことがヒントになった」(原さん)という。

 マンション市場は大手の寡占化が進んでいるが、こうした生活者目線の商品企画こそ中堅に求められていることだ。同社は女性社員の多いことで知られるが、もっともっと登用してほしい。女性役員が1人もいなくなったのはどういうことか。

 

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原さんが撮影した「四谷下堰緑地」に咲いている彼岸花

 

カテゴリ: 2013年度

 〝東京23 の壁〟3人に1人-オープンハウスは9月18日、東京23区に居住する住宅取得検討者の「23区内への居住志向」は83.5%と高いものの、「購入する自信がない」という人は3人に1人(33.8%)に上っているという調査結果をまとめ発表した。

 調査は、東京23区内に居住していて、住宅購入を検討している30 代~40 代既婚男女200 名を対象に行なったもの。

 購入する自信のない3大理由としては、「資金不足」(60.9%)「価格を理解」(43.8%)「借金への気後れ」(35.9%)があることがわかったとしている。

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 調査結果は、このところのマンション価格の上昇を映し出した。23区内のマンション単価は人気エリアでことごとく坪250万円を突破してきており、200万円以下というものも駅近では絶望的だ。グロスにすると20坪で5,000万円以上というのが相場だ。2223坪のファミリー型だと6,000万円近くなる。普通のサラリーマンが無理なく取得できる価格ではない。

 今後も、円安・資材高・職人不足を背景に〝マンション人気〟も加わり価格がさらに上昇するのは間違いない。まだ坪200万円以下のエリアも多い都下、神奈川、埼玉、千葉方面にシフトせざるを得なくなりそうだ。

カテゴリ: 2013年度

坪単価は東建「池袋」と同じ350万円

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「グランドミレーニア」完成予想図

 東京建物の「Brillia Tower池袋」が瞬く間に即日完売したと思ったら、間髪を入れず、住友不動産が池袋のタワーマンション「グランドミレーニア」の分譲を開始した。こちらは、池袋駅から徒歩6分、目白駅へも徒歩9分の近さと環境が売りのマンションだ。

 物件は、JR山手線池袋駅から徒歩6分、または目白駅から徒歩9分、豊島区南池袋一丁目に位置する31階建て全411戸。第1期1次(45戸)の専有面積は43.08~82.59㎡、価格は4,880万~9,280万円(最多価格帯7,180万円)。坪単価は未定だが、350万円程度になる模様だ。竣工予定は平成27年2月中旬。施工は前田建設工業。

 現地は、明治通りに面しており、同社住宅分譲事業本部東京事務所営業一課主任・高松稔氏によると「住環境がいい」免震タワーマンションというのが特徴。さらに、「歴史を変えるタワーマンション 3つのポイント」として「ゲート&ハンズフリー」「全住戸ワイドフロンテージ&アウトフレーム」「ダイナミックパノラマウインドウ」を掲げる。

 セキュリティゲートを設けて安全性を重視し、コンパクトタイプでも間口を広く取り、天井高2600ミリを利用して床立ち上がりからバルコニーのない眺望が望めるというものだ。

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 東京建物の物件でも記事にしたが、記者はどうも池袋を好きになれない。繁華ないかがわしい街のイメージでしかない。最近のことだが、取材途中で西武線に乗ろうとしたとき、作業着姿のあちこちにピアスを付けた若者とぶつかった。若者が携帯を落とし「携帯が壊れた。どうしてくれる」とすごまれ5,000円を弁償させられた。

 交番に駆け込もうかとも思ったが、取材のほうが大事だし、恐喝の手口を取材しようという気持ちも手伝ってお金を渡してしまった。脅しの手口は誰かに教わったのだろう。脅迫罪や強要罪が成立する言葉を待ったが、微妙に避けた。目に輝きがなく、まだあどけなさも残る青年だった。「大阪から仕事できた」と言った。新手のいわゆる〝カツアゲ〟であることを後で知った。

 しかし、今回の物件が立地する「南池袋」は、高松氏が言うように「繁華な街を通らなくて済む」ところであるのも確かだ。現地はかつて西武鉄道・西武不動産の本社機能があったところにも近接しており、よく通ったところだ。近くの交番のおまわりさんにも聞いた。「時々110番はありますが、駅周辺と比べ安全。いかがわしい施設? ありません」とのことだった。

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 坪単価について。東京建物が350万円で即日完売したのなら、こちらも同じ単価なのだろう。グロスは抑制しているが、「区庁舎一体&隈研吾」に堂々と同社は単価で挑む。モデルルームタイプの82㎡は白と黒が基調のデザインで、廊下・ホールの幅は約1.2mあり、リビングドアは幅1.2mの親子ドアを採用。全て購入希望が入っているという。

 他の住戸プランは、立地条件を考慮してだろう。2階から12階までは60㎡未満のコンパクトタイプばかりで、13階以上でも70㎡超は19戸しかない。これは正解だろう。販売に関しては高松氏も自信満々だった。それどころか、モデルルームがある池袋の総合マンションギャラリーは「手狭になってきたので近く増床も予定している」と話す。今回の「グランドミレーニアム」だけでなく、同じ池袋駅圏の「ダイレクトタワー池袋要町」(91戸)や、小石川植物園に隣接したマンションのモデルルームもこちらにできるのだそうだ。

 同社の注目物件といえば、複合タワーマンション「高田馬場」(361戸)もあるが、こちらは新宿の総合マンションギャラリーにモデルルームをオーブンする。

東京建物「Brillia Tower池袋」はなぜ売れたか(9/9)

 

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坪単価800万円でも最多27,000万円台でも平均5倍 

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、「ザ・パークハウスグラン千鳥ケ淵」(完成予想図)

 三菱地所レジデンスは9月17日、「ザ・パークハウスグラン千鳥ケ淵」(全73戸、分譲戸数22戸)が9月16日に抽選分譲した結果、最高13倍、平均5.1倍で即日完売したと発表した。

 価格は16,000万~54,200万円(最多価格帯27,000万円台)、専有面積は72.26~179.17㎡、坪単価は800万円。最高13倍をつけたのは16,900万円の1LDKの住戸で、54,200万円の住戸も10倍の競争倍率となった。

 登録者の年齢は30代(6.6%)、40代(16%)、50代(32%)、60代以上(43%)。居住地は千代田区16.5%、港区12.9%、渋谷区4.9%。

 同社によると、お客様から評価された理由として、「千代田区三番町に位置し、全住戸から千鳥ケ淵と皇居の森を望む、全戸南東向きの配棟計画」を第一にあげている。

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 平均5倍の競争倍率と最高価格住戸に10倍の倍率がついたのには驚いたが、即日完売はある意味では当然だ。

 今だから書くが、この物件の記者発表会があった日、記者は30分の余裕をもって発表会場に向かった。近接する三井不動産レジデンシャルの「千鳥ケ淵」をみて、そして同社の物件の現地を観察して、坪単価を予想するためだった。そこで出した結論は、「絶対に三井の778万円を抜く」というもので坪800万円だった。「唯一無二」の立地にふさわしい価格設定が出来ないようであれば、三菱は永遠に三井を抜けないだろうと思った。

 道に迷ったため、会場には30分くらい遅れた。すでに単価が発表されていると思い、近くにいたスタッフに「坪単価は800万円? 」とメモして渡した。その通りだった。今回の即日完売で、高額マンション市場に三菱は大きな楔を打ち込んだ。

 それにしても、最高価格の住戸に申し込んだ10人はどのような人だろうか。同じような「唯一無二」のマンションはこれからどこがどこで分譲するのだろうか。 

皇居が一望できる唯一無二のマンション 三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」(8/5)

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完成予想図

 野村不動産は9月12日、安藤ハザマと共同で事業参画している「阿佐ヶ谷住宅建替え計画」で全員合意が得られ、等価交換方式で建て替えを行なうと発表した。平成26年秋に工事着工し、平成28年内の建物竣工を目指す。

 「阿佐ヶ谷住宅」は東京メトロ丸の内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩5分、南側には善福寺川緑地が広がる、閑静で緑豊かな環境に恵まれた低層住宅街に位置。敷地面積約5ha、2階建て連棟式のテラス(タウン)ハウス45棟と3~4階建て階段室型の中層団地7棟で構成された総戸数350戸の団地。竣工は昭和33年。

 平成7年に再開発委員会が発足し建て替えの検討が進められ、平成21年に「成田東4丁目地区」地区計画の都市計画が決定された。土地の権利形態が明確に整理されておらず、複雑に入り組んでいたため「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」の適用が難しく、権利者全員の合意による等価交換方式を採用した。地権者は約150名。同社は平成15年から事業参画していた。

 建て替え後は2~6階建て約580戸(うち分譲住戸約380戸)になる。設計・コンサルタントはINA新建築研究所。 

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 数年前に現地を歩いたことがある。駅から現地までのアプローチはそれほどよくないが、現地そのものは善福寺川緑地に隣接。極めて良好な住環境にある。価格は同社の「桜上水」よりはるかに高くなりそうだ。

カテゴリ: 2013年度

 

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「グランドメゾン狛江」中庭(左は樹高20mはありそうなヒマラヤスギ)

 積水ハウスの「グランドメゾン狛江」が竣工したので見学した。昨年の6月にモデルルームを見学したとき、竣工したら必ずもう一度見学しようと決めていたマンションで、そのとき書いた記事が間違いでないことを確認するのが目的だった。間違いでないどころか、想像以上の出来栄えだった。

 物件は、小田原線狛江駅から徒歩6分、狛江市和泉本町1丁目に位置する9階建て・14階建て全524戸の規模。建物は712日に竣工済み。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 現在分譲中13戸の価格は4,400万~5,790万円(最多価格帯4,400万円台)。平均坪単価は210万円。約85%が契約済み。
 

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「里山遊歩道」(日照りが続いたが、枯れている草花はほとんどなかった)

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 昨年6月に書いた記事を紹介する。記事は「ダブル創エネ」についてはリリースを参照していただきたいとしたうえで、次のように書いた。

 「敷地は、開発面積約20,000㎡を超える東京航空計器の跡地だ。敷地内にあった高さ20mを超えるヒマラヤスギやケヤキ、イチョウなどの既存樹約100本を残したほか、約18,000本を植樹するとのこと。生態系の再生を目指した〝3本は鳥のために、2本は蝶のために〟という同社の「5本の樹」計画に基づくもので、外周を里山遊歩道で囲い、多摩川の情景を再現した多摩川ガーデンや2カ所の提供公園などを配している。

 建物は、板状にせず分節し、公道に面した敷地南側や西側は中層とし、さらに雁行させることによって日照・通風に配慮するとともに圧迫感を軽減している。

 子供から大人まで楽しめる絵本ライブラリーを共用部分に設置するほか、子どもの五感を刺激するこどもOSランゲージを住まいに具現化した「五感スイッチ」も敷地内に盛り込む。更に、共用棟の屋上は緑化を施し、テラスや菜園、コミュニティ施設が計画されている。

 住戸プランでは、通風性に配慮し玄関横に通風用小窓が設置してある他、リビングダイニングルームには、屋外とつながる大型のサッシを採用。最大約3.3メートルのバルコニー付きや、インナーバルコニーと名づけた奥行き約4メートルのバルコニーに面したリビング・ダイニングはバルコニーとリビングが一体として利用できるようにしている。

 このほか建具・面材の仕様も高く、床は突き板を採用。デザイン性に優れた洗面室や〝洗面室3点セット〟の提案もいい。都のマンション環境性能表示制度では、満点の☆15個に1つだけ欠ける14個を獲得している

 次のようにも書いた。

 「マンションの植栽計画では同社の右に出るデベロッパーはいない。これまで分譲した『東京テラス』(1,036戸)『グランドメゾン杉並シーズン』(684戸)『玉川上水グランドメゾン』(318戸)『グランドメゾン東戸塚』(743戸)などにも感嘆したが、今回は建築中の段階でも、完成後の素晴らしい景観が見えてくるようだった」
 

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里山の谷川を連想させる中庭(このように自然に近い状態の中庭をつくるのは同社だけだろう)

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 完成済みのマンションを見て、基本的に変更する部分はない。「完成後の素晴らしい景観が見えてくるようだった」ということについて、写真をたくさん撮ったので紹介しよう。

 まず、敷地の外周部に配された公開空地と「里山遊歩道」。計ったわけではないが、「里山遊歩道」は総延長約300メートル。幅は5~10メートル。「東京テラス」は植栽帯が道路面より数十センチ高いところに設けられていたが、こちらは足元に四季折々の草花を眺められるようになっている。

 提供公園には高さ20mを越えるヒマラヤスギが植わっていた。建物の雁行部分には既存のイチョウの大木が移植されていた。

 中庭がまたすごい。どこの山に登っても見られるような堆積岩(都賀石)が谷川を連想させるようにアトランダムに配置されていた。まさにわが故郷の里山がそこにあった。

 

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エントランス(左)とラウンジ(床は無垢材)

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 同業ですら積水ハウスのマンションを見たことがない人は多いだろうから、ましてや一般の方は、同社のマンションを見たことがない人が圧倒的に多いかもしれない。買う買わないはともかく、見せてはくれるだろうから、一度見学を勧める。

 このマンションによく似たマンションがこれから分譲される。同じ長谷工コーポ施工の東急電鉄「ドレッセ二子新地」だ。こちらは田園都市線二子玉川駅から一駅先のやはり工場跡地。若干、敷地規模は「狛江」より小さいがそれほど差はない。単価は240万円。二子玉川の相場は350万円を越える。

 「狛江」も成城学園前駅から2つ目の各駅停車駅。成城の分譲事例は最近はないが、やはり坪400万円近い。多摩川も徒歩圏だ。

 完成後の建物を案内してもらった同社東京マンション事業部販売部部長・伊藤啓一氏は「当初は小田急沿線の方の来場・成約が中心だったが、渋谷駅も下北沢で乗り換えれば新宿までの18分より近い14分ということから、田園都市線の居住者の来場も増えているいる」とのことだ。伊藤氏は、「このマンションは『東京テラス』『杉並シーズン』『東戸塚』などの集大成として位置づけている。他のマンションのような10年後の植栽が竣工時でも確認していただけるはず」と物件の特性について話した。

 「二子新地」か「狛江」か。悩ましい選択だ。

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中庭に面した住棟の外観

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住棟の直ぐ側にヒマラヤスギの巨木

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遊歩道に咲いていたアオイ

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狛江市役所前のヒマラヤスギ(街路樹はかくあるべし) 

ランドプラン評価され「高度許可」を取得 東急電鉄「ドレッセ二子新地」(8/30)

植栽計画が見事な積水ハウス「グランドメゾン狛江」(2012/6/6)

 

カテゴリ: 2013年度

 

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「パークホームズ清澄白河」完成予想図

 三井不動産レジデンシャル910日、「パークホームズ清澄白河」第1149戸を83日に抽選分譲した結果、即日完売したと発表した。

 東京メトロ半蔵門線水天宮駅から徒歩9分、江東区佐賀2丁目に位置する15階建て全159戸(うち販売戸数95戸)。専有面積は53.4292.29㎡、価格は3,908万~8,778万円(最多価格4,800万円台)。坪単価は254万円。施工は三井住友建設。来場者は約310組。

 申込者の平均年齢は41歳。家族数は平均2.6人。職業は会社員が63%。

カテゴリ: 2013年度

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「桜上水ガーデンズ」鳥瞰図

分譲坪単価は「月島」や「富久町」と同じ330万円 調布より高い?

 

 野村不動産と三井不動産レジデンシャルは9月10日、旧住宅公団「桜上水団地」の建て替えマンション「桜上水ガーデンズ」の記者発表会を行なった。1964年の東京オリンピックの翌年に竣工した17404戸を9棟878戸に建て替えるもので、全棟免震構造を採用、約4.7haの広大な敷地を生かした住棟配置が特徴。

 物件は、京王線桜上水駅から徒歩3分、世田谷区桜上水四丁目に位置する614階建て全878戸(非分譲364戸含む)。専有面積は58.48 111.84㎡、価格は未定だが、坪単価は330万円前後になる模様。入居予定は平成278月下旬。設計・監理は日建ハウジングシステム。施工は大林組・清水建設。

 敷地が位置する地域の建ぺい率は60%、容積率は200%で、地区計画によって高さ制限が45mに定められていることもあって、建物の建ぺい率は約41%、容積率は約161%に抑えられている。広大な敷地を生かして既存樹約180本を残し、新たに約360本の高木を配し、緑を再生した。全住戸の54%に相当する476台の駐車場は全て建物内と敷地内の地下に配し、人工地盤上の緑化も図っている。

 住戸プランは3戸から5戸に1基の割合でエレベータを設置し、両面バルコニータイプを多く取り込んだ。天井高は約2.6m。2.2mのハイサッシも採用している。

 モデルルームは今週末からオープンし、11月に第1期(マックスで278戸)を分譲する。資料請求は約5,000件で、京王線沿線だけでなく山手線内の居住者の問い合わせも多いという。

 従前団地は、平成元年に建て替えを目指す「考える会」が発足。バブル崩壊を経て同18年に建て替え決議を行なったが、全体の5分の4の同意は取りつけたものの、棟別の3分の2以上の同意が得られず成立しなかった。結局、同21年の3度目の集会でようやく建て替え決議が成立した。両社は同14年から事業協力者として参画していた。

 発表会に臨んだ野村不動産 執行役員 開発企画部住宅事業本部 プロジェクト開発グループ担当の松崎雅嗣氏は「これまで大変な苦労があった。法を整備して建て替えの迅速化を図るべき」と語り、同部マンション建替推進部長の森重克人氏も「全員合意を前提とする一団地認定の廃止に4年も要した。1317件を裁判に持ち込まざるをえなかった」と、建て替えを迅速に進める法の整備を訴えた。

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エントランスゲート

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 もっとも注目したのが坪単価だった。関係者から単価は300万円をはるかに越えるということは聞いていたが、京王沿線に三十数年住む記者にとっては「これは高い」というう印象を受けた。同沿線でもっとも街のポテンシャルが高いのは調布、府中、聖蹟桜ヶ丘で、街の機能が揃っているのは多摩センターだ。住むにはいい街では千歳烏山、仙川、若葉台あたりか。明大前は便利だが、富裕層・アッパーミドルが住む街ではない。

 桜上水もいい街ではあるが、商業施設など生活利便施設が乏しいのが最大の難点だ。330万円というのは「富久町」や「月島」と同じ単価だ。「武蔵小杉」よりも「晴海」よりもはるかに高い。同じ京王線では三井不動産レジデンシャルの「浜田山」が坪単価400万円だったが、こちらはいかにも富裕層向けのマンションだ。近く調布駅前で分譲される再開発マンションはひょっとすると300万円を切るかもしれない。

 この単価設定について「高くないか」と質問した。同社広報部長の北井大介氏は「マンションの価値は単価だけではない。二度と出ない立地で、免震や緑化も図った。最上級のマンションで、価格は妥当と考える。お客さまにも評価されるはず」と答えた。確かに。北井氏が話したように、高いか安いかはお客さんが評価することだ。

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 話題を提供しよう。このマンションの設備仕様は野村不動産の「プラウド」でも三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ」でもない。事業比率は公表されていないが5050のはずだ。まさか「アトラス ブランズタワー三河島」のよう「プラウド桜上水パークホームズ」などの名称は付けられないだろうが、双方のブランド名がないのも「おやっ」と思った。これは組合の意向だろう。

 さらにもう一つ。この前の「富久町」では「第九」がBGMに使用されていたが、今回はバッハの有名な「G線上のアリア」のバイオリン独奏音楽が流れた。

 記者は来年、野村不動産が仙川で分譲する駅7分の275戸のマンションに注目している。単価にして「桜上水」より50万円は安いはずだ。こちらは何とか京王線のサラリーマンにも手が届くか。「桜上水」と「仙川」は競合するのかしないのか。

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中庭

 

 

カテゴリ: 2013年度

「アベノミクス・豊島区ナンバー一」に反応した富裕層・アッパーミドル

 当欄でも紹介したが、東京建物・首都圏不燃建築公社「Brillia Tower池袋」全322戸がわずか7週間で完売した。7,000万円超の住戸が80%以上で、2億円台の住戸2戸も8倍と6倍の競争倍率をつけ、現金での購入も4割あったというから驚きだ。平均の競争倍率が2.7倍というのは、倍率優遇があったバブル期なら10数倍になる。

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 実はこのマンションについては、人気になりそうな7月あたりから「なぜ、なぜ、なぜ」という疑問が澱・トゲのように心にわだかまっていた。記者発表時のときに予想した「坪単価330万円」をはるかに上回る「340~350万円になりそうで、それでも売れる」という情報を関係者から聞いたからだ。最多価格帯にすれば500万円の差だ。単価予想には絶対的な自信があっただけに、それが覆されることにショックを受けた。

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 この疑問が、6日に行われた「契約者来場イベント」の取材でいくらか解けた。単価予想を外した理由、どうして人気になったかの要因が分かったからだ。

 まず単価から。記者は「区庁舎との一体開発」「隈研吾氏のデザイン監修」「駅直結」「堅固な建物」などは評価しつつも、「池袋駅圏」をマイナス評価した。アッパーミドル・富裕層が住む街ではないと判断したからだ。

 ところが、購入者の判断は異なっていた。確かに池袋駅圏のマンションではあるが、繁華街の池袋ではなく、文京区に近い豊島区のナンバー一のマンションであるとユーザーは判断したようだ。確かに、これまで池袋駅周辺を含め豊島区ではアッパーミドル・富裕層の心を動かすマンションはあまり供給されてこなかった。地元から離れたくない方が港区や渋谷区、湾岸の高額マンションに興味を示さないというのもよく分かる。

 その典型的な例の方から話を聞くことができた。石神井公園の一戸建てに住む購入者の一人、元会社経営者のAさん(84)だ。

 Aさんは「自宅の手入れは2人では手に負えなくなってきた。もう終活の一つですよ。息子と一緒に二つ買ったから2億円。ローン? 私にはローンを借りる資格はない。自宅の売却?将来的にはあるかもしれないが、今回の購入には関係ないし、消費増税も関係ない。分相応の税金を払うのは当然の義務」と話した。

 また、他のマンションのとの比較については、「利便性が一番。それに眺望。近くには眺望のいいマンションはない。隈研吾さん? もちろん世界的な建築家というのは知っていますよ。それも選択枝の一つ」と語った。

◇    ◆   ◇

 Aさんが語ったように、富裕層にとっては坪単価の20万円の差はたいしたことがないということだ。しかし、このところの都心・準都心部のマンション単価は続々記者の予想を超えてきている。記者はアッパーミドルの購入限界能力は坪単価にして250万円、グロスにして6,000万円と見ていたが、アベノミクス効果は50~100万円ぐらい引き上げたとみる。最近人気のマンションは軒並みこの単価に属する。

 月島の「キャピタルゲート」も新宿御苑の「富久町」も330万円だし、桜上水の建て替えも330万円ぐらいになる模様だ。新豊洲の「スカイズ」の260万円というのも、納得はするが記者の相場観からすればやや高い。

 アベノミクスにもっとも敏感に反応したのは富裕層・アッパーミドルで、いまのマンションブームを支えているのもこの層だ。「池袋」は「豊島区ナンバー一」との相乗効果が驚異的な売れ行きとなった理由だ。さっき書いた「晴海」も間違いなく坪300万円が相場になる。

 【お断り】「Brillia Tower池袋」の単価については、当初は坪330万円と書き、先日の記事でも「340万円でないか」と書いたが、実際は350万円でした。訂正します。

東京建物「Brillia Tower池袋」わずか7週間で全322戸が完売

活況市場を反映 記録的な一挙販売 三井・野村「月島」

初物づくし 満艦飾の六社共同「SKYZ(スカイズ)」

 

 

カテゴリ: 2013年度
 

 

 

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